JPH10202454A - ロータリテーブル装置 - Google Patents

ロータリテーブル装置

Info

Publication number
JPH10202454A
JPH10202454A JP352297A JP352297A JPH10202454A JP H10202454 A JPH10202454 A JP H10202454A JP 352297 A JP352297 A JP 352297A JP 352297 A JP352297 A JP 352297A JP H10202454 A JPH10202454 A JP H10202454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
table member
bearing
rotating body
dynamic pressure
bearing sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP352297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3160215B2 (ja
Inventor
Masakazu Uesugi
正和 上杉
Shotaro Mizobuchi
庄太郎 溝渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THK Co Ltd
Original Assignee
THK Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THK Co Ltd filed Critical THK Co Ltd
Priority to JP00352297A priority Critical patent/JP3160215B2/ja
Publication of JPH10202454A publication Critical patent/JPH10202454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3160215B2 publication Critical patent/JP3160215B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Machine Tool Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】回転しているテーブル部材を回転軸方向へ任意
に昇降させ、かかるテーブル部材に搭載されたワーク等
の被固定物を高精度に位置決めすることが可能であり、
各種検査装置のテーブルや工作機械のワークテーブル等
に最適なロータリテーブル装置を提供する。 【解決手段】テーブル部材1の裏面から突出した回転軸
2を軸受スリーブ3に遊嵌させて、かかる軸受スリーブ
3と回転軸2とでラジアル動圧軸受を構成する一方、上
記テーブル部材1の裏面と軸受スリーブ3の端面との間
にはこれらと相俟ってスラスト動圧軸受を構成する中間
回転体6を介装し、この中間回転体6に対して任意の回
転数を与えることにより、テーブル部材1を上記軸受ス
リーブ3に対して任意量だけ昇降させるように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、研削加工
用テーブル、精密測定用テーブル、あるいは遠心力を利
用した樹脂の塗布用テーブル等として使用可能なロータ
リテーブル装置に係り、詳細には、非接触型の動圧軸受
によってテーブルの回転を支承したロータリテーブル装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のロータリテーブル装置と
しては、ワーク等の被固定物の搭載面を有して円盤状に
形成されたテーブル部材と、このテーブル部材の回転を
支承する軸受部と、上記テーブル部材に対して任意の回
転数を与えるテーブル駆動部とから構成されるものが知
られている。また、上記軸受部としては、内輪及び外輪
の間を転動体が転走する転がり軸受や、コンプレッサ等
によって加圧された流体潤滑膜でテーブル部材の回転を
支承する静圧軸受が従来から用いられている。
【0003】このようなロータリテーブル装置は、例え
ば、半導体集積回路の製造工程において多用されてお
り、かかる集積回路の基板となるシリコンウエハの平面
研削を行う際にその研削テーブルに利用される他、該シ
リコンウエハの検査用テーブルとして、あるいは上記シ
リコンウエハ上に微細電極をエッチング加工する際のフ
ォトレジストの塗布用テーブルとしても利用されてい
る。
【0004】すなわち、上記シリコンウエハの研削加工
では、上記ロータリテーブル装置のテーブル部材に被研
削物たるシリコンウエハが固定され、該シリコンウエハ
に対して所定の回転数が与えられる一方、高速回転する
カップ型砥石をシリコンウエハの研削面に押し当て、両
者の相対的な移動に伴ってシリコンウエハの被研削面に
対して一様に研削加工が行われるようになっている。
【0005】また、シリコンウエハ検査及び評価におい
ては、一定の周速で回転するテーブル部材にシリコンウ
エハを固定すると共に、かかるシリコンウエハの表面形
状等を測定するセンサ又はカメラ等を該シリコンウエハ
と一定の間隔を保って配置し、両者の相対的な移動に伴
ってシリコンウエハ表面のコーティング層の厚みや突起
物、異物等の欠陥を検出している。
【0006】更に、上記シリコンウエハに対するフォト
レジストの塗布に当たっては、かかるシリコンウエハを
テーブル部材に固定して高速で回転させると共に、シリ
コンウエハの回転中心に対してフォトレジストとなる感
光性樹脂を滴下し、テーブル部材の回転に伴って生じる
遠心力で上記感光性樹脂を薄膜化し、フォトレジストを
形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体集積
回路では基板となるシリコンウエハの平面度や加工歪み
の低減が集積回路としての電気的特性に大きな影響を与
えることから、該シリコンウエハは極めて高精度に加工
される必要がある。従って、その研削加工や検査におい
ては、被研削物又は被検査物であるところのシリコンウ
エハを高精度に位置決めする必要があり、テーブル部材
に固定されたシリコンウエハを該テーブル部材と共に数
ミクロン単位で昇降させることができれば、かかるシリ
コンウエハの位置決めにとって好都合である。
【0008】特に、近年における集積回路の集積率の向
上から、前述の研削加工においては著しく高精度な研削
加工が要求されており、シリコンウエハに対する砥石の
切り込み量をサブミクロン単位又はナノメータ単位で制
御する必要も生じている。従って、このような要請を実
現するためには、テーブル部材の回転中において該テー
ブル部材の回転軸方向への変位量をサブミクロン単位又
はナノメータ単位で調整できると都合が良い。
【0009】更に、前述したフォトレジストの成膜に当
たり、かかるフォトレジストをより薄く均一に成形する
にはシリコンウエハ上に滴下した感光性樹脂に対して急
激な遠心力を作用させることが必要であり、そのために
はイナーシャの大きなテーブル部材の回転を急激に加速
することができれは都合が良い。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、回転しているテ
ーブル部材を回転軸方向へ任意に昇降させることが可能
であり、被検査物の高精度な位置決めが必要とされる各
種検査装置等に好適なロータリテーブル装置を提供する
ことにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、回転している
テーブル部材をサブミクロン単位又はナノメータ単位で
回転軸方向へ変位させることが可能であり、ワークの微
小送りが要求される精密工作機械等に好適なロータリテ
ーブル装置を提供することにある。
【0012】更に、本発明の他の目的は、テーブル部材
のイナーシャが大きな場合であっても、該テーブル部材
の回転を急激に加速又は減速することが可能なロータリ
テーブル装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のロータリテーブル装置は、表面に被固定物
の搭載面を有して円盤状に形成されたテーブル部材と、
このテーブル部材の裏面側中央から下方へ向けて突出す
る回転軸と、この回転軸が上方から所定の軸受隙間を保
って遊嵌すると共に、該回転軸と相俟ってラジアル動圧
軸受を構成する軸受スリーブと、この軸受スリーブが固
定されると共に、上記回転軸に任意の回転数を与えるテ
ーブル駆動部を備えた装置ハウジングと、上記軸受スリ
ーブと上記テーブル部材との間に介装されると共に上記
回転軸に遊嵌し、これら軸受スリーブ及びテーブル部材
と相俟って一対のスラスト動圧軸受を構成する円盤状の
中間回転体と、この中間回転体に任意の回転数を与える
中間体駆動部とから構成されることを特徴とするもので
ある(請求項1)。
【0014】このような技術的手段によれば、上記テー
ブル駆動部によって回転軸を駆動し、上記テーブル部材
を装置ハウジングに対して回転させると、上記軸受スリ
ーブと回転軸によって構成されるラジアル動圧軸受、上
記中間回転体とテーブル部材によって構成されるスラス
ト動圧軸受の夫々では軸受隙間に存在する潤滑流体が加
圧され、テーブル部材は高圧の流体潤滑膜によって浮揚
状態でその回転を支承される。
【0015】ここで、上記スラスト動圧軸受における流
体潤滑膜の厚さ、すなわちスラスト動圧軸受の軸受隙間
の大きさは、かかる流体潤滑膜の圧力と中間回転体に対
するテーブル部材の相対的な回転数で決定される。しか
し、この流体潤滑膜は被固定物が搭載されたテーブル部
材を下方から支えているのであるから、かかる流体潤滑
膜の圧力は被固定物を含めたテーブル部材の自重に均衡
しており、テーブル部材に対して作用する外部荷重が変
動しないのであれば、該流体潤滑膜の圧力は一定であ
る。従って、かかる条件の下では中間回転体に対するテ
ーブル部材の回転数を変更すると、スラスト動圧軸受の
軸受隙間の大きさが変動することとなる。
【0016】このとき、本発明では中間体駆動部によっ
て上記中間回転体に対して任意の回転数を与えると、テ
ーブル部材の回転数を一定に保持したままの状態で中間
回転体に対する該テーブル部材の回転数を任意に変更す
ることができるので、中間回転体の回転数に応じた軸受
隙間をスラスト動圧軸受に与え、テーブル部材を装置ハ
ウジングに対して任意に昇降させることができるもので
ある。
【0017】このような本発明において、上記回転軸を
軸受スリーブに対して上方から遊嵌させただけの構造の
場合、かかる回転軸はその軸方向への移動を何ら規制さ
れていないので、外部荷重が一定であれば、テーブル部
材は中間回転体の回転数の増加につれて無制限に上方へ
変位することが可能であり、中間回転体の回転数の増加
に対するテーブル部材の変位の割合も大きくなる。従っ
て、テーブル部材に作用する外部荷重に変動がなく、且
つ、中間回転体の回転に伴うテーブル部材の昇降量を大
きく設定したい場合、例えば本発明のロータリテーブル
装置を精密検査装置等に使用する場合には、回転軸の軸
方向の移動をスラスト軸受によって規制せず、軸受スリ
ーブに対して回転軸を上方から遊嵌させただけの構造と
するのが好ましい。
【0018】一方、上記中間回転体の回転に伴うテーブ
ル部材の昇降量を小さく抑えると共に、外部荷重に対す
るテーブル部材の軸方向変位を抑えたい場合には、上記
軸受スリーブを挟んで中間回転体と対向すると共に該軸
受スリーブと相俟ってスラスト動圧軸受を構成するスラ
スト板を回転軸に固定し、かかるスラスト板によって回
転軸の軸方向への移動を拘束するのが好ましい(請求項
2)。このように構成すれば、テーブル部材の変位量は
各スラスト動圧軸受における軸受隙間の和よりも大きく
なることはなく、中間回転体の回転数の増加に対するテ
ーブル部材の変位の割合は極めて小さいものとなる。ま
た、中間回転体の回転数の増加につれて各スラスト動圧
軸受の流体潤滑膜の圧力は著しく高まるので、外部荷重
に対するテーブル部材の軸方向への変位を抑えることも
できる。従って、かかるスラスト板によって回転軸の軸
方向への移動を拘束したロータリテーブル装置は、外部
荷重に対して高い剛性が要求され、且つ、サブミクロン
単位又はナノメータ単位の微小送りが要求される工作機
械用テーブルとして好適である。
【0019】また、本発明においてテーブル部材の起動
時における回転軸と軸受スリーブの固体接触を防止する
という観点からすれば、所定の隙間を保って上記回転軸
と軸受スリーブの間に挿入されるリング部を上記中間回
転体と一体に設け、かかるリング部が回転軸及び軸受ス
リーブと相俟ってラジアル動圧軸受を構成するのが好ま
しい(請求項3)。このように構成すれば、テーブル部
材の起動に先立って上記中間回転体を回転させておくこ
とにより、回転軸、中間回転体及び軸受スリーブの三者
間には流体潤滑膜が形成されるので、上記回転軸の起動
に当たり、固体接触が生じるのを防止することが可能と
なる。
【0020】更に、本発明においてテーブル部材の回転
を支承している動圧軸受は、回転軸が回転すると自ら潤
滑流体を軸受隙間に吸引してこれを加圧することから、
本発明ではこの吸引力を利用してテーブル部材に対する
被固定物の着脱を行うことも可能である。すなわち、上
記テーブル部材に対してその表面側の搭載面と裏面側の
スラスト動圧軸受の軸受隙間とを連通する吸引通路を形
成しておけば、テーブル部材の一方向への回転に伴い、
上記搭載面上の雰囲気は該スラスト動圧軸受の軸受隙間
へ吸引されるので、かかる吸引力によって被固定物をテ
ーブル部材に吸着固定することができる(請求項4)。
また、テーブル部材を逆方向へ回転させれば、潤滑流体
が上記吸引通路を逆流する結果となり、テーブル部材に
対する被固定物の吸着を容易に解除することができる。
【0021】一方、本発明のロータリテーブル装置にお
いては、上記テーブル部材と中間回転体が構成するスラ
スト動圧軸受の軸受隙間に対して潤滑流体を供給する流
体供給通路を設けると共に、この流体供給通路には該通
路の開閉を行う弁を設けるのが好ましい。このような構
成によれば、上記中間回転体をテーブル部材よりも著し
く高速で回転させた状態で上記流体供給通路の弁を閉鎖
すると、軸受隙間に対する潤滑流体の流入が強制的に停
止されることから、高速回転している中間回転体にテー
ブル部材が吸いつき、テーブル駆動部の能力以上の加速
度で該テーブル部材の回転を急激に加速することが可能
となる。また、これとは逆に、中間回転体を停止させた
状態で上記流体供給通路の弁を閉鎖すると、回転してい
るテーブル部材が停止している中間回転体に吸いつき、
テーブル駆動部の能力以上の減速度で該テーブル部材の
回転を急激に減速することが可能となる。従って、この
ような構成を備えた本発明のロータリテーブル装置は、
イナーシャの大きなテーブル部材の回転を急激に加速又
は減速する用途、例えばエッチング加工におけるフォト
レジストの塗布用テーブルとして好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
のロータリテーブル装置について詳細に説明する。図1
は本発明のロータリテーブル装置の第1実施例を示すも
のである。同図において、符号1は円盤状に形成された
テーブル部材、符号2はこのテーブル部材1の裏面側中
央から突出した回転軸、符号3はこの回転軸2が所定の
軸受隙間を保って遊嵌する軸受スリーブ、符号4はこの
軸受スリーブ3が固定された装置ハウジング、符号5は
上記回転軸2を駆動するテーブル駆動モータ、符号6は
上記回転軸2に遊嵌すると共に、僅かな隙間を保持して
上記軸受スリーブ3とテーブル部材1との間に介装され
た円盤状の中間回転体、符号7はこの中間回転体6を上
記回転軸2とは別個独立に回転させるための中間体駆動
モータである。尚、この装置の断面は左右対象に描くこ
とができるので、図1では右半分を省略して左半分のみ
を描いてある。
【0023】上記テーブル部材1は表面にシリコンウエ
ハ等のワークを固定する搭載面11を有しており、かか
る搭載面11にはワークを該搭載面11に吸着固定する
ための吸引通路12が無数に開設されている。これら吸
引通路12はテーブル部材1を貫通するようにして該テ
ーブル部材1と上記中間回転体6の隙間に連通してお
り、その連通位置はテーブル部材11と上記回転軸2の
交わった角部である。
【0024】また、上記回転軸2は軸受スリーブ3と相
俟ってラジアル動圧軸受を構成しており、かかる回転軸
2の外周面には上記軸受スリーブ3と対向してヘリング
ボーン状の動圧発生用溝(以下、ヘリングボーン溝)2
1が形成されている。このヘリングボーン溝21は軸受
隙間に介在する潤滑流体を軸端方向へ付勢する所謂ポン
プアウト型に形成されており、上記回転軸2の回転に伴
って潤滑流体を加圧し、該回転軸2と軸受スリーブ3と
の間に高圧の流体潤滑膜を形成する。尚、本実施例にお
いては上記潤滑流体として空気を用いており、後述する
スラスト動圧軸受においてもその潤滑流体は空気であ
る。
【0025】更に、この回転軸2のテーブル部材1側の
端部には上記中間回転体6の内周面と対向するようにヘ
リングボーン状の流体送出溝22が形成されており、回
転軸2の特定方向への回転に伴い、かかる流体送出溝2
2が回転軸2と中間回転体6の隙間に介在する空気を上
記ラジアル動圧軸受へ向けて付勢するように構成されて
いる。これにより、上記回転軸2が回転すると、該回転
軸2とテーブル部材1の交わった角部が負圧となって、
当該位置に開口する吸引通路12からテーブル部材1の
搭載面11上の雰囲気が吸引され、ワークがテーブル部
材1の搭載面11に吸着固定されるようになっている。
【0026】一方、上記中間回転体6はテーブル部材1
と相俟ってスラスト動圧軸受を構成しており、図2に示
すように、かかる中間回転体6のテーブル部材1と対向
する面にはスパイラル状の動圧発生用溝(以下、スパイ
ラル溝)61が形成されている。このスパイラル溝61
は、上記中間回転体6を静止させた状態でテーブル部材
1を回転させると、これら中間回転体6とテーブル部材
1との軸受隙間に介在する潤滑流体をテーブル部材1の
外径方向へ付勢する所謂ポンプアウト型に形成されてお
り、かかる回転に伴って該テーブル部材1と中間回転体
6との間には高圧の流体潤滑膜が形成される。尚、図2
中の矢線は中間回転体6が静止していると仮定した場合
の、該中間回転体6に対するスラスト板4bの相対的な
回転方向を示している。
【0027】また、図2に示されるように、この中間回
転体6には上記スパイラル溝61の内径側に隣接してス
パイラル状の流体送出溝62が形成されており、前述し
た回転軸2の流体送出溝22と同様に、テーブル部材1
が特定方向へ回転すると、かかる流体送出溝62が該テ
ーブル部材1の吸引通路12から空気を吸引し、これに
よってワークがテーブル部材1の搭載面11に吸着固定
されるようになっている。
【0028】更に、上記中間回転体6の軸受スリーブ3
との対向面にもスパイラル状の動圧発生用溝(以下、ス
パイラル溝)63が形成されており、かかる中間回転体
6と軸受スリーブ3とがスラスト動圧軸受を構成してい
る。このスパイラル溝63は上記中間回転体6を回転軸
1とは逆方向に回転させた際に、かかる中間回転体6と
軸受スリーブ3との軸受隙間に介在する潤滑流体を中間
回転体6の外径方向へ付勢する所謂ポンプアウト型に形
成されており、かかる回転に伴って該中間回転体6と軸
受スリーブ3の間に高圧の流体潤滑膜が形成される。ま
た、このスパイラル溝63は中間回転体6を貫通する貫
通孔64によって背面側に位置する上記スパイラル溝6
1と連通されており、軸受スリーブ3側のスラスト動圧
軸受の潤滑流体が該貫通孔64を介してテーブル部材1
側のスラスト動圧軸受に流入するようになっている。
【0029】更に、上記軸受スリーブ3には上記ラジア
ル動圧軸受及びスラスト動圧軸受の夫々の軸受隙間に対
して潤滑流体である空気を供給する供給通路31が開設
される一方、上記装置ハウジング4には該供給通路31
に連通する供給ポート41が開設されており、回転軸2
及び中間回転体6が回転を開始すると、これらに形成さ
れたポンプアウト型のヘリングボーン溝21及びスパイ
ラル溝61,63の作用によって、装置ハウジング外の
空気が各動圧軸受に吸引されるようになっている。尚、
大気中の粉塵が各動圧軸受に流入するのを防止するた
め、上記供給ポート41には図示外のフィルターが装着
されている。
【0030】熱膨張によって各動圧軸受の軸受隙間が変
動するのを極力避けるため、上記回転軸2、軸受スリー
ブ3及び中間回転体6は熱膨張係数の小さなセラミクス
材から形成されており、上記ヘリングボーン溝21及び
スパイラル溝31,33は何れもショットブラスト加工
によって深さ10μmに形成されている。また、上記流
体送出溝22,62もショットブラスト加工によって形
成され、その深さは10μmである。
【0031】また、上記テーブル駆動モータ5は、回転
軸2の外形に固定されたロータ5aと、このロータ5a
と対向すると共に上記装置ハウジング4に固定されたス
テータ5bとから構成されたサーボモータであり、上記
ステータ5bに対する入力信号に応じて回転軸2を任意
の方向に任意の回転数で回転させ得るようになってい
る。
【0032】一方、上記中間体駆動モータ7はテーブル
駆動モータ5と同様のサーボモータであり、そのロータ
7aは環状のブラケット71を介して中間回転体6の外
径に固定される一方、ステータ7bは装置ハウジング4
に固定されている。また、上記ブラケット71の内周面
はテーブル部材1及び軸受スリーブ3の外周面と隙間を
保持して対向しており、上記スラスト動圧軸受で加圧さ
れた潤滑流体が該隙間から軸受外へ排出されるようにな
っている。
【0033】また、これらテーブル駆動モータ5及び中
間体駆動モータ7は装置ハウジング4内に密閉されるた
め、かかる装置ハウジング4には各モータ5,7を空冷
するための送風ポート42,43が開設されている。そ
して、送風ポート42からテーブル駆動モータへと送り
込まされた空気は、ラジアル動圧軸受の軸受隙間から排
出された空気と共に排気ポート44を介して装置ハウジ
ング外へ放出される一方、送風ポート43から中間体駆
動モータへ送り込まれた空気は上記ブラケット71と装
置ハウジングの隙間から大気中に放出される。
【0034】そして、以上のように構成された本実施例
のロータリテーブル装置においては、上記テーブル駆動
モータ5によって回転軸2及びテーブル部材1を回転さ
せると、それに伴って上記回転軸2と軸受スリーブ3の
軸受隙間、上記テーブル部材1と中間回転体6の軸受隙
間では潤滑流体が加圧され、各軸受隙間には高圧の流体
潤滑膜が形成される。これにより、上記テーブル部材1
は上記軸受スリーブ5に対して浮揚状態となり、回転抵
抗や振動が殆ど作用することなくその回転を支承され
る。
【0035】ここで、上記中間体駆動モータ7で中間回
転体6をテーブル部材と逆方向へ回転させると、かかる
回転によって中間回転体6と軸受スリーブ3との間にも
高圧の流体潤滑膜が形成され、中間回転体6は軸受スリ
ーブ3から浮揚した状態で回転する。
【0036】このとき、テーブル部材1と中間回転体6
の間に形成される流体潤滑膜の圧力はテーブル部材の自
重と均衡していることから一定であり、しかもその圧力
は軸受隙間の大きさとテーブル部材1の回転数に依存し
ていることから、上記中間体駆動モータ7で中間回転体
6を回転させ、かかる中間回転体6に対するテーブル部
材1の見かけ上の回転数を変化させると、かかる流体潤
滑膜の圧力を一定に保持すべく、テーブル部材1と中間
回転体6の軸受隙間が変動し、結果としてテーブル部材
1が昇降することとなる。
【0037】図3は上記中間回転体6の回転数を変化さ
せた場合におけるテーブル部材1の変位量を示したグラ
フであり、テーブル部材1の回転数は500rpmで一
定とした。このグラフから明らかなように、本実施例の
ロータリテーブル装置では中間回転体6の回転数の増加
に伴い、テーブル部材1の変位量が増加している。特
に、この実施例ではテーブル部材1が上昇する方向に関
しては回転軸2の移動を何ら拘束していないので、テー
ブル部材1は上方へ自由に上昇することが可能であり、
中間回転体6の回転数の増加に対してテーブル部材1の
変位量を大きく採ることができるようになっている。
【0038】但し、テーブル部材1と中間回転体6の間
に形成される流体潤滑膜の圧力に応じて該テーブル部材
1が大きく昇降することから、テーブル部材1に作用す
る外部荷重が変動すると、すなわち上記流体潤滑膜の圧
力が変動すると、かかるテーブル部材1はその影響を受
けて大きく昇降してしまうといった欠点もある。
【0039】従って、この実施例のロータリテーブル装
置はテーブル部材1に対して作用する外部荷重の変動が
少ない用途、例えば、各種検査装置や測定装置のテーブ
ルとして有効であり、上記中間回転体6の回転数を任意
に設定することにより、テーブル部材1に固定した被検
査物あるいは被測定物をマイクロメータ単位で昇降さ
せ、その位置決めを行うことができる。
【0040】また、既に述べたように、このロータリテ
ーブル装置ではテーブル部材1が回転すると、回転軸2
に形成した流体送出溝22あるいは中間回転体6に形成
した流体送出溝32の作用により、テーブル部材1上に
置かれた被検査物等が搭載面11に吸着固定され、回転
が継続する間はこの固定状態が維持されるので、テーブ
ル部材1に対する被検査物の固定を簡易に行うことがで
きるといった利点もある。しかも、テーブル部材1を逆
方向へ回転させると、上記流体送出溝22,32が逆に
作用し、テーブル部材1の搭載面11では吸引通路12
から空気が吹き出すこととなるので、それまで搭載面1
1に吸着固定されていた被検査物を該搭載面11から容
易に外すこともできる。
【0041】次に、図4に示す本発明のロータリテーブ
ル装置の第2実施例について説明する。この実施例のロ
ータリテーブル装置は前述の第1実施例の装置と略同じ
構成を有するものであるが、スラスト板8によって上記
回転軸の軸方向への移動を規制した点においてのみ第1
実施例と相違する。具体的には、上記軸受スリーブ3を
挟んで中間回転体6と対向するスラスト板8を設けると
共に、このスラスト板8を回転軸2に固定し、該スラス
ト板8と軸受スリーブ3とでスラスト動圧軸受を構成し
た。尚、その他の構成は第1実施例と同一なので、図4
中に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】上記スラスト板8の軸受スリーブ3と対向
する面にはスパイラル状の動圧発生用溝(以下、スパイ
ラル溝)81が形成されている。このスパイラル溝81
は、上記回転軸2を回転させると、これらスラスト板8
と軸受スリーブ3との軸受隙間に介在する潤滑流体をス
ラスト板8の外径方向へ付勢する所謂ポンプアウト型に
形成されており、かかる回転に伴って該スラスト板8と
軸受スリーブ3との間には高圧の流体潤滑膜が形成され
る。尚、図2中の符号82はスラスト板8を固定するた
めの止めナットである。
【0043】そして、以上のように構成された本実施例
のロータリテーブル装置においても、第1実施例と同
様、中間回転体6の回転数に応じてテーブル部材1を昇
降させることができるのであるが、回転軸2の軸方向へ
の移動がスラスト動圧軸受によって拘束されていること
から、テーブル部材1の昇降量は第1実施例と比較して
著しく小さいものとなる。
【0044】図5は中間回転体6の回転数を変化させた
場合におけるテーブル部材1の変位量を示したグラフで
あり、テーブル部材1の回転数は500rpmで一定と
した。このグラフから明らかなように、本実施例のロー
タリテーブル装置でも中間回転体6の回転数の増加に伴
ってテーブル部材1の変位量は増加しているが、その変
位量はスラスト板8を設けていない第1実施例の約1/
10程度となっている。
【0045】これは、中間回転体6の回転数の増加に伴
って該中間回転体6とテーブル部材1の間の流体潤滑膜
の圧力が増加しても、回転軸2の軸方向への僅かな変位
によって該圧力と均衡する圧力がスラスト板8と軸受ス
リーブ3との間に発生し、かかる回転軸2の軸方向への
移動が係止されるからである。従って、テーブル部材1
とスラスト板8との間における各スラスト動圧軸受の隙
間量の和が小さい程、中間回転体6の回転数の増加に伴
うテーブル部材1の変位量は小さくなる。図5におい
て、回転軸2を隙間10μmで拘束した場合の変位量
が、隙間25μmで拘束した場合の変位量よりも小さく
なるのはこのためである。
【0046】一方、テーブル部材1の昇降量は小さくな
るものの、中間回転体6の回転数が増加するにつれて各
スラスト動圧軸受における流体潤滑膜の圧力は確実に上
昇していることから、かかる中間回転体6を高速で回転
させることにより、外部荷重の変動に対するテーブル部
材1の変位を防止し、該テーブル部材1の回転を高剛性
で支承することができる。図6は、テーブル部材1を5
00rpm、中間回転体6を2000rpmで回転させ
ると共に、テーブル部材1に対して上方から100Nの
荷重を作用させた場合における該テーブル部材1の剛性
を示すグラフである。横軸の拘束隙間量とは回転軸2の
軸方向への最大移動量であり、各スラスト動圧軸受が有
している軸受隙間の和である。このグラフから明らかな
ように、拘束隙間量が小さい程、テーブル部材1の外部
荷重に対する剛性が向上する。
【0047】従って、この実施例のロータリテーブル装
置は高い剛性が要求される工作機械のワークテーブルに
最適であり、上記中間回転体6の回転数を任意に設定す
ることにより、テーブル部材1に対して加工反力に抗し
た剛性を与えることがてきる他、テーブル部材1をサブ
ミクロン単位で昇降させてワークの微小送りを実現する
ことも可能となる。
【0048】次に、図7に示す本発明のロータリテーブ
ル装置の第3実施例について説明する。この実施例のロ
ータリテーブル装置は前述の第2実施例の装置と略同じ
構成を有するものであるが、上記中間回転体6が回転軸
2及び軸受スリーブ3と相俟ってラジアル動圧軸受を構
成している点においてのみ第2実施例と相違する。具体
的には、所定の軸受隙間を保って上記回転軸2と軸受ス
リーブ3との間に挿入される円筒状のリング部9を中間
回転体6と一体に設け、かかるリング部9と回転軸2、
かかるリング部9と軸受スリーブ3で一対のラジアル動
圧軸受を構成した。尚、その他の構成は第1実施例と同
一なので、図7中に同一符号を付して詳細な説明は省略
する。
【0049】上記リング部9の外周面には上記軸受スリ
ーブ3と対向してヘリングボーン溝91が形成されてい
る。このヘリングボーン溝91は上記回転軸2のヘリン
グボーン溝21と同一のパターンで形成されているが、
中間回転体6はその回転方向が回転軸2とは逆方向であ
ることから、ヘリングボーン溝91の方向性は回転軸2
のそれと逆向きになる。また、上記リング部9にはヘリ
ングボーン溝91の中央に対応して貫通孔92が形成さ
れており、軸受スリーブ3の供給通路31から該軸受ス
リーブ3側のラジアル動圧軸受の軸受隙間に流入した潤
滑流体が、かかる貫通孔92を介して回転軸2側のラジ
アル動圧軸受の軸受隙間に流入するように構成されてい
る。
【0050】そして、このように構成された本実施例の
ロータリテーブル装置によれば、中間回転体6の回転数
を任意に調整することにより、第2実施例の装置と同様
の効果、すなわち外部荷重に対するテーブル部材1の剛
性を高めると共に、上記テーブル部材1に対してサブミ
クロン単位の昇降量を与えることができるといった効果
を得られるのは勿論のこと、テーブル部材1の回転に先
立って中間回転体6を回転させておくことにより、上記
リング部9と回転軸2の間、あるいは上記リング部9と
軸受スリーブ3の間に流体潤滑膜が形成され、テーブル
部材1の起動時における回転軸2の固体接触を可及的に
防止することが可能となる。
【0051】次に、図8に示す本発明のロータリテーブ
ル装置の第4実施例について説明する。この実施例のロ
ータリテーブル装置は前述の第2実施例の装置(図4参
照)と略同じ構成を有するものであるが、ラジアル動圧
軸受及び各スラスト動圧軸受の潤滑流体として空気では
なく液体を用いた点においてのみ第2実施例と相違す
る。具体的には、装置ハウジング4に形成された潤滑流
体の供給ポート41に図示外の潤滑液タンクを接続し、
テーブル部材1及び回転軸2の回転に伴い、該タンク内
の潤滑液が回転軸2と軸受スリーブ3の軸受隙間、中間
回転体6と軸受スリーブ3の軸受隙間に吸引されるよう
に構成した。また、ラジアル動圧軸受及びスラスト動圧
軸受から排出された潤滑液によってテーブル駆動モータ
5及び中間体駆動モータ7が汚染されるのを防止するた
め、スラスト板8と装置ハウジング4の間、ブラケット
71と装置ハウジング4の間には夫々ラビリンスシール
45,45を設け、テーブル駆動モータ5及び中間体駆
動モータ7側には加圧した冷却空気を導入することによ
って、これらモータ側に潤滑液が侵入するのを防止し
た。そして、かかるラビリンスシール45によってせき
止められた潤滑液は装置ハウジング4に設けたドレン管
路46,46で該装置ハウジング4外へ回収するように
した。尚、その他の構成は第1実施例と同一なので、図
8中に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】そして、このように構成された本実施例の
ロータリテーブル装置においても、潤滑流体として空気
を用いた前述の実施例と同様、中間回転体6の回転数を
任意に調整することにより、上記テーブル部材1に対し
てサブミクロン単位の昇降量を与えることができるとい
った効果が得られる。図9は本実施例において中間回転
体6の回転数を変化させた場合におけるテーブル部材1
の変位量を示したグラフであり、テーブル部材1の回転
数は500rpmで一定とした。やはり中間回転体6の
回転数の増加に伴ってテーブル部材1の変位量は増加し
ているが、その変位量は回転軸2を隙間20μmで拘束
した場合の方が隙間50μmで拘束した場合の変位量よ
りも小さくなっている。
【0053】また、本実施例のロータリテーブル装置で
は中間回転体6の回転数を調整することにより、前述の
第2実施例と同様、外部荷重に対するテーブル部材1の
剛性を任意に高めることが可能となるが、テーブル部材
1の回転を支承している各動圧軸受の潤滑流体を空気で
はなく液体したことにより、テーブル部材1の回転に対
して第2実施例のロータリテーブル装置よりも高い剛性
を与えることができる。図10は、テーブル部材1を5
00rpm、中間回転体6を2000rpmで回転させ
ると共に、テーブル部材1に対して上方から1000N
の荷重を作用させた場合における該テーブル部材1の剛
性を示すグラフである。このグラフを潤滑流体として空
気を用いた場合の図6のグラフと比較すると、外部荷重
に対するテーブル部材1の剛性が著しく向上しているこ
とが把握される。
【0054】次に、図11に示す本発明のロータリテー
ブル装置の第5実施例について説明する。この実施例の
ロータリテーブル装置は前述の第3実施例の装置(図7
参照)と略同じ構成を有するものであるが、ラジアル動
圧軸受及び各スラスト動圧軸受の潤滑流体として空気で
はなく液体を用いた点においてのみ第3実施例と相違す
る。従って、前述の第4実施例と同様、ラビリンスシー
ル45、ドレン管路46を追加することにより第3実施
例の装置を潤滑液の使用に耐えうる構成に改造した。そ
れ故、本実施例のロータリテーブル装置は第3実施例の
ものと比較し、外部荷重に対するテーブル部材の剛性が
高いものとなっている。
【0055】次に、図12に示す本発明のロータリテー
ブル装置の第6実施例について説明する。前述の各実施
例では中間回転体6の回転数の調整によってテーブル部
材1の高さ調整を行うことを主眼としたが、この実施例
は中間回転体6の回転を利用してイナーシャの大きなテ
ーブル部材1の回転の加減速を介助することを主眼とす
るものである。このため、基本的な装置構成は図8に示
す第4実施例の装置と略同一としたが、中間回転体6の
回転方向はテーブル部材1の回転方向と同一方向とし
た。
【0056】また、中間回転体6とテーブル部材1の間
の軸受隙間に対する潤滑液の供給を他の動圧軸受とは別
個にコントロールするため、かかる軸受隙間に連通する
第2供給通路32を軸受スリーブ3に形成すると共に、
この第2供給通路32に潤滑液を送り込む第2供給ポー
ト47を装置ハウジング4に形成した。そして、この第
2供給ポート47には制御弁48を設け、かかる制御弁
48の開閉に応じて上記第2供給通路32に対する潤滑
液の流入が制限されるようにした。尚、その他の構成は
第4実施例と同一なので、図12中に同一符号を付して
詳細な説明は省略する。
【0057】そして、このように構成された本実施例の
ロータリテーブル装置は、例えば、上記第2供給ポート
47に設けられた制御弁48を開放した状態で先ずは中
間回転体6のみを高速回転させ、この後にテーブル部材
1の回転を始動すると共に上記制御弁48を閉塞するよ
うにして使用される。
【0058】上記制御弁48を開放した状態で中間回転
体6のみを回転させると、かかる中間回転体6の回転に
伴ってテーブル部材1、中間回転体6及び軸受スリーブ
3の三者間には潤滑液が流れ込むので、これら三者間に
は中間回転体6の表裏両面に形成されたスパイラル溝6
1,63に作用によって流体潤滑膜が形成され、中間回
転体6はテーブル部材1及び軸受スリーブ3とは非接触
の状態で軽く回転する。
【0059】一方、この状態からテーブル部材1の回転
を始動すると共に上記制御弁48を閉塞すると、テーブ
ル部材1と中間回転体6の軸受隙間に対する潤滑液の流
入が停止するので、かかる軸受隙間には負圧が発生し、
この負圧によって中間回転体6はテーブル部材1に吸い
付けられる。その結果、回転を開始したばかりのテーブ
ル部材1は高速回転している中間回転体6に連れ回され
ることとなり、テーブル部材1の回転は急激に加速され
る。
【0060】また、これと同様にして、高速で回転して
いるテーブル部材1に対して中間回転体6を低速で回転
させておき、上記制御弁48を閉塞することによってテ
ーブル部材1を急激に減速することも可能である。
【0061】従って、この実施例のロータリテーブル装
置によれば、中間回転体6の回転を利用してテーブル部
材1の回転の急激な加減速を行うことが可能であり、例
えばイナーシャが大きなテーブル部材1の回転数を急速
に変更したい場合等に最適である。
【0062】次に、図13に示す本発明のロータリテー
ブル装置の第7実施例について説明する。この実施例の
ロータリテーブル装置は前述の第6実施例の装置と略同
じ構成を有するものであるが、上記中間回転体6にリン
グ部9を設け、かかるリング部で回転軸2及び軸受スリ
ーブ3と相俟ってラジアル動圧軸受を構成した点におい
てのみ第6実施例と相違する。ここで、リング部9の構
成は図7に示した第3実施例と同一なので、ここではそ
の詳細な説明は省略する。
【0063】そして、このように構成された本実施例の
ロータリテーブル装置によれば、前述の第6実施例の装
置と同様、中間回転体6の回転を利用してテーブル部材
1の回転の急激な加減速を行うことが可能であるのは勿
論のこと、テーブル部材1の回転に先立って中間回転体
6を回転させておくことにより、上記リング部9と回転
軸2の間、あるいは上記リング部9と軸受スリーブ3の
間に流体潤滑膜が形成され、テーブル部材1の起動時に
おける回転軸2の固体接触を可及的に防止することが可
能となる。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のロー
タリテーブル装置によれば、テーブル部材と軸受スリー
ブの間に介装された中間回転体に対して任意の回転数を
与えることにより、テーブル部材の回転数を一定に保持
したままの状態で、テーブル部材を装置ハウジングに対
して任意に昇降させることができ、テーブル部材に搭載
されたワークや被検査物等を高精度に位置決めすること
が可能となる。
【0065】また、回転軸に固定したスラスト板によっ
て該回転軸の軸方向への移動を拘束しておけば、上記中
間回転体に対して任意の回転数を与えることにより、テ
ーブル部材をサブミクロン単位又はナノメータ単位で昇
降させると共に、外部荷重に対するテーブル部材の変位
を抑えることも可能となり、テーブル部材に搭載された
ワークに対して微小送りを与えることが可能となる。
【0066】更に、本発明のロータリテーブル装置によ
れば、中間回転体とテーブル部材との隙間に流入する潤
滑流体の流量を制御することにより、中間回転体の回転
を利用してテーブル部材の回転を急激に加速又は減速す
ることが可能となり、イナーシャの大きなテーブル部材
であってもその回転数の変更を迅速に行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のロータリテーブル装置の第1実施例
を示す断面図である。
【図2】 第1実施例に係る中間回転体に形成されたス
パイラル溝及び流体送出溝のパターンを示す拡大図であ
る。
【図3】 第1実施例の装置における中間回転体の回転
数とテーブル部材の変位量との関係を示すグラフであ
る。
【図4】 本発明のロータリテーブル装置の第2実施例
を示す断面図である。
【図5】 第2実施例の装置における中間回転体の回転
数とテーブル部材の変位量との関係を示すグラフであ
る。
【図6】 第2実施例の装置における回転軸の拘束隙間
量とテーブル部材の剛性との関係を示すグラフである。
【図7】 本発明のロータリテーブル装置の第3実施例
を示す断面図である。
【図8】 本発明のロータリテーブル装置の第4実施例
を示す断面図である。
【図9】 第4実施例の装置における中間回転体の回転
数とテーブル部材の変位量との関係を示すグラフであ
る。
【図10】 第4実施例の装置における回転軸の拘束隙
間量とテーブル部材の剛性との関係を示すグラフであ
る。
【図11】 本発明のロータリテーブル装置の第5実施
例を示す断面図である。
【図12】 本発明のロータリテーブル装置の第6実施
例を示す断面図である。
【図13】 本発明のロータリテーブル装置の第7実施
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…テーブル部材、2…回転軸、3…軸受スリーブ、4
…装置ハウジング、5…テーブル駆動モータ、6…中間
回転体、7…中間体駆動モータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に被固定物の搭載面を有して円盤状
    に形成されたテーブル部材と、このテーブル部材の裏面
    側中央から突出する回転軸と、この回転軸が所定の軸受
    隙間を保って遊嵌すると共に、該回転軸と相俟ってラジ
    アル動圧軸受を構成する軸受スリーブと、この軸受スリ
    ーブが固定されると共に、上記回転軸に任意の回転数を
    与えるテーブル駆動部を備えた装置ハウジングと、上記
    軸受スリーブと上記テーブル部材との間に介装されると
    共に上記回転軸に遊嵌し、これら軸受スリーブ及びテー
    ブル部材と相俟って一対のスラスト動圧軸受を構成する
    円盤状の中間回転体と、この中間回転体に任意の回転数
    を与える中間体駆動部とから構成されることを特徴とす
    るロータリテーブル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロータリテーブル装置に
    おいて、上記回転軸には、軸受スリーブを挟んで上記中
    間回転体と対向すると共に該軸受スリーブと相俟ってス
    ラスト動圧軸受を構成するスラスト板を固定し、かかる
    スラスト板によって回転軸の軸方向の移動を拘束したこ
    とを特徴とするロータリテーブル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のロータリテ
    ーブル装置において、上記中間回転体は所定の軸受隙間
    を保って上記回転軸と軸受スリーブの間に挿入されるリ
    ング部を備え、かかるリング部が上記回転軸及び軸受ス
    リーブと相俟ってラジアル動圧軸受を構成することを特
    徴とするロータリテーブル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のロータリテーブル装置において、上記テーブル部材に
    はその表面側の搭載面と裏面側のスラスト動圧軸受の軸
    受隙間とを連通する吸引通路を形成し、上記テーブル部
    材の一方向への回転に伴い、上記搭載面上の雰囲気を該
    スラスト動圧軸受の軸受隙間へ吸引するように構成した
    ことを特徴とするロータリテーブル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    のロータリテーブル装置において、上記テーブル部材と
    中間回転体が構成するスラスト動圧軸受の軸受隙間に対
    して潤滑流体を供給する流体供給通路を設けると共に、
    この流体供給通路には該通路の開閉を行う弁を設けたこ
    とを特徴とするロータリテーブル装置。
JP00352297A 1997-01-13 1997-01-13 ロータリテーブル装置 Expired - Lifetime JP3160215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00352297A JP3160215B2 (ja) 1997-01-13 1997-01-13 ロータリテーブル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00352297A JP3160215B2 (ja) 1997-01-13 1997-01-13 ロータリテーブル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10202454A true JPH10202454A (ja) 1998-08-04
JP3160215B2 JP3160215B2 (ja) 2001-04-25

Family

ID=11559716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00352297A Expired - Lifetime JP3160215B2 (ja) 1997-01-13 1997-01-13 ロータリテーブル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3160215B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148020A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Sakazaki Seiko Co Ltd 回転テーブル装置及び該回転テーブル装置を備えた工作機械
KR101193611B1 (ko) * 2010-08-11 2012-10-25 주식회사 티에스티 틸팅 인덱스 테이블

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148020A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Sakazaki Seiko Co Ltd 回転テーブル装置及び該回転テーブル装置を備えた工作機械
KR101193611B1 (ko) * 2010-08-11 2012-10-25 주식회사 티에스티 틸팅 인덱스 테이블

Also Published As

Publication number Publication date
JP3160215B2 (ja) 2001-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5121047B2 (ja) 動圧軸受及びラジアル動圧軸受を用いたスピンドル装置
JPS62193704A (ja) 超精密旋盤
CN110388889B (zh) 旋转工作台和圆度测量机
JP4309178B2 (ja) 3軸制御型の平面加工装置
JP2019214992A (ja) 真空ポンプ
JP3160215B2 (ja) ロータリテーブル装置
CN113555998A (zh) 一种带污染过滤装置的动压气浮轴承结构
JP2006167821A (ja) 装着物の取り付け方法及びスピンドル装置
JP2011194517A (ja) 両面研磨装置および加工方法
CN115435015A (zh) 气浮转台及其工作方法
JP4073117B2 (ja) 研削研磨保持装置
JPS6387162A (ja) 電動機械
JP2857061B2 (ja) 動圧軸受を用いたスピンドル装置
JP3827495B2 (ja) 静圧気体軸受装置
JP2004098267A (ja) 研磨工具、研磨装置および研磨方法
JPH11257346A (ja) 滑り軸受
JPH06241222A (ja) スピンドル
KR20020084151A (ko) 반도체 웨이퍼의 연마장치 및 그 방법
JP2000348429A (ja) 多孔質静圧気体軸受を用いたワーク載置台
JPH10184672A (ja) 動圧軸受ユニット
JPH0623663A (ja) 超平滑化非接触研磨方法および装置
JP2688584B2 (ja) 薄板研磨方法
JPH084768A (ja) 静圧回転軸受装置
JPS59106718A (ja) 動圧型流体軸受装置
Li et al. A Theoretical Flow Model of Thrust bearing in Gas spindle for wafer grinder

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010206

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080216

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090216

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130216

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140216

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term