JPH10202141A - 非鉄金属選別方法およびその装置 - Google Patents

非鉄金属選別方法およびその装置

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JPH10202141A
JPH10202141A JP9009922A JP992297A JPH10202141A JP H10202141 A JPH10202141 A JP H10202141A JP 9009922 A JP9009922 A JP 9009922A JP 992297 A JP992297 A JP 992297A JP H10202141 A JPH10202141 A JP H10202141A
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佳臣 大塚
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千尋 福本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな粒径分布をもつ不定型の非鉄金属物を、
簡易に高純度かつ高回収率で選別回収できる渦電流選別
方法およびその装置を提供すること。 【解決手段】被選別物を粒径によって篩いで区分して、
それぞれの適正条件で渦電流選別する。本発明の装置
は、篩いおよび、切替手段を備えたホッパ、渦電流選別
機、制御手段からなる。あるいは、篩いおよび、仕切板
を備えた渦電流選別機からなる。さらに本発明の装置
は、回収ホッパのうち少なくとも1つを、被選別物の進
行方向に沿って渦電流選別機の回転ドラムからより遠い
位置に備えている。被選別物の粒径を篩いで区分して、
それぞれの適正条件で渦電流選別機にかけることによ
り、粒径の小さい非鉄金属も効率的に選別でき、非鉄金
属を高純度かつ高回収率で非金属から選別回収できる。
また、被選別物の進行方向に沿って渦電流選別機の回転
ドラムからより遠い位置に設けたホッパに、粒径が大き
く空隙の少ない良質の非鉄金属を選別回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は渦電流選別による非
鉄金属選別方法およびその装置、特に廃棄物からの高回
収率かつ高純度の非鉄金属回収を行なう非鉄金属選別方
法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】渦電流選別装置は、磁石と非鉄金属とを
相対的に運動させた時に電磁誘導によって生じる反発力
を利用して、非鉄金属を選別回収するものである。渦電
流選別装置の方式には、磁石に永久磁石を使用する永久
磁石方式と、電磁石を使用するリニアモータ方式とがあ
る。永久磁石方式は、電磁石を用いるリニアモータ方式
と比べて電力消費量が少なく、また電磁石の冷却設備が
不要であるなど、構造の簡易さ、維持管理の容易さで優
れており、現在では渦電流選別装置の主流となってい
る。
【0003】この永久磁石方式には、回転ドラム内に交
互に配列した永久磁石を回転させる永久磁石回転式と、
永久磁石を交互に配列した平板を傾斜させ、この上に選
別対象物を供給する傾斜板式がある。傾斜板式は、永久
磁石を回転させるのに電力が必要な永久磁石回転式と比
べると、電力が不要だが、非鉄金属が傾斜上を転がりや
すいために、磁石と非鉄金属の相対速度が制御しにく
い。このため、非鉄金属の転がりを防止するための手段
が必要になる。従って、安定的に簡易に選別できる点で
永久磁石回転式は傾斜版方式よりも優れている(「神鋼
電機技報」131号,Vol.37, No.2, p.29-36, 1992)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の永久磁
石回転式の装置では、非鉄金属を高純度かつ高回収率に
選別するには、以下の理由で性能に限界がある。すなわ
ち、永久磁石回転式の渦電流選別機の構造は図9に示す
通りであり、選別機内で非鉄金属片2000に作用する電磁
力は、次の3要素に比例する。
【0005】1.回転ドラム101表面の磁束密度および
磁石601のピッチ間隔 2.磁石601と非鉄金属片2000との間の相対速度 3.非鉄金属片2000の体積 このうち1の磁束密度およびピッチ間隔は、設計時の仕
様で決まる。また、2の磁石と非鉄金属片との間の相対
速度は、磁石を配置した回転ドラム101の回転数と、搬
送ベルト102上を運ばれてくる非鉄金属2000との相対速
度で決まり、運転条件によって変化させることができ
る。
【0006】しかし、3の非鉄金属片の体積について
は、特に廃棄物などの場合、選別対象の種類によって大
きく変動し、またその変動の幅が、前記1.、2.の調整範
囲よりも大きい。例えば通常用いる永久磁石の磁束密度
は約3000〜5000ガウスの範囲にあり、また、磁石と非鉄
金属片との間の相対速度は大きいほどよいが、通常の運
転では最高値近くの範囲で数%変動する程度である。
【0007】これに対して、非鉄金属片の体積は、粒径
が数mm〜数100mmまでの幅があり、体積がその3乗に比
例することを考えると、1.の回転ドラム表面の磁束密度
や、2.の磁石と非鉄金属片との間の相対速度よりもはる
かに変動範囲が大きい。この結果、現状の渦電流選別装
置では、被選別物である廃棄物の粒径分布の影響を大き
く受け、機器の仕様や運転条件を変化させても、粒径の
小さいものと大きいものとを同時に高効率に選別するこ
とができない。
【0008】さらに、例えば、回転ドラム表面の磁束密
度を大きくする手段として、回転ドラム内の磁石の磁束
密度の大きいものにする方法、あるいは磁石間のピッチ
を小さくする方法がある。しかし、磁束密度を大きくす
る方法では、従来よりも強磁性の磁石を使用するため
に、高価なだけでなく、混入した磁性物が回転ドラムに
付着する力が大きくなり、掻き取るのが困難になる。
【0009】このために、磁性物が回転ドラムに付着蓄
積して選別機内を閉塞させたり、ベルトの磨耗させたり
しやすい。一方、ピッチを小さくする方法では、磁石の
厚みが小さくなるために磁束密度がかえって弱くなり、
限界がある。
【0010】また、運転条件を変えて回収率を上げる方
法もあるが、例えば磁石と非鉄金属片との間の相対速度
を大きくした場合、非鉄金属の回収率が増加する反面、
非金属の混入が増えて純度が低下してしまう。同様に、
デバイダの位置を回転ドラムに近づけて非鉄金属の回収
率を増加させる方法もあるが、これも非金属の混入が増
えて純度が低下する。
【0011】本発明は、磁束密度の大きさという仕様
や、磁石と非鉄金属の相対速度といった運転条件のみに
依存することなく、大きな粒径分布をもつ不定型の非鉄
金属物を、簡易に高純度かつ高回収率で選別回収できる
非鉄金属選別方法およびその装置を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者は、従来の装置の
選別性能の限界を詳細に検討した結果、選別性能が粒径
に依存することに着目し、以下の工夫を行うことで非鉄
金属を高純度かつ高回収率で選別回収できるようにし
た。
【0013】(1)被選別物を粒径によって篩いで区分
し、その粒径区分に応じて渦電流選別する。この際に粒
径区分が小さいほど、運転条件として回転ドラムと搬送
ベルトの相対速度を大きくするか、デバイダ距離を小さ
くするか、また機器仕様として渦電流選別機の回転ドラ
ム表面の磁束密度を大きくするか、磁石のピッチ間隔を
小さくするか、これらのうち少なくとも一つを設定する
ことにより、小さい粒径区分の非鉄金属にも大きい電磁
的反発力を働かせ、非鉄金属をその他非金属から、高純
度かつ高回収率で選別回収できる。
【0014】(2)上記1を実現する手段として、被選
別物の粒径を区分する篩いと、被選別物を選別機に供給
するタイミングを粒径区分別に切替える切替手段と、該
切替手段を操作する切替制御手段と、該切替制御手段か
らの信号によって、供給している粒径区分に応じて渦電
流選別機の運転条件を変化させる選別機制御手段を具備
することにより、小粒径の非鉄金属にも大きい電磁的反
発力を働かせ、非鉄金属をその他非金属から、高純度か
つ高回収率で選別回収できる。
【0015】(3)上記2の渦電流選別機において、回
転数可変の回転ドラムと、速度可変の搬送ベルトと、位
置調整可能なデバイダのうち少なくとも一つを備える。
これより、供給している粒径区分に応じて、切替制御手
段から信号を出して渦電流選別機を適正な運転条件に保
つことが可能となり、小粒径の非鉄金属にも大きい電磁
的反発力を働かせることができ、非鉄金属をその他非金
属から、高純度かつ高回収率で選別回収できる。
【0016】(4)上記1を実現する手段として、非鉄
金属選別装置を、被選別物の粒径を区分する篩いと、ベ
ルトの搬送方向に沿って仕切板を設けた渦電流選別機か
ら構成し、前記渦電流選別機としては、前記仕切板によ
って生じた経路に応じて、 i)回転ドラム部分に、ドラム表面の磁束密度の異なる磁
石を配置しているか、 ii)選別部の、粒径区分に応じた位置にデバイダを設け
ているか、 これらのうち少なくとも1つを備えることにより、小粒
径の非鉄金属にも大きい電磁的反発力を働かせ、非鉄金
属をその他非金属から、高純度かつ高回収率で選別回収
できる。
【0017】(5)上記1から4の篩い分けの篩いサイ
ズとしては、10mm〜50mmの範囲の所定の値とすることに
より、非鉄金属以外の雑物の混入を効果的に少なくする
ことができる。
【0018】また、本発明では一定の条件下での渦電流
選別機内で非鉄金属に作用する電磁力が、数1に定義す
る非鉄金属片のみかけ体積Bおよび充填率ηに比例する
ことに着目した。
【0019】
【数1】η=Α/B (1) (ただし、Α=実体積 B=見かけ体積) そこで、以下に示す手段によって、粒径が比較的大きく
かつ、形状的に空隙が少なく充填率が大きい良質の非鉄
金属片を選別回収できる。
【0020】(6) 被選別物の進行方向に沿って、渦
電流選別機の回転ドラムからより遠い位置に回収ホッパ
のうち少なくとも1つを備えることで、比較的粒径が大
きく空隙の少ない非鉄金属を回収することができる。
【0021】本発明では、被選別物を粒径によって篩い
で区分して、小粒径の非鉄金属にも大きい電磁的反発力
を働かせるように、回転ドラム表面の磁束密度や、磁石
と非鉄金属片との間の相対速度等の条件を変えて渦電流
選別機にかけることにより、非鉄金属を高純度かつ高回
収率で選別回収できる。
【0022】また、一定条件下での渦電流選別機内で非
鉄金属に働く電磁力は、前記の非鉄金属のみかけ体積B
および充填率ηに比例するため、粒径が比較的大きくか
つ、空隙の少ない非鉄金属片は、選別機内で、鉛直方向
上方および搬送ベルトの方向の両方向に大きな力を受け
る。従って、被選別物の進行方向に沿って、渦電流選別
機の回転ドラムからより遠い位置に、回収ホッパのうち
少なくとも1つを備えることで、比較的粒径が大きく空
隙の少ない非鉄金属を回収することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態例を図1〜9
および表1、表2を用いて説明する。
【0024】図4は、本発明の選別方法の一実施の形態
例を表すフローチャートである。本方法は、篩い2によ
る篩い分け工程および、渦電流選別機11,12による選別
工程からなる。原料20を、はじめに篩い2により粒径に
よって2に区分する。
【0025】篩い分けた大粒径物21と小粒径物22をそれ
ぞれ、渦電流選別機11および12で、非鉄金属と非金属と
に選別する。渦電流選別機11,12の条件としては、表1
の区分1に示すように、運転条件は、小粒径の区分では
大粒径に比べて、回転ドラムと搬送ベルトの相対速度を
大きくするか、あるいはデバイダ距離を小さくするか、
少なくとも一方を設定する。
【0026】また機器仕様として、粒径が小さい非鉄金
属片でも大きい反発力を受けるように、小粒径の区分で
は大粒径にくらべて、磁石の磁束密度を大きくするか、
あるいはピッチ間隔を小さくするか、いずれかの設計と
する。なお、前記運転条件および機器仕様については、
両方を設定する必要はなく、運転条件あるいは機器仕様
だけの設定でもよい。
【0027】
【表1】
【0028】図3は本発明の選別装置の一実施例を表す
概念図である。本装置は、篩い2および、切替手段31を
備えた供給ホッパ30、切替制御手段41、選別機制御手段
42、渦電流選別機1からなる。原料20をあらかじめ、篩
い2により粒径によって2つに区分する。
【0029】続いて、大粒径物21と小粒径物22を、中を
仕切り板32で区切った供給ホッパ30の各区分に入れ、該
ホッパ出口に設けた切替手段31によって、粒径区分ごと
に交互に渦電流選別機1に供給する。切替手段の作動
は、切替制御手段41からの切替信号により行う。
【0030】切替信号は該切替制御手段に内臓したタイ
マーによって、一定の時間間隔で切替手段が作動させる
とよい。また、切替制御手段41は前記切替手段31の切替
えのタイミングを知らせる信号を選別機制御手段42にも
送る。そして、該選別機制御手段42は、渦電流選別機の
運転条件が粒径区分に応じて適正条件に保たれるよう
に、切替えと連動して運転条件を変化させる信号を渦電
流選別機1に送る。
【0031】このようにして、被選別物を粒径区分別に
適正な運転条件で選別する。運転条件としては、粒径が
小さい非鉄金属片でも大きい反発力を受けるように、表
1の区分2に示す如く、小粒径の区分では大粒径の区分
に比べて、回転ドラムと搬送ベルトの相対速度を大きく
するか、またはデバイダ距離を小さくするか、少なくと
も一方を変化させる。
【0032】なお、切替手段41からの切替信号の時間間
隔は、上記に限るものではなく、供給ホッパ内の大粒径
側および小粒径側それぞれの重量または体積のうち少な
くとも一方を検知する手段を設けて、この検出値に応じ
て、大粒径区分と小粒径区分のそれぞれの被選別物が供
給ホッパ30の内部に偏って滞留することなく円滑に選別
されるように切り替えればよい。本方式では、既設の従
来の選別装置に、篩いおよび切替手段を内蔵した供給ホ
ッパ、制御手段を追設するだけでよく、小さい設置面積
で簡易に、従来よりも高純度かつ高回収率で非鉄金属を
選別できる。
【0033】図1および図2は、本発明の装置の一実施
例を示すフローチャートおよびその斜視図である。本装
置は、篩い2および、仕切板500を備えた渦電流選別機1
3からなる。原料20をあらかじめ、篩い2により粒径で
少なくとも2つ以上に区分して、渦電流選別機13へ供
給部50から供給する。
【0034】渦電流選別機13内は、搬送ベルト102上の
原料の経路を、搬送ベルトの進行方向に沿って仕切り板
500で区切っており、また、区切った各経路の選別部に
は、位置調整可能なデバイダ103,104を設けている。
【0035】原料を篩い分けた大粒径物21と小粒径物22
を、仕切り板500で区切った各搬送経路に流して、粒径
区分ごとに非鉄金属と非金属とに選別回収する。
【0036】この時の運転条件としては、表1の区分3
に示すように、小粒径物を選別する側では、デバイダ10
4と回転ドラム101の距離を、大粒径物を選別するデバイ
ダ103と回転ドラム101との距離よりも小さく設定し、あ
るいは、機器の仕様を、小粒径側では大粒径側よりも磁
石の磁束密度を大きくするか、ピッチ間隔を小さくする
かの少なくとも一方に設定して、非鉄金属と非金属とを
粒径区分ごとに選別回収する。この方式によれば、コン
パクトな設備で、高純度かつ高効率な選別を高速で行え
る。なお、図4中の符号108はモータによって回転する
搬送ベルト駆動ドラム、111と112と114はいずれもホッ
パを示している。
【0037】本発明の装置の篩い径としては、10〜50mm
程度がよい。また、篩いの形状には格子状や円形状等が
あり、特に限定しない。以下に、上記の篩い径の根拠を
説明する。
【0038】まず、廃棄物などの粒径分布の大きいもの
を対象とする時に、現状の装置では、非鉄金属を高純度
かつ高回収率に選別するのが困難なことを説明する。
【0039】表2は、一定の仕様の渦電流選別機で、運
転条件のみを変化させた試験結果である。即ち、仕様が
回転ドラム直径314mm、磁束密度3000ガウス、ピッチ間
隔60mmの渦電流選別機において、運転条件のうち回転ド
ラム回転数を機器の最大限の2500rpm、デバイダの位置
を回転ドラムの頂点から水平350mm、鉛直下方140mmに固
定し、搬送ベルトのベルト速度を70,88,106m/sと変化さ
せた時の、非鉄金属と非金属の回収率の結果の1例であ
る。ここで、使用した装置は、回転ドラムと搬送ベルト
の進行方向が逆なので、ベルト速度が小さい時は、回転
ドラムと搬送ベルトの相対速度が小さい。選別対象は粒
径が2〜200mmの範囲の非鉄金属と非金属の混合廃棄物で
ある。
【0040】表2より、ベルト速度を70m/sから106m/s
へと増加させると、非鉄金属の回収率は79%から93%に上
昇したが、一方で、非金属の回収率は100%から71%に低
下した。両者の中間のベルト速度88m/sの場合は、非鉄
金属および非金属の回収率は、それぞれ84%および89%で
ある。非鉄金属及び非金属の未回収分はそれぞれ不純物
として反対側に混入する。このように、この装置では運
転条件を変えても、廃棄物中の非鉄金属と非金属を90%
以上の回収率で選別することは困難である。
【0041】そこで、このときの回収率を粒径別に調べ
た結果、性能の限界の原因は、1)粒径が比較的小さい範
囲で非鉄金属の回収率が著しく低下することと、逆に、
2)粒径が大きくなると非金属の回収率が低下してくるこ
とにあることがわかった。すなわち、前記の試験時の粒
径別の回収率の結果を示すと、図5の通りで、ベルト速
度が小さい78m/sのとき、粒径が約20mm以下の範囲で非
鉄金属の回収率が低く、ベルト速度を大きくして106m/s
とすると、粒径20mm以下の非金属の回収率を少し改善で
きるが、粒径30mm以上の非金属の回収率が低下しはじめ
る。
【0042】これらは以下のように説明できる。すなわ
ち、上記1)については、回転ドラム表面の磁束密度やピ
ッチ間隔といった機器の仕様や、回転ドラムと搬送ベル
トの相対速度といった運転条件よりも、粒径の変化の方
が非鉄金属片に働く電磁力に大きく影響するため、小粒
径になると回収率が低下する。また、上記2)の原因のと
して以下が考えられる。すなわち、大粒径の非金属は、
搬送ベルトからホッパに落下する時に、ベルトで搬送さ
れて来た慣性力に従って放物線を描いて落下するが、そ
の飛跡は粒径分の幅をもっている。これに対して、小粒
径の非鉄金属では、受ける反発力が小さいために電磁力
による飛跡の変化の幅が小さく、その電磁力を受けて変
化した飛跡が、大粒径の非金属の飛跡の範囲内に含まれ
てしまう。このため飛距離による選別が困難になる。
【0043】
【表2】
【0044】そこで、原料の粒径を区分して、それぞれ
の適正条件で選別すれば、現状の機器の仕様でも、非鉄
金属を高純度かつ高回収率で回収できる。すなわち、原
料の粒径を例えば20mmで篩い分け、このとき20mm以下の
ものについては、粒径2mmの非鉄金属と20mmの非金属が
互いに混入せずに選別でき、また、20mm以上のものにつ
いては、粒径20mmの非鉄金属と200mmの非金属が互いに
混入せずに選別できるならば、全体も高効率で選別可能
である。図6および7は、それぞれ上記の仕様の渦電流
選別機1での、粒径2mmの非鉄金属と20mmの非金属の飛
跡、および粒径20mmの非鉄金属と200mmの非金属の飛跡
を比較解析したものである。
【0045】ただし、ここでは飛跡を調べるために、デ
バイダを取り除いた。搬送ベルト102上を流れてきた粒
子は、非金属の場合、搬送方向への慣性力により、また
非鉄金属の場合、該ベルトと回転ドラム101との相対速
度によって働く電磁反発力の影響により、図中の飛跡を
たどる。図6、図7の網掛け部の領域にデバイダ104、お
よび103の先端を設けることにより、非鉄金属と非金属
とを高純度かつ高回収率で選別できる。
【0046】ここで示した実例は、原料の粒径分布が2
〜200mm程度の範囲の場合であるが、実際には、例えば
廃棄物を破砕した後に選別する場合、原料廃棄物の種類
によって粒径分布は異なり、粒径が小さい場合、粒径1
〜100mm程度、粒径が大きい場合、5〜500mm程度にな
る。これらを考慮し、また前記の原料粒径分布2〜200m
mに対して篩い径約20mmで高い選別効率をえられたこと
を参考に、同様の比率を考えると、篩い分けの適正な径
としては、概ね10m〜50mmの範囲内の所定の大きさを設
定するのが望ましい。
【0047】図8は、本発明の装置の一実施例を示す側
面図である。一定条件下の渦電流選別機内で非鉄金属に
作用する電磁力は、前記の数1で定義した非鉄金属片の
みかけ体積Bおよび充填率ηに比例するため、搬送ベル
ト102上を運ばれてきた粒子は、粒径が大きくかつ、空
隙が少なく充填率の高い非鉄金属ほど、鉛直方向上方お
よび搬送ベルトの方向の両方向に大きな力を受ける。そ
の結果、粒径が大きくかつ空隙が少なく充填率の高い非
鉄金属Aは、搬送ベルト面よりも高く、遠い位置まで飛
ぶ。したがって、通常のデバイダ204の他に、被選別物
の進行方向に沿って渦電流選別機の回転ドラムからより
遠い位置に、デバイダ203を設けることにより、通常の
図中の飛跡Bでホッパ117に回収される非鉄金属よりも、
粒径が大きくかつ空隙が少なく充填率の高い良質の非鉄
金属を、飛跡Aを経てホッパ116に選別回収できる。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法および装置は、被選別物を
粒径によって篩いで区分して、それぞれに適正条件を設
定して渦電流選別機することにより、非鉄金属を高純度
かつ高回収率で非金属から選別回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施形態例を示すフローチャ
ートである。
【図2】本発明の装置の一実施形態例を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の選別装置の一実施形態例を表す概念図
である。
【図4】本発明の選別方法の一実施形態例を表すフロー
チャートである。
【図5】粒径による回収率の変化の試験結果を示すグラ
フである。
【図6】渦電流選別機内での被選別物の飛跡を測定解析
したグラフである。
【図7】渦電流選別機内での被選別物の飛跡を測定解析
したグラフである。
【図8】本発明の装置の一実施形態例を示す側面図であ
る。
【図9】永久磁石回転式の渦電流選別機の構造を示す概
略図である。
【符号の説明】
1…渦電流選別機、2…篩い、11…渦電流選別機、12…渦
電流選別機、13…渦電流選別機、20…原料、21…大粒径
物、22…小粒径物、30…供給ホッパ、31…切替手段、32
…仕切り板、41…切替制御手段、42…選別機制御手段、
50…供給手段、101…回転ドラム、102…搬送ベルト、10
3…デバイダ、104…デバイダ、105…供給部、106…鉄掻
き落とし手段、108…搬送ベルト駆動ドラム、110…ホッ
パ、111…ホッパ、112…ホッパ、113…ホッパ、114…ホ
ッパ、203…デバイダ、204…デバイダ、500…仕切り
板、601…磁石、603…デバイダ、2000…非鉄金属片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 千尋 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 小泉 達也 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め破砕した被選別物から非鉄金属を渦
    電流選別する非鉄金属選別方法において、被選別物の粒
    径を10〜50mmの範囲内の所定の値を基準にして、それよ
    り大きいものと小さいものとに区分し、前記粒径区分に
    応じて渦電流選別の条件を設定することを特徴とする非
    鉄金属選別方法。
  2. 【請求項2】 渦電流によって被選別物を非鉄金属とそ
    の他の物質とに選別する渦電流選別機と、前記渦電流選
    別機に予め破砕した被選別物を供給する手段と、前記渦
    電流選別機で選別された選別物を回収する手段からなる
    非鉄金属選別装置において、前記被選別物を、渦電流選
    別機に導入する前に所定範囲の粒径ごとに区分する手段
    と、前記区分手段によって分けた各粒径区分の被選別物
    を前記渦電流選別機に供給するタイミングを切替える切
    替え手段と、前記切替手段を操作する切替制御手段と、
    前記切替制御手段からの信号により、前記渦電流選別機
    の運転条件を被選別物の粒径区分に応じて変化させる選
    別機制御手段とを具備したことを特徴とする非鉄金属選
    別装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の非鉄金属選別装置にお
    いて、永久磁石を内蔵した回転ドラムと、被選別物を回
    転ドラムに向かって輸送する搬送ベルトと、回転ドラム
    からの電磁力による飛距離の違いによって非鉄金属とそ
    の他の物質を区別するデバイダからなる渦電流選別機を
    備え、前記回転ドラムの回転数および、前記搬送ベルト
    の送り速度、前記デバイダの位置のうち少なくとも一つ
    を被選別物の粒径区分に応じて変化させる手段を具備し
    たことを特徴とする非鉄金属選別装置。
  4. 【請求項4】 永久磁石を内蔵した回転ドラムと、被選
    別物を回転ドラムに向かって輸送する搬送ベルトと、回
    転ドラムからの電磁力による飛距離の違いによって非鉄
    金属とその他の物質を区別するデバイダからなる渦電流
    選別機、および、前記渦電流選別機に予め破砕した被選
    別物を供給する手段と、前記渦電流選別機で選別された
    選別物を回収する手段からなる非鉄金属選別装置におい
    て、前記被選別物を、前記渦電流選別機に導入する前に
    所定範囲の粒径ごとに区分する手段と、前記各区分手段
    によって分けた各粒径区分の被選別物を同時にそれぞれ
    の区分毎に渦流選別機の搬送ベルト上に輸送できるよ
    う、前記搬送ベルト上に送り方向に沿って設けた仕切板
    と、前記各粒径区分に応じて位置を調整できるデバイダ
    とを備えたことを特徴とする非鉄金属選別装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、渦電流選別機の搬送
    ベルト上を仕切板で区切って輸送されてくる被選別物の
    各粒径区分に応じて、ドラム表面の磁束密度が異なるよ
    うに永久磁石を配置した回転ドラムを備えた非鉄金属選
    別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001179221A (ja) * 1999-12-22 2001-07-03 Dowa Mining Co Ltd 通信機器の分別回収方法と装置並びに回収基板部
JP2017140556A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 株式会社エコネコル 焼却灰選別方法及び装置
CN114798163A (zh) * 2022-04-27 2022-07-29 格林美(武汉)城市矿山产业集团有限公司 一种圆盘式涡流力分选机

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