JPH10196990A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前面側で機内配管と埋設配管との接続作業が
できて、壁や壁紙を傷つける虞れがなく、楽な姿勢で配
管の接続作業ができる空気調和機の室内機を提供するこ
と。 【解決手段】 フレーム１内に、空気を軸方向前方から
吸い込んで径方向外方に吹き出すターボファン２を設け
る。このターボファン２の前方に熱交換器３を配置す
る。ターボファン２よりも前方側、かつ、熱交換器３の
外周側に、機内配管、埋設配管および配管接続部を収納
する収納部１０を設ける。上記収納部１０および熱交換
器３の前面を覆う前面パネル３２をフレーム１に取り外
し可能に取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば壁掛け型
などの空気調和機の室内機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば壁掛け型空気調和機の室内
機としては、クロスフローファンの前方に熱交換器を配
置し、この熱交換器の下方に吹出口を配置して、上記熱
交換器とクロスフローファンを通った調和空気を前方に
吹き出すようにしたものがある。そして、上記空気調和
機の室内機では、吹出口およびクロスフローファンの背
面側に機内配管と埋設配管とを収納する収納部を設け
て、その収納部において機内配管と埋設配管とを接続す
るようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
空気調和機の室内機では、部屋の壁面に面する背面側の
下部に機内配管などの収納部を設けているため、この室
内機を据え付ける際には、室内機の下部を壁面から浮き
上がらせて、部屋の壁面と収納部との間の狭いスペース
で、機内配管と埋設配管との接続作業を行わなければな
らなかった。そのため、次のような不具合を招来してい
た。

【０００４】 室内機の下部を壁面から浮き上がらせ
た際に、室内機のフレームの上縁などで壁や壁紙などを
傷つける。 室内機の背面側の部屋の壁面に近い狭いスペース
で、モンキーレンチなどの締付工具を操作しなければな
らないため、締付工具が操作しにくく、また、締付工具
で壁や壁紙などを傷つける。 室内機の背面下部の収納部と部屋の壁面との間の狭
いスペースで、配管の接続作業をしなければならないた
め、どうしても作業者の作業姿勢が悪くなる。

【０００５】そこで、この発明の目的は、空気調和機の
室内機の前面側で機内配管と埋設配管との接続作業がで
きて、壁や壁紙などを傷つける虞れがなく、かつ、配管
の接続作業を広いスペースで楽な姿勢でできる空気調和
機の室内機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明の空気調和機の室内機は、フレーム
内に配置され、空気を軸方向前方から吸い込んで径方向
外方に吹き出すターボファンと、上記ターボファンの軸
方向前方に配置された熱交換器と、上記ターボファンよ
りも前方側、かつ、上記熱交換器の外周側に設けられる
と共に、機内配管、埋設配管および配管接続部を収納す
る収納部と、上記収納部および熱交換器の前面を覆うと
共に、上記フレームに取り外し可能に設けられた前面パ
ネルとを備えたことを特徴としている。

【０００７】上記構成によれば、上記収納部はターボフ
ァンの前方側、かつ、熱交換機の外周側に位置してい
る。したがって、この室内機を据え付ける際には、前面
パネルをフレームから取り外すと、収納部の前方が開放
し、広いスペースの箇所で埋設配管と機内配管との接続
作業を行うことができるから、この室内機は据え付け時
にその下部を部屋の壁面から浮き上がらせる必要がな
く、したがって、室内機のフレームの上縁などで壁や壁
紙などを傷つける虞れがない。また、上記収納部が室内
機の前面側、つまり、ターボファンの前方にあるので、
締付工具で壁や壁紙などを損傷する虞れがない。また、
収納部の前方が開放し、広いスペースの箇所で埋設配管
と機内配管との接続作業を行うことができるから、締付
工具の操作がし易くなって、作業者の作業姿勢が大幅に
改善される。

【０００８】請求項２の発明の空気調和機の室内機は、
請求項１に記載の空気調和機の室内機において、上記収
納部は上記熱交換器の下側のドレンパンの下側に設けら
れていることを特徴としている。

【０００９】上記構成によれば、上記収納部はドレンパ
ンの下側に設けられているから、ドレン配管の収納が容
易になる。

【００１０】請求項３の発明の空気調和機の室内機は、
請求項１または２に記載の空気調和機の室内機におい
て、上記収納部の近傍の上記フレームのコーナ部はフレ
ーム本体に対して取り外し可能な分割部からなっている
ことを特徴としている。

【００１１】上記構成によれば、上記収納部近傍のフレ
ームのコーナー部である分割部は、フレーム本体から取
り外すことができる。したがって、上記分割部をフレー
ム本体から取り外して、埋設配管の曲げ作業を容易に行
うことができ、また、埋設配管の曲げ作業の後に室内機
を据え付けることができる。

【００１２】請求項４の発明の空気調和機の室内機は、
請求項３に記載の空気調和機の室内機において、上記分
割部はＬ字形部材であることを特徴としている。

【００１３】上記構成によれば、上記分割部はＬ字形部
材であるので、各コーナー部を一つの部材でもって構成
でき、取付け取り外しが容易になる。

【００１４】請求項５の発明の空気調和機の室内機は、
請求項１及至４のいずれか１つに記載の空気調和機の室
内機において、上記熱交換器は他の部品に対して取り外
し可能な取付部を有して、上記熱交換器、機内配管およ
び埋設配管は互いに連結されたままで、他の部品から分
離できるようになっていることを特徴としている。

【００１５】上記構成によれば、ターボファンやモータ
ーを取り替えるようなサービス作業時に、配管を外さず
に、それらを取り替えることができる。また、熱交換器
以外の部品の交換も容易である。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。

【００１７】図１はこの実施の形態の前面パネルを取り
外した状態での正面図であり、図２(Ａ)は図１の縦断面
図であり、図２(Ｂ)は前面パネルを取り付けた状態での
縦断面図である。

【００１８】図１，図２(Ａ)に示すように、箱型のフレ
ーム１内にターボファン２を配置し、このターボファン
２の軸方向前方に熱交換器３を配置し、この熱交換器３
の下側にドレンパン４を配置している。このターボファ
ン２は、空気を熱交換器３を通して軸方向前方から吸い
込んで径方向外方に吹き出して、フレーム１の４つの側
面にそれぞれ設けられた吹出口(図示せず)から調和空気
を吹き出す。上記熱交換器３は、上側の２つの取付部
５，５と両側の取付部６，６とをビスによって、図２
(Ａ)に示すように、仕切り板７に取り外し可能に固定し
ている。

【００１９】図１,図２(Ａ),図２(Ｂ)に示すように、ド
レンパン４の下側、かつ、ターボファン２の前面側に
は、後述するように、機内配管、埋設配管および配管接
続部を収納する収納部１０を設けている。

【００２０】図１に示すように、上記熱交換器３の側面
の上部から機内配管としての冷媒配管１１が上記熱交換
器３の側面に沿って下方に延び、さらに、この冷媒配管
１１が屈曲して上記収納部１０の中を水平方向にほぼ中
央まで延びている。また、上記熱交換器３の側面の下部
から機内配管としての冷媒配管１２が水平方向に少し延
び、さらに、この冷媒配管１２はＵ字状に屈曲して上記
収納部の中を水平方向に延びている。また、上記ドレン
パン４の底部から機内配管としてのドレン配管１３が収
納部１０内を水平方向に延びている。また、上記フレー
ム１の収納部１０に面し、ターボファン２と重ならない
コーナー側の端部では、壁の円形穴１５を埋設配管とし
ての冷媒配管１６と冷媒配管１７とドレン配管２３が貫
通し、さらに、これらの配管１６，１７，２３が収納部
１０内に水平に延在している。上記機内配管である冷媒
配管１１と、埋設配管である冷媒配管１６とは配管接続
部としてのフレア接続金具２１で接続している。また、
上記機内配管である冷媒配管１２と、埋設配管である冷
媒配管１７とは配管接続部としてのフレア接続金具２２
で接続している。さらに、上記機内配管であるドレン配
管１３と、埋設配管であるドレン配管２３とは配管接続
部２４によって接続している。上記機内配管である冷媒
配管１１，１２は断熱材２５で被覆しており、埋設配管
である冷媒配管１６，１７は断熱材２６で被覆してい
る。

【００２１】上記フレーム１の下側の両方のコーナー
部、つまり、収納部１０の近傍のコーナー部は、フレー
ム１の本体に対して、図示しないが、係合あるいはねじ
などによって、取り外し可能な分割部３１，３２からな
っている。この分割部３１，３２はＬ字形をしており、
つまり、Ｌ字形部材である。

【００２２】なお、図１,図２において、１３は防滴板
であり、図２(Ａ)において、３５は仕切り板７からター
ボファン２の入口の内側に延びているベルマウスであ
る。

【００２３】いま、上記構成の空気調和機の室内機を部
屋の壁面に据え付けるとする。

【００２４】まず、この室内機は壁面に平行に固定され
る。そして、前面パネル３２をフレーム１から取り外
す。そうすると、収納部１０がターボファン２の前方、
かつ、ドレンパン４の下方に位置して、収納部１０の前
方が開放している。したがって、この室内機を据え付け
る際には、前方が開放した収納部１０およびその前方の
広いスペースを利用して、機内配管１１,１２,１３と埋
設配管１６,１７,２３とを配管接続部２１,２２,２４で
締付工具を利用して簡単に接続作業を行うことができ
る。そして、接続後の機内配管１１,１２,１３、埋設配
管１６,１７,２３および配管接続部２１,２２,２４は収
納部１０内に収納され、その後、フレーム１に取り付け
た前面パネル３２で覆われる。

【００２５】このように、この室内機は、収納部１０が
ターボファン２の前方に位置し、かつ、熱交換器３の下
側のドレンパン４の下側に位置して、収納部１０の前面
が開放して収納部１０およびその前方の広いスペースを
配管の接続作業に利用できるから、据え付け時に、フレ
ーム１の下部を部屋の壁面から浮き上がらせる必要がな
く、したがって、室内機のフレーム１の上縁などで壁や
壁紙などを傷つける虞れがない。また、上記収納部１０
が室内機の前面側、つまり、ターボファン２の前方にあ
るので、締付工具で壁や壁紙などを損傷する虞れがな
い。また、上記前方が開放した収納部１０およびその前
方の広いスペースを利用して、埋設配管１６,１７,２３
と機内配管１１,１２,１３との接続作業を行うことがで
きるから、締付工具の操作がし易くなって、作業者の作
業姿勢が大幅に改善される。

【００２６】また、上記収納部１０はドレンパン４の下
側に設けられているから、ドレン配管１３,２３を簡単
に収納部１０に収納することができる。

【００２７】また、上記埋設配管１６,１７,２３および
断熱材２６の曲げ作業は、Ｌ字形部材３２をフレーム１
の本体から矢印Ｘに示すように取り外して、作業性よく
簡単に行うことができる。もう一方のＬ字形部材３１は
その近傍に位置する壁の配管貫通穴に上記機内配管を直
接通す場合に取り外される。また、Ｌ字形部材３１,３
２はフレーム１の本体に対して着脱可能であるから、配
管１６,１７,２３,１１,１２,１３の曲げ作業の後に室
内機を据え付けることも可能である。

【００２８】図３は、上記熱交換器３、機内配管１１,
１２、埋設配管１６,１７、配管接続部２１,２２および
断熱材２５,２６を一連に接続したままで、他の部品か
ら取り外した状態を示している。そして、この状態の熱
交換器３の取付部５を、図４に示すように、壁４０にね
じ４１によって仮止めする。そして、この熱交換器３を
室内機の新しい他の部品、すなわち、ターボファンなど
と組み合わせて、室内機を完成することができる。この
ように、冷媒配管１６,１７,１１,１２を取り外さなく
ても、熱交換器３以外の部品を交換することができる。

【００２９】また、図３,図４に示すように、先に、熱
交換器３だけを壁４０に取付けて配管の接続作業を行っ
た後、それらに他の部品を結合して、室内機を完成する
こともできる。

【００３０】上記実施の形態では、収納部１０は熱交換
器３の外周下側、つまり、トレンパン４の下側に設けた
が、収納部は、熱交換器の外周上側、あるいは外周側部
に設けてもよい。要は、収納部はターボファンの軸方向
前方側であって、熱交換器の外周側にあればよいのであ
る。また、収納部の位置は、作業がし易いように、作業
者の目の高さの位置になるようにすることもできる。

【００３１】また、上記分割部３１,３２はＬ字形部材
で構成したが、平板で構成してもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上より明らかなように、請求項１の発
明の空気調和機の室内機によれば、ターボファンの前方
側、かつ、熱交換機の外周側に、機内配管、埋設配管お
よび配管接続部を収納する収納部を設けているので、こ
の室内機を据え付ける際には、前面パネルをフレームか
ら取り外すと、収納部の前方が開放し、広いスペースの
箇所で埋設配管と機内配管との接続作業を行うことがで
き、この室内機は据え付け時にその下部を部屋の壁面か
ら浮き上がらせる必要がなく、したがって、室内機のフ
レームの上縁などで壁や壁紙などを傷つける虞れがな
い。また、上記収納部が室内機の前面側、つまり、ター
ボファンの前方にあるので、締付工具で壁や壁紙などを
損傷する虞れがない。また、収納部の前方が開放し、広
いスペースの箇所で埋設配管と機内配管との接続作業を
行うことができるから、締付工具の操作がし易くなっ
て、作業者の作業姿勢が大幅に改善される。

【００３３】請求項２の発明の空気調和機の室内機によ
れば、上記収納部はドレンパンの下側に設けられている
から、ドレン配管の収納が容易になる。

【００３４】請求項３の発明の空気調和機の室内機によ
れば、上記収納部近傍のフレームのコーナー部である分
割部は、フレーム本体から取り外すことができるように
なっているから、上記分割部をフレーム本体から取り外
して、埋設配管の曲げ作業を容易に行うことができ、ま
た、埋設配管の曲げ作業の後に室内機を据え付けること
ができる。

【００３５】請求項４の発明の空気調和機の室内機によ
れば、上記分割部はＬ字形部材であるので、各コーナー
部を一つの部材でもって構成でき、取付け取り外しが容
易になる。

【００３６】請求項５の発明の空気調和機の室内機によ
れば、上記熱交換器は他の部品に対して取り外し可能な
取付部を有して、上記熱交換器、機内配管および埋設配
管は互いに連結されたままで、他の部品から分離できる
ようになっているので、ターボファンやモーターを取り
替えるようなサービス作業時に、配管を外さずに、それ
らを取り替えることができ、また、熱交換器以外の部品
の交換も容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１はこの発明の実施の形態の空気調和機の
室内機の前面パネルを外した状態での正面図である。

【図２】 図２(Ａ)は図１の縦断面図であり、図２(Ｂ)
は図２(Ａ)に前面パネルを取り付けた状態での縦断面図
である。

【図３】 図３は熱交換器と配管とを接続した状態での
正面図である。

【図４】 図４は図３の熱交換器および配管を壁に取り
付けた状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１…フレーム、 ２…ターボファン、 ３…熱交換器、
４…ドレンパン、５,６…取付部、 １０…収納部、
１１,１２,１３…機内配管、１６,１７,２３…埋設配
管、 ２１,２２,２４…配管接続部、３１,３２…Ｌ字
形部材。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フレーム(１)内に配置され、空気を軸方向
   前方から吸い込んで径方向外方に吹き出すターボファン
   (２)と、 上記ターボファン(２)の軸方向前方に配置された熱交換
   器(３)と、 上記ターボファン(２)よりも前方側、かつ、上記熱交換
   器(３)の外周側に設けられると共に、機内配管、埋設配
   管および配管接続部を収納する収納部(１０）と、 上記収納部(１０)および熱交換器(３)の前面を覆うと共
   に、上記フレーム(１)に取り外し可能に設けられた前面
   パネル(３２)とを備えたことを特徴とする空気調和機の
   室内機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の空気調和機の室内機に
   おいて、上記収納部(１０)は上記熱交換器(３)の下側の
   ドレンパン(１４)の下側に設けられていることを特徴と
   する空気調和機の室内機。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の空気調和機の
   室内機において、上記収納部(１０)の近傍の上記フレー
   ム(１)のコーナ部はフレーム本体に対して取り外し可能
   な分割部(３１,３２)からなっていることを特徴とする
   空気調和機の室内機。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の空気調和機の室内機に
   おいて、上記分割部(３１,３２)はＬ字形部材であるこ
   とを特徴とする空気調和機の室内機。
5. 【請求項５】 請求項１及至４のいずれか１つに記載の
   空気調和機の室内機において、上記熱交換器(３)は他の
   部品に対して取り外し可能な取付部(５,６)を有して、
   上記熱交換器(３)、機内配管および埋設配管は互いに連
   結されたままで、他の部品から分離できるようになって
   いることを特徴とする空気調和機の室内機。