JPH1019907A - 微小探針の製造方法と微小探針、その微小探針を用いたプローブの製造方法とプローブ、及びそれを用いた磁気顕微鏡 - Google Patents

微小探針の製造方法と微小探針、その微小探針を用いたプローブの製造方法とプローブ、及びそれを用いた磁気顕微鏡

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JPH1019907A
JPH1019907A JP8194041A JP19404196A JPH1019907A JP H1019907 A JPH1019907 A JP H1019907A JP 8194041 A JP8194041 A JP 8194041A JP 19404196 A JP19404196 A JP 19404196A JP H1019907 A JPH1019907 A JP H1019907A
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Yuuko Morikawa
有子 森川
Takayuki Yagi
隆行 八木
Kiyoshi Takimoto
清 瀧本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】微小探針の雌型を後工程でエッチング除去する
ことなく磁気抵抗素子を形成でき、雌型は再利用できる
ことにより、微小探針として再現性の良い均一な形状が
得られ、且つ先端を任意の形状に容易に形成できる微小
探針の製造方法と微小探針の提供と、このような微小探
針を磁気抵抗素子を有する薄膜カンチレバー上に形成す
ることにより、磁性体層をプローブの全面に形成する必
要のないプローブの製造方法とプローブの提供。 【解決手段】一方の基板である第1基板に探針材料層で
ある磁性体層7を形成し、他方の基板である第2基板に
形成した薄膜カンチレバー21の磁気抵抗素子11上の
接合層8に、前記第1基板の磁性体層7を転写するプロ
ーブの製造方法とプローブ及びそれを用いた磁気顕微鏡
を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小な力を検出す
る走査型プローブ顕微鏡、特に磁気情報を検出する磁気
顕微鏡に用いる微小探針の製造方法と微小探針、プロー
ブの製造方法とプローブ、及びそれを用いた磁気顕微鏡
に関し、特に、該薄膜カンチレバー上に磁気抵抗素子を
有するプローブを高い量産性で製造できるプローブの製
造方法、及びかかるプローブを用いた磁気顕微鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、導体の表面原子の電子構造を直接
観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、「STM」と
いう)が開発されて(G.Binnig et al.
Phys.Rev.Lett.,49,57(198
3))単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解能で
測定ができるようになって以来、走査型プローブ顕微鏡
(以下、「SPM」という)が材料の微細構造評価の分
野でさかんに研究されるようになってきた。SPMとし
ては、微小探針を有するプローブを評価する試料に近接
させることにより得られるトンネル電流、原子間力、磁
気力、光等を用いて表面の構造を検出する走査型トンネ
ル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気
力顕微鏡(MFM)、近視野走査光学顕微鏡(NSO
M)等がある。これらSPMの中でMFMは、磁性体か
らなるバネ状のプローブを用い、磁気記録媒体や磁気ヘ
ッド等の磁性材料である試料とプローブの間に働く力を
検出することにより、試料の漏洩磁界分布を2次元、3
次元的に非破壊で計測するものである。MFM用のプロ
ーブは鋭い先端の微小探針とバネとなるカンチレバーか
らなり、微小探針または、微小探針とカンチレバーが磁
性体層を有したものである。MFMにおいては、試料の
構造評価以外にも、探針の発生する磁界を用いて、磁気
記録媒体に直接記録を行う情報記憶装置への応用(T.
Okubo et al,IEEE Trans.Ma
gn.,MAG−27(6),pp.5286−528
8,(1991))も研究されている。MFM用微小探
針の形成方法として、半導体製造プロセス技術を使い単
結晶シリコンを用いて異方性エッチングにより形成した
微小探針が知られている(米国特許第5,221,41
5号明細書)。この微小探針の形成方法は、図11に示
すように、まず、二酸化シリコン510、512のマス
クを被覆したシリコンウエハ514に異方性エッチング
によりピット518を設け、このピットを探針の雌型と
し、二酸化シリコン510、512を除去し、次に全面
に窒化シリコン層520、521を被覆し片持ち梁(カ
ンチレバー)及び微小探針となるピラミッド状ピット5
22を形成し、片持ち梁状にパターニングした後、裏面
の窒化シリコン層521を除去しソウカット534とC
r層532を設けたガラス板530と窒化シリコン層5
20を接合し、シリコンウエハ514をエッチング除去
することによりマウンティングブロック540に転写さ
れた窒化シリコンからなる、探針とカンチレバーからな
る、プローブを作製するものである。最後に、裏面に光
てこ式AFM用の反射膜となる金属膜542を形成す
る。MFMに用いる場合には、上記プローブの表面に真
空蒸着法を用いて磁性体層543を形成すればよい。同
様に、Si上に形成した二酸化シリコンからなるプロー
ブ上の表面に、真空蒸着法を用いて磁性体層を形成した
例としてはA.Kikukawa等(Appl.Phy
s.Lett.Vol.61(21),pp2067−
2069,(1992))、又は保坂等(1992年度
精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集,H22,p
p.277−278)によるMFMがある。
【0003】また、図12に示されるように、逆テーパ
ーをつけたレジスト622のレジスト開口部624に基
板621を回転させながら導電性材料625を斜めから
蒸着し、リフトオフすることにより探針623を形成す
るスピント等により提案された方法(C.A.Spin
dt et al.,“Physical prope
rties of thin film field
emission cathode with mol
ybdenum cones”,J.Appl.Phy
s.,47,pp5248−5263,(1976))
を用いて形成した磁性体からなる探針(K.Yanag
isawa et al.,“Magnetic Mi
cro−Actuator”,Proceedings
IEEE Micro Electro Mecha
nical Systems,pp.120−123,
(1991))がある。MFMによる構造評価やMFM
の情報記録再生装置への応用を考えると、高分解能や高
記録密度を達成するためにMFMの探針先端部を出来る
だけ試料に近付けることが可能で、かつ、再生周波数を
高くしても再生出力は低下しないことが望まれる。近年
このような高密度化、高速化にともない、磁性試料表面
の漏洩磁界による磁気抵抗の変化を検出することによ
り、高い再生周波数においても、検出感度が低下しない
磁気抵抗素子(以下MR素子)が提案されている。
(F.Jeffers et al.,“Unshie
lded magnetoresistive hea
ds in very high−density r
ecording”,IEEE Trans.Ma
g.,MAG−20,pp703,(1984))
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図11に
示した従来例のプローブの製造方法においては、以下の
ような問題点を有していた。 (1)磁性体層をカンチレバーの表面の全面に形成する
ため、カンチレバーを試料に近接させた際に、探針のみ
ならず、カンチレバー上に形成した磁性体層も漏洩磁界
を受ける可能性があり、検出信号のノイズが大きくなる
原因になる。 (2)磁性体層をカンチレバーの表面の全面に形成する
ことで生じる磁性体層の膜応力によるカンチレバーの反
りを抑えるために、磁性体層の厚みとしては数〜数十n
m程度の薄膜となり、磁気力の検出感度が低くなる。 (3)探針表面上に磁性体層を被覆してMFMの探針と
する場合には、探針の先端部は鋭利に形成されている
が、このために磁性体材料が被覆されにくく、被覆した
場合に成膜した磁性体膜の粒塊が現れ、再現性良く粒塊
の制御をすることが困難である。また、図12の方法で
探針を作成すると以下の様な問題がある。 (4)探針を形成する際のレジストのパターニング条件
及び磁性体材料の蒸着条件等を一定にするには厳しいプ
ロセス管理が必要となり、形成された微小探針の高さや
先端曲率半径等の正確な形状を、随時、再現性良く維持
するのが難しい。一方、微小探針を用いて、漏洩磁界に
よる磁気情報を再生しようとすると、再生周波数が高く
なるにつれて、検出感度が低下してしまう。叉、磁気抵
抗によって磁気情報を再生しようとすると、再生周波数
を高くしても検出感度が低下することはないが、MR素
子部が大きいので、高密度化された磁気情報を得ること
が困難である。
【0005】そこで、本発明は、上記従来技術の課題を
解決し、製造工程が簡略化され、歩留まりの向上が図ら
れ、微小探針の雌型を後工程でエッチング除去すること
なくMR素子を形成でき、雌型は再利用できることによ
り、生産性を向上すると同時に、製造コストが低減で
き、微小探針として再現性の良い均一な形状が得られ、
且つ先端を任意の形状に容易に形成できる微小探針の製
造方法と微小探針を提供することを目的としている。ま
た、本発明は、このような微小探針をMR素子を有する
薄膜カンチレバー上に形成することにより、磁性体層を
プローブの全面に形成する必要のないプローブの製造方
法とプローブを提供することを目的としている。さら
に、本発明は、このようなプローブにより微小探針と試
料の間隔制御を行ないながら、磁気情報を磁気抵抗の変
化によって検出する磁気顕微鏡を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の微小探針の製造
方法は、上記課題を解決するため、磁気情報の検出に用
いる微小探針の製造方法において、一方の基板である第
1基板に探針材料層である磁性体層を形成し、他方の基
板である第2基板に形成した磁気抵抗素子上の接合層
に、前記第1基板の磁性体層を転写して微小探針を形成
するようにしたものである。そして、本発明の微小探針
の製造方法は、次の特徴を有する。 (1)前記微小探針の製造方法が、第1基板の表面に凹
部を形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上
に、剥離層を形成する工程と、前記第1基板における凹
部を含む剥離層上に、磁性体層を被覆する工程と、第2
基板にMR素子を形成する工程と、前記第2基板のMR
素子を含む基板上に、引き出し電極対を形成する工程
と、前記第2基板のMR素子上に絶縁層を被覆する工程
と、前記絶縁層上に接合層を被覆する工程と、前記第1
基板における凹部を含む剥離層上の磁性体層を、前記第
2基板における絶縁層上の接合層に接合する工程と、前
記剥離層と磁性体層、あるいは前記剥離層と第1基板の
界面で剥離を行い接合層に磁性体層を転写する工程と
を、少なくとも有する工程。 (2)微小探針の製造方法が、第1基板の表面に凹部を
形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上に、
剥離層を被覆する工程と、前記第1基板における凹部を
含む剥離層上に、磁性体層を被覆する工程と、前記第1
基板における凹部を含む剥離層上の磁性体層に、絶縁層
を被覆する工程と、前記第1基板の凹部を含む剥離層上
の磁性体層を被覆する絶縁層に、金属層を被覆する工程
と、第2基板にMR素子を形成する工程と、前記第2基
板のMR素子を含む基板上に、引き出し電極対を形成す
る工程と、前記第2基板のMR素子上に接合層を被覆す
る工程と、前記第1基板における凹部を含む剥離層上の
磁性体層、絶縁層を介してなる金属層を、前記第2基板
のMR素子上の接合層に接合する工程と、前記剥離層と
磁性体層、あるいは前記剥離層と第1基板の界面で剥離
を行い磁気抵抗素子に磁性体層を転写する工程とを、少
なくとも有する。 (3)微小探針の製造方法は、第1基板の表面に凹部を
形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上に、
剥離層を形成する工程と、前記第1基板における凹部を
含む剥離層上に、絶縁層を形成する工程と、前記第1基
板における凹部を含む剥離層上の絶縁層に、磁性体層を
形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む剥離層上の
絶縁層に形成された磁性体層に、金属層を形成する工程
と、第2基板にMR素子を形成する工程と、前記第2基
板のMR素子を含む基板上に、引き出し電極対を形成す
る工程と、前記MR素子を含む第2基板上に接合層を形
成する工程と、前記第1基板における凹部を含む剥離層
上の絶縁層、磁性体層を介してなる金属層を、前記第2
基板における接合層に接合する工程と、前記剥離層と磁
性体層、あるいは前記剥離層と第1基板の界面で剥離を
行い接合層上に磁性体層を転写する工程とを、少なくと
も有する。 (4)前記第1基板が、単結晶シリコン基板であり、結
晶軸異方性エッチングにより基板表面に凹部を形成す
る。 (5) 前記接合層が、金属である。 (6) 前記磁性体層を第2基板上の接合層に接合する
工程が、金属材料間の圧着による金属結合により達成さ
れる。 (7) 前記MR素子が、強磁性体と非磁性材料の多層
膜からなる。また、本発明の微小探針は、基板と、該基
板上に形成された接合層、該接合層上に形成された磁性
体層からなる微小探針であって、該微小探針が逆ピラミ
ッド型を写しとった形状を有することを特徴としてお
り、この磁性体層は、基板上に形成された接合層に金属
材料間の圧着によって金属結合することができる。ま
た、本発明のプローブの製造方法は、微小探針と薄膜カ
ンチレバーからなるプローブの製造方法において、一方
の基板である第1基板に探針材料層である磁性体層を形
成し、他方の基板である第2基板に形成した薄膜カンチ
レバーのMR素子上の接合層に、前記第1基板の磁性体
層を転写することを特徴としている。
【0007】そして、本発明のプローブの製造方法は、
次の特徴を有する。 (1)前記プローブの製造方法が、第1基板の表面に凹
部を形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上
に、剥離層を形成する工程と、前記第1基板における凹
部を含む剥離層上に、磁性体層を被覆する工程と、第2
基板に薄膜カンチレバーを形成する工程と、前記薄膜カ
ンチレバー上にMR素子を形成する工程と、前記MR素
子を含む薄膜カンチレバー上に引き出し電極対を形成す
る工程と、前記MR素子を含む薄膜カンチレバー上に絶
縁層を被覆する工程と、前記MR素子上に接合層を形成
する工程と、前記第1基板における凹部を含む剥離層上
の磁性体層を、前記第2基板における接合層に接合する
工程と、前記剥離層と磁性体層、あるいは前記剥離層と
第1基板の界面で剥離を行い接合層に磁性体層を転写す
る工程と、前記薄膜カンチレバーの一端が第2基板に固
定される様に薄膜カンチレバー下部の第2基板の一部を
除去する工程とを、少なくとも有する。 (2)前記プローブの製造方法が、第1基板の表面に凹
部を形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上
に、剥離層を被覆する工程と、前記第1基板における凹
部を含む剥離層上に、磁性体層を被覆する工程と、前記
第1基板における凹部を含む剥離層上の磁性体層に、絶
縁層を被覆する工程と、前記第1基板の凹部を含む剥離
層上の磁性体層を被覆する絶縁層に、金属層を被覆する
工程と、第2基板に薄膜カンチレバーを形成する工程
と、前記薄膜カンチレバー上に磁気抵抗素子を形成する
工程と、前記MR素子を含む第2基板上に引き出し電極
対を形成する工程と、前記MR素子上に接合層を被覆す
る工程と、前記第1基板における凹部を含む剥離層上の
磁性体層、絶縁層を介してなる金属層を、前記第2基板
のMR素子上の接合層に接合する工程と、前記剥離層と
磁性体層、あるいは前記剥離層と第1基板の界面で剥離
を行いMR素子に磁性体層を転写する工程と、前記薄膜
カンチレバーの一端が第2基板に固定される様に薄膜カ
ンチレバー下部の第2基板の一部を除去する工程とを、
少なくとも有する。 (3)前記プローブの製造方法が、第1基板の表面に凹
部を形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上
に、剥離層を形成する工程と、前記第1基板における凹
部を含む剥離層上に、絶縁層を形成する工程と前記第1
基板における凹部を含む剥離層上の絶縁層に、磁性体層
を形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む剥離層上
の絶縁層に形成された磁性体層に、金属層を形成する工
程と、第2基板に薄膜カンチレバーを形成する工程と、
前記薄膜カンチレバー上にMR素子を形成する工程と、
前記MR素子を含む薄膜カンチレバー上に引き出し電極
対を形成する工程と、前記MR素子を含む薄膜カンチレ
バー上に接合層を形成する工程と、前記第1基板におけ
る凹部を含む剥離層上の絶縁層、磁性体層を介してなる
金属層を、前記第2基板における接合層に接合する工程
と、前記剥離層と磁性体層、あるいは前記剥離層と第1
基板の界面で剥離を行い接合層上に磁性体層を転写する
工程と、前記薄膜カンチレバーの一端が第2基板に固定
される様に薄膜カンチレバー下部の第2基板の一部を除
去する工程とを、少なくとも有する。 (4)前記磁気抵抗素子が、強磁性体と非磁性材料の多
層膜からなる構成。
【0008】また、本発明のプローブは、一方が基板に
固定された薄膜カンチレバーからなり、該プローブの薄
膜カンチレバー上に、磁性体からなる微小探針と、該微
小探針と磁気的に結合しているMR素子と、該磁気抵抗
素子にバイアス電流を流し、磁気抵抗を検出するための
引き出し電極対とを有することを特徴としており、その
引き出し電極対は、電流が一方の引き出し電極からMR
素子を経由して他方の引き出し電極に流れるように構成
される。そして、本発明においては、上述の微小探針を
薄膜カンチレバー先端に形成し、該微小探針を試料に接
近させたときに作用する力によって生じる薄膜カンチレ
バーのたわみ量を検知することによって薄膜カンチレバ
ー先端と試料の間隔制御をおこなうと同時に、該微小探
針によって検出した漏洩磁界の変化を該微小探針と磁気
的に結合しているMR素子の磁気抵抗の変化として検出
することによって磁気情報を検出する磁気顕微鏡を構成
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、上記のように構成され
ているから、第1基板上の剥離層に形成された磁性体層
を第2基板上の接合層へ転写することにより微小探針を
形成することで、第1基板を後工程でエッチング除去す
ることなく、極めて容易に、かつ正確に微小探針を形成
できるので、生産性を向上させることができる。また、
転写工程の後に磁性体層、または剥離層と磁性体層を新
たに形成することにより、雌型となる第1基板は繰り返
し使用できるため、製造コストの低減ができ、同一の雌
型を用いることにより微小探針の形状再現性が保てる。
さらに、微小探針をカンチレバー先端部に形成し、該微
小探針によって検出した漏洩磁界の変化を薄膜カンチレ
バー上に形成され、かつ微小探針と磁気的に結合してい
るMR素子の磁気抵抗の変化として検出するので、高い
再生周波数においても、再生出力を低下させることな
く、かつ高密度で磁気情報を検出することが可能であ
る。かかる磁気情報は、薄膜カンチレバーのたわみ量を
検知することによってカンチレバー先端と試料の間隔制
御をおこないながら検出するので、資料表面の凹凸に影
響されることなく磁気情報を検出することが可能であ
る。
【0010】ここで、好ましくは、第1基板としては単
結晶シリコン基板を用い、結晶軸による異方性エッチン
グにより(111)結晶面からなる凹部を形成する。結
晶軸異方性エッチングにより凹部を形成した単結晶基板
上にMR素子材料を形成することによりMR素子の雌型
となる凹部は任意の形状で、また同一基板上に複数形成
した場合には形状の揃ったものとなり、その結果得られ
るMR素子は特性の揃ったものとなる。
【0011】また、転写の際には、金属層を介して磁性
体層と接合層を接着する、もしくは接合層が金属である
ことにより、磁性体層の転写は金属材料間の圧着による
金属材料間の金属結合により達成される。
【0012】なお、磁性体層、剥離層、金属層、接合
層、引き出し電極対、MR素子の形成方法としては、従
来公知の技術たとえば真空蒸着法やスパッタ法、化学気
相成長、鍍金法等の薄膜作製技術を用い、さらにフォト
リソグラフィプロセス、及びエッチングを適用すること
で所望の形状にパターニングする。微小探針は第1基板
上に形成した剥離層、又は凹部上の剥離層の表面形状を
忠実に再現するため、薄膜作製方法に制限されない。
叉、このようにして作製された微小探針は中空の領域を
有している。
【0013】本発明において、磁性体層とMR素子は同
一材料を用いることも可能であるが、それぞれの機能を
最大限に活かすためには、磁性体層は、漏洩磁界の検出
感度が高い材料が好ましく、MR素子は、大きな磁気抵
抗効果を有した材料を用いることが好ましい。即ち、磁
性体層としては、例えば、Fe、パーマロイ合金、N
i、Fe、Coを主成分とする合金からなる軟磁性体材
料、あるいはCo、CoPt、CoPt−Metal、
CoP、CoNiP、CoCr、FeCoCr、CoM
nP、CoSm等の合金からなる硬磁性体等の強磁性体
材料を用いることが可能である。一方、MR素子を形成
する材料としては、Co、Ni−Fe、Fe、Niある
いはこれらを主成分とする強磁性体とCu、Mn、C
r、Pt、Au、Agなどの非磁性材料を積層した多層
膜を用いることが可能である。かかる多層膜を用いるこ
とによって、より大きなMR効果を得ることが可能にな
る。また、上述のMR素子にバイアス磁界を用いて特定
の方向に磁場を印加することにより、磁気異方性を付与
することが可能である。上述の引き出し電極対は、MR
素子の両端に設け、電流を一方の引き出し電極からMR
素子を経由して他方の引き出し電極に流し、磁気抵抗の
変化を検出するために用いる。本発明で用いられる絶縁
層は、微小探針を形成する磁性体層を介した試料とMR
素子の間を電気的に絶縁するために設けられるもので、
該磁性体層とMR素子は磁気的に結合している。
【0014】また、本発明において、第2基板に薄膜カ
ンチレバーとなる層をあらかじめ形成しておき、該薄膜
カンチレバーの先端上にパターニングされた接合層を設
け、剥離層上の磁性体層を接合層に接合、転写した後
に、薄膜カンチレバーの一端が第2基板に固定されるよ
うに薄膜カンチレバー下部の第2基板の一部を除去する
ことにより、微小探針を自由端に有するカンチレバー型
のプローブを作製することが可能である。また、本発明
の微小探針は中空の領域を有しているので、薄膜カンチ
レバー等の自由端に微小探針を設ける場合、軽量化が図
られ、微小探針つきカンチレバーの共振周波数の低下を
抑えることができる。さらに、本発明の製造方法によれ
ば、微小探針は任意の形状で作製することが可能であ
る。また、カンチレバーの形状についても何ら制限する
ものはない。
【0015】
【実施例】以下本発明のMR素子及びプローブの製造方
法を図1ないし図10の図面に示し、その実施例につい
て説明する。 [実施例1]実施例1において、図1に示す微小探針及
びプローブの製造方法を説明する。作製したプローブの
上面図を図1(a)に、図1(a)のA−A’面からみ
た側面図を図1(b)に示す。図2及び図3は本発明の
微小探針及びプローブ製造方法の工程を示す図1(a)
のA−A’面からみた断面図である。薄膜カンチレバー
としては、窒化シリコン膜からなるシリコンブロック2
4で支持された薄膜カンチレバー21を用いた。ここ
で、10はMR素子、11はCoPt磁性体からなる微
小探針、23は二酸化シリコン膜、22はシリコンウエ
ハを裏面からエッチングする際にマスクとして用いた窒
化シリコン膜である。
【0016】本実施例の第1基板として、図2(a)に
おいて、酸化ガスにより熱酸化して形成した二酸化シリ
コン膜からなる保護層2が形成された結晶方位面が<1
00>のシリコンウエハを第1基板1として用意する。
フォトリソグラフィプロセスにより形成したフォトレジ
ストをマスクとして、該保護層2の所望の箇所をHF水
溶液によりエッチングし、8μm平方のシリコンを露出
させた。保護層2は第1基板1を結晶軸異方性エッチン
グし、MR素子の雌型となる凹部を形成する時の保護層
であり、結晶軸異方性エッチング液に対してエッチング
耐性を持つ。フォトレジストを剥離した後に第1基板を
濃度27%の水酸化カリウム(KOH)水溶液にて液温
度80℃で結晶軸異方性エッチングし、深さ5.6μm
の(111)の結晶面からなる逆ピラミッド状の凹部3
を形成した。(図2(a))次に図2(b)に示すよう
に、前記凹部3上にAlを真空蒸着法により全面に10
0Å成膜し、剥離層5を形成し、微小探針材料となるC
oPt強磁性体をスパッタ法により、全面に5000Å
成膜し磁性体層7を形成した。Alからなる剥離層5と
シリコンは密着力が弱く、後工程にて第1基板と剥離層
との界面から剥離することが可能である(図2
(c))。
【0017】次に、レジストを塗布し、露光、現像する
フォトリソグラフィプロセスによりレジストをパターニ
ングし、該フォトレジストをマスクとして磁性体層7及
び剥離層5をArイオンによりイオンミリング(Ion
Milling)し、フォトレジストを除去し図2
(d)に示すようにパターニングし転写前の微小探針1
1を形成した。
【0018】次に第2基板19としてシリコンウエハを
用意し、二酸化シリコン膜23を0.5μm形成し、次
に薄膜カンチレバー21及び後工程にて第2基板19を
裏面から結晶軸異方性エッチングする際のマスクとなる
窒化シリコン膜22を低圧CVD(Low Press
ure Chemical Vapour Depos
ition)にて0.5μm形成した。窒化シリコン膜
の成膜条件は成膜温度848℃、流量比NH3:SiH2
Cl2=10ccm:20ccm、成膜圧力0.2To
rrである。第2基板上面の窒化シリコン膜をフォトリ
ソグラフィプロセスによりフォトレジストのカンチレバ
ーパターンを形成した後に、CF4を用いた反応性イオ
ンエッチングにより図3(e)に示す薄膜カンチレバー
状にパターニングし、さらに第2基板の薄膜カンチレバ
ー21が形成された場所の裏面の窒化シリコン膜22及
び二酸化シリコン膜23の一部をフォトリソグラフィプ
ロセスとCF4を用いた反応性イオンエッチングにより
図3(e)に示すようにパターニングした。かかる薄膜
カンチレバー上に、Ni−Fe1000Å、Cr500
Åを交互積層した多層膜を形成することにより、磁気抵
抗効果を有するMR素子を形成した(図3(e))。そ
の後、Ti50Å、Au1000Åを真空蒸着法により
成膜し、フォトリソグラフィプロセスとエッチングによ
りパターニングし、引き出し電極対9を形成した(図3
(e))。
【0019】次に、絶縁層4としてSiO21500Å
をMR素子上に形成し、フォトリソグラフィプロセスと
エッチングによりパターニングし、続いてTi50Å、
Pt1000Åを真空蒸着法により成膜し接合層8を形
成した(図3(e))。本実施例においては、絶縁層の
パターニングを行なったが、MR素子及び引き出し電極
対全面に絶縁層を形成しても良い。次に、第1基板1上
の磁性体層7と第2基板19上の接合層8とを位置合わ
せし、接合を行った(図3(f))。接合は第1基板と
第2基板の裏面に圧力を加えて圧着する方法を用いてい
る。これによりPtとCoPtとの金属結合がなされ、
磁性体層7と接合層8が接合する。第1基板と第2基板
を当接後に離すことにより、第1基板上のAlからなる
剥離層5との界面から磁性体層7が剥離し、図3(g)
に示す微小探針11を薄膜カンチレバー自由端上のMR
素子上に絶縁層を介して転写できた。次に、水酸化カリ
ウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッチングにより第2
基板の裏面側からシリコンをエッチングし、さらに裏面
側から二酸化シリコン膜をHF水溶液にて除去した。こ
のようにしてMR素子10及び、磁性体よりなる微小探
針11を薄膜カンチレバー21の自由端上に有し、該薄
膜カンチレバーの一端がシリコンブロック24に固定さ
れたプローブを形成できた(図3(h))。
【0020】本発明の製造方法により作製した磁気抵抗
検出用のプローブでは、微小探針形状のMR素子をカン
チレバーの自由端のみに形成することができた。作製し
た本発明の微小探針形状MR素子10をSEM(走査型
電子顕微鏡)で観察したところ、先端はシリコンの結晶
軸異方性エッチングによってできた逆ピラミッドの形状
を写された形状(replicated shape)
を有し、先端が鋭利に形成されている微小探針である事
が確認できた。またその微小探針の先端曲率半径は0.
03μm以下であった。また、このようにして作製され
た微小探針は中空の領域を有している。これにより、薄
膜カンチレバー等の自由端に微小探針を設ける場合、図
11の形成法にて作製した同等の高さの探針に比べて、
約2分の1の重量となり軽量化され、探針付きのカンチ
レバーの共振周波数の低下を抑えることができた。つぎ
に、図10を用いて、本発明のプローブを適用可能なプ
ローブ接触走査方式磁気顕微鏡の原理を説明する。試料
64に対し、先端の微小探針50が接触するように、プ
ローブ51が配置されている。プローブ51において、
微小探針50は弾性変形を生じるカンチレバー(弾性
体)54により支持されている。ここで、典型値として
は、カンチレバー54の弾性定数が約0.1[N/
m]、弾性変形量が約1[μm]であるが、このとき試
料に対する探針の接触力は約10-7[N]程度となる。
MR素子50はコイル70によって一定方向にバイアス
磁界がかけられている。試料64に取り付けられたxy
z駆動機構65により、プローブ51と試料64とは相
対的に3次元方向に移動される。試料64に対し、プロ
ーブ51のxy方向及びz方向位置を調節し、試料64
上の所望の位置に、かつ所望の接触力で接触させた状態
にプローブ51が位置合わせされる。本発明のプローブ
を上述した方法で試料に近接させ、バイアス電流を流
し、試料上を走査することによって生じる磁気抵抗の変
化の検出を行なった。試料としては、TbFeCoから
なる光磁気ディスクを用いた。この結果、光磁気ディス
クの磁気ドメインを観察することができた。
【0021】[実施例2]本発明の実施例2を以下に示
す。図4は本実施例により作成したプローブの概略図で
ある。図5及び6は微小探針及びMR素子を窒化シリコ
ンからなる薄膜カンチレバー上に設けた磁気抵抗検出用
のプローブ製造方法の工程を示す図1A−A’面での断
面図である。本実施例の第1基板として、図5(a)に
おいて、実施例1と同様に、酸化ガスにより熱酸化して
形成した二酸化シリコン膜からなる保護層2が形成され
た結晶方位面が<100>のシリコンウエハを第1基板
1として用意し、深さ3.4μmの(111)と(10
0)の結晶面からなる凹部3を形成した。次に実施例1
と同様に、保護層2をHF水溶液によりエッチング除去
した後に、凹部3を含む第1基板上にAgを真空蒸着法
により全面に700Å成膜し、剥離層5を形成した(図
5(b))。
【0022】次に図5(c)に示すように、微小探針材
料となる80at%Ni−Feパーマロイをスパッタ法
により、全面に5000Å成膜し磁性体層7を形成し
た。その後、SiO2からなる絶縁層4をスパッタ法に
より1500Å形成し、続いてAuからなる金属層6を
1000Å成膜した。Agからなる剥離層5とシリコン
は密着力が弱く、後工程にて第1基板と剥離層との界面
から剥離することが可能である。また、絶縁層4は微小
探針と後に形成するMR素子を電気的に絶縁するために
形成したものであり、金属層6は後工程にて磁性体層を
接合層上に転写するため用いた。次に、レジストを塗布
し、露光、現像するフォトリソグラフィプロセスにより
レジストをパターニングし、該フォトレジストをマスク
として絶縁層4、金属層6、磁性体層7及び剥離層5を
Arイオンによりイオンミリング(Ion Milli
ng)し、フォトレジストを除去し図5(d)に示すよ
うにパターニングし転写前の微小探針を形成した。
【0023】次に実施例1と同様に、第2基板19とし
てシリコンウエハを用意し、二酸化シリコン膜23を
0.5μm形成し、次に薄膜カンチレバー21及び後工
程にて第2基板19を裏面から結晶軸異方性エッチング
する際のマスクとなる窒化シリコン膜22を低圧CVD
(Low Pressure Chemical Va
pour Deposition)にて0.5μm形成
した。窒化シリコン膜の成膜条件は成膜温度848℃、
流量比NH3:SiH2Cl2=10ccm:20cc
m、成膜圧力0.2Torrである。第2基板上面の窒
化シリコン膜をフォトリソグラフィプロセスによりフォ
トレジストのカンチレバーパターンを形成した後にCF
4を用いた反応性イオンエッチングにより薄膜カンチレ
バー状にパターニングし、さらに第2基板の薄膜カンチ
レバー21が形成された場所の裏面の窒化シリコン膜2
2及び二酸化シリコン膜23の一部をフォトリソグラフ
ィプロセスとCF4を用いた反応性イオンエッチングに
よりパターニングした。続いて、上述の薄膜カンチレバ
ー21上にNi−Fe1000Å、Cr500Åを交互
積層した多層膜を形成することにより、磁気抵抗効果を
有するMR素子を形成した(図6(e))。その後、T
i50Å、Au1000Åを真空蒸着法により成膜し、
フォトリソグラフィプロセスとエッチングによりパター
ニングし、引き出し電極9及び、接合層8をMR素子上
に形成した(図6(e))。
【0024】続いて第1基板1上の磁性体層7下部のA
uからなる金属層6と第2基板19上の接合層8とを位
置合わせし、接合を行った(図5(b))。接合は第1
基板と第2基板の裏面に圧力を加えて圧着する方法を用
いている。これによりAuとAuとの金属結合がなさ
れ、金属層6と接合層8が接合する。第1基板と第2基
板を当接後に離すことにより、Agからなる剥離層5と
シリコンからなる第1基板との界面から剥離し、図6
(g)に示す剥離層5を有する磁性体層が薄膜カンチレ
バー先端部に形成されたMR素子10上に転写できた。
さらに、剥離層のみを、Arイオンプラズマによりエッ
チングし磁性体層を表出させた。
【0025】次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶
軸異方性エッチングにより第2基板の裏面側からシリコ
ンをエッチングし、さらに裏面側から二酸化シリコン膜
をHF水溶液にて除去した。このようにしてMR素子1
0を有する薄膜カンチレバーの自由端上に微小探針を有
し、該薄膜カンチレバーの一端がシリコンブロック24
に固定されたプローブを形成できた(図6(h))。
【0026】上述した方法により作製した磁性体よりな
る微小探針をSEMで観察したところ、先端はシリコン
の結晶軸異方性エッチングにてできた凹形状を写された
形状(replicated shape)を有してい
る微小探針である事が確認できた。本実施例において
も、実施例1と同様に本発明のプローブを上述した方法
で試料に近接させ、バイアス電流を印加し、試料上を走
査することによって生じる磁気抵抗の変化の検出を行な
った。試料としては、TbFeCoからなる光磁気ディ
スクを用いた。この結果、本実施例においても光磁気デ
ィスクの磁気ドメインを観察することができた。
【0027】[実施例3]図7は実施例3により作成し
たプローブの概略図である。図8、及び図9は本発明の
MR素子を窒化シリコンからなる薄膜カンチレバー上に
設けた磁気抵抗検出用のMR素子及びプローブ製造方法
の工程を示す図7A−A’面での断面図である。21は
薄膜カンチレバーであり、4は絶縁層、6は金属層、8
は接合層、9は引き出し電極、10はMR素子、11は
磁性体からなる微小探針、23は二酸化シリコン膜、2
2はシリコンウエハを裏面からエッチングする際にマス
クとして用いた窒化シリコン膜、24はシリコンウエハ
をエッチングして形成した薄膜カンチレバーの一端を固
定支持するシリコンブロックである。
【0028】実施例1と同様に、まず、酸化ガスにより
熱酸化して形成した二酸化シリコン膜からなる保護層2
が形成された結晶方位面が<100>のシリコンウエハ
を第1基板として用意し、フォトリソグラフィプロセス
により深さ3.4μmの(111)の結晶面からなる逆
ピラミッド状の凹部3を形成した(図8(a))。
【0029】次に保護層2をHF水溶液によりエッチン
グ除去した後に、凹部3を含む第1基板上にAgを真空
蒸着法により全面に700Å成膜し、剥離層5を形成し
た。その後引き続きタングステンWをスパッタ法により
3000Å成膜し、絶縁層4を形成した(図8
(b))。続いて、図8(c)に示すように、微小探針
材料となる80at%Ni−Feパーマロイをスパッタ
法により、全面に3000Å成膜し磁性体層7を形成し
た。続いてAuからなる金属層6を5000Å成膜し
た。Agからなる剥離層5とシリコンは密着力が弱く、
後工程にて第1基板と剥離層との界面から剥離すること
が可能である。また、金属層6は後工程にて磁性体層を
接合層上に転写するため用いた。絶縁層4は、試料とM
R素子の間を電気的に絶縁するために形成したもので、
試料とMR素子は、磁性体を介して、磁気的に結合して
いる。次に、レジストを塗布し、露光、現像するフォト
リソグラフィプロセスによりレジストをパターニング
し、該フォトレジストをマスクとして金属層6をパター
ニングした後、さらに磁性体層7及び剥離層5、絶縁層
4をArイオンによりイオンミリング(Ion Mil
ling)し、フォトレジストを除去し図8(d)に示
すようにパターニングし転写前の微小探針を形成した。
【0030】次に第2基板19としてシリコンウエハを
用意し、二酸化シリコン膜23を0.5μm形成し、次
に薄膜カンチレバー21及び後工程にて第2基板19を
裏面から結晶軸異方性エッチングする際のマスクとなる
窒化シリコン膜22を低圧CVD(Low Pres
sure Chemical Vapour Depo
sition)にて0.5μm形成した。窒化シリコン
膜の成膜条件は成膜温度848℃、流量比NH3:Si
2Cl2=10ccm:20ccm、成膜圧力0.2T
orrである。第2基板上面の窒化シリコン膜をフォト
リソグラフィプロセスによりフォトレジストのカンチレ
バーパターンを形成した後に、CF4を用いた反応性イ
オンエッチングにより図9(e)に示す薄膜カンチレバ
ー状にパターニングし、さらに第2基板の薄膜カンチレ
バー21が形成された場所の裏面の窒化シリコン膜22
及び二酸化シリコン膜23の一部をフォトリソグラフィ
プロセスとCF4を用いた反応性イオンエッチングによ
り図9(e)に示すようにパターニングした。
【0031】続いて、上述の薄膜カンチレバー21上に
Ni−Fe1000Å、Cr500Åを交互積層した多
層膜を形成することにより、磁気抵抗効果を有するMR
素子を形成した(図9(e))。その後、Ti50Å、
Au1000Åを真空蒸着法により成膜し、フォトリソ
グラフィプロセスとエッチングによりパターニングし、
引き出し電極9及び、接合層8を形成した(図9
(e))。つぎに、第1基板1上の磁性体層7下部のA
uからなる金属層6と第2基板19上の接合層8とを位
置合わせし、接合を行った(図9−(f))。接合は第
1基板と第2基板の裏面に圧力を加えて圧着する方法を
用いている。これによりAuとAuとの金属結合がなさ
れ、金属層6と接合層8が接合する。第1基板と第2基
板を当接後に離すことにより、Agからなる剥離層5と
シリコンからなる第1基板との界面から剥離し、さら
に、剥離層のみを、Arイオンプラズマによりエッチン
グし磁性体層を表出させることによって、図9(g)に
示すように、絶縁層4を有する磁性体層を薄膜カンチレ
バー先端部に転写できた。
【0032】次に、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶
軸異方性エッチングにより第2基板の裏面側からシリコ
ンをエッチングし、さらに裏面側から二酸化シリコン膜
をHF水溶液にて除去した。このようにして微小探針1
0を薄膜カンチレバーの自由端の先端部上に有し、該薄
膜カンチレバーの一端がシリコンブロック24に固定さ
れたプローブを形成できた(図9(h))。
【0033】本実施例において形成された磁性体層から
なる微小探針は表面に絶縁層4を有し、かつ、MR素子
とは空隙を介して磁気的に結合しているため、かかる微
小探針を介して、試料とMR素子の間は電気的に絶縁さ
れた状態にある。本実施例においても、実施例1と同様
に本発明のプローブを上述した方法で試料に近接させ、
バイアス電流を印加し、試料上を走査することによって
生じる磁気抵抗の変化の検出を行なった。試料として
は、TbFeCoからなる光磁気ディスクを用いた。こ
の結果、本実施例においても光磁気ディスクの磁気ドメ
インを観察することができた。
【0034】[実施例4]本実施例においては、実施例
1で用いた、第1基板の雌型を再利用した。実施例1で
使用した第1基板をHF水溶液にて洗浄した後に、該第
1基板を用いて、再度実施例1の図2(b)〜図2
(d)と同様の工程により、剥離層、磁性体層を形成
し、フォトリソグラフィプロセスとエッチングにより、
パターニングして、微小探針を形成し、つぎに図3
(e)〜図3(h)の工程により微小探針及びMR素子
を有する薄膜カンチレバーを作製した。かかる微小探針
の先端曲率半径は0.03μmとなり、再利用前に形成
した微小探針の先端曲率半径と同様であった。これによ
り、微小探針の雌型となる第1基板を再利用可能である
ことがわかった。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上の構成による微小探針ま
たはプローブの製造方法によって、微小探針先端を任意
の形状で製造することが可能となり、凹部を形成した第
1基板、すなわち微小探針の雌型は繰り返し使用できる
ため、生産性の向上、製造コストの低減を図ることがで
きる。また、本発明によると、磁性体の微小探針をカン
チレバーの自由端のみに形成することにより、薄膜カン
チレバーは磁性体層の膜応力により反ることがなく、且
つ磁性体層をカンチレバー上に形成した際に問題となっ
た漏洩磁界の影響を回避することができ、さらに、磁性
体層の膜厚により薄膜カンチレバーが反ることはなく、
所望の膜厚を得ることが可能となる。また、本発明によ
ると、第2基板上にMR素子、引き出し電極対及び接合
層を有する薄膜カンチレバーをあらかじめ形成させてお
くことにより、微小探針及びMR素子を有する薄膜カン
チレバーからなる磁気抵抗検出用のプローブを容易に作
製することができる。また、本発明の微小探針は、磁性
体層と接合層との間で、それらに囲まれた中空の領域を
有する構成を採ることが可能となり、それによって微小
探針を軽量化でき、探針付きのカンチレバーの共振周波
数の低下を抑えることができる。さらに、微小探針をカ
ンチレバー先端部に形成し、該微小探針によって検出し
た漏洩磁界の変化を薄膜カンチレバー上に形成され、か
つ微小探針と磁気的に結合しているMR素子の磁気抵抗
の変化として検出するので、高い再生周波数において
も、再生出力を低下させることなく、かつ高密度で磁気
情報を検出することが可能となる。本発明は、このよう
な、微小探針をカンチレバー先端部に形成したプローブ
で、磁気顕微鏡を構成することにより、磁気情報を、薄
膜カンチレバーのたわみ量を検知することによってカン
チレバー先端と試料の間隔制御を行いながら検出し、試
料表面の凹凸に影響されることなく磁気情報を検出する
ことが可能となるから、プローブ・試料間の間隔制御の
ための特別なサーボ回路を必要とせず、装置の簡略化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1の微小探針及びMR素子を有す
るプローブを示す図であり、図1(a)はその上面図、
図1(b)はその側面図である。
【図2】実施例1の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブ製造方法の作製工程を示す断面図である。
【図3】実施例1の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブ製造方法の作製工程を示す断面図である。
【図4】実施例2の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブを示す図であり、図4(a)はその上面図、図4
(b)はその側面図である。
【図5】実施例2の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブ製造方法の作製工程を示す断面図である。
【図6】実施例2の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブ製造方法の作製工程を示す断面図である。
【図7】実施例3の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブを示す図であり、図7(a)はその上面図、図7
(b)はその側面図である。
【図8】実施例3の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブ製造方法の作製工程を示す断面図である。
【図9】実施例3の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブ製造方法の作製工程を示す断面図である。
【図10】本発明の微小探針及びMR素子を有するプロ
ーブを用いる磁気顕微鏡の概略図である。
【図11】従来例の微小探針の製造方法の主要工程を示
す断面図である。
【図12】従来例の微小探針の製造工程断面図である。
【符号の説明】
1:第1基板 2:保護層 3:凹部 5:剥離層 6:金属層 7:磁性体層 8:接合層 9:引き出し電極 10:微小探針 11:MR素子 19:第2基板 21:薄膜カンチレバー 22:窒化シリコン膜 23:二酸化シリコン膜 24:シリコンブロック 510:二酸化シリコン 514:シリコンウエハ 518:ピット 520、521:窒化シリコン層 522:ピラミッド状ピット 530:ガラス板 532:Cr層 534:ソウカット 540:マウンティングブロック 542:金属膜 543:磁性体層 621:基板 622:レジスト 623:探針 624:レジスト開口部 625:導電性材料

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気情報の検出に用いる微小探針の製造方
    法において、一方の基板である第1基板に探針材料層で
    ある磁性体層を形成し、他方の基板である第2基板に形
    成した磁気抵抗素子上の接合層に、前記第1基板の磁性
    体層を転写して微小探針を形成することを特徴とする微
    小探針の製造方法。
  2. 【請求項2】前記微小探針の製造方法は、(a)第1基
    板の表面に凹部を形成する工程と、(b)前記第1基板
    の凹部を含む基板上に、剥離層を形成する工程と、
    (c)前記第1基板における凹部を含む剥離層上に、磁
    性体層を被覆する工程と、(d)第2基板に磁気抵抗素
    子を形成する工程と、(e)前記第2基板の磁気抵抗素
    子を含む基板上に、引き出し電極対を形成する工程と、
    (f)前記第2基板の磁気抵抗素子上に絶縁層を被覆す
    る工程と、(g)前記絶縁層上に接合層を被覆する工程
    と、(h)前記第1基板における凹部を含む剥離層上の
    磁性体層を、前記第2基板における絶縁層上の接合層に
    接合する工程と、(i)前記剥離層と磁性体層、あるい
    は前記剥離層と第1基板の界面で剥離を行い接合層に磁
    性体層を転写する工程とを、少なくとも有することを特
    徴とする請求項1に記載の微小探針の製造方法。
  3. 【請求項3】微小探針の製造方法は、(a)第1基板の
    表面に凹部を形成する工程と、(b)前記第1基板の凹
    部を含む基板上に、剥離層を被覆する工程と、(c)前
    記第1基板における凹部を含む剥離層上に、磁性体層を
    被覆する工程と、(d)前記第1基板における凹部を含
    む剥離層上の磁性体層に、絶縁層を被覆する工程と、
    (e)前記第1基板の凹部を含む剥離層上の磁性体層を
    被覆する絶縁層に、金属層を被覆する工程と、(f)第
    2基板に磁気抵抗素子を形成する工程と、(g)前記第
    2基板の磁気抵抗素子を含む基板上に、引き出し電極対
    を形成する工程と、(h)前記第2基板の磁気抵抗素子
    上に接合層を被覆する工程と、(i)前記第1基板にお
    ける凹部を含む剥離層上の磁性体層、絶縁層を介してな
    る金属層を、前記第2基板の磁気抵抗素子上の接合層に
    接合する工程と、(j)前記剥離層と磁性体層、あるい
    は前記剥離層と第1基板の界面で剥離を行い磁気抵抗素
    子に磁性体層を転写する工程とを、少なくとも有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の微小探針の製造方法。
  4. 【請求項4】微小探針の製造方法は、(a)第1基板の
    表面に凹部を形成する工程と、(b)前記第1基板の凹
    部を含む基板上に、剥離層を形成する工程と、(c)前
    記第1基板における凹部を含む剥離層上に、絶縁層を形
    成する工程と、(d)前記第1基板における凹部を含む
    剥離層上の絶縁層に、磁性体層を形成する工程と、
    (e)前記第1基板の凹部を含む剥離層上の絶縁層に形
    成された磁性体層に、金属層を形成する工程と、(f)
    第2基板に磁気抵抗素子を形成する工程と、(g)前記
    第2基板の磁気抵抗素子を含む基板上に、引き出し電極
    対を形成する工程と、(h)前記磁気抵抗素子を含む第
    2基板上に接合層を形成する工程と、(i)前記第1基
    板における凹部を含む剥離層上の絶縁層、磁性体層を介
    してなる金属層を、前記第2基板における接合層に接合
    する工程と、(j)前記剥離層と磁性体層、あるいは前
    記剥離層と第1基板の界面で剥離を行い接合層上に磁性
    体層を転写する工程とを、少なくとも有することを特徴
    とする請求項1に記載の微小探針の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1基板が、単結晶シリコン基板であ
    り、結晶軸異方性エッチングにより基板表面に凹部を形
    成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の微小探針の製造方法。
  6. 【請求項6】前記接合層が、金属であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の微小探針の製造
    方法。
  7. 【請求項7】前記磁性体層を第2基板上の接合層に接合
    する工程が、金属材料間の圧着による金属結合により達
    成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の微小探針の製造方法。
  8. 【請求項8】前記磁気抵抗素子が、強磁性体と非磁性材
    料の多層膜からなることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の微小探針の製造方法。
  9. 【請求項9】基板と、該基板上に形成された接合層、該
    接合層上に形成された磁性体層からなる微小探針であっ
    て、該微小探針が逆ピラミッド型を写しとった形状を有
    することを特徴とする微小探針。
  10. 【請求項10】前記磁性体層が、基板上に形成された接
    合層に金属材料間の圧着による金属結合されていること
    を特徴とする請求項9に記載の微小探針。
  11. 【請求項11】微小探針と薄膜カンチレバーからなるプ
    ローブの製造方法において、一方の基板である第1基板
    に探針材料層である磁性体層を形成し、他方の基板であ
    る第2基板に形成した薄膜カンチレバーの磁気抵抗素子
    上の接合層に、前記第1基板の磁性体層を転写すること
    を特徴とするプローブの製造方法。
  12. 【請求項12】前記プローブの製造方法は、(a)第1
    基板の表面に凹部を形成する工程と、(b)前記第1基
    板の凹部を含む基板上に、剥離層を形成する工程と、
    (c)前記第1基板における凹部を含む剥離層上に、磁
    性体層を被覆する工程と、(d)第2基板に薄膜カンチ
    レバーを形成する工程と、(e)前記薄膜カンチレバー
    上に磁気抵抗素子を形成する工程と、(f)前記磁気抵
    抗素子を含む薄膜カンチレバー上に引き出し電極対を形
    成する工程と、(g)前記磁気抵抗素子を含む薄膜カン
    チレバー上に絶縁層を被覆する工程と、(h)前記磁気
    抵抗素子上に接合層を形成する工程と、(i)前記第1
    基板における凹部を含む剥離層上の磁性体層を、前記第
    2基板における接合層に接合する工程と、(j)前記剥
    離層と磁性体層、あるいは前記剥離層と第1基板の界面
    で剥離を行い接合層に磁性体層を転写する工程と、
    (k)前記薄膜カンチレバーの一端が第2基板に固定さ
    れる様に薄膜カンチレバー下部の第2基板の一部を除去
    する工程とを、 少なくとも有することを特徴とする請求項11に記載の
    プローブの製造方法。
  13. 【請求項13】前記プローブの製造方法は、(a)第1
    基板の表面に凹部を形成する工程と、(b)前記第1基
    板の凹部を含む基板上に、剥離層を被覆する工程と、
    (c)前記第1基板における凹部を含む剥離層上に、磁
    性体層を被覆する工程と、(d)前記第1基板における
    凹部を含む剥離層上の磁性体層に、絶縁層を被覆する工
    程と、(e)前記第1基板の凹部を含む剥離層上の磁性
    体層を被覆する絶縁層に、金属層を被覆する工程と、
    (f)第2基板に薄膜カンチレバーを形成する工程と、
    (g)前記薄膜カンチレバー上に磁気抵抗素子を形成す
    る工程と、(h)前記磁気抵抗素子を含む第2基板上に
    引き出し電極対を形成する工程と、(i)前記磁気抵抗
    素子上に接合層を被覆する工程と、(j)前記第1基板
    における凹部を含む剥離層上の磁性体層、絶縁層を介し
    てなる金属層を、前記第2基板の磁気抵抗素子上の接合
    層に接合する工程と、(k)前記剥離層と磁性体層、あ
    るいは前記剥離層と第1基板の界面で剥離を行い磁気抵
    抗素子に磁性体層を転写する工程と、(l)前記薄膜カ
    ンチレバーの一端が第2基板に固定される様に薄膜カン
    チレバー下部の第2基板の一部を除去する工程とを、 少なくとも有することを特徴とする請求項11に記載の
    プローブの製造方法。
  14. 【請求項14】前記プローブの製造方法は、(a)第1
    基板の表面に凹部を形成する工程と、(b)前記第1基
    板の凹部を含む基板上に、剥離層を形成する工程と、
    (c)前記第1基板における凹部を含む剥離層上に、絶
    縁層を形成する工程と、(d)前記第1基板における凹
    部を含む剥離層上の絶縁層に、磁性体層を形成する工程
    と、(e)前記第1基板の凹部を含む剥離層上の絶縁層
    に形成された磁性体層に、金属層を形成する工程と、
    (f)第2基板に薄膜カンチレバーを形成する工程と、
    (g)前記薄膜カンチレバー上に磁気抵抗素子を形成す
    る工程と、(h)前記磁気抵抗素子を含む薄膜カンチレ
    バー上に引き出し電極対を形成する工程と、(i)前記
    磁気抵抗素子を含む薄膜カンチレバー上に接合層を形成
    する工程と、(j)前記第1基板における凹部を含む剥
    離層上の絶縁層、磁性体層を介してなる金属層を、前記
    第2基板における接合層に接合する工程と、(k)前記
    剥離層と磁性体層、あるいは前記剥離層と第1基板の界
    面で剥離を行い接合層上に磁性体層を転写する工程と、
    (l)前記薄膜カンチレバーの一端が第2基板に固定さ
    れる様に薄膜カンチレバー下部の第2基板の一部を除去
    する工程とを、 少なくとも有することを特徴とする請求項11に記載の
    プローブの製造方法。
  15. 【請求項15】前記磁気抵抗素子が、強磁性体と非磁性
    材料の多層膜からなることを特徴とする請求項11〜1
    4のいずれか1項に記載のプローブの製造方法。
  16. 【請求項16】一方が基板に固定された薄膜カンチレバ
    ーからなり、磁気抵抗を検出するプローブにおいて、該
    プローブの薄膜カンチレバー上に、磁性体からなる微小
    探針と、該微小探針と磁気的に結合している磁気抵抗素
    子と、該磁気抵抗素子にバイアス電流を印加し、磁気抵
    抗を検出するための引き出し電極対とを有することを特
    徴とするプローブ。
  17. 【請求項17】前記引き出し電極対は、電流が一方の引
    き出し電極から磁気抵抗素子を経由して他方の引き出し
    電極に流れることを特徴とする請求項16に記載のプロ
    ーブ。
  18. 【請求項18】請求項15〜17のいずれか1項に記載
    のプローブを用いた磁気顕微鏡であって、前記磁性体層
    にコイルを用いてバイアス磁界をかけ、かかる状態にお
    ける磁界変化に伴う磁性体の抵抗変化をバイアス電流を
    かけることによって検出することを特徴とする磁気顕微
    鏡。
  19. 【請求項19】プローブ・試料間に作用する力によって
    プローブを支持する弾性体を変形させることにより、前
    記プローブ・試料との間隔制御を行なうことを特徴とす
    る請求項16に記載の磁気顕微鏡。
  20. 【請求項20】プローブ・試料間に作用する力としてプ
    ローブ・試料間の原子間斥力を用いることを特徴とする
    請求項18または請求項19に記載の磁気顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6717402B2 (en) 2001-03-02 2004-04-06 Hokkaido University Probe having at least one magnetic resistive element for measuring leakage magnetic field
US7023204B2 (en) 2002-11-18 2006-04-04 International Business Machine Corporation Magnetic imaging microscope test system and its application for characterization of read and write heads for magnetic recording
KR100732368B1 (ko) 2005-07-14 2007-06-27 전자부품연구원 강유전체를 이용한 원자간력 현미경 캔틸레버의 탐침 및 그제조방법
WO2021053033A1 (fr) * 2019-09-19 2021-03-25 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Empilement magnétorésistif sans champ rayonné, capteur et système de cartographie magnétique comprenant un tel empilement

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