JPH10201152A - 永久磁石回転子およびその製造方法 - Google Patents

永久磁石回転子およびその製造方法

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JPH10201152A
JPH10201152A JP9006660A JP666097A JPH10201152A JP H10201152 A JPH10201152 A JP H10201152A JP 9006660 A JP9006660 A JP 9006660A JP 666097 A JP666097 A JP 666097A JP H10201152 A JPH10201152 A JP H10201152A
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Japan
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permanent magnet
rotor
rotor shaft
annular permanent
filling member
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JP9006660A
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Yusuke Soma
雄介 相馬
Yuji Nakahara
裕治 中原
Yoshio Kasuga
芳夫 春日
Hiroki Matsubara
浩樹 松原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性および生産性の向上を図る。 【解決手段】 極異方性を有し焼結後の内周面の凹凸形
状を維持したままの環状永久磁石2と、環状永久磁石2
に嵌合される回転子軸1と、嵌合される環状永久磁石2
および回転子軸1の間に充填され環状永久磁石2および
回転子軸1を固着する充填部材3とを備えた永久磁石回
転子において、回転子軸1の環状永久磁石2に嵌合され
る外周面に軸方向に延在し充填部材3の充填厚の0.1
〜0.5倍の深さを有する螺旋状の溝1aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、永久磁石を回転
子軸の外周面に配置して構成される永久磁石回転子およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の永久磁石回転子として
は、例えば特開昭59−92754号公報に示されるよ
うに、焼結後の内周面の凹凸形状を維持したままの環状
永久磁石を、外周面にローレットが形成された回転子軸
に嵌合させ樹脂により固着させる方法が、又、実開昭5
5−7527号公報に示されるように、嵌合された環状
永久磁石と回転子軸とを樹脂により固着させる際に、磁
極位置を確認するためのマークを射出成形時のゲートに
よって形成する方法がそれぞれ提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように特開昭59−92754号公報に示された永久磁
石回転子では、回転子軸の外周面に形成されたローレッ
トにより、抜け止めおよび回り止めを行っているため、
回転子軸の外周を旋削加工後、さらに別工程でローレッ
ト加工を行わなければならないので製造工程が多くな
り、又、ローレットにより回転子軸の表面が粗されてい
るので、射出成形時における樹脂の流動が不均一とな
り、固着強度が低下する等の問題点があった。
【0004】さらに、上記のように実開昭55−752
7号公報に示された永久磁石回転子では、磁極位置を確
認するためのマークを射出成形時のゲートによって形成
しているため、予め内外周面が加工された円筒状永久磁
石の磁極位置に、切り欠きあるいはマーキング等を施
し、これをゲートに合致させながら金型に挿入しなけれ
ばならないので、作業性が悪く、複数個の円筒状永久磁
石を挿入する場合には、金型内での位置合わせおよび保
持が困難になる等の問題点があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、環状永久磁石の回転子軸への固
着強度を上げて信頼性の向上を図るとともに、製造コス
トを低減して生産性の向上を図ることが可能な永久磁石
回転子およびその製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る永久磁石回転子は、極異方性を有し焼結後の内周面の
凹凸形状を維持したままの環状永久磁石と、環状永久磁
石に嵌合される回転子軸と、嵌合される環状永久磁石お
よび回転子軸の間に充填され環状永久磁石および回転子
軸を固着する充填部材とを備えた永久磁石回転子におい
て、回転子軸の環状永久磁石に嵌合される外周面に軸方
向に延在し充填部材の充填厚の0.1〜0.5倍の深さ
を有する螺旋状の溝を形成したものである。
【0007】又、この発明の請求項2に係る永久磁石回
転子は、極異方性を有し焼結後の内周面の凹凸形状を維
持したままの環状永久磁石と、環状永久磁石に嵌合され
る回転子軸と、嵌合される環状永久磁石および回転子軸
の間に充填され環状永久磁石および回転子軸を固着する
充填部材とを備えた永久磁石回転子において、回転子軸
の環状永久磁石に嵌合される外周面の環状永久磁石の凸
部と対応する位置に軸方向に延在し凸部の頂部から凹部
の底部までの高さと同等の深さを有する溝を形成したも
のである。
【0008】又、この発明の請求項3に係る永久磁石回
転子は、請求項1または2において、充填部材の端部に
は環状永久磁石および回転子軸の嵌合部から両側にそれ
ぞれ延出され環状永久磁石の端面および回転子軸の外周
面の一部に被着された薄肉部を形成したものである。
【0009】又、この発明の請求項4に係る永久磁石回
転子は、請求項1または2において、回転子軸の環状永
久磁石と嵌合する部分の外径を残りの部分の外径より小
にするとともに充填部材の端部を環状永久磁石の端面ま
で延在させたものである。
【0010】又、この発明の請求項5に係る永久磁石回
転子は、請求項1または2において、充填部材を環状永
久磁石の端面および外周面に被着させたものである。
【0011】又、この発明の請求項6に係る永久磁石回
転子は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、充填部
材に樹脂を用いたものである。
【0012】又、この発明の請求項7に係る永久磁石回
転子は、請求項6において、樹脂には強化材を含有させ
たものである。
【0013】又、この発明の請求項8に係る永久磁石回
転子は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、充填部
材に低融点金属を用いたものである。
【0014】又、この発明の請求項9に係る永久磁石回
転子は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、充填部
材に接着剤を用いたものである。
【0015】又、この発明の請求項10に係る永久磁石
回転子は、請求項6、8および9のいずれかにおいて、
充填部材の熱膨張係数を回転子軸の熱膨張係数より小に
したものである。
【0016】又、この発明の請求項11に係る永久磁石
回転子の製造方法は、極異方性を有し焼結後の内外周面
の形状を維持したままの環状永久磁石を回転子軸と嵌合
させ、充填部材で固着一体化させた後環状永久磁石の外
周面を加工するようにしたものである。
【0017】又、この発明の請求項12に係る永久磁石
回転子の製造方法は、請求項11において、充填部材を
注入するゲートを環状永久磁石の凹部と対応する位置に
設定したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1における
永久磁石回転子の構成を示す斜視図、図2は図1におけ
る永久磁石回転子の構成を示す断面図、図3は図1にお
ける環状永久磁石の製造過程を示す図、図4は図1にお
ける永久磁石回転子の組立の一工程を示す斜視図であ
る。図において、1は回転子軸で、外周面には軸方向に
延在し後述の充填部材の充填厚の0.1〜0.5倍の深
さを有する螺旋状の溝1aが形成されている。2は極異
方性を有し焼結後の内周面の凹部および凸部2a、2b
を維持したままの状態で、回転子軸1に嵌合される環状
永久磁石、3は嵌合される回転子軸1および環状永久磁
石2の間に充填され、回転子軸1および環状永久磁石2
を固着する例えば、熱可塑性樹脂等の樹脂でなる充填部
材である。
【0019】次に、上記のように構成された実施の形態
1における永久磁石回転子の製造方法について説明す
る。まず、環状永久磁石2を焼結すると、極数が8の場
合、図3(A)に示すように外周面は8角形状となり、
また、内周面は磁極位置に対応する部分が凹部2aとな
り、その中間に凸部2bが形成され全体として8個ずつ
の凹部2a、凸部2bを有した16角形状となる。そし
て、図3(A)中一点鎖線で示すように円弧状の磁化容
易軸が形成される。次いで、図3(B)に示すように外
周面を所定の外径の円筒状に加工した後、図4に示すよ
うに回転子軸1を環状永久磁石2と嵌合させた後、両部
材1、2間に充填部材3を充填して固着一体化させ、図
3(C)に示すように着磁を行って円周方向にN極とS
極とを交互に配向する。
【0020】このように上記実施の形態1によれば、環
状永久磁石2の内周面を焼結後の凹部2a、凸部2bを
維持したままの状態にするとともに、回転子軸1の外周
面に充填部材3の充填厚の0.1〜0.5倍の深さを有
する螺旋状の溝1aを外周面の旋削と同時に形成して嵌
合させ、充填部材3を充填することにより固着一体化さ
せているので、螺旋状の溝1aが充填部材3を均一に軸
方向に案内することにより流動性を向上させるととも
に、環状永久磁石2の凹部2a、凸部2bと回転子軸1
の溝1aとの楔効果により固着強度を上げて信頼性の向
上を図ることが可能になる。なお、溝1aの深さは、充
填部材3の充填厚の0.1倍未満の場合は固着強度を保
持できず、又、0.5倍を越えると充填部材3の流動性
が悪くなるため、0.1〜0.5倍が適当と考えられ
る。
【0021】又、上記構成では、回転子軸1の外周面に
螺旋状の溝1aを形成して充填部材3の流動性の向上な
らびに楔効果を得るようにしているが、図5に示すよう
に回転子軸4の外周面の環状永久磁石2の凸部2bと対
応する位置に、軸方向に延在し凸部2bの頂部から凹部
2aの底部までの高さと同等の深さを有する溝4aを形
成するようにしても、充填部材3の流動性の向上ならび
に楔効果を得ることが可能となり、上記構成と同様の効
果を発揮することができ、又、溝4aを設けることによ
って、回転子軸1自身の熱膨張量を小さく抑えることが
できるため、環状永久磁石2の割れを防止することがで
きる。
【0022】実施の形態2.図6はこの発明の実施の形
態2における製造方法で得られる永久磁石回転子の構成
を示す斜視図、図7は図6における永久磁石回転子の組
立の一工程を示す斜視図である。図において、上記実施
の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明
を省略する。5は極異方性を有し焼結後の内周面の凹部
5aおよび凸部5bを維持したままの状態で、回転子軸
1に嵌合される2個の環状永久磁石で、充填部材3によ
り回転子軸1に固着一体化されている。
【0023】次に、上記のように構成された実施の形態
2における永久磁石回転子の製造方法について説明す
る。まず、環状永久磁石5を焼結すると、極数が8の場
合、実施の形態1で説明したと同様に外周面が8角形状
となり、また、内周面は磁極位置に対応する部分が凹部
5aとなり、その中間に凸部5bが形成され全体として
8個ずつの凹部5a、凸部5bを有した16角形状とな
る。そして、図7に示すようにこれら2個の環状永久磁
石5を回転子軸1に嵌合させ、両部材1、5間に充填部
材3を充填して固着一体化させる。その後、環状永久磁
石5の外周面を所定の外径の円筒状に加工し着磁を行っ
た後、図6に示すような永久磁石回転子が得られる。
【0024】このように上記実施の形態2によれば、焼
結後の内外周面の形状を維持したままの環状永久磁石5
を回転子軸1に嵌合させ、充填部材3で固着一体化させ
た後、環状永久磁石5の外周面を加工して永久磁石回転
子を得るようにしているので、上記実施の形態1の場合
と同様に、固着強度を上げて信頼性の向上を図ることが
可能になることは勿論のこと、回転子軸1と環状永久磁
石5とを嵌合させる際に、外周面の形状により磁極位置
の認識ができるため、環状永久磁石5を複数個用いる場
合、お互いの磁極位置を一致させることが容易となり組
立作業性を向上させることが可能になる。
【0025】又、充填部材を注入充填する場合のゲート
6の位置を、図8に示すように環状永久磁石5の内周面
の凹部5aと対応する位置に設けるようにすれば、ゲー
ト6の位置と磁極の位置とが一致するため、着磁する際
に磁極位置の割り出しが容易となり、生産性の向上を図
ることが可能になる。
【0026】実施の形態3.図9はこの発明の実施の形
態3における永久磁石回転子の構成を示す断面図であ
る。図において、上記実施の形態1におけると同様な部
分は同一符号を付して説明を省略する。7は回転子軸と
環状永久磁石2との間に充填され、これら1、2を固着
して一体化する例えば熱可塑性樹脂等の樹脂でなる充填
部材で、両端部には嵌合部からそれぞれ延出され、環状
永久磁石2の端面および回転子軸1の外周面の一部に被
着された薄肉部7a、7bがそれぞれ形成されている。
そして、これら薄肉部7a、7bは充填部材7の回転子
軸1および環状永久磁石2間に充填される厚みの0.2
倍程度の厚さで設けられている。
【0027】このように上記実施の形態3によれば、充
填部材7の両端部を嵌合部からそれぞれ延出させ、両端
に形成された薄肉部7a、7bを環状永久磁石2の端面
および回転子軸1の外周面の一部に被着させるようにし
ているので、回転電機の運転時に発生する熱により回転
子軸1と充填部材7との間、あるいは充填部材7と環状
永久磁石2との間に熱膨張差による熱歪みが発生し、お
互いの接合部分の端部で最大となっても、薄肉部7a、
7bの存在により緩衝され、充填部材7の端部における
亀裂、剥離が防止される。
【0028】実施の形態4.図10はこの発明の実施の
形態4における永久磁石回転子の構成を示す断面図であ
る。図において、上記実施の形態1におけると同様な部
分は同一符号を付して説明を省略する。8は環状永久磁
石2に嵌合される回転子軸で、嵌合部の半径が残りの部
分の半径より嵌合隙間の0.5倍以上小さく形成されて
いる。9は環状永久磁石2と回転子軸8との間に充填さ
れ、これらの部材2、8を固着して一体化する例えば熱
可塑性樹脂等の樹脂でなる充填部材で、両端部は環状永
久磁石2の端面まで延在されている。
【0029】このように上記実施の形態4によれば、回
転子軸8の環状永久磁石2と嵌合する部分の外径を、残
りの部分の外径より小にするとともに、両部材2、8間
に充填される充填部材9の両端部を、環状永久磁石2の
端面まで延在させているので、上記実施の形態1の場合
と同様に、固着強度を上げて信頼性の向上を図ることが
可能になることは勿論のこと、環状永久磁石2の軸方向
への移動を抑制してさらに固着強度を上げることができ
る。
【0030】実施の形態5.図11はこの発明の実施の
形態5における永久磁石回転子の構成を示す断面図であ
る。図において、上記実施の形態1におけると同様な部
分は同一符号を付して説明を省略する。10は回転子軸
1と環状永久磁石2との間に充填され、これらの部材
1、2を固着して一体化する例えば熱可塑性樹脂等の樹
脂でなる充填部材で、環状永久磁石2の端面および外周
面にわたって被着されている。
【0031】このように上記実施の形態5によれば、充
填部材10で環状永久磁石2の端面および外周面を覆っ
ているので、固着強度を上げて信頼性の向上を図ること
が可能になることは勿論のこと、ネオジム−鉄−ボロン
系磁石等のように腐食し易い磁石に対しては、防錆効果
を得ることもできるため、別途防錆処理を行う工程を設
ける必要もなくなる。
【0032】尚、上記各実施の形態では、充填部材とし
て樹脂を用いた場合について説明したが、例えば錫、
鉛、はんだ等の低融点金属、あるいはエポキシ系の接着
剤を充填部材として用いても上記と同様の効果を得るこ
とができる。
【0033】又、充填部材としての樹脂に、ガラス繊維
等の強化材を含有させるようにすれば、樹脂の機械的強
度を向上させることができ、さらに固着強度を上げるこ
とが可能になる。
【0034】さらに又、充填部材として、例えば材料中
に希土類系の磁性粉を混入させる等して、熱膨張係数が
回転子軸の熱膨張係数より小さなものを適用することに
より、回転電機の運転時に発生する温度上昇に伴う熱膨
張量を低減することができ、環状永久磁石の割れを防止
することが可能になる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、極異方性を有し焼結後の内周面の凹凸形状を維持
したままの環状永久磁石と、環状永久磁石に嵌合される
回転子軸と、嵌合される環状永久磁石および回転子軸の
間に充填され環状永久磁石および回転子軸を固着する充
填部材とを備えた永久磁石回転子において、回転子軸の
環状永久磁石に嵌合される外周面に軸方向に延在し充填
部材の充填厚の0.1〜0.5の深さを有する螺旋状の
溝を形成したので、環状永久磁石の回転子軸への固着強
度を上げて信頼性の向上を図ることが可能な永久磁石回
転子を提供することができる。
【0036】又、この発明の請求項2によれば、極異方
性を有し焼結後の内周面の凹凸形状を維持したままの環
状永久磁石と、環状永久磁石に嵌合される回転子軸と、
嵌合される環状永久磁石および回転子軸の間に充填され
環状永久磁石および回転子軸を固着する充填部材とを備
えた永久磁石回転子において、回転子軸の環状永久磁石
に嵌合される外周面の環状永久磁石の凸部と対応する位
置に軸方向に延在し凸部の頂部から凹部の底部までの高
さと同等の深さを有する溝を形成したので、環状永久磁
石の回転子軸への固着強度を上げるとともに、環状永久
磁石の割れを防止して信頼性の向上を図ることが可能な
永久磁石回転子を提供することができる。
【0037】又、この発明の請求項3によれば、請求項
1または2において、充填部材の端部には環状永久磁石
および回転子軸の嵌合部から両側にそれぞれ延出され環
状永久磁石の端面および回転子軸の外周面の一部に被着
された薄肉部を形成したので、固着強度を上げて信頼性
の向上を図ることが可能であることは勿論のこと、充填
部材の端部における亀裂、剥離を防止することが可能な
永久磁石回転子を提供することができる。
【0038】又、この発明の請求項4によれば、請求項
1または2において、回転子軸の環状永久磁石と嵌合す
る部分の外径を残りの部分の外径より小にするとともに
充填部材の端部を環状永久磁石の端面まで延在させたの
で、環状永久磁石の軸方向への移動を抑制し、さらに固
着強度を上げて信頼性の向上を図ることが可能な永久磁
石回転子を提供することができる。
【0039】又、この発明の請求項5によれば、請求項
1または2において、充填部材を環状永久磁石の端面お
よび外周面に被着させたので、固着強度を上げて信頼性
の向上を図ることが可能であることは勿論のこと、防錆
処理を行う工程を省き生産性の向上を図ることが可能な
永久磁石回転子を提供することができる。
【0040】又、この発明の請求項6によれば、請求項
1ないし5のいずれかにおいて、充填部材に樹脂を用い
たので、環状永久磁石の回転子軸への固着強度を上げて
信頼性の向上を図るとともに、製造コストを低減して生
産性の向上を図ることが可能な永久磁石回転子を提供す
ることができる。
【0041】又、この発明の請求項7によれば、請求項
6において、樹脂には強化材を含有させたので、さらに
固着強度を上げて信頼性の向上を図ることが可能な永久
磁石回転子を提供することができる。
【0042】又、この発明の請求項8によれば、請求項
1ないし5のいずれかにおいて、充填部材に低融点金属
を用いたので、環状永久磁石の回転子軸への固着強度を
上げて信頼性の向上を図るとともに、製造コストを低減
して生産性の向上を図ることが可能な永久磁石回転子を
提供することができる。
【0043】又、この発明の請求項9によれば、請求項
1ないし5のいずれかにおいて、充填部材に接着剤を用
いたので、環状永久磁石の回転子軸への固着強度を上げ
て信頼性の向上を図るとともに、製造コストを低減して
生産性の向上を図ることが可能な永久磁石回転子を提供
することができる。
【0044】又、この発明の請求項10によれば、請求
項6、8および9のいずれかにおいて、充填部材の熱膨
張係数を回転子軸の熱膨張係数より小にしたので、固着
強度を上げて信頼性の向上を図ることが可能であること
は勿論のこと、環状永久磁石の割れを防止することが可
能な永久磁石回転子を提供することができる。
【0045】又、この発明の請求項11によれば、極異
方性を有し焼結後の内外周面の形状を維持したままの環
状永久磁石を回転子軸と嵌合させ、充填部材で固着一体
化させた後環状永久磁石の外周面を加工するようにした
ので、製造コストを低減して生産性の向上を図ることが
可能な永久磁石回転子の製造方法を提供することができ
る。
【0046】又、この発明の請求項12によれば、請求
項11において、充填部材を注入するゲートを環状永久
磁石の凹部と対応する位置に設定したので、着磁する際
に磁極位置の割り出しが容易となり、さらに生産性の向
上を図ることが可能な永久磁石回転子の製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における永久磁石回
転子の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1における永久磁石回転子の構成を示す断
面図である。
【図3】 図1における環状永久磁石の製造過程を示す
図である。
【図4】 図1における永久磁石回転子の組立の一工程
を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における永久磁石回
転子の図1とは異なる構成を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2における製造方法で
得られる永久磁石回転子の構成を示す斜視図である。
【図7】 図6における永久磁石回転子の組立の一工程
を示す斜視図である。
【図8】 図6における充填部材を注入する場合のゲー
トの位置を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態3における永久磁石回
転子の構成を示す断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態4における永久磁石
回転子の構成を示す断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態5における永久磁石
回転子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,4,8 回転子軸、1a,4a 溝、2,5 環状
永久磁石、2a,5a 凹部、2b,5b 凸部、3,
7,9,10 充填部材、7a,7b 薄肉部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 浩樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極異方性を有し焼結後の内周面の凹凸形
    状を維持したままの環状永久磁石と、上記環状永久磁石
    に嵌合される回転子軸と、嵌合される上記環状永久磁石
    および回転子軸の間に充填され上記環状永久磁石および
    回転子軸を固着する充填部材とを備えた永久磁石回転子
    において、上記回転子軸の上記環状永久磁石に嵌合され
    る外周面に軸方向に延在し上記充填部材の充填厚の0.
    1〜0.5倍の深さを有する螺旋状の溝を形成したこと
    を特徴とする永久磁石回転子。
  2. 【請求項2】 極異方性を有し焼結後の内周面の凹凸形
    状を維持したままの環状永久磁石と、上記環状永久磁石
    に嵌合される回転子軸と、嵌合される上記環状永久磁石
    および回転子軸の間に充填され上記環状永久磁石および
    回転子軸を固着する充填部材とを備えた永久磁石回転子
    において、上記回転子軸の上記環状永久磁石に嵌合され
    る外周面の上記環状永久磁石の凸部と対応する位置に軸
    方向に延在し上記凸部の頂部から上記凹部の底部までの
    高さと同等の深さを有する溝を形成したことを特徴とす
    る永久磁石回転子。
  3. 【請求項3】 充填部材の端部には環状永久磁石および
    回転子軸の嵌合部から両側にそれぞれ延出され上記環状
    永久磁石の端面および上記回転子軸の外周面の一部に被
    着された薄肉部が形成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の永久磁石回転子。
  4. 【請求項4】 回転子軸の環状永久磁石と嵌合する部分
    の外径を残りの部分の外径より小にするとともに充填部
    材の端部を上記環状永久磁石の端面まで延在させたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の永久磁石回転子。
  5. 【請求項5】 充填部材は環状永久磁石の端面および外
    周面に被着されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の永久磁石回転子。
  6. 【請求項6】 充填部材は樹脂であることを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載の永久磁石回転子。
  7. 【請求項7】 樹脂には強化材が含有されていることを
    特徴とする請求項6記載の永久磁石回転子。
  8. 【請求項8】 充填部材は低融点金属であることを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれかに記載の永久磁石回
    転子。
  9. 【請求項9】 充填部材は接着剤であることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の永久磁石回転
    子。
  10. 【請求項10】 充填部材は熱膨張係数が回転子軸の熱
    膨張係数より小であることを特徴とする請求項6、8お
    よび9のいずれかに記載の永久磁石回転子。
  11. 【請求項11】 極異方性を有し焼結後の内外周面の形
    状を維持したままの環状永久磁石を回転子軸と嵌合さ
    せ、充填部材で固着一体化させた後上記環状永久磁石の
    外周面を加工するようにしたことを特徴とする永久磁石
    回転子の製造方法。
  12. 【請求項12】 充填部材を注入するゲートを環状永久
    磁石の凹部と対応する位置に設定したことを特徴とする
    請求項11記載の永久磁石回転子の製造方法。
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