JPH09222430A - プローブユニット、及びこれを用いた情報記録再生装置 - Google Patents
プローブユニット、及びこれを用いた情報記録再生装置Info
- Publication number
- JPH09222430A JPH09222430A JP5416796A JP5416796A JPH09222430A JP H09222430 A JPH09222430 A JP H09222430A JP 5416796 A JP5416796 A JP 5416796A JP 5416796 A JP5416796 A JP 5416796A JP H09222430 A JPH09222430 A JP H09222430A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cantilever
- probe unit
- probe
- substrate
- microprobe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、カンチレバー自身の反りがなく、電
極面積を小さくすることが可能で、記録媒体との間に発
生する浮遊容量の低減と記録速度の向上を図ることがで
き、また、鋭利な先端を有する導電性の金属微小探針を
再現性よくカンチレバー上に形成することが可能で、微
小探針のビット列への正確な位置合わせ等を行うことの
できるプローブユニット及びこれを用いた情報記録再生
装置を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明は、上記課題を達成すめために、水
晶基板及び該水晶基板上に形成されたSi単結晶層から
なるカンチレバー上に、金属からなる微小探針を形成し
たプローブを備えたプローブユニットであって、前記水
晶基板の一部に電圧印加することにより該水晶基板の一
部を駆動させる機構を有するプローブユニットと、これ
を用いた情報記録再生装置を構成するものである。
極面積を小さくすることが可能で、記録媒体との間に発
生する浮遊容量の低減と記録速度の向上を図ることがで
き、また、鋭利な先端を有する導電性の金属微小探針を
再現性よくカンチレバー上に形成することが可能で、微
小探針のビット列への正確な位置合わせ等を行うことの
できるプローブユニット及びこれを用いた情報記録再生
装置を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明は、上記課題を達成すめために、水
晶基板及び該水晶基板上に形成されたSi単結晶層から
なるカンチレバー上に、金属からなる微小探針を形成し
たプローブを備えたプローブユニットであって、前記水
晶基板の一部に電圧印加することにより該水晶基板の一
部を駆動させる機構を有するプローブユニットと、これ
を用いた情報記録再生装置を構成するものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡に用いるプローブユニットと、該プローブユニット
を用いた情報処理装置に関するものである。
微鏡に用いるプローブユニットと、該プローブユニット
を用いた情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子的スケールの空間分解能を持つ表面
顕微鏡として、走査型トンネル顕微鏡(以下STMとす
る)あるいは走査型原子間力顕微鏡(以下AFMとす
る)が実用化されている(これらは走査型プローブ顕微
鏡(以下STMとする)と総称されている)。これらの
SPMでは、微小探針が試料表面に原子レベルでアクセ
スできることを応用し、局所領域に記録情報を書き込
む、情報記録再生装置が考えられている。STMは、バ
イアスのかかった導電性微小探針と導電性試料の距離を
数オングストローム以下に接近させた時に流れるトンネ
ル電流を検出し、トンネル電流が一定になるように微小
探針と試料との間の距離を制御しながら微小探針を走査
させ、トンネル電流または帰還制御信号を画像化するこ
とによって表面像を構成する。STMを応用した記録方
法としては、微小探針と記録媒体の間に電圧を印加し、
局所的に記録媒体の表面形態を変化させる方法、或は記
録媒体の導電性を変化させる方法などがある。一方AF
Mは、微小探針を試料に数オングストローム以下に接近
させたときに微小探針と試料表面とに働く原子間力を検
出し、微小探針を二次元平面的に走査させて、凹凸情報
を含む表面像を構成する。原子間力を検出する手段とし
ては、一端を固定し、自由端近傍に微小探針を保持した
弾性体のカンチレバーが用いられている。
顕微鏡として、走査型トンネル顕微鏡(以下STMとす
る)あるいは走査型原子間力顕微鏡(以下AFMとす
る)が実用化されている(これらは走査型プローブ顕微
鏡(以下STMとする)と総称されている)。これらの
SPMでは、微小探針が試料表面に原子レベルでアクセ
スできることを応用し、局所領域に記録情報を書き込
む、情報記録再生装置が考えられている。STMは、バ
イアスのかかった導電性微小探針と導電性試料の距離を
数オングストローム以下に接近させた時に流れるトンネ
ル電流を検出し、トンネル電流が一定になるように微小
探針と試料との間の距離を制御しながら微小探針を走査
させ、トンネル電流または帰還制御信号を画像化するこ
とによって表面像を構成する。STMを応用した記録方
法としては、微小探針と記録媒体の間に電圧を印加し、
局所的に記録媒体の表面形態を変化させる方法、或は記
録媒体の導電性を変化させる方法などがある。一方AF
Mは、微小探針を試料に数オングストローム以下に接近
させたときに微小探針と試料表面とに働く原子間力を検
出し、微小探針を二次元平面的に走査させて、凹凸情報
を含む表面像を構成する。原子間力を検出する手段とし
ては、一端を固定し、自由端近傍に微小探針を保持した
弾性体のカンチレバーが用いられている。
【0003】同一装置でAFM及びSTM観察するため
の多機能顕微鏡として、走査型原子間力/トンネル複合
顕微鏡(AFM/STM)がある。これによると、AF
Mで用いられるプローブユニットは基板上に形成された
カンチレバーとそのカンチレバーに保持された微小探針
からなり、微小探針を導電性にすることによって微小探
針と試料との間に流れる電流を検出する。通常の使用方
法では、AFM動作時に微小探針と試料との間にバイア
スを加えて電流を検出し、同一の微小探針による表面凹
凸像とトンネル電流分布像を同時に取得することができ
る。この複合機においても、微小探針が試料表面に原子
レベルでアクセスできることを応用し、局所領域に記録
情報を書き込む、情報記録再生装置が考えられている。
この場合書き込み或いは読み出し速度を高めるため、プ
ローブを複数化する(特開平04−321955号)。
の多機能顕微鏡として、走査型原子間力/トンネル複合
顕微鏡(AFM/STM)がある。これによると、AF
Mで用いられるプローブユニットは基板上に形成された
カンチレバーとそのカンチレバーに保持された微小探針
からなり、微小探針を導電性にすることによって微小探
針と試料との間に流れる電流を検出する。通常の使用方
法では、AFM動作時に微小探針と試料との間にバイア
スを加えて電流を検出し、同一の微小探針による表面凹
凸像とトンネル電流分布像を同時に取得することができ
る。この複合機においても、微小探針が試料表面に原子
レベルでアクセスできることを応用し、局所領域に記録
情報を書き込む、情報記録再生装置が考えられている。
この場合書き込み或いは読み出し速度を高めるため、プ
ローブを複数化する(特開平04−321955号)。
【0004】従来のプローブの作成方法(米国特許第
5,221,415号明細書)は、図7に示すように、
まず二酸化シリコン層201が形成された単結晶シリコ
ン基板202に対して結晶軸異方性エッチングを行い逆
ピラミッド型の凹部203を形成する(図7−a)。凹
部203形成後、二酸化シリコン層201を除去する。
この凹部203を微小探針の雌型とし、次に全面をSi
N層204で被覆し(図7−b)、カンチレバー205
状にパターン化した後(図7−c)、ソウカット溝20
6とCr層207を設けたガラス板208と窒化シリコ
ン層204を接合し(図7−d)、ガラス板208の一
部を破断後(図7−e)、単結晶Si基板202をエッ
チング除去することによりカンチレバー状のプローブ2
10を得ている(図7−f)。そして最後に、光てこ式
AFM用の反射膜となる金属層211を形成する。
5,221,415号明細書)は、図7に示すように、
まず二酸化シリコン層201が形成された単結晶シリコ
ン基板202に対して結晶軸異方性エッチングを行い逆
ピラミッド型の凹部203を形成する(図7−a)。凹
部203形成後、二酸化シリコン層201を除去する。
この凹部203を微小探針の雌型とし、次に全面をSi
N層204で被覆し(図7−b)、カンチレバー205
状にパターン化した後(図7−c)、ソウカット溝20
6とCr層207を設けたガラス板208と窒化シリコ
ン層204を接合し(図7−d)、ガラス板208の一
部を破断後(図7−e)、単結晶Si基板202をエッ
チング除去することによりカンチレバー状のプローブ2
10を得ている(図7−f)。そして最後に、光てこ式
AFM用の反射膜となる金属層211を形成する。
【0005】また微小探針の形成方法しては、図8
(a)に示されるように、例えば基板上に薄膜層を円形
にパターニングし、それをマスク212にして基板21
3をエッチングし、サイドエッチングを利用して微小探
針214を形成する方法(O.Wolter,et.a
l.,”Micromachined silicon
sensors for scanning forc
e microscopy”,J.Vac.Sci.T
echnol.B9(2),Mar/Apr,199
1,pp1353−1357)、さらには図8(b)に
示されるように、逆テーパーをつけたレジスト開口部2
15に基板を回転させながら導電性材料216を斜めか
ら蒸着し、リフトオフすることにより微小探針214を
形成する方法(C.A.Spindt,et.a
l.,”Physical properties o
f thin film field emissio
n cathode with molybdenum
cones”,J.Appl.Phys.,47.1
976,pp5248−5263)等がある。
(a)に示されるように、例えば基板上に薄膜層を円形
にパターニングし、それをマスク212にして基板21
3をエッチングし、サイドエッチングを利用して微小探
針214を形成する方法(O.Wolter,et.a
l.,”Micromachined silicon
sensors for scanning forc
e microscopy”,J.Vac.Sci.T
echnol.B9(2),Mar/Apr,199
1,pp1353−1357)、さらには図8(b)に
示されるように、逆テーパーをつけたレジスト開口部2
15に基板を回転させながら導電性材料216を斜めか
ら蒸着し、リフトオフすることにより微小探針214を
形成する方法(C.A.Spindt,et.a
l.,”Physical properties o
f thin film field emissio
n cathode with molybdenum
cones”,J.Appl.Phys.,47.1
976,pp5248−5263)等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7、
図8に示したような例では以下のような問題点を有して
いた。まずレバーにおいては、 ・真空蒸着或はCVD法などで成膜したSiO2,Si
N,SiC,Cなどは単結晶或はアモルファス状であり
内部応力を少なからず有しているため、レバー自身に反
りを生じてしまう。 ・カンチレバー状プローブに光反射性付与のため、ある
いは導電性付与のために金属膜等を被覆すると、カンチ
レバーと金属膜の間に応力が発生しカンチレバーに反り
が生じる。等の現象が発生する。カンチレバーが微小探
針側に反った場合、カンチレバー先端が、逆に反った場
合はカンチレバーの中央部が試料あるいは記録媒体に接
触してしまうことがある。さらに、プローブを複数化し
た場合、反りバラツキを生じるため特に問題となる。即
ち、AFM/STMの原理を用いた情報処理装置に用い
る場合、同一平面上の複数のプローブを記録媒体に対し
て同時に接触させようとした場合、レバーに反りバラツ
キがあると、記録媒体に対するそれぞれのプローブの荷
重が異なってしまい、荷重によっては解像度の低下或は
記録媒体や微小探針先端の破壊を引き起こす。微小探針
においては、 ・カンチレバー状プローブ上に導電性材料を被覆してS
TMのプローブとする場合には、微小探針最先端部は鋭
利に形成されているため被覆されにくく、トンネル電流
という微弱な電流を取り扱うSTMでは安定な特性を得
ることは難しい。 ・図8(a),(b)に示したような微小探針は、微小
探針形成時のレジストのパターニング条件や、材料のエ
ッチング条件を一定にするのが困難であり、形成される
複数の微小探針の高さや先端曲率半径等の形状を正確に
維持するのが困難である。等の問題点がある。
図8に示したような例では以下のような問題点を有して
いた。まずレバーにおいては、 ・真空蒸着或はCVD法などで成膜したSiO2,Si
N,SiC,Cなどは単結晶或はアモルファス状であり
内部応力を少なからず有しているため、レバー自身に反
りを生じてしまう。 ・カンチレバー状プローブに光反射性付与のため、ある
いは導電性付与のために金属膜等を被覆すると、カンチ
レバーと金属膜の間に応力が発生しカンチレバーに反り
が生じる。等の現象が発生する。カンチレバーが微小探
針側に反った場合、カンチレバー先端が、逆に反った場
合はカンチレバーの中央部が試料あるいは記録媒体に接
触してしまうことがある。さらに、プローブを複数化し
た場合、反りバラツキを生じるため特に問題となる。即
ち、AFM/STMの原理を用いた情報処理装置に用い
る場合、同一平面上の複数のプローブを記録媒体に対し
て同時に接触させようとした場合、レバーに反りバラツ
キがあると、記録媒体に対するそれぞれのプローブの荷
重が異なってしまい、荷重によっては解像度の低下或は
記録媒体や微小探針先端の破壊を引き起こす。微小探針
においては、 ・カンチレバー状プローブ上に導電性材料を被覆してS
TMのプローブとする場合には、微小探針最先端部は鋭
利に形成されているため被覆されにくく、トンネル電流
という微弱な電流を取り扱うSTMでは安定な特性を得
ることは難しい。 ・図8(a),(b)に示したような微小探針は、微小
探針形成時のレジストのパターニング条件や、材料のエ
ッチング条件を一定にするのが困難であり、形成される
複数の微小探針の高さや先端曲率半径等の形状を正確に
維持するのが困難である。等の問題点がある。
【0007】さらに同一基板上に複数のプローブが形成
されたプローブユニットを用いて情報の記録再生を行う
場合は、温度変化の影響や外部からの振動等による僅か
な位置づれを補正するために各プローブに駆動手段を与
える方法がある(C.F.Quate et.a
l.,”Microfabricated of In
tegrated Scanning Tunneli
ng Microscope”STM ’89 Fou
rth International confere
nce S10−2 July 9−14,198
9)。しかしながらこのような多結晶薄膜積層型のプロ
ーブではレバーの反りは避けられない。
されたプローブユニットを用いて情報の記録再生を行う
場合は、温度変化の影響や外部からの振動等による僅か
な位置づれを補正するために各プローブに駆動手段を与
える方法がある(C.F.Quate et.a
l.,”Microfabricated of In
tegrated Scanning Tunneli
ng Microscope”STM ’89 Fou
rth International confere
nce S10−2 July 9−14,198
9)。しかしながらこのような多結晶薄膜積層型のプロ
ーブではレバーの反りは避けられない。
【0008】そこで、本発明は、上記従来技術における
課題を解決するため、カンチレバー自身の反りがなく、
電極面積を小さくすることが可能で、記録媒体との間に
発生する浮遊容量の低減と記録速度の向上を図ることが
でき、また、鋭利な先端を有する導電性の金属微小探針
を再現性よくカンチレバー上に形成することが可能で、
微小探針のビット列への正確な位置合わせ等を行うこと
のできるプローブユニット及びこれを用いた情報記録再
生装置を提供することを目的とするものである。
課題を解決するため、カンチレバー自身の反りがなく、
電極面積を小さくすることが可能で、記録媒体との間に
発生する浮遊容量の低減と記録速度の向上を図ることが
でき、また、鋭利な先端を有する導電性の金属微小探針
を再現性よくカンチレバー上に形成することが可能で、
微小探針のビット列への正確な位置合わせ等を行うこと
のできるプローブユニット及びこれを用いた情報記録再
生装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、プローブユニット及びこれを用いた情報記
録再生装置をつぎのように構成したものである。すなわ
ち、本発明のプローブユニットは、水晶基板及び該水晶
基板上に形成されたSi単結晶層からなるカンチレバー
上に、金属からなる微小探針を形成したプローブを備え
たプローブユニットであって、前記水晶基板の一部に電
圧印加することにより該水晶基板の一部を駆動させる機
構を有することを特徴としている。そして、本発明の上
記プローブユニットにおいては、前記Si単結晶層を不
純物を導入した低抵抗値のもので形成し、その抵抗値
を、0.01Ω・cm以下とすることが好ましい。ま
た、本発明の上記プローブユニットにおいては、前記微
小探針を、Au,Pt,Irのいずれか或はその合金に
より形成することが好ましい。また、本発明の上記プロ
ーブユニットにおいては、前記微小探針は、中空構造を
有し、金属材料からなる接合層を介してカンチレバー上
に接合する構成を採ることができる。その際、この接合
層の金属材料は、Au,Pt,Alのいずれか或いはそ
の積層膜で形成することが好ましい。また、本発明の上
記プローブユニットにおいては、前記カンチレバーの水
晶基板には、結晶軸異方性エッチングによる貫通孔を設
ける構成を採ることができ、また本発明のカンチレバー
は、カンチレバー自身が導電性を有しているから、この
カンチレバー自身を電流の引き出し用配線として用いる
ことができ、引き出し用配線はこのカンチレバーの端部
から電極配線を形成する構成を採ることができる。ま
た、本発明においてはこのようなプローブユニットを用
いて、情報の記録再生を行う情報記録再生装置を構成す
ることができる。
決するため、プローブユニット及びこれを用いた情報記
録再生装置をつぎのように構成したものである。すなわ
ち、本発明のプローブユニットは、水晶基板及び該水晶
基板上に形成されたSi単結晶層からなるカンチレバー
上に、金属からなる微小探針を形成したプローブを備え
たプローブユニットであって、前記水晶基板の一部に電
圧印加することにより該水晶基板の一部を駆動させる機
構を有することを特徴としている。そして、本発明の上
記プローブユニットにおいては、前記Si単結晶層を不
純物を導入した低抵抗値のもので形成し、その抵抗値
を、0.01Ω・cm以下とすることが好ましい。ま
た、本発明の上記プローブユニットにおいては、前記微
小探針を、Au,Pt,Irのいずれか或はその合金に
より形成することが好ましい。また、本発明の上記プロ
ーブユニットにおいては、前記微小探針は、中空構造を
有し、金属材料からなる接合層を介してカンチレバー上
に接合する構成を採ることができる。その際、この接合
層の金属材料は、Au,Pt,Alのいずれか或いはそ
の積層膜で形成することが好ましい。また、本発明の上
記プローブユニットにおいては、前記カンチレバーの水
晶基板には、結晶軸異方性エッチングによる貫通孔を設
ける構成を採ることができ、また本発明のカンチレバー
は、カンチレバー自身が導電性を有しているから、この
カンチレバー自身を電流の引き出し用配線として用いる
ことができ、引き出し用配線はこのカンチレバーの端部
から電極配線を形成する構成を採ることができる。ま
た、本発明においてはこのようなプローブユニットを用
いて、情報の記録再生を行う情報記録再生装置を構成す
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】水晶基板は圧電性及び結晶軸異方
エッチング性を有するため、加速度センサー、圧力セン
サー、ジャイロスコピックセンサーなどの受動素子(J
S Danel and G Delapierr
e,J.Micromech.Microeng.1
(1991)187−198)、水晶発振子、光シャッ
ターなどの能動素子用基板(H.Toshiyoshi
et.al.,Proceeding for Mi
cro Electro Mechanical Sy
stems,Feb 7−10(1993)133−1
38)として用いられてきた。本発明は、上記特性を有
する水晶基板をプローブユニット用の基板として用い、
該水晶基板上に単結晶Siからなるカンチレバーと該カ
ンチレバー上に形成された金属からなる微小探針からな
るプローブを形成し、該水晶基板の一部に電圧印加する
ことにより該水晶基板の一部をプローブと共に駆動させ
る機構を有するプローブユニットを提供するものであ
る。本発明において、カンチレバーは単結晶Siよりな
るためレバー自身の内部応力は発生せず反りの極めて小
さいレバーを得ることができる。また微小探針は金属よ
りなるため、トンネル電流という微弱な電流を取り扱う
STMでは安定した特性を得ることができる。さらに、
以上のプローブを水晶基板上に形成し、この水晶基板に
電圧印加して駆動させることにより、微小探針のビット
列への位置合わせ或いはビット列からの逸脱を回避でき
る。またこの駆動を利用してトラッキングも可能にな
る。
エッチング性を有するため、加速度センサー、圧力セン
サー、ジャイロスコピックセンサーなどの受動素子(J
S Danel and G Delapierr
e,J.Micromech.Microeng.1
(1991)187−198)、水晶発振子、光シャッ
ターなどの能動素子用基板(H.Toshiyoshi
et.al.,Proceeding for Mi
cro Electro Mechanical Sy
stems,Feb 7−10(1993)133−1
38)として用いられてきた。本発明は、上記特性を有
する水晶基板をプローブユニット用の基板として用い、
該水晶基板上に単結晶Siからなるカンチレバーと該カ
ンチレバー上に形成された金属からなる微小探針からな
るプローブを形成し、該水晶基板の一部に電圧印加する
ことにより該水晶基板の一部をプローブと共に駆動させ
る機構を有するプローブユニットを提供するものであ
る。本発明において、カンチレバーは単結晶Siよりな
るためレバー自身の内部応力は発生せず反りの極めて小
さいレバーを得ることができる。また微小探針は金属よ
りなるため、トンネル電流という微弱な電流を取り扱う
STMでは安定した特性を得ることができる。さらに、
以上のプローブを水晶基板上に形成し、この水晶基板に
電圧印加して駆動させることにより、微小探針のビット
列への位置合わせ或いはビット列からの逸脱を回避でき
る。またこの駆動を利用してトラッキングも可能にな
る。
【0011】以下に、図面を用いて本発明を詳細に説明
する。図1は本発明のプローブユニットの上面図であ
る。水晶基板101上に単結晶Siからなるカンチレバ
ー102が配置されている。単結晶Siからなるカンチ
レバー102は、トンネル電流引き出しのために不純物
がドープされている。また、カンチレバー102の先端
部には金属製の微小探針103が形成されており、カン
チレバー102と微小探針103の間には金属材料から
なる接合層104が形成されている。カンチレバー10
2の他端側には金属配線105が形成されている。Si
カンチレバー102をトンネル電流引き出し用配線とし
て用いることで、金属配線に起因するカンチレバーの反
りは発生しない。さらに、Siカンチレバー102から
のトンネル電流引き出しも金属配線105を用いて行う
ため、カンチレバー及びそれを保持する基板全面に導電
性材料を被覆したプローブに比べて、電極面積を小さく
することができる。そのため、記録媒体に対して電圧印
加を行い情報の記録を行う場合、記録媒体との間に発生
する浮遊容量を低減でき、従って電圧印加時間を短縮で
きる。即ち、より高速な情報記録が可能となる。基板駆
動用電極106に電圧onすることにより電極下の水晶
基板は収縮し、図1中Y方向に微小探針位置を移動させ
ることができる。またon−offを繰り返すことによ
り高速で振動させることも可能である。振動幅、周波数
等は電圧値、電圧印加時間、水晶基板形状により変える
ことができる。
する。図1は本発明のプローブユニットの上面図であ
る。水晶基板101上に単結晶Siからなるカンチレバ
ー102が配置されている。単結晶Siからなるカンチ
レバー102は、トンネル電流引き出しのために不純物
がドープされている。また、カンチレバー102の先端
部には金属製の微小探針103が形成されており、カン
チレバー102と微小探針103の間には金属材料から
なる接合層104が形成されている。カンチレバー10
2の他端側には金属配線105が形成されている。Si
カンチレバー102をトンネル電流引き出し用配線とし
て用いることで、金属配線に起因するカンチレバーの反
りは発生しない。さらに、Siカンチレバー102から
のトンネル電流引き出しも金属配線105を用いて行う
ため、カンチレバー及びそれを保持する基板全面に導電
性材料を被覆したプローブに比べて、電極面積を小さく
することができる。そのため、記録媒体に対して電圧印
加を行い情報の記録を行う場合、記録媒体との間に発生
する浮遊容量を低減でき、従って電圧印加時間を短縮で
きる。即ち、より高速な情報記録が可能となる。基板駆
動用電極106に電圧onすることにより電極下の水晶
基板は収縮し、図1中Y方向に微小探針位置を移動させ
ることができる。またon−offを繰り返すことによ
り高速で振動させることも可能である。振動幅、周波数
等は電圧値、電圧印加時間、水晶基板形状により変える
ことができる。
【0012】図2は本発明のプローブユニットの製造方
法の一例である。基板には、水晶基板101上にSi単
結晶層107が形成された基板、即ちSOI(sili
con on insulator)基板(図2−a)
を用いる(T.Yonehara,NIKKEI MI
CRODEVICES,10(1994)101−10
6)。まずカンチレバー及び電圧印加用電極を形成す
る。Si単結晶層上にレジストパターンを形成し、これ
をマスクとしてSF6ガスを用いたリアクティブイオン
エッチング(RIE)によりSi単結晶層をパターニン
グしてカンチレバー102及び基板駆動用電極106を
形成する(図2−b)。ここでSi単結晶層107は不
純物導入した低抵抗のものを使用する。抵抗値は好まし
くは、0.01Ω・cm以下のものを用いる。Si単結
晶層107の厚さは所望するカンチレバーのバネ定数に
対して、カンチレバーの形状と共に決定されるが、通常
は0.1から数μm程度である。基板駆動用電極はA
u,Pt,W等の金属を用いても良い。本発明では、S
iレバー自身がトンネル電流取り出し電極と機械的弾性
体の2つの役割を有する。次に、基板上に金属を積層し
た後パターニングしてカンチレバー先端部に接合層10
4を形成する(図2−c)。接合層104に用いる金属
材料は低抵抗で比較的柔らかい金属、例えばAu,P
t,Al単体或いはその積層膜などを用いる。次に、基
板の裏面側に金属層を成膜した後パターニングして基板
裏面側に基板駆動用電極108を形成する(図2−
d)。次に、基板裏面側にCr,Auを順次積層した後
パターニングして水晶基板のエッチング用マスク109
を作成する(図2−e)。次に、第2の基板上に形成さ
れた微小探針を接合層上に位置合わせした後圧着、第2
の基板を引き剥がして接合層上に微小探針103を形成
する(図2−f)。次に基板表面上に保護層110を形
成したのち、加熱した重フッ化アンモニア過飽和溶液中
で水晶基板の結晶軸異方性エッチングを行う(図2−
g)。次に、基板裏面のエッチング用マスクを除去し、
続いて基板表面の保護層除去してプローブユニットが完
成する(図2−g)。
法の一例である。基板には、水晶基板101上にSi単
結晶層107が形成された基板、即ちSOI(sili
con on insulator)基板(図2−a)
を用いる(T.Yonehara,NIKKEI MI
CRODEVICES,10(1994)101−10
6)。まずカンチレバー及び電圧印加用電極を形成す
る。Si単結晶層上にレジストパターンを形成し、これ
をマスクとしてSF6ガスを用いたリアクティブイオン
エッチング(RIE)によりSi単結晶層をパターニン
グしてカンチレバー102及び基板駆動用電極106を
形成する(図2−b)。ここでSi単結晶層107は不
純物導入した低抵抗のものを使用する。抵抗値は好まし
くは、0.01Ω・cm以下のものを用いる。Si単結
晶層107の厚さは所望するカンチレバーのバネ定数に
対して、カンチレバーの形状と共に決定されるが、通常
は0.1から数μm程度である。基板駆動用電極はA
u,Pt,W等の金属を用いても良い。本発明では、S
iレバー自身がトンネル電流取り出し電極と機械的弾性
体の2つの役割を有する。次に、基板上に金属を積層し
た後パターニングしてカンチレバー先端部に接合層10
4を形成する(図2−c)。接合層104に用いる金属
材料は低抵抗で比較的柔らかい金属、例えばAu,P
t,Al単体或いはその積層膜などを用いる。次に、基
板の裏面側に金属層を成膜した後パターニングして基板
裏面側に基板駆動用電極108を形成する(図2−
d)。次に、基板裏面側にCr,Auを順次積層した後
パターニングして水晶基板のエッチング用マスク109
を作成する(図2−e)。次に、第2の基板上に形成さ
れた微小探針を接合層上に位置合わせした後圧着、第2
の基板を引き剥がして接合層上に微小探針103を形成
する(図2−f)。次に基板表面上に保護層110を形
成したのち、加熱した重フッ化アンモニア過飽和溶液中
で水晶基板の結晶軸異方性エッチングを行う(図2−
g)。次に、基板裏面のエッチング用マスクを除去し、
続いて基板表面の保護層除去してプローブユニットが完
成する(図2−g)。
【0013】転写用微小探針の形成方法を図3に示す。
(100)面方位のSi基板111上の二酸化Si層或
はSiN層112を矩形或は円形状に除去しSi面を露
出させる。次に、水酸化カリウム水溶液で露出したSi
面を結晶軸異方性エッチングして凹部113を形成する
(図3−a)。次に、二酸化Si層或はSiN層を除去
したのち(図3−b)基板を再度薄い二酸化Si層11
4で覆う(図3−c)。続いて微小探針材料115を基
板上に成膜し(図3−d)パターニングして転写用微小
探針116とする(図3−e)。微小探針材料として
は、トンネル電流を取り出せる金属からなり、好ましく
は酸化皮膜を形成しにくいAu,Pt或いは機械的強度
の高いIr等のいずれか若しくはその合金などが使用で
きる。転写用微小探針はレバー上の接合部に圧着され微
小探針103が形成される(図2−f)。
(100)面方位のSi基板111上の二酸化Si層或
はSiN層112を矩形或は円形状に除去しSi面を露
出させる。次に、水酸化カリウム水溶液で露出したSi
面を結晶軸異方性エッチングして凹部113を形成する
(図3−a)。次に、二酸化Si層或はSiN層を除去
したのち(図3−b)基板を再度薄い二酸化Si層11
4で覆う(図3−c)。続いて微小探針材料115を基
板上に成膜し(図3−d)パターニングして転写用微小
探針116とする(図3−e)。微小探針材料として
は、トンネル電流を取り出せる金属からなり、好ましく
は酸化皮膜を形成しにくいAu,Pt或いは機械的強度
の高いIr等のいずれか若しくはその合金などが使用で
きる。転写用微小探針はレバー上の接合部に圧着され微
小探針103が形成される(図2−f)。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図2に、本発明における実施例1のプロー
ブの製造工程を示す。厚さ100μmのZ−cutの水
晶基板101上に、Si単結晶層107が1.0μm厚
で形成されているSOI(silicon on in
sulator)基板(図2−a)に対して、レジスト
パターンを形成しこれをマスクとしてSF6ガスを用い
たRIEによりSi単結晶層をパターニングしてカンチ
レバー102及び駆動用電極106を形成した(図2−
b)。レジストパターン除去後、基板にAl(50n
m),Ti(25nm)Au(100nm)を順次積層
し、この上に再度レジストパターンを形成しこれをマス
クとして金属層のエッチングを行いSiカンチレバー上
に接合層104及び金属配線105を形成した(図2−
c)。エッチングはAuに対してはヨウ素とヨウ化カリ
ウムの混合水溶液で、Tiは希フッ酸水溶液で、Alは
燐酸系水溶液で行った。次に、基板裏面にWを100n
m厚形成し、この上にレジストパターンを形成しこれを
マスクとしてSF6ガスを用いたRIEによりパターニ
ングして裏面側駆動用電極108を形成した(図2−
d)。次に、基板裏面にCr(5nm),Au(200
nm)を順次積層し、この上にレジストパターンを形成
してAu及びCrのエッチングを行い、水晶基板エッチ
ング用マスク109とした(図2−e)。
ブの製造工程を示す。厚さ100μmのZ−cutの水
晶基板101上に、Si単結晶層107が1.0μm厚
で形成されているSOI(silicon on in
sulator)基板(図2−a)に対して、レジスト
パターンを形成しこれをマスクとしてSF6ガスを用い
たRIEによりSi単結晶層をパターニングしてカンチ
レバー102及び駆動用電極106を形成した(図2−
b)。レジストパターン除去後、基板にAl(50n
m),Ti(25nm)Au(100nm)を順次積層
し、この上に再度レジストパターンを形成しこれをマス
クとして金属層のエッチングを行いSiカンチレバー上
に接合層104及び金属配線105を形成した(図2−
c)。エッチングはAuに対してはヨウ素とヨウ化カリ
ウムの混合水溶液で、Tiは希フッ酸水溶液で、Alは
燐酸系水溶液で行った。次に、基板裏面にWを100n
m厚形成し、この上にレジストパターンを形成しこれを
マスクとしてSF6ガスを用いたRIEによりパターニ
ングして裏面側駆動用電極108を形成した(図2−
d)。次に、基板裏面にCr(5nm),Au(200
nm)を順次積層し、この上にレジストパターンを形成
してAu及びCrのエッチングを行い、水晶基板エッチ
ング用マスク109とした(図2−e)。
【0015】別の基板上に転写用微小探針を作成した。
(100)面方位のSi基板111に二酸化シリコン層
112を0.1μm厚形成した。この二酸化シリコン層
112に対してフォトリソグラフィーとエッチングを行
い、直径6μmの開口部を形成した。この基板を水酸化
カリウム水溶液により結晶軸異方性エッチングを行な
い、開口部に逆ピラミッド状の凹部113を形成した
(図3−a)。次に、基板をバッファフッ酸(BHF)
溶液に浸し二酸化Si層112を溶解除去した(図3−
b)。次に、この基板を酸化雰囲気中で熱処理して基板
全面に100nm厚の二酸化シリコン層114を形成し
た(図3−c)。続いて、基板上に微小探針材料である
Au115を1μm厚成膜し(図3−d)、この層11
5をフォトリソグラフィーとエッチングによりパターニ
ングし,転写用微小探針116を形成した(図3−
e)。
(100)面方位のSi基板111に二酸化シリコン層
112を0.1μm厚形成した。この二酸化シリコン層
112に対してフォトリソグラフィーとエッチングを行
い、直径6μmの開口部を形成した。この基板を水酸化
カリウム水溶液により結晶軸異方性エッチングを行な
い、開口部に逆ピラミッド状の凹部113を形成した
(図3−a)。次に、基板をバッファフッ酸(BHF)
溶液に浸し二酸化Si層112を溶解除去した(図3−
b)。次に、この基板を酸化雰囲気中で熱処理して基板
全面に100nm厚の二酸化シリコン層114を形成し
た(図3−c)。続いて、基板上に微小探針材料である
Au115を1μm厚成膜し(図3−d)、この層11
5をフォトリソグラフィーとエッチングによりパターニ
ングし,転写用微小探針116を形成した(図3−
e)。
【0016】カンチレバー102が形成されているSO
I基板と転写用微小探針116が形成されている基板の
位置合わせを行ない、カンチレバー102上の接合層1
04と転写用微小探針116位置が合ったところで両基
板に圧力を加えて両者を接触させた。その後、両基板を
引き剥したところ微小探針103が接合層104上に良
好に形成されていた(図2−f)。次に、カンチレバー
102及び微小探針103形成面上に保護膜としてポリ
イミド層110を10μm厚形成した。次に、基板の裏
面を重フッ化アンモニウム過飽和溶液に浸して結晶軸異
方性エッチングを行なった(図2−g)。水晶基板のエ
ッチング終了後、エッチングマスク109であるCr及
びAuを溶解除去した。続いて、酸素プラズマ処理によ
りポリイミド層110を除去し、本発明のプローブを得
た(図2−f)。
I基板と転写用微小探針116が形成されている基板の
位置合わせを行ない、カンチレバー102上の接合層1
04と転写用微小探針116位置が合ったところで両基
板に圧力を加えて両者を接触させた。その後、両基板を
引き剥したところ微小探針103が接合層104上に良
好に形成されていた(図2−f)。次に、カンチレバー
102及び微小探針103形成面上に保護膜としてポリ
イミド層110を10μm厚形成した。次に、基板の裏
面を重フッ化アンモニウム過飽和溶液に浸して結晶軸異
方性エッチングを行なった(図2−g)。水晶基板のエ
ッチング終了後、エッチングマスク109であるCr及
びAuを溶解除去した。続いて、酸素プラズマ処理によ
りポリイミド層110を除去し、本発明のプローブを得
た(図2−f)。
【0017】本実施例では、プローブ5本がそれぞれ独
立して駆動するユニットとして作製した。これら5本の
プローブは、走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社
製)による測定において、カンチレバー長手方向、横手
方向共反りは検出できなかった。プローブユニット中の
基板駆動用電極に電圧印加を行なったところ、微小探針
先端における駆動幅(図1中Y軸方向)は、約20nm
/10Vであった。
立して駆動するユニットとして作製した。これら5本の
プローブは、走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社
製)による測定において、カンチレバー長手方向、横手
方向共反りは検出できなかった。プローブユニット中の
基板駆動用電極に電圧印加を行なったところ、微小探針
先端における駆動幅(図1中Y軸方向)は、約20nm
/10Vであった。
【0018】[実施例2]実施例1と同様な方法で図4
に示したプローブユニット117を作製した。本実施例
では、プローブ3本がそれぞれ独立して駆動するユニッ
トとして作製した。これらのプローブは、走査型レーザ
ー顕微鏡(レーザーテック社製)による測定において、
カンチレバー長手方向、横手方向共反りは検出できなか
った。プローブユニット中の基板駆動用電極に電圧印加
を行なったところ、微小探針先端における駆動幅は、約
30nm/10Vであった。
に示したプローブユニット117を作製した。本実施例
では、プローブ3本がそれぞれ独立して駆動するユニッ
トとして作製した。これらのプローブは、走査型レーザ
ー顕微鏡(レーザーテック社製)による測定において、
カンチレバー長手方向、横手方向共反りは検出できなか
った。プローブユニット中の基板駆動用電極に電圧印加
を行なったところ、微小探針先端における駆動幅は、約
30nm/10Vであった。
【0019】[実施例3]実施例1と同様な方法で図5
に示したプローブユニット118を作製した。本実施例
では、プローブ6本が一括して駆動するユニットを作製
した。走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社製)に
よる測定において、カンチレバー長手方向、横手方向共
反りは検出できなかった。プローブユニット中の基板駆
動用電極に電圧印加を行なったところ、微小探針先端に
おける駆動幅は、約2nm/10Vであった。
に示したプローブユニット118を作製した。本実施例
では、プローブ6本が一括して駆動するユニットを作製
した。走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社製)に
よる測定において、カンチレバー長手方向、横手方向共
反りは検出できなかった。プローブユニット中の基板駆
動用電極に電圧印加を行なったところ、微小探針先端に
おける駆動幅は、約2nm/10Vであった。
【0020】[実施例4]図6は、実施例1で作製した
プローブユニットを用いて構成した本発明における実施
例4の情報記録再生装置の主要部構成及びブロック図で
ある。つぎに、図6に基づいて本発明の情報記録再生装
置について説明する。記録媒体ステージ119上の記録
媒体120に対向させてプローブユニット121を配置
した。120−1は情報記録層、下地電極120−2は
情報記録層120−1に電圧を印加するためのものであ
る。120−3は基板である。情報記録層120−1
は、微小探針103との間に発生するトンネル電流によ
り電気的性質が変化(電気的メモリー効果)する有機薄
膜等よりなる。122は電源、123は電流アンプで、
マイクロコンピューター124に接続されており、記録
媒体120への情報の記録及び再生に使用する。記録媒
体ステージ駆動機構124上の記録媒体ステージ119
は、マイクロコンピューター124によるZ方向位置制
御回路125、X−Y方向位置制御回路126、チルト
角制御回路127、回転角制御回路128によって制御
される。プローブ129先端に対しては、レーザー13
0が照射され、その反射光を2分割センサー131で受
光し、たわみ量検出装置132でプローブ129のたわ
み量を検知する。この情報は、マイクロコンピューター
124及びサーボ回路133に送られる。第2の電源1
34は水晶基板への電圧印加に使用する。記録媒体12
0は、石英ガラス基板120−3の上に下地電極120
−2として真空蒸着法によってAuを30nm蒸着した
後、その上にLB(ラングミュアー・ブロジェット)法
によってポリイミド層(情報記録層120−1)を形成
して作製した。
プローブユニットを用いて構成した本発明における実施
例4の情報記録再生装置の主要部構成及びブロック図で
ある。つぎに、図6に基づいて本発明の情報記録再生装
置について説明する。記録媒体ステージ119上の記録
媒体120に対向させてプローブユニット121を配置
した。120−1は情報記録層、下地電極120−2は
情報記録層120−1に電圧を印加するためのものであ
る。120−3は基板である。情報記録層120−1
は、微小探針103との間に発生するトンネル電流によ
り電気的性質が変化(電気的メモリー効果)する有機薄
膜等よりなる。122は電源、123は電流アンプで、
マイクロコンピューター124に接続されており、記録
媒体120への情報の記録及び再生に使用する。記録媒
体ステージ駆動機構124上の記録媒体ステージ119
は、マイクロコンピューター124によるZ方向位置制
御回路125、X−Y方向位置制御回路126、チルト
角制御回路127、回転角制御回路128によって制御
される。プローブ129先端に対しては、レーザー13
0が照射され、その反射光を2分割センサー131で受
光し、たわみ量検出装置132でプローブ129のたわ
み量を検知する。この情報は、マイクロコンピューター
124及びサーボ回路133に送られる。第2の電源1
34は水晶基板への電圧印加に使用する。記録媒体12
0は、石英ガラス基板120−3の上に下地電極120
−2として真空蒸着法によってAuを30nm蒸着した
後、その上にLB(ラングミュアー・ブロジェット)法
によってポリイミド層(情報記録層120−1)を形成
して作製した。
【0021】以上示した記録再生装置に、記録媒体及び
プローブユニット121を設置し、特開昭63−161
552号公報に開示されている原理、方法により記録再
生を行った。記録媒体120を上記プローブ129で観
察したところ、すべてのプローブ129で良好なAFM
像を得ることができ、膜剥れ等の記録媒体120へのダ
メージは観察されなかった。次に、記録媒体ステージ1
19を用いて、記録媒体120を走査しながら、微小探
針103−下電極120−2間に電圧をパルス状に印加
した。電圧印加は3V、幅50nsのパルス状の矩形波
で行った。パルス印加後、水晶基板上の駆動用電極に電
圧を印加して微小探針位置をパルス印加位置にあわせて
駆動させながら、情報記録層に200mVの電圧を印加
して情報記録層上を走査したところ、情報記録層120
−1はパルス印加点で特性変化を起こし電気抵抗の低い
部分が生じていた。この電気抵抗の低い部分、すなわち
記録ビットは10nm径程度の大きさを有しており、す
べてのプローブ129は記録ビット列から逸脱すること
なく良好に再生を行えた。
プローブユニット121を設置し、特開昭63−161
552号公報に開示されている原理、方法により記録再
生を行った。記録媒体120を上記プローブ129で観
察したところ、すべてのプローブ129で良好なAFM
像を得ることができ、膜剥れ等の記録媒体120へのダ
メージは観察されなかった。次に、記録媒体ステージ1
19を用いて、記録媒体120を走査しながら、微小探
針103−下電極120−2間に電圧をパルス状に印加
した。電圧印加は3V、幅50nsのパルス状の矩形波
で行った。パルス印加後、水晶基板上の駆動用電極に電
圧を印加して微小探針位置をパルス印加位置にあわせて
駆動させながら、情報記録層に200mVの電圧を印加
して情報記録層上を走査したところ、情報記録層120
−1はパルス印加点で特性変化を起こし電気抵抗の低い
部分が生じていた。この電気抵抗の低い部分、すなわち
記録ビットは10nm径程度の大きさを有しており、す
べてのプローブ129は記録ビット列から逸脱すること
なく良好に再生を行えた。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上のように、プローブユニ
ットにおけるカンチレバーをSi単結晶材料で構成する
ことにより、カンチレバー自身の反りをなくすことが可
能となり、また、カンチレバーが導電性を有するため、
新たに電極配線を形成する必要がなく、電極配線に起因
するレバーの反りの発生を防止することができる。ま
た、本発明においては、このようにカンチレバー自身が
導電性を有しているから、このカンチレバー自身を電流
の引き出し用配線として用いることができ、引き出し用
配線はこのカンチレバーの端部から電極配線を形成する
だけで足るから、カンチレバー及びそれを保持する基板
全面に導電性材料を被覆する必要がなく、電極面積を小
さくすることができる。また、これにより記録媒体との
間に発生する浮遊容量を低減でき、記録速度を向上する
ことができる。また、本発明においては、鋭利な先端を
有する導電性の金属微小探針を再現性よくカンチレバー
上に形成でき、その微小探針内部を中空構造とすること
により、カンチレバー先端の軽量化を図ることができ
る。さらに、本発明においては、カンチレバーに水晶基
板を用いることにより、この水晶基板に電圧を印加して
プローブを駆動させ、正確な微小探針のビット列への位
置合わせ等を行うことができる。
ットにおけるカンチレバーをSi単結晶材料で構成する
ことにより、カンチレバー自身の反りをなくすことが可
能となり、また、カンチレバーが導電性を有するため、
新たに電極配線を形成する必要がなく、電極配線に起因
するレバーの反りの発生を防止することができる。ま
た、本発明においては、このようにカンチレバー自身が
導電性を有しているから、このカンチレバー自身を電流
の引き出し用配線として用いることができ、引き出し用
配線はこのカンチレバーの端部から電極配線を形成する
だけで足るから、カンチレバー及びそれを保持する基板
全面に導電性材料を被覆する必要がなく、電極面積を小
さくすることができる。また、これにより記録媒体との
間に発生する浮遊容量を低減でき、記録速度を向上する
ことができる。また、本発明においては、鋭利な先端を
有する導電性の金属微小探針を再現性よくカンチレバー
上に形成でき、その微小探針内部を中空構造とすること
により、カンチレバー先端の軽量化を図ることができ
る。さらに、本発明においては、カンチレバーに水晶基
板を用いることにより、この水晶基板に電圧を印加して
プローブを駆動させ、正確な微小探針のビット列への位
置合わせ等を行うことができる。
【図1】本発明のプローブユニットの上面を示す図であ
る。
る。
【図2】本発明の実施例1におけるプローブの製造工程
を示す図である。
を示す図である。
【図3】本発明の実施例1における微小探針の製造工程
を示す図である。
を示す図である。
【図4】本発明の実施例2におけるプローブユニットの
上面を示す図である。
上面を示す図である。
【図5】本発明の実施例3におけるプローブユニットの
上面を示す図である。
上面を示す図である。
【図6】本発明の実施例4における情報記録再生装置の
概略を示す図である。
概略を示す図である。
【図7】従来のプローブの製造法を示す図である。
【図8】従来の微小探針の製造法を示す図である。
101:水晶基板 102:カンチレバー 103:微小探針 104:接合層 105:金属配線 106:基板駆動用電極 107:Si単結晶層 108:基板駆動用電極 109:エッチング用マスク 110:保護層 111:Si基板 112:二酸化Si層或はSiN層 113:凹部 114:二酸化Si層 115:微小探針材料 116:転写用微小探針 117:プローブユニット 118:プローブユニット 119:記録媒体ステージ 120:記録媒体 120−1:情報記録層 120−2:下地電極 120−3:基板 121:プローブユニット 122:電源 123:電流アンプ 124:マイクロコンピューター 125:Z方向位置制御回路 126:X−Y方向位置制御回路 127:チルト角制御回路 128:回転角制御回路 129:プローブ 130:レーザー 131:2分割センサー 132:たわみ量検出装置 133:サーボ回路 134:第2の電源 201:二酸化シリコン層 202:単結晶Si基板 203:凹部 204:SiN層 205:カンチレバー 206:ソウカット溝 207:Cr層 208:ガラス板 209:マウンティングブロック 210:プローブ 211:マスク 212:基板 213:微小探針 214:レジスト開口部 215:導電性材料 216:レジスト 217:基板
Claims (9)
- 【請求項1】水晶基板及び該水晶基板上に形成されたS
i単結晶層からなるカンチレバー上に、金属からなる微
小探針を形成したプローブを備えたプローブユニットで
あって、前記水晶基板の一部に電圧印加することにより
該水晶基板の一部を駆動させる機構を有することを特徴
とするプローブユニット。 - 【請求項2】前記Si単結晶層が、不純物を導入した低
抵抗値のもので形成されていることを特徴とする請求項
1に記載のプローブユニット。 - 【請求項3】前記Si単結晶層の抵抗値が、0.01Ω
・cm以下とされていることを特徴とする請求項2に記
載のプローブユニット。 - 【請求項4】前記微小探針が、Au,Pt,Irのいず
れか或はその合金よりなることを特徴とする請求項1〜
請求項3のいずれか1項に記載のプローブユニット。 - 【請求項5】前記微小探針は、中空構造を有し、金属材
料からなる接合層を介してカンチレバー上に接合されて
いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1
項に記載のプローブユニット。 - 【請求項6】前記接合層の金属材料は、Au,Pt,A
lのいずれか或いはその積層膜よりなることを特徴とす
る請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプローブ
ユニット。 - 【請求項7】前記カンチレバーの水晶基板は、結晶軸異
方性エッチングによる貫通孔を有していることを特徴と
する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のプロー
ブユニット。 - 【請求項8】前記カンチレバーは、該カンチレバーの端
部に金属配線が形成されていることを特徴とする請求項
1〜請求項7のいずれか1項に記載のプローブユニッ
ト。 - 【請求項9】プローブユニットを備えた情報記録再生装
置において、該プローブユニットが請求項1〜請求項8
のいずれか1項に記載のプローブユニットにより構成さ
れていることを特徴とする情報記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5416796A JPH09222430A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | プローブユニット、及びこれを用いた情報記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5416796A JPH09222430A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | プローブユニット、及びこれを用いた情報記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09222430A true JPH09222430A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12962997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5416796A Pending JPH09222430A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | プローブユニット、及びこれを用いた情報記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09222430A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1533803A2 (en) * | 2003-11-21 | 2005-05-25 | Pioneer Corporation | Recording / reproducing head, method of producing the same, and recording apparatus and reproducing apparatus |
US7385901B2 (en) | 2003-06-12 | 2008-06-10 | Yasuo Cho | Data recording/reproducing apparatus and method using needle-shaped member |
-
1996
- 1996-02-16 JP JP5416796A patent/JPH09222430A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7385901B2 (en) | 2003-06-12 | 2008-06-10 | Yasuo Cho | Data recording/reproducing apparatus and method using needle-shaped member |
US8004948B2 (en) | 2003-06-12 | 2011-08-23 | Yasuo Cho | Data recording / reproducing apparatus and method using needle-shaped member |
EP1533803A2 (en) * | 2003-11-21 | 2005-05-25 | Pioneer Corporation | Recording / reproducing head, method of producing the same, and recording apparatus and reproducing apparatus |
EP1533803A3 (en) * | 2003-11-21 | 2006-07-19 | Pioneer Corporation | Recording / reproducing head, method of producing the same, and recording apparatus and reproducing apparatus |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5923637A (en) | Method of manufacturing micro-tip for detecting tunneling current or micro-force or magnetic force | |
JP3576655B2 (ja) | 微小探針の製造方法及びその製造用雌型基板、並びにその微小探針を有するプローブの製造方法 | |
US5959957A (en) | Probe and a cantilever formed with same material | |
US5017266A (en) | Method of making an integrated scanning tunneling microscope | |
JPH10246730A (ja) | プローブとその製造方法、及び該プローブを備えた情報処理装置 | |
JPH10282130A (ja) | プローブとそれを用いた走査型プローブ顕微鏡 | |
JPH08262040A (ja) | Afmカンチレバー | |
JPH05325274A (ja) | 圧電変位素子、微小プローブ、及びこれらの製造方法、及びこれらを用いた走査型トンネル顕微鏡並びに情報処理装置 | |
JPH09222430A (ja) | プローブユニット、及びこれを用いた情報記録再生装置 | |
JP3406940B2 (ja) | 微小構造体およびその形成方法 | |
JPH10170530A (ja) | Afmカンチレバー及びその製造方法 | |
JPH0821841A (ja) | 微小変位素子及びこれを用いた情報処理装置 | |
JPH06194157A (ja) | 位置だし制御法および面合わせ方法およびそれを用いたトンネル顕微鏡および記録再生装置 | |
JPH07260802A (ja) | 微小変位素子、光偏向器、走査型プローブ顕微鏡、および情報処理装置 | |
JPH10246729A (ja) | 微小ティップとこれを用いた微小電流または微小力検出用プローブ、及びこれらの製造方法 | |
JPH10332717A (ja) | カンチレバー型プローブとその製造方法 | |
JPH0933542A (ja) | 原子間力及び/または電流検知用プローブの形成方法、及びこれにより形成されたプローブを用いた走査型プローブ顕微鏡、情報処理装置 | |
JPH09218207A (ja) | トンネル電流検出用の微小ティップとその製造方法、およびトンネル電流または微小力検出用のプローブとその製造方法 | |
JP3044424B2 (ja) | 情報処理装置及び微小ティップの製造方法 | |
JPH10197540A (ja) | 微小探針の製造方法及びプローブの製造方法 | |
JP3234952B2 (ja) | プローブユニット及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置 | |
JP2884448B2 (ja) | 微小プローブの製造方法 | |
JPH1123586A (ja) | 微小力または微小電流検出用のプローブ及びその製造方法 | |
JPH10206436A (ja) | トンネル電流または微小力検出用の微小ティップの製造方法とプローブの製造方法、及びそのプローブ | |
JPH09281121A (ja) | トンネル電流検出又は微小力検出に用いる微小探針と該微小探針を有するプローブ及び該プローブを備えた走査型プローブ顕微鏡、並びに該微小探針または該プローブの製造方法及び該微小探針形成用の雌型基板と該雌型基板の作成方法 |