JPH10203396A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JPH10203396A
JPH10203396A JP2326297A JP2326297A JPH10203396A JP H10203396 A JPH10203396 A JP H10203396A JP 2326297 A JP2326297 A JP 2326297A JP 2326297 A JP2326297 A JP 2326297A JP H10203396 A JPH10203396 A JP H10203396A
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steering torque
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一剛 武井
Sueharu Nagiri
末晴 名切
Katsushi Kuriyama
勝志 栗山
Koichi Ikeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の車両挙動およびドライバ操舵挙動に対
しても、確実にロック状態を検出すること。 【解決手段】 一端にステアリングホイール1が配設さ
れたステアリング軸2に取付けられた操舵トルクセンサ
4により操舵トルクを検出し、検出された操舵トルクに
応じて電動モータとしてのステアリングモータ5を駆動
することによって前記ステアリング軸2にアシスト力を
付与する電動式パワーステアリング装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵トルクに基づ
きステアリングモータを駆動することによりステアリン
グ軸にアシスト力を付与する電動式パワーステアリング
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動式パワーステアリング装置
(特開平4−163280)は、電動のステアリングモ
ータが焼き付き等の原因によってロックするような状況
が発生した場合に、ステアリング軸に取り付けたトルク
センサから出力される操舵トルクを時間微分し、その微
分値が閾値を越えた場合にロックと判定して、前記ステ
アリングモータを停止するとともに、クラッチをオフに
するフェイルセーフ機構を設けたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電動式パワ
ーステアリング装置においては、以下に述べるような問
題点がある。
【0004】キックバックその他による路面からの外乱
が入力された場合に、前記ステアリングモータのパワー
アシストが間に合わないため、操舵トルクが急激に変化
し、図7に示されるようにその微分値が設定された前記
閾値を越えてしまいロック状態と誤判定する場合がある
という問題点があった。
【0005】上記問題を解消するために操舵トルクの微
分値に対する前記閾値を大きく設定すれば、ロック発生
後にドライバがゆっくりと操舵トルクを付与する場合に
おいて、操舵トルクの変化率が少ないために微分値が小
さくなり、図8に示されるようにロック発生の検出が遅
れることになるという問題があった。
【0006】しかも上述のような操舵を行った場合に、
ロック解除時の操舵トルクが大きくなるために、解除直
後に操舵角が大きく変化するという問題があった。
【0007】さらに上記従来の電動式パワーステアリン
グ装置における前記閾値の設定にあたり、ドライバの操
作方法や操舵量に個人差があるため、操舵トルクの微分
値を比較する前記閾値の設定が、一元的に決定できない
という問題があった。
【0008】本発明者らによる本発明案出に至った着眼
点について、以下に述べる。操舵系がロックされた場合
には、操舵トルクの変化に対して操舵角の変化がほぼゼ
ロに近い現象となること。なお、操舵系のねじり剛性に
よる操舵角変化があるため、機械的なロックのように操
舵速度が全くゼロになることはないので、ほぼゼロに近
いと示した。
【0009】操舵系の特性設定法として、操舵角と操舵
トルクとの関係において所定のヒステリシス特性を与え
たほうが運転しやすい操舵性能が得られるため、通常の
操舵装置では図3に示されるような操舵特性となってい
るのが一般的である。
【0010】このような操舵特性において操舵系がロッ
クするような状態に陥ると、図4に示されるような操舵
特性となり、通常設定されているヒステリシス特性を越
えることが系統的実験から明らかとなった。
【0011】そこで、本発明者らは、このヒステリシス
特性を考慮した基準値を設定することにより、操舵角の
変化量が基準値以下である場合において、操舵トルクの
最大値および最小値を演算してその差を求め、この差が
上記ヒステリシス量を考慮した基準値を越えると操舵系
がロック状態にあると判断する本発明の技術的思想に着
眼し、種々の車両挙動およびドライバ操舵挙動に対して
も、確実にロック状態を検出するという目的を達成する
本発明に到達したのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電動式パワース
テアリング装置は、操舵トルクに基づきステアリングモ
ータを駆動することによりステアリング軸にアシスト力
を付与する電動式パワーステアリング装置において、操
舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、操舵角を検出
する操舵角センサと、車速を検出する車速センサと、検
出された操舵角と車速に基づき演算した操舵角の変化量
が基準値以下かどうかを判定する操舵速度判定手段と、
操舵角の変化量が基準値以下の場合における操舵トルク
の最大値と最小値との差が操舵系の特性である基準値と
してのヒステリシス量を考慮した基準値を越えるかどう
かにより前記ステアリングモータのロック状態を判定す
るロック判定手段とから成るものである。
【0013】(発明の作用)上記構成より成る第1発明
の電動式パワーステアリング装置は、操舵トルクに基づ
きステアリングモータを駆動することによりステアリン
グ軸にアシスト力を付与する電動式パワーステアリング
装置において、前記操舵トルクセンサが操舵トルクを検
出し、前記操舵角センサが操舵角を検出し、前記車速セ
ンサが車速を検出し、前記操舵速度判定手段が、検出さ
れた操舵角と車速に基づき演算した操舵角の変化量が基
準値以下かどうかを判定し、前記ロック判定手段が、操
舵角の変化量が基準値以下の場合における操舵トルクの
最大値と最小値との差が操舵系の特性である基準値とし
てのヒステリシス量を考慮した基準値を越えるかどうか
により、前記ステアリングモータのロック状態を判定す
るものである。
【0014】
【発明の効果】上記作用を奏する第1発明の電動式パワ
ーステアリング装置は、前記ロック判定手段が、操舵角
の変化量が基準値以下の場合における操舵トルクの最大
値と最小値との差が操舵系の特性である基準値としての
ヒステリシス量を考慮した基準値を越えるかどうかによ
り、前記ステアリングモータのロック状態を判定するの
で、種々の車両挙動およびドライバ操舵挙動に対して
も、確実にロック状態を検出するという効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下図面に基づいて説明する。
【0016】(第1実施形態)本第1実施形態の電動式
パワーステアリング装置は、図1に示されるように一端
にステアリングホイール1が配設されたステアリング軸
2に取付けられた操舵トルクセンサ4により操舵トルク
を検出し、検出された操舵トルクに応じて電動モータと
してのステアリングモータ5を駆動することによって前
記ステアリング軸2にアシスト力を付与するものであ
る。
【0017】本第1実施形態の電動パワーステアリング
装置は、前記トルクセンサ4のほかに操舵角を検出する
操舵角センサ3と、車速を検出する車速センサ8と、こ
れらの検出された操舵角および車速信号を入力として操
舵角の変化量を求めるコントローラ9内の操舵速度演算
手段91と、求められた前記操舵角の変化量が所定の基
準値以下であるかどうかの判定を行う操舵速度判定手段
92とを備えている。
【0018】さらに第1実施形態の電動パワーステアリ
ング装置は、操舵角の変化量が前記基準値以下である場
合の操舵トルクの最大値および最小値を演算する最大値
および最小値演算手段93と、演算された前記トルクの
最大値と最小値の差と操舵系の特性であるヒステリシス
量の20%増の基準値とを比較するステアリングモータ
のロック判定手段94とを備えている。
【0019】上記構成より成る第1実施形態の電動パワ
ーステアリング装置は、前記操舵速度判定手段92によ
って前記操舵角の変化量が所定の基準値以下であると判
定された場合には、操舵系のロックが考えられるため前
記最大値および最小値演算手段93によって前記基準値
以下である場合の操舵トルクの最大および最小値を演算
する。
【0020】次に前記ステアリングモータのロック判定
手段94によって、操舵角の変化と操舵トルクの変化が
所定の特性となっているかを判断するため、前記操舵ト
ルクの最大値と最小値との差を演算するとともに、前記
演算された前記操舵トルクの最大値と最小値との差と操
舵系の特性であるヒステリシスの量の基準値とが比較さ
れる。
【0021】すなわち、操舵角の変化がないにも関わら
ず操舵トルクの変化量が操舵系の特性値(ヒステリシス
量の基準値)を超えると操舵系がロックしたと判断す
る。ここで、このヒステリシス特性は、車速が低い場合
や停止時の据え切り等により特性が変化するため、本第
1実施形態では、車速信号により車速が低速または停止
している状況を判断し、誤検出を防止するように構成さ
れている。
【0022】上述したように前記操舵系がロックされた
と判定された場合には、前記ステアリングモータ5への
モータ電流が停止されるとともに、該ステアリングモー
タ5を前記ステアリング軸2に結合するクラッチ6をオ
フにするように制御されることにより、マニュアルステ
アが可能な操舵系となり、フェールセーフ機構を実現す
るものである。
【0023】上記作用を奏する第1実施形態の電動式パ
ワーステアリング装置は、電動パワーステアリング装置
において、種々の車両挙動およびドライバ操舵挙動に対
しても確実に前記ステアリングモータ5のロック状態を
検出できるという効果を奏する。
【0024】(第2実施形態)本第2実施形態の電動式
パワーステアリング装置は、図1に示されるように操向
操作を行うためのステアリングホイール1と、該ステア
リングホイール1に上端が連結されたステアリング軸2
と、前記ステアリングホイール1の操舵力をアシストす
るステアリングモータ5と、該ステアリングモータ5の
アシスト力をステアリング軸2へ伝達するクラッチ6
と、操舵力を操向車輪Wへ伝達するためのステアリング
リンク7とから成る。
【0025】また、前記ステアリング軸2の回転角度を
検出する操舵角センサ3と、前記ステアリング軸2に取
り付けられステアリング軸における操舵トルクを検出す
る操舵トルクセンサ4と、前記ステアリングモータ5の
ロック判定に必要な車速を検出する車速センサ8が電動
式パワーステアリング装置に配設されている。
【0026】さらに前記操舵角センサ3によって検出さ
れた前記ステアリング軸の操舵角度と、前記ステアリン
グ軸2に取り付けられステアリング軸における前記操舵
トルクセンサ4によって検出された前記操舵トルクと、
前記ステアリングモータ5のロック判定に必要な前記車
速センサ8によって検出された前記車速に基づき前記ス
テアリングモータ5およびクラッチ6の動作を制御する
コントローラ9を備えている。
【0027】前記コントローラ9を構成するCPUにお
けるロック検出とステアリングモータの制御手順のプロ
グラム(フローチャート)は、図2に示されるもので、
前記CPUのROMに予め格納されている。
【0028】図2に示される本第2実施形態におけるフ
ローチャートは、前記ステアリングモータ5のアシスト
力が付与されるようにクラッチONの状態で走行してい
る場合に、ステアリングモータ5がロックしたか否かの
フェールセーフ機構を示したものである。
【0029】まずステップ10において、前記操舵トル
クセンサ4により検出された操舵トルクTが読み込ま
れ、ステップ20において、前記操舵角センサ3からの
操舵角θが読み込まれ、ステップ30において前記車速
センサ8からの車速信号Vが読み込まれる。
【0030】次にステップ40において、前記ステップ
10ないしステップ30において読み込まれた前記操舵
トルクT、前記操舵角θおよび前記車速信号Vに基づ
き、操舵アシスト量が演算される。
【0031】ステップ50において、前記操舵角θの絶
対値が基準値θend(ハンドルエンドを判定するための正
の定数) 以上であるか否かの判定が行われる。従って、
前記基準値を越える場合にはハンドルエンドと判定して
ステップ90へ進み、前記基準値を越えない場合にはハ
ンドルエンド以外すなわち本来ならば実質操舵可能な範
囲であるとの判別が行われ、ステップ60へ進む。
【0032】ステップ60において、車速Vが停車状態
または低速での走行状態を判定するための正の数である
基準値V0以下であるか否かの判別が行われ、基準値以
下の場合にはステップ90へ進み、基準値を越えている
場合にはステップ70へ進む。この判定は、以降で記述
する操舵系のヒステリシス特性が停止または低速状態で
異なるために行うものである。
【0033】ステップ70において、操舵角θの微分値
を演算し、操舵速度を求める。そしてステップ80にお
いて、前記ステップ70において求めた操舵速度dθ/
dtが基準値dθ0/dt以下であるか否かの判定が行
われる。すなわちここでは、操舵速度が基準値以下であ
るならば前記ステアリングモータ5がロックされステア
リング軸が回転できない恐れがある状態であり、前記基
準値以下の場合にはステップ100へ進み、基準値を越
えている場合にはステップ90へ進む。
【0034】ステップ90においては、操舵速度が基準
値を越えているためステアリング軸は回転している状況
であり、かつ車速も基準値を超えるとともにハンドルエ
ンドの状況でもないことから、正常にステアリングモー
タが作動していると判定し、ロック判定に必要な値の初
期化を行う。
【0035】ステップ100において、操舵速度が所定
の基準値以下である場合の回数Nをインクリメントし、
所定の回数(時間)内に操舵速度が変化しないことをチ
ェックする。
【0036】ステップ110において、操舵速度が前記
基準値以下すなわち操舵速度が変化しない状況で操舵ト
ルクが変化するか否かを調べるために操舵トルクの最大
値および最小値を求める。
【0037】ステップ120において、インクリメント
されたNの回数を所定の回数(時間)に達したか否かを
判別し、所定の回数(時間)に達しない場合にはステッ
プ140へ進み、所定の回数(時間)に達した場合には
ステップ130へ進む。
【0038】ステップ130において、前記ステップ1
10で求めた操舵トルクの最大値と最小値の差を求める
とともに、求めた差と操舵系のヒステリシス特性値T0
とを比較し、前記求めた差が操舵系のヒステリシス特性
値T0 より小さく、正常にステアリングモータが作動し
ている場合には通常の操舵範囲内と判断してステップ1
40へ進む。
【0039】ステップ130において、上述のように判
定する状況としては、例えば直進走行中のような操舵角
の変化がなく操舵トルクが小さい場合が考えられ、この
ような状況での誤判定を解消することができる。
【0040】ステップ140において、前記ステップ4
0において演算されたアシスト量に基づき前記ステアリ
ングモータ5への制御信号が出力される。
【0041】ステップ130において、操舵速度が所定
の基準値以下で、かつ操舵トルクの最大値と最小値の差
が、操舵系のヒステリシス特性値T0 よりも大きいと判
定された場合は、操舵トルクが作用しているにも関わら
ず操舵速度が変化しない状況すなわち前記ステアリング
モータ5のロック状態であると判定される。
【0042】ステップ150において、前記ステアリン
グモータ5への電流をオフにしてマニュアルステアリン
グによる操舵が可能として、フェールセーフ機構を達成
するものである。
【0043】ステップ160においては、運転者へ電動
パワーステアリング装置にステアリングモータのロック
状態が発生したことを伝達する警報が表示される。
【0044】上記構成より成る第2実施形態の電動式パ
ワーステアリング装置は、ステアリング軸に取り付けら
れた前記操舵角センサ3と前記操舵トルクセンサ4によ
って操舵角および操舵トルクが検出され、通常の操舵に
おいては操舵トルクまたは操舵角の検出結果に応じて前
記ステアリングモータ5を駆動することによってアシス
ト力を付与するものである。
【0045】本第2実施形態の電動式パワーステアリン
グ装置において、前記ステアリングモータ5が焼き付け
や異物の噛み込み等によってロック状態になった後、ド
ライバがさらに操舵しようとすると、操舵角の変化量が
少ないにも関わらず大きな操舵トルクが作用する。
【0046】したがって、コントローラ9においては、
操舵角の検出結果を微分して操舵速度を求め、この操舵
速度が所定の基準値以内であり、かつ操舵トルクの最大
値と最小値の差が、通常の操舵におけるヒステリシス値
0 より大きな操舵トルクが作用した場合には前記ステ
アリングモータ5を停止するとともに、該ステアリング
モータ5をステアリング軸に結合する前記クラッチ6を
オフするように制御し、アシスト力が作用しないマニュ
アル操舵が可能な状態に切り替えるものである。
【0047】図3は、本第2実施形態に用いられる操舵
装置の操舵角と操舵トルクの特性を示したものであっ
て、操舵トルクと操舵角の間には図示されているように
ヒステリシスを有する特性となっている。この特性は、
運転者が操縦しやすいように設定されており、ヒステリ
シスが全く無い場合には運転者の操舵力によって操舵角
が敏感に変化するため、直進走行時のふらつきが大きく
なったり、レーンチェンジのような走行タスクにおいて
はレーン復帰後の修正操舵が多くなる等の運転挙動が見
られ、運転者にとって走行しずらい特性となる。
【0048】上記のような操舵トルクと操舵角の特性を
着眼点として、操舵装置のロック状態が発生した結果を
示したものが図4であるが、図3に示されたヒステリシ
スの値よりも大きな操舵トルクが作用するとともに、操
舵角の変化がほとんどないことが確認出来る。
【0049】上記作用を奏する第2実施形態の電動式パ
ワーステアリング装置は、実際にステアリングモータが
ロックした場合の結果を示す図5(A)ないし(C)か
ら明かなように前記ステアリングモータ5がロックして
から、運転者が所定の操舵トルクを付与すると前記ステ
アリングモータ5をオフするとともに前記クラッチをオ
フするためマニュアルステアリング装置に切り替えら
れ、ロック発生から解除後の車両走行軌跡も安定した挙
動が示され運転者に違和感がなく、かつ車両の走行安定
性を確保することができるという効果を奏する。
【0050】また、図5(B)中に示す上述した従来技
術においては、操舵トルクの微分値を判定値とするため
に運転者がゆっくりとした操舵トルクを付与する場合に
なかなか解除されないという問題点があったが、本第2
実施形態によれば操舵トルクの微分値すなわち変化速度
がゆっくりとした操舵においても解除されるという効果
があることが確認される。
【0051】また第2実施形態において、前記ステアリ
ングモータ5がロックしておらず正常に動作している状
況において、キックバック等によって路面からの外乱が
付与された場合には、操舵トルクが急激に大きくなる
が、操舵角の変化すなわち操舵速度が前記基準値を超え
るため、これらの外乱による誤検出を防ぐことができ
る。
【0052】すなわち本第2実施形態においては、従来
における操舵トルクが急激に変化してその微分値が設定
された前記閾値を越えることによるロック状態であると
の上記誤検知は、防止される。操舵トルクの変化ととも
にそれに応じて操舵角度の変化があるかどうかの判断を
行っているので、キックバック等による路面外乱入力時
の車両挙動の影響によって操舵トルクが大きくなった場
合でも、操舵角の変化すなわち操舵速度が大きくなるた
めである。
【0053】また本第2実施形態においては、ドライバ
がゆっくりと操舵する場合においても、操舵トルクを検
出してその大きさによって判定を行うため、従来におけ
る操舵トルクの微分値に対する前記閾値を大きく設定し
た時のロック発生の検出が遅れることを防止して、ドラ
イバの操作方法や操舵能力に左右されることなく検出を
行うことができる。
【0054】さらに第2実施形態においては、ロックを
解除する操舵トルクの前記基準値が通常の操舵における
操舵トルクよりもやや大きい値を設定することができる
ため、従来のように解除時の操舵トルクが大きいために
操舵してしまうことを抑制することができる。
【0055】また第2実施形態においては、ドライバの
操作方法や経験、操舵能力に左右されることなく車両の
操舵特性からの判断を行うため、個々の車両に設定され
る操舵特性を与えることにより、基準値の設定が一元的
に設定することができる。
【0056】上述の実施形態は、説明のために例示した
もので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0057】上記実施形態においては、一例としてステ
ップ70において操舵角の微分値を用いたが、本発明と
してはそれらに限定されるものでは無く、下記の式に示
すように操舵角の差分Δθを求め、該差分に基づき判定
を行っても良いものである。 Δθ=θn −θn-k
【0058】また上記実施形態においては、一例として
操舵トルクの最大値と最小値の差を操舵系のヒステリシ
ス特性値T0 と比較したが、本発明としてはそれらに限
定されるものでは無く、操舵トルクのピーク値を用いて
比較する方法もあり得る。
【0059】さらに操舵系のヒステリシス特性値T
0 は、車両走行中に学習しながら決定させる方法もある
し、停止時や低速での特性を予めマップ化して比較する
方法を用いれば、より正確な検出を行うことができる。
【0060】また上記実施形態においては、操舵角と操
舵トルクとのヒステリシス特性値を用いたが、図6に示
されるような操舵速度と操舵トルクのヒステリシス特性
値を用いても良い。この場合には、上記実施形態に示し
た操舵速度の判定機構が不要となる利点が挙げられる。
また、この場合は、操舵トルクの基準値を固定値とする
こともできるし、車速の増大に応じて基準値を減少する
設定としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2実施形態の電動式パワ
ーステアリング装置の概略を示すブロック構成図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態におけるステアリングモ
ータのロック検出およびステアリングモータの制御の手
順を示すチャート図である。
【図3】本第2実施形態の操舵装置における操舵角と操
舵トルクの関係を示す線図である。
【図4】図2の特性において、ステアリングモータがロ
ックした場合の特性を示す線図である。
【図5】本第2実施形態において実際のステアリングモ
ータのロック検出を行った際における操舵角および操舵
速度の時間変化、操舵トルクの時間変化、および車両走
行軌跡をそれぞれ示す線図である。
【図6】本発明のその他の実施形態におけるステアリン
グモータのロック検出を行う場合の操舵系の特性を示す
線図である。
【図7】従来装置における路面からの外乱入力時に操舵
トルクの微分値が大きくなって誤検出となる場合を説明
する線図である。
【図8】従来装置において操舵トルクの微分値を比較す
る閾値の設定値を大きくした場合の問題点を説明する線
図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリング軸 4 操舵トルクセンサ 5 ステアリングモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名切 末晴 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 栗山 勝志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 池田 幸一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵トルクに基づきステアリングモータ
    を駆動することによりステアリング軸にアシスト力を付
    与する電動式パワーステアリング装置において、 操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、 操舵角を検出する操舵角センサと、 車速を検出する車速センサと、 検出された操舵角と車速に基づき演算した操舵角の変化
    量が基準値以下かどうかを判定する操舵速度判定手段
    と、 操舵角の変化量が基準値以下の場合における操舵トルク
    の最大値と最小値との差が操舵系の特性である基準値と
    してのヒステリシス量を考慮した基準値を越えるかどう
    かにより前記ステアリングモータのロック状態を判定す
    るロック判定手段とから成ることを特徴とする電動式パ
    ワーステアリング装置。
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