JPH10204293A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物Info
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- JPH10204293A JPH10204293A JP33486997A JP33486997A JPH10204293A JP H10204293 A JPH10204293 A JP H10204293A JP 33486997 A JP33486997 A JP 33486997A JP 33486997 A JP33486997 A JP 33486997A JP H10204293 A JPH10204293 A JP H10204293A
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Abstract
たPAS樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリアリーレンスルフィド100重量部
に対して、改質剤として有機アミド化合物0.2〜10
重量部を配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組
成物。
Description
アミド化合物を配合したポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物に関し、更に詳しくは、流動性と靭性に優れたポ
リアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。本発明の
樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィドの高融点を維
持しつつ、ガラス転移温度及び冷結晶化温度(降温時の
結晶化温度)を低下させることができるので、従来より
低い金型温度でも結晶化を促進させて成形することが可
能で、しかも強度に優れ、かつ、良好な表面性を有する
成形品を与えることができる。また、本発明の樹脂組成
物は、ポリアリーレンスルフィドの耐熱性、難燃性、耐
薬品性などの諸特性を有することに加えて、溶融流動
性、引張伸度、引張強度に優れているため、射出成形品
のみならず、不織布やモノフィラメントなどの用途にも
好適である。
Sと略記)は、式[−Ar−S−](ただし、−Ar−
は、アリーレン基である。)で表されるアリーレンスル
フィドの繰り返し単位を主たる構成要素とする芳香族ポ
リマーであり、ポリフェニレンスルフィド(以下、PP
Sと略記)がその代表例である。PASは、一般に、耐
熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、機械的性質等に
優れているため、広範な分野で使用されている。
表される靭性が低いという欠点がある。PASは、分子
量を上げると靭性が改良されるが、同時に溶融粘度も上
がるため、精密な成形品、複雑な形状を有する成形品な
どを、流路が狭い複雑な形状の金型を用いて射出成形す
ることが困難になる。特に、ガラス繊維などの充填剤を
多量に配合したPAS樹脂組成物は、機械的性質や寸法
安定性、耐熱性、電気的性質などの諸特性が改善される
ものの、溶融粘度が極めて高くなるため、溶融流動性が
大幅に低下する。したがって、成形時におけるPASの
流動性を確保する必要上、その分子量を上げるのには限
度があり、靭性を犠牲にせざるを得なかった。
(Tg)及び冷結晶化温度(Tc)が高く、例えば、P
PSの場合には、示差走査熱量計(DSC)により測定
したTgが約90℃で、Tcが約125℃である。その
ため、PASを用いて、射出成形により成形品を得る場
合、結晶化を促進し、かつ、良好な外観の成形品を得る
には、通常120℃以上、多くの場合130℃以上の高
温に加熱された金型を用いる必要があった。しかしなが
ら、汎用樹脂を用いた通常の射出成形においては、約1
00℃程度の金型温度で操作しているため、金型温度を
120℃以上の高温にするには、特別な設備や燃料を使
用しなければならないといった問題があった。
寸法安定性、及び形状安定性に優れた成形品を作製する
には、できるだけ急速に高い結晶化度を達成することが
好ましい。しかし、金型温度を比較的高温にして急速に
高い結晶化度を達成しても、成形品の金型内での滞留時
間が長くなるため、射出成形サイクルを短くして生産性
を上げるのには限度があった。
しては、例えば、モノマー性のカルボン酸エステルを添
加する方法(特開昭62−230848号公報)、チオ
エーテルを添加する方法(特開昭62−230849号
公報)、芳香族燐酸エステルを添加する方法(特開昭6
2−230850号公報、特開平1−225660号公
報)などが提案されている。しかしながら、これらの方
法では、使用する添加物の耐熱性が乏しく、成形加工時
に蒸発ガスまたは分解ガスが発生するため、実用的では
ない。
その優れた諸特性を生かして、高度の耐熱性、難燃性、
耐薬品性などが要求される高性能フィルターへの用途展
開が期待されている。一般に、高分子材料からなるフィ
ルターとしては、不織布や多孔質体が使用されている。
不織布からなる高性能フィルターを得るには、使用する
高分子材料自体の諸特性が優れていることに加えて、捕
集効率及び圧力損失の観点から、不織布を構成する繊維
の繊度が細いことが好ましい。このため、極細繊維から
なる不織布を製造することができるメルトブロー法によ
り、PAS不織布を製造することができるならば、高性
能フィルターなどの新たな分野での用途展開を図ること
ができる。
に適用するために、メルトブロー法により極細繊維から
なる不織布とする方法について、幾つかの提案がなされ
ている。例えば、特開昭63−315655号公報に
は、平均繊度0.5デニール以下の繊維からなり、繊維
の一部が少なくとも融着または絡合している不織布で、
目付変動率が7%以下であるPPSメルトブロー不織布
が開示されている。特開平1−229855号公報に
は、平均繊維径が0.1〜0.8μmのPAS繊維から
なり、目付量が5〜500g/m2のPAS不織布が開
示されている。
れたPASメルトブロー不織布は、耐薬品性や寸法安定
性を向上させるために、PASの結晶化度を高めると、
引張伸度に代表される靭性が低下し、かつ、充分な引張
強度を得ることができないという欠点があった。より具
体的に、従来のPASメルトブロー不織布には、以下の
ような問題があった。メルトブロー法では、一般に、熱
可塑性樹脂を溶融して細孔から吐出させ、これを音速域
の加熱気体で吹き飛ばして細化繊維化し、移動しつつあ
る多孔ドラムやスクリーン上に捕集して不織布を製造し
ている。溶融樹脂を音速域の加熱気体の作用で高度に細
化するには、使用する熱可塑性樹脂の溶融粘度が低いこ
とが必須とされている。したがって、PASを用いて、
メルトブロー法により繊度のバラツキの少ない極細繊維
からなる不織布を作るには、溶融粘度が小さなPASを
用いる必要があった。
て、PASの優れた特徴である耐薬品性及び寸法安定性
を充分に発現させるには、PASの結晶化度を上げるこ
とが望ましい。しかしながら、溶融粘度が小さいPAS
を用いて得られたメルトブロー不織布は、メルトブロー
条件や熱処理条件を調整して結晶化度を上げると、靭性
が極端に低下し、実用上使用することができないものと
なる。これに対して、溶融粘度が高いPASを使用する
と、メルトブローによって極細繊維ができないばかり
か、繊度のバラツキも大きくなる。メルトブローに際
し、PASの見かけの溶融粘度を下げるためにダイ温度
を上げると、樹脂の熱劣化によるゲル状物質によりダイ
が目詰まりを起こし、長時間連続して運転できないとい
う問題が発生する。
れているが、このモノフィラメントにも多くの問題点が
あった。良好な引張強度及び結節強度を有するモノフィ
ラメントを得るには、高分子量のPASを用いる必要が
ある。繊維径のバラツキの小さいモノフィラメントを得
るには、延伸工程で安定した延伸を行う必要があるた
め、ある程度高い溶融弾性を有するPASを用いる必要
がある。ところが、分子量及び溶融弾性が高いPASを
用いると、繊維状に溶融押出する押出工程において、押
出機内で充分に溶融されずに押し出されるPASが混在
し、これが次の延伸工程で繊維径のバラツキの原因にな
るという問題があった。PASを押出機内で均一に溶融
させるために、押出温度を上げて充分な熱を加えると、
PASの一部が熱劣化を起こしてゲル状物が生成し、長
時間の連続運転ができないという欠点があった。
性と靭性という相反する特性を両立させたPAS樹脂組
成物を提供することにある。また、本発明の目的は、成
形加工時に蒸発ガスや分解ガスがほとんど発生すること
なく、PAS本来の高融点を維持しつつ、ガラス転移温
度及び冷結晶化温度を低下させることにより、耐熱性を
維持しつつ、結晶化を促進させ、より低い金型温度であ
っても強度に優れ、かつ、良好な表面性を有する成形品
を与えることができるPAS樹脂組成物を提供すること
にある。本発明の他の目的は、PAS本来の耐熱性、難
燃性、耐薬品性などの諸特性を有することに加えて、溶
融流動性、引張伸度、引張強度に優れ、射出成形品、不
織布、マルチフィラメント、モノフィラメントなどの各
種成形品の成形用材料として好適なPAS樹脂組成物を
提供することにある。
服するために鋭意研究した結果、PASに改質剤として
有機アミド化合物を特定の量比で配合することにより、
PASの流動性(溶融流動性)と靭性を飛躍的に向上さ
せることができ、更には、PAS本来の高融点を低下さ
せることなく、ガラス転移温度及び冷結晶化温度を低下
させることができ、それによって、耐熱性を維持しつ
つ、結晶化を促進させ、約100℃前後の低い金型温度
であっても良好な表面性を有する成形品の得られること
を見いだした。
不織布の製造に適用した場合、PASが本来有している
優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性などに加えて、結晶化
度を高めた状態でも優れた靭性を有し、引張強度が高
く、かつ、繊維径の小さいPASメルトブロー不織布を
得ることができる。本発明の溶融流動性に優れたPAS
樹脂組成物を用いると、見かけの溶融粘度を下げるた
め、及び押出機内でのPASの溶融を均一かつ安定させ
ることができるので、熱劣化によるゲル状物質によりダ
イが目詰まりを起こし、長時間連続して運転できないと
いう問題も解決できる。
ントの製造に適用した場合、PASが本来有している優
れた耐熱性、難燃性、耐薬品性などに加えて、繊維径の
バラツキが小さいモノフィラメントを得ることができ、
しかも長時間にわたって安定して連続的な製造を行うこ
とができる。本発明のPAS樹脂組成物は、押出機内で
の分子量の低下を抑制し、かつ、溶融流動性に優れてい
るため、高分子量のPASを用いて、引張強度及び結節
強度が改善されたモノフィラメントを得ることができ
る。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至っ
たものである。
リーレンスルフィド100重量部に対して、改質剤とし
て有機アミド化合物0.2〜10重量部を配合してなる
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。本
発明の樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤0〜80
0重量部を更に配合することができる。有機アミド化合
物としては、N−アルキルピロリドン類、N−シクロア
ルキルピロリドン類、N−アルキルカプロラクタム類、
N−シクロアルキルカプロラクタム類、カプロラクタム
類、及びN,N−ジアルキルイミダゾリジノン類からな
る群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
だし、−Ar−は、アリーレン基である。)で表される
アリーレンスルフィドの繰り返し単位を主たる構成要素
とする芳香族ポリマーである。[−Ar−S−]を1モ
ル(基本モル)と定義すると、本発明で使用するPAS
は、この繰り返し単位を通常50モル%以上、好ましく
は70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有
するポリマーである。
ニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換
基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、またはフ
ェニル基である。)、p,p′−ジフェニレンスルホン
基、p,p′−ビフェニレン基、p,p′−ジフェニレ
ンカルボニル基、ナフチレン基などを挙げることができ
る。PASとしては、主として同一のアリーレン基を有
するポリマーを好ましく用いることができるが、加工性
や耐熱性の観点から、2種以上のアリーレン基を含んだ
コポリマーを用いることもできる。
スルフィドの繰り返し単位を主構成要素とするPPS
が、加工性に優れ、しかも工業的に入手が容易であるこ
とから特に好ましい。この他に、ポリアリーレンケトン
スルフィド、ポリアリーレンケトンケトンスルフィドな
どを使用することができる。コポリマーの具体例として
は、p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位とm−フ
ェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムま
たはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り
返し単位とアリーレンケトンスルフィドの繰り返し単位
を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレ
ンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンケトンケトン
スルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロ
ックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位
とアリーレンスルホンスルフィドの繰り返し単位を有す
るランダムまたはブロックコポリマーなどを挙げること
ができる。これらのPASは、結晶性ポリマーであるこ
とが好ましい。また、PASは、靭性や強度などの観点
から、直鎖状ポリマーであることが好ましい。
カリ金属硫化物とジハロゲン置換芳香族化合物とを重合
反応させる公知の方法(例えば、特公昭63−3377
5号公報)により得ることができる。アルカリ金属硫化
物としては、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、
硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムなどを挙
げることができる。反応系中で、NaSHとNaOHを
反応させることにより生成させた硫化ナトリウムも使用
することができる。
えば、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、
2,5−ジクロロトルエン、p−ジブロムベンゼン、
2,6−ジクロロナフタリン、1−メトキシ−2,5−
ジクロロベンゼン、4,4′−ジクロロビフェニル、
3,5−ジクロロ安息香酸、p,p′−ジクロロジフェ
ニルエーテル、4,4′−ジクロロジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジクロロジフェニルケトンなどを挙げることがで
きる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて使用することができる。
導入するために、1分子当たり3個以上のハロゲン置換
基を有するポリハロゲン置換芳香族化合物を少量併用す
ることができる。ポリハロゲン置換芳香族化合物の好ま
しい例としては、1,2,3−トリクロロベンゼン、
1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリク
ロロベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、1,
3,5−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリブロモ
ベンゼン、1,3−ジクロロ−5−ブロモベンゼンなど
のトリハロゲン置換芳香族化合物、及びこれらのアルキ
ル置換体を挙げることができる。これらは、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することが
できる。これらの中でも、経済性、反応性、物性などの
観点から、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,
5−トリクロロベンゼン、及び1,2,3−トリクロロ
ベンゼンがより好ましい。
リドンなどのN−アルキルピロリドン、1,3−ジアル
キル−2−イミダゾリジノン、テトラアルキル尿素、ヘ
キサアルキル燐酸トリアミドなどに代表されるアプロチ
ック有機アミド溶媒が、反応系の安定性が高く、高分子
量のポリマーが得やすいので好ましい。PASの分子量
は、特に限定されず、低分子量のものから高分子量のも
のまで使用することができる。例えば、PPSの場合、
溶融粘度(310℃、剪断速度1200/secで測
定)が、通常5〜600Pa・s、好ましくは10〜4
00Pa・s、より好ましくは20〜300Pa・sで
ある。本発明では、比較的高分子量、したがって高溶融
粘度のPASを用いても、流動性を改善することができ
る。ただし、充填剤を高充填する場合には、溶融粘度が
比較的小さいPASを用いることが成形性の観点から好
ましい。
理工程において、先ず極性溶媒と分離され、更に、洗浄
により極性溶媒が除去されているため、残留する極性溶
媒の含有率は、通常0.003重量%以下と微量であ
る。市販のPPS製品中には、50〜100ppm程度
のごく微量のNMPが含まれているだけである。その理
由は、重合後に、NMPなどの極性溶媒を回収して再利
用することに加えて、オリゴマーや未反応モノマー、副
生物、不純物などを可能な限り除去して高品質のポリマ
ーを得るために、徹底した洗浄処理が行われるためであ
る。洗浄処理によって、生成PAS中に残留する極性溶
媒も除去される。
を、PAS中に比較的多量に残留させることはなかっ
た。もちろん、従来、有機アミド化合物を改質剤として
PASに配合することは行われていなかった。これに対
して、本発明のPAS樹脂組成物は、重合後、精製され
たPASに、改質剤として有機アミド化合物を添加する
ことにより調製される。
は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−
ピロリドン(以下、「NMP」と略記)、N−シクロヘ
キシル−2−ピロリドン等のN−アルキルピロリドン類
またはN−シクロアルキルピロリドン類;N−メチル−
ε−カプロラクタム、N−シクロヘキシルカプロラクタ
ムなどのN−アルキルカプロラクタム類またはN−シク
ロアルキルカプロラクタム類;ε−カプロラクタムなど
のカプロラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン等のN,N−ジアルキルイミダゾリジノン類;
テトラメチル尿素等のテトラアルキル尿素類;ヘキサメ
チル燐酸トリアミド等のヘキサアルキルリン酸トリアミ
ド類;等が挙げられる。これらの有機アミド化合物は、
それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わ
せて用いてもよい。
ピロリドン類、N−シクロアルキルピロリドン類、N−
アルキルカプロラクタム類、N−シクロアルキルカプロ
ラクタム類、カプロラクタム類、及びN,N−ジアルキ
ルイミダゾリジノン類が好ましく、N−アルキルピロリ
ドン類、カプロラクタム類、及びN,N−ジアルキルイ
ミダゾリジノン類が特に好ましい。本発明で改質剤とし
て使用する有機アミド化合物の配合割合は、PAS10
0重量部に対して、0.2〜10重量部、好ましくは
0.5〜8重量部、より好ましくは1〜6重量部であ
る。有機アミド化合物の配合割合が小さ過ぎると、流動
性と靭性の改良効果が小さく、ガラス転移温度及び冷結
晶化温度の低下効果も小さくなる。有機アミド化合物の
配合割合が大き過ぎると、強度が低下したり、ブリード
するなどの好ましくない現象が起こるおそれがある。
も必須とされる成分ではないが、機械的強度、耐熱性、
寸法安定性、電気的性質等の諸特性に優れた成形品を得
るためには、その目的に応じて各種充填剤を配合するこ
とが好ましい。本発明は、充填剤配合の樹脂組成物にお
いても、顕著な効果を奏することができる。
素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、
ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊
維、チタン酸カリ繊維などの無機質繊維状物;ステンレ
ス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮などの金属繊維状
物;ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アク
ルリ樹脂などの高融点有機質繊維状物質;などの繊維状
充填剤を挙げることができる。また、充填剤としては、
例えば、マイカ、シリカ、タルク、アルミナ、カオリ
ン、硫酸カルシウム、炭酸カルシム、酸化チタン、カー
ボンブラック、グラファイト、フェライト、クレー、ガ
ラス粉、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ニッケル、酸
化チタン、酸化鉄、石英粉末、炭酸マグネシウム、硫酸
バリウムなどの粒状または粉末充填剤;などが挙げられ
る。
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。充
填剤は、必要に応じて集束剤や表面処理剤により処理さ
れたものであってもよい。集束剤または表面処理剤とし
ては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化
合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能
性化合物が挙げられる。これらの化合物は、予め表面処
理または集束処理を施してから用いるか、あるいは樹脂
組成物調製の際に、同時に添加してもよい。充填剤の使
用割合は、その種類や比重、使用目的、用途などにもよ
るが、PAS100重量部に対して、通常0〜800重
量部、好ましくは5〜700重量部、より好ましくは1
0〜300重量部である。充填剤の配合割合が小さ過ぎ
ると充填効果が小さく、逆に、過大であると成形性に問
題を生じるほか、成形品の機械的強度が低くなることが
ある。
樹脂を配合することができる。その他の熱可塑性樹脂と
しては、PASが溶融加工される高温条件下において安
定な熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の具体例と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリテトラフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフ
ッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、
プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化
ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、エ
チレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素
樹脂;ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアルキ
ルアクリレート、ABS樹脂、ポリ塩化ビニルを挙げる
ことができる。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
じて、エポキシ基含有αオレフィン系共重合体などの耐
衝撃性改質剤、アミノアルコキシシラン化合物などのシ
ランカップリング剤、エチレングリシジルメタクリレー
トなどの樹脂改良剤;ペンタエリスリトールテトラステ
アレートなどの滑剤;熱硬化性樹脂;酸化防止剤、紫外
線吸収剤などの安定剤;ボロンナイトライドなどの核
剤;難燃剤;染料や顔料等の着色剤;などを配合するこ
とができる。
用いられる設備と方法により調製することができる。す
なわち、必要な成分を混合し、1軸または2軸の押出機
を使用して混練し、押し出して成形用ペレットとするこ
とができる。必要成分の一部をマスターバッチとして混
合し、成形する方法、また、各成分の分散混合を良くす
るために、使用する原料の一部を粉砕し、粒径を揃えて
混合し、溶融押し出しすることなどもできる。PAS
は、有機アミド化合物を極性溶媒として用いることによ
り合成可能であるため、重合後、常法に従って、オリゴ
マーや未反応モノマー、副生物、不純物などを除去して
精製した後、得られた精製PASに、有機アミド化合物
を所定の割合になるよう混合してもよい。
と靭性に優れており、しかもPAS本来の高融点を維持
しつつ、ガラス転移温度及び冷結晶化温度が適度に低減
されているので、低温金型を用いて、充分な強度と靭性
を有し、良好な表面性を有する成形品を与えることがで
きる。また、本発明のPAS樹脂組成物は、PAS本来
の耐熱性、難燃性、耐薬品性などの諸特性を有すること
に加えて、溶融流動性、引張伸度、引張強度に優れてい
るため、不織布やモノフィラメントなどの用途にも好適
である。
を製造するには、スパンボンド法やメルトブロー法を採
用することができ、それによって、極細繊維からなり、
繊度のバラツキが小さく、耐熱性、難燃性、耐薬品性、
靭性、引張強度、寸法安定性などに優れた不織布を得る
ことができる。本発明のPAS不織布は、高性能フィル
ターの用途に好適である。本発明のPAS樹脂組成物
は、常法に従って、モノフィラメントに成形することが
できる。本発明のPAS樹脂組成物は、溶融流動性に優
れているため、高い分子量と溶融弾性を有するPASを
用いて、繊維径のバラツキの小さなモノフィラメントを
安定的に製造することができる。本発明のPASモノフ
ィラメントは、繊維径のバラツキが小さく、耐熱性、難
燃性、耐薬品性、引張強度、結節強度などに優れてい
る。
て、本発明についてより具体的に説明するが、本発明
は、これら実施例により限定されるものではない。物性
の測定方法は、以下に示すとおりである。 (1)溶融粘度 キャピログラフ(東洋精機社製)を用いて、温度310
℃、剪断速度1200/secの条件で測定した。 (2)ガラス転移温度(Tg)、冷結晶化温度(T
c)、及び融点(Tm) 溶融押出により作製したペレット状物を310℃でホッ
トプレスした後、急冷して得たシートについて、ガラス
転移温度(Tg)、冷結晶化温度(Tc)、及び融点
(Tm)を測定した。より具体的には、パーキン・エル
マー社製の示差走査熱量計(DSC)を用いて、試料
を、窒素雰囲気中、30℃で3分間保持した後、10℃
/minの昇温速度で340℃まで昇温し、その際にT
g及びTmを測定した。Tcは、340℃から10℃/
minの降温速度で降温する際の溶融結晶化温度を測定
した。
度) 溶融押出により作製したペレット状物を用いて、射出成
形により試験片を作製し、ASTM D638に準拠し
て、標点間距離50mm、クロスヘッド速度5mm/m
inで測定した。 (4)重量平均分子量(Mw) 溶融押出により作製したペレット状物を用いて、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC法)によ
り重量平均分子量を求めた。測定条件は、以下の通りで
ある。インジェクター、ポンプ、カラム(SHODEX
AT80 M/S 2本)及び水素炎イオン検出器
(FID)を備えた測定装置に、1−クロロナフタレン
を0.7ml/分の流速で流しながら、濃度0.05重
量%の1−クロロナフタレン溶液に調整した試料を注入
し、分析した。分子量の校正は、標準ポリスチレン及び
Ph−S−(Ph−S)3−Ph(ただし、Phは、フ
ェニル基またはフェニレン基を示す。)で行い、データ
処理には、システムインスツルメント社製SIC700
0Bを用いた。
ピロライザーを装着したガスクロマトグラフィー(パー
ジ・アンド・トラップGC)の濃縮器中で、330℃で
15分間処理し、その間に発生する有機アミド化合物及
び他のガス成分を−40℃で捕集し、ガスクロマトグラ
フィー分析により有機アミド化合物を定量した。改質剤
として有機アミド化合物を添加した樹脂組成物について
は、有機アミド化合物の含有量を下一桁まで表示し、有
機アミド化合物無添加の樹脂組成物については、有機ア
ミド化合物(重合溶媒として使用したNMP)含有量が
微量のため下3桁まで表示した。 (6)低温金型評価 溶融押出により作製したペレット状物を、金型温度10
5℃にて射出成形して試験片を作製し、得られた試験片
を目視で観察して、以下の基準で表面光沢を判定した。 ◎:光沢が優れている、 ○:光沢が良好である、 ×:光沢が劣る。
kgと、46.21重量%の硫化ナトリウム(Na
2S)を含む硫化ナトリウム・5水塩420kgとを仕
込み、窒素ガスで置換後、撹拌しながら徐々に200℃
まで昇温して水158gを溜出させた。このとき、62
モルのH2Sが揮散した。上記脱水工程後、重合缶にp
−ジクロロベンゼン(以下、「pDCB」と略記)37
1kgとNMP189kgとを加え、撹拌しながら22
0℃で4.5時間反応させた。その後、撹拌を続けなが
ら、水49kgを圧入し、255℃に昇温して5時間反
応させた。反応終了後、室温付近まで冷却してから、内
容物を100メッシュのスクリーンに通して粒状ポリマ
ーを篩分し、アセトン洗2回、さらに水洗3回を行い、
洗浄ポリマーを得た。更に、この洗浄ポリマーを3重量
%塩化アンモニム水溶液で洗浄した後、水洗を行った。
脱水後、回収した粒状ポリフェニレンスルフィド(ポリ
マーA)を105℃で3時間乾燥した。このようにして
得られたポリマーAの収率は92%で、溶融粘度は55
Pa・sであった。
ころ、水160kgと62モルのH2Sが溜出した。次
に、pDCB364kgとNMP250kgとを加え、
撹拌しながら220℃で4.5時間反応させた。その
後、撹拌を続けながら圧入する水量を59kgにした以
外は、合成例1と同様に重合反応及び生成ポリマーの後
処理を行って、粒状ポリフェニレンスルフィド(ポリマ
ーB)を得た。得られたポリマーBの収率は89%で、
溶融粘度は140Pa・sであった。
Sを含む硫化ナトリウム・5水塩390kgとを仕込
み、合成例1と同様に脱水処理を行ったところ、水14
7kgと57モルのH2Sが溜出した。次に、重合缶に
pDCB339kg、NMP218kg、及び水9.2
kgを加え、撹拌しながら220℃で4.5時間反応さ
せた。その後、撹拌を続けながら水70kgを圧入し、
255℃に昇温して3時間反応した後、245℃で8時
間反応を継続した。反応終了後、合成例1と同様に処理
して粒状ポリフェニレンスルフィド(ポリマーC)を回
収した。得られたポリマーCの収率は90%で、溶融粘
度は236Pa・sであった。
Sを含む硫化ナトリウム・5水塩373kgとを仕込
み、合成例1と同様に脱水処理を行ったところ、水14
2kgと54モルのH2Sが溜出した。次に、重合缶に
pDCB320kg、1,2,4−トリクロロベンゼン
0.79kg、NMP274kg、及び水0.9kgを
加え、撹拌しながら220℃で1時間反応させ、次い
で、230℃で3時間反応させた。その後、撹拌を続け
ながら水77kgを圧入し、255℃に昇温して1時間
反応した後、245℃で3時間反応を継続した。反応終
了後、室温付近まで冷却してから、内容物を100メッ
シュのスクリーンに通して粒状ポリマーを篩分し、アセ
トン洗2回、さらに水洗4回行い、洗浄ポリフェニレン
スルフィド(ポリマーD)を得た。脱水後、回収した粒
状ポリマーは、105℃で3時間乾燥した。得られたポ
リマーDの収率は90%で、溶融粘度は517Pa・s
であった。
157kgと62モルのH2Sが溜出した。次に、pD
CB374kgとNMP189kgとを加えた以外は、
合成例1と同様に重合反応及び生成ポリマーの後処理を
行って、粒状ポリフェニレンスルフィド(ポリマーE)
を得た。得られたポリマーEの収率は93%で、溶融粘
度は28Pa・sであった。
例2と同様に脱水工程及び重合反応を行い、反応終了
後、室温付近まで冷却してから、内容物を100メッシ
ュのスクリーンに通して粒状ポリマーを篩分し、アセト
ン洗2回、更に水洗4回行い、ポリフェニレンスルフィ
ド(ポリマーF)を得た。脱水後、回収した粒状ポリマ
ーを105℃で3時間乾燥した。得られたポリマーFの
収率は89%で、溶融粘度は210Pa・sであった。
P2重量%をヘンシェルミキサーで均一にドライブレン
ドした後、45mmφの二軸混練押出機(池貝鉄鋼社製
PCM−45)へ供給し、シリンダー温度260〜33
0℃にて混練を行い、ペレット状物を作製した。得られ
たペレット状物を150℃で6時間乾燥した後、射出成
型機(東芝機械社製IS−75)で、金型温度145
℃、シリンダー温度300〜320℃で引張り試験片を
作製した。樹脂組成物の組成及び物性の測定結果を表1
に示した。
に示す量比の各樹脂成分とNMPを用いたこと以外は、
実施例1と同様にして各ペレット状物を作製し、引張り
試験片を作製した。各樹脂組成物の組成及び物性の測定
結果を表1に示した。
A59重量%、NMP1重量%、及びガラス短繊維(日
本電気ガラス社製、直径13μm)40重量%を用いた
こと以外は、実施例1と同様にしてペレット状物を作製
し、引張り試験片を作製した。更に、低温金型での特性
を見るために金型温度を105℃として、同様に射出成
形を行い、作製した試験片を目視で観察し、表面光沢を
判定した。樹脂組成物の組成及び物性の測定結果を表2
に示した。
1に示す量比の各樹脂成分とNMPとガラス短繊維を用
いたこと以外は、実施例8と同様にして各ペレット状物
を作製し、引張り試験片を作製した。各樹脂組成物の組
成及び物性の測定結果を表2に示した。
μm)
に、NMPをε−カプロラクタムに、それぞれ変更した
こと以外は、実施例1と同様にしてペレット状物を作製
し、引張り試験片を作製した。樹脂組成物の組成及び物
性の測定結果を表3に示した。
に、NMPを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
に、それぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にし
てペレット状物を作製し、引張り試験片を作製した。樹
脂組成物の組成及び物性の測定結果を表3に示した。
ーF98重量%とε−カプロラクタム2重量%をヘンシ
ェルミキサーで均一にドライブレンドした後、45mm
φの二軸混練押出機(池貝鉄鋼社製PCM−45)へ供
給し、シリンダー温度260℃〜330℃にて混練を行
い、ペレット状物を得た。得られたペレット状物を15
0℃で6時間乾燥した後、ノズル径0.3mm、ノズル
数300個のメルトブローダイを装着した40mmφの
単軸押出機に供給し、メルトブローダイ通過の際の樹脂
温度(紡糸温度)320℃、吐出量0.1g/min/
ノズル、ガス温度350℃、エア量3Nm3/minの
条件でメルトブローして不織布を作成した。この結果、
平均繊度3.5μm、目付量150g/m2で、ショッ
トの発生のないPPSメルトブロー不織布が得られた。
この不織布を150℃で5時間熱処理し、幅2cmの短
冊状に切り出し、測定温度23℃、標点間距離50m
m、クロスヘッド速度5mm/minで引張り試験を行
い、引張り強度を求めたところ、1.3kg/cmであ
った。
Fをヘンシェルミキサーで均一にドライブレンドした
後、45mmφの二軸混練押出機(池貝鉄鋼社製PCM
−45)へ供給し、シリンダー温度260℃〜330℃
にて混練を行い、ペレット状物を得た。得られたペレッ
ト状物を150℃で6時間乾燥した後、ノズル径0.3
mm、ノズル数300個のメルトブローダイを装着した
40mmφの単軸押出機に供給し、メルトブローダイ通
過の際の樹脂温度(紡糸温度)320℃、吐出量0.1
g/min/ノズル、ガス温度350℃、エア量3Nm
3/minの条件でメルトブローして不織布を作成し
た。この結果、平均繊度8.5μm、目付量150g/
m2で、ショットの発生のないPPSメルトブロー不織
布が得られたが、平均繊度が大きすぎ、フィルター用途
には、用いることができないものであった。この不織布
を150℃で5時間熱処理し、幅2cmの短冊状に切り
出し、測定温度23℃、標点間距離50mm、クロスヘ
ッド速度5mm/minで引張り試験を行い、引張り強
度を求めたところ、1.0kg/cmであった。
ーD98重量%とε−カプロラクタム2重量%を、ヘン
シェルミキサーで均一にドライブレンドした後、45m
mφの二軸混練押出機(池貝鉄鋼社製PCM−45)へ
供給し、シリンダー温度260℃〜330℃にて混練を
行い、ペレット状物を得た。得られたペレット状物を1
50℃で6時間乾燥した後、ノズル孔径2.8mmのノ
ズル装着した25mmφの単軸押出機に供給し、押出温
度310℃で繊維状に溶融押出し、90℃の温水で冷却
した後、130℃に調整した湿熱バスで4倍に1段延伸
し、180℃調整にした湿熱バスで2倍に1.5段延伸
し、さらに、240℃に調整した乾湿バスで約6秒間、
0.98倍に弛緩処理して、繊維径約250μmのPA
S繊維を得た。繊維製造中、30時間安定した繊維が得
られ、繊維径のバラツキもほとんどなく、収率98%は
以上であった。
Dを、45mmφの二軸押出機(池貝鉄鋼社製PCM−
45)へ供給し、シリンダー温度260℃〜330℃に
て混練を行い、ペレット状物を得た。得られたペレット
状物を150℃で6時間乾燥した後、実施例15と同様
な条件で繊維を作成した。得られた繊維の繊維径のバラ
ツキが大きく、収率は60%であった。
ーD98%を、45mmφの二軸混練押出機(池貝鉄鋼
社製PCM−45)へ供給し、シリンダー温度260℃
〜330℃にて混練を行い、ペレット状物を得た。得ら
れたペレット状物を150℃で6時間乾燥した後、実施
例15と同様の単軸押出機に供給し、押出温度340℃
で繊維状に溶融押出し、90℃の温水で冷却した後、1
30℃に調整した湿熱バスで4倍に1段延伸し、180
℃調整にした湿熱バスで1.5倍に2段延伸し、さらに
240℃に調整した乾湿バスで約6秒間、0.98倍に
弛緩処理して、繊維径約250μmのPAS繊維を得
た。3時間繊維を製造した後、繊維径のバラツキが大き
くなり、長時間安定した繊維を得ることができなかっ
た。
成形時の結晶化促進効果が著しく改善されたPAS樹脂
組成物が提供される。より具体的には、本発明により、
次の如き利点が得られる。 (1)本発明のPAS樹脂組成物は、溶融流動性の改善
により、複雑な形状の成形品に容易に成形することがで
きる。また、その成形品は、機械的性質に優れるため、
軽量化が図れる。 (2)本発明のPAS樹脂組成物は、溶融流動性の改善
により、押出成形時に押出機の負荷を低減することがで
き、安定した押出成形を行うことができる。 (3)本発明のPAS樹脂組成物は、通常より20〜5
0℃低い金型温度で射出成形しても、表面光沢が良好
で、高い結晶化度の成形品が得られる。 (4)本発明のPAS樹脂組成物を射出成形すると、成
形サイクルが短くなり、生産性が向上し、コストの低減
を達成することができる。 (5)本発明のPAS樹脂組成物は、熱安定性に優れ、
添加剤に起因する蒸発ガスや分解ガスが殆ど発生せず、
これらによる障害がほとんどない。 (6)本発明のPAS樹脂組成物を用いて、極細繊維か
らなり、繊度のバラツキが小さく、耐熱性、難燃性、耐
薬品性、靭性、引張強度、寸法安定性などに優れた不織
布を得ることができる。このPAS不織布は、高性能フ
ィルターの用途に好適である。 (7)本発明のPAS樹脂組成物を用いて、繊維径のバ
ラツキの小さなモノフィラメントを安定的に製造するこ
とができる。このPASモノフィラメントは、繊維径の
バラツキが小さく、耐熱性、難燃性、耐薬品性、引張強
度、結節強度などに優れている。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリアリーレンスルフィド100重量部
に対して、改質剤として有機アミド化合物0.2〜10
重量部を配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組
成物。 - 【請求項2】 ポリアリーレンスルフィド100重量部
に対して、充填剤0〜800重量部を更に配合してなる
請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 有機アミド化合物が、N−アルキルピロ
リドン類、N−シクロアルキルピロリドン類、N−アル
キルカプロラクタム類、N−シクロアルキルカプロラク
タム類、カプロラクタム類、及びN,N−ジアルキルイ
ミダゾリジノン類からなる群より選ばれる少なくとも一
種の化合物である請求項1または2に記載の樹脂組成
物。 - 【請求項4】 ポリアリーレンスルフィドが、ポリフェ
ニレンスルフィドである請求項1ないし3のいずれか1
項に記載の樹脂組成物。
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-
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