JPH10204049A - アゾビス系化合物の精製方法 - Google Patents

アゾビス系化合物の精製方法

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JPH10204049A
JPH10204049A JP9440597A JP9440597A JPH10204049A JP H10204049 A JPH10204049 A JP H10204049A JP 9440597 A JP9440597 A JP 9440597A JP 9440597 A JP9440597 A JP 9440597A JP H10204049 A JPH10204049 A JP H10204049A
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JP
Japan
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azobis
hydrogen cyanide
compound
carbon atoms
crude
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JP9440597A
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English (en)
Inventor
Koji Tamura
鋼二 田村
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】不純物としてシアン化水素を含有するアゾビス
系化合物から簡便で高収率にしかも工業的に有利に、高
純度のアゾビス系化合物を精製する方法を提供する。 【構成】シアン化水素を含有するアゾビス系化合物にア
ンモニウムイオンと脂肪族アルデヒドを作用してアミノ
ニトリルとする工程と該処理液からアゾビス系化合物を
分離精製する工程とを含むアゾビス系化合物の精製方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不純物としてシア
ン化水素を含有する粗製アゾビス系化合物から簡便で高
収率に高純度のアゾビス系化合物を精製する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水溶液中のシアン化水素の低減方法とし
ては(1)次亜塩素酸ナトリウムを作用する方法「環境
技術研究会編:下水・廃水処理ガイドブック、尼崎印刷
(株)昭和49年9月、P.125〜127」や(2)ホ
ルマリンを作用後、アルカリ加水分解する方法「岡田、
大塚、シアノ化合物の化学と工業 昭和51年6月、
P.62〜64」等が一般的である。一方、カルボキシ
ル基とニトリル基を有するアゾビス系化合物の精製方法
に関するのものとしては特開平3−291262号公報
や、USP2520338号にこのようなアゾビス化合
物の製造法の最終工程として、精製工程が開示されてい
る。
【0003】方法(1)と(2)の方法はいずれもアル
カリ条件下にて加熱処理を行う為、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾビス系化合物は分解するので収率低下
を引き起こすことからアゾビス系化合物中の不純物とし
てのシアン化合物を低減せしめる方法としては適切では
ない。USP2520338号公報では原料ケト酸ソー
ダにヒドラジン、シアン化水素と順次作用し、得られた
ヒドラゾ化合物を水中で塩素酸化することでアゾビス系
化合物スラリーを得ている。この様にして得られたスラ
リー中には余剰のシアン化水素が含有してしまう。この
為、固液分離後のアゾビス湿結晶中には著量のシアン化
水素が不純物として含有しており、製品の品質低下や作
業環境の悪化等の問題点を引き起こしていた。この様な
問題点はアゾビス(シアノペンタン酸)製造だけではな
く、アゾビス(シアノヘキサン酸)やアゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾビス系化合物についても同様の問題
点を抱えていた。上記理由から工業的に満足のできるア
ゾビス系化合物の精製方法の開発が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、不純
物としてシアン化水素を含有する粗製アゾビス系化合物
から簡便で高収率に高純度のアゾビス系化合物を精製す
る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは工業的に有
利なアゾビス系化合物の精製方法について鋭意検討を行
った結果、シアン化水素を不純物として含有する粗製ア
ゾビス系化合物のスラリーにアンモニウムイオンと脂肪
族アルデヒドを作用してアミノニトリルとしてシアン化
水素濃度を低減後、該処理液から簡便な操作で安全にア
ゾビス系化合物を分離精製すると、従来行われている脂
肪族アルデヒドによるシアン化水素低減条件ではシアン
ヒドリンのヒドロキシ酸への分解の条件とアゾビス化合
物の分解を防ぐ条件の折り合いがつけ難く、アゾビス系
化合物の分解が生じるため好ましくないと考えられてい
たにもかかわらず、適切な条件を選べばアゾビス化合物
の分解をさほど伴わずに効率的にシアン化水素を低減で
きることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、不純物としてシアン化水
素を含有する下記一般式[1]
【化2】 (式中、R1とR2は各々水素、ハロゲン、炭素数1〜4
のアルコキシ基、又はヒドロキシカルボニル基で置換さ
れていてもよい炭素数1〜7の直鎖あるいは分岐状のア
ルキル基を示すか、R1とR2が結合して1つ以上の炭素
数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシカル
ボニル基で置換されていてもよい6〜10員環を形成す
る。)で示されるアゾビス系化合物の精製方法におい
て、粗製アゾビス系化合物にアンモニウムイオンと炭素
数1〜5の脂肪族アルデヒドを作用してアミノニトリル
とする工程(1)と該処理液からアゾビス系化合物を分
離精製する工程(2)とを含むことを特徴とするアゾビ
ス系化合物の精製方法にある。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明で
使用するアゾビス系化合物としては、具体的には、2,2'
- アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNとい
う)、2,2'- アゾビス−(2,4-ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'- アゾビス−(2-メチルブチロニトリル)、
アゾビスイソバレロニトリル、1,1'- アゾビス−(シク
ロヘキサンカルボニトリル)、2,2'-アゾビス−(4-メ
トキシ -2,4-ジメチルバレロニトリル)、4,4'- アゾビ
ス(4-シアノペンタン酸)、5,5'- アゾビス−(5-シア
ノヘキサン酸)(以下、ACHAという)等が挙げられ
るがこれ等に限定されるものではない。
【0008】本発明で使用するアンモニウム源として
は、具体的には、アンモニア、塩化アンモニウム、硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム
等が挙げられる。又、使用する炭素数1〜5の脂肪族ア
ルデヒドとして具体的には、ホルムアルデヒド(ホルマ
リン)、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-
ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド等が挙げられ
る。経済性やシアン濃度の低減効果等から硫酸アンモニ
ウムとホルマリンの組み合わせが特に好ましい。
【0009】本発明で粗製アゾビス系化合物にアンモニ
ウムイオンと炭素数1〜5の脂肪族アルデヒドを作用し
てアミノニトリルとする工程(1)の処理温度として
は、5〜85℃の範囲で適用されるが、35〜50℃が
好ましい。処理時間は、処理温度によって変動するが、
通常は4時間以内、0.1〜24時間の範囲で適用され
る。アルデヒドとアンモニウムイオンの使用量はシアン
化水素の含有量やアルデヒドの種類によって異なるが、
通常はシアン化水素に対して3〜5当量であることが好
ましい。処理時のpH範囲は通常、pH6以下で適応さ
れるが、アゾビス系化合物の取得収率やシアン化水素の
低減効果などからpH0.5〜2.5が特に好ましい。
【0010】本発明によってシアン化水素含有量を低減
した粗製アゾビス系化合物からアゾビス系化合物を精製
する工程(2)の手法としては抽出、洗浄、再結晶等の
一般的操作が挙げられる。
【0011】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもの
ではない。
【0012】実施例1 USP2520338号に記載された方法に準じてアセ
トンにヒドラジン一水和物、シアン化水素、塩素を作用
してAIBNの合成を行った。得られたシアン化水素を
含有する粗製AIBNスラリー(AIBN8.79wt
%、シアン化水素0.2wt%)1500gに99.5
wt%硫酸アンモニウム36.8gと37.6wt%ホ
ルマリン44.3gを加え、35%塩酸を用いてpH
0.5に調整した。その後、40℃にて3.5時間加熱
撹拌を行った。処理後のスラリーについて「阿蘇、分析
化学 培風館p249(1950).シアン化合物の定
量」記載の方法でシアン化水素含有量を分析したところ
120ppmまで低減していた。該スラリーについて固
液分離を行った後、AIBNケーキを水190gで洗浄
して湿結晶AIBN143.7gを得た。前述の方法で
湿結晶中のシアン化水素含有量を分析したところ13p
pmであった。又、高速液体クロマトグラフィー(以下
HPLCという)分析を行ったところ得られた湿結晶A
IBNの純度は89.0%であり、乾燥後の純度は9
9.9%であった。上記からAIBNの精製における純
分換算取得収率は97.0%であった。
【0013】実施例2〜7、比較例 アルデヒドとアンモニウム源の種類と使用量を表1の様
に変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を
表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例8 USP2520338号に記載された方法に準じて5−
ケトヘキサン酸にヒドラジン一水和物、シアン化水素、
塩素を作用してACHAの合成を行った。得られたシア
ン化水素を含有する粗製ACHAスラリー(ACHA1
6.0wt%、シアン化水素0.3wt%)1500g
について実施例1と同様にして99.5wt%硫酸アン
モニウム36.8gと37.6wt%ホルマリン44.
3gを加え、35%塩酸を用いてpH0.5に調整し
た。その後、40℃にて3.5時間加熱撹拌を行った。
処理後のスラリーについて実施例1記載の方法でシアン
化水素含有量を分析したところ150ppmまで低減し
ていた。該スラリーについて固液分離を行った後、AC
HAケーキを水190gで洗浄することで湿結晶ACH
A268.5gを得た。前述の方法で湿結晶中のシアン
化水素含有量を分析したところ20ppmであった。
又、HPLC分析を行ったところ得られた湿結晶ACH
Aの純度は79.8%であり、乾燥後の純度は99.7
%であった。上記からACHAの精製における純分換算
取得収率は89.0%であった。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法によれば、不純物としてシ
アン化水素を含有する粗製アゾビス系化合物から簡便で
高収率に高純度のアゾビス系化合物を精製する方法を提
供する事ができた。また、猛毒のシアン化水素をアミノ
ニトリルとしてから精製工程を行う為、安全性が高いア
ゾビス系化合物の精製方法を提供することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[1] 【化1】 (式中、R1とR2は各々水素、ハロゲン、炭素数1〜4
    のアルコキシ基、又はヒドロキシカルボニル基で置換さ
    れていてもよい炭素数1〜7の直鎖あるいは分岐状のア
    ルキル基を示すか、R1とR2が結合して1つ以上の炭素
    数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシカル
    ボニル基で置換されていてもよい6〜10員環を形成す
    る。)で示されるアゾビス系化合物の精製方法におい
    て、不純物としてシアン化水素を含有する粗製アゾビス
    系化合物にアンモニウムイオンと炭素数1〜5の脂肪族
    アルデヒドを作用してシアン化水素をアミノニトリルと
    する工程(1)と、この処理を行った後の液からアゾビ
    ス系化合物を分離精製する工程(2)とを含むことを特
    徴とするアゾビス系化合物の精製方法。
  2. 【請求項2】アンモニウムイオンが硫酸アンモニウムで
    あることを特徴とする請求項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】脂肪族アルデヒドがホルマリンであること
    を特徴とする請求項2記載の精製方法。
  4. 【請求項4】前記工程(1)において処理時のpH範囲
    がpH6以下である請求項1記載の精製方法。
JP9440597A 1996-11-25 1997-03-31 アゾビス系化合物の精製方法 Pending JPH10204049A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006316027A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Mitsui Chemicals Inc 1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン及びその精製方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006316027A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Mitsui Chemicals Inc 1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン及びその精製方法

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