JPH10202722A - ベルト式キャスティング機のベルト蛇行制御方法 - Google Patents

ベルト式キャスティング機のベルト蛇行制御方法

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JPH10202722A
JPH10202722A JP9009924A JP992497A JPH10202722A JP H10202722 A JPH10202722 A JP H10202722A JP 9009924 A JP9009924 A JP 9009924A JP 992497 A JP992497 A JP 992497A JP H10202722 A JPH10202722 A JP H10202722A
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belt
meandering
endless belt
endless
casting machine
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Iku Sato
幾 佐藤
Toshimichi Tsukahara
俊通 塚原
Katsuhiko Suzuki
克彦 鈴木
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Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/92Measuring, controlling or regulating
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト式キャスティング機において、実際の
蛇行量に基づいて蛇行制御を行なえるようにして、ベル
トの蛇行制御精度の向上をはかり、樹脂製薄膜の成形速
度の向上と成形の安定化とを実現する。 【解決手段】 稼働運転に先立ち、無端状ベルト4の原
点から1周分のベルト端縁横振れ量を検出機構21によ
り検出し、そのベルト端縁横振れ量に対して検出中のベ
ルト蛇行分の補正を施し、補正後のベルト端縁横振れ量
をティーチングデータとして記憶してから、稼働運転中
には、検出機構21により検出された無端状ベルトの端
縁の横振れ量を前記ティーチングデータと比較して、実
際に検出された横振れ量から、無端状ベルト4の端縁の
製造誤差分を消去して実際のベルト蛇行分のみを抽出
し、その実際のベルト蛇行分を抑制するように調整機構
9により無端状ベルト4の蛇行を調整・制御するように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融樹脂押出機の
口金から吐出された樹脂を、対向配置された一対の無端
状ベルト(キャスティングベルト)の間で挟圧して、フ
ィルム状またはシート状の樹脂製薄膜を成形するベルト
式キャスティング機に適用される技術であって、特に、
そのベルトの蛇行を抑制するための、ベルト式キャステ
ィング機のベルト蛇行制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のベルトコンベアの蛇行調整装置で
は、例えば図8に示すように、何らかの要因によってベ
ルト40が正常な走行位置から外れた場合に、そのベル
ト40を元の中立位置まで戻すべく、ベルト端面の横振
れ(基準線からのズレ量)をセンサSで読み取り、その
横振れに応じた量だけ、蛇行制御ロール(図示省略)を
ベルト40の走行方向に対して揺動させるように、蛇行
制御ロールの駆動系(図示省略)へ補正指令を送るよう
になっている。
【0003】しかしながら、ベルト40は一度中立位置
まで復帰しても、また再び同じ方向に片寄るために同様
な蛇行を繰り返すことになり、その結果、ベルト40の
耳部を傷め且つ蛇行調整装置の寿命(ひいてはベルトコ
ンベアの寿命)も短命化している。これは、ベルト40
が片寄る要因を除去できない限り、ベルト40は同一の
蛇行を際限無く繰り返すためであり、然もこの蛇行発生
の要因は、ベルト40自体にある場合やコンベアの機械
装置にある場合があって不明なことが多く、その要因を
完全に除去することは極めて難しい。
【0004】そこで、従来、特開昭52−118778
号公報に開示された技術(ベルトコンベアの蛇行調整装
置)では、ベルト自体が完全に左右均一であり、且つ、
コンベア機械装置の芯出しが完全であると仮定し、ベル
トコンベアの走行方向に対して角度調整可能な調整ロー
ル(蛇行制御ロール)をそなえ、コンベアベルトの両側
にベルトの片寄りを感知する片寄り感知器を2段設け、
調整ロールの角度も2段に調整できるようにしている。
【0005】このような蛇行調整装置では、ベルトが片
寄る時、まず第1段の片寄り感知器がこれを検知し、そ
の信号により調整ロールを1段階調整する。この調整に
よっても矯正不足の場合は、ベルトは、第2段の片寄り
感知器で検知される位置まで移動し、この第2段の片寄
り検知器の検知動作に伴って調整ロールは第2段階の調
整位置まで回動する。ベルトがコンベア中心線側に戻っ
てくると、第1段の片寄り感知器はその動きを検出して
調整ロールを第1段階の調整位置まで戻し、同様に、ベ
ルトがコンベア中心まで戻ると、調整ロールは中立位置
まで戻されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、溶融樹脂押
出機の口金から吐出された樹脂を、対向配置された一対
の無端状ベルト(キャスティングベルト)により挟圧し
て、フィルム状またはシート状の樹脂製薄膜を成形する
ベルト式キャスティング機において、そのベルトは、幅
広金属製無端状ベルトとして構成され、幅広の薄板材を
溶接で継ぎ合わされて形成されている。
【0007】そして、その端縁は製造誤差のため均一で
ないため、一般的なベルトの蛇行を調整・制御する手段
をそのままベルト式キャスティング機のベルト蛇行調整
に適用しても、その製造誤差をベルト蛇行量と判断して
しまう。即ち、ベルト端縁の製造誤差と蛇行によるベル
ト端面の移動量との区別がつかず、時として制御を誤
り、動作が安定しなくなる場合がある。
【0008】また、キャスティングベルトに挟圧されて
送られてくるシート状樹脂(もしくはフィルム状樹脂)
の種類や厚さによって、そのベルトの周速は大きく変わ
るため、その周速の変化に応じながら速やかにベルトの
蛇行に対応する必要があるが、通常のベルト蛇行調整の
ために用いられる、ベルト端縁位置検出手段や蛇行制御
用ロールの位置移動制御手段では、高速で回動するキャ
スティングベルトの横振れ変化に迅速に対応することが
できない。
【0009】一方、ベルトの1周毎の蛇行量を検出して
蛇行制御を行なう技術も提案されているが、このような
技術においては、ベルトに原点マークを設ける必要があ
る。しかし、その原点マークとして黒色塗料マークをベ
ルト上に塗布した場合、その塗料は剥離し易いため、蛇
行量を長時間に亘って正確に検出することは不可能であ
る。また、原点マークとして切り欠きやマーク孔をベル
トに形成すると、その形成部分において応力集中が発生
するおそれがあるため、切り欠きやマーク孔の採用は避
けることが望ましい。
【0010】また、従来のベルト横振れ検出手段(前述
のごとくベルト両側にそなえた複数段の片寄り検知器
等)では、ベルト端縁検出センサ数が多く制御用の周辺
機器も多くなるためにコスト高となり、さらに、コンベ
アの中心位置にベルト中心を合わせる時、手動で調整す
るための手間がかかるなどの課題もあった。本発明は、
このような課題に鑑み創案されたもので、実際の蛇行量
に基づいて蛇行制御を行なえるようにして、ベルトの蛇
行制御精度の向上をはかり、樹脂製薄膜の成形速度の向
上と成形の安定化とを実現した、ベルト式キャスティン
グ機のベルト蛇行制御方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のベルト式キャスティング機のベルト蛇行制
御方法(請求項1)は、溶融樹脂押出機の口金から吐出
された樹脂を、対向配置された一対の無端状ベルトの間
で挟圧して、樹脂製薄膜を成形するベルト式キャスティ
ング機において、各無端状ベルトの蛇行を抑制すべく、
無端状ベルト毎に、無端状ベルトの端縁の横振れ量を検
出する検出機構と、この検出機構による検出結果に基づ
いて無端状ベルトの蛇行を調整する調整機構とをそな
え、ベルト式キャスティング機の稼働運転に先立ち、無
端状ベルトの原点から1周分のベルト端縁横振れ量を検
出機構により検出し、検出されたベルト端縁横振れ量に
対して検出中のベルト蛇行分の補正を施し、補正後のベ
ルト端縁横振れ量をティーチングデータとして記憶して
から、ベルト式キャスティング機の稼働運転中には、検
出機構により検出された無端状ベルトの端縁の横振れ量
を前記ティーチングデータと比較して、検出機構により
検出された無端状ベルトの端縁の横振れ量から、無端状
ベルトの端縁の製造誤差分を消去して実際のベルト蛇行
分のみを抽出し、その実際のベルト蛇行分に応じて調整
機構により無端状ベルトの蛇行を調整・制御することを
特徴としている。
【0012】このとき、無端状ベルトの前記原点を、無
端状ベルトのベルト継ぎ目の端部に形成された切り欠き
形状を用いて設定してもよいし(請求項2)、ベルト式
キャスティング機の稼働運転中、無端状ベルトが1周回
動する毎に無端状ベルトが蛇行量の少ない安定状態であ
るか否かを判断し、安定状態であると判断した場合に
は、無端状ベルトが次に1周回動する間、検出機構によ
り検出される無端状ベルトの端縁の横振れ量が許容範囲
内であれば、調整機構による無端状ベルトの蛇行調整・
制御を行なわないようにしてもよい(請求項3)。
【0013】また、前記ティーチングデータを、無端状
ベルトの前記原点から一定ピッチで記憶し、ベルト式キ
ャスティング機の稼働運転中には、無端状ベルトの前記
原点を検出した後、無端状ベルトの周速に応じて一定ピ
ッチ毎の前記ティーチングデータを読み出しながら、無
端状ベルトの蛇行を調整・制御してもよい(請求項
4)。
【0014】さらに、検出機構を、無端状ベルトの一端
縁側にそなえられ無端状ベルトの一端縁を横切る無端状
ベルトの幅方向に略平行なスリット状光線を照射する光
源と、無端状ベルトの一端縁を挟んで光源と対向するよ
うに配置され光源からのスリット状光線を受光するセン
サとから構成してもよい(請求項5)。このとき、セン
サにより受光した光源からのスリット状光線の受光量に
基づいて、無端状ベルトの中立位置を検出してもよい
(請求項6)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面(図1〜図7)を参照
して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図7は本発
明の一実施形態としてのベルト式キャスティング機およ
びそのベルト蛇行制御方法を説明するためのもので、図
1はそのベルト式キャスティング機を模式的に示す側面
図とその制御系のブロック図とを同時に示す図、図2は
そのベルト式キャスティング機を図1のII方向から見た
状態で示す図、図3(A)および図3(B)は、いずれ
も、蛇行制御ロール(符号9参照)による蛇行制御動作
を説明すべく、ベルトおよび蛇行制御ロールを図2と同
じ方向から見た状態で示す図である。また、図4および
図5はいずれもベルト端縁形状のティーチング手順を説
明するための図、図6は稼働運転中のベルト蛇行制御動
作を説明するための図、図7はベルト蛇行制御手順(ベ
ルト蛇行制御プログラムの一例)を説明するためのフロ
ーチャートである。
【0016】〔1〕本実施形態のベルト式キャスティン
グ機の構成 図1〜図3を参照しながら、ベルト式キャスティング機
およびそのベルト蛇行制御に使用される周辺機器の構成
(構造および機能)について説明する。図1および図2
に示すように、本実施形態のベルト式キャスティング機
では、溶融樹脂押出機の口金1から押し出された被加工
樹脂2を挟圧してシート状もしくはフィルム状の樹脂製
薄膜を成形すべく、一対のエンドレスベルト(無端状ベ
ルト,キャスティングベルト)4,4が対向配置されて
いる。
【0017】各エンドレスベルト4は、平滑で幅広の金
属製のもので、金属製の薄板を溶接してエンドレス(無
端状)に連結して形成されている。各エンドレスベルト
4における金属製薄板の溶接継ぎ目線4bの両側端部に
は、応力集中を避けるために不可欠な切り欠き4aが形
成されている。本実施形態では、両側の切り欠き4aの
うちの一方(図2の右方の切り欠き4a)を、後述する
ベルト蛇行制御のためのティーチング時における計測原
点として利用している。そのため、後述するベルト端縁
検出センサ21によりその切り欠き4aを検出しやすい
ように、図4に示すごとく切り欠き4aの形状や長さが
決定されて切り欠き4aが加工・成形されている。
【0018】このようなエンドレスベルト4,4は、そ
れぞれ、後述する3つのロール3,7,9の外周に巻回
され、三角形形状の経路に沿って回動・走行するように
配置されている。また、これらのエンドレスベルト4,
4は、前記三角形形状の一辺に沿う面を鉛直面に対して
平行に配置されるとともにその鉛直面に平行になる面を
対向させて配置されており、その鉛直面をなすベルト
4,4の間で、口金1から垂下方向へ帯状に吐出された
樹脂2が挟圧されるようになっている。
【0019】そして、各エンドレスベルト4において、
前記三角形形状の上側頂点位置には駆動ロール3が配設
され、前記三角形形状の下側頂点位置には従動ロール7
が配設され、前記三角形形状の横側頂点位置には蛇行制
御ロール(単に制御ロールと記載する場合もある)9が
配設されている。駆動ロール3は、エンドレスベルト4
を回動・走行駆動するためのもので、樹脂2を冷却する
冷却機能を有している。この駆動ロール3は、モータ1
9によって矢印A1(図1参照)方向へ回転駆動され、
エンドレスベルト4を矢印A2,A3(図1参照)方向
へ回動・走行駆動する。モータ19には、このモータ1
9の回転速度(ベルト4の周速)を計測してその計測結
果をディジタル信号で出力する回転速度センサ27が付
設されている。
【0020】従動ロール7は、エンドレスベルト4の回
動に伴って連れ回るもので、この従動ロール7も、樹脂
2を冷却する冷却機能を有している。蛇行制御ロール9
は、図2に示すように、その回転軸14の両側を、それ
ぞれスライド軸受13,13を介しスライドフレーム1
2,12により水平方向(図1の左右方向)へ移動可能
に支持されてそなえられている。そして、その回転軸1
4の両側は、それぞれ油圧シリンダ15,15によっ
て、ベルト4に常時一定の張力が作用するように水平方
向(図1の矢印A5方向)へ押圧されている。
【0021】また、回転軸14両側のスライドフレーム
12,12はそれぞれ固定フレーム5,5′に取り付け
られているが、固定フレーム5′側(図2の左側)のス
ライドフレーム12は、この固定フレーム5′に固設さ
れたガイドフレーム11のガイド11aにより鉛直方向
(図1や図2の上下方向)へ移動可能に支持され、油圧
シリンダ17によって駆動され上下動可能になってい
る。これにより、蛇行制御ロール9(回転軸14)は、
油圧シリンダ17により鉛直面内で揺動駆動されるよう
に支承されている。
【0022】従って、図3(A)に示すように、ベルト
4が矢印X方向へ蛇行する際には、油圧シリンダ17に
より蛇行制御ロール9の左側軸端を上方へ引き上げて蛇
行を抑止し、ベルト4の走行方向を右方へ戻す一方、図
3(B)に示すように、ベルト4が矢印Y方向へ蛇行す
る際には、油圧シリンダ17により蛇行制御ロール9の
左側軸端を下方へ引き下げて蛇行を抑止し、ベルト4の
走行方向を左方へ戻すことができる。
【0023】なお、油圧シリンダ17により上下方向に
駆動される蛇行制御ロール9の端部側には、その回転軸
14端部の上下移動量を検出して蛇行制御ロール9の傾
き(揺動角度)を検出ための傾き検出センサ18が付設
されている。また、図1に示すように、各エンドレスベ
ルト4の鉛直面内周側には、各エンドレスベルト4を押
さえベルト4,4の間隔を一定に保持する押さえロール
6がそなえられるとともに、各エンドレスベルト4を介
して被加工樹脂2を冷却すべくベルト4の内周面に向け
て冷却水を噴射する冷却水噴射ノズル8がそなえられて
いる。
【0024】一方、図1および図2に示すように、各エ
ンドレスベルト4の一端縁側(図2では右側)には、エ
ンドレスベルト4の端縁位置を検出するベルト端縁検出
センサ21と、エンドレスベルト4の一端縁を挟んでベ
ルト端縁検出センサ21と対向するように配置されこの
センサ21へ向けて光を照射する光源22とがそなえら
れている。
【0025】これらのベルト端縁検出センサ21および
光源22は、エンドレスベルト4が蛇行していない状態
でベルト4の一端縁が光源22からの細長い光束(ベル
ト4の幅方向に略平行なスリット状光線)の丁度半分を
遮るように配置されており、このときベルト端縁検出セ
ンサ21が受ける光量がエンドレスベルト4の正しい中
央位置を認識するための基準となる。なお、図4および
図6において、ベルト端縁検出センサ21によるベルト
端縁の検出域が、符号Fを付された領域として図示され
ている。
【0026】本実施形態では、上述した、エンドレスベ
ルト4を巻き掛けられて回動する駆動ロール3,従動ロ
ール7,蛇行制御ロール9、および、これらのロール
3,7,9の付帯機能部品(押さえロール6,冷却水噴
射ノズル8,ガイドフレーム11,スライドフレーム1
2,油圧シリンダ15,17,モータ19,センサ2
1,光源22,回転速度センサ27など)と全く同じも
のが2組そなえられ、これらの組が、図1に示すごと
く、両方のエンドレスベルト4,4の鉛直面の間でシー
ト状樹脂2を挟圧するように対向して配設されている。
【0027】上述のごとく構成されたベルト式キャステ
ィング機が定常状態で稼働運転を行なっている際には、
溶融樹脂押出機の口金1から押し出された溶融状態の被
加工樹脂2は、鉛直下方へ垂下して、回動する一対のエ
ンドレスベルト4,4の間で挟圧され、下側の従動ロー
ル7に達するまでに冷却されて固化し、シート状になっ
て、図1の矢印A4で示すように次の工程に送り出され
る。
【0028】〔2〕本実施形態の制御系の構成 さて、次に、図1を参照しながら、上述のようなベルト
式キャスティング機のベルト蛇行制御を行なうための制
御系について説明する。図1において、30は制御装置
で、この制御装置30は、CPU(中央処理ユニット)
31,A/D変換器32,33,ベルト端縁ティーチン
グメモリ38,D/A変換機39aおよび出力回路39
を有して構成されている。
【0029】ここで、ベルト端縁ティーチングメモリ3
8は、ベルト式キャスティング機の稼働運転に先立つテ
ィーチング作業(後述)により予め一定ピッチで計測さ
れたベルト4の1周の端縁形状をティーチングデータと
して記憶するものである。また、CPU31は、比較回
路35,第1の比例積分制御回路(PI1 )36および
第2の比例積分制御回路(PI2 )37としての機能を
有している。なお、CPU31によるベルト蛇行制御
は、図7にて後述するフローチャート(ベルト蛇行制御
プログラム)に従って行なわれる。
【0030】比較回路35は、ベルト式キャスティング
機の稼働運転中に、回転速度センサ27からの検出結果
(つまりベルト4の周速)に応じて、ベルト端縁検出セ
ンサ21による実検出位置に対応する位置でのティーチ
ングデータをベルト端縁ティーチングメモリ38から読
み出し、読み出されたティーチングデータとベルト端縁
検出センサ21により実際に検出されたベルト4の端縁
の横振れ量(偏差)とを比較するものである。
【0031】さらに、この比較回路35(CPU31)
は、次のような3つの機能〜も有している。 機能:ベルト式キャスティング機の稼働運転中、エン
ドレスベルト4が1周回動する毎にベルト4が蛇行量の
少ない安定状態であるか否かを判断する機能。 機能:機能により安定状態であると判断した場合に
は、ベルト4が次に1周回動する間、ベルト端縁検出セ
ンサ21により検出されるベルト4の端縁の横振れ量が
許容範囲(許容誤差)内であるか否かを判定する機能。
【0032】機能:機能により許容範囲内であると
判定された場合、蛇行制御ロール9によるエンドレスベ
ルト4の蛇行調整・制御を行なわないようにする機能。 第1の比例積分制御回路(PI1 )36は、比較回路3
5により得られたエンドレスベルト4の端縁位置の偏差
(実検出位置とティーチングデータとの差分)に応じて
蛇行制御ロール9の位置指令(PI制御)を行なうもの
であり、第2の比例積分制御回路(PI2 )37は、第
1の比例積分制御回路36からの位置指令に、蛇行制御
ロール9の中立位置に対する実際の蛇行制御ロール9の
位置の偏差(傾き検出センサ18からのフィードバック
値)を加味して、後述するサーボバルブ40に対する指
令を出力するように、マイナーループを形成するもので
ある。
【0033】また、A/D変換器32は、信号配線26
を介して伝えられるベルト端縁検出センサ21のアナロ
グ受光信号をディジタル信号に変換してCPU31に伝
えるものであり、A/D変換器33は、信号配線25を
介して伝えられる傾き検出センサ18のアナログ信号を
ディジタル信号に変換してCPU31に伝えるものであ
る。
【0034】さらに、D/A変換器39aは、CPU3
1で演算されたディジタルの制御指令値をアナログ信号
に変換するものであり、出力回路39は、D/A変換器
39aからのアナログ信号を電流増幅してサーボバルブ
(SV)40へ出力するものである。サーボバルブ40
は、制御装置30(出力回路39)からのアナログの制
御信号を受けて動作し、油圧配管24を通じて適当量の
作動油を油圧シリンダ17へ送り、蛇行制御ロール9を
鉛直面内で回動(揺動)させるためのものである。
【0035】なお、回転速度センサ27によって検出さ
れたモータ19の回転角度のディジタル信号は、信号配
線28を介してCPU31(比較回路35)へ直接的に
入力されるようになっている。また、図1中では、図1
の右側のベルト4についての制御装置30や信号配線系
/油圧配管系が図示されているが、図1の左側のベルト
4に対しても、全く同様の制御装置30や信号配線系/
油圧配管系がそなえられており、後述と同様のベルト蛇
行制御が行なわれるようになっている。
【0036】〔3〕本実施形態におけるベルト蛇行制御
方法 次に、図4〜図7を参照しながら、上述のごとく構成さ
れた本実施形態のベルト式キャスティング機における、
ベルト蛇行制御方法について説明する。 〔3−1〕ベルト端縁ティーチング 図4および図5に示すように、ベルト4の切り欠き4a
の適当な位置に計測原点R1 を設定する。そして、この
計測原点R1 から一定ピッチp(例えば30〜40mm)
で、ベルト4の1周の端縁形状(切り欠き4a直前のベ
ルト端縁位置を基準とするベルト幅方向の偏差x)を計
測してベルト端縁ティーチングメモリ38に記憶させ
る。
【0037】つまり、図4に示すように、計測原点R1
の、切り欠き4aの1ピッチ前の点R0 に対するベルト
幅方向偏差x1 (=x0 )を計測してベルト端縁ティー
チングメモリ38に記憶させ、以降同様にして、計測原
点R1 から一定ピッチp毎の各点R2 ,R3 ,…,Rn
での点R0 に対するベルト幅方向偏差x2 ,x3 ,…,
n を計測してベルト端縁ティーチングメモリ38に記
憶させる。
【0038】〔3−2〕ティーチング方法 上述したベルト端縁ティーチングは、以下のようにして
行なわれる。つまり、ベルト式キャスティング機の稼働
運転に先立って、ティーチング開始の手動信号(オペレ
ータ等により操作盤上のスイッチ等を操作することによ
り入力される信号)によりベルト4の回動が開始され、
ベルト端縁検出センサ21により切り欠き4aにおける
計測原点R1 を検出した後、ベルト端縁検出センサ21
によりベルト4の端縁位置を検出しながら一定ピッチp
でベルト端縁ティーチング(各点R1 ,…,Rn での位
置を検出し、各点R1 ,…,Rn の基準点R0 に対する
ベルト幅方向偏差x1 ,…,xn を順次計測して記憶す
る処理)が開始される。そして、再度、計測原点Rn+1
(R1 ′)を検出すると、ティーチング中の蛇行分を自
動補正し、ティーチングを終了する。
【0039】このとき、CPU31では、回転速度セン
サ27からの検出信号(モータ19の回転角度に比例し
た信号)に基づいて、ベルト端縁検出センサ21により
実際に検出を行なっているベルト4の位置(ベルト4の
周速)を判断できるので、計測原点の検出後は、回転速
度センサ27からの検出信号を参照しながら、一定ピッ
チpを認識し、その一定ピッチpでのティーチングが行
なわれる。
【0040】ここで、ティーチング中の蛇行分の自動補
正演算(ティーチング中のベルト横移動分を消去する補
正演算)は、次のように行なわれる。つまり、図5に示
すように、最初に計測した計測原点R1 での偏差x1
最後に再度計測した同じ点Rn+1 (R1 ′)での偏差x
n+1 との差分xa (xa =x n+1 −x1 )をティーチン
グ中の蛇行分とみなし、点R1 と点Rn+1 (R1 ′)と
の位置を一致させるべく、その差分xa を全偏差データ
に均等に(隣のデータとの差がxa /nになるように)
分配する。
【0041】さらに、ティーチング時の基準点R0 のデ
ータとベルト端縁がセンサ21の中心に位置した時のデ
ータとの差分をティーチング開始時のオフセットとみな
し、その差分を全偏差データから減算することにより、
データ始点(基準点R0 )を常にセンサ21の中心に置
くようにする。以上のようにして、計測され自動補正さ
れたティーチングデータが、ベルト端縁ティーチングメ
モリ38に記憶される。
【0042】〔3−3〕制御ループ 本実施形態のCPU31によるベルト蛇行制御は、前述
した通り、比例積分制御(PI制御)を2重に組んで行
なわれており、ベルト4の位置偏差に対応して蛇行制御
ロール9の位置指令を行なう第1の比例積分制御回路3
6と、これに蛇行制御ロール9の中立位置に対する実際
の蛇行制御ロール9の位置の偏差(傾き検出センサ18
からのフィードバック値)を加味してサーボバルブ40
に対する指令を出力するマイナーループの第2の比例積
分制御回路37とから構成されている。このCPU31
によるベルト蛇行制御中には、ティーチング点との偏差
を一定に保つように制御を行なうことにより、端縁形状
分(ベルト4の端縁の製造誤差)をベルト4の蛇行分か
ら分離でき、ベルト蛇行制御精度を向上させることがで
きる。
【0043】ここで、図7に示すフローチャート(ステ
ップS1〜S11)に従って、本実施形態におけるベル
ト蛇行制御手順(CPU31で実行されるベルト蛇行制
御プログラムの一例)について説明する。つまり、ベル
ト式キャスティング機の稼働運転開始信号(オペレータ
等により操作盤上のスイッチ等を操作することにより入
力される信号)によりベルト4の回動が開始されると
(ステップS1)、ベルト端縁検出センサ21による検
出動作を開始する(ステップS2)。
【0044】この後、ベルト端縁検出センサ21により
ベルト4の計測原点R1 を読み取りその位置を検知する
(ステップS3)。このときの原点読取手法(原点読み
出し方法)については項目〔4〕にて詳細に説明する。
計測原点R1 の位置が確定されると、その位置と回転速
度センサ27による検出結果(ベルト4の周速)とに基
づいて、適当なタイミングでベルト端縁ティーチングメ
モリ38からティーチングデータを読み出す(ステップ
S4)。つまり、現在、ベルト端縁検出センサ21によ
って実際に検出が行なわれているベルト位置でのティー
チングデータをメモリ38から読み出す。
【0045】そして、比較回路35において、メモリ3
8から読み出されたティーチングデータとベルト端縁検
出センサ21により実際に検出された検出値〔ベルト4
の端縁の横振れ量(偏差)〕とを比較し、その値が許容
誤差内であるか否かを判定する(ステップS5)。許容
誤差内であれば(YES判定の場合)、ステップS6〜
S9によるベルト蛇行制御を行なうことなく、ステップ
S10へ移行する一方、許容誤差内でなければ(NO判
定の場合)、第1の比例積分制御回路36により、比較
回路35からの比較偏差結果(差分)に基づいて蛇行制
御ロール9の位置を計算して位置指令を出力する(ステ
ップS6)。
【0046】さらに、第2の比例積分制御回路37によ
り、蛇行制御ロール9の位置比較を行ない、この蛇行制
御ロール9を回動(揺動)する必要があるか否かを判定
する(ステップS7)。蛇行制御ロール9の現在位置
(傾き検出センサ18からのフィードバック値)と第1
の比例積分制御回路36により指示された蛇行制御ロー
ル9の目標位置とが一致しており蛇行制御ロール9を回
動する必要がなければ(NO判定の場合)、ステップS
8,S9によるベルト蛇行制御を行なうことなく、ステ
ップS10へ移行する一方、蛇行制御ロール9の現在位
置と目標位置とが一致しておらず蛇行制御ロール9を回
動する必要があれば(YES判定の場合)、第1の比例
積分制御回路36からの位置指令に、第2の比例積分制
御回路37によって蛇行制御ロール9の中立位置に対す
る実際の蛇行制御ロール9の位置の偏差を加味した位置
指令を、サーボバルブ40に対して出力する。この位置
指令に応じてサーボバルブ40が開閉され、油圧シリン
ダ17が作動する(ステップS8)。これにより、蛇行
制御ロール9が回動駆動(揺動駆動)されて位置変更さ
れ(ステップS9)、ベルト4の蛇行調整が行なわれ
る。
【0047】ステップS5でYES判定の場合,ステッ
プS7でNO判定の場合もしくは蛇行制御ロール9の位
置変更後には、ベルト式キャスティング機の稼働運転が
継続されるか否かを判断し(ステップS10)、継続す
る場合(YES判定の場合)には、ステップS3に戻る
一方、継続しない場合(NO判定の場合)には、設備を
停止し(ステップS11)、ベルト蛇行制御を終了す
る。
【0048】〔3−4〕偏差変動補正 前述したように、本実施形態のCPU31は、ベルト4
の回動が安定な状態(蛇行量が少ない状態)であるか否
かを判断する機能(比較回路35の機能として説明した
機能)を有している。この機能により、ベルト4が1
周回動する毎にベルト4の端縁と基準位置との偏差が拡
大していないかが監視されており、その偏差が拡大して
いない場合には、ベルト4の回動状態が安定であると判
断し、その1周のみ偏差変動を上下ともクランプする。
【0049】つまり、ベルト端縁ティーチングメモリ3
8に記憶されたティーチングデータ(定ピッチp毎の偏
差データ)と運転中のデータ(偏差)とには多少のずれ
が生じるため、ベルト4の製造誤差のための偏差拡大点
は無視するように、安定な状態では横振れ比較データに
上下限を定め、運転中に検出された偏差データ(横振れ
比較データ)がこの上下限を超えない場合には、ベルト
4の1周回動分の制御をクランプする。例えば図6に示
すように、監視点Pでの偏差xp がベルト4の端縁位置
許容偏差d以内であれば、点Pが再度回ってくるまで、
CPU31の偏差判定作用をクランプすることにより、
無用な外乱を排除できると同時に、蛇行制御ロール9の
不必要な回動を抑えることができる。
【0050】〔4〕本実施形態における原点読み出し方
法 さて、本実施形態のベルト蛇行制御方法を用いるに当た
っては、ベルト4の計測原点(図4〜図6の点R1
照)の読み込み処理(図7のステップS3参照)が必須
となる。この原点読み出し(原点読取)を行なう際に
は、例えば光沢度センサ,反射型光センサ,透過型光セ
ンサ等を用いられることが考えられる。しかし、光沢度
センサは、本実施形態のように噴流水(ノズル6からの
冷却水等)を使用するキャスティング機においては水滴
がベルト4上に付いて光沢の度合いが変わるため不適で
あり、反射型光センサは、ベルト4に黒色塗料を塗る必
要があり、長時間の運転でその塗料が剥がれたり脱色し
たりする可能性があり、確実に原点の読み出しを行なえ
なくなる可能性があって不適である。
【0051】従って、本実施形態では、前述のごとく透
過型光センサ(センサ21および光源22)を使用して
いるが、その際、原点位置用のマークとして、それ専用
の小孔や鋭角の切り欠き等をベルト4に新たに形成する
と、樹脂2のキャスティング時に小孔から冷却用水滴が
樹脂2に付着したり、大きなベルトテンションに伴う集
中応力がベルト4に作用したりする。
【0052】そこで、本実施形態のベルト式キャスティ
ング機では、ベルト溶接点の切り欠き4a(応力集中を
避けるために予め形成されている)を検出ピッチ(例え
ば30〜40mmピッチ)以上の幅(例えば50mm)に拡
大して形成しておき、センサ検出点(計測原点)が確実
にベルト端縁検出センサ21によりサーチされるように
なっている。
【0053】この場合、ベルト端縁検出センサ21によ
る原点サーチ動作時には、例えば、端面データの12個
移動平均値と次の最新入力の1データとの差が、ある一
定値以上になった時に、その点を計測原点R1 として検
知する。ベルト4の1回動分の長さが例えば3.2mと
し、切り欠き4aの深さを例えば1.5mmとすれば、ベ
ルト端縁検出センサ21がベルト4の端縁1周分をスキ
ャンする間に1.5mm近く蛇行することはあり得ないた
め、センサ21の範囲内であれば、確実に計測原点R1
をサーチすることができる。
【0054】また、ベルト4の周速が速い場合であって
も、回転速度センサ27がモータ19の回転角度に比例
した信号をCPU31に送り、ベルト4の一定ピッチ毎
にベルト端縁の位置検出信号を報告するので、正確に原
点R1 (切り欠き4aの位置)を判別することができ
る。 〔5〕本実施形態による作用および効果 幅広金属製の無端状キャスティングベルト4は、幅広の
薄板材を溶接で継ぎ合わせて構成されるため、その端縁
は製造誤差のために必ずしも均一ではないが、ベルト端
縁検出センサ21によってベルト端縁の1周分のデータ
を読み込んで記憶し、これを1周分の基準値として、そ
のデータと実際の検出値とを、毎回、ベルト4の同じ点
について比較することにより、ベルト固有の端縁の偏差
を蛇行量と区別することができ、ベルト4の蛇行量のみ
を取り出して安定な走行補正を行なうことができる。
【0055】従って、ベルト蛇行制御精度が大幅に向上
し、これに伴い、ベルト式キャスティング機による被加
工樹脂2の成形速度が大幅に高速化されるとともに、そ
の成形動作(シート成形動作,フィルム成形動作)が安
定化される。また、このようにキャスティングベルト4
固有の端縁の偏差を除去することができるため、ベルト
蛇行の判定は1周毎に行なえばよく、ベルト4が高速で
回動する場合でも制御装置30(CPU31)は蛇行制
御ロール9をタイミングよく制御して、横振れの修正を
行なえる。
【0056】さらに、ベルト4の回動状態が安定な領域
では横振れ比較データに上下限を定め、これを超えない
偏差の時はベルト1周分のベルト蛇行制御をクランプす
ることにより、無用な外乱を排除できると同時に蛇行制
御ロール9の不必要な回動を抑えることができる。一
方、本実施形態では、回転速度センサ27からの、ベル
ト4の周速に比例したモータ回転パルスに従って、一定
のパルス間隔(予め決められた一定のピッチp)でベル
ト端縁の位置データを読み込み、前データ(メモリ38
に記憶されたティーチングデータ)と比較することがで
きるので、キャスティングベルト4に挟圧されて送られ
る被加工樹脂2の種類や厚さによって、ベルト4の周速
が大きく変わっても、その影響を受けることがなく、そ
の周速の変化に速やかに対応して、ベルト4の横振れ変
化を抑制するようにベルト蛇行制御を迅速に行なうこと
ができる。
【0057】また、本実施形態では、ベルト4の1周毎
の蛇行量を検出すべくベルト4に設ける計測原点マーク
としては、金属製のベルト4の溶接部分の集中応力分散
のために予め形成されている切り欠き4aを利用してい
るため、黒色塗料マークやマーク孔などは不要になる。
つまり、運転中に剥離してしまうような塗料や応力集中
を招くような小孔等を用いることなく、且つ、新たなマ
ーキングを行なうことなく、確実に計測原点をサーチす
ることができる。
【0058】さらに、本実施形態では、ベルト端縁を検
出するためのベルト端縁検出センサ21は、受光量によ
ってベルト端縁位置を検出する方式のものを採用してお
り、光源22の照射光量の半分の光量の時をベルト中立
位置としてベルト蛇行の基準位置としているので、ベル
ト端縁検出センサ21を設定した後は、ベルト4は自動
的に中立位置に収斂するように制御される。
【0059】また、ベルト端縁検出センサ21および光
源22は、各ベルト4に1組そなえればよく、ベルト式
キャスティング機の中立位置にベルト4を合わせるため
のセンサ設定に際して、手動で調整しても手間がかから
ないので、製造コストや調整コストがともに少なくて済
む。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のベルト式
キャスティング機のベルト蛇行制御方法によれば、検出
機構によってベルト端縁の1周分のデータを読み込んで
記憶し、これを1周分の基準値として、そのデータと実
際の検出値とを、毎回、ベルトの同じ点について比較す
ることにより、ベルト固有の端縁の偏差を蛇行量と区別
することができ、ベルトの蛇行量のみを取り出して安定
な走行補正を行なうことができる。従って、ベルト蛇行
制御精度が大幅に向上し、ひいては、被加工樹脂の成形
速度の高速化や樹脂製薄膜の成形動作の安定化を実現す
ることができる(請求項1)。
【0061】また、ベルトに設ける計測原点マークとし
て、ベルト継ぎ目部分において集中応力分散のために予
め形成されている切り欠きを利用しているため、運転中
に剥離してしまうような塗料や応力集中を招くような小
孔等を用いることなく、且つ、新たなマーキングを行な
うことなく、確実に計測原点をサーチすることができる
(請求項2)。
【0062】さらに、ベルトの回動状態が安定な場合、
横振れ比較データに上下限を定め、これを超えない偏差
の時にはベルト1周分のベルト蛇行制御をクランプする
ことにより、無用な外乱を排除できると同時に調整機構
の不必要な動作を抑えることができる(請求項3)。一
方、予め決められた一定のピッチでベルト端縁の位置デ
ータを読み込んでティーチングデータと比較することが
できるので、無端状ベルトに挟圧されて送られる被加工
樹脂の種類や厚さによって、ベルトの周速が大きく変わ
ってもその影響を受けることがなく、その周速の変化に
速やかに対応して、ベルトの横振れ変化を抑制するよう
にベルト蛇行制御を迅速に行なうことができる(請求項
4)。
【0063】また、検出機構として、無端状ベルト毎に
光源とセンサとを1組そなえればよく、無端状ベルトを
中立位置に合わせるためのセンサ設定に際して、手動で
調整しても手間がかからず、周辺機器も少なくて済むの
で、製造コストや調整コストをともに削減することがで
きる(請求項5)。さらに、センサにより受光した光源
からのスリット状光線の受光量に基づいて無端状ベルト
の中立位置を検出することにより、センサを設定した後
は、そのセンサによる検出結果(受光量)に基づいて、
無端状ベルトを自動的に中立位置に収斂するように容易
に制御することができる(請求項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのベルト式キャステ
ィング機を模式的に示す側面図とその制御系のブロック
図とを同時に示す図である。
【図2】本実施形態のベルト式キャスティング機を図1
のII方向から見た状態で示す図である。
【図3】(A),(B)は、いずれも本実施形態の蛇行
制御ロールによる蛇行制御動作を説明すべく、ベルトお
よび蛇行制御ロールを図2と同じ方向から見た状態で示
す図である。
【図4】本実施形態におけるベルト端縁形状のティーチ
ング手順を説明するための図である。
【図5】本実施形態におけるベルト端縁形状のティーチ
ング手順を説明するための図である。
【図6】本実施形態における稼働運転中のベルト蛇行制
御動作を説明するための図である。
【図7】本実施形態におけるベルト蛇行制御手順(ベル
ト蛇行制御プログラムの一例)を説明するためのフロー
チャートである。
【図8】従来のベルトコンベアの蛇行調整装置の動作
(蛇行制御手法)を説明するための図である。
【符号の説明】
1 溶融樹脂押出機の口金 2 シート状樹脂(被加工樹脂,樹脂製薄膜) 3 駆動ロール 4 エンドレスベルト(無端状ベルト,キャスティング
ベルト) 4a 切り欠き(計測原点) 4b 溶接継ぎ目線 7 従動ロール 9 蛇行制御ロール(調整機構) 17 油圧シリンダ(調整機構) 18 傾き検出センサ 21 ベルト端縁検出センサ(検出機構) 22 光源(検出機構) 27 回転速度センサ 30 制御装置 31 CPU 35 比較回路 36 第1の比例積分制御回路(PI1 ) 37 第2の比例積分制御回路(PI2 ) 38 ベルト端縁ティーチングメモリ 40 サーボバルブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂押出機の口金から吐出された樹
    脂を、対向配置された一対の無端状ベルトの間で挟圧し
    て、樹脂製薄膜を成形するベルト式キャスティング機に
    おいて、各無端状ベルトの蛇行を抑制すべく、該無端状
    ベルト毎に、該無端状ベルトの端縁の横振れ量を検出す
    る検出機構と、該検出機構による検出結果に基づいて該
    無端状ベルトの蛇行を調整する調整機構とをそなえ、 該ベルト式キャスティング機の稼働運転に先立ち、該無
    端状ベルトの原点から1周分のベルト端縁横振れ量を該
    検出機構により検出し、検出されたベルト端縁横振れ量
    に対して検出中のベルト蛇行分の補正を施し、補正後の
    ベルト端縁横振れ量をティーチングデータとして記憶し
    てから、 該ベルト式キャスティング機の稼働運転中には、該検出
    機構により検出された該無端状ベルトの端縁の横振れ量
    を前記ティーチングデータと比較して、該検出機構によ
    り検出された該無端状ベルトの端縁の横振れ量から、該
    無端状ベルトの端縁の製造誤差分を消去して実際のベル
    ト蛇行分のみを抽出し、該実際のベルト蛇行分に応じて
    該調整機構により該無端状ベルトの蛇行を調整・制御す
    ることを特徴とする、ベルト式キャスティング機のベル
    ト蛇行制御方法。
  2. 【請求項2】 該無端状ベルトの前記原点を、該無端状
    ベルトのベルト継ぎ目の端部に形成された切り欠き形状
    を用いて設定することを特徴とする、請求項1記載のベ
    ルト式キャスティング機のベルト蛇行制御方法。
  3. 【請求項3】 該ベルト式キャスティング機の稼働運転
    中、該無端状ベルトが1周回動する毎に該無端状ベルト
    が蛇行量の少ない安定状態であるか否かを判断し、安定
    状態であると判断した場合には、該無端状ベルトが次に
    1周回動する間、該検出機構により検出される該無端状
    ベルトの端縁の横振れ量が許容範囲内であれば、該調整
    機構による該無端状ベルトの蛇行調整・制御を行なわな
    いことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の
    ベルト式キャスティング機のベルト蛇行制御方法。
  4. 【請求項4】 前記ティーチングデータを、該無端状ベ
    ルトの前記原点から一定ピッチで記憶し、該ベルト式キ
    ャスティング機の稼働運転中には、該無端状ベルトの前
    記原点を検出した後、該無端状ベルトの周速に応じて前
    記一定ピッチ毎の前記ティーチングデータを読み出しな
    がら、該無端状ベルトの蛇行を調整・制御することを特
    徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のベル
    ト式キャスティング機のベルト蛇行制御方法。
  5. 【請求項5】 該検出機構が、 該無端状ベルトの一端縁側にそなえられ、該無端状ベル
    トの一端縁を横切る、該無端状ベルトの幅方向に略平行
    なスリット状光線を照射する光源と、 該無端状ベルトの一端縁を挟んで該光源と対向するよう
    に配置され、該光源からのスリット状光線を受光するセ
    ンサとから構成されていることを特徴とする、請求項1
    〜請求項4のいずれかに記載のベルト式キャスティング
    機のベルト蛇行制御方法。
  6. 【請求項6】 該センサにより受光した該光源からのス
    リット状光線の受光量に基づいて、該無端状ベルトの中
    立位置を検出することを特徴とする、請求項5記載のベ
    ルト式キャスティング機のベルト蛇行制御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006301359A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Canon Inc 画像加熱装置
KR20130035865A (ko) * 2011-09-30 2013-04-09 후지필름 가부시키가이샤 환형 밴드의 이동 방향 제어 장치, 유연 설비, 및 용액 제막 방법
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