JPH10196649A - クロスローラ軸受およびコリオリ歯車装置 - Google Patents

クロスローラ軸受およびコリオリ歯車装置

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JPH10196649A
JPH10196649A JP8358651A JP35865196A JPH10196649A JP H10196649 A JPH10196649 A JP H10196649A JP 8358651 A JP8358651 A JP 8358651A JP 35865196 A JP35865196 A JP 35865196A JP H10196649 A JPH10196649 A JP H10196649A
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Japan
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roller
cross
conical
bearing
rollers
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JP8358651A
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Ichiro Kamimura
一郎 上村
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Namu Co Ltd Japan
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NAMU KK
Namu Co Ltd Japan
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Publication date
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    • F16C2240/00Specified values or numerical ranges of parameters; Relations between them
    • F16C2240/30Angles, e.g. inclinations
    • F16C2240/34Contact angles

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、精密な回転動作が可能なクロスローラ
を提供する。 【解決手段】 インナレース3およびアウタレース4
で、第1アキシャル方向Bおよびラジアル方向の荷重を
受ける第1の円錐ローラ7と、第2アキシャル方向Aお
よびラジアル方向の荷重を受ける第2の円錐ローラ8と
を交互に保持する。また、第1、第2の円錐ローラ7,
8の大端面7b,8bと、アウタレース4の軌道面4
a,4bとの間に、所定の空間9を設ける。そして、空
間9に弾性変形可能な着座リング10を設ける。円錐ロー
ラ7,8を用いることにより、軌道面3a,3b,4
a,4bとローラ7,8との間の滑りを防止する。ま
た、着座リング10を弾性変形させ、その復帰力で第1、
第2の円錐ローラ7,8に適切な予圧を付与する。よっ
て、常に最適の予圧を円錐ローラ7,8に付与すること
が可能となり、高速、精密な回転動作が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多方向からの荷重
を1つの軸受で受けることが可能な、クロスローラ軸受
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から良く知られている円錐コロ軸受
は(図15参照)、円錐コロの回転中心を傾けることによ
り、アキシャル方向、ラジアル方向双方の荷重を受ける
ことができるようにしたものである。しかしながら、こ
の円錐コロ軸受が受けることができるアキシャル方向の
荷重は、一方向(背面からの荷重)に限られてしまう。
そこで、図15に矢印A、Bで示す第1アキシャル方向、
第2アキシャル方向のいずれの荷重も受けるようにする
為には、図16に示すように、2つの円錐コロ軸受を逆方
向に並べて用いる必要がある。(図16は正面同士を合わ
せているので、正面組み合わせ軸受である。この逆に背
面同士を合わせたものは、背面組み合わせ軸受とい
う。)このことは、スペース効率の悪化、重量の増加等
を招くという欠点がある。
【0003】そこで、1つの軸受で第1、第2アキシャ
ル方向およびラジアル方向の荷重を受けることが可能
な、クロスローラ軸受が考案されている。図17にはクロ
スローラ軸受1を示している。また、図18には図17にD
−D線で示す部分の断面を示している。クロスローラ軸
受は、隣接するローラ2同士の中心軸C1 ,C2 を交差
させて同一の回転軌道上に交互に配置し、インナレース
3およびアウタレース4で挟持してなるものである。イ
ンナレース3、アウタレース4には、夫々、軸受の中心
軸Cに対して±45°の角度をなす軌道面3a,3b,4
a,4bが設けられている。そして、中心軸を交差して
配置したローラ2は、3a,4aの一対の軌道面、ある
いは3b,4bの一対の軌道面にその転動面を当接させ
ている。
【0004】各ローラ2の間には、リテーナ5を配置し
ている。図19に示すように、リテーナ5は隣接したロー
ラ2の転動面と面接触するように、ローラ径と略同一の
内径を有する接触面5a,5bを有する。これら接触面
5a,5bの中心軸C1 ,C 2 も図示のごとく交差して
いる。そして、各ローラ2は接触面5a,5bによって
軸受の軌道内で位置決めがなされ、軌道面との間で適正
な接触状態を保ちながら回転することができる。上記従
来のクロスローラは、実公平2-17214 号公報、実公平5-
11379 号公報等にその詳細が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のクロ
スローラには以下に示すような問題点があった。以下図
18を用いて説明する。転動面2aが軌道面3a、4aに
当接して回転するローラに着目すると、軌道面3b、4
bはローラ2の端面2bを支えるガイド面となる。とこ
ろが、このローラ2の前後に位置するローラは、転動面
2aが軌道面3b、4bに当接し、軌道面3a、4aは
端面2bを支えるガイド面となる。すなわち、各軌道面
は同時にガイド面としても働くことができるように、ロ
ーラの直径および長さを同一かつ一定とし、ローラの中
心軸がいずれの方向に向いていてもその断面形状が同一
となるようにする必要がある。以上の理由から、クロス
ローラ軸受のローラには、円錐コロを用いることができ
ない。
【0006】ところで、前記各軌道面は、軸受の中心軸
に対して45°の角度をなしている。よって、P1 で示す
部分とP2 で示す部分とでは、その周長が異なる(P2
を通る周長の方がP1 を通る周長よりも長い)。しかし
ながら、場所によって周長が異なる角軌道面に当接する
ローラ2は一定径であることから、ローラ2と各軌道面
との間には滑りが生ずることとなる。軸受の回転精度を
高める為には、インナレースおよびアウタレースによっ
てローラにある程度の予圧を与える必要があるが、前記
滑りによって摩擦熱を生じてしまうため、焼き付き防止
の為に予圧の付与をある程度制限する必要があった。ま
た、同様の理由から高速回転には適さないものであっ
た。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、インナレースおよびア
ウタレースの軌道面と、ローラの転動面との滑りをなく
し、高速、高荷重で精密な回転動作が可能なクロスロー
ラを提供することにより、クロスローラの適用範囲を広
げることにある。また、このクロスローラをコリオリ歯
車装置の軸受として用いることにより、コリオリ歯車装
置の小型化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為の
本発明の請求項1に係るクロスローラ軸受は、共通のイ
ンナレースおよびアウタレースで回転中心の方向が異な
るローラを支持してなる軸受であって、第1アキシャル
方向およびラジアル方向の荷重を受ける第1の円錐ロー
ラと、第2アキシャル方向およびラジアル方向の荷重を
受ける第2の円錐ローラとを交互に配列し、第1、第2
の円錐ローラの大端面とアウタレースの軌道面との間に
所定の空間を設け、該空間に弾性変形可能な着座リング
を設けたことを特徴とする。
【0009】上記構成によると、円錐ローラを用いるこ
とにより、軌道面とローラとの間の滑りを防止する。ま
た、円錐ローラの大端面とアウタレースの軌道面との間
に設けた空間に、弾性変形可能な着座リングを設け、該
着座リングを該空間で弾性変形させることによって、そ
の復帰力で第1、第2の円錐ローラに適切な予圧を付与
する。
【0010】また、本発明の請求項2に係るクロスロー
ラ軸受においては、前記着座リングは、解放端部を半径
方向外側に向けた断面U字状をなし、該半径方向外側端
部をアウタレースとの当接部と、半径方向内側端部を前
記第1、第2の円錐ローラの大端面との当接部とするこ
とが望ましい。そして、ローラの解放端部でアウタレー
スからの荷重を受け、湾曲面をなす半径方向内側端部
で、回転中心の方向が異なるローラの大端面からの荷重
を均等に受けて弾性変形する。
【0011】さらに、本発明の請求項3に係るクロスロ
ーラ軸受は、共通のインナレースおよびアウタレースで
回転中心の方向が異なるローラを支持してなる軸受であ
って、前記インナレースおよびアウタレースに、中心軸
に対する角度が異なる複数対の軌道面を設け、該軌道面
の径方向断面の半径をR、該軌道面に案内されるローラ
の、転動面の径方向断面の半径をrかつR>rとし、該
ローラの端面と前記軌道面とで形成される夫々の空間に
は、弾性変形可能なリテーナを、隣接するリテーナ同士
で当接可能に配置したことを特徴とする。
【0012】そして、中心軸に対する角度が異なる複数
対の軌道面を設け、各軌道面にローラを配置することに
より、アキシャル、ラジアル両方向からの荷重を受け
る。また、R>rとなるように、軌道面およびローラの
転動面の半径方向断面を形成することにより、ローラが
軌道面から荷重を受けて回転すると、軌道面と転動面と
の間に生ずる作用力の方向がバランスするように相互の
接触点を移動させ、ローラと軌道面との角度を適切に変
化させる。このとき、前記接触点は軌道面の周長と転動
面の周長とが一致する位置に移動し、軌道面とローラの
転動面との間に滑りを防止する。ローラの端面と軌道面
とで形成される夫々の空間には、ローラの中心軸方向に
任意に弾性変形可能なリテーナを配置し、前記ローラの
角度変化を受け止める。また、隣接するリテーナ同士が
当接することによって、各ローラの位置決めを確実に行
う。
【0013】また、本発明の請求項4に係るクロスロー
ラ軸受は、前記ローラの中心軸に貫通穴を設け、前記リ
テーナには該貫通穴と嵌合する軸芯部を設けたことを特
徴とする。ローラの中心軸に貫通穴を設けることによ
り、ローラが荷重を受けることによる変形を生じ易くす
る。そして、荷重の負荷時に転動面を楕円状に変形させ
ることにより、レースの軌道面と接触する部分の半径を
大径化し、ローラの転動面とレースの軌道面との間に生
ずるヘルツ応力を低減する。また、前記リテーナは該貫
通穴と嵌合する軸芯部を有することから、ローラの移動
に伴ってリテーナも移動させることができる。
【0014】さらに、本発明の請求項5に係るクロスロ
ーラ軸受は、前記軌道面を3対以上有することが望まし
い。このように軌道面の数を増やすことにより、ローラ
の軌道面をさまざまな方向に向けることが可能となる。
【0015】また、本発明の請求項6に係るコリオリ歯
車装置においては、請求項1ないし5記載のクロスロー
ラ軸受を歯車の軸受に用いることを特徴とする。そし
て、コリオリ歯車装置に占める軸受の容積を減少させ、
コリオリ歯車装置の小型化を図る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1ないし図6に基づいて説明する。ここで、従来例
と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で
示し、詳しい説明は省略する。
【0017】図1には、本発明の第1の実施の形態に係
るクロスローラ軸受6の断面図を示している。このクロ
スローラ軸受の中心軸は、図1の左右方向に延びてい
る。以下の説明では、矢印Aで示す方向を第1アキシャ
ル方向、矢印Bで示す方向を第2アキシャル方向とす
る。クロスローラ軸受6は、インナレース3およびアウ
タレース4で、中心軸の方向が異なる円錐ローラ7,8
を支持している。この内、円錐ローラ7が、第2アキシ
ャル方向およびラジアル方向(図1の上下方向)の荷重
を受けるローラ(第1の円錐ローラ)である。また、円
錐ローラ8が、第1アキシャル方向およびラジアル方向
の荷重を受けるローラ(第2の円錐ローラ)である。こ
れら第1、第2の円錐ローラ7,8は、交互に配列され
ている。
【0018】また、アウタレース4の軌道面4a,4b
には、環状溝4c,4dを形成している。この環状溝4
c,4dによって、円錐ローラ7,8の大端面7b,8
bとアウタレースの軌道面4a,4bとの間に、空間9
を設けている。この空間9に、弾性変形可能な着座リン
グ10を配置している。
【0019】着座リング10は、解放端部を半径方向外側
に向けた断面U字状をなしている。そして、半径方向外
側端部10aをアウタレース4に当接させている。また、
半径方向内側端部10bを、円錐ローラ7,8の大端面7
b,8bに当接させている。なお、前記内側端部10bと
大端面7b,8bとの間には図示しない小さな隙間を設
け、両者間に潤滑油の供給を可能としている。この着座
リング10は、弾性変形自在なバネ材を用いることが望ま
しい。そして、図2(a)に示すようにリングの1点に
スリット10cを設け、スリット10cでリングを押し広げ
るように変形させることにより、組立を容易としてい
る。また、図2(b)に示すように2分割とする場合も
ある。何れにしても、リングの分割部分はワイヤカット
等で形成することにより、隙間を極力小さくする。この
ように、着座リング10の解放端部を半径方向外側に向け
た断面U字状とすることにより、曲面をなす半径方向内
側端部10bが、円錐ローラ7,8の大端面7b,8bの
いずれにも均等に当接し、かつ、半径方向内側端部10a
がアウタレース4の環状溝4c,4dに十分に密着し
て、後述する着座力を十分に発生することができる。
【0020】なお、本実施の形態では、アウタレース4
は分割形となっており、両者を係合するためのボルト等
の係合部材 100を、点線で示している。また、図示は省
略するが、本実施の形態においても、隣接する円錐ロー
ラ7、8の間に、図19で説明したようなリテーナを配置
することが可能である。
【0021】さて、上記構成をなすクロスローラ軸受6
が荷重を受ける際に、各構成部材に加えられる力の関係
を、図3に基づいて説明する。なお、図3には説明の便
宜上、円錐ローラ7とその転動面7aが当接する軌道面
3a,4a、および着座リング10の半分のみを示す。
【0022】軌道面3aから円錐ローラ7の転動面7a
へは、ラジアル荷重f1 と、スラスト荷重f2 とがかか
る。これらの合成力をF1 とする。また、軌道面4aか
ら転動面7aへは、ラジアル荷重f3 と、アキシャル荷
重f4 とがかかる。これらの合成力をF2 とする。とこ
ろで、円錐ローラ7が当接する軌道面3a,4aの延長
線は、図示のごとく軸受の中心軸C上で交わるようにな
っている。すなわち、軌道面3aと中心軸Cとのなす角
度θ1 、軌道面4aと中心軸Cとのなす角度θ2 には差
がある。したがって、合成力F1 ,F2 の間にもベクト
ル差が生ずる。そこで、合成力F1 ,F2 を含む力の三
角形を閉じる為の、第3の力F3 が必要となる。この力
3 は、一般に着座力といわれる。この着座力F3 を、
着座リング10の弾性変形により生ずる弾性力から得るこ
とができる。
【0023】F1 ,F2 の合成力が増加して、円錐ロー
ラ7の大端面7bが着座リング10により強く押し付けら
れると、着座リング10はより大きな弾性変形をして着座
力F3 を増大させる。その逆に、F1 ,F2 の合成力が
減少し、円錐ローラ7の大端面7bが着座リング10に押
し付けられる力が減少すると、着座リング10の弾性変形
は少なくなり着座力F3 を減少させる。すなわち、着座
リング10から円錐ローラの大端面7bに対して、常に最
適な着座力を付与することが可能となる。そして、円錐
ローラ7は軌道面3a,4aに正しくガイドされ、ガタ
のない精密な作動をすることができる。なお、上記の力
の関係は、円錐ローラ8においても当然に当てはまるも
のである。
【0024】図4および図5には、第1の実施の形態に
おける応用例を示している。図1に示す例と同一部分も
しくは相当する部分については、同一符号を付してい
る。この場合には、円錐ローラ7,8の転動面7a,8
aと大端面7b,8bとの端部が、図5に示すように半
径R1 に研磨加工されている。また、着座リング10の内
側端部10bには、図5に示すように半径R2 の、球状も
しくは円弧溝状をなす凹部10cが形成されている。そし
て、該凹部10cに半径R1 の前記円錐ローラ端部が係合
している。ここで、半径R1 と半径R2 との間には、R
1 >R2 の関係がある。
【0025】このような構成にすると、クロスローラ軸
受6にかかる荷重が無荷重であるか微少荷重である場合
には、円錐ローラ7,8と着座リング10との間の接触状
態は点接触となる。ところが、ある程度の荷重がかかる
と、凹部10cが変形して、半径R1 がより大きなだ円状
に変形し、凹部10cと円錐ローラ7,8の端部との接触
関係は面接触となる。このとき、凹部10cには潤滑油が
溜り、該凹部10cと円錐ローラ7,8との間には油膜が
形成される。よって、円錐ローラ7,8と着座リング10
との間の面圧を低減し、疲労破壊を防止することができ
る。
【0026】さて、上記構成をなす本発明の第1の実施
の形態から得られる作用効果は、以下の通りである。本
実施の形態では、クロスローラを構成するローラに、円
錐ローラ7,8を用いるので、円錐ローラ7,8の転動
面7a,8aと、インナレース3の軌道面3a,3bお
よびアウタレース4の軌道面4a,4bとの間に滑りが
生ずることがない。したがって、摩擦熱の発生による焼
き付きの恐れがない。また、円錐ローラを用いる場合に
は、各円錐ローラ7,8の大端面7b,8bに着座力F
3 を付与する必要があるが、これを着座リング10の変形
により適切に発生させることができる。また、ローラに
予圧を与えても、着座リング10が変形することによっ
て、着座力F3 を適切に調整することができると同時
に、固定された着座に比してクッション効果が期待でき
るので、固定着座の様に無限大の力が加わる恐れがなく
なる。よって、この部分での破損の防止および、該破損
により生ずる焼き付きの防止を図ることができる。した
がって、適切な予圧を付与し、回転精度の高い軸受が形
成される。以上の理由から、高速回転にも適したクロス
ローラ軸受を得ることができる。
【0027】また、着座リング10を円錐ローラ7,8の
大端面7b,8bと、アウタレース4との間に配置し、
着座リング10で着座力F3 を発生させることにより、ロ
ーラおよび軌道面の形状のみでローラを案内する必要が
なくなり、ローラおよび軌道面の形状が制限されること
がなくなる。よって、円錐ローラ7,8の中心軸C1
2 と、クロスローラ軸受の中心軸Cとがなす角度α
(図3参照)を45°に限ることなく、さまざまな角度と
することができる。そして、角度α<45°とすると、ラ
ジアル方向からの荷重をより多く受けることが可能とな
る。また、角度α>45°とすると、アキシャル方向から
の荷重をより多く受けることが可能となる。図6にはα
=30°とした場合を例示しているが、このように角度α
をさまざまに変更しても、着座リング10によって適切な
着座力F3 を付与し、高速、かつ精密な回転をすること
ができる。
【0028】次に、本発明の第2の実施の形態を図7な
いし図13に基づいて説明する。ここで、従来例または第
1の実施の形態と同一部分若しくは相当する部分につい
ては同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0029】図7ないし図9には、本発明の第2の実施
の形態に係るクロスローラ軸受11の断面図が示されてい
る。クロスローラ軸受11の中心軸(図示省略)は、図7
ないし図9の左右方向に延びている。このクロスローラ
軸受11は、インナレース12およびアウタレース13に複数
の軌道面12a,12b,12c,13a,13b,13cを設けて
いる。そして、12aと13a、12bと13b、12cと13cが
夫々対となっている。各軌道面は皆、軸受の中心軸に対
する角度が異なっており、図示の例では、一対の軌道面
12a,13aは軸受の中心軸に対し+30°、一対の軌道面
12b,13bは軸受の中心軸に対し−30°、一対の軌道面
12c,13cは軸受の中心軸に対し直角をなしている。す
なわち、各軌道面によって形成される軌道の断面形状は
略正六角形となる。そして、各対の軌道面間には、夫々
の中心軸に貫通穴を有するローラ14(図7)、ローラ15
(図8)、ローラ16(図9)が配置されている。ローラ
14は、第1アキシャル方向の荷重を主に受けるものであ
る。また、ローラ15は、第2アキシャル方向の荷重を主
に受けるものである。さらに、ローラ16はラジアル方向
の荷重を主に受けるものである。
【0030】図10には、図7の一部分を拡大して示して
いる。各軌道面は図示の径方向断面が半径Rをなすよう
に形成されている。また、ローラ14(15,16)の転動面
14a(15a,16a)は、径方向断面が半径rをなすよう
に形成されている。そしてR>rの関係がある。また、
R=∞とする場合もある。さらに、各ローラ14,15,16
には、その中心軸に貫通穴14c,15c,16cを設けてい
る。
【0031】ここで、ローラ14と軌道面12b,12bとの
関係を中心に説明をする。図7、図10に示す様に、ロー
ラ14の一方の端面14bと軌道面12b,12cとで形成され
る空間には、リテーナ17が配置されている。また、ロー
ラ14のもう一方の端面14bと軌道面13b,13cとで形成
される空間には、リテーナ18が配置されている。図7に
実線および点線で示すように、リテーナ17,18の断面形
状は、略正六角形をなす軌道の断面を二分割した略五角
形をなしている。図11には、図7に示されるリテーナ18
を矢印E方向から見たリテーナ17,18の側面図(a)
と、リテーナ18の下面図(b)とを示している。図11
(a)に示すように、リテーナ17,18の側面形状は、環
状部材の一部を切り取ったような円弧状をなしている。
この円弧の長さは、クロスローラ軸受11に用いられるロ
ーラ14〜16の数の総和がNである場合、軌道の全周をN
で割った長さとしている。そして、周方向に隣接するリ
テーナ同士が、当接するようになっている。したがっ
て、リテーナ17,18の端面を延長した線L1 ,L2 は、
クロスローラ軸受11の中心軸上で交わる。
【0032】ここで、さらにリテーナ17,18について詳
しく説明する。図7および図11に示すように、リテーナ
17,18はローラの貫通穴14cと係合する軸芯部 171, 1
81を有している。そして、軸芯部 171, 181には貫通穴
172, 182を、また、軸芯部外壁、ローラ側面との接触
面および軌道面との接触面には、夫々、油溜 173〜 17
6、油溜 183〜 186を有する。油溜 173, 183は、軸芯
部 181の側壁に、その先端部から基端部にかけて設けら
れた複数の溝である。油溜 174, 184は、軸芯部181に
対して中心が偏心した環状溝である。このように油溜 1
74, 184を偏心させると、ローラ14が回転する際にその
端面14bの広範囲に渡って油溜 174, 184が面すること
となり、リテーナ18とローラ端面14bとの間の潤滑をよ
り良好にすることができる。油溜 175, 185は、軸芯部
181と同心の環状溝である。油溜 176, 186は、軌道面
13b,13cとの接触面にくぼみを略等間隔に設けてなる
ものである。
【0033】そして、図11に示す様に、半径方向内側面
の略中央部には、ローラ14(図7)を包含する為の筒状
凹部 177, 187が形成され、さらにその中心に前記軸芯
部 171, 181を突出させている。ところで、リテーナ17
は、各部位の構成が、軸受の半径方向においてリテーナ
18と逆の順番で配置されてなるものである。そして、環
状凹部 177, 187および軸芯部 171, 181が向かい合う
ことにより、ローラ14を回転自在に保持することができ
る。リテーナ17,18の材質としては、高分子樹脂、超超
粒子素材等を用い、弾性変形を可能としている。そし
て、後述するローラ14と軌道面との角度変化を許容す
る。また、図示の例のようにリテーナ17,18を中密の部
品とはせずに、板材を折り曲げて従来のベアリングと同
様な保持方法とすることも可能である。
【0034】図8および図12に示されるリテーナ19,20
については、リテーナ17,18の説明が当てはまるので、
ここでは図示するにとどめ、詳しい説明は省略する。図
9および図13に示すリテーナ21,22も、リテーナ17,18
とほぼ同様の構成をなすものであるが、ローラ16はその
端面16bの方向をクロスローラ軸受11の半径方向(G−
G線方向)と一致させているので、リテーナ21,22はG
−G線を中心に向かい合う。したがって、リテーナ21,
22は、リテーナ17,18の関係と異なり、全く対称形をな
している。ところで、リテーナ22においては油溜 224
を、2本の独立した円弧溝としている。この形状でも、
ローラ16が回転する際にその端面16bの広範囲に渡って
油溜 224が面することとなり、リテーナ18とローラ端面
14bとの間の潤滑をより良好にすることができる。
【0035】以上のごとく、クロスローラ軸受11は図7
ないし図9に示されるような3通りの、ローラ(14,1
5,16)およびリテーナ(17と18、19と20、21と22)の
組み合わせを有するものである。そして、各リテーナを
ローラの軌道内で密着して組み合わせることにより、環
状のリテーナ組を形成する。各ローラのピッチは、これ
らリテーナによって常に均等に維持することができる。
ところで、前記3通りのローラおよびリテーナの配列の
パターンを、種々に設定することもできる。図7に示す
組み合わせをαと、図8に示す組み合わせをβと、図9
に示す組み合わせをγとすると、 γ,α,β,γ,α,β,γ…… の順序(各組み合わせ均等)で整列させた場合は、第
1、第2のアキシャル方向の荷重と、ラジアル方向の荷
重とをほぼ均等に受けることが可能なクロスローラ軸受
を構成することができる。また、 γ,α,γ,β,γ,α、γ…… の順序(γの組み合わせと、α,βの組み合わせとの比
率が2:1の割り合い)で整列させた場合には、特にラ
ジアル方向の許容荷重が大きいクロスローラ軸受を構成
することができる。このほかさまざまな配列パターンを
設定することにより、所望のクロスローラ軸受を構成す
ることができる。
【0036】上記構成をなす、本発明の第2の実施の形
態に係るクロスローラより得られる作用効果は、以下の
通りである。インナレース12およびアウタレース13に
は、中心軸に対する角度が異なる複数対の軌道面12a,
13a、12b,13b、12c,13cを設け、各軌道面にロー
ラ14,15,16を配置している。そして、ローラ14で第1
アキシャル方向の荷重を、ローラ15で第2アキシャル方
向の荷重を、ローラ16でラジアル方向の荷重を主に受け
ることができる。
【0037】ところで、各軌道面およびローラの転動面
の半径方向断面R,rを、R>rとなるように形成して
いるので、ローラ14,15,16が各軌道面から荷重を受け
て回転すると、各軌道面とローラの転動面14a,15a,
16aとの間に生ずる作用力の方向がバランスするように
相互の接触点を移動させ、ローラと軌道面との角度を適
切に変化させる。このとき、前記接触点は軌道面の周長
と転動面の周長とが一致する位置に移動し、軌道面とロ
ーラの転動面との間に滑りを防止する。また、各ローラ
を支持するリテーナ17,18,19,20,21,22は、ローラ
の端面14b,15b,16bと各軌道面とで形成される空間
に配置されて、弾性変形可能となっているので、ローラ
の位置決めをしつつ、後述するヘルツ応力による受圧面
積を増大させることができる。したがって、クロスロー
ラ軸受11には、所望の予圧を付与しても、焼き付きを生
ずることがなく、高精度かつ、高速回転が可能な軸受を
得ることができる。
【0038】また、貫通穴14c,15c,16cを設けるこ
とにより、ローラが荷重を受けることによる変形を生じ
易くし、荷重の負荷時に転動面を14a,15a,16aを楕
円状に変形させ、rを大径化する。そして、ローラの転
動面とレースの軌道面との間に生ずるヘルツ応力を低減
することにより、軸受としての耐久性を向上させる。ま
た、第1の実施の形態に係る円錐ローラ7,8において
も、その中心軸に貫通穴を設ければ、同様の作用効果を
得ることができる。また、各ローラの中心軸に貫通穴14
c,15c,16cを設けることにより、各リテーナの軸芯
部 171, 181,191, 201, 211, 221がこれに係合し
て、ローラおよびリテーナ間の位置決めを確実にし、ロ
ーラの転動に伴うリテーナの移動を確実に行うことがで
きる。
【0039】さらに、前記各リテーナには、軸芯部、ロ
ーラ側面との接触面および軌道面との接触面に、夫々油
溜り油溜 173〜 176, 183〜 186, 193〜 196, 203〜
206, 213〜 216, 223〜 226を設け、ローラ、リテー
ナ、インナレースおよびアウタレースの各軌道面の間で
の潤滑を十分に行っている。したがって、各ローラの回
転は円滑となり、クロスローラ軸受の回転抵抗を減少さ
せ、かつ、耐久性を向上させることができる。
【0040】ところで、本実施の形態においては、3対
のローラおよび軌道面を有しているが、これをさらに4
対以上設けることも可能である。また、前記3対のロー
ラおよび軌道面が軸受の中心軸となす角度を、第1の実
施の形態と同様にさまざまに変更することも可能であ
る。
【0041】次に、本発明の第3の実施の形態について
を、図14に基づいて説明する。本実施の形態は、第1、
第2の実施の形態で例示したクロスローラ軸受6,11
を、コリオリ歯車装置に用いたものである。コリオリ歯
車装置の詳細については、本発明者が特公平7-56324 号
公報にその詳細を開示している。ここでその内容を簡単
に説明する。コリオリ歯車装置30は、歯数の異なる4つ
の歯車として、第1〜第4歯車A1 〜A4 を有してい
る。このうち第1歯車A1 は、ハウジング34に形成され
た固定歯車である。第2歯車A2 、第3歯車A3 は、回
転体33に一体に形成されている。また、回転体33は、入
力軸31の傾斜部31aにより、回転自在に軸支されてい
る。また、第4歯車A4 は出力軸32に設けられ、ハウジ
ング34により回転自在に支持されている。そして、第1
歯車A1 と第2歯車A2 、第3歯車A3と第4歯車A4
が夫々かみ合っている。
【0042】このコリオリ歯車装置は、第1〜第4歯車
1 〜A4 のみで大減速比を実現することができるとい
う利点がある。本実施の形態では、このコリオリ歯車の
軸受としてクロスローラ軸受6,11を用いることによ
り、従来の組み合わせ軸受を用いる場合に比べ、コリオ
リ歯車装置に占める軸受の容積を減少させ、コリオリ歯
車装置の小型化を図ることができる。従って、コリオリ
歯車装置の適応範囲を広げることが可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、請求項1に係るクロスロ
ーラ軸受によると、ローラ形状を円錐形とすることによ
り、同一面でありながら場所によって周長が異なる軌道
面に合わせて、円錐ローラが回転するので、軌道面とロ
ーラとの間の滑りを防止することができる。また、円錐
ローラの大端面とアウタレースの軌道面との間に設けた
空間に、弾性変形可能な着座リングを設け、該着座リン
グを該空間で弾性変形させることによって、その復帰力
で第1、第2の円錐ローラに適切な予圧を付与すること
ができる。したがって、高精度で高速回転にも適したク
ロスローラ軸受を得ることができる。
【0044】また、本発明の請求項2に係るクロスロー
ラ軸受によると、断面U字状をなす着座リングは、半径
方向外側端部をアウタレースと当接し、半径方向内側端
部を前記第1、第2の円錐ローラの大端面と当接するの
で、ローラの解放端部でアウタレースからの荷重を受
け、湾曲面をなす半径方向内側端部で、回転中心の方向
が異なるローラの大端面からの荷重を均等に受けて弾性
変形する。したがって、着座リングで生ずる弾性力によ
り、円錐ローラ、インナレース、アウタレース間に、常
に適切な予圧を付与することが可能となる。したがっ
て、高精度の回転動作が可能なクロスローラ軸受を得る
ことができる。
【0045】また、本発明の請求項3に係るクロスロー
ラ軸受によると、回転中心に対する角度が異なる複数対
の軌道面を設け、各軌道面にローラを配置することによ
り、アキシャル、ラジアル両方向からの荷重を受けるこ
とが可能となる。また、R>rとなるように、軌道面お
よびローラの転動面の半径方向断面を形成することによ
り、ローラと軌道面との角度を適切に変化させ、軌道面
とローラの転動面との間の滑りを防止することができ
る。さらに、ローラの端面と軌道面とで形成される夫々
の空間には、弾性変形可能なリテーナを設けることによ
って、前記ローラと軌道面との角度変化を許容しつつ、
各リテーナ同士が当接することによって、各ローラの位
置決めを確実に行うことができる。したがって、高精度
で高速回転にも適したクロスローラ軸受を得ることがで
きる。
【0046】さらに、本発明の請求項4に係るクロスロ
ーラ軸受によると、該ローラの中心軸に貫通穴を設ける
ことにより、ローラが荷重を受けることによる変形を生
じ易くする。そして、荷重の負荷時に転動面を楕円状に
変形させることにより、レースの軌道面と接触する部分
の半径を大径化し、ローラの転動面とレースの軌道面と
の間に生ずるヘルツ応力を低減する。したがって、軸受
としての耐久性を向上させることができる。また、前記
リテーナは該貫通穴と嵌合する軸芯部を有することか
ら、ローラの移動に伴ってリテーナも確実に移動させる
ことができる。
【0047】また、本発明の請求項5に係るコリオリ歯
車装置は、請求項1ないし5記載のクロスローラ軸受を
歯車の軸受に用いることによって、コリオリ歯車装置に
占める軸受の容積を減少させ、コリオリ歯車装置の小型
化を図ることができる。従って、4つの歯車で大減速比
を得ることが可能なコリオリ歯車装置の適応範囲を広げ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るクロスローラ
軸受を示す断面図である。
【図2】図1に示す着座リングの正面図である。
【図3】図1に示すクロスローラ軸受が荷重を受ける際
に、各構成部材に加えられる力の関係を示す摸式図であ
る。
【図4】図1に示すクロスローラ軸受の応用例を示す摸
式図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るクロスローラ
軸受の更なる応用例を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るクロスローラ
軸受を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るクロスローラ
軸受の、図7とは異なる位置における断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るクロスローラ
軸受の、図7、図8とは異なる位置における断面図であ
る。
【図10】図7の要部拡大図である。
【図11】図7に示されるリテーナの側面図および下面
図である。
【図12】図8に示されるリテーナの側面図および下面
図である。
【図13】図9に示されるリテーナの下面図およびイン
ナレース、アウタレースの周方向断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るコリオリ歯
車装置の断面図である。
【図15】円錐コロ軸受の断面図である。
【図16】背面合わせ軸受の断面図である。
【図17】従来のクロスローラを示す斜視図である。
【図18】図17のD−D線における断面図である。
【図19】図17に示されるリテーナの斜視図である。
【符号の説明】
3 インナレース 3a 軌道面 3b 軌道面 4 アウタレース 4a 軌道面 4b 軌道面 4c 環状溝 4d 環状溝 6 クロスローラ軸受 7 第1の円錐ローラ 7a 転動面 7b 大端面 8 第2の円錐ローラ 8a 転動面 8b 大端面 9 空間 10 着座リング 10a 外側端部 10b 内側端部 A 第1アキシャル方向 B 第2アキシャル方向

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通のインナレースおよびアウタレース
    で回転中心の方向が異なるローラを支持してなる軸受で
    あって、第1アキシャル方向およびラジアル方向の荷重
    を受ける第1の円錐ローラと、第2アキシャル方向およ
    びラジアル方向の荷重を受ける第2の円錐ローラとを交
    互に配列し、第1、第2の円錐ローラの大端面とアウタ
    レースの軌道面との間に所定の空間を設け、該空間に弾
    性変形可能な着座リングを設けたことを特徴とするクロ
    スローラ軸受。
  2. 【請求項2】 前記着座リングは、解放端部を半径方向
    外側に向けた断面U字状をなし、該半径方向外側端部を
    アウタレースとの当接部と、半径方向内側端部を前記第
    1、第2の円錐ローラの大端面との当接部としたことを
    特徴とする請求項1記載のクロスローラ軸受。
  3. 【請求項3】 共通のインナレースおよびアウタレース
    で回転中心の方向が異なるローラを支持してなる軸受で
    あって、前記インナレースおよびアウタレースに、中心
    軸に対する角度が異なる複数対の軌道面を設け、該軌道
    面の径方向断面の半径をR、該軌道面に案内されるロー
    ラの、転動面の径方向断面の半径をrかつR>rとし、
    該ローラの端面と前記軌道面とで形成される夫々の空間
    には、弾性変形可能なリテーナを、隣接するリテーナ同
    士で当接可能に配置したことを特徴とするクロスローラ
    軸受。
  4. 【請求項4】 前記ローラの中心軸に貫通穴を設け、前
    記リテーナには該貫通穴と嵌合する軸芯部を設けたこと
    を特徴とする請求項3記載のクロスローラ軸受。
  5. 【請求項5】 前記軌道面を3対以上有することを特徴
    とする請求項3または4記載のクロスローラ軸受。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載のクロスローラ軸
    受を歯車の軸受に用いることを特徴とするコリオリ歯車
    装置。
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