JPH10197532A - モノクローナル抗体、該抗体を用いた免疫測定方法及び測定試薬 - Google Patents

モノクローナル抗体、該抗体を用いた免疫測定方法及び測定試薬

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JPH10197532A
JPH10197532A JP35674096A JP35674096A JPH10197532A JP H10197532 A JPH10197532 A JP H10197532A JP 35674096 A JP35674096 A JP 35674096A JP 35674096 A JP35674096 A JP 35674096A JP H10197532 A JPH10197532 A JP H10197532A
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好昭 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリペプチドを免疫原として得られた抗体
(第二抗体)と抗原との結合を増強する性質を有するモ
ノクローナル抗体(第三抗体)、並びに該第三抗体を添
加した検体中に含まれる低濃度のヒトPIVKA−I
I、糖化ヘモグロビンA1c等の抗原の免疫測定方法及
びその免疫測定試薬の提供。 【解決手段】 抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識
物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチド
を免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固
相試薬と、第二抗体と抗原との結合を増強する性質を有
する少なくとも1種類のモノクローナル抗体(第三抗
体)と、検体とを混合し、免疫複合体を形成させて検体
中の抗原を免疫測定する。又、抗原に標識物が結合した
標識抗原と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原とし
て得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬と、第
二抗体と抗原との結合を増強する性質を有する少なくと
も1種類のモノクローナル抗体(第三抗体)と、検体と
を混合し、免疫複合体を形成させて検体中の抗原を免疫
測定法する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリペプチドを免
疫原として得られた抗体(第二抗体)と抗原との結合を
増強する性質を有するモノクローナル抗体(第三抗
体)、該抗体を用いる免疫測定方法及びその測定試薬に
関する。。
【0002】
【従来の技術】生体内に存在するホルモン、酵素、血清
蛋白質、腫瘍抗原、DAN結合性蛋白質、サイトカイ
ン、細菌、ウイルス、原虫等に関連する蛋白質等の抗原
性物質を測定する方法として、モノクローナル抗体、ポ
リクローナル抗体等を用いる免疫測定法が広く行われて
いる。従来、これらの抗体は生体成分より分離精製した
抗原性物質(以下天然型抗原という)を得、この天然型
抗原を動物に免疫原として投与しポリクローナル抗体又
はモノクローナル抗体を取得していた。
【0003】近年、抗体の産生は、天然型抗原の代わり
に合成ペプチドや遺伝子組換え蛋白質を免疫原として行
われている。しかしながら、これらの合成ペプチドや遺
伝子組換え蛋白質を免疫原として得られる抗体は、必ず
しも天然型抗原に対して強い親和性を持つとは限らず、
多くは反応性が低い抗体である。特に、合成ペプチドを
免疫原として抗体を作成した場合、固相に結合した天然
型抗原に反応するするものが少ないのに加えて、フリー
(溶液中)の天然型抗原に対して極めて弱い親和性しか
示さないものが多く得られるのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記合成ペプチドや組
換え型抗原を免疫して得られる抗体が、必ずしも検体中
の抗原性物質に強い親和性を持たないことから、この抗
体を用いて製造した免疫測定試薬では十分な測定感度を
有しているとは言えなかった。その原因は、組換え型抗
原や合成ペプチドではその立体構造が天然型抗原とは異
なるためと考えられる。殊に合成ペプチドを抗原とした
場合にはその感度の低下は顕著であった。そこで、この
ような感度が不足する抗体結合試薬であっても、簡単な
操作で感度上昇させることができれば利用範囲が広がる
ことから、改良が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、抗原を免疫測定する際に、ポリペプチドを免疫
原として得られた抗体(第二抗体)と抗原との結合を増
強する性質を有する少なくとも1種のモノクローナル抗
体(第三抗体)を添加する方法を見出し本発明を完成す
るに至った。
【0006】本発明は、前記モノクローナル抗体(第三
抗体)、及び抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識物
が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチドを
免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相
試薬と、抗原を含む検体とを混合して免疫複合体を形成
させる免疫測定法において、第二抗体と抗原との結合を
増強する性質を有する少なくとも1種類のモノクローナ
ル抗体(第三抗体)を添加する方法(サンドイッチ
法)、並びに抗原に標識物が結合した標識抗原と、抗原
を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体
(第二抗体)が結合した固相試薬と、抗原を含む検体と
を混合して免疫複合体を形成させる免疫測定法におい
て、第二抗体と抗原との結合を増強する性質を有する少
なくとも1種類のモノクローナル抗体(第三抗体)を添
加する方法(競合法)である。
【0007】本発明の測定対象物である抗原としては少
なくとも2個の抗原決定基からなる物質であり、体液中
に含まれるホルモン、酵素、血清蛋白質、糖蛋白質、腫
瘍関連抗原、DAN結合性蛋白質、サイトカイン、細
菌、ウイルス、原虫等に関連する蛋白質、糖蛋白質等を
挙げることができる。特にこの抗原としては体液中の正
常蛋白質から修飾又は変異した蛋白質である。例えばア
ミノ酸の置換により変異した蛋白質(PIVKA−II
(Protein Induced by Vitamin K absence II) 、RAS
等の癌関連蛋白質、凝固第V因子等)、アミノ酸の修飾
により変異した蛋白質(糖化ヘモグロビンA1c(Hb
A1c)、リン酸化Tau等)、イソフォームを持つ蛋
白質(ApoE、エストロゲンレセプター等)、酵素に
より切断された蛋白質(凝固線溶系に係わる活性化され
た酵素:F1+2 、APC等;TGF−β等)を挙げるこ
とができる。
【0008】本発明のサンドイッチ法は免疫測定法で広
く行われる方法であり、その測定に用いる標識抗体とし
ては抗原の一つの抗原決定基と反応する抗体(第一抗
体)と標識物質とを結合させて製造することができる。
この抗体としては前記抗原の抗原決定基と反応する抗体
であればポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体で
あってもよい。抗体を製造するには、前記抗原、この抗
原の合成ペプチド、抗原と同じ抗原決定基を有する抗原
類縁体、組換え型抗原等を免疫原として用い、公知のポ
リクローナル抗体又はモノクローナル抗体の製造法に従
い行うことができる。モノクローナル抗体の製造法とし
ては、例えば「モノクローナル抗体とがん」(株)サイ
エンスフォーラム(1985年)等に記載された方法に
より行うことができる。合成ペプチドとしては少なくと
も4個のアミノ酸からなるペプチドを用いることができ
る。このペプチドは周知の縮合試薬を用いるペプチド合
成法、ペプチド合成機により容易に製造することができ
る。また、このペプチドを免疫原として用いる場合に
は、例えばアルブミン、キーホールリンペットヘモシア
ニン(KLH)等のキャリアー蛋白質との複合体を製造
し用いることもできる。また抗体は抗原のそれぞれの異
なる抗原決定基と反応するものであればよく、同一若し
は異なるクラス又はサブクラスであり、この抗体をペプ
シン等の酵素処理及び/又は還元処理して製造したFa
b、Fab’、F(ab’)2 等の抗体フラグメントで
あってもよい。
【0009】標識物質としては標識免疫測定に用いられ
る例えば酵素、放射性同位元素、蛍光物質、発光物質、
着色粒子、コロイド粒子等を挙げることができる。酵素
としては、例えばペルオキシダーゼ(POD)、アルカ
リ性ホスファターゼ(Alp)、β−ガラクトシダーゼ
等を挙げることができる。放射性同位元素としては、ヨ
ウ素125、トリチウム等、蛍光物質としては、ローダ
ミン、ウンベリフェロン等、発光物質としてはルミノー
ル又はイソルミノール誘導体、アクリジニウムエステル
誘導体等を挙げるとができる。
【0010】また、第一抗体と標識物とを結合させるに
は、前記抗体と標識物とを公知の共有結合又は非共有結
合を作る方法を利用して結合することができる。共有結
合による方法としては例えばグルタールアルデヒド法、
過ヨウ素酸法、マレイミド法、ピリジル・ジスルフィド
法、公知の各種架橋剤を用いる方法等を挙げることがで
きる(例えば「蛋白質核酸酵素」別冊31号、37〜4
5頁(1987)参照)。共有結合による方法では、モ
ノクローナル抗体に存在する官能基を利用することがで
きるほか、抗体に例えばチオール基、アミノ基、カルボ
キシル基、水酸基等の基を導入した後、前記共有結合に
よる方法に従い反応を行うことができる。一方、非共有
結合による方法としては前記抗体と標識物とを混合して
行う物理吸着法を挙げることができる。
【0011】さらに固相試薬は、抗原を構成するポリペ
プチドを免疫原として作成した前記抗原とは異なる抗原
決定基と結合する抗体(第二抗体)と固相とを結合させ
て製造することができる。この第二抗体は抗原の全部又
はその一部で構成されたポリペプチドを免疫原として前
記方法に従い製造することができる。これらの抗原を免
疫原として得た抗体はポリクローナル抗体又はモノクロ
ーナル抗体であり、前記標識試薬に用いた抗体と同様な
抗体のフラグメントであってもよい。本発明を効率よく
実施するには第二抗体として前記抗原決定基とは異なる
抗原決定基と結合するモノクローナル抗体を用いること
が好ましい。
【0012】また、固相は従来の免疫測定に使用される
各種固相を用いることができる。固相としては例えばプ
ラスチック製の試験管、マイクロプレートウエル、ガラ
スビーズ、プラスチックビーズ、各種メンブレン、磁性
粒子等を挙げるとができる。この固相試薬を製造するに
は、標識試薬を製造する際に使用した共有結合又は非共
有結合による方法に従い前記抗体と前記固相と結合させ
て製造することができる。
【0013】本発明の第三抗体は、抗原の前記抗原決定
基とは異なる基と結合し、第二抗体と抗原の抗原決定基
との結合を増強する性質を有する少なくとも1種類の抗
体である。この抗体はモノクローナル抗体であり、抗原
の前記標識抗体及び固相抗体の抗原決定基とは異なる基
と結合する抗体であることが好ましい。この抗体は、抗
原と結合する抗体として周知の方法に従い製造された前
記モノクローナル抗体の中からスクリーニングをするこ
とにより得ることができる。
【0014】このスクリーニング方法は、サンドイッチ
ELISAの第一反応(固相抗体と天然型抗原との反
応)時に、天然型抗原(場合によっては組換え抗原)免
疫マウスのリンパ球とミエローマ細胞との細胞融合で得
られた培養上清を存在させたELISAの活性を増強さ
せるモノクローナル抗体を選択する一連の操作よりな
る。例えば、天然型抗原Aの一部の配列より成る合成ペ
プチドを免疫原として得た抗体をサンドイッチELIS
Aの固相として使用したい場合、この抗体をELISA
プレートに吸着させ、第一反応(固相抗体と抗原との反
応)時に天然型抗原Aを免疫したマウスのリンパ球とミ
エローマ細胞との細胞融合の培養上清を添加し反応させ
る。次に、天然型抗原Aを認識する酵素標識抗体を反応
させた後、基質を添加しその発色等の増強の見られるク
ローンを選択することによりスクリーニングを行うこと
ができる。以上の方法で選択されたモノクローナル抗体
は、IgG、IgM等のクラスの抗体であって、使用時
にはこれらの抗体をペプシン等の酵素処理及び/又は還
元処理して製造したFab、Fab’、F(ab’)2
等の抗体フラグメントであってもよい。
【0015】本発明の測定を実施するには、前記標識抗
体と、前記固相試薬と、第三抗体とを用いる周知の1−
ステップサンドイッチ法、ディレイ−1−ステップサン
ドイッチ法、2−ステップサンドイッチ法等のサンドイ
ッチ法に従い行うことができる。その測定では、免疫反
応により固相上に形成された免疫複合体の標識物を測定
する方法に従い行うことができる。測定を行うにあたっ
て第三抗体は、1種類又は2種類以上を免疫複合体を形
成する際の反応溶液中に存在させればよく、いずれの時
期に反応液中に添加することもできる。例えば2−ステ
ップサンドイッチ法ではまず固相試薬と、抗原を含む検
体と、前記第三抗体とを緩衝液中でインキュベーッショ
ン(例えば5〜50℃、5分〜1日)した後、固相を洗
浄する。次に標識抗体を含む緩衝液中に固相を移し、さ
らにインキュベーション(例えば5〜50℃、5分〜1
日)した後、固相を再び洗浄する。このようにして固相
上に形成された免疫複合体から標識物の測定を行う方法
である。添加する第三抗体の量は、検体中に含有すると
予想される測定対象物の抗原に対応して適宜変えること
ができる。
【0016】さらに本発明の競合法において、前記標識
された抗原は、前記抗原と前記標識抗体で用いた同一の
標識物質とを結合させて製造することができる。抗原
は、第一抗体と標識物とを結合させる共有結合又は非共
有結合を作る方法に従い、前記標識物質と反応させるこ
とができる。反応に用いる抗原は、前記抗原に限定され
ず、抗原と同じ抗体反応性の抗原決定基を有する物質で
あればよく、官能基が導入された抗原誘導体、同じ反応
性の抗原決定基を有する抗原の類縁体等も用いることが
できる。
【0017】本発明の競合法は、前記標識された抗原
と、前記固相試薬と、前記第三抗体とを用いて周知の方
法に従い行うことができる。その測定では、サンドイッ
チ法と同様に免疫反応により固相上に形成された免疫複
合体の標識物を測定し行うことができる。測定を行うに
あたって第三抗体は、1種類又は2種類以上を免疫複合
体を形成する際の反応溶液中に添加することができる。
競合法ではまず固相試薬と、抗原性物質を含む検体と、
標識された抗原と、さらに前記第三抗体とを緩衝液中で
混合し、インキュベーッション(例えば5〜50℃、5
分〜1日)した後、固相を洗浄する。次に固相上に形成
された免疫複合体から標識物の測定を行う方法である。
【0018】本発明において、標識物の測定には標識物
に対応した装置として放射性同位元素を放射線測定する
他、発光、蛍光、発色等を目視又は比色計、蛍光光度
計、フォトンカウンター、感光フィルム等の測定機器を
用いて測定し行うことができる。標識物質が酵素の場合
には、その酵素活性を発光基質、蛍光基質、発色基質等
を加えて反応を行い、その発光、蛍光、発色等を目視又
は前記測定機器により測定を行うことができる。
【0019】また、本発明の免疫測定試薬は、前記第一
抗体と標識物とが結合した標識抗体と、前記第二抗体と
固相とが結合した固相試薬と、第二抗体と抗原の抗原決
定基との結合を増強する性質を有する少なくとも1種の
モノクローナル抗体(第三抗体)とから構成されるサイ
ンドイッチ法の試薬、又は前記第二抗体と固相とが結合
した固相試薬と、標識された抗原と、第二抗体と抗原の
抗原決定基との結合を増強する性質を有する少なくとも
1種のモノクローナル抗体等とから構成される競合法の
試薬である。この測定試薬には、試薬が固体状態である
場合には溶解液、標識物質が酵素である場合にはその酵
素反応を停止させるための反応停止試薬等を任意に組み
合わせることができる。
【0020】本発明の測定に用いられる検体としては、
特に制限はなく、例えば全血、血清、血漿、尿、リンパ
液等の体液を挙げることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0022】実施例1 抗ヒトPIVKA−IIエンハ
ンス抗体(第3抗体)の作成 BALB/Cマウスをフロイント完全アジュバントでエ
マルジョン化したプロトロンビン25〜100μgで初
回免疫を行い、2〜3週間後、フロイント不完全アジュ
バントでエマルジョン化したプロトロンビン25〜10
0μgで追加免疫を行った。抗体価の上昇を確認後、フ
リーのプロトロンビン25〜100μgを静脈内に投与
し、その3〜4日後、マウスから脾臓を取り出し脾細胞
を調製する。前もってRPMI−1640培地で培養し
ていたマウスミエローマ細胞と脾細胞を1:2〜1:5
の比率で混合し、ポリエチレングリコールを用いて細胞
融合を行う。融合した細胞は、HAT培地に浮遊した
後、96ウエル培養プレートに分注し37℃炭酸ガスイ
ンキュベーターで培養する。
【0023】エンハンス抗体のスクリーニングは以下の
ようにして実施した。フリーのヒトPIVKA−IIと
の反応の見られないモノクローナル抗体E7−13(固
相化したヒトPIVKA−IIには反応する)を96ウ
エルELISAプレート(ファルマシア社製)に10μ
g/mlの濃度で50μg/ウエル分注し、4℃一晩放
置することにより吸着させる。1%スキムミルクでブロ
ッキングした後、0.05%Tween20を含むPB
Sで洗浄し、40μlの細胞融合を行ったプレートの培
養上清と10μlのヒトPIVKA−II抗原(1μg
/ml)を各ウエルに加え37℃1時間反応させる。洗
浄後POD標識抗プロトロンビン抗体(DACO社製)
を加え、37℃1時間反応させる。洗浄後基質ABTS
を加え発色の見られるウエルを選択する。このようにし
て得られたE7−13のフリーのヒトPIVKA−II
に対する反応をエンハンスする活性を有するモノクロー
ナル抗体(第3抗体)を産生するセルラインを確立し、
モノクローナル抗体をPTUP9と命名した。PTUP
9はIgMタイプの抗体でありプロトロンビン、ヒトP
IVKA−IIの両者に反応する。
【0024】実施例2 糖化ヘモグロビンA1c(Hb
A1c)エンハンス抗体(第3抗体)の作成 BALB/Cマウスをフロイント完全アジュバントでエ
マルジョン化したヘモグロビン25〜100μgで初回
免疫を行い、2〜3週間後、フロイント不完全アジュバ
ントでエマルジョン化したヘモグロビン25〜100μ
gで追加免疫を行った。抗体価の上昇を確認後、フリー
のヘモグロビンを25〜100μgを静脈内に投与し、
その3〜4日後、マウスから脾臓を取り出し脾細胞を調
整する。前もってRPMI−1640培地で培養してい
たマウスミエローマ細胞と脾細胞を1:2〜1:5の比
率で混合し、ポリエチレングリコール等の融合剤を用い
細胞融合を行う。融合した細胞はHAT培地に浮遊した
後、96ウエル培養プレートに分注し37℃炭酸ガスイ
ンキュベーターで培養する。
【0025】エンハンス抗体のスクリーニングは以下の
ようにして実施した。フリーのHbA1cとの反応の見
られないモノクローナル抗体A1c142(固相化した
HbA1cには反応する)を96ウエルELISAプレ
ート(ファルマシア社製)に10μg/mlの濃度で5
0μg/ウエル分注し、4℃一晩放置することにより吸
着させる。1%スキムミルクでブロッキングした後、
0.05%Tween20を含むPBSで洗浄し、40
μlの細胞融合を行ったプレートの培養上清と10μl
のHbA1c抗原(1μg/ml)を各ウエルに加え3
7℃1時間反応させる。洗浄後アルカリ性ホスファター
ゼ(Alp)標識抗ヘモグロビン抗体(ウサギを免疫し
て作成)を加え、37℃1時間反応させる。洗浄後基質
としてp−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)を
加え発色の見られるウエルを選択する。このようにして
得られたA1c142のフリーのHbA1cに対する反
応をエンハンスする活性を有するモノクローナル抗体
(第3抗体)を産生するセルラインを確立し、モノクロ
ーナル抗体をHBUP3と命名した。HBUP3はIg
Gタイプの抗体でありヘモグロビン、HbA1cの両者
に反応する。
【0026】実施例3 ヒトPIVKA−IIの測定 ELISAプレート(MAXISORB;NUNC社
製)にE7−13を10μg/mlの濃度で75μl/
well、4℃一夜放置しコートした。1%スキムミル
クでブロッキングした後、20μg/mlのPTUP9
をが含有した緩衝液(15%CS Tris7.4)と
含有していない反応緩衝液で検体を測定した。すなわ
ち、40μlの血清と40μlの反応緩衝液をE7−1
3をコートしたウエルに入れ、37℃で1時間反応させ
る。洗浄後POD標識抗プロトロンビン抗体(DACO
社製)を入れ、さらに37℃で1時間反応させる。洗浄
後基質2,2’−アジノジ(3−エチルベンズチアゾリ
ン)−6’−スルホン酸(ABTS)を入れ波長405
nmの吸光度を測定した。その結果を図1に示す。図1
に示すようにPTUP9を含まない反応緩衝液では、ヒ
トPIVKA−II陽性検体でもほとんど発色が見られ
ないが、PTUP9を含む反応緩衝液では明らかに陽性
検体で強い発色が観察された。
【0027】実施例4 ヒトPIVKA−IIの測定に
おけるエンハンス効果の測定 実施例3で測定したPTUP9の添加効果について希釈
倍率の異なる検体を用いて測定を行った。ヒトPIVK
A−II高値血清を1%BSA含有Tris緩衝液(p
H7.4)で希釈し、この検体を実施例3の方法に従い
PTUP9を添加して測定を行った。比較としてPTU
P9を添加せず前記検体について同様な測定を行った。
その結果を図2に示す。図2に示すようにPTUP9を
添加した測定では約100倍の感度上昇が見られた。
【0028】実施例5 HbA1cの測定 ELISAプレート(MAXISORB;NUNC社
製)にA1c142を10μg/mlの濃度で75μl
/well、4℃一夜放置しコートし、1%スキムミル
クでブロッキングした。60μlのHBUP1培養上清
と共に5μg/mlのHbA1c溶液15μlを加え3
7℃1時間反応させた。洗浄後Alp標識抗ヘモグロビ
ン抗体を入れ、さらに37℃で1時間反応させる。洗浄
後基質PNPPを入れ波長405nmの吸光度を測定し
た。コントロールとして、培養上清はE7−13(抗P
IVKA−IIモノクローナル抗体)、抗原はBSAを
用いた。その結果を図3に示す。図3に示すようにHB
UP1培養上清中のHbA1cが存在するときにおいて
のみ発色が観察された。
【0029】実施例6 HbA1cの測定におけるエン
ハンス効果の測定 実施例5で測定したHBUP3の添加効果について希釈
倍率の異なる検体を用いて測定を行った。HbA1cを
1%BSA含有Tris緩衝液(pH7.4)で希釈し
(200μg/ml〜)、この検体を実施例5の方法に
従いHBUP3培養上清と無関係のE7−13培養上清
の存在下で測定し比較した。その結果を図4に示す。図
よりHBUP1を添加した測定では1000倍以上の感
度上昇が見られた。
【0030】
【発明の効果】本発明は、固相に結合した第二抗体と抗
原の抗原決定基との結合を増強する性質を有する第三抗
体を添加して免疫測定する方法であり、従来の測定条件
では十分な感度を示さない場合であっても、第三抗体を
添加する操作だけで低濃度の抗原性物質を感度よく測定
することができる。その結果、本発明は検体中に極微量
含まれるヘモグロビン、血清蛋白質、腫瘍関連抗原、ホ
ルモン、ウイルス等の抗原検出を行うことができ、各種
癌疾患、感染症、内分泌疾患等の早期診断、治療のモニ
ター等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトPIVKA−II陽性検体及び陰性検体に
ついて、PTUP9抗体を添加した時の測定結果を示す
図である。
【図2】ヒトPIVKA−II陽性検体を希釈してPT
UP9抗体の添加効果を測定した時の図である。
【図3】HbA1cの測定において、HBUP1抗体に
よる添加効果を示す図である。
【図4】各HbA1c濃度の検体の測定において、HB
UP1抗体の添加効果を示す図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリペプチドを免疫原として得られた抗
    体(第二抗体)と抗原との結合を増強する性質を有する
    モノクローナル抗体(第三抗体)。
  2. 【請求項2】 抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識
    物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチド
    を免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固
    相試薬とを用いる免疫測定に使用するための抗体であっ
    て、第二抗体と抗原との結合を増強する性質を有するモ
    ノクローナル抗体(第三抗体)。
  3. 【請求項3】 抗原に標識物が結合した標識抗原と、抗
    原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体
    (第二抗体)が結合した固相試薬とを用いる免疫測定に
    使用するための抗体であって、第二抗体と抗原との結合
    を増強する性質を有するモノクローナル抗体(第三抗
    体)。
  4. 【請求項4】 抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識
    物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチド
    を免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固
    相試薬と、抗原を含む検体とを混合して免疫複合体を形
    成させる免疫測定法において、第二抗体と抗原との結合
    を増強する性質を有する少なくとも1種類のモノクロー
    ナル抗体(第三抗体)を添加することを特徴とする方
    法。
  5. 【請求項5】 抗原に標識物が結合した標識抗原と、抗
    原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体
    (第二抗体)が結合した固相試薬と、抗原を含む検体と
    を混合して免疫複合体を形成させる免疫測定法におい
    て、第二抗体と抗原との結合を増強する性質を有する少
    なくとも1種類のモノクローナル抗体(第三抗体)を添
    加することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 抗原が少なくとも2個の抗原決定基から
    なる抗原である請求項4又は5記載の方法。
  7. 【請求項7】 抗原が体液中の正常蛋白質の修飾蛋白質
    又は変異蛋白質である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 第二抗体がモノクローナル抗体である請
    求項4又は5記載の方法
  9. 【請求項9】 抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識
    物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチド
    を免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固
    相試薬と、第二抗体と抗原との結合を増強する性質を有
    する少なくとも1種類のモノクローナル抗体(第三抗
    体)とからなる免疫測定試薬。
  10. 【請求項10】 抗原に標識物が結合した標識抗原と、
    抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗
    体(第二抗体)が結合した固相試薬と、第二抗体と抗原
    との結合を増強する性質を有する少なくとも1種類のモ
    ノクローナル抗体(第三抗体)とからなる免疫測定試
    薬。
  11. 【請求項11】 抗原が少なくとも2個の抗原決定基か
    らなる抗原である請求項9又は10記載の測定試薬。
  12. 【請求項12】 抗原が体液中の正常蛋白質から修飾又
    は変異した蛋白質である請求項11記載の測定試薬。
  13. 【請求項13】 第二抗体がモノクローナル抗体である
    請求項9又は10記載の測定試薬。
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