JPH10204027A - (±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸の光学分割法 - Google Patents

(±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸の光学分割法

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JPH10204027A
JPH10204027A JP31807597A JP31807597A JPH10204027A JP H10204027 A JPH10204027 A JP H10204027A JP 31807597 A JP31807597 A JP 31807597A JP 31807597 A JP31807597 A JP 31807597A JP H10204027 A JPH10204027 A JP H10204027A
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dihydroxybutanoic acid
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acid
dhb
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JP31807597A
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Hiroyuki Nohira
博之 野平
Hiroaki Shidara
浩明 設楽
Satsuki Inagaki
さつき 稲垣
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性な3,4−ジヒドロキシブタン酸
を、安価に入手容易な分割剤を用いて収率、光学純度よ
く製造する方法を提供する。 【解決手段】 (±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸
に光学活性な1級アミンまたは2級アミンを作用させる
ことを特徴とする(±)−3,4−ジヒドロキシブタン
酸の光学分割法、および(±)−3,4−ジヒドロキシ
ブタン酸に光学活性な1級アミンまたは2級アミンを作
用させることにより光学分割し、得られた光学活性な
3,4−ジヒドロキシブタン酸を閉環することを特徴と
する光学活性な3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(±)−3,4−
ジヒドロキシブタン酸の光学分割法に関する。本発明は
また、該方法によって得られる光学活性な3,4−ジヒ
ドロキシブタン酸を用いる光学活性な3−ヒドロキシ−
γ−ブチロラクトンの製造方法に関する。本発明により
製造される光学活性な3−ヒドロキシ−γ−ブチロラク
トンは、光学活性な3−ヒドロキシテトラヒドロフラ
ン、光学活性な4−ヒドロキシピロリジノン、光学活性
な3−ヒドロキシピロリジン、光学活性な1−アミノ−
2,3−ジヒドロキシプロパンなどの、医薬品の合成原
料として有用な種々の光学活性体に容易に誘導すること
ができ、キラルシントンとして重要な化合物である。例
えば、光学活性な3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン
を還元して得られる光学活性な3−ヒドロキシテトラヒ
ドロフランは、HIVのプロテアーゼ阻害剤であるVX
−478[J. Am. Chem. Soc.、117巻、1181頁
(1995年)およびWO94/05639号公報参
照]の合成原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性な3,4−ジヒドロキシ
ブタン酸を製造する方法としては、(1)光学活性なグル
コース源を酸化する方法(特開平4−338359号公
報参照)、(2)光学活性なリンゴ酸誘導体を還元する方
法(特開平4−149152号公報および特開平6−1
72256号公報参照)などが知られている。また、
(3)(±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸をブルシン
を用いて光学分割する方法[J. Am. Chem. Soc.、42
巻、2314頁(1920年)およびOptical Resoluti
on Procedures for Chemical Compounds、2巻、Acids P
artI、83頁(Optical Resolution Information Cent
er)参照]も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法では、光学活性な3,4−ジヒドロキシブタ
ン酸とともにグリコール酸が副生し、これをシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで除去する必要がある。上記
(2)の方法は、原料の光学活性なリンゴ酸および還元剤
として用いる水素化ホウ素ナトリウムが高価である。ま
た、上記(3)の方法は、分割剤として用いているブルシ
ン(アルカロイドの1種)を安価に大量に入手すること
は困難であり、工業的な製法には適さない。しかして、
本発明の目的は、(±)−3,4−ジヒドロキシブタン
酸を原料として用い、これを安価に入手容易な分割剤に
よって光学分割する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、(±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸に光学
活性な1級アミンまたは2級アミンを作用させることを
特徴とする(±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸の光
学分割法、および(±)−3,4−ジヒドロキシブタン
酸に光学活性な1級アミンまたは2級アミンを作用させ
ることにより光学分割し、得られた光学活性な3,4−
ジヒドロキシブタン酸を閉環することを特徴とする光学
活性な3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの製造方法
を提供することにより達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の光学分割法においては、
分割剤として光学活性な1級アミンまたは2級アミンが
使用される。具体的には、光学活性な1−(p−トリ
ル)エチルアミン、光学活性なエリトロ−2−アミノ−
1,2−ジフェニルエタノール、光学活性な1−(p−
イソプロピルフェニル)エチルアミン、光学活性な1−
エチルベンジルアミン、光学活性なN−(2−ヒドロキ
シ)エチル−α−メチルベンジルアミン、光学活性な1
−(1−ナフチル)エチルアミン、光学活性な1−フェ
ニル−2−(p−トリル)エチルアミン、光学活性な2
−フェニル−3−メチルブチルアミンなどが使用され
る。中でも光学活性な1−(p−トリル)エチルアミ
ン、光学活性なエリトロ−2−アミノ−1,2−ジフェ
ニルエタノールが好ましい。光学活性な1級アミンまた
は2級アミンの使用量は、特に制限されないが、(±)
−3,4−ジヒドロキシブタン酸に対して0.4〜1当
量の範囲で使用するのが、効率よく、かつ高純度で分割
するために好ましい。
【0006】分割剤を作用させることにより、(+)−
3,4−ジヒドロキシブタン酸と(−)−3,4−ジヒ
ドロキシブタン酸に、それぞれ対応するジアステレオマ
ー塩が形成される。例えば、分割剤として(+)−1−
(p−トリル)エチルアミンを用いた場合には(+)−
3,4−ジヒドロキシブタン酸・(+)−1−(p−ト
リル)エチルアミン塩および(−)−3,4−ジヒドロ
キシブタン酸・(+)−1−(p−トリル)エチルアミ
ン塩が、分割剤として光学活性な(−)−エリトロ−2
−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールを用いた場合
には(+)−3,4−ジヒドロキシブタン酸・(−)−
エリトロ−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール
塩および(−)−3,4−ジヒドロキシブタン酸・
(−)−エリトロ−2−アミノ−1,2−ジフェニルエ
タノール塩が生成する。なお、これらのジアステレオマ
ー塩形成反応は、例えば(±)−3−ヒドロキシ−γ−
ブチロラクトンを塩基により加水分解して得られる
(±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸の塩と光学活性
な1級アミンまたは2級アミンの塩とを反応させること
により実施することもできる。これらのジアステレオマ
ー塩を、溶媒に対する溶解度の差を利用して分離するこ
とにより、ラセミ体の(±)−3,4−ジヒドロキシブ
タン酸が(+)−3,4−ジヒドロキシブタン酸と
(−)−3,4−ジヒドロキシブタン酸に光学分割され
る。
【0007】ここで使用される溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロ
パノールなどのアルコール;アセトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
エステル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサ
ンなどの脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テ
トラヒドロピラン、t−ブチルメチルエーテルなどのエ
ーテル;水;またはこれらの混合溶媒などを挙げること
ができる。中でも、水、エタノール、2−プロパノー
ル、アセトン、酢酸エチル、ジイソプロピルエーテル、
t−ブチルメチルエーテルまたはこれらの混合溶媒が、
高純度の光学活性な3,4−ジヒドロキシブタン酸を得
ることができるので好ましい。
【0008】溶媒の使用量は、溶媒の種類、溶解度、晶
析温度などによっても異なり、一義的に規定することは
できないが、通常、光学活性な1級アミンまたは2級ア
ミン1モルに対して150〜1500mlの範囲で用い
られる。晶析温度も、溶媒の使用量、溶媒の種類、溶解
温度などによって適宜選択することができるが、経済的
見地からは−10〜50℃の範囲が好ましい。
【0009】本発明の光学分割法は、例えば次のように
して実施される。(±)−3,4−ジヒドロキシブタン
酸を適当な溶媒に溶解または懸濁させ、これに、光学活
性な1級アミンまたは2級アミンを適当な溶媒に溶解し
たものを加えて加熱溶解したのち、冷却して過飽和とす
る。この溶液に、好ましくは、原料に用いたと同じ光学
活性な1級アミンまたは2級アミンを成分とするジアス
テレオマー塩[(+)−3,4−ジヒドロキシブタン酸
・(−)−1−(p−トリル)エチルアミン塩、(−)
−3,4−ジヒドロキシブタン酸・(+)−1−(p−
トリル)エチルアミン塩、(+)−3,4−ジヒドロキ
シブタン酸・(+)−エリトロ−2−アミノ−1,2−
ジフェニルエタノール塩、(−)−3,4−ジヒドロキ
シブタン酸・(−)−エリトロ−2−アミノ−1,2−
ジフェニルエタノール塩など]を少量接種して同種の難
溶性のジアステレオマー塩を析出させ、これを分離す
る。
【0010】このようにして得られるジアステレオマー
塩の分離方法としては、濾過、遠心分離などの方法が用
いられる。得られたジアステレオマー塩を適当な溶媒を
用いて精製したのち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、ナトリウムメトキシドなどの塩基で処理して、分割
剤として用いた光学活性な1級アミンまたは2級アミン
を回収し、さらに塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンス
ルホン酸などの酸を作用させて、(+)−3,4−ジヒ
ドロキシブタン酸または(−)−3,4−ジヒドロキシ
ブタン酸を得る。なお、上記操作は酸処理、次いで任意
的な塩基処理の順に行ってもよい。
【0011】このようにして得られた光学活性な3,4
−ジヒドロキシブタン酸は、公知の方法に従って閉環す
ることにより3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンとす
ることができる。
【0012】本発明の製造方法において原料となる
(±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸は、3−クロロ
−1,2−プロパンジオールをシアン化ナトリウム、シ
アン化カリウムなどと反応させて3,4−ジヒドロキシ
ブチロニトリルとし、これを加水分解することによって
得ることができる。また、このようにして得られた
(±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸を環化して
(±)−3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンとし、こ
れに塩基、例えば水酸化ナトリウム水溶液を作用させて
ラクトン環を開くことにより得ることもできる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。なお、以下の実施例において、3,4
−ジヒドロキシブタン酸をDHB、1−(p−トリル)
エチルアミンをTEA、エリトロ−2−アミノ−1,2
−ジフェニルエタノールをADPEと略記する。
【0014】実施例1 (±)−3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンに水酸化
ナトリウム水溶液を作用させて得られた(±)−DHB
615mg(5.12mmol)をアセトン7mlに溶
解させ、撹拌しながら、(+)−TEA659mg
(4.87mmol)をアセトン3mlに溶解させたも
のを滴下した。滴下後、室温に3時間放置したのち、析
出した白色結晶を吸引濾過して、(−)−DHB・
(+)−TEA塩286mg(1.12mmol)を得
た。用いた(±)−DHBの(−)−体に対する収率は
43.8%、融点は128〜130.5℃であった。
【0015】得られた(−)−DHB・(+)−TEA
塩282mg(1.11mmol)に2−プロパノール
0.7mlを入れて加熱溶解したのち、アセトン1ml
を加え室温で一晩放置した。析出した結晶を濾別し、白
色結晶の(−)−DHB・(+)−TEA塩187mg
(0.733mmol)を得た。融点は138.5〜1
41.5℃であった。これを水酸化ナトリウムで遊離さ
せたのち、塩酸でラクトン化して、(S)−(−)−3
−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを得た。旋光度は
〔α〕31D =−54.0゜(c0.5,エタノール)で
あった。さらに、この(S)−(−)−3−ヒドロキシ
−γ−ブチロラクトンを塩化ベンゾイルでベンゾイル化
し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製後、HPLC
で光学純度を検定したところ、光学純度は71.4%e
eであった。
【0016】HPLC条件 カラム:CHIRALPAK AD(ダイセル化学工業
株式会社製) 移動相:2−プロパノール/n−ヘキサン(1:9) 流 速:0.5ml/分 検出波長:254nm
【0017】実施例2 (2−1) (+)−TEA1220mg(9.02mmol)を水
10mlに懸濁させ、この懸濁液に、(±)−DHB1
233mg(10.27mmol)を水10mlに溶解
させたものを滴下した。滴下後、室温で18時間、さら
に50℃で8時間撹拌した。この水溶液を減圧濃縮後、
エタノール5ml、次にベンゼン5mlを加えて濃縮を
繰り返し、(±)−DHB・(+)−TEA塩の濃縮液
2636mgを得た。
【0018】(2−2) (2−1)で得られた濃縮液874mgに(−)−DH
B・(+)−TEA塩の種結晶を加えてこすると、固化
して淡黄色の結晶となった。これにエタノールと酢酸エ
チルの1:1の混合溶媒を3ml加えて70℃に加熱し
て一部を溶解したのち、一晩放置した。析出した結晶を
濾過して白色結晶の(−)−DHB・(+)−TEA塩
381mg(1.49mmol)を得た。用いた(±)
−DHBの(−)−体に対する収率は82.7%、融点
は137〜144℃であった。
【0019】得られた(−)−DHB・(+)−TEA
塩377mg(1.48mmol)にエタノール1.6
mlを加えて加熱溶解し、これに酢酸エチル1.6ml
を加えて室温で一晩放置した。得られた結晶を濾別し、
白色結晶の(−)−DHB・(+)−TEA塩274m
g(1.07mmol)を得た。用いた(±)−DHB
の(−)−体に対する収率は59.6%、塩の旋光度は
〔α〕31D =−2.1゜(c1.0,エタノール)、融
点は142〜147℃であった。この塩の一部を遊離し
たのち、塩酸でラクトン化して、(S)−(−)−3−
ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを得た。旋光度を測定
したところ、〔α〕31D =−67.7゜(c0.3,エ
タノール)であった。また、HPLCによる純度検定で
は、光学純度87.2%eeであった。
【0020】さらに、上記の(−)−DHB・(+)−
TEA塩157mg(0.615mmol)にエタノー
ル1.5mlを加えて70℃に加熱し完全に溶解したの
ち、酢酸エチル1.5mlを加えて一晩放置した。得ら
れた白色結晶を濾取し、精製(−)−DHB・(+)−
TEA塩114mg(0.446mmol)を得た。塩
の旋光度は〔α〕31D =−3.2゜(c0.9,エタノ
ール)、融点は147〜148℃であった。これを遊離
したのち、塩酸でラクトン化して、(S)−(−)−3
−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを得た。旋光度を測
定したところ、〔α〕31D =−67.9゜(c0.3,
エタノール)であった。また、HPLCによる純度検定
では光学純度96.7%eeであり、分割効率は41.
7%であった。
【0021】(2−3) 上記(2−1)で得られた(±)−DHB・(+)−T
EA塩の濃縮液867mgにエタノール2.2mlを加
えて加熱溶解した。これにt−ブチルメチルエーテルを
2.2ml加えて室温で一晩放置した。析出した結晶を
濾別し、白色結晶の(−)−DHB・(+)−TEA塩
333mg(1.31mmol)を得た。用いた(±)
−DHBの(−)−体に対する収率は70.6%、融点
は139〜145℃であった。
【0022】得られた(−)−DHB・(+)−TEA
塩333mg(1.31mmol)にエタノール1.7
mlを加えて加熱溶解し、これにt−ブチルメチルエー
テル1.7mlを加えて室温で一日放置した。得られた
結晶を濾別し、白色結晶の(−)−DHB・(+)−T
EA塩256mg(1.01mmol)を得た。用いた
(±)−DHBの(−)−体に対する収率は54.2
%、融点は145〜146℃であった。
【0023】さらに、上記の(−)−DHB・(+)−
TEA塩256mg(1.01mmol)にエタノール
2.5mlを加えて加熱溶解し、これにt−ブチルメチ
ルエーテル2.5mlを加えて室温で4時間放置した。
得られた結晶を濾別し、白色結晶の(−)−DHB・
(+)−TEA塩184mg(0.72mmol)を得
た。用いた(±)−DHBの(−)−体に対する収率は
39.0%、塩の旋光度は〔α〕27D =−3.2゜(c
1.0,エタノール)、融点は147〜150℃であっ
た。この塩の一部を遊離後、塩酸でラクトン化して、
(S)−(−)−3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン
を得た。旋光度を測定したところ、〔α〕26D =−5
0.6゜(c0.4,エタノール)であった。また、H
PLCによる純度検定では光学純度99.1%eeであ
り、分割効率は38.6%であった。
【0024】実施例3 (±)−DHB12.01g(100mmol)を水2
00mlに溶解させ、1規定の水酸化ナトリウム100
mlを加えたのち、氷冷下、(+)−TEA13.52
g(100mmol)、1規定塩酸105ml、水20
0mlの混合溶液を滴下し、室温で一夜撹拌を続けた。
水溶液を減圧濃縮後、エタノールを加えて濃縮を繰り返
し(100mlを3回)、残渣にエタノールを加えて不
溶物を濾別してから濾液を減圧濃縮し、淡褐色結晶一部
オイル状の(±)−DHB・(+)−TEA塩31.8
2gを得た。
【0025】得られた(±)−DHB・(+)−TEA
塩26.79gをエタノール54mlに加熱溶解させ、
ジイソプロピルエーテル107mlを滴下後、一晩かけ
て徐冷した。その後氷冷し(3℃、2時間)、析出した
結晶を濾別し、エタノール−ジイソプロピルエーテル
(1:3)にて洗浄(30ml×3回)して、白色結晶
の(−)−DHB・(+)−TEA塩10.68g(4
1.8mmol、収率79.7%)を得た。これを一部
とり、水酸化ナトリウムで遊離したのち、塩酸でラクト
ン化して、(S)−(−)−3−ヒドロキシ−γ−ブチ
ロラクトンを得た。さらにベンゾイル化して、HPLC
で光学純度を検定したところ、光学純度は80.6%e
e、また、分割効率は67.4%であった。
【0026】得られた(−)−DHB・(+)−TEA
塩10.46gをエタノール25ml、ジイソプロピル
エーテル2mlを用いて上記と同様な操作で再結晶を行
い、精製(−)−DHB・(+)−TEA塩8.41g
(32.9mmol、収率62.8%)を得た。これ
は、HPLCによる光学純度検定により光学純度96.
6%eeの(S)−(−)−3−ヒドロキシ−γ−ブチ
ロラクトンであった。また、分割効率は60.6%であ
った。
【0027】実施例4 3641mg(3.03mmol)の(±)−3−ヒド
ロキシ−γ−ブチロラクトンに水酸化ナトリウム水溶液
を作用させて得られた(±)−DHBのナトリウム塩水
溶液に、(1R,2S)−(−)−ADPE6512m
g(3.05mmol)に塩酸を作用させてpHを6に
調整した水溶液を加え、一晩撹拌した。水を留去し、さ
らにベンゼン6mlを加えて脱水した。エタノール10
mlで3回脱塩処理し、(±)−DHB・(−)−AD
PE塩9095mgを得た。
【0028】得られた(±)−DHB・(−)−ADP
E塩をエタノール7mlに加熱溶解させ放置したのち、
析出した白色結晶を吸引濾過して(−)−DHB・
(−)−ADPE塩4695mg(1.40mmol)
を得た。用いた(±)−DHBの(−)−体に対する収
率は92%、融点は125〜131℃であった。
【0029】また、母液側を溶媒留去することにより、
(+)−DHB・(−)−ADPE塩4614mg
(1.38mmol)を得た。用いた(±)−DHBの
(+)−体に対する収率は91%であった。これを水酸
化ナトリウムで遊離したのち、p−トルエンスルホン酸
でラクトン化して(R)−(+)−3−ヒドロキシ−γ
−ブチロラクトンを得た。旋光度は〔α〕26D =+1
9.1゜(c0.68,エタノール)、光学純度は22
%eeであった。
【0030】
【発明の効果】光学活性な3,4−ジヒドロキシブタン
酸を、安価に入手容易な分割剤を用いて収率、光学純度
よく製造する方法が提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸
    に光学活性な1級アミンまたは2級アミンを作用させる
    ことを特徴とする(±)−3,4−ジヒドロキシブタン
    酸の光学分割法。
  2. 【請求項2】 (±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸
    に光学活性な1級アミンまたは2級アミンを作用させる
    ことにより光学分割し、得られた光学活性な3,4−ジ
    ヒドロキシブタン酸を閉環することを特徴とする光学活
    性な3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの製造方法。
  3. 【請求項3】 光学活性な1級アミンまたは2級アミン
    が、光学活性な1−(p−トリル)エチルアミンである
    請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 光学活性な1級アミンまたは2級アミン
    が、光学活性なエリトロ−2−アミノ−1,2−ジフェ
    ニルエタノールである請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 (±)−3−ヒドロキシ−γ−ブチロラ
    クトンを塩基により加水分解することにより得られる
    (±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸を原料として用
    いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
JP31807597A 1996-11-20 1997-11-19 (±)−3,4−ジヒドロキシブタン酸の光学分割法 Pending JPH10204027A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100379755B1 (ko) * 2000-11-01 2003-04-11 한국과학기술연구원 광학활성을 갖는 부탄아마이드 유도체의 제조방법
JP2007191400A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 光学活性(s)−2−メチル−6−オキソヘプタン酸の製造方法

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