JP3615006B2 - モノクローナル抗体、該抗体を用いた免疫測定方法及び測定試薬 - Google Patents

モノクローナル抗体、該抗体を用いた免疫測定方法及び測定試薬 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗原と、該抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)との結合を増強する性質を有するモノクローナル抗体(第三抗体)であって、第二抗体の抗原決定基とは異なる前記抗原上の抗原決定基と結合するモノクローナル抗体、該抗体を用いる免疫測定方法及びその測定試薬に関する
【0002】
【従来の技術】
生体内に存在するホルモン、酵素、血清蛋白質、腫瘍抗原、DAN結合性蛋白質、サイトカイン、細菌、ウイルス、原虫等に関連する蛋白質等の抗原性物質を測定する方法として、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体等を用いる免疫測定法が広く行われている。従来、これらの抗体は生体成分より分離精製した抗原性物質(以下天然型抗原という)を得、この天然型抗原を動物に免疫原として投与しポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を取得していた。
【0003】
近年、抗体の産生は、天然型抗原の代わりに合成ペプチドや遺伝子組換え蛋白質を免疫原として行われている。しかしながら、これらの合成ペプチドや遺伝子組換え蛋白質を免疫原として得られる抗体は、必ずしも天然型抗原に対して強い親和性を持つとは限らず、多くは反応性が低い抗体である。特に、合成ペプチドを免疫原として抗体を作成した場合、固相に結合した天然型抗原に反応するするものが少ないのに加えて、フリー(溶液中)の天然型抗原に対して極めて弱い親和性しか示さないものが多く得られるのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記合成ペプチドや組換え型抗原を免疫して得られる抗体が、必ずしも検体中の抗原性物質に強い親和性を持たないことから、この抗体を用いて製造した免疫測定試薬では十分な測定感度を有しているとは言えなかった。その原因は、組換え型抗原や合成ペプチドではその立体構造が天然型抗原とは異なるためと考えられる。殊に合成ペプチドを抗原とした場合にはその感度の低下は顕著であった。そこで、このような感度が不足する抗体結合試薬であっても、簡単な操作で感度上昇させることができれば利用範囲が広がることから、改良が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、抗原を免疫測定する際に、抗原と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)との結合を増強する性質を有し、第二抗体の抗原決定基とは異なる前記抗原上の抗原決定基と結合する、少なくとも1種のモノクローナル抗体(第三抗体)を添加する方法を見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、前記モノクローナル抗体(第三抗体)、及び抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬と、抗原を含む検体とを混合して免疫複合体を形成させる免疫測定法において、第二抗体と抗原との結合を増強する性質を有する少なくとも1種類のモノクローナル抗体(第三抗体)を添加する方法(サンドイッチ法)、並びに抗原に標識物が結合した標識抗原と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬と、抗原を含む検体とを混合して免疫複合体を形成させる免疫測定法において、第二抗体と抗原との結合を増強する性質を有する少なくとも1種類のモノクローナル抗体(第三抗体)を添加する方法(競合法)である。
【0007】
本発明の測定対象物である抗原としては少なくとも2個の抗原決定基からなる物質であり、体液中に含まれるホルモン、酵素、血清蛋白質、糖蛋白質、腫瘍関連抗原、DAN結合性蛋白質、サイトカイン、細菌、ウイルス、原虫等に関連する蛋白質、糖蛋白質等を挙げることができる。特にこの抗原としては体液中の正常蛋白質から修飾又は変異した蛋白質である。例えばアミノ酸の置換により変異した蛋白質(PIVKA−II(Protein Induced by Vitamin K absence II) 、RAS等の癌関連蛋白質、凝固第V因子等)、アミノ酸の修飾により変異した蛋白質(糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)、リン酸化Tau等)、イソフォームを持つ蛋白質(ApoE、エストロゲンレセプター等)、酵素により切断された蛋白質(凝固線溶系に係わる活性化された酵素:F1+2 、APC等;TGF−β等)を挙げることができる。
【0008】
本発明のサンドイッチ法は免疫測定法で広く行われる方法であり、その測定に用いる標識抗体としては抗原の一つの抗原決定基と反応する抗体(第一抗体)と標識物質とを結合させて製造することができる。この抗体としては前記抗原の抗原決定基と反応する抗体であればポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体であってもよい。抗体を製造するには、前記抗原、この抗原の合成ペプチド、抗原と同じ抗原決定基を有する抗原類縁体、組換え型抗原等を免疫原として用い、公知のポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の製造法に従い行うことができる。モノクローナル抗体の製造法としては、例えば「モノクローナル抗体とがん」(株)サイエンスフォーラム(1985年)等に記載された方法により行うことができる。合成ペプチドとしては少なくとも4個のアミノ酸からなるペプチドを用いることができる。このペプチドは周知の縮合試薬を用いるペプチド合成法、ペプチド合成機により容易に製造することができる。また、このペプチドを免疫原として用いる場合には、例えばアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)等のキャリアー蛋白質との複合体を製造し用いることもできる。また抗体は抗原のそれぞれの異なる抗原決定基と反応するものであればよく、同一若しは異なるクラス又はサブクラスであり、この抗体をペプシン等の酵素処理及び/又は還元処理して製造したFab、Fab’、F(ab’)等の抗体フラグメントであってもよい。
【0009】
標識物質としては標識免疫測定に用いられる例えば酵素、放射性同位元素、蛍光物質、発光物質、着色粒子、コロイド粒子等を挙げることができる。酵素としては、例えばペルオキシダーゼ(POD)、アルカリ性ホスファターゼ(Alp)、β−ガラクトシダーゼ等を挙げることができる。放射性同位元素としては、ヨウ素125、トリチウム等、蛍光物質としては、ローダミン、ウンベリフェロン等、発光物質としてはルミノール又はイソルミノール誘導体、アクリジニウムエステル誘導体等を挙げるとができる。
【0010】
また、第一抗体と標識物とを結合させるには、前記抗体と標識物とを公知の共有結合又は非共有結合を作る方法を利用して結合することができる。共有結合による方法としては例えばグルタールアルデヒド法、過ヨウ素酸法、マレイミド法、ピリジル・ジスルフィド法、公知の各種架橋剤を用いる方法等を挙げることができる(例えば「蛋白質核酸酵素」別冊31号、37〜45頁(1987)参照)。共有結合による方法では、モノクローナル抗体に存在する官能基を利用することができるほか、抗体に例えばチオール基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等の基を導入した後、前記共有結合による方法に従い反応を行うことができる。一方、非共有結合による方法としては前記抗体と標識物とを混合して行う物理吸着法を挙げることができる。
【0011】
さらに固相試薬は、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として作成した前記抗原とは異なる抗原決定基と結合する抗体(第二抗体)と固相とを結合させて製造することができる。この第二抗体は抗原の全部又はその一部で構成されたポリペプチドを免疫原として前記方法に従い製造することができる。これらの抗原を免疫原として得た抗体はポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体であり、前記標識試薬に用いた抗体と同様な抗体のフラグメントであってもよい。本発明を効率よく実施するには第二抗体として前記抗原決定基とは異なる抗原決定基と結合するモノクローナル抗体を用いることが好ましい。
【0012】
また、固相は従来の免疫測定に使用される各種固相を用いることができる。固相としては例えばプラスチック製の試験管、マイクロプレートウエル、ガラスビーズ、プラスチックビーズ、各種メンブレン、磁性粒子等を挙げるとができる。この固相試薬を製造するには、標識試薬を製造する際に使用した共有結合又は非共有結合による方法に従い前記抗体と前記固相と結合させて製造することができる。
【0013】
本発明の第三抗体は、抗原の前記抗原決定基とは異なる基と結合し、第二抗体と抗原の抗原決定基との結合を増強する性質を有する少なくとも1種類の抗体である。この抗体はモノクローナル抗体であり、抗原の前記標識抗体及び固相抗体の抗原決定基とは異なる基と結合する抗体であることが好ましい。この抗体は、抗原と結合する抗体として周知の方法に従い製造された前記モノクローナル抗体の中からスクリーニングをすることにより得ることができる。
【0014】
このスクリーニング方法は、サンドイッチELISAの第一反応(固相抗体と天然型抗原との反応)時に、天然型抗原(場合によっては組換え抗原)免疫マウスのリンパ球とミエローマ細胞との細胞融合で得られた培養上清を存在させたELISAの活性を増強させるモノクローナル抗体を選択する一連の操作よりなる。例えば、天然型抗原Aの一部の配列より成る合成ペプチドを免疫原として得た抗体をサンドイッチELISAの固相として使用したい場合、この抗体をELISAプレートに吸着させ、第一反応(固相抗体と抗原との反応)時に天然型抗原Aを免疫したマウスのリンパ球とミエローマ細胞との細胞融合の培養上清を添加し反応させる。次に、天然型抗原Aを認識する酵素標識抗体を反応させた後、基質を添加しその発色等の増強の見られるクローンを選択することによりスクリーニングを行うことができる。以上の方法で選択されたモノクローナル抗体は、IgG、IgM等のクラスの抗体であって、使用時にはこれらの抗体をペプシン等の酵素処理及び/又は還元処理して製造したFab、Fab’、F(ab’)等の抗体フラグメントであってもよい。
【0015】
本発明の測定を実施するには、前記標識抗体と、前記固相試薬と、第三抗体とを用いる周知の1−ステップサンドイッチ法、ディレイ−1−ステップサンドイッチ法、2−ステップサンドイッチ法等のサンドイッチ法に従い行うことができる。その測定では、免疫反応により固相上に形成された免疫複合体の標識物を測定する方法に従い行うことができる。測定を行うにあたって第三抗体は、1種類又は2種類以上を免疫複合体を形成する際の反応溶液中に存在させればよく、いずれの時期に反応液中に添加することもできる。例えば2−ステップサンドイッチ法ではまず固相試薬と、抗原を含む検体と、前記第三抗体とを緩衝液中でインキュベーッション(例えば5〜50℃、5分〜1日)した後、固相を洗浄する。次に標識抗体を含む緩衝液中に固相を移し、さらにインキュベーション(例えば5〜50℃、5分〜1日)した後、固相を再び洗浄する。このようにして固相上に形成された免疫複合体から標識物の測定を行う方法である。添加する第三抗体の量は、検体中に含有すると予想される測定対象物の抗原に対応して適宜変えることができる。
【0016】
さらに本発明の競合法において、前記標識された抗原は、前記抗原と前記標識抗体で用いた同一の標識物質とを結合させて製造することができる。抗原は、第一抗体と標識物とを結合させる共有結合又は非共有結合を作る方法に従い、前記標識物質と反応させることができる。反応に用いる抗原は、前記抗原に限定されず、抗原と同じ抗体反応性の抗原決定基を有する物質であればよく、官能基が導入された抗原誘導体、同じ反応性の抗原決定基を有する抗原の類縁体等も用いることができる。
【0017】
本発明の競合法は、前記標識された抗原と、前記固相試薬と、前記第三抗体とを用いて周知の方法に従い行うことができる。その測定では、サンドイッチ法と同様に免疫反応により固相上に形成された免疫複合体の標識物を測定し行うことができる。測定を行うにあたって第三抗体は、1種類又は2種類以上を免疫複合体を形成する際の反応溶液中に添加することができる。競合法ではまず固相試薬と、抗原性物質を含む検体と、標識された抗原と、さらに前記第三抗体とを緩衝液中で混合し、インキュベーッション(例えば5〜50℃、5分〜1日)した後、固相を洗浄する。次に固相上に形成された免疫複合体から標識物の測定を行う方法である。
【0018】
本発明において、標識物の測定には標識物に対応した装置として放射性同位元素を放射線測定する他、発光、蛍光、発色等を目視又は比色計、蛍光光度計、フォトンカウンター、感光フィルム等の測定機器を用いて測定し行うことができる。標識物質が酵素の場合には、その酵素活性を発光基質、蛍光基質、発色基質等を加えて反応を行い、その発光、蛍光、発色等を目視又は前記測定機器により測定を行うことができる。
【0019】
また、本発明の免疫測定試薬は、前記第一抗体と標識物とが結合した標識抗体と、前記第二抗体と固相とが結合した固相試薬と、第二抗体と抗原の抗原決定基との結合を増強する性質を有する少なくとも1種のモノクローナル抗体(第三抗体)とから構成されるサインドイッチ法の試薬、又は前記第二抗体と固相とが結合した固相試薬と、標識された抗原と、第二抗体と抗原の抗原決定基との結合を増強する性質を有する少なくとも1種のモノクローナル抗体等とから構成される競合法の試薬である。この測定試薬には、試薬が固体状態である場合には溶解液、標識物質が酵素である場合にはその酵素反応を停止させるための反応停止試薬等を任意に組み合わせることができる。
【0020】
本発明の測定に用いられる検体としては、特に制限はなく、例えば全血、血清、血漿、尿、リンパ液等の体液を挙げることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0022】
実施例1 抗ヒトPIVKA−IIエンハンス抗体(第3抗体)の作成
BALB/Cマウスをフロイント完全アジュバントでエマルジョン化したプロトロンビン25〜100μgで初回免疫を行い、2〜3週間後、フロイント不完全アジュバントでエマルジョン化したプロトロンビン25〜100μgで追加免疫を行った。抗体価の上昇を確認後、フリーのプロトロンビン25〜100μgを静脈内に投与し、その3〜4日後、マウスから脾臓を取り出し脾細胞を調製する。前もってRPMI−1640培地で培養していたマウスミエローマ細胞と脾細胞を1:2〜1:5の比率で混合し、ポリエチレングリコールを用いて細胞融合を行う。融合した細胞は、HAT培地に浮遊した後、96ウエル培養プレートに分注し37℃炭酸ガスインキュベーターで培養する。
【0023】
エンハンス抗体のスクリーニングは以下のようにして実施した。フリーのヒトPIVKA−IIとの反応の見られないモノクローナル抗体E7−13(固相化したヒトPIVKA−IIには反応する)を96ウエルELISAプレート(ファルマシア社製)に10μg/mlの濃度で50μg/ウエル分注し、4℃一晩放置することにより吸着させる。1%スキムミルクでブロッキングした後、0.05%Tween20を含むPBSで洗浄し、40μlの細胞融合を行ったプレートの培養上清と10μlのヒトPIVKA−II抗原(1μg/ml)を各ウエルに加え37℃1時間反応させる。洗浄後POD標識抗プロトロンビン抗体(DACO社製)を加え、37℃1時間反応させる。洗浄後基質ABTSを加え発色の見られるウエルを選択する。このようにして得られたE7−13のフリーのヒトPIVKA−IIに対する反応をエンハンスする活性を有するモノクローナル抗体(第3抗体)を産生するセルラインを確立し、モノクローナル抗体をPTUP9と命名した。PTUP9はIgMタイプの抗体でありプロトロンビン、ヒトPIVKA−IIの両者に反応する。
【0024】
実施例2 糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)エンハンス抗体(第3抗体)の作成
BALB/Cマウスをフロイント完全アジュバントでエマルジョン化したヘモグロビン25〜100μgで初回免疫を行い、2〜3週間後、フロイント不完全アジュバントでエマルジョン化したヘモグロビン25〜100μgで追加免疫を行った。抗体価の上昇を確認後、フリーのヘモグロビンを25〜100μgを静脈内に投与し、その3〜4日後、マウスから脾臓を取り出し脾細胞を調整する。前もってRPMI−1640培地で培養していたマウスミエローマ細胞と脾細胞を1:2〜1:5の比率で混合し、ポリエチレングリコール等の融合剤を用い細胞融合を行う。融合した細胞はHAT培地に浮遊した後、96ウエル培養プレートに分注し37℃炭酸ガスインキュベーターで培養する。
【0025】
エンハンス抗体のスクリーニングは以下のようにして実施した。フリーのHbA1cとの反応の見られないモノクローナル抗体A1c142(固相化したHbA1cには反応する)を96ウエルELISAプレート(ファルマシア社製)に10μg/mlの濃度で50μg/ウエル分注し、4℃一晩放置することにより吸着させる。1%スキムミルクでブロッキングした後、0.05%Tween20を含むPBSで洗浄し、40μlの細胞融合を行ったプレートの培養上清と10μlのHbA1c抗原(1μg/ml)を各ウエルに加え37℃1時間反応させる。洗浄後アルカリ性ホスファターゼ(Alp)標識抗ヘモグロビン抗体(ウサギを免疫して作成)を加え、37℃1時間反応させる。洗浄後基質としてp−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)を加え発色の見られるウエルを選択する。このようにして得られたA1c142のフリーのHbA1cに対する反応をエンハンスする活性を有するモノクローナル抗体(第3抗体)を産生するセルラインを確立し、モノクローナル抗体をHBUP3と命名した。HBUP3はIgGタイプの抗体でありヘモグロビン、HbA1cの両者に反応する。
【0026】
実施例3 ヒトPIVKA−IIの測定
ELISAプレート(MAXISORB;NUNC社製)にE7−13を10μg/mlの濃度で75μl/well、4℃一夜放置しコートした。1%スキムミルクでブロッキングした後、20μg/mlのPTUP9をが含有した緩衝液(15%CS Tris7.4)と含有していない反応緩衝液で検体を測定した。すなわち、40μlの血清と40μlの反応緩衝液をE7−13をコートしたウエルに入れ、37℃で1時間反応させる。洗浄後POD標識抗プロトロンビン抗体(DACO社製)を入れ、さらに37℃で1時間反応させる。洗浄後基質2,2’−アジノジ(3−エチルベンズチアゾリン)−6’−スルホン酸(ABTS)を入れ波長405nmの吸光度を測定した。その結果を図1に示す。図1に示すようにPTUP9を含まない反応緩衝液では、ヒトPIVKA−II陽性検体でもほとんど発色が見られないが、PTUP9を含む反応緩衝液では明らかに陽性検体で強い発色が観察された。
【0027】
実施例4 ヒトPIVKA−IIの測定におけるエンハンス効果の測定
実施例3で測定したPTUP9の添加効果について希釈倍率の異なる検体を用いて測定を行った。ヒトPIVKA−II高値血清を1%BSA含有Tris緩衝液(pH7.4)で希釈し、この検体を実施例3の方法に従いPTUP9を添加して測定を行った。比較としてPTUP9を添加せず前記検体について同様な測定を行った。その結果を図2に示す。図2に示すようにPTUP9を添加した測定では約100倍の感度上昇が見られた。
【0028】
実施例5 HbA1cの測定
ELISAプレート(MAXISORB;NUNC社製)にA1c142を10μg/mlの濃度で75μl/well、4℃一夜放置しコートし、1%スキムミルクでブロッキングした。60μlのHBUP1培養上清と共に5μg/mlのHbA1c溶液15μlを加え37℃1時間反応させた。洗浄後Alp標識抗ヘモグロビン抗体を入れ、さらに37℃で1時間反応させる。洗浄後基質PNPPを入れ波長405nmの吸光度を測定した。コントロールとして、培養上清はE7−13(抗PIVKA−IIモノクローナル抗体)、抗原はBSAを用いた。その結果を図3に示す。図3に示すようにHBUP1培養上清中のHbA1cが存在するときにおいてのみ発色が観察された。
【0029】
実施例6 HbA1cの測定におけるエンハンス効果の測定
実施例5で測定したHBUP3の添加効果について希釈倍率の異なる検体を用いて測定を行った。HbA1cを1%BSA含有Tris緩衝液(pH7.4)で希釈し(200μg/ml〜)、この検体を実施例5の方法に従いHBUP3培養上清と無関係のE7−13培養上清の存在下で測定し比較した。その結果を図4に示す。図よりHBUP1を添加した測定では1000倍以上の感度上昇が見られた。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、固相に結合した第二抗体と抗原の抗原決定基との結合を増強する性質を有する第三抗体を添加して免疫測定する方法であり、従来の測定条件では十分な感度を示さない場合であっても、第三抗体を添加する操作だけで低濃度の抗原性物質を感度よく測定することができる。その結果、本発明は検体中に極微量含まれるヘモグロビン、血清蛋白質、腫瘍関連抗原、ホルモン、ウイルス等の抗原検出を行うことができ、各種癌疾患、感染症、内分泌疾患等の早期診断、治療のモニター等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトPIVKA−II陽性検体及び陰性検体について、PTUP9抗体を添加した時の測定結果を示す図である。
【図2】ヒトPIVKA−II陽性検体を希釈してPTUP9抗体の添加効果を測定した時の図である。
【図3】HbA1cの測定において、HBUP1抗体による添加効果を示す図である。
【図4】
各HbA1c濃度の検体の測定において、HBUP1抗体の添加効果を示す図である。

Claims (11)

  1. 抗原と、該抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)との結合を増強する性質を有するモノクローナル抗体(第三抗体)であって、第二抗体の抗原決定基とは異なる前記抗原上の抗原決定基と結合するモノクローナル抗体。
  2. 抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬とを用いる免疫測定に使用するための請求項1に記載のモノクローナル抗体(第三抗体)。
  3. 抗原に標識物が結合した標識抗原と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬とを用いる免疫測定に使用するための請求項1に記載のモノクローナル抗体(第三抗体)。
  4. 抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬と、抗原を含む検体とを混合して免疫複合体を形成させる免疫測定法において、請求項1に記載のモノクローナル抗体(第三抗体)を少なくとも1種類添加することを特徴とする方法。
  5. 抗原に標識物が結合した標識抗原と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬と、抗原を含む検体とを混合して免疫複合体を形成させる免疫測定法において、請求項1に記載のモノクローナル抗体(第三抗体)を少なくとも1種類添加することを特徴とする方法。
  6. 抗原が体液中の正常蛋白質の修飾蛋白質又は変異蛋白質である請求項4又は5記載の方法。
  7. 第二抗体がモノクローナル抗体である請求項4又は5記載の方法。
  8. 抗原と反応する抗体(第一抗体)に標識物が結合した標識抗体と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬と、少なくとも1種類の請求項1に記載のモノクローナル抗体(第三抗体)とからなる免疫測定試薬。
  9. 抗原に標識物が結合した標識抗原と、抗原を構成するポリペプチドを免疫原として得られた抗体(第二抗体)が結合した固相試薬と、少なくとも1種類の請求項1に記載のモノクローナル抗体(第三抗体)とからなる免疫測定試薬。
  10. 抗原が体液中の正常蛋白質から修飾又は変異した蛋白質である請求項8又は9記載の測定試薬。
  11. 第二抗体がモノクローナル抗体である請求項8又は9記載の測定試薬。
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