JPH10199470A - イオンドーピング時の基板冷却装置 - Google Patents

イオンドーピング時の基板冷却装置

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JPH10199470A
JPH10199470A JP9003497A JP349797A JPH10199470A JP H10199470 A JPH10199470 A JP H10199470A JP 9003497 A JP9003497 A JP 9003497A JP 349797 A JP349797 A JP 349797A JP H10199470 A JPH10199470 A JP H10199470A
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JP
Japan
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substrate
cooling plate
cooling
filler
amount
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JP9003497A
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English (en)
Inventor
Masayuki Takabe
正幸 高部
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空中で基板が熱変形しても高い熱伝達率を
保持でき、冷却効率が高く効果的に基板を冷却でき、か
つ基板の取付け/取外しを繰り返しても冷却効果が変わ
らず、基板破損のおそれが少ないイオンドーピング時の
基板冷却装置を提供する。 【解決手段】 基板1の取付面11を有する冷却板12
と、冷却板と基板との間に挟持されるフィラー14と、
フィラーを介して基板を冷却板に取り付ける基板取付け
装置16とからなる。基板取付け装置は、基板1の周辺
部を取付面に沿って移動可能に保持する。冷却板の取付
面11は、中央部が膨らんだなだらかな凸面形状を有
し、この凸面形状は、基板の保持位置で支持された基板
の自重撓みにほぼ相当する膨らみ量y1 を有している。
また、フィラー14は、熱膨張による基板の反り量y2
と、凸面形状の膨らみ量y1 との差Δtより大きい圧縮
変形量を有する十分な厚さtを有し、かつ圧縮変形時の
面圧が基板の許容面圧よりも十分小さくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオンドーピング
時に加熱される基板の接触熱伝達による冷却装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】TFT型(Thin Film Transistor Type)
の液晶ディスプレイ等の製造プロセスにおいて、ガラス
基板にP(リン)やB(ボロン)を注入(ドーピング)
する工程に図4に例示するようなイオンドーピング装置
が用いられる。このイオンドーピング装置は、イオン源
2を備えた真空ドーピング室3と、その前後にそれぞれ
設けられた真空室4、真空ロック室5、及び搬送装置6
等からなり、基板1を取り付けたカセット7を真空ロッ
ク室5を介して前後の真空室4内に供給/搬出し、真空
ドーピング室3において、基板1の表面にイオンビーム
を照射してドーピングを行うようになっている。
【0003】しかし、かかるイオンドーピング装置にお
いて、ガラス基板1がドーピング時の入熱により過熱さ
れ(例えば約300℃〜400℃に)、大きく熱変形す
る問題点がある。そのため、従来、真空中での基板7の
過熱を防止するために、図5(A)に模式的に示す冷却
板8(コールドプレート)を用い、この冷却板8の上に
基板1を載せて冷却板への接触熱伝達により基板1を冷
却する手段が用いられていた。なお、上述したドーピン
グ装置では、基板取付・イオン注入(ドーピング)・基
板取外の3工程を繰り返すプロセスを連続的に行うよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冷却板8を用
いる従来の冷却手段では、基板1も冷却板8(通常熱伝
達率が高い金属を使用)し互いに剛体であるため、微視
的に見ると点接触になっており、接触面積が小さく、十
分な冷却効果が得られないのが普通である。さらに、基
板1の熱変形により冷却板8との間に隙間ができると、
接触面積が極端に小さくなり、真空中での接触熱伝達が
著しく損なわれ、十分な冷却効果が得られなかった。ま
た、冷却板8の形状や表面粗さを工夫して冷却効率を高
める試みも行われているが、十分な効果は得られなかっ
た。
【0005】そこで、基板1(被冷却体)と冷却板8と
の間に、図5(B)に模式的に示す、中間材9(フィラ
ー)を挟むことにより、熱伝達率を高めることが提案さ
れ、一部で実施されていた。このフィラー9は、例え
ば、金属粉末を混合した二液硬化性のシリコンゴム、
又は硬質のシリコンゴムであり、いずれも熱伝導率が
高く、大きな接触熱伝達を得ることができる。
【0006】しかし、では、シリコンゴムが硬化する
際に、基板の凹凸に応じて変形して固まるため、高い熱
伝達率を保持できるが、一度基板を取外し、再度基板を
取付けたのでは、熱伝導率が低くなり繰り返しの使用が
できない問題点があった。そのため、のフィラーは、
宇宙空間等における基板1の取付け・取外しがないよう
な特殊用途には適しているが、上述した連続式のドーピ
ング装置には適用できなかった。また、のフィラー
は、熱伝達率自体は大きいが、硬度が高い(例えば、J
IS−Aで約90前後)ため、ドーピング時の入熱によ
り基板1が膨らんだ際に、基板1とフィラーとの間に隙
間ができるため、効率的な冷却ができなくなり、一方、
基板1を密着保持しようとすると、基板破損率が高くな
る問題点があった。
【0007】真空中での接触熱伝達による基板の冷却を
効率よく行うためには、接触面積をどれだけ確保できる
かが最も重要である。しかし、上述したように、冷却板
の形状や表面を工夫しても、剛体間の接触は点接触にし
か過ぎず、ましてや注入エネルギーによってガラスの変
形量も異なるため、冷却板のみでは到底対応できない。
更に、接触面積を増すために柔らかい中間材を基板と冷
却板の間に挟むという考えもあるが、単純に挟んだだけ
では基板の熱変形を吸収すため厚いフィラーが必要にな
るため、かえって冷却効率が悪化する。
【0008】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち本発明の目的は、真
空中で基板が熱変形しても高い熱伝達率を保持すること
ができ、従って冷却効率が高く効果的に冷却することが
でき、かつ基板の取付け/取外しが容易であり、更に
基板破損のおそれが少ないイオンドーピング時の基板
冷却装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、真空中
で基板にイオンを注入するイオンドーピング時の基板冷
却装置であって、基板の取付面を有する冷却板と、該冷
却板と基板との間に挟持されるフィラーと、該フィラー
を介して基板を冷却板に取り付ける基板取付け装置とか
らなり、基板取付け装置は、基板の周辺部を取付面に沿
って移動可能に保持するようになっており、冷却板の前
記取付面は、中央部が膨らんだなだらかな凸面形状を有
し、該凸面形状は、基板の保持位置で支持された基板の
自重撓みにほぼ相当する膨らみ量y1 を有しており、前
記フィラーは、熱膨張による基板の膨らみ量y2 と、前
記凸面形状の膨らみ量y1 との差Δtより大きい圧縮変
形量を有する十分な厚さを有し、かつ該圧縮変形時の面
圧が基板の許容面圧よりも十分小さい、ことを特徴とす
るイオンドーピング時の基板冷却装置が提供される。本
発明の好ましい実施形態によれば、前記フィラーは、熱
伝達率及び柔軟性の高いシリコンゴムである。
【0010】上記本発明の構成によれば、冷却板の取付
面が、中央部が膨らんだなだらかな凸面形状を有してい
るので、この取付面に基板を載せ周辺部を基板取付け装
置で保持すると、基板は凸面形状に沿って曲げられる。
この凸面形状は、基板の保持位置で支持された基板の自
重撓みにほぼ相当する膨らみ量y1 になっているので、
この曲がりにより基板に発生する応力は、基板搬送時に
生じる自重撓み時の応力と同等程度であり十分小さく、
基板破損のおそれが少ない。
【0011】また、フィラーの厚さは、熱膨張による基
板の反り量y2 と、凸面形状の膨らみ量y1 との差Δt
(=y2 −y1 )より大きい圧縮変形量を有するように
設定されており、熱膨張による基板の反り量y2 の全体
を許容するのに必要な厚さと比較すると大幅(例えば半
分)に薄くすることができる。これにより基板全面でフ
ィラーを介して冷却板と接触したまま、フィラーの厚さ
を薄くでき、基板が熱変形しても高い熱伝達率を保持す
ることができ、冷却効率が高く効果的に冷却することが
できる。
【0012】更に、フィラーは、好ましくは熱伝達率及
び柔軟性の高いシリコンゴムであり、圧縮変形時の面圧
が基板の許容面圧よりも十分小さくなるようになってい
るので、イオン注入時の過熱による基板の変形に際して
も、基板を破損するおそれが少ない。また、二液性のシ
リコンゴムのように一旦基板を取外すと熱伝達率が下が
ってしまうようなこともなく、基板の取付け/取外しを
繰り返しても熱伝導率が低下しない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通
する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略す
る。図1は、本発明の好ましい実施形態を示す構成図で
ある。この図に示すように、本発明の基板冷却装置10
は、図4に示したイオンドーピング装置用の基板冷却装
置である。この基板冷却装置10は、基板1を取り付け
るカセット7と同様に取り扱われ、基板1を取付け/取
外すようになっている。
【0014】図1に示すように、基板冷却装置10は、
基板1の取付面11を有する冷却板12と、冷却板12
と基板1との間に挟持されるフィラー14と、フィラー
14を介して基板1を冷却板12に取り付ける基板取付
け装置16とからなる。
【0015】冷却板12は、内部に冷却水が流れるよう
になっており、基板1の取付面11を常温(20〜30
℃)に保持している。また、基板取付け装置16は、基
板1の周辺部を取付面に沿って移動可能に保持してい
る。すなわち、この図において、基板取付け装置16
は、基板1の長手方向両端部を所定の面圧で挟持する挟
持部17aと、この挟持部17aを下方に押付ける直動
シリンダ17bとからなる。挟持部17aの押付力は、
フィラー14を十分圧縮し、かつこの圧縮変形時の面圧
が基板1の許容面圧よりも十分小さいように設定されて
いる。また、挟持部17aは、基板1が熱膨張する際
に、取付面11に沿って自由に移動できるような機構に
なっている。
【0016】更に、冷却板12の取付面11は、中央部
が膨らんだなだらかな凸面形状を有しており、この凸面
形状は、基板1の保持位置で支持された基板の自重撓み
にほぼ相当する膨らみ量y1 を有している。
【0017】フィラー14は、熱膨張による基板の膨ら
み量y2 と、冷却板12の凸面形状の膨らみ量y1 との
差Δtより大きい圧縮変形量を有する十分な厚さを有
し、かつ圧縮変形時の面圧が基板1の許容面圧よりも十
分小さいように設定されている。このフィラー14は、
熱伝達率が高く、かつスポンジのような柔らかさ(硬
さ)を有しており、容易に変形する柔軟性と復元性を有
していることが好ましい。かかるフィラー14として
は、例えば、硬度5以下(JIS−A)、熱伝導率約
1.3W/m・℃、厚さ1〜5mmの低硬度シリコーン
ゴムが適している。
【0018】一般的に用いられているガラス基板の板厚
は、1.1mm及び0.7mmである。1.1mmの方
が強度があるが、それでも1kg強の負荷をかけると破
損するガラス基板がでてくるため、ガラス基板に大きな
負荷をかけて冷却効率を改善することはできない。
【0019】図2は、自重による撓み量y1 の計算値と
熱膨張による基板の膨らみ量y2 の計算値を示す図であ
る。この図において、横軸は基板長(mm)、縦軸は撓
み量(mm)であり、、図中の■は自重による撓み量y
1 、▲は熱膨張による反り、すなわち基板の膨らみ量y
2 である。この図から一般的に用いられる基板寸法(3
2cm×40cm、36cm×46cm)の場合に、長
辺を基準とすると、40cmの場合にy1 の最大値は約
1.2mm、y2 の最大値は約2.5mmであり、46
cmの場合にy1 の最大値は約2.0mm、y2 の最大
値は約3.2mmであることがわかる。また、従来から
これらの基板1の両端部のみを支持して水平に搬送する
ことが広く行われており、少なくとも、両端支持による
自重撓みでは破損がほとんどないことが確認されてい
る。
【0020】図3は、本発明の原理を示す模式図であ
る。この図において、(A)は、冷却板の取付面の凸面
形状を模式的に示し、(B)はこの取付面に基板を取り
付けた状態、(C)はイオンドーピングにより加熱され
た状態を示している。図3において、本発明の構成によ
れば、冷却板12の取付面11が、(A)に示すよう
に、中央部が膨らんだなだらかな凸面形状を有している
ので、この取付面に基板1を載せ周辺部を基板取付け装
置16で保持すると、(B)に示すように、基板1は凸
面形状に沿って曲げられる。この凸面形状は、基板1の
保持位置で支持された基板の自重撓みにほぼ相当する膨
らみ量y1 になっているので、この曲がりにより基板1
に発生する応力は、基板のカセットでの保持あるいは基
板取付け装置での基板の受け取り時に生じる自重撓み時
の応力と同等程度であり十分小さく、基板破損のおそれ
が少ない。
【0021】また、(C)に示すように、フィラー14
の厚さtは、熱膨張による基板の膨らみ量y2 と、凸面
形状の膨らみ量y1 との差Δt(=y2 −y1 )より大
きい圧縮変形量を有するように設定されているが、熱膨
張による基板の膨らみ量y2の全体を許容する厚さと比
較すると大幅(例えば半分)に薄くすることができる。
これにより基板全面でフィラー14を介して冷却板12
と接触したまま、フィラー14の厚さを薄くでき、基板
1が熱変形しても高い熱伝達率を保持することができ、
冷却効率が高く効果的に冷却することができる。
【0022】更に、フィラー14は、好ましくは熱伝達
率及び柔軟性の高いシリコンゴムであり、圧縮変形時の
面圧が基板1の許容面圧よりも十分小さくなるようにな
っているので、イオン注入時の過熱による基板の変形に
際しても、基板を破損するおそれが少ない。また、基板
の取付け/取外しを繰り返しても熱伝導率が低下しな
い。
【0023】
【実施例】基板を冷却しない場合の基板の温度上昇を1
次元のモデルでシュミレーションすると、例えば、イオ
ンドーピング時の加速エネルギーを80kV、電流密度
を10μA/cm2 、注入時間を160秒とすると、3
00℃近くまで温度が上がることがわかった。
【0024】32cm×40cmのガラス基板を用い
て、本発明を適用した実験を行った結果、上記のシュミ
レーションと同一条件の場合、基板中央での温度が60
℃以上降下していることがわかった。
【0025】なお、本発明は上述した実施形態及び実施
例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変更できることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】上述したように、本発明のイオンドーピ
ング時の基板冷却装置は、真空中で基板が熱変形しても
高い熱伝達率を保持することができ、従って冷却効率が
高く効果的に冷却することができ、かつ基板の取付け/
取外しが容易であり、更に基板破損のおそれが少ない、
等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態を示す構成図であ
る。
【図2】自重による撓み量y1 と熱膨張による基板の膨
らみ量y2 を示す図である。
【図3】本発明の原理を示す模式図である。
【図4】イオンシャワードーピング装置の全体構成図で
ある。
【図5】従来の冷却装置の模式図である。
【符号の説明】
1 基板(ガラス基板) 2 イオン源 3 真空ドーピング室 4 真空室 5 真空ロック室 6 搬送装置 7 カセット 8 冷却板 9 フィラー 10 基板冷却装置 11 取付面 12 冷却板 14 フィラー 16 基板取付け装置 y1 基板の自重撓みにほぼ相当する膨らみ量 y2 熱膨張による基板の膨らみ量

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中で基板にイオンを注入するイオン
    ドーピング時の基板冷却装置であって、 基板の取付面を有する冷却板と、該冷却板と基板との間
    に挟持されるフィラーと、該フィラーを介して基板を冷
    却板に取り付ける基板取付け装置とからなり、 基板取付け装置は、基板の周辺部を取付面に沿って移動
    可能に保持するようになっており、冷却板の前記取付面
    は、中央部が膨らんだなだらかな凸面形状を有し、該凸
    面形状は、基板の保持位置で支持された基板の自重撓み
    にほぼ相当する膨らみ量y1 を有しており、 前記フィラーは、熱膨張による基板の反り量y2 と、前
    記凸面形状の膨らみ量y1 との差Δtより大きい圧縮変
    形量を有する十分な厚さを有し、かつ該圧縮変形時の面
    圧が基板の許容面圧よりも十分小さい、ことを特徴とす
    るイオンドーピング時の基板冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記フィラーは、熱伝達率及び柔軟性の
    高いシリコンゴムである、ことを特徴とする請求項1に
    記載のイオンドーピング時の基板冷却装置。
JP9003497A 1997-01-13 1997-01-13 イオンドーピング時の基板冷却装置 Pending JPH10199470A (ja)

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Cited By (6)

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