JPH06317589A - アッセイ干渉を排除したイムノアッセイ法およびキット - Google Patents

アッセイ干渉を排除したイムノアッセイ法およびキット

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JPH06317589A
JPH06317589A JP5625691A JP5625691A JPH06317589A JP H06317589 A JPH06317589 A JP H06317589A JP 5625691 A JP5625691 A JP 5625691A JP 5625691 A JP5625691 A JP 5625691A JP H06317589 A JPH06317589 A JP H06317589A
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JP5625691A
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Robert J Kinders
ロバート・ジェイ・キンダーズ
Judith A Daufeldt
ジュディス・エイ・ドーフェルド
G Michael Hass
ジー・マイケル・ハス
Jerry G Henslee
ジェリー・ジー・ヘンスリー
David H Ostrow
デイビッド・エイチ・オストロウ
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    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54393Improving reaction conditions or stability, e.g. by coating or irradiation of surface, by reduction of non-specific binding, by promotion of specific binding
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    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/5306Improving reaction conditions, e.g. reduction of non-specific binding, promotion of specific binding

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マウスモノクローナル抗体を使用するイムノ
アッセイにおいて、試料の前処理をすることなく、ヒト
抗マウス抗体による干渉を回避する。 【構成】 患者が過去に他の動物種からの抗体で免疫さ
れたことにより生成した干渉抗体を含むと思われる患者
試料中の分析対象物の存在または量を決定する方法であ
って、(a)該試料を、(i)該動物種に関して異種である
ため該干渉抗体とは容易に結合しないが、(ii)分析対象
物は認識し結合する免疫反応性の結合成分と混合して混
合物中に該分析対象物と該免疫反応性の結合成分との間
に複合体を生成し、(b)該混合物から該複合体を分離
し、ついで(c)検出手段を用いて該複合体の存在または
量を決定することを特徴とする方法、試料中のヒト抗マ
ウス抗体の存在または量を検出するための架橋アッセイ
法、および該アッセイに使用するキット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イムノアッセイ法に関
する。さらに詳しくは、体液中に存在するヒト抗マウス
抗体により引き起こされるアッセイ干渉を実質的に回避
しながら、体液中の抗原を検出する方法に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】モノク
ローナル抗体は、種々のインビボ診断および治療を行う
ためヒトにしばしば投与される。たとえば、モノクロー
ナル抗体は、産生させた抗原に対する特異性が極めて高
いので体内の腫瘍部位に対する特異的直接細胞毒性物質
または造影剤として用いることができる。現在行われて
いる幾つかの癌治療では、腫瘍部位に細胞毒素を運ぶた
めの治療剤としてヒト腫瘍関連抗原に対して産生させた
マウスモノクローナル抗体を用いている。さらに、極め
て小さな腫瘍部位をも正確に決定するため、腫瘍関連抗
原に特異的な放射性標識マウスモノクローナル抗体を患
者に注射することもできる。他のマウスモノクローナル
抗体、たとえばリンパ球マーカーに対するもの、組織損
傷に関連するタンパク質(たとえば、クレアチンキナー
ゼ)に対するもの、およびエンドトキシンに対するもの
なども、治療または診断法を研究するためにヒトに注射
されている。これらの方法に用いられている主要なマウ
スモノクローナル抗体のイソタイプは免疫グロブリンI
gG1である。これらの方法の適用中に、多くの患者で
マウス抗体の注射に応答したヒト抗マウス抗体が産生さ
れる。そのような患者における循環ヒト抗マウス抗体の
存在は、マウスモノクローナル抗体の所望の機能的活性
を干渉することにより、該抗体を含有する治療剤または
診断剤のその後のインビボ投与を困難にする。さらに、
ヒト抗マウス抗体の存在は、アッセイ試薬としてマウス
モノクローナル抗体を使用するインビトロ診断アッセイ
の結果を干渉することもわかっている[トラウブ(Trau
b)ら、Cancer Res.48:4002〜4006、19
88;モスリー(Moseley)ら、J.Immunol.Meth.10
6:1〜6、1988;ジャファーズ(Jaffers)ら、T
ransplantation41:572〜578、1986;およ
びハーリン(Herlyn)ら、J.Immunol.Meth.85:2
7〜38、1985]。
【0003】血液中の腫瘍マーカー、たとえばα−フェ
トプロテイン(AFP)、ヒト絨毛性生殖腺刺激ホルモン
(HCG)および癌胎児抗原(CEA)などをインビトロ定
量することは、癌患者の疾患活性をモニターするのに重
要である。これら腫瘍関連抗原を測定または検出するた
めにマウスモノクローナル抗体アッセイ試薬を使用する
イムノアッセイ法において、ヒト抗マウス抗体により引
き起こされる干渉を減少させるための多くの方法が文献
中に示唆されている。CEAのためのイムノアッセイに
おいてヒト抗マウス抗体による干渉を減少されるための
方法の一つは、試料を70〜90°Cに15分間加熱す
ることにより試料を前処理することを含む。この操作に
より干渉タンパク質は沈澱して、CEAを含有する上澄
みが得られる。この方法はCEAイムノアッセイには有
用であるが、分析対象物(たとえば、抗原)が熱感受性の
エピトープを包含する他のイムノアッセイには適しない
[プリムス(Primus)ら、Clin.Chem.34:261〜2
64、1988]。他の前処理法では、プロテインA、
プロテインGまたは抗ヒトIgG抗体(ヒト抗マウス抗
体に結合する)を含有する免疫吸着カラムにCEA試料
を通すことが含まれる(プリムスら、Clin.Chem.3
4:261〜264、1988)。しかしながら、カラ
ムクロマトグラフィー法は非常に面倒であり、患者試料
の日常的操作には推奨できない。
【0004】わずかに一層便利な前処理法は、血漿試料
にポリエチレングリコールを添加し、ついで回転撹拌、
インキュベーションおよび遠心分離を行ってCEA試料
からヒト抗マウス抗体を沈澱させるものである(プリム
スら、Clin.Chem.34:261〜264、198
8)。しかしながら、この方法も、臨床研究室で標準ア
ッセイ法の一部として行うには依然として面倒である。
イムノアッセイにおけるヒト抗マウス抗体による干渉を
減少させる他の方法は、過塩素酸抽出の使用[キム(Ki
m)ら、米国特許第4,180,556号明細書]、または
過剰の液体ポリクローナルまたはモノクローナル抗体の
添加[ハンセン(Hansen)ら、Clin.Chem.35:146
〜151、1989;ニューマン(Newman)ら、J.Cli
n.Chem.,35:1743〜1746、1989]により
ヒト抗マウス抗体を結合させてヒト抗マウス抗体とアッ
セイ試薬の反応性を減少させることを含む。
【0005】従来の前処理法は、アッセイプロトコール
に工程を付加するか、および/またはヒト抗マウス抗体
を有効に除去できない。それゆえ、マウスモノクローナ
ル抗体を使用するイムノアッセイにおいてヒト抗マウス
抗体による干渉を実質的に回避した簡単な方法であっ
て、面倒な試料の前処理なしに、かつイムノアッセイの
結合反応に必要な分析対象物エピトープを変性すること
なく行うことのできる方法が必要とされている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒト抗マウス
抗体の干渉作用を実質的に回避することにより循環抗原
レベルの正確なモニターを可能にした、分析対象物の検
出のためのイムノアッセイ法およびキットを含む。上記
干渉の回避とは、イムノアッセイ系からヒト抗マウス抗
体を除去すること、または少なくとも所望でない抗体が
アッセイ結果に有意に影響を与えないレベルまで上記干
渉を減少させることを意味する。
【0007】患者が過去にマウス抗体で免疫されたこと
により生成したヒト抗マウス抗体を含むと思われる患者
試料中の分析対象物の存在または量を決定するためのイ
ムノアッセイ法の1つにおいて、試料を捕捉抗体と混合
して混合物を生成させる。捕捉抗体は、免疫マウス抗体
に関して異種であり、分析対象物と結合し得るものを選
択する。分析対象物と捕捉抗体とは複合体を生成し、該
複合体を混合物から分離し、指示試薬と反応させる。指
示試薬は、一般に、抗体に結合した検出可能な標識を含
んでおり、この抗体が分析対象物/捕捉抗体複合体に結
合して試料中の分析対象物の存在または量との関連にお
いて検出可能な複合体を生成する。この方法にはまた、
分析対象物、捕捉抗体または試験混合物にマウスIgG
を加えることが含まれていてもよく、該IgGはヒト抗
マウス抗体との捕捉抗体の交差反応性を減少させる。
【0008】分析対象物/捕捉抗体複合体が固相に結合
していると、該固相を洗浄するか、または沈殿、電気泳
動または凝集法などの当該技術分野でよく知られた他の
分離法により、複合体を混合物または試験系から分離す
ることができる。アッセイ法は、1工程アッセイ態様ま
たは2工程アッセイ態様で行うことができるし、サンド
イッチアッセイまたは競合アッセイとして行うことがで
きる。さらに、本発明の原理は、被験患者が他の種から
の抗体で免疫されていることにより試料中に存在する抗
体の干渉作用をも使用者から回避させるような多くのア
ッセイ態様に適用することが可能であるので、本発明は
ヒト抗マウス抗体により引き起こされるアッセイ干渉の
みに限られるものではない。これらのアッセイは、1工
程アッセイ態様または2工程アッセイ態様にて行うこと
ができる。
【0009】本発明の他の態様においては、試料中の干
渉抗体の存在または量を決定することができる。たとえ
ば、試料中のヒト抗マウス抗体の存在または量を検出す
るための架橋(bridging)アッセイを、抗アロタイプ抗
体、抗イディオタイプ抗体および/または抗イソタイプ
抗体を測定するために設計することができる。アッセイ
は、試料をマウスモノクローナル抗体と混合して試験混
合物を生成させることにより行うことができ、その場
合、ヒト抗マウス抗体は該マウスモノクローナル抗体上
のイソタイプエピトープに結合する。このマウスモノク
ローナル抗体は、一般にIgGまたはIgM抗体であ
る。マウスモノクローナル抗体/ヒト抗マウス抗体複合
体が生成し、この複合体を試験混合物から分離すること
ができる。つぎに、検出手段を用いて該複合体の存在ま
たは量を決定することにより、抗アロタイプ抗体および
抗イソタイプ抗体の存在を検出する。検出手段は、一般
に、免疫反応物に結合した検出可能な標識からなる指示
試薬を含む。免疫反応物は、マウスモノクローナル抗体
またはヒト抗マウス抗体に結合する(たとえば、標識抗
ヒト抗体など)。
【0010】架橋アッセイはまた、試料をマウスモノク
ローナル抗体と混合して試験混合物を生成させ、その
際、該マウスモノクローナル抗体は免疫に関与した抗体
と同じ抗体であり、ヒト抗マウス抗体は該マウスモノク
ローナル抗体に結合してマウスモノクローナル抗体/ヒ
ト抗マウス抗体複合体を生成するように設計することも
できる。この複合体は上記(および下記実施例)のように
して検出して抗イディオタイプ抗体および抗イソタイプ
抗体の両方を測定することができる。たとえば、指示試
薬は、免疫反応物(抗ヒト抗体、免疫マウス抗体または
免疫マウス抗体の断片)に結合した検出可能な標識であ
ってよい。
【0011】試料中の抗イディオタイプヒト抗マウス抗
体の存在または量を決定するための架橋アッセイも提供
され、このアッセイでは、試料中の抗イソタイプ抗体の
存在または量を決定し、試料中の抗イディオタイプ抗体
および抗イソタイプ抗体の存在または量を決定し、つい
でアッセイ結果を相関させて抗イディオタイプ抗体の存
在または量を決定する。別法として、捕捉結合成分また
は指示試薬の特異的結合成分は、免疫抗体の断片であっ
てもよく、該断片は干渉抗体のイディオタイプエピトー
プとは結合するがイソタイプエピトープとはほとんどま
たは全く結合しない。
【0012】記載する種々のアッセイにはまた、検出可
能な複合体を完成させるために少なくとも1種の補助特
異的結合成分を使用することが含まれる。これらのアッ
セイ法のいずれを行うための試験キットも製造すること
ができる。完成した試験キットには、適当な捕捉抗体お
よび適当な指示試薬が含まれ、マウス血清を含有する試
料希釈液も任意に含んでいる。
【0013】以下、本発明をさらに詳しく説明する。イ
ンビボ治療および診断剤に使用するマウスモノクローナ
ル抗体は、目的抗原に対する特異的免疫応答を引き起こ
すことによりマウス中に産生させる。たとえば、マウス
抗CEAモノクローナル抗体は、CEA分子の特定の抗
原決定基またはエピトープ(すなわち、該抗体が直接結
合するCEA分子上の部分)に対する応答により産生さ
れ、該抗原決定基またはエピトープを認識することがで
きる。結合が起こるのは、産生した抗体が該抗原決定基
に相補的な結合部位を有しているからである。そのよう
な抗体を診断または治療目的で患者に注射すると、免疫
応答を引き起こすという副作用を起こすことがあり、こ
の免疫応答によりヒト抗マウス抗体が患者により産生さ
れる。従って、特定の抗原に相補的なマウスモノクロー
ナル抗体はまた、ヒト抗マウス抗体(該マウスモノクロ
ーナル抗体に特異的に結合し得る)の産生を引き起こす
抗原としても働き得る。
【0014】IgG抗体の特異性の基礎は、4本の構成
アミノ酸鎖の一端にある。そのような4本の鎖が各抗体
分子を構成している。すなわち、2本の同一のH鎖また
は長鎖と、その側面に位置し抗体分子の2本の「腕」を形
成する2本の同一のL鎖または短いアミノ酸切片であ
る。各鎖のほとんどの部分は「定常部」を含んでおり、こ
の定常部のアミノ酸配列は、所定の動物で産生される広
範囲のクラスの抗体において各鎖で類似している。各鎖
にはまた「可変部」も含まれており、可変部は所定の抗原
に対して産生された各抗体クローンに独特のアミノ酸化
学およびコンフォーメーションを有している。抗体の2
本の各腕の末端において、H鎖とL鎖の可変部が独特の
結合部位を形成しており、この部位により抗体はその特
異的抗原決定基と相互反応することができる。抗体(主
抗体)は、該抗体の独特の分子特性を認識する他の抗体
の標的となり得るので、ヒト抗マウス抗体によるアッセ
イ干渉が生じる。この認識により、イディオタイプ−抗
イディオタイプ反応として知られる抗体−抗体反応が起
こり、その際、主抗体は抗原として働き、特異的な免疫
応答が引き起こされる。
【0015】主抗体の存在に応答して引き起こされる抗
体は、2つの主要なグループ、すなわち抗イソタイプ抗
体および抗イディオタイプ抗体のうちの一つに分類され
る。抗イソタイプ抗体は、主抗体のH鎖およびL鎖の定
常部(すなわちマウスによって産生された各抗体でアミ
ノ酸配列が実質的に類似している領域)中にある抗原決
定基を認識する。それゆえ、抗イソタイプ抗体は、所定
の動物種によって産生された多くの異なる抗体と結合し
得る。逆に、抗イディオタイプ抗体は、主抗体の独特の
抗原決定基(すなわち、所定の抗原に特異的に応答して
引き起こされた主抗体の領域)を認識する。それゆえ、
抗イディオタイプ抗体は、ある種の主抗体にのみ結合す
る。
【0016】本発明では、たった1mgもの少量のマウ
スモノクローナル抗体を1回注射するだけでヒト抗マウ
ス抗体応答を起こすのに充分であることが決定された。
そのようなマウスモノクローナル抗体の注射の結果、患
者は抗イソタイプと抗イディオタイプのIgGクラスヒ
ト抗マウス抗体を産生した。応答を経時的に観察したと
ころ、抗イディオタイプ抗体は後から出現するが、循環
系には一層長く残留することがわかった。ヒト抗マウス
抗体の存在はまた、イムノアッセイ(腫瘍関連抗原を検
出するためのサンドイッチイムノアッセイを含む)にお
いて偽陰性または偽陽性試験結果を生じることも決定さ
れた。
【0017】たとえば、通常のCEAサンドイッチイム
ノアッセイでは、第一のマウス抗CEAモノクローナル
抗体を固相支持体上に固定化する。CEA(抗原)を含ん
でいると思われる試料を該固相支持体と接触させると抗
原と抗体は結合し、抗原が支持体上に固定化される。支
持体および試料はまた、検出可能な標識に結合した第二
のマウス抗CEAモノクローナル抗体とも接触させる。
この第二の抗体はCEA分子上の別の決定基と結合し、
かくして支持体上に存在するいかなる抗原も標識され
る。一般に、アッセイは1工程で行い、試料、固定化固
相抗体および標識抗体を同時に混合しインキュベートす
る。
【0018】アレルギー反応による受動免疫かまたはマ
ウス抗体の注射による能動免疫により患者が過去にマウ
ス抗原に対して免疫されていることにより、ヒト抗マウ
ス抗体が試料中に存在し得る。抗イソタイプヒト抗マウ
ス抗体、すなわちアッセイ試薬として用いたマウスモノ
クローナル抗体の定常部に特異的な抗体は、アッセイ試
薬として用いた固相と標識マウス抗体との間で「架橋」を
形成し得る。この架橋反応は第1(a)図および第1(b)
図に説明してある。図中、ヒト抗マウス抗体が固相マウ
スモノクローナル抗分析対象物抗体と標識マウス抗分析
対象物抗体断片の両方に結合しているのが示されてい
る。それゆえ、検出すべき分析対象物が存在していない
場合でも、そのようなヒト抗マウス抗体がイムノアッセ
イに干渉する結果として標識抗体が固相上に固定化さ
れ、偽陽性のアッセイ結果が得られる。
【0019】抗イディオタイプヒト抗マウス抗体は、患
者にマウスモノクローナル抗体を前以て注射することに
より試料中に存在する抗体である。このような抗イディ
オタイプ抗体は、患者にマウスモノクローナル抗体を治
療または診断用にインビボ投与する間に同抗体が免疫原
としても働く場合に、アッセイ試薬として用いたマウス
モノクローナル抗体の可変部に特異的である。それゆ
え、同じマウスモノクローナル抗体を固相抗体として、
および標識抗体として用いたアッセイにおいて、抗イデ
ィオタイプヒト抗マウス抗体は固相支持体と標識抗体と
を架橋し、この場合も偽陽性のアッセイ結果が得られ
る。そのような抗イディオタイプ抗体架橋は、第1(c)
図に示してある。図中、ヒト抗マウス抗体は固相抗体と
標識抗体断片の両方の可変(イディオタイプ)領域に結合
することが示されている。または、抗イディオタイプヒ
ト抗マウス抗体は、固相抗体および/または標識抗体ア
ッセイ試薬上の利用できる結合部位に対して試料抗原と
直接競合し得る。そのようなヒト抗マウス抗体の競合結
合は、第1(d)図および第1(e)図に示してある。図
中、ヒト抗マウス抗体は試料中の分析対象物がアッセイ
試薬に結合するのを妨害する。競合ヒト抗マウス抗体結
合の結果、利用できるアッセイ試薬の結合部位をヒト抗
マウス抗体が占領することによる固相および標識抗体の
「ブロッキング」となる。それゆえ、ヒト抗マウス抗体が
アッセイ試薬の結合部位を占領するために分析対象物が
アッセイ試薬に結合できなくなり、その結果、偽陰性の
アッセイ結果が得られる。捕捉結合成分および指示試薬
の特異的結合成分が同じイディオタイプの抗体または抗
体断片である同種アッセイでは、第1(c)図、第1(d)
図または第1(e)図またはそれらの組み合わせに示す結
果が起こり得る。免疫試薬抗体またはその断片が捕捉結
合成分かまたは指示試薬の特異的結合成分であるアッセ
イにおいては、第1(d)図または第1(e)図に示す結果
となる。
【0020】本発明者らがヒト抗マウス抗体干渉の機構
を決定後、ヒト抗マウス抗体干渉を有利に回避し、かつ
面倒な試料前処理を行う必要のない本発明のイムノアッ
セイ法を設計した。ヒト抗マウス抗体干渉を有意に回避
することにより、試料中にヒト抗マウス抗体が存在する
場合でも所望の分析対象物を検出することができる。
【0021】本発明の概念は、アッセイ試薬として使用
した抗体に特異的に結合する試料中の固有抗体の存在に
より引き起こされる干渉を受けるいかなるイムノアッセ
イ態様(たとえば競合アッセイ、サンドイッチアッセ
イ、均質アッセイおよび不均質アッセイ)にも応用でき
ることは当業者には明らかであろう。ヒト抗マウス抗体
は本発明においてそのような干渉抗体の一例としてのみ
使用するものであり、マウス抗体が治療および診断試薬
として広く使用されていることにより該ヒト抗マウス抗
体の存在が増加しているためである。干渉抗体はまた、
ウサギ抗体、ヤギ抗体などの免疫によっても生じ得る。
それゆえ、あらゆる所定の動物免疫グロブリンに対して
向けられた干渉抗体の存在も、もしも同種からの抗体を
アッセイ試薬として用いるならば偽りのイムノアッセイ
値を生じ得る。しかしながら、本発明は、干渉抗体を含
有する試料中の目的分析対象物の検出を可能にするもの
である。このアッセイ態様では、異種抗体を捕捉抗体と
して有利に用いる。ここで「異種」とは、抗体が、それに
対して干渉抗体が産生された種とは異なる種からのもの
であることを意味する。たとえば、ポリクローナルヤギ
抗CEA抗体は、患者試料中に存在するヒト抗マウス抗
体の産生を引き起こしたモノクローナルマウス抗体に関
して異種抗体である。
【0022】本発明はまた、アロタイプの反応性により
引き起こされる干渉を回避するためのアッセイをも可能
にする。アロタイプマーカーまたはアロタイプとは、種
の幾つかのしかしすべてではない構成員の免疫グロブリ
ンに認められる、分子(この場合は免疫グロブリン分子)
の遺伝的変異体であるエピトープのことである。たとえ
ば、Balb/Cマウスの脾臓細胞との融合から得られ
たマウスモノクローナル抗体は、非Balb/Cマウス
の脾臓細胞との融合から得られたマウスモノクローナル
抗体とは異なるアロタイプを有する。それゆえ、ある一
つのマウスの株からの抗体に応答して産生されたヒト抗
マウス抗体は、異なるマウスの株からの抗体に応答して
産生されたヒト抗マウス抗体とは異なるアロタイプのエ
ピトープを有するかもしれない。これらの異なるアロタ
イプのエピトープは、抗体の特異性とは関係しない。
【0023】本発明はまた、目的分析対象物を含有する
試料中の干渉抗体の検出法をも包含する。そのような検
出に架橋アッセイ法を用いることができることがわかっ
た。架橋アッセイ法では、捕捉抗体および標識抗体の選
択を、干渉抗体がアッセイ試薬抗体に同時に結合できる
こと、および試薬抗体が目的分析対象物に同時に結合で
きないことに基づいて行う。本発明の種々の特定の態様
をさらに詳しく説明する前に、幾つかの術語を定義す
る。
【0024】「分析対象物」とは、ヒト抗マウス抗体など
の検出すべき干渉抗体か、または目的抗原(腫瘍関連抗
原などが含まれるが、これに限られるものではない)を
いう。「試料」とは、血漿、血清、腹水、リンパ液、脊髄
液、乳頭分泌液、尿その他の目的分析対象物を含有する
体液をいう。場合により試料は、特定のイムノアッセイ
に必要な試料容量を確保するため、血清成分を含むリン
酸緩衝食塩水などの適当な希釈緩衝液で希釈する。
【0025】「特異的結合成分」とは、特異的結合ペア
(すなわち一方の分子が他方の分子に化学的または物理
的手段により特異的に結合する2つの異なる分子)の成
分をいう。抗原と抗体との特異的結合ペアに加えて、他
の特異的結合ペアとしては、ビオチンとアビジン、炭水
化物とレクチン、相補的ヌクレオチド配列、相補的ペプ
チド配列、エフェクター分子とレセプター分子、酵素コ
ファクターと酵素、ペプチド配列と該配列もしくは全タ
ンパク質に特異的な抗体、ポリマー酸および塩基、染料
とタンパク質結合剤、ペプチドと特異的タンパク質結合
剤(たとえば、リボヌクレアーゼとS−ペプチドおよび
リボヌクレアーゼとS−タンパク質など)などが挙げら
れる。さらに、特異的結合成分には、もとの特異的結合
成分の類似体、たとえば分析対象物類似体なども含まれ
る。特異的結合成分が免疫反応物であるときは、たとえ
ば、抗体、抗原、ハプテン、またはそれらの複合体であ
ってよい。抗体を使用するときは、モノクローナル抗体
またはポリクローナル抗体、組換えタンパク質または抗
体、それらの混合物または断片、並びに抗体と他の特異
的結合成分との混合物であってよい。そのような抗体の
調製法および特異的結合成分として使用するのに適して
いることは、当業者にはよく知られている。
【0026】「指示試薬」とは、分析対象物に直接または
間接に結合し得る特異的結合成分に直接または間接に結
合した検出可能な標識からなり、試料中の分析対象物の
存在、不在または量を示すことのできるアッセイ試薬を
いう。標識または特異的結合成分のいずれかを変えるこ
とにより、種々の異なる指示試薬を調製することができ
る。一般には、指示試薬が分析対象物かまたは相補的な
特異的結合成分と複合体を生成した後に検出するが、未
結合の指示試薬を検出することもできる。
【0027】「標識」とは、特異的結合成分に結合し、視
覚または器具手段により検出可能なシグナルを生成し得
る物質をいう。本発明に使用するのに適した標識として
は、色原体;触媒;蛍光化合物;化学発光化合物;放射
性同位体;コロイド金属もしくは非金属粒子、染料粒
子、酵素または基質、または有機ポリマーラテックス粒
子を含む直接視覚標識;リポソームもしくは他の小胞含
有シグナル生成物質などが挙げられる。
【0028】米国特許第4,275,149号明細書、カ
ラム19〜23(本明細書中に参照のため引用する)に
は、標識として使用するのに適した多数の酵素が開示さ
れている。たとえば、本発明に有用な酵素/基質シグナ
ル生成系は、基質としてニトロブルーテトラゾリウム−
5ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートま
たはその類似体を用いた酵素のアルカリ性ホスファター
ゼである。西洋ワサビペルオキシダーゼを用いる場合
は、o−フェニレンジアミンを酵素基質として加えて発
色生成物を生成させ、これを視覚または器具を用いて検
出および/または測定する。
【0029】別のシグナル生成系では、標識は蛍光化合
物であり、検出可能なシグナルを生成させるため標識の
酵素的な操作が必要とされる。この系における標識とし
ては、フルオレセイン、フィコビリタンパク、ローダミ
ンおよびそれらの誘導体および類似体が挙げられる。
【0030】特に好ましい標識は、別のシグナル生成試
薬を用いることなく試料中の分析対象物の存在または濃
度を直接色で読み取ることのできる視覚的に検出可能な
発色粒子である。そのような粒子として用いる物質とし
ては、コロイド金属(たとえば、金など)、および染料粒
子などが挙げられる(米国特許第4,313,734号お
よび同第4,373,932号各明細書に開示)。コロイ
ドセレン粒子などの非金属コロイドの調製法および使用
は、本出願人による米国特許出願第072,084号(1
987年7月9日出願)(参照のため本明細書に引用す
る)明細書に開示されている。有機ポリマーラテックス
粒子の標識としての使用は、本出願人による米国特許出
願第248,858号(1988年9月23日出願)(参照
のため本明細書に引用する)明細書に開示されている。
特定の標識を選択することは、それ自体で、または1ま
たは2以上の他のシグナル生成物質と組み合わせて検出
可能なシグナルを生成し得る限り、重要ではない。
【0031】「シグナル生成成分」とは、他のアッセイ試
薬または分析対象物と反応して、分析対象物の存在を示
し視覚または器具手段により検出し得る反応生成物また
はシグナルを生成し得る物質をいう。「シグナル生成系」
とは、所望の反応生成物またはシグナルを生成するのに
必要なアッセイ試薬の集合をいう。たとえば、標識と反
応して検出可能なシグナルを生成させるため1または2
以上のシグナル生成成分を用いることができる。すなわ
ち、酵素が標識である場合は、該酵素を1または2以上
の基質または別の酵素と反応させて検出可能な反応生成
物を生成させることにより、検出可能なシグナルが増幅
される。
【0032】「捕捉結合成分」とは、分析対象物または指
示試薬に直接または間接に結合することができ、捕捉成
分を試料または他のアッセイ試薬から分離できるよう
に、固相に固定化されているかまたは固定化し得るかま
たは沈殿させ得る特異的結合成分をいう。
【0033】「捕捉試薬」とは、固相物質に直接または間
接に結合して、未結合の分析対象物およびアッセイ試薬
から捕捉結合成分および該捕捉結合成分に結合した分析
対象物または指示試薬を分離できる捕捉結合成分をい
う。一般に、捕捉結合成分の固相物質への結合は実質的
に可逆的なものであり、共有結合機構を含む。しかしな
がら、本発明の捕捉試薬は不溶性の固相物質に結合した
捕捉結合成分に限られるものではない。凝集アッセイ法
においては、捕捉試薬の捕捉結合成分はウシ血清アルブ
ミンなどの可溶性担体に結合している。
【0034】アッセイに使用する捕捉試薬を前調製する
に際して、捕捉結合成分(たとえば、分析対象物特異的
抗体など)を固相上に固定化したら、固相の残りの表面
は一般にウシ血清アルブミンなどの適当なタンパク質溶
液でブロックする。ついで、固相を適当な溶液で洗浄し
て過剰のブロッキング溶液および/または未結合の捕捉
結合成分を除去する。
【0035】アッセイ成分の間で複合体生成が生じた
ら、固相を分離機構として用いることができる。たとえ
ば、反応混合物を固相物質と接触させると、新たに生成
した反応複合体は固相物質により保持される。この分離
工程を行うために別法を用いることもでき、たとえば、
それ自体が捕捉結合成分に結合する固相を用いること、
捕捉結合成分に特異的な結合成分を固相に結合させるこ
と、または捕捉結合成分に結合した反対に荷電した物質
を誘引し結合する荷電物質などの反応試薬を固相に結合
することなどが挙げられる(本出願人による米国特許出
願第150,278号(1988年1月29日出願)明細
書、参照のため本明細書に引用する)。
【0036】本発明のアッセイ装置は多くの形態を取る
ことができ、その幾つかは固相に選択した物質に依存す
る。「固相物質」とは、特異的結合成分を固定化するのに
使用する当業者によく知られた適当なクロマトグラフィ
ー物質、吸湿性物質、多孔質物質または毛管物質または
他の通常の固体物質などをいう。本発明においては、固
相物質は、1または2以上のアッセイ試薬を含有する1
または2以上の層を有するフロースルー(flow−throug
h)アッセイ装置で使用するための繊維ガラス、セルロー
スまたはナイロンパッド;ディップアンドリード(dip
and read)アッセイのためのディップスティック(dipst
ick);クロマトグラフィー法(たとえば、ペーパークロ
マトグラフィーまたはガラス繊維クロマトグラフィーな
ど)または薄層クロマトグラフィー(たとえば、ニトロセ
ルロースクロマトグラフィーなど)に使用するための試
験ストリップであって、固相物質の単一ストリップの別
々のゾーン中に1またはすべての試薬が含まれているも
の;または当業者によく知られた吸着物質などが含まれ
る。固相物質にはまた、ポリアクリルアミドビーズ、ポ
リスチレンビーズまたはチューブ、マグネティックビー
ズ、1または2以上の反応ウエルを有するマイクロタイ
タープレートまたはプラスチック試験管なども含まれる
が、これらに限られるものではない。
【0037】天然物質、合成物質または合成的に修飾し
た天然物質を固相物質として用いることができ、たとえ
ば、多糖類(たとえば、紙、セルロースおよびセルロー
ス誘導体(酢酸セルロースおよびニトロセルロースなど)
を含むセルロース物質など);シリカ;繊維ガラス;不
活化アルミナ、ケイソウ土または他の無機の細砕し多孔
質ポリマーマトリックス中に均一に分散させた物質など
の無機物質(ポリマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニ
ル−プロピレンコポリマー、および塩化ビニル−酢酸ビ
ニルコポリマーなどが挙げられる);天然の布(たとえ
ば、綿など)および合成の布(たとえば、ナイロンな
ど);シリカゲル、アガロース、デキストランおよびゼ
ラチンなどの多孔質ゲル;ポリアクリルアミドなどのポ
リマーフィルム;マグネティック粒子;マイクロタイタ
ープレート;ポリスチレンチューブ;タンパク質結合
膜;アガロース;セファデックス(ファルマシア・ファ
イン・ケミカルズ、ピスカタウエイ、N.J.);トリス
アクリル(Trisacryl)(ポワント−ジラール(Pointet−
Girard)、フランス);シリコン粒子;多孔質繊維マト
リックスなどが挙げられる。固相物質は、それ自体で妥
当な強度を有しているか、または支持体により強度を付
与し得るものでなければならず、また検出可能なシグナ
ルの生成を干渉してはならない。
【0038】捕捉試薬の特異的結合成分は、場合により
微粒子などの粒子に結合させることができる。これらの
微粒子は固相物質として働き、カラム中に保持される
か、可溶性試薬と試料との混合物中に懸濁されるか、ま
たは別の固相ベース物質に保持され固定化される。「保
持され固定化される」とは、微粒子が固相ベース物質に
関して該固相ベース物質内のどこの位置にも実質的に移
動できないことを意味する。微粒子は、ポリスチレン、
ポリメチルアクリレート、ポリプロピレン、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボ
ネートまたは同様の物質からなるものを含む、あらゆる
適当なタイプの粒子から当業者により選択することがで
きる。微粒子のサイズは重要ではないが、固相ベース物
質を用いるような場合には該固相ベース物質の平均孔径
よりも小さい平均直径を有するのが好ましい。
【0039】「補助特異的結合成分」とは、捕捉結合成分
および検出可能な結合複合体の一部となった指示試薬と
は別に使用した特異的結合成分をいう。1または2以上
の補助特異的結合成分をアッセイに用いることができ
る。たとえば、捕捉結合成分が補助特異的結合成分に結
合することができ、該補助特異的結合成分が今度は固相
と結合することができるアッセイにおいて補助特異的結
合成分を用いることができる。所定の標識、補助特異的
結合成分または固相物質の選択は一般に本発明には重要
ではないことが当業者には理解されるであろう。これら
物質は、選択したアッセイ態様の結果を最適化するよう
にして選択する。
【0040】目的アッセイの分析対象物 本発明の分析対象物アッセイは、2工程の不均質サンド
イッチアッセイとして行うのが好ましい。サンドイッチ
イムノアッセイはよく知られたイムノアッセイ法である
が、本発明は公知方法に新規使用を供することによっ
て、試料中の所望でない抗体(ヒト抗マウス抗体など)に
より引き起こされるアッセイ干渉を回避することができ
る。
【0041】アッセイにおいて、試料をまず捕捉試薬
(たとえば、固相に吸着させた、または他の方法で結合
させた抗体など)とともにインキュベートして分析対象
物が該抗体に結合するようにする。このインキュベーシ
ョン後、固相を洗浄して未反応の試料を除去する。この
洗浄により、干渉抗体もまた試料系から除かれるが、捕
捉試薬に固定化された分析対象物は残留する。ついで、
この固定化分析対象物を標識抗体(指示試薬)と反応さ
せ、検出可能な捕捉試薬/指示試薬複合体を生成させ
る。一つの好ましい態様においては、捕捉試薬は、固相
に直接または間接に結合または固定化した、検出すべき
分析対象物に特異的な異種抗体である。たとえば、試料
中のヒト抗マウス抗体の存在によって引き越される干渉
を回避すべく設計したアッセイにおいて、分析対象物に
特異的な非マウス抗体を捕捉試薬として用いる。マウス
免疫グロブリンと他の動物の免疫グロブリンのアミノ酸
配列の違いにより、抗マウスイソタイプ抗体または抗マ
ウスイディオタイプ抗体が固相上に固定化される確率は
最小になる。ポリクローナル抗体またはモノクローナル
抗体のいずれかを用いて捕捉試薬を調製することができ
るが、ポリクローナル抗体が最も好ましい。不均質アッ
セイにおいて、指示試薬の抗体成分は異種抗体であって
もよいが、異種抗体である必要はない。というのは、一
般に分析対象物と指示試薬との反応前の洗浄により干渉
抗体は試験系から除去されるからである。この2工程ア
ッセイプロトコールにより、干渉抗体は異種捕捉抗体お
よび標識抗体に架橋することができなくなる。それゆ
え、このアッセイは、干渉抗体の存在にもかからわず試
料中の分析対象物の実際の濃度を決定するのに有効であ
る。
【0042】モノクローナル抗体を捕捉結合成分として
用いる場合は、患者に注射する診断または治療抗体を産
生するのに最もしばしば用いられる種とは異なる種から
のものにするのが最も好ましい。一般に、マウスIgG
1抗体がインビボヒト治療または腫瘍関連抗原の診断に
用いられる。それゆえ、腫瘍関連抗原のインビトロアッ
セイにおいては、固相に結合させるモノクローナル抗体
は非マウスモノクローナル抗体か、または少なくともマ
ウスIgG1抗体よりはマウスIgM抗体が好ましい。
他の好ましい抗体もまた、よく知られた方法によりラッ
ト、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ウマなどから
得ることができる。
【0043】2工程サンドイッチアッセイ態様により、
固有抗体により引き起こされるアッセイ干渉を回避しな
がら分析対象物のアッセイを行うことができるが、1工
程アッセイもまた行うことができる。1工程アッセイに
おいては、捕捉結合成分、試料および指示試薬を同時に
(すなわち洗浄工程を間に置くことなく)混合する。1工
程アッセイを行う場合は、1または両方の結合成分が免
疫抗体に関して異種であり(たとえば、二重ポリクロー
ナル抗体アッセイ)、また免疫抗体を得た種からの血清
を試験系に加えるのが好ましい。
【0044】たいていの試料については、ヒト抗マウス
抗体からの干渉を回避しながら分析対象物を検出するに
は上記2工程アッセイで充分である。しかしながら、幾
つかの試料では、そのような干渉抗体の力価が非常に高
いかもしれない。そのような場合には、マウス血清を試
験系またはアッセイ試薬に加えることにより、マウス抗
体を干渉ヒト抗マウス抗体にさらに結合させてそのよう
な抗体のアッセイ試薬との反応性を減少させるのが好ま
しい。試験系へのマウス血清の添加と異種抗体を捕捉抗
体として用いた2工程アッセイ態様とを組み合わせれ
ば、好ましいアッセイ態様が得られる。
【0045】分析対象物アッセイはまた、競合アッセイ
態様で行うこともできる。たとえば、分析対象物または
分析対象物類似体を固相に固定化し、標識した異種結合
成分への結合に対して試料中の分析対象物と競合させ
る。別法としては、異種結合成分を固相に固定化し、分
析対象物と標識分析対象物または標識分析対象物類似体
とを結合に対して競合させる。均質アッセイを行うこと
もできる。しかしながら、そのようなアッセイでは、結
合分析対象物と未結合分析対象物との分離が前以て行わ
れないので、ヒト抗マウス抗体干渉は異種抗体の使用に
より破壊される。
【0046】ヒト抗マウス抗体アッセイ 試料(腫瘍関連抗原の検出のための試料など)中のヒト抗
マウス抗体の存在を示すため、目的抗原が存在している
ときでもヒト抗マウス抗体のみを検出することができる
ようにアッセイを設計することがまず必要である。イン
ビボ目的で使用し目的抗体の産生を引き起こしたのと同
じ抗体をアッセイ試薬抗体にも用いるのが好ましい。な
ぜなら、該抗体こそが干渉抗体を産生させた免疫剤であ
るという点で最大のアッセイ感度が得られるからであ
る。それゆえ、患者のインビボ治療に用いヒト抗マウス
抗体の産生を引き起こしたのと同じマウスモノクローナ
ル抗体を、アッセイ試薬抗体としても用いる。
【0047】そのようなマウスモノクローナル抗体の特
定の例は、ハマーストローム(Hammerstrom)らにより記
載されており(Cancer Research49:4852〜4
858、1989)(参照のため本明細書に引用する)、
該文献中において11の異なる研究グループからの52
の充分に特徴付けられた抗CEAモノクローナル抗体の
エピトープ反応性が議論されている。充分に特徴付けら
れたマウスモノクローナル抗体の例をさらに第1表に示
す。
【0048】第1表 (マウスモノクローナル試薬抗体の例)モノクローナル抗体 免疫原 イソタイプ 特徴 B72.3 一次ヒト乳癌の IgG1 6−シアロシルTn抗原;ムチン 肝臓転移 糖タンパク質(腫瘍関連糖タンパク質 [TAG−72])上に認められる 炭水化物に向けられたもの (CEAとは結合しない) C110 CEA IgG1 CEAの領域N中のタンパク質性 のエピトープに向けられたもの OC125 ヒト卵巣癌細胞 IgG1 卵巣癌で発現されたムチン糖タン 株(OvCa433) パク質上のタンパク質/炭水化物 エピトープに向けられたもの H8C2 CEA IgG1 CEAのドメイン1中のタンパク 質性エピトープに向けられたもの H46C136 CEA IgG2a CEAのドメインNに向けられた もの C110F(ab')2 CEA IgG1 CEAのドメインNのタンパク質 性エピトープに向けられたもの F36/22 ヒト乳癌細胞 IgG3 ヒト乳ムチンの20アミノ酸縦て 株(MCF−7) 繰り返し配列に向けられたもの M85/34 ヒト腹水のムチ IgMk N−アセチルラクトサミンに向け ン調製物 られたもの(CEAとは結合しない)
【0049】ヒト抗マウス抗体アッセイの試薬は、捕捉
試薬の抗体成分および指示試薬の抗体成分がヒト抗マウ
ス抗体とは結合するが、試料中に存在しているかもしれ
ないCEAなどの目的抗原とは同時に結合しないように
選択する。アッセイ試薬は試料中のCEAを固定化も標
識もしないので、試料中にヒト抗マウス抗体が存在する
場合のみに陽性のアッセイ結果が得られる。たとえば、
指示試薬をC110抗体で標識することにより調製し、
異なる捕捉試薬は第1表に示すH82、C110F(a
b')2、B72.3およびH46C136抗体を用いて調
製した。第1表に示すマウスモノクローナル抗体の特徴
付けに基づき、標識C110抗体とH8C2捕捉抗体と
のアッセイ試薬の組み合わせのみが、CEA分子に同時
に結合および標識することが予測される。なぜなら、C
110、C110F(ab')2およびH46C136抗体
はすべてCEAの同じエピトープに結合するためCEA
分子に同時に結合することができず、B72.3はCE
Aに結合しないからである。それゆえ、後者の試薬の組
み合わせのどれかを用いて検出可能なシグナルが得られ
た場合には、その陽性の結果は、固定化試薬と標識試薬
とに同時に結合し得る(これら試薬はマウスモノクロー
ナル抗体であるので)ヒト抗マウス抗体によりアッセイ
試薬が架橋されたことによるものである。本発明の上記
観点の記載をCEAに基づいて行ったが、他の一般的な
腫瘍関連抗原を含有する試料中のヒト抗マウス抗体を検
出するために本発明の概念を有利に適用し得ることは当
業者には評価されるであろう。
【0050】陽性の試験結果は、試料中にヒト抗マウス
抗体が存在し、固定化マウスモノクローナル抗体および
標識マウスモノクローナル抗体の両方と反応してこれら
アッセイ試薬を架橋させる場合に得られる。このアッセ
イ態様では、固定化抗体および標識抗体がヒト抗マウス
抗体によって抗原として実際に認識されるために、これ
らアッセイ試薬が該ヒト抗マウス抗体に結合するのであ
ることに注意しなければならない。架橋反応は固定化抗
体または標識抗体の特異性とは無関係に起こる。このこ
とは、ヒト抗マウス抗体アッセイを通常のサンドイッチ
イムノアッセイから区別するものである。
【0051】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに
詳しく説明するが、本発明はこれらに限られるものでは
ない。サンドイッチアッセイ法はよく知られているが、
本発明はそのようなアッセイの新規な使用を提供するも
のであることは、当業者に評価されるであろう。さら
に、実施例ではCEAについて記載したが、上記のよう
に本発明の概念は他の分析対象物のアッセイおよび他の
干渉抗体にも適用し得ることも評価されるであろう。実施例1 (ヒト抗マウス抗体アッセイ試薬の選択) ヒト抗マウス抗体などの干渉抗体の検出用アッセイにど
の抗体が最も適しているかを決定するため下記実験を行
った。
【0052】(a)固相支持体および固定化抗体の調製:
一連の固相支持体反応ウエル[イムロン−II96ウエ
ルプレート、ダイナテック・ラボラトリーズ(Dynatech
Laboratories)、シャンティエ、VA]をマウスモノ
クローナル捕捉抗体(第1表に示すH8C2、C110
F(ab')2、B72.3(ナショナル・インスチチュート
・オブ・ヘルス(National Instituteof Health),
NTIS)またはH46C136)でコーティングした。
100μlのモノクローナル抗体(炭酸緩衝液、pH9.
6中に2.0μg/mlの濃度にて)を各ウエル中に入
れ、2〜8℃で一夜インキュベートした。ついで、ウエ
ルを37℃にて1時間、ウシ血清アルブミン(BSA;
1%[w/w]BSAを含有する50mMリン酸緩衝食塩水
[PBS]、pH7.4)でオーバーコーティングして捕捉
試薬の調製を完了した。
【0053】(b)試料:5%ウシ胎仔血清および0.1
%硫酸ゲンタマイシンを含有するPBS中で血清を1:
10に希釈した。ついで、この血清を適当な終点(1:
20〜10,240)に段階希釈し、最終アッセイ容量
(100μl)を各ウエル中に入れた。試料をウエル中、
37℃にて2時間インキュベートした。ついで、試料を
ウエルから吸引し、ウエルをElisaプレート洗浄液(ヌ
ンク、デンマーク)で洗浄した。
【0054】(c)標識抗体:指示試薬は、酵素標識(西
洋ワサビペルオキシダーゼ)に結合した抗CEAマウス
モノクローナル抗体(C110)であった。そのような指
示試薬の調製法の詳細および結合アッセイに使用するこ
との適切さについては、当業者によく知られている。結
合法の一例は、ナカネ(Nakane)らのJ.Histochemistr
y and Cytochemistry、22(12):1084〜10
91、1974に記載されている。他の抗体を用いた指
示試薬も実質的に同じ方法で調製した。
【0055】適当な濃度(たとえば、C110指示試薬
に関しては、5%ウシ胎仔血清を含有するPBS、また
は1%ウシ血清アルブミン中に2.0μg/ml)の指示
試薬(100μl)を各ウエルに加え、ウエル中、37℃
にて2時間インキュベートした。ついで、ウエルを蒸留
水で洗浄した。シグナル生成試薬として基質溶液(o−
フェニレンジアミン[OPD])を各ウエルに加えた。酵
素/基質反応を室温にて30分間行った。等容量の硫酸
(1N、100μl)を加えて反応を停止させた。反応物
の色生成をプレートリーダー(バイオテク・インスツル
メンツ(BiotechInstruments)、ウイノースキー、V
T)で490nmにて読み取った。第2図は、固定化捕
捉抗体と標識抗体との異なる組み合わせを用いた幾つか
のサンドイッチアッセイの結果を示す。これらアッセイ
は、実質的に上記プロトコールに従って行い、血清試料
は既知濃度のCEA(2415ng/ml)を含有するも
のを用いた。
【0056】ある種のマウスモノクローナル抗体の組み
合わせのみがCEAサンドイッチアッセイ法における固
定化抗体試薬および標識抗体試薬としての使用に適して
いることを確立するため、上記実験にCEA試料を用い
た。捕捉抗体および標識抗体は、抗原に同時に結合し得
るためには該抗原分子上の異なるエピトープに結合する
ことができなくてはならない。
【0057】捕捉抗体と標識抗体との上記組み合わせを
用いたアッセイの結果は、H8C2捕捉抗体および標識
C110抗体のみが同時にCEAに結合することを示し
た(H8C2抗体はCEAのドメイン1中のタンパク質
性エピトープに特異的であり、一方、C110抗体はC
EAの領域N中のタンパク質性エピトープに特異的であ
るので)。この特定の試薬の組み合わせを用いたアッセ
イを、3つの異なる日に行った。標識C110抗体と固
定化C110F(ab')2かまたはH46C136捕捉抗
体との組み合わせは、捕捉抗体/CEA抗原/指示抗体
サンドイッチ複合体を完成しなかった。なぜなら、これ
ら捕捉抗体はC110抗体とは実質的に異なるエピトー
プとは結合しないからである。B72.3抗体はCEA
上のいかなるエピトープとも結合せず、それゆえCEA
特異的C110モノクローナル抗体と組み合わせて用い
た場合も陰性の結果を生じた。さらに、B72.3抗原
はCEAとは区別されるので、CEA特異的モノクロー
ナル抗体はB72.3抗原とは結合しない。
【0058】C110/C110F(ab')2、C110
/B72.3およびC110/H46C136標識抗体
/捕捉抗体アッセイ試薬の組み合わせはCEAとは結合
しないことが示されたので、これら試薬の組み合わせの
一つを用いて陽性のアッセイ結果が得られたら、それは
ヒト抗マウス抗体が存在すること、すなわち、ヒト抗マ
ウス抗体が試薬架橋により偽陽性の結果を引き起こした
ことを示していることが結論された。
【0059】実施例2 抗原の存在下でのヒト抗マウス抗体の力価の提示:プロ
ーブまたは指示試薬として標識B72.3を、捕捉試薬
の抗体成分としてB72.3、OC125[セントカー
(Centocor)、モールバン、PA]、C110、C110
F(ab')2、F36/22[ロスウエル・パーク・メモ
リアル・インスチチュート(Roswell Park Memoria
l Institute)、バッファーロー、NY]、H46C1
36またはM85/34(第1表に記載)のいずれかを用
い、ヒト抗マウス抗体の存在を検出するため架橋アッセ
イを行った。これら試薬を調製し、実質的に実施例1に
記載の方法に従ってアッセイを行った。試料は、造影/
治療プロトコール(すなわち、抗イソタイプヒト抗マウ
ス抗体の存在が知られている)においてB72.3マウス
モノクローナル抗体キレートを前以て注射したことによ
りヒト抗マウス抗体応答を示した患者の血清であった。
固相支持体上に標識B72.3抗体が存在すること、す
なわち陽性の試験結果は、試料中にヒト抗マウス抗体が
存在し、アッセイ試薬を架橋したことを示していた。こ
れらアッセイの結果を第3図に示す。抗原(TAG−7
2、腫瘍関連糖タンパク質抗原)を検出することが示さ
れた唯一の抗体の組み合わせは、捕捉結合成分および指
示試薬の特異的結合成分の両方にB72.3抗体を用い
たものであった。この組み合わせは、抗原、抗イディオ
タイプヒト抗マウス抗体および抗イソタイプヒト抗マウ
ス抗体を検出した。
【0060】F36/22、H46C136またはC1
10F(ab')2捕捉抗体を用いた試薬の組み合わせから
陽性のアッセイ結果が得られ、試料中のヒト抗マウス抗
体の存在が確認された。これらアッセイ結果は陽性では
あったが、これら試薬で検出されたヒト抗マウス抗体の
力価は、B72.3、OC125またはC110捕捉抗
体試薬を用いて測定したヒト抗マウス抗体の力価に比べ
ると約100倍小さかった。これらアッセイ結果は、ヒ
ト抗マウス抗体への結合がイソタイプ特異的であること
を示していた。抗原特異性は異なるが同じIgG1イソ
タイプの3種のマウスモノクローナル抗体(たとえば、
B72.3、OC125またはC110)のうちの一つを
捕捉抗体として用いた場合には、測定されるヒト抗マウ
ス抗体の力価は同じであった。イソタイプIgG2a(た
とえば、H46C136)またはIgG3(たとえば、F
36/22)のマウスモノクローナル抗体を用いた場合
には、見かけのヒト抗マウス抗体力価は減少した。C1
10F(ab')2捕捉抗体断片との反応性の減少は、この
特定の患者におけるヒト抗マウス抗体の特異性がB7
2.3抗体H鎖の定常部に認められるイソタイプ抗原決
定基に向けられていることを示していた。
【0061】M85/34抗体(マウスIgMモノクロ
ーナル抗体)を固定化捕捉抗体として用いた場合には、
ヒト抗マウス抗体力価は実質的に検出することができな
かった。M85/34抗体はI/i血液型抗原(N−ア
セチルラクトサミン誘導体)を認識し、CEAとは結合
せず、M85/34エピトープはB72.3またはOC
125によって認識されるエピトープとともに同じ分子
上に存在するのは希でしかない。アッセイにおけるマウ
スIgM抗体の使用は、ヒト抗マウス抗体の存在下にお
いてさえも分析対象物の検出および測定にマウスIgM
が有用であることを示していた。マウスIgGイソタイ
プモノクローナル抗体に向けられたヒト抗マウス抗体
は、マウスIgMイソタイプモノクローナル抗体とそれ
ほど大きく交差反応しないことが示された。それゆえ、
マウス抗体が干渉抗体とは異なるイソタイプを有してい
る場合でも、該マウス抗体をアッセイの捕捉抗体として
用いることができ、ヒト抗マウス抗体干渉は依然として
回避し得る。
【0062】実施例3 抗イディオタイプ抗体を検出するためのヒト抗マウス抗
体アッセイ:マウスモノクローナル抗体C110を注射
した患者の免疫応答の測定および特徴付けのため、ヒト
抗マウス抗体架橋アッセイを設計し使用した。この患者
のヒト抗マウス抗体応答の結果は、ヒト抗マウス抗体の
みを測定し得るアッセイの方がCEAを測定しヒト抗マ
ウス抗体の存在により干渉され得るアッセイにおけるよ
りも、この患者の血清の反応性は高かった。C110捕
捉試薬/C110指示試薬の組み合わせで観察される抗
体力価は、試験した他のいかなるモノクローナル抗体の
組み合わせで観察した力価よりも高く、抗イディオタイ
プ特異的応答を反映していた。C110指示試薬/H4
6C136捕捉試薬の組み合わせの高い反応性(第4図
参照)は、H46C136抗体がC110と同じ1また
は2以上のイディオタイプ抗原決定基を有していること
を示していた。この観察結果は、H46C136のCE
Aエピトープ特異性がC110と類似していること(上
記第1表参照)と一致するものである。
【0063】実施例4 ヒト抗マウス抗体アッセイ:C110抗体のF(ab')2
断片を固定化捕捉抗体として標識C110抗体断片とと
もに用い、架橋アッセイを設計した。実質的に実施例1
に記載の方法に従ってアッセイ試薬を調製し、アッセイ
プロトコールを行った。試料は、B72.3マウスモノ
クローナル抗体を前以て注射することにより引き起こさ
れた既知の抗イソタイプヒト抗マウス抗体応答を有する
患者からのものであった。この試薬の組み合わせをC1
10捕捉抗体/C110標識抗体の組み合わせおよびC
110捕捉抗体断片/C110標識抗体の組み合わせと
比較した(実施例3参照)。各アッセイに使用した標識は
西洋ワサビペルオキシダーゼであった。アッセイ結果
(第5図に示す)は、この患者の抗イソタイプ抗体が実質
的に免疫グロブリンのH鎖または定常断片部に向けられ
ていることを示していた(捕捉抗体断片を用いて測定し
た場合のヒト抗マウス抗体力価は、完全なC110抗体
を固定化捕捉抗体として用いた場合に比べて100倍小
さかった)。これらの結果は、実際のヒト抗マウス抗体
力価を測定する場合には、捕捉抗体試薬および標識抗体
試薬の両方に抗体断片を使用すると完全なC110抗体
を使用した場合よりも有効性が低いことを示している。
【0064】実施例5 CEAアッセイ比較:下記実験では、ポリクローナル抗
体試薬とモノクローナル抗体試薬との組み合わせを用い
たサンドイッチアッセイの方が、モノクローナル抗体試
薬のみを用いたサンドイッチアッセイよりもヒト抗マウ
ス抗体の測定レベルが良好であることが示された。マウ
スモノクローナル抗体(B72.3)を前以て注射した患
者からの血漿試料を下記のように処理し、幾つかの異な
る市販のCEAアッセイキットを用いて試験した。
【0065】プロテインAを含有するクロマトグラフィ
ーカラムに試料を通すことにより、試料からヒト抗マウ
ス抗体を分離した。ヒト抗マウス抗体はプロテインAに
結合する(CEAは結合しない)ため、観察されるCEA
試験値への真のCEAおよびヒト抗マウス抗体の貢献の
評価は、結合プロテインAフラクションおよび未結合プ
ロテインAフラクションを個々にアッセイすることによ
り評価することができた。プロテインAを含むカラムク
ロマトグラフィーによるヒト抗マウス抗体およびCEA
の分離は、当該技術分野でよく知られた方法である。精
製は下記のようにして行った。バイオラドエコノカラム
(10cm×9mm、リッチモンド、CA)にプロテイン
Aセファロース(5ml、ファルマシア、ピスカタウエ
イ、NJ)を充填した。このカラムを負荷緩衝液(50m
l;1Mグリシン、3Mトリス、pH8.8)で洗浄する
ことにより平衡化した。試料(5.0ml)を負荷緩衝液
(5.0ml)で希釈し、カラムに通した。このカラム溶
出液を保存し、「非IgG」と表示した。このフラクショ
ンは真のCEAを含有しており、樹脂とは親和性を有し
ない。ついで、このカラムを負荷緩衝液(20ml)で洗
浄した。ついで、結合IgG(ヒト抗マウス抗体を含有
する)を1Mクエン酸でpH3.0に調節した50mMリ
ン酸緩衝液でカラムから溶出した。280nmにおける
吸光度によりタンパク質ピークを検出した。上記pH
3.0緩衝液の適用後に280nmで光を吸収したフラ
クションを「IgG」と表示した。
【0066】第2表は、フラクションに分けていない血
漿試料(「試料」)、真のCEA貢献(「非IgG」)およびヒ
ト抗マウス抗体貢献(「IgG」)をアッセイして得られた
データを示す。下記CEAアッセイキットを用いて試料
を試験した:アボットCEA−EIAモノクローナルワ
ンステップ、アボットCEA−EIAワンステップおよ
びアボットCEA−EIAモノクローナル(すべてアボ
ット・ラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイか
ら);CEA−ロッシュ(Roche)EIA(ホフマン・ラロ
ッシュ(Hoffman−LaRoche,Inc.,)、ナットリー、ニ
ュージャージー);およびタンデム−E CEA(ハイブ
リテック(Hybritech,Inc.,)、サンジエゴ、カリフォ
ルニア)。アッセイは、適当なパッケージ挿入物に記載
されたプロトコールに従って行った。
【0067】得られたデータは、サンドイッチ法におい
て2つのモノクローナル抗体を使用した各キットにおい
てはCEA値の偽りの上昇が認められることを示してい
た。ハイブリテックのタンデム−E CEA、CEA−
ロッシュEIA、およびアボットCEA−EIAモノク
ローナルワンステップおよびCEA−EIAモノクロー
ナルの生成物は、実際にはCEAを含有しているとして
もほとんど含有していない試料に対して、40.9ng
/mlから100ng/ml以上にわたる見かけのCE
A値を示した。第2表の最後のカラム中に示す上昇した
アッセイ結果に示されるように、アッセイのシグナルは
IgGから、すなわちヒト抗マウス抗体の存在から(C
EAからではなく)得られた。固定化モルモットポリク
ローナル捕捉抗体/標識マウスモノクローナル抗体サン
ドイッチ法(CEA−EIAワンステップ)を用いたアボ
ット生成物では、見かけのCEA値に有意の上昇は示さ
れず、高レベルの抗イソタイプ抗マウス抗体による偽り
の上昇は見受けられなかった。
【0068】第2表 (モノクローナル抗体サンドイッチイムノアッセイ法における抗イソタイ プ抗マウス抗体干渉) 見かけのCEA(ng/ml) アッセイ 試料 非IgG IgG CEA−EIAワンステップ 3.2 0.1 0.2 CEA−EIAモノクローナルワンステップ 40.9 0 4.8 CEA−EIAモノクローナル >60 1.1 >60 ハイブリテックタンデム−E CEA >100 0.3 71.9 CEA−ロッシュEIA >50 0.9 >50
【0069】実施例6 ヒト抗マウス抗体の酸−熱抽出後のCEAアッセイ比
較:本実施例では、試料を酸−熱前処理する間にヒト抗
マウス抗体を変性させることにより、実施例5の試料か
らヒト抗マウス抗体を分離した。CEAアッセイの試料
からタンパク質干渉物を除去するための方法として血清
試料を高められた温度および穏やかな酸性pHでインキ
ュベートすることは、米国特許第4,180,556号お
よび同第4,272,504号各明細書に記載されている
(参照のため本明細書に引用する)。そのような試料の前
処理により、ほとんどのCEAには影響を与えずにヒト
抗マウス抗体が変性し沈殿することがわかった。抽出試
料と未処理試料との両方におけるCEA値を比較する
と、所定のアッセイにおけるヒト抗マウス抗体干渉の指
標が得られる。抽出の間のCEA損失を評価するため、
1または2以上のコントロール試料も処理した。
【0070】抽出プロトコール:一般に、試験試料およ
び3つのコントロール試料の0.5mlアリコートを0.
2M酢酸ナトリウム(pH5.0)の1.2mlアリコート
で希釈した。これら希釈試料を水浴中、70〜90℃に
て15分間インキュベートし、1200×gの遠心分離
に10分間かけて変性タンパク質を除去した。ついで、
上澄み液をアッセイした。
【0071】アッセイおよびデータ分析:抽出および非
抽出試料およびコントロールのアリコートを、実施例5
に記載したアボットCEAキットおよびプロトコールを
用いてアッセイした。抽出緩衝液での希釈を補正するた
め、抽出試料から得られたCEA値を3倍した。回収率
は、抽出試料および非抽出コントロールのそれぞれで観
察されたCEA値の比の平均であった。この率は、一般
に70℃での抽出では1.0であり、90℃でのインキ
ュベーションでは0.75であった。それゆえ、90℃
では約25%のCEAが変性されたと推定された。
【0072】ヒト抗マウス抗体干渉について試料を評価
するため、抽出試料のCEA値(上記のように希釈補正
したもの)を回収率で除し、ついで、この補正CEA値
を非抽出試料から得られたCEA値と比較した。抽出後
の見かけのCEA値の増加は、ヒト抗マウス抗体の存在
により引き起こされた未処理試料の偽陰性の存在を示唆
しており、一方、抽出後の見かけのCEA値の減少は、
未処理試料のアッセイにおける偽陽性のヒト抗マウス抗
体干渉を示していた。これらアッセイの結果を第3表に
示す。
【0073】第3表のデータは、ポリクローナル捕捉抗
体/モノクローナル標識抗体サンドイッチアッセイ法
(CEA−EIAワンステップ)では、抽出試料および非
抽出試料の両方で等価な値が得られることを示した。こ
れとは対照的に、二重モノクローナルアッセイ法では、
ヒト抗マウス抗体による捕捉試薬抗体と指示試薬抗体と
の架橋により非抽出試料において異常に高い結果が得ら
れた。
【0074】第3表 (抽出血漿および非抽出血漿の比較) アッセイ 非抽出試料 酸/熱処理 アボットCEA−EIAワンステップ 2.8 3.1 アボットCEA−EIAモノクローナルワンステップ 56.6 3.3 アボットCEA−EIAモノクローナル 540 15.2
【0075】実施例7 CEAアッセイ結果に対するヒト抗マウス抗体干渉:以
下の手順では、ヒト抗マウス抗体干渉が見かけのCEA
レベルにどの程度貢献するかを示した。このアッセイに
おいて、ヒト抗マウス抗体による架橋を減少させるた
め、過剰のマウス血清を試料に加えた(実施例5参照)。
ヒト抗マウス抗体を含有する試料に正常マウス血清を加
えることは、ヒト抗マウス抗体干渉を減少させるのに部
分的に有効であることが当該技術分野においてわかって
いる。試料中のヒト抗マウス抗体への結合について過剰
のマウス抗体が標識抗体および/または固定化試薬抗体
と競合するので、自由にアッセイ試薬に結合できるヒト
抗マウス抗体の量が減少する。所定のアッセイにおける
ヒト抗マウス抗体干渉の指標は、高濃度の過剰マウスI
gGの存在下および不在下での試料のCEA値を比較す
ることにより得られる。
【0076】プロトコール:一般に、試料の0.5ml
アリコートを正常マウス血清(1.0ml)で希釈した。
希釈試料および非希釈試料のアリコートを実施例5に記
載のキットおよびアッセイプロトコールを用いてアッセ
イした。マウス血清希釈を補正するため、希釈試料で得
られたCEA値を3倍した。ヒト抗マウス抗体干渉につ
いて試料を評価するため、マウス血清を含有する試料の
CEA値(上記のように希釈補正したもの)を非処理試料
から得られたCEA値と比較した。マウス血清の存在下
での見かけのCEA値の有意の上昇は、ヒト抗マウス抗
体による偽陰性干渉を示していた。マウス血清の存在下
での見かけのCEA値の減少は、アッセイ中のヒト抗マ
ウス抗体による偽陽性干渉を示していた。アッセイ結果
は第4表に示してある。
【0077】第4表に示すデータは、固定化ポリクロー
ナル抗体/標識モノクローナル抗体サンドイッチ法(た
とえば、CEA−EIAワンステップ)では、過剰のマ
ウス血清の存在下および不在下のいずれの場合も実質的
に等価なCEA値が得られたことを示している。これと
は対照的に、残りの二重モノクローナルサンドイッチア
ッセイ法では、いずれの場合も、過剰のマウス抗血清ブ
ロッキング剤を使用した後では極めて低いCEA値が得
られ、これらのアッセイではヒト抗マウス抗体干渉が有
意であることを示していた。
【0078】第4表 (CEA値に対するマウス血清の影響) 測定CEA値(ng/ml) アッセイ マウス血清なし マウス血清使用 アボットCEA-EIAワンステップ 2.0 2.8 アボットCEA-EIAモノクローナルワンステップ >80 2.8 アボットCEA-EIAモノクローナル >60 5.6 ハイブリテックテンダム−E CEA >100 4.6 CEA−ロッシュEIA >50 3.7
【0079】実施例8 分析対象物回収アッセイ:下記実験では、ポリクローナ
ル/モノクローナルサンドイッチアッセイ法をマウス血
清の試験系への添加と組み合わせて用いれば、ヒト抗マ
ウス抗体により引き起こされる偽陰性および偽陽性結果
を回避できることを示した。上記実施例7に示したよう
に、試料のヒト抗マウス抗体抽出アリコートから等価な
結果が得られた場合には、CEAイムノアッセイ法によ
り試料(実施例5に使用したような)の適切な値が得られ
るという事実が示された。しかしながら、研究用に入手
できるヒト抗マウス抗体試料で高いCEAレベルを示す
ものは比較的少なく、試料の固有CEA含量が小さい場
合には、比較的粗な陽性ヒト抗マウス抗体干渉しか上記
方法では容易に得られない。陰性干渉および低レベルの
陽性干渉は、分析対象物回収プロトコールを用いて最も
良好に検出された。
【0080】標準的方法では試料中に検出できない干
渉、たとえば低量で存在する干渉の存在を回収プロトコ
ールにより試験した。理論的には、試料が固有レベルの
分析対象物を有しており、この試料にさらに分析対象物
を加えた場合には、測定される分析対象物値は相加的な
ものでなければならない。しかしながら、たとえ低量で
も干渉が存在しておれば、測定される値は相加的なもの
ではなくなるであろう。
【0081】回収プロトコール:一般に、試料(1ml
当たり500〜4000ngのCEAを含有)の20μ
lアリコートを(1)ヒト抗マウス抗体を含有する試料、
(2)正常血清コントロールおよび(3)CEA値が標準曲
線を越える試料を希釈するためにアッセイキットに備え
られた希釈溶液の1.0mlアリコートに加えた。つい
で、市販のCEAアッセイキットおよび試薬を用い、添
加試料および非添加試料についてアッセイを行った。得
られたデータを下記回収率(%)の等式を用いて評価し
た。 回収率(%)=(添加血清(ng/ml)−固有血清(ng/
ml))/(添加希釈(ng/ml))×100
【0082】許容し得る回収値は、一般に、約80%〜
約120%の範囲であった。この範囲を越える値は、ヒ
ト抗マウス抗体による陽性干渉、すなわち間違って上昇
したCEAレベルを示唆していた。この範囲に達しない
値は、ヒト抗マウス抗体による陰性干渉、すなわち間違
って抑制されたCEAレベルを示していた。アッセイ結
果を第5表に示す。
【0083】第5表 (種々のCEAアッセイ法におけるCEAの回収) アッセイ法 固有CEA 固有CEA+ 回収率(%) (ng/ml) 添加CEA (ng/ml) アボットCEA-EIAモノクローナルワンステップ 22.4 28.8 42.3 アボットCEA-EIAモノクローナル >60 >60 * ハイブリテックテンダム−E CEA >100 >100 * CEA−ロッシュEIA >50 >50 * アボットCEA−EIAワンステップ 2.0 19.1 94.4 試料希釈液中のマウス血清を用い 2.7 20.4 115.7 2工程アッセイとして行ったもの 試料希釈液中のマウス血清を用いず 1.2 9.2 57.6 2工程アッセイとして行ったもの (注)*回収率(%)の決定不能
【0084】3つの二重マウスモノクローナルサンドイ
ッチアッセイ(アボットCEA−EIAモノクローナ
ル、ハイブリテックテンダム−E CEAおよびCEA
−ロッシュEIA)では、固有(非添加)試料の読み取り
が各標準曲線の上限を越えるために回収率(%)を決定で
きないというような、ヒト抗マウス抗体による粗な(す
なわち陽性の)干渉しか示されなかった。アボットCE
A−EIAモノクローナルワンステップでは、ヒト抗マ
ウス抗体による陽性および陰性の両方の干渉が示され
た。固有(非添加)試料の値は陽性の干渉により上昇した
が、ヒト抗マウス抗体試料に添加したCEAのうち4
2.3%しか検出されなかったまたは「回収されなかっ
た」ので、陰性の干渉を示した。
【0085】アボットCEA−EIAワンステップアッ
セイは、ポリクローナル捕捉抗体/モノクローナル標識
抗体サンドイッチアッセイである。捕捉抗体は、固相に
固定化したモルモット抗体である。指示試薬は、標識マ
ウスモノクローナル抗体およびマウス血清の形態のマウ
スIgGを含んでいる。試料を固相および指示試薬と同
時にインキュベートする。ヒト抗マウス抗体と非マウス
抗体との間に起こり得る低度の交差反応性または低親和
性結合を防ぐため、およびヒト抗マウス抗体と容易に結
合する標識マウスモノクローナル抗体の凝集(第1(d)
図に示すような)を防ぐため、マウスIgGをポリクロ
ーナル/モノクローナルワンステップアッセイ法に加え
る。
【0086】アッセイCEA−EIAワンステップアッ
セイでは、ヒト抗マウス抗体による干渉は観察されなか
った。固有CEAレベルは、実施例7に記載したような
熱抽出の後に測定したレベルと一致し、試料に添加した
CEAの94.4%が「回収された」。
【0087】別のアッセイ態様についても、アボットC
EA−EIAワンステップアッセイキットで利用できる
試薬を用い、ヒト抗マウス抗体試料で評価した。両方の
態様においては2工程アッセイプロトコールを用い、試
料をまず試料希釈液(0ng/ml標準)およびポリクロ
ーナルモルモット抗体をコーティングした固相とともに
インキュベートした。固相を洗浄して未結合の試料を除
去し、ついで、この固相を西洋ワサビペルオキシダーゼ
−標識マウスモノクローナル抗体を含有する指示試薬と
ともにインキュベートした。第一の2工程アッセイで
は、マウス血清の形態のマウスIgG(3%v/v)を試
料希釈液に加えた。第二のアッセイでは、マウスIgG
を試料希釈液に加えなかった。
【0088】マウスIgGを試料希釈液中に含有しない
2工程ポリクローナル/モノクローナル法では、ヒト抗
マウス抗体により引き起こされた干渉の証拠が示され
た。このアッセイ法では、ヒト抗マウス抗体を含有する
試料に添加したCEAのうち57.6%しか検出するこ
とができなかった。
【0089】マウスIgGを試料希釈液に添加した2工
程アッセイは、ヒト抗マウス抗体による陽性および陰性
の干渉に耐性であるように思われる。固有CEA濃度は
熱抽出後に観察した値と一致し、試料に添加したCEA
の適当な回収率(すなわち、115.7%)がアッセイに
より示された。
【0090】これらのデータは、マウスIgGを試料希
釈液に添加しないと、たとえポリクローナル捕捉抗体/
モノクローナル標識抗体2工程アッセイ法であっても、
非常に高い力価のヒト抗マウス抗体を含有する試料はヒ
ト抗マウス抗体により引き起こされた干渉を示し得るこ
とを示唆している。低親和性結合は、試料中のヒト抗マ
ウス抗体と固相上の非マウス抗体との間で起こり得る。
そのような非特異的結合は、ポリクローナル非マウス抗
体による分析対象物の特異的結合を妨害し得る。この低
親和性結合は、試料、マウスIgGを含有する試料希釈
液、および固相を同時にインキュベートすることにより
ブロッキングすることができる。
【0091】1工程および2工程の捕捉ポリクローナル
抗体/標識モノクローナル抗体アッセイの両方とも、マ
ウスIgGを試料および固相と同時にインキュベートす
ればヒト抗マウス抗体による干渉を示さなかったが、2
工程法が好ましいアッセイ法である。
【0092】1工程アッセイ法では、非常に高い力価の
ヒト抗マウス抗体を含有する試料にマウスIgGを添加
しておけば、ヒト抗マウス抗体の非マウス抗体への低親
和性結合およびその後の指示試薬と固相との間の架橋に
より引き起こされる偽陽性のアッセイ結果を防ぐに充分
である。しかしながら、マウスモノクローナル抗体指示
試薬の凝集により引き起こされる偽陰性のアッセイ結果
を防ぐには不充分である。
【0093】それゆえ、非常に高い力価のヒト抗マウス
抗体を含有する試料を測定する場合に起こり得る偽陰性
および偽陽性の両方の結果を防ぐには、2工程アッセイ
法においてマウスIgGを試験系に加えるのが最良の方
法であると思われる。
【0094】実施例9 ノイラミニダーゼ消化を用いたヒト抗マウス抗体アッセ
イ:抗イディオタイプ特異的ヒト抗マウス抗体を測定し
得るためには、抗原分子当たりに単一のエピトープしか
認識しないモノクローナル抗体を使用することに限られ
る。なぜなら、反復エピトープでは捕捉結合成分と指示
試薬成分の両方が同じ特異性を有している場合に陽性の
結果となるからである。たとえば、抗イディオタイプア
ッセイ構築をヒト抗マウス抗体アッセイに適用するた
め、B72.3抗体により認識されるTAG−72抗原
上のエピトープを破壊することができる。このことは、
本願出願人による米国特許出願第07/123,439
号(1987年11月20日出願)明細書(参照のため本
明細書に引用する)に記載されているように、ノイラミ
ニダーゼ(Nanase)消化を用い、該抗原分子上のB72.
3エピトープを破壊することにより示される。シアル酸
は免疫グロブリン(B72.3)のイディオタイプドメイ
ンに認められる抗原決定基を構成しない。なぜなら、こ
れらドメインは本来ペプチドであるからである。
【0095】B72.3捕捉結合成分および西洋ワサビ
ペルオキシダーゼ標識B72.3抗体指示試薬(プロー
ブ)を用いたアッセイを、ヒト抗マウス抗体およびTA
G−72抗原の両方を含有する試料で行った。プロテイ
ンA(ヒト抗マウスIgG抗体には結合するがTag抗
原には結合しない試薬)をセファロースに固定化し、試
料中のヒト抗マウス抗体をTag抗原から分離するのに
用いた。B72.3モノクローナル抗体は、充分な結合
のためには抗原上にシアル酸が存在することが必要であ
る。この抗原をノイラミニダーゼ消化(リン酸緩衝食塩
水中の50mU/mlにて2時間)するとシアル酸が抗
原から除去され、第6(b)図のパススルー結果に示され
るように抗原との抗体反応性が減少する[ストラミグノ
ニ(Stramignoni,D)ら、Int.J.Cancer31:543
〜552、1983]。第6(a)図は、プロテインAに
結合した試料フラクション(すなわち、ヒト抗マウス抗
体)とのB72.3抗体の反応性に抗原のノイラミニダー
ゼ消化が影響しないことを示している。
【0096】上記実施例においてはCEAアッセイにお
いてヒト抗マウス抗体により引き起こされる干渉の回避
を説明したが、本発明の概念を他の腫瘍関連抗原アッセ
イおよび分析対象物の他のアッセイにも適用し得ること
は当業者には評価されるであろう。本明細書に記載した
態様および別の態様は、本発明の特定の例(すなわち免
疫反応干渉作用を回避するアッセイにおけるヒト抗マウ
ス抗体の検出およびアッセイ試薬としての異種抗体の使
用)を示したにすぎない。それゆえ、本発明は、上記お
よび添付の特許請求の範囲に示す範囲内のすべての等価
物を包含するものである。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】 試料中に分析対象物が存在すると否とにかか
わらずヒト抗マウス抗体の存在により偽陽性[(a)、
(b)または(c)]および偽陰性[(d)または(e)]の結果
を生じさせ得る免疫架橋反応を示す模式図。
【図2】 固定化捕捉抗体と標識抗体との異なる組み合
わせを用いた幾つかのサンドイッチアッセイの結果を示
すグラフ。
【図3】 標識B72.3および種々の捕捉試薬の組み
合わせを用いたヒト抗マウス抗体アッセイの結果を示す
グラフ。
【図4】 マウスモノクローナル抗体C110を注射し
た患者の免疫反応の測定および特徴付けのためのアッセ
イにおいて、C110指示試薬と種々の捕捉試薬の組み
合わせを用いて得られたアッセイ結果を示すグラフ。
【図5】 捕捉抗体試薬または標識抗体試薬に抗体断片
を用いて設計した架橋アッセイを行った結果を示すグラ
フ。
【図6】 ヒト抗マウス抗体およびTAG−72抗原の
両方を含有する試料においてB72.3捕捉結合成分お
よび西洋ワサビペルオキシダーゼ標識B72.3抗体指
示試薬を用いたアッセイを行う場合にノイラミニダーゼ
消化の効果を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジュディス・エイ・ドーフェルド アメリカ合衆国60030イリノイ州グレイス レイク、ウエスト・ダートムーア・ドライ ブ17475番 (72)発明者 ジー・マイケル・ハス アメリカ合衆国60048イリノイ州リバティ ービル、セッジウィック・ドライブ563番 (72)発明者 ジェリー・ジー・ヘンスリー アメリカ合衆国60048イリノイ州リバティ ービル、ブル・クリーク・ドライブ1309番 (72)発明者 デイビッド・エイチ・オストロウ アメリカ合衆国60047イリノイ州レイク・ ズーリック、マンチェスター・コート985 番

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者が過去に他の動物種からの抗体で免
    疫されたことにより生成した干渉抗体を含むと思われる
    患者試料中の分析対象物の存在または量を決定する方法
    であって、 (a)該試料を、(i)該動物種に関して異種であるため該
    干渉抗体とは容易に結合しないが、(ii)分析対象物は認
    識し結合する免疫反応性の結合成分と混合して混合物中
    に該分析対象物と該免疫反応性の結合成分との間に複合
    体を生成し、 (b)該混合物から該複合体を分離し、ついで (c)検出手段を用いて該複合体の存在または量を決定す
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該動物種からの免疫抗体を含む血清を、
    試料および該免疫反応性の結合成分を含有する該混合物
    に加える工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該指示手段が第二の免疫反応性の結合成
    分に結合した検出可能な標識であり、該第二の免疫反応
    性の結合成分は該複合体と結合して検出可能な標識複合
    体を生成するものである、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該動物種がマウスである請求項2に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 患者が過去にマウス抗体で免疫されたこ
    とにより生成したヒト抗マウス抗体を含むと思われる患
    者試料中の分析対象物の存在または量を決定するための
    試験キットであって、 (a)(i)固相上に固定化されているかまたは固定化する
    ことができ、(ii)該免疫したマウス抗体に関して異種で
    あるため該ヒト抗マウス抗体とは容易に結合せず、(ii
    i)分析対象物を認識し結合する非マウス抗体からなる捕
    捉試薬、および (b)分析対象物を認識および結合し検出可能な標識に結
    合させたマウスモノクローナル抗体からなる指示試薬か
    らなることを特徴とするキット。
  6. 【請求項6】 マウス血清を含有する試料希釈液をさら
    に含む、請求項5に記載のキット。
  7. 【請求項7】 患者が過去にマウス抗体で免疫されたこ
    とにより生成したヒト抗マウス抗体を含むと思われる患
    者試料中の分析対象物の存在または量を検出するための
    イムノアッセイ方法であって、 (a)該試料を、(i)該免疫したマウス抗体に関して異種
    であるため該ヒト抗マウス抗体とは容易に結合しない
    が、(ii)分析対象物は認識し結合する第一抗体と混合し
    て混合物を生成し、 (b)該第一抗体への結合に対して分析対象物と競合す
    る、分析対象物類似体または分析対象物に結合させた検
    出可能な標識からなる指示試薬を加え、ついで (c)結合指示試薬または未結合指示試薬を検出して患者
    試料中の分析対象物の存在または量を決定することを特
    徴とする方法。
  8. 【請求項8】 患者が過去にマウス抗体で免疫されたこ
    とにより生成したヒト抗マウス抗体を含むと思われる患
    者試料中の分析対象物の存在または量を検出するための
    イムノアッセイ方法であって、 (a)該試料を、(i)該免疫したマウス抗体に関して異種
    であるため該ヒト抗マウス抗体とは容易に結合しない
    が、(ii)分析対象物は認識し結合する第一抗体に結合し
    た検出可能な標識からなる指示試薬と混合し、 (b)該第一抗体への結合に対して分析対象物と競合す
    る、固相に結合しているかまたは結合することのできる
    分析対象物類似体または分析対象物を加えて結合指示試
    薬または未結合指示試薬を生成させ、ついで (c)該結合指示試薬かまたは未結合指示試薬を検出して
    患者試料中の分析対象物の存在または量を決定すること
    を特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 試料中のヒト抗マウス抗体の存在または
    量を検出するための架橋アッセイであって、 (a)試料をマウスモノクローナル抗体と混合することに
    より、該ヒト抗マウス抗体を該マウスモノクローナル抗
    体上のイソタイプエピトープに結合させて混合物中にマ
    ウスモノクローナル抗体/ヒト抗マウス抗体複合体を生
    成させ、 (b)該複合体を該混合物から分離し、ついで (c)検出手段を用いて該複合体の存在または量を決定す
    ることにより抗アロタイプ抗体および抗イソタイプ抗体
    の存在を検出することを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 該マウスモノクローナル抗体がIgG
    クラスの免疫グロブリンである、請求項9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 患者が過去にマウス抗体で免疫された
    ことにより生成したヒト抗マウス抗体を含むと思われる
    患者試料中のヒト抗マウス抗体の存在または量を検出す
    るための架橋アッセイであって、 (a)試料を該免疫マウス抗体でもあるマウスモノクロー
    ナル抗体と混合することにより、該ヒト抗マウス抗体を
    該マウスモノクローナル抗体に結合させて混合物中にマ
    ウスモノクローナル抗体/ヒト抗マウス抗体複合体を生
    成させ、 (b)該複合体を該混合物から分離し、ついで (c)検出手段を用いて該複合体の存在または量を決定す
    ることにより抗イディオタイプ抗体および抗イソタイプ
    抗体の存在を検出することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 患者が過去にマウス抗体で免疫された
    ことにより生成したヒト抗マウス抗体を含むと思われる
    患者試料中のヒト抗マウス抗体の存在または量を検出す
    るための架橋アッセイであって、 (a)試料を該免疫マウス抗体の断片であるマウスモノク
    ローナル抗体断片と混合することにより、該ヒト抗マウ
    ス抗体を該断片に結合させて混合物中にマウスモノクロ
    ーナル抗体断片/ヒト抗マウス抗体複合体を生成させ、 (b)該複合体を、第二の同一抗体断片に結合させた検出
    可能な標識からなる指示試薬と混合して標識複合体を生
    成させ、ついで (c)該標識複合体を検出して抗イディオタイプ抗体およ
    び抗イソタイプ抗体の存在を検出することを特徴とする
    方法。
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