JPH10200899A - 動画像復号装置及び動画像復号方法 - Google Patents

動画像復号装置及び動画像復号方法

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JPH10200899A
JPH10200899A JP162897A JP162897A JPH10200899A JP H10200899 A JPH10200899 A JP H10200899A JP 162897 A JP162897 A JP 162897A JP 162897 A JP162897 A JP 162897A JP H10200899 A JPH10200899 A JP H10200899A
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JP162897A
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Kenji Tomizawa
研二 冨澤
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メモリのアクセスに伴うオーバーヘッドを低減
してバンド幅が圧迫されることを抑制すると共に、回路
設計の自由度を向上させる。 【解決手段】メモリアドレス生成回路22は参照メモリ7
に対する書込み及び読出しを制御する。加算器5からの
復元画像データは参照メモリ7に書込まれる。メモリア
ドレス生成回路22は参照メモリ7に記憶された参照画像
を動きベクトルに基づくブロック化位置でブロック化し
て読出し、参照MBバッファ11を介して加算器5に与え
る。これにより、P,Bピクチャの復元画像が得られ
る。加算器5からの復元画像データはマクロブロック単
位で参照メモリ7の同一のページに書込まれるので、書
込み時におけるオーバーヘッドが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予測符号化信号を
復号化するための動画像復号装置及び動画像復号方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、MPEG2などの動画像符号化方
式がディジタル放送やパッケージメディア等において活
用されつつある。MPEG2の画像符号化方式及び復号
化方式については、刊行本である「最新MPEG教科
書」(アスキー出版局)に詳述されている。
【0003】MPEG2規格においては、直交変換処
理、量子化処理及び可変長符号化処理によって画像デー
タを圧縮する。直交変換は、入力される標本値を空間周
波数成分等の直交成分に変換するものであり、m×n画
素のブロック単位でDCT(離散コサイン変換)処理等
を行う。これにより空間的な相関成分が削減可能とな
る。直交変換された成分は量子化することにより、ブロ
ックの信号の冗長度を削減している。
【0004】更に、量子化出力にハフマン符号化等の可
変長符号化を施すことにより、データ量を一層削減す
る。ハフマン符号化は、量子化出力の統計的符号量から
算出した結果に基づいて符号化を行うものであり、出現
確率が高いデータには短いビットを割当て、出現確率が
低いデータには長いビットを割当てる可変長符号化によ
って全体のデータ量を削減する。
【0005】更に、MPEG2において、フレーム内の
画像をDCT処理するフレーム内圧縮の外に、フレーム
間の相関を利用して時間軸方向の冗長度を削減するフレ
ーム間圧縮も採用する。フレーム間圧縮は、一般の動画
像が前後のフレームでよく似ているという性質を利用し
て、前後のフレームの差分を求め差分値(予測誤差)を
符号化することによって、ビットレートを一層低減させ
るものである。特に、画像の動きを予測してフレーム間
差を求めることにより予測誤差を低減する動き補償フレ
ーム間予測符号化が有効である。なお、動き補償予測に
用いた動きベクトルのデータは、可変長符号化して多重
出力するようになっている。
【0006】このように、MPEG2では、所定フレー
ムの画像データをそのままDCT処理して符号化するフ
レーム内符号化の外に、所定フレームの画像データとこ
のフレーム前後のフレームの参照画像データとの差分デ
ータのみをDCT処理して符号化する予測符号化とを採
用する。予測符号化方法としては、時間的に前方向の参
照画像データを動き補償して予測誤差を求める前方予測
符号化と、時間的に後方向の参照画像データを動き補償
して予測誤差を求める後方予測符号化と、符号化効率を
考慮して、前方若しくは後方のいずれか一方又は両方向
の平均を用いた両方向予測符号化とがある。
【0007】なお、MPEGエンコーダにおいて処理す
る輝度信号と色差信号とはサンプリングクロックが相違
する。例えば、色差信号のサンプリングクロックが輝度
信号のサンプリングクロックの1/4の周波数であるも
のとすると、輝度ブロックと色差ブロックの大きさの比
は1:4となる。この場合には、輝度4ブロックと色差
各1ブロックずつとの6DCTブロックによってマクロ
ブロックを構成して符号化の単位とする。動きベクトル
の検出もマクロブロック単位で行われる。DCTブロッ
クが8×8画素の大きさであるものとすると、輝度信号
と色信号とは別々に処理するので、1マクロブロックの
大きさは16×16画素となる。
【0008】動きベクトルの検出においては、現フレー
ムの符号化を行うべき注目ブロック(マクロブロック)
に対して相対的な位置関係が同一である参照フレームの
ブロックを中心とした所定の探索範囲を設定する。そし
て、マッチング計算によって、現フレームの注目ブロッ
クのパターンに最も類似したパターンのブロックを探索
範囲内で探索する。つまり、探索範囲内でブロックを
0.5画素単位で移動させながら順次設定し、注目ブロ
ックと探索範囲に設定したブロックとの間で対応する各
画素同士の差分の絶対値を累積するマッチング計算を行
い、最も累積値が小さいブロックを参照画像ブロックと
する。参照画像ブロックと注目ブロックとの位置関係を
示すベクトルを動きベクトルとして求めるようになって
いる。
【0009】図22はこのようなMPEG2規格に対応
した従来の動画像復号装置を示すブロック図である。
【0010】入力端子1を介して入力された符号化デー
タは可変長復号化回路(以下、VLDという)2に供給
される。入力された符号化データは、画像データ又は予
測誤差をDCT処理して量子化した後、可変長符号化し
たものである。VLD2は入力された符号化データを可
変長復号化して、符号化側の可変長符号化処理前のデー
タに戻す。VLD2の出力に含まれる動きベクトルは画
面アドレス生成回路8に供給され、量子化出力は逆量子
化回路(以下、IQという)3に供給される。
【0011】IQ3はVLD2の出力を逆量子化して振
幅方向に伸張した後、逆DCT回路(以下、IDCT)
4に出力する。IDCT4は逆量子化出力を逆DCT処
理して符号化側のDCT処理前のデータに戻す。IDC
T4の出力は加算器5を介してメモりデータバス6に転
送され、更に、参照メモリ7に転送される。
【0012】いま、フレーム内符号化された符号化デー
タを復号するものとする。この場合には、IDCT4の
出力はフレームの復元画像であり、IDCT4の出力は
加算器5を介してそのまま参照メモリ7に供給される。
IDCT4の出力はブロック単位の画素データであり、
参照メモリ7は1フレーム分の画素データをライン単位
で記憶する。
【0013】参照メモリ7の書込み及び読出しは、メモ
リアドレス生成回路9によって制御される。メモリアド
レス生成回路9は、復号されたマクロブロックの画面上
の位置に応じた参照メモリ7上の位置を示す書込みアド
レスを発生する。この場合には、メモリアドレス生成回
路9は、メモリ使用量によって決定されるオフセット値
を加算するようになっている。
【0014】一方、メモリアドレス生成回路9は、参照
画像の読出しアドレスについては、画面アドレス生成回
路8の出力に基づいて生成する。画面アドレス生成回路
8はVLD2からの動きベクトルデータに基づいて、復
号するブロックが参照した参照画像ブロックの画面上の
位置(以下、画面アドレスという)を算出する。メモリ
アドレス生成回路9は、画面アドレスを参照画像ブロッ
クの参照メモリ7上の位置(以下、読出しアドレスとい
う)に変換して、参照メモリ7の読出しを行うようにな
っている。
【0015】ここで、フレーム間符号化された符号化デ
ータを復号化するものとする。この場合には、IDCT
4の出力は予測誤差である。一方、画面アドレス生成回
路8はこの予測誤差を得るために参照された参照画像ブ
ロックの画面アドレスを動きベクトルに基づいて算出す
る。この画面アドレスはメモリアドレス生成回路9に与
えられて、参照メモリ7の読出しアドレスが生成され
る。
【0016】こうして、参照メモリ7からは動き補償さ
れた参照画像ブロックが読出されて内挿補間回路10に供
給される。ところで、符号化側においては、動きベクト
ルの精度を画素単位の1/2にすることができる。動き
ベクトルによって、参照画像として画素間の値が指定さ
れた場合には、参照メモリ7から読出された参照画像デ
ータを補間して、隣接する画素同士の中間の値を得る必
要がある。このため、内挿補間回路10は参照画像データ
を内挿補間して参照MBバッファ11に出力する。なお、
内挿補間を考慮すると、参照メモリ7から1マクロブロ
ックよりも所定画素分だけ広い範囲の参照画像データを
読出す必要がある。
【0017】内挿補間回路10によって内挿補間された参
照画像データは参照MBバッファ11に与えられて格納さ
れる。加算器5は参照MBバッファ11から出力される動
き補償されて内挿補間された参照画像データと予測誤差
とを加算することにより、元の画像を復元する。復元画
像はメモリデータバス6を介して参照メモリ7に格納さ
れる。
【0018】以後同様にして復号化が行われる。表示制
御回路12は参照メモリ7に格納されたデータを表示順に
読出し、出力端子13を介して出力する。出力端子13から
の復元画像データを図示しない表示装置に与えることに
より、復元画像を表示させることができる。
【0019】ところで、図22の装置を集積回路で実現
する場合には、通常、参照メモリ7を除く部分を1LS
Iチップ又は数チップのセットで構成する。この場合に
は、LSIチップと参照メモリ7との間のデータの送受
は、メモリデータバス6を時分割で使用することにより
行う。一般的には、参照メモリ7としては、例えば特開
平6−189298号公報の「動画像復号システム」にて
開示されているように、高速で低価格の商品が入手可能
となったDRAM(ダイナミック・ランダム・アタセス・
メモリ)が用いられる。
【0020】ところが、図22の装置では、参照メモリ
7とのデータの送受を可能にするメモリデータバス6の
バンド幅が圧迫されてしまうという問題があった。図2
3乃至図26はこの問題点を説明するための説明図であ
る。図23は参照メモリ7として用いられるDRAMの
ページへの書込みを示しており、図24及び図25はD
RAMに対するページモードアクセスを示し、図26は
オーバーヘッドクロックサイクルを示している。
【0021】いま、現在MPEGデコーダ用として広く
使用されている16ビットDRAMを参照メモリ7とし
て用いた例について説明する。なお、このDRAMはロ
ー(ページ)アドレスが10ビット、カラムアドレスが
9ビット、データバス幅が32ビットで構成されている
ものとする。
【0022】DRAMの1アドレスには1ワード(デー
タバス幅分)のデータを格納することができる。通常、
画素データは8ビットで表現されるので、メモリデータ
バスが8×k(kは自然数)ビット幅を有している場合
には、復元したk画素分のデータを1ワードとしてまと
めて、ワード単位でDRAMの各アドレスに格納するよ
うになっている。つまり、データバス幅が32ビットで
ある場合には、水平4画素分の復元画素データを1ワー
ドとして参照メモリ7に格納する。
【0023】カラムアドレスが9ビットであるので、1
ページ(1ローアドレス分)につき512(2の9乗)
ワードのデータを格納するができる。復元画像の1ライ
ンが720画素で構成されるものとすると、下記(1)
式から明らかなように、DRAM1ページには3ライン
弱の復元画素データを格納することができる。
【0024】 512ワード×4画素=2048画素 =720画素×3ライン−112画素 …(1) 図23は画面の位置とDRAMのページ格納状態との対
応を示している。なお、復元画像のライン数は480ラ
インであり、1ラインは720画素で構成されるものと
している。図23の垂直方向の区切りは画像のラインに
対応し、数字はライン番号を示している。また、図23
の太枠はDRAMのページ区画を示しており、1枚の復
元画像は169ページで記憶することができることが示
されている。例えば、第1ライン、第2ライン及び第3
ラインの左端から608画素までの復元画素データが1
つのページに格納される。
【0025】図24はこのようなDRAMに対するペー
ジアクセスを示している。DRAMにおいては、所定の
期間毎にプリチャージを行うようになっており、通常プ
リチャージは書込み及び読出しのページが切換る毎に行
われる。図24においては、このプリチャージがプリチ
ャージサイクルPによって行われることを示している。
【0026】DRAMにおいては、プリチャージサイク
ルPに続いて、ロー(ページ)アドレスを指定するロー
アドレスサイクルRが行われる。次に、各カラムアドレ
スを指定するためのカラムアドレスサイクルC0 ,C1
,C2 ,…が連続的に行われる。なお、ローアドレス
とカラムアドレスとは同一バスを介して伝送するので、
これらのアドレスを区別するために、制御線によって、
ローアドレス伝送時にはRAS信号をカラムアドレス伝
送時にはCAS信号をデータと同時に伝送するようにな
っている。
【0027】即ち、同一ページ内のアドレスに格納され
た一連のワードデータを読出す場合には、アクセス開始
時にプリチャージサイクルP及びローアドレスサイクル
Rを行った後に一連のカラムアドレスを指定することに
なる。つまり、実際にデータの書込み及び読出しが行わ
れるカラムアドレスサイクルの他に、プリチャージサイ
クルP及びローアドレスサイクルRというオーバーヘッ
ドが発生する。
【0028】図25(a),(b)は一連のデータの読
出し途中においてページ切換えが発生する場合と発生し
ない場合とでの読出しサイクルの差を示している。
【0029】図25(a)は一連のデータの読出し途中
にページ切換えが発生しない例を示している。この場合
には、プリチャージサイクルP及びローアドレスサイク
ルRに続けて、一連のカラムアドレスサイクルC0 乃至
C7 が発生している。
【0030】一方、図25(b)は一連のデータの読出
し途中にページ切換えが1回発生した例を示している。
この場合には、先ず、プリチャージサイクルP及びロー
アドレスサイクルRに続けて、カラムアドレスサイクル
C0 乃至C2 が発生している。ここで、ページ切換えが
生じることから、再度プリチャージサイクルP及びロー
アドレスサイクルRが行われ、次に残りのカラムアドレ
スサイクルC3 乃至C7 が発生している。
【0031】即ち、図25(b)の例では、ページ切換
えに伴うオーバーヘッドによって、総サイクル数がペー
ジ切換がない図25(a)の例よりも2サイクルだけ増
加してしまう。
【0032】このような書込み及び読出しにおけるペー
ジ切換えは、上記(1)式から、(3−112/72
0)=2.84ラインに1回の割合で発生することが分
かる。以下に説明するように、このページ切換えによっ
て、参照画像の読出し時におけるオーバーヘッドが増大
して、バンド幅が圧迫されるのである。
【0033】いま、参照マクロブロックの大きさが16
画素×16ラインであるものとし、1スライスが水平方
向に連続した複数のマクロブロックによって構成される
ものとする。以後、説明の便宜上、スライスは、水平方
向の左端にのみ切れ目が存在するものとする。従って、
1スライスは16ライン分(水平720画素とすると、
45マクロブロック)のデータによって構成される。
【0034】復元画像が720画素×480ラインで構
成され、8ビットの復元画素データの4画素分を1ワー
ド(32ビット)としてDRAMの1アドレスに格納す
るものとした場合において、復号する全てのマクロブロ
ックが片方向予測符号化されたものであるものとする
と、1スライス(45マクロブロック)当たりの復号及
び出力処理におけるワードアクセス回数は、カラムアド
レスの発生数(サイクル数)とオーバーヘッドのサイク
ル数とに分けて下記(2)乃至(7)によって示すこと
ができる。なお、1マクロブロックの水平方向の16画
素のデータは連続した4ワードのデータとして格納され
る。
【0035】内挿を考慮した場合において参照ブロック
の読出しに必要なカラムアドレスサイクル数は、上述し
たように内挿によって1ワード分余分に読出す必要があ
るので、次式で表される。
【0036】 16ライン×5ワード×45マクロブロック =3,600サイクル …(2) 2.84ラインにつき1回の割合でページ切換えが発生
し、1回のページ切換え(オーバーヘッド)にはP,R
2サイクルのオーバーヘッドサイクルが発生するので、
参照ブロックの読出しによるオーバーヘッドサイクル数
は次式で表される。
【0037】 (16/2.84)×2サイクル×45マクロブロック=507サイクル …(3) 復元画像データの書込みに要するカラムアドレスサイク
ル数は次式で表される。
【0038】 16ライン×4ワード×45マクロブロック =2,880サイクル …(4) 復元画像データの書込みによるオーバーヘッドサイクル
数は次式で表される。
【0039】 (16/2.84)×2サイクル×45マクロブロック=507サイクル …(5) 1ラインの復元画素データに対応するワード数は180
ワードであるので、復元画像データの読出しに要するカ
ラムアドレスサイクル数は次式で表される。
【0040】 180ワード×16ライン =2,880サイクル …(6) 現行のLSIでは、1ラインの復元画素データを1度に
読出すことができず、16ワードずつ読出している。従
って、復元画像データ読出しに伴うオーバーヘッドサイ
クル数は次式で表される。
【0041】 (180/16)×2サイクル×16ライン =360サイクル …(7) 書込み及び読出しに必要なカラムアドレスサイクル数は
上記(2)、(4)、(6)式の和であって、計9,3
60サイクルである。また、オーバーヘッドサイクル数
は、上記(3),(5)、(7)式の和であって、計
1,374サイクルである。このように、極めて多くの
オーバーヘッドサイクルが生じる。
【0042】DRAMにおいては、プリチャージサイク
ルP及びローアドレスサイクルRに要する時間は、時間
tRP及び時間tRAS によって規定されており、動作クロ
ックの周波数に応じて、これらのプリチャージサイクル
P及びローアドレスサイクルRに要するクロック数が異
なる。
【0043】図26は動作クロック周波数に基づくオー
バーヘッドサイクル数の相違を説明するためのものであ
り、最大動作周波数が100MHz(1クロックの波長
長は10ns)で、tRP=30ns、tRAS =30ns
のDRAMを用いた例を示している。図26(a)は動
作周波数を20MHzに設定してアクセスした例であ
り、図26(b)は動作周波数を100MHzにしてア
クセスした例である。
【0044】図26(a)の例では、tRP,tRAS の期
間(30ns)が1クロック期間(50ns)よりも小
さいので、プリチャージサイクルP及びローアドレスサ
イクルRに要する時間は、いずれも1クロック期間であ
る。なお、カラムアドレスサイクルC0 ,C1 ,C2 ,
…に夫々要する時間も1クロック期間である。
【0045】一方、図26(b)の例では、tRP,tRA
S の期間(30ns)は3クロック期間以下であるの
で、プリチャージサイクルP及びローアドレスサイクル
Rに要する時間は、いずれも3クロック期間である。な
お、カラムアドレスサイクルC0 ,C1 ,C2 ,…に夫
々要する時間は1クロック期間である。
【0046】このように、装置を高い周波数で動作させ
るほど、オーバーヘッドサイクルに必要なクロック数が
増大して、バンド幅(動作周波数)が圧迫されてしま
う。
【0047】図26の例では、プリチャージサイクルP
及びローアドレスサイクルRに要する時間は30nsで
あるので、クロック周波数が32MHz以下の場合に
は、これらのサイクルP,Rに夫々1クロック必要であ
り、クロック周波数が65MHzまでの場合には、これ
らのサイクルP,Rに夫々2クロック必要である。
【0048】ところが、図26のシステムをクロック周
波数が32MHzで動作させている場合において、回路
の追加又は変更等によって、クロック周波数を33MH
zに変更すると、オーバーヘッドに要するサイクル数は
2倍となってしまう。即ち、クロック周波数が1MHz
増加することによって、このシステムに動作不良が発生
してしまうことがある。同様に、クロック周波数65M
Hzで動作させている場合において、クロック周波数を
66MHzに変更すると、オーバーヘッドに要するサイ
クル数は1.5倍となってしまい、システムが動作しな
くなる虞がある。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来の動画像復号装置においては、メモリの書込み及び
読出し時のページ切換えに伴うオーバーヘッドによっ
て、バンド幅が圧迫されてしまうという問題点があっ
た。また、動作周波数に応じてオーバーヘッドサイクル
に要するクロック数が変化することから、動作周波数が
クロック数の変化点近傍に設定された場合には、回路の
追加、変更等の回路設計の自由度が著しく制限されると
いう問題点があった。
【0050】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、メモリの書込み及び読出しに伴うオーバー
ヘッドを低減することにより、バンド幅が圧迫されるこ
とを抑制すると共に、動作周波数がオーバーヘッドサイ
クルに要するクロック数の変化点近傍に設定されている
場合でも回路設計の自由度を向上させることができる動
画像復号装置を提供することを目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
動画像復号装置は、現画像と参照画像との予測誤差を用
いた動き補償予測符号化によって所定のブロック単位で
符号化された符号化信号が入力され、前記符号化信号を
復号化して復号画像信号を得る復号化手段と、前記復号
画像信号を前記参照画像の画像信号として記憶する記憶
手段と、前記復号画像信号を前記所定のブロック単位で
前記記憶手段の同一ページに書込む書込み制御手段と、
前記記憶手段に記憶されている参照画像の画像信号を画
像の動きに基づくブロック化位置でブロック化して読出
し前記復号化手段に与える読出し制御手段とを具備した
ものであり、本発明の請求項8に係る動画像復号方法
は、所定のブロック単位で動き補償予測符号化された符
号化信号を復号化する手順と、符号化信号の復号化によ
って得られた復号画像信号を前記所定のブロック単位で
記憶手段の同一ページに書込む手順と、前記記憶手段か
ら読出した画像信号を前記復号化のために読出す手順と
を具備したものである。
【0052】本発明の請求項1において、符号化信号は
復号化手段によって復号化される。復号化手段からの復
号画像信号は、書込み制御手段によって、所定のブロッ
ク単位で記憶手段の同一ページに書き込まれる。これに
より、記憶手段の書込み時に発生するオーバーヘッドが
低減される。読出し制御手段は、記憶手段に記憶された
参照画像の画像信号を読出して復号化手段に与え、復号
化手段は、参照画像の画像信号を用いて予測符号化を行
って復号画像信号を得る。
【0053】本発明の請求項8において、符号化信号が
復号化されて得られた復号画像信号は、ブロック単位で
記憶手段の同一ページに書込まれる。記憶手段に書込ま
れた画像信号は読出されて、復号化に用いられる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る
動画像復号装置の一実施の形態を示すブロック図であ
る。図1において図22と同一の構成要素には同一符号
を付してある。
【0055】本実施の形態は参照メモリへのデータの格
納方法が従来例と異なる。図1において入力端子1には
符号化データが入力される。この符号化データは、DC
T処理、量子化処理及び可変長符号化処理によって作成
されたものであり、フレーム内符号化処理だけでなく、
前方又は後方フレームの参照画像を用いた片方向予測符
号化処理及び両方向フレームの参照画像を用いた両方向
予測符号化処理が行われている。また、符号化データに
は予測符号化時に用いた動きベクトルの情報が可変長符
号化されて多重されている。
【0056】入力端子1を介して入力された符号化デー
タはVLD2に供給される。VLD2は入力された符号
化データを可変長復号化して、符号化側の可変長符号化
処理前のデータに戻す。これにより、VLD2からは量
子化出力及び動きベクトルのデータが得られる。VLD
2は、量子化出力をIQ3に供給し、動きベクトルを画
面アドレス生成回路21に供給する。
【0057】IQ3はVLD2の出力を逆量子化して振
幅方向に伸張した後、IDCT4に出力する。IDCT
4は逆量子化出力を逆DCT処理して符号化側のDCT
処理前のデータに戻す。IDCT4の出力は加算器5を
介してメモリデータバス6に転送され、更に、参照メモ
リ7に転送される。
【0058】参照メモリ7は、加算器5から復元画像デ
ータが与えられ、この復元画像データを参照画像データ
として記憶するようになっている。参照メモリ7は、メ
モリアドレス生成回路22に書込み及び読出しが制御さ
れ、メモリアドレス生成回路22が指定したブロック化位
置のマクロブロックの参照画像データを読出して参照M
Bバッファ11に出力するようになっている。
【0059】参照MBバッファ11は参照メモリ7からの
動き補償された参照画像データを保持して加算器5に出
力する。加算器5はIDCT4から予測誤差の復元画像
データが入力された場合には、参照MBバッファ11から
参照画像データを読出して加算することにより、元の画
像を復元して出力するようになっている。表示制御回路
12は参照メモリ7に格納されたデータを表示順に読出し
て、出力端子13を介して出力するようになっている。
【0060】参照メモリ7の書込み及び読出しは、メモ
リアドレス生成回路22によって制御される。メモリアド
レス生成回路22は、復号されたマクロブロックの画面上
の位置に応じた参照メモリ7上の位置を示す書込みアド
レスを発生する。本実施の形態においては、メモリアド
レス生成回路22は、復元された画像データをマクロブロ
ック単位で参照メモリ7上に書込むようになっている。
【0061】図2は本実施の形態における参照メモリ7
への書込みを説明するための説明図である。図2は、従
来例と同様に、ローアドレスが10ビットで、カラムア
ドレスが9ビットで、データバス幅が32ビットの16
MビットDRAMを参照メモリ7として用い、1ワード
を32ビットとして、1画素分が8ビットで構成された
水平方向の4画素分の復元画像データを1アドレスに格
納する例を示している。
【0062】図2において、水平及び垂直は夫々画面上
の水平及び垂直位置に対応しており、水平方向の区切り
は画面上の16ラインを示し、垂直方向の区切りは画面
上の16画素を示している。即ち、図2の1細枠は1マ
クロブロックを示しており、枠内の数字はマクロブロッ
ク番号を示している。つまり、図2は各マクロブロック
の画面上の位置に対応している。また、太枠は参照メモ
リ7の各ページに対応している。
【0063】図2に示すように、参照メモリ7には、符
号化単位であるマクロブロックを単位として書込みを行
う。1マクロブロックは16×16(=256)画素で
あり、1ワードが4画素分に対応するので、1マクロブ
ロックのデータを格納するためには64カラム分の容量
が必要である。図2の例では1ページは512カラムの
アドレスを有しており、512=64×8であるので、
1ページには8マクロブロック分のデータを格納するこ
とができる。つまり、同一マクロブロック内のデータが
2ページに亘って書込まれることはない。
【0064】また、画面水平方向に存在するマクロブロ
ック数(1スライスのブロック数)は45であり、1ペ
ージのマクロブロック数である8の整数倍でないので、
図2に示すように、スライスの切れ目とページの切れ目
とは一致しない。
【0065】従って、各ページに記憶されるマクロブロ
ックは、図2に示すように、少なくとも画面垂直方向に
おいて異なるページに記録されたマクロブロックに隣接
すると共に、各ページの先頭及び最後に対応するマクロ
ブロックは、画面の水平及び垂直方向において異なるペ
ージに記録されたマクロブロックに隣接する。
【0066】上述したように、動き補償においては、参
照マクロブロックのブロック化位置を動きベクトルに基
づいて補正する。従って、動きベクトルの水平方向成分
又は垂直方向成分の一方が0である場合には、参照マク
ロブロックのブロック化位置は元の2つのマクロブロッ
クに跨るが、水平及び垂直方向成分の両方が0でない場
合には、参照マクロブロックのブロック化位置は4つの
マクロブロックに跨る。この場合において、参照マクロ
ブロックがページの最後に対応するマクロブロックと次
のページの先頭に対応するマクロブロックと垂直方向に
隣接する2つのマクロブロックとに跨る場合、例えば、
図2のマクロブロック56,57、11,12に跨る場
合には、参照マクロブロックは、メモリ上では3ページ
に跨る。図2に示すように、垂直方向に隣接した2つの
スライスにおいて、ページの切れ目の水平方向位置が一
致することはないので、参照マクロブロックはメモリ上
で4ページに跨ることはなく、最大で3ページに跨る。
【0067】メモリアドレス生成回路22は、画面アドレ
ス生成回路21の出力に基づいて、参照メモリ7の読出し
アドレスを発生するようになっている。画面アドレス生
成回路21はVLD2によって復号された動きベクトル情
報(X,Y)が与えられ、復号するブロックが参照した
参照マクロブロックの画面アドレス(dRa、dCa)を生
成すると共に、参照マクロブロックが含まれるマクロブ
ロックのうち画面の左上側のマクロブロックMB0 の左
上端の画素位置と参照マクロブロックの左上端の画素位
置との画面上の相対距離(Vdis,Hdis)を生成して、
メモリアドレス生成回路22に出力する。
【0068】メモリアドレス生成回路22は、画面アドレ
ス生成回路21の出力に基づいて、参照マクロブロックの
左上端の画素位置に相当するメモリ上のアドレス(mR
a、mCa)を生成し、このアドレスを基準にして参照マ
クロブロックのアドレスを発生して参照メモリ7に読出
しアドレスとして供給するようになっている。
【0069】メモリアドレス生成回路22は、各参照マク
ロブロックのデータをライン方向にラスタ順に読出すよ
うになっている。図3は参照マクロブロックデータの読
出し順を説明するための説明図である。図3は矢印によ
って参照マクロブロックの読出し順を示している。図3
は読出し順を模式的に示すものであり、矢印の垂直方向
の本数は実際のライン本数を表していない。
【0070】参照マクロブロックのデータが3ページに
跨って格納されている場合であっても、メモリアドレス
生成回路22は、図3に示すように、ライン方向にラスタ
順にデータを読出す。
【0071】なお、メモリアドレス生成回路22は、同一
ライン上のデータを必ず左から右側に向かって読出して
いるが、これに限定されるものではなく、例えば、右か
ら左に向かって読出すようにしてもよいことは明らかで
ある。
【0072】次に、このように構成された実施の形態の
動作について図4乃至図7の説明図を参照して説明す
る。図4は画面アドレス生成回路21及びメモリアドレス
生成回路22の動作を説明するためのものであり、図5は
メモリアドレス生成回路22が発生する読出しアドレスを
説明するためのものであり、図6及び図7はページ切換
えに伴うオーバーヘッドを説明するためのものである。
【0073】入力端子1を介して入力された符号化デー
タに対する可変長復号化処理、逆量子化処理、逆DCT
処理及び加算器5の加算処理は従来と同様である。加算
器5からは復元された画像データがブロック単位でメモ
りデータバス6に転送される。メモリアドレス生成回路
22は参照メモリ7に書込みアドレスを与えて、メモリデ
ータバス6を介して転送された復元画像データをマクロ
ブロック単位で記憶させる。こうして、参照メモリ7に
は、例えば図2に示すように、マクロブロック単位で参
照画像データが格納される。
【0074】フレーム間符号化された符号化データが入
力端子1を介して入力された場合には、VLD2から動
きベクトル情報(X,Y)が画面アドレス生成回路21に
供給される。画面アドレス生成回路21は、動きベクトル
情報(X,Y)に基づいて、参照マクロブロックの画面
アドレスを生成する。
【0075】いま、図4に示す画面31上の所定位置のマ
クロブロックDMB(網線部)を復号する場合におい
て、VLD2から動きベクトル情報(X1 ,Y1 )が与
えられるものとする。画面アドレス生成回路21は、図4
に示すように、画面左上端画素の画面アドレスを(0,
0)として、復号するマクロブロックDMBの左上端の
画素の画面アドレスに動きベクトル(X1 ,Y2 )を加
算することにより、参照マクロブロックRMB(斜線
部)の左上端の画素の画面アドレス(dRa、dCa)を得
る。
【0076】参照マクロブロックRMBは、図4に示す
ように、画面上で隣接する4つのマクロブロックに跨っ
ているものとし、これらのマクロブロックをブロック番
号が小さい順にMB0 ,MB1 ,MB2 ,MB3 という
ものとする。また、参照マクロブロックRMBがマクロ
ブロックMB0 ,MB1 ,MB2 ,MB3 上に占める領
域(以下、ブロック形成領域という)を夫々RMB0 ,
RMB1 ,RMB2 ,RMB3 とする。
【0077】また、画面アドレス生成回路21は、参照マ
クロブロックRMBの左上端の画素の画面アドレスとマ
クロブロックMB0 の左上端の画素の画面アドレスとの
相対距離(Hdis、Vdis)も求める。画面アドレス生成
回路21は、求めた画面アドレス(dRa、dCa)及び相対
距離(Hdis 、Vdis )をメモリアドレス生成回路22に
出力する。
【0078】図5は参照画像の参照メモリ7上の格納位
置を示している。上述したように、復元画像データはマ
クロブロック単位で格納されており、例えば、参照マク
ロブロックを含むマクロブロックMB0 ,MB1 は図5
に示す格納領域に格納されているものとする。メモリア
ドレス生成回路22は、参照マクロブロックの画面アドレ
ス(dRa、dCa)及び相対距離(Hdis、Vdis)の情報
が与えられて、画面左上端画素に対応するメモリアドレ
スを(0,0)として、参照マクロブロックの左上端の
領域RMB0 の左上端の画素に対応するメモリアドレス
(mRa、mCa)を求める。
【0079】メモリアドレス生成回路22は、参照マクロ
ブロックの左上端の画素に対応するメモリアドレス(m
Ra、mCa)を基準にして、図3に示すラスタ順に順次読
出しアドレスを発生して参照メモリ7に供給する。これ
により、参照メモリ7から参照マクロブロックの復元画
像データが読出され、メモリデータバス6を介して参照
MBバッファ11に転送されて記憶される。
【0080】加算器5はIDCT4からの予測誤差デー
タと参照MBバッファ11からの動き補償された参照マク
ロブロックデータとの加算を行って、元の画像を復元す
る。
【0081】以後、同様の動作が繰返されて復号化が行
われる。復元された画像データは表示制御回路12によっ
て表示順に読出されて、出力端子13を介して出力され
る。
【0082】本実施の形態においては、参照メモリ7に
対するマクロブロック単位の書込みを可能にすることに
より、復号化及び出力処理におけるメモリアクセス時の
オーバーヘッドを低減している。
【0083】次に、本実施の形態においてオーバーヘッ
ドが低減される理由を説明する。オーバーヘッドは参照
メモリ7に対するアクセスに際してページ切換えが発生
することによって生じる。そこで、本実施の形態におい
て参照メモリ7に対するアクセス時にページ切換えが発
生する確率を求め、この発生確率からプリチャージサイ
クルP及びローアドレスサイクルRからなるオーバーヘ
ッドサイクル数を求める。
【0084】図6及び図7はこのようなページ切換えに
よって発生するオーバーヘッドを説明するためのもので
ある。図6は図2の左上側の9×2マクロブロックを示
しており、図2と同様に太枠はページの境界を示してい
る。図7は外枠が1つの参照マクロブロックを示し、外
枠を区画する線は、図6の太枠に対応したページ境界線
を示している。図7(a)は図6の縦線部分に対応し、
図7(b)、(c)は図6の網線部分に対応し、図7
(d)は図6の斜線部分に対応している。図7におい
て、▽印は読出し開始位置を示し、△印は読出し終了位
置を示し、○印はアクセス開始時のページ設定(以下、
初回ページ切換えという)によるオーバーヘッドを示
し、□印はページ切換えに伴うオーバーヘッドを示して
いる。
【0085】図6に示すように、第1乃至第8マクロブ
ロックは同一ページに記録されている。これらのマクロ
ブロック下方において夫々隣接する第46乃至第53マ
クロブロックは、異なる2つのページに記録されてい
る。また、これらのページとは別のページに第9マクロ
ブロックは記録されており、第54マクロブロックは第
53マクロブロックと同一のページに記録されている。
【0086】いま、参照メモリ7に例えば図2に示す書
込みが行われているものとする。ページ切換え数は、参
照マクロブロックの左上端画素の位置によって決定す
る。例えば、動きベクトルの垂直方向成分が0又は16
×整数倍である場合には、参照マクロブロックの左上端
画素はマクロブロックの上端画素位置、即ち、図6の縦
線部分に存在する。この場合には、参照マクロブロック
の左上端画素がページの最後のマクロブロックの2画素
目以降に存在する場合(第8マクロブロックの網線部)
を除いて、参照マクロブロックの読出しに際してページ
切換えは発生しない。従って、この場合には、ページ切
換えに伴うオーバーヘッド発生回数は初回ページ切換え
による1回である。なお、この場合のオーバーヘッドサ
イクル数は、プリチャージサイクルとローアドレスサイ
クルとで2となる。
【0087】図7(a)はこの状態を示している。参照
マクロブロックの左上端画素が図6の縦線部内に存在す
る場合には、図7に示すように、参照マクロブロックは
ページ境界線によって区画されておらず、図7の矢印に
示す▽印から△印までの読出しに際して、初回ページ切
換えのみが生じ、他のページ切換えは発生しない。
【0088】また、参照マクロブロックが2つのページ
のマクロブロックに跨っている場合、即ち、参照マクロ
ブロックの左上端画素が図6の網線部内に存在する場合
には、この参照マクロブロックに対するアクセスに際し
て、2つのページのアドレスを指定するためのページ切
換えが必要である。この場合において、垂直方向にペー
ジが切換るときには、ページ切換えに伴うオーバーヘッ
ド発生回数は、図7(b)の○印及び□印に示す2回で
ある。水平方向にページが切換るときには、本実施の形
態におけるメモリアクセスは図3に示すようにライン単
位であるので、図7(c)の○印及び□印に示すよう
に、ページ境界及びライン切換え毎にオーバーヘッドが
発生する。つまり、初回ページ切換えを含んで、ライン
数×2回のオーバーヘッドが生ずる。
【0089】また、参照マクロブロックが3つのページ
のマクロブロックに跨っている場合、即ち、参照マクロ
ブロックの左上端画素が図6の斜線部内に存在する場合
には、この参照マクロブロックに対するアクセスに際し
て、3つのページのアドレスを指定するためのページ切
換えが必要である。この場合においては、図7(d)に
示すように、水平及び垂直方向にページが切換るので、
水平方向にページが切換る回数に応じた数のオーバーヘ
ッドが発生する(図7(d)の○印及び□印参照)。
【0090】このように、参照マクロブロックの左上画
素位置によってページ切換え数が分かる。例えば、図6
に示す参照マクロブロック35は3つのページのマクロブ
ロックに跨っている。図6に示すように、この参照マク
ロブロックの左上端画素は斜線部内に存在しており、こ
の参照マクロブロックのアクセスに際して、3つのペー
ジのアドレスを指定するためのページ切換えが必要であ
る。
【0091】そこで、図6の縦線部、網線部及び斜線部
の各領域の画素数とページ内の画素総数との比によっ
て、参照マクロブロックのアクセスに際してページを跨
いでアドレスを指定する確率(以下、ページ切換えの発
生確率という)Pを求める。初回ページ切換えのみが発
生する場合の確率P0 は、図6の縦線部分の画素数から
下記(8)式によって与えられる。なお、この場合のオ
ーバーヘッドサイクル数aは2である。
【0092】 P0 =(113×1)/2048 =113/2048 =0.055 …(8) 2つのページのアドレスを発生する確率P1 は下記
(9)式によって与えられる。
【0093】 P1 =(33×15+65×15+15×1)/2048 =1485/2048=0.725 …(9) 3つのページのアドレスを発生する確率P2 は下記(1
0)式によって与えられる。
【0094】 P2 =(15×15+15×15)/2048 =450/2048 =0.220 …(10) 上述したように、ページ切換えが発生する場合おいて、
水平方向にページが切換る場合と垂直方向にページが切
換る場合とでオーバーヘッドの回数は異なる。参照マク
ロブロックの記録が2ページに跨る場合において、水平
方向にページを跨る場合、即ち、参照マクロブロックの
左上端の画素が図6の第8マクロブロックの第1ライン
の2画素目以降に存在する場合には、初回ページ切換え
も含めて、16(ライン数)×2=32回のオーバーヘ
ッドが発生する。1回のオーバーヘッドにプリチャージ
サイクルPとローアドレスサイクルRの2サイクルが必
要であるので、この場合のオーバーヘッドサイクル数は
64である。
【0095】また、上述したように、2ページのアドレ
スを発生する場合において、垂直方向にページを跨る場
合には、2回のオーバーヘッドが発生するので、オーバ
ーヘッドサイクル数は4である。
【0096】従って、参照マクロブロックの左上端の画
素が図6の網線部内に存在する場合における平均オーバ
ーヘッドサイクル数bは下記(11)式によって与えら
れる。
【0097】 b=(15/1485)×64+(1470/1485)×4=4.6 …(11) また、3つのページのアドレスを発生する図6の参照マ
クロブロック35については、参照マクロブロックの左上
端画素が例えば第8マクロブロックの下から2ライン目
に位置するものとすると、参照マクロブロックの読出し
に際して、最初の2ラインはページ切換え毎にオーバー
ヘッドが発生し(この場合には初回ページ切換え分も含
めて4回)、次の3ライン以降の読出し時には1回のオ
ーバーヘッド(オーバーヘッドサイクル数は2)が必要
である。
【0098】このように、参照マクロブロックが3つの
ページに跨る場合には、参照マクロブロック内の各ライ
ンのうち2ページに跨るライン数によって、オーバーヘ
ッドの発生回数が異なる。参照マクロブロックが3つの
ページに跨る場合には、最大で15ラインが2ページに
跨るので、参照マクロブロック内の任意の1ラインにつ
いてみると、そのラインが2ページに跨る確率は、1/
15である。
【0099】いま、参照マクロブロックが3つのページ
に跨る場合において、k本のラインが2ページに跨るも
のとすると、その参照マクロブロックの読出しに発生す
るオーバーヘッド回数は、 k本×2回(初回ページ切換を含む)+1(垂直方向の
ページ切換え)=2k+1 である。1ライン当たりの出現確率は1/15であるの
で、平均オーバーヘッドサイクル数cは下記(12)式
によって与えられる。
【0100】 一方、復号画像データを参照メモリ7に書込む場合に
は、マクロブロック単位でデータを書込んでおり、マク
ロブロックがページを跨いで書込まれることはないの
で、アタセス開始時に1回だけオーバーヘッドが発生す
る。
【0101】復元画像が720画素×480ラインで構
成され、8ビットの復元画素データの4画素分を1ワー
ド(32ビット)として参照メモリ7の1アドレスに格
納するものとした場合において、復号する全てのマクロ
ブロックが片方向予測符号化されたものであるものとす
ると、本実施の形態における1スライス(45マクロブ
ロック)当たりの復号及び出力処理におけるオーバーヘ
ッドサイクル数は下記(13)乃至(15)式によって
示すことができる。
【0102】即ち、参照マクロブロック読出し時のオー
バーヘッドサイクル数は下記(13)式で表される。な
お、a,b,cは、上述したように、夫々2,4.6,
34である。
【0103】 (0.055×a+0.725×b+0.220×c)×45マクロブロック =10.9×45≒495サイクル …(13) 復元画像データの書込みによるオーバーヘッド数は下記
(14)式で表される。
【0104】 1×2サイクル×45マクロブロック =90サイクル …(14) 復元画像データ出力処理のための読出しによるオーバー
ヘッド数は1アクセスで16ワードを読出すことができ
るものとすると下記(15)式で表される。
【0105】 (180/16)切換え数×2サイクル×16ライン =360サイクル …(15) 従って、本実施の形態においては、1スライスの処理に
ついて、オーバーヘッドサイクル数は(13),(1
4)、(15)式の和であり、計945サイクルとな
る。即ち、オーバーヘッドサイクル数は従来例に比して
30%削減される。
【0106】このように、本実施の形態においては、参
照メモリに対する書込みをマクロブロック単位で行って
おり、復号化及び出力処理においてメモリアクセスのペ
ージ切換え数を抑制して、オーバーヘッドサイクル数を
低減している。これにより、バンド幅が圧迫されること
を防止することができる。また、オーバーヘッドサイク
ル数が低減されるので、オーバーヘッドサイクルに要す
るクロック数を低減させることができ、回路設計の自由
度を向上させることができる。
【0107】図8は本発明の他の実施の形態を示すブロ
ック図である。図8において図1と同一の構成要素には
同一符号を付して説明を省略する。
【0108】図1の実施の形態においては、参照メモリ
7からの読出しをラスタ順に行っている。従って、上記
(12)式のnが15の場合には、オーバーヘッドサイ
クル数が比較的大きくなり、1参照マクロブロックの読
出しに際して初回ページ切換え分も含めて31回のオー
バーヘッドが発生する。このように、図1の実施の形態
では、復元画像データの書込み時におけるオーバーヘッ
ドサイクル数は著しく低減されるが、参照画像の読出し
時のオーバーヘッドサイクル数の減少は比較的小さい。
【0109】そこで、本実施の形態においては、ページ
切換えの発生を減少させるために、同一ページ内のデー
タを連続的にアクセスするようになっている。即ち、メ
モリアドレス生成回路41は、参照マクロブロックの左上
端の画素位置に相当するメモリ上のアドレス(mRa、m
Ca)を基準にして、ページ毎に参照マクロブロックのア
ドレスを発生するようになっている。
【0110】図9は参照マクロブロックの読出しを模式
的に示している。図9の例では、参照マクロブロックは
3つのページ51,52,53に跨って記録されている。メモ
リアドレス生成回路41は、左上画素54に相当するアドレ
スを基準として、同一ページについては、図1の実施の
形態と同様に、ラスタ順にアドレスを指定する(矢印55
参照)。
【0111】図9の矢印56で示すように、参照マクロブ
ロックの1ラインの読出し途中においてページ境界が発
生した場合には、メモリアドレス生成回路41は、同一ペ
ージ内の次のラインの画素データを読出すためのアドレ
スを発生する(矢印56参照)。ページ52の最後のライン
の読出しが終了すると、メモリアドレス生成回路41は、
矢印57に示すように、ページ53の先頭ラインからページ
53内でラスタ順に読出しを行うようになっている。
【0112】メモリアドレス生成回路41は、参照メモリ
7からの参照マクロブロックの読出しに用いたアドレス
と同様のアドレスを参照MBバッファ42にも指定するよ
うになっている。参照MBバッファ42は、メモリアドレ
ス生成回路41に書込み及び読出しが制御されて、メモリ
データバス6を介して入力された参照メモリ7からの参
照マクロブロックの復元画像データを保持して、加算器
5に出力する。この場合には、メモリアドレス生成回路
41によって、参照メモリ7からの読出しアドレスに対応
した書込み又は読出しアドレスが与えられて、元の参照
マクロブロックのデータ順と同一のデータ順で加算器5
に復元画像データを出力することができるようになって
いる。
【0113】メモリアドレス生成回路41及び参照MBバ
ッファ42のその他の構成は、図1のメモリアドレス生成
回路22及び参照MBバッファ11と夫々同様である。
【0114】次に、このように構成された実施の形態の
動作について説明する。
【0115】本実施の形態は、参照メモリ7からの参照
マクロブロックの読出しのみが図1の実施の形態と異な
る。メモリアドレス生成回路41は、参照メモリ7にペー
ジ単位の読出しアドレスを供給する。参照メモリ7から
の参照マクロブロックはメモリデータバス6を介して参
照MBバッファ42に供給される。この場合でも、メモリ
アドレス生成回路41は、参照メモリ7に与えた読出しア
ドレスに対応した書込み又は読出しアドレスを参照MB
バッファ42に与えており、加算器5には図1の実施の形
態と同様の参照マクロブロックデータが供給される。
【0116】このように、本実施の形態においては、同
一ページ内のデータを連続的に読出している。従って、
参照マクロブロックが3ページに跨って記録されている
場合でも、この参照マクロブロックの読出し時のページ
切換えに伴うオーバーヘッド発生回数は3回である。
【0117】従って、参照マクロブロック読出し時のオ
ーバーヘッドサイクル数を示す上記(13)式は下記
(16)式に変更される。
【0118】 (0.055×2+0.725×4+0.220×6)×45マクロブロック =195 …(16) 従って、本実施の形態においては、1スライスの処理に
ついて、オーバーヘッドサイクル数は(16),(1
4)、(15)式の和であり、計645サイクルとな
る。即ち、オーバーヘッドサイクル数は従来例に比して
53%削減される。
【0119】このように、本実施の形態においては、図
1の実施の形態よりもメモリアクセスのオーバーヘッド
サイクル数を低減することができる。
【0120】図10は図8の実施の形態の変形例を示す
ブロック図である。図10において図8と同一の構成要
素には同一符号を付して説明を省略する。
【0121】本実施の形態は、メモリアドレス生成回路
41に代えてメモリアドレス生成回路63を用い、内挿補間
回路61及び保持回路62を付加した点が図8の実施の形態
と異なる。
【0122】MPEG2規格においては、動き補償を1
/2画素単位で行っているので、復号化時において中間
値(ハーフペル)処理を行う必要がある。図10の例で
は、中間値処理を行うための内挿補間回路61を付加して
いる。
【0123】メモリアドレス生成回路63は、参照メモリ
7及び参照MBバッファ42に対する書込み及び読出し制
御は、図8のメモリアドレス生成回路41と略々同様であ
るが、参照メモリ7からの読出しに際しては、ハーフペ
ル処理を考慮して、参照マクロブロックとその隣接した
画素、即ち、17×17画素の画素データを読出すよう
になっている。また、メモリアドレス生成回路63は、保
持回路62の書込み及び読出しを制御するようになってい
る。
【0124】中間値処理は、隣接する2つの画素の中間
の画素値を得るために、これらの隣接する画素の画素デ
ータを用いた演算処理を要する。隣接する2つ画素が例
えば図9に示すページ境界線の両側に位置する場合に
は、これらの2つの画素の画素データは異なるページに
記録されることになる。従って、中間値処理を行うため
には、ページ境界線近傍の画素のデータについては、対
応するページに記憶された対応する画素のデータをアク
セスするまで保持しておく必要がある。
【0125】保持回路62は、垂直ワード保持回路64及び
水平ワード保持回路65を有しており、参照メモリ7から
読出されたデータを内挿補間回路61に供給するようにな
っている。垂直ワード保持回路64は、ページ境界線近傍
の垂直方向の画素のデータを保持して内挿補間回路61に
出力する。また、水平ワード保持回路65は、ページ境界
線近傍の水平方向の画素のデータを保持して内挿補間回
路61に出力するようになっている。
【0126】内挿補間回路61は、参照メモリ7から読出
されたデータを内挿補間する。この場合には、内挿補間
回路61は、ページ境界線近傍の画素のデータについて
は、保持回路62に保持されている画素データを用いて内
挿補間を行うようになっている。内挿補間回路61によっ
て内挿補間された参照マクロブロックは参照MBバッフ
ァ42に供給されるようになっている。
【0127】次に、このように構成された変形例の動作
について図11の説明図を参照して説明する。図11
(a)は参照メモリ7から読出される参照マクロブロッ
ク及び隣接した画素のデータのページ区画を画面上の位
置に対応させて示し、図11(b)、(c)は保持回路
62が保持する画素データを示している。
【0128】メモリアドレス生成回路63は、参照マクロ
ブロックの読出しアドレスを参照メモリ7に供給する。
この場合には、メモリアドレス生成回路63は、参照マク
ロブロック及び隣接する画素の17×17画素の画素デ
ータを読出すための読出しアドレスを発生する。いま、
メモリアドレス生成回路63によって読出される参照マク
ロブロック及び隣接する画素が図11(a)に示すペー
ジ境界線A,Bを境界として、3つのページ66,67,68
に跨って記録されているものとする。
【0129】メモリアドレス生成回路63は、ページ単位
で読出しを行う。即ち、メモリアドレス生成回路63によ
って、ページ66の読出しアドレスがラスタ順に発生され
る。読出された画素データはメモリデータバス6から保
持回路62を介して内挿補間回路61に供給される。図11
(b)の太線はページ66の読出しを示している。保持回
路62の垂直ワード保持回路64は、図11(b)の左斜め
斜線に示すように、ページ境界線Aに隣接した垂直方向
の16画素を保持する。また、保持回路62の水平ワード
保持回路65は、図11(b)の右斜め斜線にて示すよう
に、ページ境界線Bに隣接した水平方向のα画素を保持
する。この時点では、保持回路62は(16+α≦32)
画素分のデータを保持している。
【0130】内挿補間回路61は、隣接した2つの画素の
画素データを用いてページ66から読出した画素同士の中
間値を内挿補間する。この場合には、内挿補間回路61
は、対応する画素のデータが他のページに記憶されてい
る画素(図11(b)の斜線部)については、この時点
では補間を行わない。内挿補間回路61によって内挿補間
されたデータは参照MBバッファ42の対応する領域に書
込まれる。
【0131】次に、ページ67に記憶されているデータが
読出される。図11(c)の太枠はこの読出しを示して
いる。参照メモリ7から読出されたデータは保持回路62
を介して内挿補間回路61に供給される。内挿補間回路61
は、ページ67から読出されたデータに対して内挿補間処
理を行う。この場合には、内挿補間回路61は、垂直ワー
ド保持回路64に保持されているデータを読出して、ペー
ジ境界線Aの両側の画素の中間値も求める。
【0132】また、内挿補間回路61は、対応する画素の
データが他のページに記憶されている画素(図11
(c)のページ68に対応した斜線部)については、この
時点では補間を行わない。内挿補間回路61によって内挿
補間されたデータは参照MBバッファ42の対応する領域
に書込まれる。
【0133】一方、水平ワード保持回路65は、ページ67
から読出された画素データのうち図11(c)の斜線で
示すβ画素の画素データについては保持しておく。
【0134】次に、ページ68に記憶されたデータの読み
出しが行われる。このデータは保持回路62を介して内挿
補間回路61に供給される。内挿補間回路61は、ページ68
に記憶されたデータに対する中間値処理を行う。この場
合には、内挿補間回路61は、水平ワード保持回路65に格
納されている画素データ(図11(c)の斜線部に対応
するデータ)を読出して、内挿補間処理を行う。内挿補
間回路61によって内挿補間されたデータは参照MBバッ
ファ42の対応する領域に格納される。こうして、参照M
Bバッファ42には、内挿補間された参照マクロブロック
(16×16画素)のデータが記憶される。
【0135】他の作用は、図8の実施の形態と同様であ
る。
【0136】このように、図10の装置では、中間値処
理が可能である。
【0137】ところで、中間値処理を行う場合には、1
7×17画素のデータが必要であるので、垂直方向には
必ず2つのページに跨って記録された画素データを読出
すことになる(図2参照)。従って、水平ワード保持回
路65は17画素分の画素データを保持する容量が必要で
ある。
【0138】また、垂直ワード保持回路64が最も多くの
画素データを保持するのは、参照マクロブロックの左上
端の画素が図6の第8マクロブロックの網線部内に存在
する場合である。即ち、この場合には、参照マクロブロ
ックは3ページに跨り、且つ、16ラインが2ページに
跨るので、垂直ワード保持回路64は、16画素分のデー
タを保持する容量が必要である。
【0139】図12は本発明の他の実施の形態を示すブ
ロック図である。図12において図10と同一の構成要
素には同一符号を付して説明を省略する。
【0140】ハーフペル処理に対応した図10の変形例
では、保持回路62は略々17画素分のデータを保持する
2つのメモリを必要とする。これに対し、本実施の形態
は、参照メモリからの読出し順を可変とすることによ
り、17画素分のデータを保持する容量の1つのメモリ
によってハーフペル処理を可能にしたものである。
【0141】本実施の形態は保持回路62及びメモリアド
レス生成回路63に代えて、夫々保持回路72及びメモリア
ドレス生成回路73を設け、読出順番制御回路71を付加し
た点が図10の例と異なる。
【0142】メモリアドレス生成回路73は、図10のメ
モリアドレス生成回路63と同様に、参照マクロブロック
及び隣接する画素の17×17画素の画素データを読出
すための読出しアドレスを参照メモリ7に供給する。ま
た、メモリアドレス生成回路73の参照MBバッファ42に
対する書込み及び読出し制御も図10と同様である。
【0143】本実施の形態においては、メモリアドレス
生成回路73は、参照メモリ7から参照マクロブロックの
画素データをページ単位ではなく、元のマクロブロック
単位で読出すようになっている。即ち、メモリアドレス
生成回路73は、参照マクロブロックが3ページに跨って
設定される場合には、参照マクロブロックが各マクロブ
ロック上に占める4つの領域(ブロック形成領域)単位
でアドレスを発生する。そして、メモリアドレス生成回
路73は、4つのブロック形成領域のうち面積が最も小さ
い領域を最初に読出すようになっている。
【0144】更に、本実施の形態においては、メモリア
ドレス生成回路73は、最初に読出すブロック形成領域の
水平方向の画素数と垂直方向の画素数とを比較し、少な
い画素数の方向に次に読出すブロック形成領域を決定す
ると共に、4つのブロック形成領域を時計方向(右回
り)又は反時計方向(左回り)の順番に指定して読出し
を行うようになっている。
【0145】4つのブロック形成領域の読出し順は読出
順番制御回路71によって制御されるようになっている。
読出順番制御回路71は、画面アドレス生成回路21から図
4に示す相対距離(Hdis 、Vdis )が与えられるよう
になっている。読出順番制御回路71は、相対距離(Hdi
s 、Vdis )から各ブロック形成領域の水平及び垂直方
向の大きさを求めて、その面積を比較する。読出順番制
御回路71は、4つのブロック形成領域うち最も面積が小
さいブロック形成領域から読出しを開始して、4つのブ
ロック形成領域を右回り又は左回りの順に指定して読出
しを行うようになっている。
【0146】読出順番制御回路71は、4つのブロック形
成領域のうち最も小さい面積のブロック形成領域の水平
距離RHdis及び垂直距離RVdisを求め、求めた水平距離
RHdisと垂直距離RVdisとを比較して、読出しを右回り
に行うか左回りに行うかを決定するようになっている。
即ち、読出順番制御回路71は、水平距離RHdisが垂直距
離RVdisよりも小さい場合には、読出しを開始したブロ
ック形成領域に水平方向に隣接する領域を次に読出し、
大きい場合には垂直方向に隣接する領域を次に読出すよ
うになっている。読出順番制御回路71は、最初に読出す
マクロブロックの番号及び読出し順をメモリアドレス生
成回路73に出力するようになっている。メモリアドレス
生成回路73は、読出順番制御回路71に制御されて、参照
メモリ7の読出しアドレスを発生するようになってい
る。
【0147】図13はメモリアドレス生成回路73による
参照マクロブロックの読出しを説明するための説明図で
ある。図13は参照マクロブロックが4つのマクロブロ
ックに跨っている例を示している。図13(a)は右回
りの読出しを模式的に示し、図13(b)は左回りの読
出しを模式的に示している。図13において、▽印は最
初に読出す画素を示し、△印は最後に読出す画素を示
し、矢印は読出し方向を示している。図13(a)にお
いてはRVdis ≧RHdis であり、図13(b)におい
てはRVdis ≦RHdis である。
【0148】いま、図13(a)に示すように、参照マ
クロブロックがブロック境界線A,Bを境界として4つ
のマクロブロックに跨り、4つのブロック形成領域81乃
至84のうち参照マクロブロックの左上の領域81が最も小
さい領域であるものとする。この場合には、メモリアド
レス生成回路73は、ブロック形成領域81から読出しを開
始する。
【0149】また、RVdis ≧RHdis であるので、メ
モリアドレス生成回路73は、次にブロック形成領域82の
データを読出す。ついで、メモリアドレス生成回路73
は、ブロック形成領域84,83の順にデータを読出す。即
ち、この場合には、メモリアドレス生成回路73は、右回
りに読出しを行う。
【0150】一方、図13(b)に示すように、4つの
ブロック形成領域85乃至88のうち領域88の面積が最小で
あり、また、RVdis ≦RHdis であるものとする。こ
の場合には、メモリアドレス生成回路73は、ブロック形
成領域88,86,85,87の順に読出しを行う。即ち、左回
りの読み出しが行われる。
【0151】なお、メモリアドレス生成回路73は、書込
み順については、図10の変形例と同様の指定を行うよ
うになっている。
【0152】また、参照マクロブロックが2ページに跨
る場合には、ページ単位で読出しを行った場合でも17
画素分のデータを保持すればよいので、読出しはページ
単位で行うようになっている。
【0153】次に、このように構成された実施の形態の
動作について図14の説明図を参照して説明する。図1
4は図11に対応しており、図14(a)は参照メモリ
7から読出される参照マクロブロック及び隣接した画素
のデータのページ区画を画面上の位置に対応させて示
し、図14(b)乃至(d)は保持回路72が保持する画
素データを示している。
【0154】いま、メモリアドレス生成回路73によって
読出される参照マクロブロック及び隣接する画素が図1
4(a)に示すページ境界線A,Bを境界として、3つ
のページ76,77,78に跨って記録されているものとす
る。図14(a)に示すように、ページ78には参照マク
ロブロックの1ラインの画素データのみが記憶されてい
る。即ち、この例は、図10の変形例において、保持回
路62が17画素より多くのデータを保持する必要がある
状態であり、図11におけるαが11の例を示してい
る。
【0155】この例では、読出順番制御回路71は、画面
アドレス生成回路21から相対距離(Hdis 、Vdis )と
して(5,0)が与えられる。読出順番制御回路71は、
入力された相対距離によって、4つのブロック形成領域
R0 乃至R3 の水平距離RHdis及び垂直距離RVdisを求
めて、最小面積のブロック形成領域を判別する。即ち、
この場合には、読出順番制御回路71は、4つのブロック
形成領域のうち右下の領域R3 の面積が最も小さいもの
と判別する。
【0156】更に、読出順番制御回路71は、右下の領域
R3 の水平距離RHdisが6で垂直RVdisが1であること
から、左回りの順でブロック形成領域R3 ,R1 ,R0
,R2 を読出すものと判断する。読出順番制御回路71
は、最初に読出すブロック形成領域を示す情報及び各領
域の読出し順を示す情報をメモリアドレス生成回路73に
出力する。
【0157】メモリアドレス生成回路73は、参照メモリ
7に対して、図14(a)の右下のブロック形成領域R
3 からラスタ順に読出しアドレスを供給する。図14
(b)の太枠は参照メモリ7からの読出しを示してい
る。参照メモリ7から読出された画素データは保持回路
72を介して内挿補間回路61に供給される。内挿補間回路
61は入力されたデータに対して内挿補間処理を行って、
参照MBバッファ42に供給する。
【0158】図14(a)の右下のブロック形成領域R
3 からデータが読出された時点では、保持回路72には図
14の斜線部に示す6画素分のデータが保持される。次
に、図14(c)の太枠で示すように、ブロック形成領
域R1 のデータが読出されて、保持回路72を介して内挿
補間回路61に供給される。内挿補間回路61は、ブロック
形成領域R1 のデータと保持回路72に保持されているデ
ータとを用いて補間処理を行う。この補間処理が終了し
た時点では、保持回路72には図14(c)の斜線で示す
17画素分のデータのみが保持される。
【0159】次に、図14(d)の太枠で示すように、
ブロック形成領域R0 のデータが読出されて、保持回路
72を介して内挿補間回路61に供給される。内挿補間回路
61は、ブロック形成領域R0 のデータと保持回路72に保
持されている領域R1 のデータとを用いて補間処理を行
う。この補間処理が終了した時点では、保持回路72には
図14(d)の斜線で示す12画素分のデータのみが保
持される。
【0160】最後に、ブロック形成領域R2 のデータが
読出されて、保持回路72を介して内挿補間回路61に供給
される。この場合には、内挿補間回路61は、領域R2 の
データと保持回路72に保持されている領域R0 ,R3 の
データとを用いて補間処理を行う。こうして、全領域に
ついて補間処理が行われる。
【0161】保持回路72に保持されるデータは、図14
(c)に示すように、最大で17画素分である。
【0162】このように、本実施の形態においては、読
出しをブロック単位で行うと共に、各ブロック形成領域
の読出し順を保持回路に保持される画素データの数が最
も小さくなるように選択されており、保持回路を17画
素分のデータ容量を有するメモリによって構成すること
ができる。これにより、ハーフペル処理を行う場合にお
いて、回路規模が増大することを抑制することができ
る。
【0163】図15は本発明の他の実施の形態を示すブ
ロック図である。図15において図12と同一の構成要
素には同一符号を付して説明を省略する。
【0164】図12の実施の形態では、4つのブロック
形成領域RMB0 乃至RMB3 によって構成される参照
マクロブロックをマクロブロック単位(ブロック形成領
域単位)で読出すことから、参照マクロブロックの読出
しに際して、初回ページ切換えを含めて4回のページ切
換えが必要となってしまう。つまり、保持回路の回路規
模を削減するために、ページ切換えが1回増加してしま
う。しかし、読出す参照マクロブロックが3ページに跨
る場合であっても、17画素分の容量を有する保持回路
72を用いてハーフペル処理が可能なことがある。この場
合には、マクロブロック単位の読出しを行う必要はな
い。
【0165】本実施の形態は読出順番制御回路71及びメ
モリアドレス生成回路73に代えて夫々読出順番制御回路
91及びメモリアドレス生成回路93を用いた点が図12の
実施の形態と異なる。読出順番制御回路91及びメモリア
ドレス生成回路93は、参照マクロブロックの読出しに際
して、ページ単位の読出しを行うと17画素分の容量を
有する保持回路72ではハーフペル処理に必要な画素デー
タを保持することができない場合にのみ、マクロブロッ
ク単位の読出しを行うようになっている。読出順番制御
回路91及びメモリアドレス生成回路93は、図12の読出
順番制御回路71及びメモリアドレス生成回路73と同様
に、ページ単位の読出し及びマクロブロック単位の読出
しを行うようになっている。
【0166】次に、図16乃至図19の説明図を参照し
てページ単位の読出しとマクロブロック単位の読出しと
の切換えについて説明する。
【0167】参照マクロブロックが3ページに跨る場合
には、参照マクロブロックを構成する4つのブロック形
成領域RMB0 乃至RMB3 のうち画面上側のブロック
形成領域RMB0 ,RMB1 の境界にページ境界がある
場合と、画面下側のブロック形成領域RMB2 ,RMB
3 の境界にページ境界がある場合との2つのタイプ(以
下、夫々タイプA、タイプBという)が考えられる。図
16はタイプAを示し、図17はタイプBを示してい
る。
【0168】図16(a)は参照マクロブロックとペー
ジ境界線との関係を示し、図16(b)は参照メモリ7
からの読出しを示し、図16(c)は最初のページから
の読出し後においてハーフペル処理のために保持する画
素を示し、図16(d)は次のページからの読出し後に
おいて保持する画素を示している。また、図17(a)
乃至(d)は夫々図16(a)乃至(d)に対応してい
る。
【0169】いま、参照マクロブロックが図16に示す
タイプAでブロック化されるものとする。参照マクロブ
ロックがM画素×Nラインで構成されており、図16
(b)に示すように、ページ単位で読出しが行われるも
のとする。また、図16(a)に示すように、ブロック
形成領域RMB0 の垂直方向の境界ライン数をγとし、
水平方向の境界画素数をαとする。
【0170】タイプAでは、最初にアクセスするページ
にはブロック形成領域RMB0 の画素データが記憶され
ており、次にアクセスするページにはブロック形成領域
RMB1 の画素データが記憶されている。
【0171】最初のページをアクセスした後において、
ハーフペル処理を行うために保持しなければならない画
素は、図16(c)の斜線に示すように、領域RMB0
の領域RMB2 に隣接した水平方向の画素と領域RMB
1 に隣接した垂直方向の画素である。即ち、α+γ−1
画素を保持する必要がある。次のページをアクセスした
後に保持しなければならない画素は、図16(d)の斜
線で示す画素であり、M画素である。
【0172】従って、タイプAにおいてページ単位の読
出しを行うと、保持回路72は、Mと(α+γ−1)との
いずれか大きい値の個数分の画素データを保持する容量
を有している必要がある。
【0173】一方、図17に示すタイプBにおいては、
ページ単位に読出しを行うものとすると、参照メモリ7
に対するアクセスは図17(b)に示すものとなる。図
17(a),(b)に示すように、最初にアクセスする
ページにはブロック形成領域RMB0 ,RMB1 が記憶
されており、次にアクセスするページにはブロック形成
領域RMB2 が記憶されている。なお、図17(a)に
示すように、ブロック形成領域RMB3 の水平方向の境
界画素数をβとし、垂直方向の境界ライン数をδとす
る。なお、α+β=Mで、γ+δ=Nである。
【0174】図17の例において、最初のページをアク
セスした後において、ハーフペル処理を行うために保持
しなければならない画素は、図17(c)の斜線に示す
ように、ブロック形成領域RMB0 ,RMB1 と領域R
MB2 ,RMB3 との境界の水平方向のM画素である。
また、次のページをアクセスした後に、保持しなければ
ならない画素は、図17(d)に示すように、領域RM
B1 の最後のラインのβ+1画素と領域RMB2 の垂直
方向のδ画素であり、合計画素数は(β+δ+1)であ
る。
【0175】従って、タイプBにおいてページ単位の読
出しを行うと、保持回路72は、Mと(β+δ+1)との
いずれか大きい値の個数分の画素データを保持する容量
を有している必要がある。
【0176】即ち、2つのタイプA,B(全ての場合)
においてページ単位で読出しを行ったときにハーフペル
処理を可能とするためには、保持回路72は、Mと(α+
γ−1)又は(β+δ+1)とのいずれか大きい値の個
数分の画素を保持する容量を有している必要がある。
【0177】図18及び図19はMと(α+γ−1)又
は(β+δ+1)との関係を示しており、図18
(a),(b)は(α+γ−1)≦Mで、図18
(c),(d)は(β+δ+1)≦Mとなる例を示し、
図19(c),(d)は(α+γ−1)>Mで、図19
(a),(b)は(β+δ+1)>Mとなる例を示して
いる。なお、図18及び図19においては、説明を簡略
化するために、M=17,N=17として説明する。
【0178】図18(a)乃至(d)は、夫々ブロック
形成領域RMB0 ,RMB1 ,RMB2 ,RMB3 が最
小面積である例を示している。上述したように、図18
(a)乃至(d)のいずれにおいても(α+γ−1)≦
M又は(β+δ+1)≦Mが成立している。図18
(a)乃至(d)のいずれの例においても、ハーフペル
処理のために保持する画素数はページ単位の読出しを行
った場合でもM以下である。即ち、図18(a)乃至
(d)の例においては、保持回路72は、17画素分の画
素データを保持する容量を有していればよい。
【0179】従って、図18(a)乃至(d)に示す例
においては、ブロック単位の読出しを行うことなくペー
ジ単位の読出しを行っても、保持回路72の容量は17画
素分でよい。つまり、メモリアドレス生成回路92は、参
照マクロブロックが3ページに跨る場合においても、
(α+γ−1)≦M又は(β+δ+1)≦Mが成立する
場合には、ページ単位の読出しを行うための読出しアド
レスを発生するようになっている。
【0180】一方、図19(a)乃至(d)は、上述し
たように(α+γ−1)>M、又は(β+δ+1)>M
が成立しており、夫々ブロック形成領域RMB0 ,RM
B1,RMB2 ,RMB3 が最小面積である例を示して
いる。(α+γ−1)>M又は(β+δ+1)>Mであ
るので、ページ単位の読出しを行うと、保持回路72は、
水平方向画素数Mよりも多い画素数を保持する容量を有
していなければならない。そこで、メモリアドレス生成
回路92は、参照マクロブロックが3ページに跨る場合に
おいて、(α+γ−1)>M又は(β+δ+1)>Mが
成立する場合には、図12の実施の形態と同様に、ブロ
ック単位の読出しを行うための読出しアドレスを発生す
るようになっている。
【0181】このように構成された実施の形態において
は、読出し順番制御回路91は、相対距離(Hdis 、Vdi
s )に基づいて、4つのブロック形成領域R0 乃至R3
の水平距離RHdis及び垂直距離RVdisを求めて、最小面
積のブロック形成領域を判別する。次に、水平距離RHd
is及び垂直距離RVdisから、ページ境界にある領域RM
B0 のライン数γ、水平方向画素数α又は領域RMB3
の水平方向画素数β及びライン数δを求める。
【0182】読出し順番制御回路91は、(α+γ−1)
≦M又は(β+δ+1)≦Mが成立する場合には、メモ
リアドレス生成回路92にページ単位の読出しを指示する
ようになっている。また、読出し順番制御回路91は、
(α+γ−1)>M又は(β+δ+1)>Mが成立する
場合には、メモリアドレス生成回路92にブロック単位の
読出しを指示すると共に、水平距離RHdis及び垂直距離
RVdisを比較してブロック形成領域の読出し順序を指示
する。
【0183】メモリアドレス生成回路92は、ページ単位
の読み出しが指示された場合には、ページ単位でアドレ
スを発生して参照メモリ7に与え、ブロック単位の読出
しが指示された場合には、図12と同様に、ブロック単
位の読出しアドレスを発生して参照メモリ7に与える。
【0184】他の作用は図12と同様である。
【0185】次に、図20の説明図を参照してブロック
単位の読出しが発生する場合、即ち、3ページに跨る参
照マクロブロックを読出す際に4回のページ切換えが発
生する場合の確率を求める。
【0186】図20は読出す参照マクロブロックが17
×17画素であるものとした場合を説明している。な
お、領域RMB0 のライン数をγ、水平方向画素数を
α、領域RMB3 のライン数をδ、水平方向画素数をβ
とする。
【0187】参照マクロブロックは3ページに跨ってい
ることから、下記(17)式乃至(19)式が成立す
る。
【0188】 1≦α≦16、1≦γ≦16 …(17) 1≦β≦16、1≦δ≦16 …(18) α+β=M=17、γ+δ=N=17 …(19) ブロック単位の読出しを行う条件は、上述したように、
下記(20)式で表される。
【0189】 (α+γ−1)>M(=17)、(β+δ+1)>M(=17) …(20) 上記(17)式乃至(20)式を解くと、下記(21)
式が得られる。
【0190】 α+γ>18、3≦α≦16、3≦γ≦16 (21) この(21)式から、αとγとの組み合わせを示す下記
表1が得られる。
【0191】
【表1】 γ 3 4 5 6 7 8 9 α 16 15〜16 14〜16 13〜16 12〜16 11〜16 10〜16 γ 10 11 12 13 14 15 16 α 9〜16 8〜16 7〜16 6〜16 5〜16 4〜16 3〜16 この表1から明らかなように、上記(21)式を満足す
るαとγとの組み合わせは、105通りある。
【0192】従って、参照マクロブロックの読出しに際
して、ブロック単位の読出しを行う確率は下記(22)
式によって示すことができる。
【0193】 {105 /(17×17)}×{(16×16+16×16)/2048}=0.091 …(22) この(22)式によって与えられる確率は、2つのペー
ジのアドレスを発生する確率P1 及び3つのアドレスを
発生する確率P2 を示す上記(9)式及び(10)式の
値と比べて十分に小さい。上記(22)式から、1スラ
イス(16ライン)当たりのオーバーヘッドサイクル数
の増加は、0.091×45マクロブロック=4サイク
ルとなり、保持回路72を17画素分の容量で構成したこ
とによるページ切換え数の増加による悪影響は、ほとん
ど無視することができることが分かる。
【0194】このように、本実施の形態においては、保
持回路の容量の削減に伴うオーバーヘッドサイクル数の
増加を抑制することができるという効果を有する。
【0195】なお、上述した実施の形態においては、ブ
ロック単位又はページ単位にアクセスする場合におい
て、水平方向のラスタ順にアクセスする例について説明
したが、他の順番にアクセスしてもよいことは明らかで
ある。例えば、図21に示すように、垂直方向にアクセ
スしてもよい。図21において矢印は読出し順番を示
し、▽印は読出し開始画素を示し、△印は読出し終了画
素を示している。
【0196】図21(a)はページ単位で画面左から垂
直方向にアクセスする例を示し、図21(b)はページ
単位で画面左から垂直方向の上下にアクセスする例を示
し、図21(c)はブロック単位で、水平方向の左右に
アクセスする例を示し、図21(d)はブロック単位で
垂直方向の上下にアクセスする例を示している。
【0197】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、メ
モリの書込み及び読出しに伴うオーバーヘッドを低減す
ることにより、バンド幅が圧迫されることを抑制すると
共に、動作周波数がオーバーヘッドサイクルに要するク
ロック数の変化点近傍に設定されている場合でも回路設
計の自由度を向上させることができるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動画像復号装置の一実施の形態を
示すブロック図。
【図2】実施の形態を参照メモリ7への書込みを説明す
るための説明図。
【図3】図1の実施の形態の参照メモリ7からの読出し
を説明するための説明図。
【図4】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図5】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図6】実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図7】実施の形態におけるページ切換えを説明するた
めの説明図。
【図8】本発明の他の実施の形態を示すブロック図。
【図9】図8の実施の形態の参照メモリ7からの読出し
を説明するための説明図。
【図10】図8の実施の形態の変形例を示すブロック
図。
【図11】図8の変形例の保持回路に必要な容量を説明
するための説明図。
【図12】本発明の他の実施の形態を示すブロック図。
【図13】図12の実施の形態の参照メモリ7からの読
出しを説明するための説明図。
【図14】図12の実施の形態の動作を説明するための
説明図。
【図15】本発明の他の実施の形態を示すブロック図。
【図16】図15の実施の形態を説明するための説明
図。
【図17】図15の実施の形態を説明するための説明
図。
【図18】図15の実施の形態を説明するための説明
図。
【図19】図15の実施の形態を説明するための説明
図。
【図20】図15の実施の形態を説明するための説明
図。
【図21】参照メモリ7に対する他のアクセス例を示す
説明図。
【図22】従来の動画像復号装置を示すブロック図。
【図23】従来例におけるメモリの書込みを説明するた
めの説明図。
【図24】従来例における問題点を説明するための説明
図。
【図25】従来例における問題点を説明するための説明
図。
【図26】従来例における問題点を説明するための説明
図。
【符号の説明】
6…メモリデータバス、7…参照メモリ、21…画面アド
レス生成回路、22…メモリアドレス生成回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現画像と参照画像との予測誤差を用いた
    動き補償予測符号化によって所定のブロック単位で符号
    化された符号化信号が入力され、前記符号化信号を復号
    化して復号画像信号を得る復号化手段と、 前記復号画像信号を前記参照画像の画像信号として記憶
    する記憶手段と、 前記復号画像信号を前記所定のブロック単位で前記記憶
    手段の同一ページに書込む書込み制御手段と、 前記記憶手段に記憶されている参照画像の画像信号を画
    像の動きに基づくブロック化位置でブロック化して読出
    し前記復号化手段に与える読出し制御手段とを具備した
    ことを特徴とする動画像復号装置。
  2. 【請求項2】 前記読出し制御手段は、前記記憶手段に
    記憶されている参照画像の画像信号をライン単位でラス
    タ順に読出すことを特徴とする請求項1に記載の動画像
    復号装置。
  3. 【請求項3】 前記読出し制御手段は、前記記憶手段に
    記憶されている参照画像の画像信号をページ単位で読出
    すことを特徴とする請求項1に記載の動画像復号装置。
  4. 【請求項4】 前記読出し制御手段は、前記記憶手段に
    記憶されている参照画像の画像信号を前記所定のブロッ
    ク単位で読出すことを特徴とする請求項1に記載の動画
    像復号装置。
  5. 【請求項5】 前記読出し制御手段によって読出された
    参照画像の画像信号を保持する保持手段と、 前記読出し制御手段によって読出された参照画像の画像
    信号及び前記保持手段に保持された画像信号を用いて内
    挿補間処理を行う内挿補間手段とを付加したことを特徴
    とする請求項1に記載の動画像復号装置。
  6. 【請求項6】 前記読出し制御手段は、参照画像のブロ
    ックが符号化単位である複数のブロックに夫々占める領
    域の面積を求めて最小面積の領域から領域単位で読出し
    を行うことを特徴とする請求項5に記載の動画像復号装
    置。
  7. 【請求項7】 前記保持手段に保持させる画像信号のデ
    ータ量を低減するように、前記記憶手段からの読出しを
    ページ単位と前記領域単位とで切換えると共に前記領域
    の読出し順を決定することを特徴とする請求項6に記載
    の動画像復号装置。
  8. 【請求項8】 所定のブロック単位で動き補償予測符号
    化された符号化信号を復号化する手順と、 符号化信号の復号化によって得られた復号画像信号を前
    記所定のブロック単位で記憶手段の同一ページに書込む
    手順と、 前記記憶手段から読出した画像信号を前記復号化のため
    に読出す手順とを具備したことを特徴とする動画像復号
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020000389A (ko) * 2000-06-24 2002-01-05 박종섭 수신버퍼의 제어장치
KR100817052B1 (ko) 2006-01-10 2008-03-26 삼성전자주식회사 높은 메모리 대역폭을 요구하지 않는 영상 신호 처리 장치및 영상 신호 처리 방법
JP2013251728A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Fujitsu Ltd コネクタ装置、及び、電子装置

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