JPH10202362A - はんだ付方法及びはんだ付装置 - Google Patents

はんだ付方法及びはんだ付装置

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JPH10202362A
JPH10202362A JP700297A JP700297A JPH10202362A JP H10202362 A JPH10202362 A JP H10202362A JP 700297 A JP700297 A JP 700297A JP 700297 A JP700297 A JP 700297A JP H10202362 A JPH10202362 A JP H10202362A
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JP
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soldering
cell
hydrogen
nitrogen
solder
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JP700297A
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English (en)
Inventor
Yoichiro Baba
陽一郎 馬場
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素ガスを用いてワークの酸化防止を行いな
がら水素ガスによる前記ワークの酸化膜の還元除去処理
を行いはんだ付けを行うはんだ付装置の場合、窒素ガス
と水素ガスの混合ガスを用いて一連のはんだ付処理を行
うため水素ガスの使用量が多く、設備が大型化すると共
に、還元効率が悪かった。 【解決手段】 窒素ガスを充填した窒素雰囲気室12内
部に水素ガスを分離保持する水素雰囲気室14を形成
し、セル22bを高濃度の水素ガス中で効率的に還元処
理を行い、窒素雰囲気室14内部で酸化することなくは
んだ付準備が行われた放熱板24に前記セル22bをは
んだ付固定する。従って、水素ガスは水素雰囲気室14
に充填するだけの量ですみ使用量の削減を行うことが可
能になり、はんだ付装置の小型簡略化を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク同士のはん
だ付方法及びはんだ付装置、特に、ワークのはんだ付部
位に発生している酸化物(酸化膜)の還元除去を効率的
に行うはんだ付方法及びはんだ付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電子部品等を基板等にはんだ付
けにより接続固定する場合、個々の電子部品をはんだ付
ロボット等によって、間欠的にはんだ付処理する方法
と、トンネルタイプの連続加熱炉(以下、単に加熱炉と
いう)等を用いて、連続的にはんだ付処理する方法とが
ある。前者は微妙なはんだ量やはんだ位置の状態の調整
が可能である反面、生産効率が悪く大量生産には適して
いない。一方、後者は微妙なはんだ付けの調整は困難で
あるが大量生産に適していて、比較的規模の大きな生産
工場では多用されている。
【0003】ところで、はんだ付けの目的である確実な
電気接続と強固な固定を実現するためには、はんだ付部
位の加熱による酸化を抑制しつつはんだ付処理を行うこ
とが望ましい。はんだ付時に酸化が発生すると、はんだ
の濡れ不良等によりはんだ剥がれの原因になる。そこ
で、前記加熱炉によるはんだ付処理の場合、加熱炉内に
窒素ガスを充填し加熱炉内を低酸素状態にして、酸化の
抑制を行っている。この時、供給する窒素ガスはできる
だけ純度の高いものが望ましい。例えば、特開平6−3
23756号公報には、窒素ガス中の残留酸素濃度や窒
素ガスの供給流量に応じて水素ガスを添加して窒素ガス
中の酸素の還元を行い低酸素状態を実現するガス供給技
術が開示されている。この技術によれば、はんだ付処理
中の酸化が抑制され良好なはんだ付けを行うことができ
る。
【0004】また、さらに確実な電気接続と強固な固定
を実現するためには、電子部品や基板のはんだ付部位に
予め形成されてしまっている酸化膜を除去する必要があ
る。この場合、加熱炉に水素ガスと窒素ガスとの混合ガ
スを充填し、水素によるはんだ付部位の還元処理と窒素
による酸化防止処理を同時に行いながらはんだ付処理を
行う。特に予めはんだ付けされ、はんだ表面にすでに酸
化膜が形成されてしまっている電子部品を交換する必要
が生じた場合に、混合ガス中で電子部品取り外しのため
のはんだ溶融を行えば、電子部品の取り外しと、そこに
形成されていた酸化膜の除去が可能になるので、再度、
交換部品のはんだ付けを行う場合、酸化膜がない状態で
処理が可能になるので、はんだ付品質を向上することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
加熱炉内に水素ガスと窒素ガスの混合ガスを充填させる
場合、水素ガスの使用量が非常に多くなってしまう。一
般に、はんだ付けに使用する加熱炉の大きさは、はんだ
付対象の大きさにもよるが、例えば5m×0.3m×
0.15m程度であり、混合ガス中の水素ガスの占有比
率は30〜80%程度が好ましい。このため水素ガスが
使用される加熱炉全範囲に重厚な防爆構造が必要になり
設備が大型化してしまうという問題がある。また、混合
ガスは加熱炉の出入口付近で酸素と接触する可能性があ
り、個別の接触防止構造を必要としていた。
【0006】また、水素ガスによる還元処理を効率的に
行うためには高温中(例えば、200℃程度)で行うこ
とが望ましいが、混合ガスを使用する場合、加熱炉全体
の雰囲気温度をあげる必要があり加熱システムが大型化
してしまうという問題がある。
【0007】また、加熱炉全体の雰囲気温度を還元のた
めに高くするので、基板の一部のみの加熱を行うことが
できない。このため基板上の一部の電子部品を加熱して
はんだ付処理を行ったり、基板上の樹脂部品の熱変形を
避けながらのはんだ付処理を行うことができないという
問題がある。
【0008】さらに、水素ガスによる還元処理は、はん
だの溶融と同時に行われるため溶融はんだの内部に酸化
物(酸化膜)が残ってしまう可能性があり、十分な酸化
物の除去ができず、はんだ付品質が低下してしまうとい
う問題がある。
【0009】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、はんだ付装置を大型化すること無く、また個別の電
子部品のはんだ付処理を行い効率的かつ完全な酸化物
(酸化膜)の還元除去を行うことのできるはんだ付方法
及びはんだ付装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の構成は、ワーク同士のはんだ付け
を行うはんだ付方法において、窒素雰囲気中に分離形成
した水素雰囲気中で前記ワークの還元処理を行う還元工
程と、ワークの還元終了後、前記窒素雰囲気中で前記ワ
ーク同士のはんだ付けを行うはんだ付工程と、を含むこ
とを特徴とする。
【0011】ここで、ワークとは、はんだ付けの対象と
なる電子部品や基板、放熱板等である。この構成によれ
ば、高濃度の水素雰囲気中で完全に酸化物(酸化膜)の
還元除去が行われ、還元処理されたワークが酸素等の外
気に触れること無く連続的に高濃度の窒素雰囲気中では
んだ付処理されるので、酸化物(酸化膜)を完全に除去
した高品質のはんだ付けを行うことができる。
【0012】また、上記のような目的を達成するため
に、本発明の構成は、ワーク同士のはんだ付けを行うは
んだ付装置において、内部に窒素ガスを充填し、前記ワ
ーク同士のはんだ付けを行う窒素雰囲気室と、前記窒素
雰囲気室中に配置され前記ワークの出し入れが自在な室
であって、内部に水素ガスを充填しワークの還元処理を
行う水素雰囲気室と、前記ワークを水素雰囲気中と窒素
雰囲気中との間を連続的に搬送する搬送機構と、を含
み、水素雰囲気中で還元処理を終了したワークを窒素雰
囲気中ではんだ付処理することを特徴とする。
【0013】この構成によれば、高濃度の水素雰囲気室
で完全に酸化物(酸化膜)の還元除去が行われたワーク
が搬送機構によって酸素等の外気に触れること無く連続
的に高濃度の窒素雰囲気中ではんだ付処理されるので、
酸化物(酸化膜)を削減した高品質のはんだ付けを行う
ことができる。
【0014】また、水素ガスは窒素雰囲気室中に分離形
成された水素雰囲気室のみに充填されるため、水素ガス
の使用量をワークの還元処理に必要な最小量にすること
が可能になる。また、水素ガスの使用量が少なく使用位
置が限定されるため、防爆構造も水素ガスの使用量と使
用位置に応じて縮小可能になりはんだ付装置の小型化を
行うことができる。
【0015】さらに、はんだ付装置の加熱は還元処理を
行う水素雰囲気室の加熱と、はんだ付処理を行うための
はんだ付部位の加熱とに分離して行うことが可能になる
ため必要位置以外の加熱が不要になり加熱効率を向上す
ることが可能になると共に、部分加熱が可能になり、一
部の電子部品のはんだ付けや熱変形し易い樹脂部品を避
けた加熱等が可能になりはんだ付けの自由度が向上す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。な
お、本実施形態では、はんだ付けの対象となるワークの
一例として、電子部品を実装した絶縁基板から成るセル
と放熱板とを例にとり、前記セルを放熱板に固定する場
合を説明する。また、本発明におけるはんだ付方法及び
はんだ付装置は、大別して既に放熱板に実装され、はん
だ付固定された複数のセルを個別に交換するリペアはん
だ付けと、新規にセルを放熱板にはんだ付固定する新規
はんだ付けの2種類に適用可能である。まず、実施形態
1として、本発明をリペアはんだ付けに適用した例を説
明する。
【0017】実施形態1.図1には、はんだ付装置10
の動作を工程毎に分けた構成説明図が示されている。図
1に示すように、はんだ付装置10は6つの工程を含
み、工程2から工程6までが窒素ガスを充填した窒素雰
囲気室12内部で実施され、さらに、本実施形態の特徴
的工程である工程4が前記窒素雰囲気室12中に形成さ
れた水素雰囲気室14を利用して実施される。なお、工
程1は、既に、複数のセルが放熱板上にはんだ付固定さ
れたワーク16をリペアのためにはんだ付装置10に供
給する供給工程であり、工程2は交換対象のセルを放熱
板から分離する分離工程であり、工程3はセルと共に放
熱板から剥離したはんだを補充する補充工程である。ま
た、工程4は、交換対象の新規セルの還元を行う還元工
程、工程5は、新規セルの搬送工程であり、工程6は、
新規セルのはんだ付工程である。
【0018】以下、各工程毎の構成を詳細に説明する。
工程1で供給されるワーク16は、複数の電子部品(本
実施形態では2種類の素子)18a,18bが絶縁基板
20上に実装され、1枚のセル22を構成し、当該セル
22を所定間隔を有して複数放熱板24上に実装し1モ
ジュールを構成している。なお、セル22が所定間隔を
有して実装されているのは、絶縁基板20と放熱板24
との線膨張率の差が大きく膨張を吸収するためである。
一般に、このようなモジュールに実装された電子部品に
不具合が生じ交換が必要になった場合、セル22を一単
位として交換が行われる。このため、電子部品18a,
18bと絶縁基板20とは、高温はんだ(例えば、融点
が250℃)で接合され、絶縁基板20と放熱板24と
は、低温はんだ(例えば、融点が170℃)で接合さ
れ、セル22の交換作業中に電子部品18a,18bが
絶縁基板20上で動かないようにしている。このような
構成は、C−MOS,IGBT,SIT等、主にパワー
モジュールで一般的である。
【0019】前記ワーク16(モジュール)は、はんだ
付装置10の窒素雰囲気室12に供給するための搬送ト
レー26に載置され、所定のタイミングで窒素雰囲気室
12の出入口28より内部に搬送トレー26と共に搬送
される。
【0020】前述したように窒素雰囲気室12の内部に
は窒素ガスが充填され加圧状態に成っているが、前記出
入口28から外気が流入することを確実に防止するため
に、窒素ガスのエアカーテン30が形成されている。搬
送トレー26がエアカーテン30を通過し、工程2の位
置に移動すると、搬送トレー26は所定の停止位置で停
止し、交換対象のセル22aを放熱板24から分離す
る。前記停止位置には搬送トレー26を介して各セル2
2を個別に加熱可能な加熱装置32が配置され、所望の
セル22aを固定している低温はんだのみを溶融する。
なお、前記加熱装置32はセル22aを200℃程度に
加熱可能な容量を有し、セル22の配置に応じて複数の
加熱器が配置されても良いし、加熱器が適宜移動して、
所望のセル22を加熱するようにしてもよい。
【0021】交換対象のセル22aの下面の低温はんだ
の溶融は加熱時間で確認することができるが、光学式非
接触温度センサ等で確認することが望ましい。低温はん
だの溶融が確認されたら図示しない駆動機構によって任
意の方向に移動可能なバキュームピックアップ34等で
セル22aを放熱板24から引き剥がす。この時、セル
22aの下面にはある程度の低温はんだが付着し低温は
んだ表面に付着していた酸化膜はセル22aと共に引き
剥がされる。一方、放熱板24の上面にも低温はんだが
残留するが、形成されていた酸化膜はセル22aと共に
排除されると共に、低温はんだの溶融は窒素ガス中で行
われるため放熱板24に残った低温はんだが酸化するこ
とはなく、また、今回のはんだ付処理中に酸化膜が形成
されることがない。なお、引き剥がされたセル22aは
図示しない所定の廃棄位置にて廃棄される。
【0022】セル22aが排除されたワーク16は搬送
トレー26と共に工程3の位置に搬送され停止する。工
程3の位置の上方には前記セル22aと共に除去された
低温はんだを補充するはんだ供給装置36が配置されて
いる。このはんだ供給装置36は、加熱装置38aを備
えたホッパ形状のタンク38で構成され、上部開口38
bから固形低温はんだを供給し、溶融させた湯を作る。
前記タンク38の下部近傍(例えば、底面より10〜2
0mm程度上方)には、溶湯の滴下ノズル38cが設け
られ、ニードル弁等の開閉により所定量の溶融した低温
はんだを前記放熱板24の所定位置に滴下する。なお、
固形低温はんだに付着していた酸化物(酸化膜)は湯の
上部に凝集し、重量不純物はタンク38の底部に溜ま
る。滴下ノズル38cを底部より所定量上方位置に形成
しているので、凝集した酸化物や重量不純物が放熱板2
4に滴下されることはない。また、引き剥がされたセル
22aと共に除去される低温はんだの量はセル22aの
底面積にほぼ比例しばらつきが少ないので、セル22a
の底面積に応じて補充量を決定すればよい。なお、工程
3においてもセル交換部位に残留した低温はんだや新た
に補充された低温はんだを溶融状態に維持するために工
程2と同様に部分加熱可能な加熱装置32が配置されて
いる。
【0023】一方、前記ワーク16の出入口28と対向
する側には、同様な窒素ガスのエアカーテン40を有す
る出入口42が配置され、前記エアカーテン42を介し
て新規の交換用のセル22bが図示しないセル供給アー
ム等によって、工程4に待機するセル搬送トレー44上
に供給される。
【0024】前記セル22bは既に電子部品18a,1
8bが高温はんだで絶縁基板20上に固定されている。
ところで、はんだ付処理される基板等の下面には、一般
にNiメッキまたははんだメッキが施されている。そし
て、その表面には酸化膜が形成されてしまっている。本
実施形態でセル22bを形成する絶縁基板20もNiメ
ッキが施されその表面には酸化膜が形成されてしまって
いる。本実施形態の場合、工程4の位置の上方には下方
に向かって開口を有するキャップ型の室が配置され、内
部に水素ガスを充填し水素雰囲気室14を形成し、当該
水素雰囲気室14の内部でセル22bに形成された酸化
膜の還元除去処理を行う。
【0025】一般に知られている酸化物の標準自由エネ
ルギ・温度図(エリンガム線図)によると、H2/ H2
Oモル比が1/1の時、はんだの構成物であるSn,P
b及びメッキの材料であるNiは常温でも還元される
が、H2の比率を上げ、雰囲気温度をあげれば、還元は
さらに加速的に行われる。そこで、本実施形態の場合、
水素雰囲気室14内部に、例えば濃度99.99%の水
素ガスを充填し、加熱器14aによって水素ガスの雰囲
気温度を200℃に維持し、効率的な還元処理を行うよ
うにしている。
【0026】セル22bを載置したセル搬送トレー44
は、工程4の位置に配置された昇降機構46によって、
水素雰囲気室14の下部開口から内部に移動させられ
る。この状態で、セル22bを例えば15分水素雰囲気
中に放置する。水素ガスは、交換セル22bに形成され
たSiO2やPbO2と反応し、H2Oを合成する。合成
されたH2Oは加熱器14a等によって蒸発し排除され
る。
【0027】なお、水素ガスは窒素雰囲気室12に充填
された窒素ガスより軽いため下方に開口を有する水素雰
囲気室14内部に停留するが、昇降機構の上下動作や対
流によって、水素雰囲気室14からわずかに流出する場
合がある。そのため、水素ガス供給装置を水素雰囲気室
14に接続すると共に、水素雰囲気室14の中に水素濃
度検出器等を配置し、流出した水素ガスを適宜補充する
ことが望ましい。なお、流出する水素ガスの量は窒素雰
囲気室12に充填された窒素ガスの量に比べてはるかに
小量であるため影響はない。また、流出した水素ガスは
窒素ガス中にわずかに残留する酸素(酸化が発生しない
程度)と結合してH2Oになり消費される。
【0028】所定時間の還元処理が終了したら前記昇降
機構46が降下し、セル搬送トレー44と共にセル22
bを水素雰囲気室14から取り出し、図示しない搬送機
構によって工程5の位置に移動する。工程5の位置の上
方には図示しない駆動機構によって任意の方向に移動可
能なバキュームピックアップ48が配置され、還元処理
が終了したセル22bをセル搬送トレー44から取り出
し、工程6の位置に搬送する。
【0029】工程6には前述した工程3でセル22aの
取り除かれた位置に低温はんだが補充された放熱板24
が搬送トレー26に載置された状態で搬送され待機して
いる。なお、工程6にも工程2,3と同様な加熱装置3
2が配置され、はんだ付部位の低温はんだの溶融状態を
維持している。そして、バキュームピックアップ48に
よってはんだ付位置に搬送されてきたセル22bが放熱
板24と接合される。セル22bと放熱板24との接合
が図示しないセンサ等によって確認されたら、加熱装置
32をOFFして低温はんだの硬化を行う。低温はんだ
の硬化終了、または振動等を与えても交換セル22bの
位置ずれ等が発生しない程度に硬化したら搬送トレー2
6と共にはんだ付処理された放熱板24を出入口28ま
たは図示しない専用の排出口からはんだ付装置10外部
に排出して一連のリペアはんだ付処理を終了する。
【0030】このように、高濃度の水素ガス中で酸化膜
の完全な還元除去処理が行われると共に、一連の作業が
すべて窒素雰囲気中で行われるため作業中に酸化膜が発
生することがなく高品質のはんだ付処理を行うことがで
きる。
【0031】また、水素ガスは窒素雰囲気室12中に分
離形成された水素雰囲気室14のみに充填されるため、
水素ガスの使用量を還元処理に必要な最小量(還元対象
を投入可能なスペースに充填する量)にすることが可能
になる。また、水素ガスの使用量が少なく使用位置が限
定されるため、防爆構造も水素ガスの使用量と使用位置
に応じて縮小等の簡略化が可能になりはんだ付装置10
の小型化を行うことができる。
【0032】さらに、はんだ付装置10の加熱は還元処
理を行う水素雰囲気室14の加熱と、はんだ付処理を行
うためのはんだ付部位の加熱とに分離して行うことが可
能になる。つまり、従来のように大量の混合ガス全体の
雰囲気温度を上げて、間接的に還元部位やはんだ付部位
の温度を上げる必要がなく、必要部位の直接加熱が可能
になり加熱効率を向上することができる。また、部分加
熱なのではんだ付け後の冷却も効率よく行うことが可能
ではんだ付処理全体の効率を向上することが可能にな
る。また、部分加熱であるため一部の電子部品のはんだ
付けや熱変形し易い樹脂部品を避けた加熱等が可能にな
りはんだ付けの自由度が向上する。
【0033】なお、工程6において、バキュームピック
アップ48によってセル22bを放熱板24に接合する
場合、バキュームピックアップ48をわずかに横方向に
振動させるスクラブ動作を行うことによって、接合面に
気泡等を巻き込むことを防止することが可能で、ボイド
のない良好なはんだ接合層を形成することができる。ま
た、低温はんだの硬化は加熱装置32のOFF制御によ
って十分可能であるが、必要に応じて窒素ガスのエアを
供給して強制的に冷却して硬化させるようにしてもよ
い。
【0034】実施形態2.新規セルを新規放熱板にはん
だ付固定する新規はんだ付けを行う場合のはんだ付装置
の構成を図2を用いて説明する。基本的な構成は図1に
示したリペアはんだ付けの場合と同じであるが、本実施
形態の場合、新規の放熱板に直接溶融した低温はんだを
滴下する。この放熱板50の表面にも図1に示す絶縁基
板20と同様にNiメッキが施され、その表面には酸化
膜が形成されてしまっている。良好なはんだ付けを行う
ためには、放熱板50の表面等に形成されている酸化膜
を除去する必要がある。そこで、本実施形態2では、放
熱板50も水素雰囲気中に曝し酸化膜の還元処理を行
う。
【0035】以下、工程1から工程5の説明を行うが、
図1と同等の構成及び処理については、同一の符号を付
し説明を簡略化する。
【0036】はんだ付装置52は、図1のはんだ付装置
10と同様に内部に窒素ガスが充填され、出入口28、
42が窒素ガスのエアカーテン30、40で封止された
窒素雰囲気室54で構成され、内部に工程1から工程5
の処理を行う処理位置が設定されている。そして、図中
右側のエアカーテン30を介して放熱板50が供給さ
れ、図中左側のエアカーテン40を介して新規に実装さ
れるセル56(図1に示すセル22と同様の構成)が供
給される。
【0037】工程1の位置には、昇降機構58のアーム
が挿通可能な開口60aを有する搬送トレー60が待機
し、エアカーテン30を介して図示しない供給アーム等
によって供給される放熱板50が前記搬送トレー60上
に供給される。また、その上方には、濃度99.99%
の水素ガスを充填した水素雰囲気室62が配置されてい
る。この水素雰囲気室62も図1の水素雰囲気室14と
同様に、下方に向かって開口を有するキャップ型を呈
し、充填した水素ガスの加熱を行う加熱器62aを有
し、前記水素ガスの雰囲気温度を例えば200℃に維持
し、放熱板50の酸化膜の効率的な還元処理を行う。搬
送トレー60に放熱板50が供給されたことが図示しな
いセンサ等によって確認されたら昇降機構58によって
放熱板50のみを水素雰囲気室62に移動する。この状
態で例えば15分維持し、放熱板50に形成されている
酸化膜の還元除去処理を行う。
【0038】還元処理が終了した放熱板50は、降下し
搬送トレー60に戻され、工程2の位置に搬送される。
工程2の位置には、図1と同様なはんだ供給装置36が
配置されている。本実施形態2の場合、新規の放熱板5
0なので残留はんだが存在しないため、最終はんだ厚を
考慮した必要量が前記はんだ供給装置36から所定のは
んだ位置に滴下される。なお、工程2の位置には滴下し
た溶融はんだの溶融状態を維持するために加熱装置32
が配置されている。本実施形態2の場合、放熱板50の
ほぼ全面に新規のセル56をはんだ付けするので、加熱
装置32は放熱板50全体を加熱するタイプでもよい
が、加熱効率やはんだ硬化の際の冷却効率等を考慮する
と、はんだ付部位のみの選択的加熱が望ましい。
【0039】工程3、工程4、工程5の構成や処理手順
は図1に示す実施形態1の工程4、工程5、工程6と同
じなので説明を省略する。なお、実施形態1では交換す
るセルが1つである例を説明したが、実施形態2のよう
に単一の放熱板50に複数のセル56をはんだ付けする
場合は、セル搬送トレー64に放熱板50に必要なセル
を一括して載置し、複数枚のセル56を同時に還元処理
した後、複数ヘッドのバキュームピックアップ48aに
よって、ピックアップされ工程5ではんだ付処理を行う
ようにしてもよい。
【0040】このように、新規のはんだ付対象である放
熱板50とセル56とをそれぞれ水素雰囲気室62,1
4に投入することによって、濃度の高い水素ガスによる
酸化膜還元除去処理を効率的に行うことができる。ま
た、水素ガスの使用量も従来のH2,N2の混合ガスを使
用する場合に比べて大幅に低減することができるので、
実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0041】実施形態3.図3は、図2に示した新規は
んだ付けを行うはんだ付装置52において、工程3、工
程4、工程5を統合して、はんだ付装置を簡略化した例
を示している。図3に示すはんだ付装置66は、図2に
示すはんだ付装置52と同様に窒素雰囲気室68の内部
で新規の放熱板50及び新規のセル56とのはんだ付け
を行う。なお、図3における工程1と工程2の構成と処
理内容及び放熱板50、セル56の供給方法等は、図2
に示すはんだ付装置52の工程1、工程2及び供給方法
と同じである。本実施形態3においては、新規の放熱板
50とセル56との接合を水素雰囲気室70の直下の位
置で行うことによって、前述した工程3、工程4、工程
5の統合を行っている。
【0042】このため、図2に示すバキュームピックア
ップ48aが前記水素雰囲気室70の内部に進入可能な
構成になっている。図3の工程3に示すように、水素雰
囲気室70は他の実施形態の水素雰囲気室14と同様に
下方に開口を有するキャップ型形状を呈し、上端壁には
前記バキュームピックアップ48aの配置によって水素
雰囲気室70内部の水素ガスが流出しないようにパッキ
ン70aが配置されている。従って、前記バキュームピ
ックアップ48aは図示しない駆動機構によって前記パ
ッキン70aを介して上下に駆動しても水素ガスが流出
しない構造になっている。
【0043】以下、はんだ付装置66の動作を説明す
る。なお、工程1、工程2は図2に示すはんだ付装置5
2と同じであるため、その説明を省略する。工程3にお
いて、前記バキュームピックアップ48aは出入口42
から図示しないセル供給アームによって供給される新規
のセル56を水素雰囲気室70の直下位置で受け取り、
水素雰囲気室70内部に搬送し、水素ガスによる酸化膜
の還元処理を行う。なお、この還元処理の条件は、他の
実施形態と同様に、例えば濃度99.99%、200℃
の水素ガスで15分である。
【0044】一方、前記還元処理を行っている間に、工
程1で還元除去処理が行われ、工程2で溶融した低温は
んだが供給された放熱板50が搬送トレー60に載置さ
れた状態で、前記水素雰囲気室70の直下に移動してく
る。なお、工程3において、搬送トレー60が移動して
くる位置には、溶融した低温はんだの溶融状態を維持す
る加熱装置32が配置されている。セル56の還元処理
が終了したことが確認されたらバキュームピックアップ
48aを降下させて、放熱板50とセル56の接合を行
う。なお、この時、搬送トレー60を左右に振動させ
て、実施形態1,2と同様に接合時の気泡の巻き込みを
防止することが望ましい。
【0045】放熱板50とセル56との接合がセンサ等
によって確認されたら、他の実施形態と同様に、加熱装
置32のOFF操作や窒素ガスの送風等により低温はん
だの硬化を行い、はんだ付装置66からの排出を行い、
一連のはんだ付処理を終了する。
【0046】このように、工程の統合を行うことによっ
て、前述した実施形態2と同様な効果を得つつ、はんだ
付装置の小型化を容易に行うことができる。
【0047】なお、各実施形態において示した構造は一
例であり、水素ガスと窒素ガスとを分離して保持して、
高濃度の水素ガス中で酸化膜の還元除去処理を行い、他
の処理を窒素ガス中で行うような構成であれば、他の構
造を採用しても同様な効果を得ることができる。例え
ば、各実施形態においては、下方に開口を有する水素雰
囲気室を窒素雰囲気室中に固定して、セルや放熱板を上
下に移動して投入する構成を例にとって説明したが、水
素雰囲気室を上下に移動させたり、水素ガスが開口から
流出することを防止するために、前記開口に開閉扉機構
を配置してもよい。また、各実施形態において還元処理
にはある程度の時間を必要とするため、水素雰囲気室を
複数配置したり、複数のセルを時間差で同時に還元処理
できるように大きめに形成してはんだ付装置のサイクル
タイムに追従するようにしてもよい。さらに、セルや放
熱板は供給アームによって供給する例を説明したが、搬
送トレーがエアーカーテンを介してはんだ付装置に出入
りして、放熱板やセルを供給してもよい。
【0048】また、従来のように水素ガスと窒素ガスと
混合ガス中で、各処理(還元処理、はんだ溶融処理、接
合硬化処理等)の現象が混在して起こる場合、例えば、
はんだ部に気泡が発生した場合、その原因が還元不良な
のか、はんだ汚染なのか、接合時の気泡巻き込みなのか
等を特定することが困難であった。しかし、本実施形態
は、各工程が独立しているため、どの工程に不良原因が
含まれていたかを比較的容易に発見することができるの
で、品質管理等も容易に行うことができる。
【0049】なお、各実施形態では、放熱板とセルとの
はんだ付けを例にとって説明したが、還元処理が必要な
ワークのはんだ付けであれば、他のワークのはんだ付け
に本実施形態を適用しても同様の効果を得ることができ
る。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度の水素雰囲気中
で完全に酸化物(酸化膜)の還元除去が行われ、還元処
理されたワークが酸素等の外気に触れること無く連続的
に窒素雰囲気中ではんだ付処理されるので、酸化物(酸
化膜)を完全に除去した高品質のはんだ付けを行うこと
ができる。また、水素ガスは窒素雰囲気室中に分離形成
された水素雰囲気室のみに充填するため水素ガスの使用
量をワークの還元処理に必要な最小量にすることが可能
になり、はんだ付装置の構造の簡略化や小型化、はんだ
やワークの加熱・冷却効率の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るはんだ付装置の構
造と処置工程とを説明する説明図である。
【図2】 本発明の実施形態2に係るはんだ付装置の構
造と処置工程とを説明する説明図である。
【図3】 本発明の実施形態3に係るはんだ付装置の構
造と処置工程とを説明する説明図である。
【符号の説明】
10,52,66 はんだ付装置、12,54,68
窒素雰囲気室、14,62,70 水素雰囲気室、2
2,22a,22b,56 セル、24,50放熱板、
26,60 搬送トレー、28,42 出入口、30,
40 エアカーテン、32 加熱装置、34,48,4
8a バキュームピックアップ、36はんだ供給装置、
44,64 セル搬送トレー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク同士のはんだ付けを行うはんだ付
    方法において、 窒素雰囲気中に分離形成した水素雰囲気中で前記ワーク
    の還元処理を行う還元工程と、 ワークの還元終了後、前記窒素雰囲気中で前記ワーク同
    士のはんだ付けを行うはんだ付工程と、 を含むことを特徴とするはんだ付方法。
  2. 【請求項2】 ワーク同士のはんだ付けを行うはんだ付
    装置において、 内部に窒素ガスを充填し、前記ワーク同士のはんだ付け
    を行う窒素雰囲気室と、 前記窒素雰囲気室中に配置され前記ワークの出し入れが
    自在な室であって、内部に水素ガスを充填しワークの還
    元処理を行う水素雰囲気室と、 前記ワークを水素雰囲気中と窒素雰囲気中との間を連続
    的に搬送する搬送機構と、 を含み、水素雰囲気中で還元処理を終了したワークを窒
    素雰囲気中ではんだ付処理することを特徴とするはんだ
    付装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008229660A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Shinko Seiki Co Ltd 半田付け装置
JP2010087522A (ja) * 2008-09-03 2010-04-15 Shinnetsu Kogyo Kk 電気機器の分解装置

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