JPH10201451A

JPH10201451A - 高周波加熱装置用容器入り冷凍スープ

Info

Publication number: JPH10201451A
Application number: JP9009322A
Authority: JP
Inventors: Yasuyuki Motozuka; 靖之本塚; Toshiyuki Tsujimoto; 敏之辻本; Hiromi Inoue; 広美井上
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1997-01-22
Filing date: 1997-01-22
Publication date: 1998-08-04

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は高周波加熱装置で解凍する冷凍スー
プに関するものであり、ふきこぼれること無く短時間で
解凍することを目的とする。【解決手段】冷凍スープ４の中央部に凹部６を設ける
か、またはドーナツ状に中央部を貫通する空間部１０を
設けるか、または容器の中央低部を底部に空洞１６を設
けるかすることにより解凍するとき高周波の電波の照射
の弱いところを除去し、短時間で冷凍スープ全体を解凍
加熱することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高周波加熱装置を利
用して解凍を行う容器入り冷凍スープに関し、冷凍スー
プの冷凍時の形状に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】冷凍スープはコンビニエンスストアやフ
ァーストフードストア等で幅広く用いられている。これ
等に用いられている容器付冷凍スープに関し以下に示
す。

【０００３】従来この種の冷凍スープは図６に示すよう
に、容器１と蓋２とより構成され、容器内の冷凍スープ
４を解凍して陳列して販売するというものであった。な
お、蓋２は解凍時に発生する蒸気により内圧が高くなる
のを防ぐため、蒸気逃し孔３が設けられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のお店でのスープ
の販売はスープを冷凍で保存していた。そしてお客様を
待たせないために解凍して来客にそなえるのが一般的で
あった。しかし、一旦解凍すると、そのスープが売れ残
った場合破棄しなければならず不経済であった。そこで
事前に解凍して陳列するのを止め、お客様の注文時に高
周波加熱装置で急速解凍して販売できれば無駄が無くな
り経済的である。しかるに従来の容器１入りの冷凍スー
プ４の解凍を高出力の高周波で急速に行うと、冷凍スー
プ４の表面のみが先に溶けてしまう。冷凍スープ４が一
旦溶けると、その部分の誘電体損失が凍っている部分に
比べて大きいため、高周波の大部分がこの溶解した部分
に吸収されることになる。したがって、冷凍スープ４の
溶解した部分の温度は上昇し、ついには沸騰して蒸気逃
し孔３よりふきこぼれることとなる。

【０００５】一方、冷凍スープ４の中心部５は高周波が
溶解した部分に大部分吸収されてしまうために、この部
分へ到達する高周波は少なく、かつ溶解したスープの粘
度が高いため、その部分の熱が対流により伝達されにく
いため、凍ったままの状態となっている。このように冷
凍スープ４を一様に解凍することは困難であった。

【０００６】すなわち、お客様に満足してもらい、かつ
経済的であるためには、冷凍スープを短時間で均一に解
凍しなければならないという課題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、蓋付きの容器に挿入する冷凍スープの形状
を冷凍スープの中央部分のスープの量が少なくなるよう
な形状にした。このような形状にすることにより冷凍ス
ープの中央部のスープの単位体積あたりの高周波エネル
ギーを受ける量が多くなるため、容器全体が一様に解凍
しやすくなり、解凍時間を短縮することができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明は蓋付きの容器と、前記容
器に収納した冷凍スープとを有し、前記冷凍スープは高
周波加熱により全体が容易に解凍するように、前記冷凍
スープの中央部分のスープの量を少なくする構成とした
ものである。

【０００９】そして、中央部のスープの量が少ないた
め、この部分の単位体積当たりの高周波エネルギー量が
多くなるため、中央部の解凍も進み、従来のように中央
部が解凍しにくいという現象が緩和される。

【００１０】また、蓋付きの容器と、前記容器に収納し
た冷凍スープとを有し、前記冷凍スープはその中央部に
凹部を有する構成としたものである。

【００１１】そして、この構成では中央部の凹部壁面の
下部までに高周波が照射されるため中央部が解凍されや
すくなる。

【００１２】また、蓋付きの容器と、前記容器に収納し
た冷凍スープとを有し、前記冷凍スープはその中央部に
冷凍スープを貫通する空間部を有する構成としたもので
ある。

【００１３】そして、この構成では中央部中空孔壁面に
高周波が照射されるため、この近辺がよく解凍し、容器
中央部が解凍しにくいという現象が緩和される。

【００１４】また、蓋付きの容器と、前記容器に収納し
た冷凍スープとを有し、前記冷凍スープはその中央部に
複数箇の細孔を有する構成としたものである。

【００１５】また、蓋付きの容器と、前記容器に収納し
た冷凍スープとを有し、前記容器の内側形状と、前記冷
凍スープの外側形状とを異なる形状とする構成としたも
のである。

【００１６】そして、この構成では容器と冷凍スープと
の間に隙間ができるため、解凍したスープは下部に流動
し、未解凍の部分が常に高周波に晒されるため、解凍が
容易に、かつ速く行われることになる。

【００１７】また、容器の底または蓋の中央部に凸部を
設ける構成としたものである。そして、凸部の内側には
冷凍スープが含まれないためこの部分の実質的なスープ
の量が少なくなると共に、冷凍スープは凸部側面より入
射した高周波に晒されるため、解凍が容易となる。

【００１８】以下、本発明の一実施例について図面を用
いて説明する。なお、従来例と同一機能を有する部品に
は同一符号を符した。

【００１９】（実施例１）本実施例は冷凍スープを解凍
するとき、解凍しにくい中央部分の冷凍スープの量を減
らしておくことを基本としている。すなわち、解凍した
ときに冷凍のまま残る塊の部分を予め除去した形にして
おこうとするものである。

【００２０】以下に具体的な実施例について説明する。
図１において、１は冷凍スープを入れる容器であり、こ
の容器１には密閉できる蓋２が付いている。蓋２には解
凍時に発生する蒸気を逃す蒸気逃し孔３が設けられてい
る。この蒸気逃し孔３は加熱終了後にシールラベル（図
示せず）により封印されるために解凍したスープはこの
孔３からはこぼれない。

【００２１】容器１には中央部が凹んだ凹部付き冷凍ス
ープ４が入れられている。図２はこの凹みを付けるため
の蓋７の構成を示したものである。すなわち蓋７の中央
部に蓋７を外し易くするためのテーパを設けた凸部８を
有する構成としたものである。そして容器１にスープを
挿入し、蓋７をかぶせた後冷凍すれば容易に凹部付き冷
凍スープを得ることができる。冷凍が完了すれば通常の
蓋２に交換して出荷すればよい。また、凸部付き蓋７を
つけたまま出荷し、そのまま解凍してもよい。しかし、
この場合蓋７に蒸気逃し孔３を凸部８と重ならない位置
に設ける必要がある。

【００２２】本実施例において、高周波を照射すると、
中央部の冷凍スープの実質的な量が少ないため、中央部
が解凍されやすくなると共に、冷凍スープを高出力で解
凍したとき表面から溶け出した熱いスープは中央の凹部
６に流れ込み凍った部分を溶かすと同時に誘電体損失の
高くなった溶けた部分が、電波の照射されにくい中央の
くぼみ（凹）６に集まりその部分に高周波が集中するよ
うになる。このため中央部がさらに解凍されやすくな
る。

【００２３】（実施例２）本実施例では実施例１におい
て設けた中央部の凹部の替わりに冷凍スープ４を貫通す
る空間部を設けた構成である。そして実施例１と同様の
作用および効果が得られる。

【００２４】（実施例３）本実施例では実施例２におい
て設けた中央部を貫通する空間部の替わりに、孔の小さ
な貫通孔を複数箇設けることにより中央部の冷凍スープ
の量を少なくする構成とするものである。さらに、複数
箇の貫通孔を冷凍スープの中心部から端部まで分布さ
せ、端部にいくにしたがって貫通孔の密度すなわち数を
少なくする構成としてもよい。このようにすることによ
り冷凍スープの単位体積当たりの高周波エネルギーを等
しくしていくことにより、均一にかつ短時間で解凍する
ことができる。

【００２５】（実施例４）図３は本実施例の容器入り冷
凍スープの側面断面図を示す。

【００２６】図３（ａ）は実施例１の容器１に図３
（ｂ）に示すような別の装置で冷凍したドーナツ型冷凍
スープ９を詰め替えたものである。本実施例の場合は容
器１とドーナツ型冷凍スープの形状・寸法を変えること
により容器１の底の部分に下部空間部１１をつくること
が容易に可能である。なお、本実施例では解凍したスー
プが上記空間部に留まりやすいように、貫通孔の径が下
部に行くにしたがって大きくなっている。

【００２７】本実施例では解凍したスープが下部に移動
するため、ドーナツ型冷凍スープ９の未解凍面に常に高
周波が照射されるため、解凍が行われやすくなる。

【００２８】なお、容器１の下部に下部空間部１１を設
ける構成は上記に限定されるものではなく下部に空間保
持材を設ける構成、例えば容器１の底面に小さな凸部を
設ける構成としてもよい。

【００２９】（実施例５）本実施例は実施例４と同様に
解凍したスープを容器の下部に移動させることにより解
凍を速くしようとするものである。

【００３０】図４は本実施例５の説明図で蓋を外した上
面図である。図４において変形ドーナツ型冷凍スープ１
２は容器との間に隙間ができるように多角形に冷凍して
いる。この変形冷凍スープ１２を円形の容器１に入れる
と側面空間部１３ができる。解凍時変形冷凍スープ１２
の、始めに解凍された表面部分が側面空間部１３を通っ
て容器１の下部空間部１１に貯まる。変形冷凍スープ１
２の表面は常に冷凍された状態部分が高周波にさらされ
ることになり速く解凍される。

【００３１】なお、容器と冷凍スープとの間に隙間を設
ける構成としては容器の内面形状と冷凍スープの外面形
状とを異なるようにすればよい。

【００３２】（実施例６）図５は本実施例６の説明図で
ある。

【００３３】図５において１４は冷凍スープ１５を入れ
る容器であり、容器１４の底中央に空洞１６を設けて解
凍時溶けにくい部分を当初から除去した形状の容器であ
りスープ１５の冷凍加工時と、出荷する容器１３とを共
通で使用できる。

【００３４】また、実施例１で述べたように容器１の蓋
２に凸部を設ける構成としても、同様に解凍時溶けにく
い部分を当初から除去した構成とすることができる。

【００３５】なお、本冷凍スープの利用としては、コン
ビニエンスストアまたはファーストフードストア等のお
店で利用する場合について説明したが、一般家庭で用い
ても解凍時間を短縮し、かつ一様に解凍できるのは勿論
である。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば容器
に入った冷凍スープを急速解凍することができ、中心が
冷凍のまま残ったり、先に解凍できた部分がふきこぼれ
るということもなく、お客様を待たせることなく効果的
・経済的にあったかいスープを提供できるという効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の容器入り冷凍スープの側面
断面図

【図２】同容器の蓋の側面断面図

【図３】（ａ）本発明の実施例４の容器入り冷凍スープ
の側面断面図（ｂ）同冷凍スープの側面断面図

【図４】本発明の実施例５の冷凍スープの容器の蓋を外
した状態を示す上面図

【図５】本発明の実施例６の容器入り冷凍スープの側面
断面図

【図６】従来の容器入り冷凍スープの断面図

【符号の説明】

１容器２蓋４冷凍スープ６凹部８凸部９冷凍スープ１０空間部１１下部空間部１２冷凍スープ１４容器１５冷凍スープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記冷凍スープは高周波加熱により全
体が容易に解凍するように、前記冷凍スープの中央部分
のスープの量を少なくする構成とした高周波加熱装置用
容器入り冷凍スープ。
【請求項２】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記冷凍スープはその中央部に凹部を
有する構成とした高周波加熱装置用容器入り冷凍スー
プ。
【請求項３】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記冷凍スープはその中央部に冷凍ス
ープを貫通する空間部を有する構成とした高周波加熱装
置用容器入り冷凍スープ。
【請求項４】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記冷凍スープはその中央部に複数箇
の細孔を有する構成とした高周波加熱装置用容器入り冷
凍スープ。
【請求項５】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記容器の底面と前記冷凍スープの下
部との間に下部空間部を設ける構成とした高周波加熱装
置用容器入り冷凍スープ。
【請求項６】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記容器の内側形状と、前記冷凍スー
プの外側形状とを異なる形状とする構成とした高周波加
熱装置用容器入り冷凍スープ。
【請求項７】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記容器は底面中央部に凸部を有する
構成とした高周波加熱装置用容器入り冷凍スープ。
【請求項８】蓋付きの容器と、前記容器に収納した冷凍
スープとを有し、前記蓋は中央部に凸部を有する構成と
した高周波加熱装置用容器入り冷凍スープ。