JPH10196269A - パイプルーフの構築方法 - Google Patents

パイプルーフの構築方法

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JPH10196269A
JPH10196269A JP262597A JP262597A JPH10196269A JP H10196269 A JPH10196269 A JP H10196269A JP 262597 A JP262597 A JP 262597A JP 262597 A JP262597 A JP 262597A JP H10196269 A JPH10196269 A JP H10196269A
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propulsion
propulsion pipe
excavator
joint
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地中にパイプルーフを構築するに際し、特に、
既設管の雌継手と新管の雄継手の係合部から発進立坑へ
の地下水の流入を防止する。 【解決手段】土留め壁1に穴21を形成すると共に枠22を
固着し、掘進機Bを設置する。掘進機Bの外周にシート
25を巻き付けてバンド26で固定する。型枠29にコンクリ
ート30を打設した後、掘進機B,推進管Aaを推進す
る。その後、既設管Aaの周囲にある型枠29,コンクリ
ート30を除去して雌継手13,シート25を含む既設管Aa
の外周の一部を露出させる。この状態で土留め壁1に穴
21を形成すると共に枠22を固着して掘進機Bを設置す
る。掘進機Bの外周に一端に設けたフック31bを既設管
Aaの溝11aに係止させた一対のバンド31を利用してシ
ート25を巻き付け、ターンバックル31aによって固定す
る。コンクリート30を打設した後、掘進機B,推進管A
bを推進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプルーフを構
築する方法に関し、特に、地下水が発進立坑側に流入す
ることを防止すると共に複数の推進管を推進してパイプ
ルーフを構築する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】土手や道路或いは鉄道線路の盛土を横断
してトンネルを構築するような場合、外周又は内周に継
手を形成した推進管を前記盛土を横断する方向に推進し
て埋設し、既に埋設した推進管に隣接させて新たな推進
管を配置すると共に、該新たな推進管の継手を既に推進
された推進管の継手に係合させて推進して順に埋設する
ことで、互いに継手を介して接続すると共に埋設された
複数の推進管によって地盤を支持する所謂パイプルーフ
を構築することが行われている。
【0003】パイプルーフを構築する際に用いられる推
進管は、外周又は内周の所定位置にに形成された全長に
わたる一対の継手を有している。この継手は、推進管の
外周に溶接されたT形鋼からなる雄継手と、同様に推進
管の外周に2本の山形鋼をフランジを向き合わせて溶接
した雌継手とからなるのが一般的である。しかし、最近
では、内周面に溝形鋼のフランジを溶接すると共に該フ
ランジ間に対応する推進管にスリットを形成して雌継手
としたような推進管(実公平8-3515号)も提供されてい
る。
【0004】パイプルーフを構築する場合、発進側には
土留め壁が形成されており、推進管を推進する都度、土
留め壁には推進管の径よりも継手の分だけ大きい径を持
った穴が連続的に形成される。即ち、土留め壁は推進管
の推進部位で分断されることになり、特に、推進管より
も上部の土留めが不安定になる虞が生じる。
【0005】一方、最近では地下水が存在するような地
中にパイプルーフを構築することを要求されることが多
くなっている。この場合、推進管に形成された継手が樋
の機能を果して地下水が発進立坑に流入するという問題
が生じる。
【0006】このため、本件出願人は上記各問題を解決
し得る技術を開発して特許出願している。例えば、特許
第2529644 号公報に開示された技術は、掘進機及び推進
管を推進する都度、推進すべき部位の周囲に型枠を構成
し、この型枠に掘進機を配置して該掘進機の周囲に推進
管の継手に対応させた部材と弾性変形可能な部材を配置
した後、コンクリートを打設して上下の土留め壁を一体
化すると共に弾性変形可能な部材が掘進機及び推進管の
周囲から発進立坑に対する地下水の流出を防止し得るよ
うに構成している
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記発明であ
っても未だ完全なものではなく、1本の推進管を推進し
た後、この推進管に隣接させて新たな推進管を推進する
場合、新たな推進管を連接する側の型枠を撤去して継手
のみを露出させ、該継手に新たな推進管の継手を係合さ
せているが、係合させた継手の接合部位のシールが困難
であり、該接合部位を通って地下水が発進立坑に流入す
るという問題が生じている。
【0008】本発明の目的は、発進立坑に対する地下水
等の流入を防止することが出来るパイプルーフの構築方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るパイプルーフの構築方法は、長手方向の
全長にわたって継手部を形成した複数の推進管を前記継
手部を互いに係合させて平行に地中に敷設してパイプル
ーフを構築するための方法であって、発進立坑の土留め
壁に於ける推進管を推進すべき位置に推進管の径よりも
大きい径を持った穴を形成する鏡切り工程と、前記鏡切
りされた部位の周囲に左右両側面と底面からなる枠を固
着する枠付け工程と、前記鏡切りされた穴に対向させて
元押し装置を設置すると共に該元押し装置に装着した掘
進機の先端部分を前記穴に挿入する機械設置工程と、前
記掘進機の外周に弾性を有し且つ所定の厚さを持った多
孔質のシートをバンドによって巻き付け、且つ推進管の
外周に継手部が突出して形成されている場合には該継手
部の断面形状と略等しい形状を持った盲部材を掘進機の
外周であって前記シートとの間で且つ推進管の外周に突
出して形成された継手部と対応する位置に配置しておく
止水工程と、土留め壁に固着された枠の前面を閉鎖して
型枠を形成すると共に該型枠にモルタル又はコンクリー
トを打設する打設工程と、型枠にモルタル又はコンクリ
ートを打設した後、掘進機を推進すると共に該掘進機に
後続させた推進管を所定長推進する推進工程と、前記推
進工程が終了した後、既に推進された推進管に於ける継
手部側の型枠の一部とモルタル又はコンクリート及びシ
ートの一部を撤去して、既に推進された推進管の外周の
一部と継手部を露出させる管露出工程と、発進立坑の土
留め壁に於ける既に推進された推進管に隣接した新たな
推進管を推進すべき部位の周囲に既に推進された推進管
の周囲に形成され且つ一部が撤去された型枠と連続させ
て枠を固着すると共に土留め壁に推進管の径よりも大き
い径を持った穴を形成し、次いで、前記穴に対向させて
元押し装置を設置すると共に該元押し装置に装着した掘
進機の先端部分を前記穴に挿入し、その後、掘進機の外
周に前記シートをバンドによって巻き付けると共に該シ
ートを既に推進された推進管の周囲に配置されているシ
ートと接続し、且つ新たな推進管の外周に継手部が突出
して形成されている場合には該継手部の断面形状と略等
しい形状を持った盲部材を掘進機の外周であって前記シ
ートとの間で且つ推進管の外周に突出して形成された継
手部と対応する位置に配置し、次いで、既に推進された
推進管の周囲に形成された型枠と連続して土留め壁に固
着された枠の前面を閉鎖して型枠を形成すると共に該型
枠にモルタル又はコンクリートを打設し、その後、掘進
機を推進し且つ該掘進機に新たな推進管を後続させると
共に該推進管の継手部を既に推進された推進管の継手部
と係合させて所定長推進する新たな推進管の推進工程
と、を含み、以後、前記新たな推進管の推進工程を繰り
返すことを特徴とするものである。
【0010】上記パイプルーフの構築方法では、推進管
を推進するのに先立って土留め壁に両側面と底面を有す
る枠を固着することによって、推進部位の周囲の土留め
壁を枠によって接続し、この枠内に於ける土留め壁に穴
を形成する鏡切りを行って、該穴に元押し装置及び掘進
機を対向させ、掘進機の先端部分を前記穴に挿入した状
態で、掘進機の外周に弾性を有し且つ所定の厚さを持っ
た多孔質のシートをバンドによって巻き付ける。その
後、枠の前面であって掘進機の外周との間に形成された
開放部を閉鎖して上方が開放された型枠を構成する。そ
して型枠にモルタル又はコンクリート(以下「コンクリ
ート」という)を打設することによって、穴の上下を型
枠とコンクリートとによって一体化させることが出来
る。
【0011】型枠に打設されたコンクリートのセメント
ミルクが掘進機の外周に巻き付けたシートの孔に含浸し
て固化する。このとき、シートの外周側(コンクリート
側)は打設されたコンクリートと充分に高い強度を持っ
て一体化し、且つ内周側(掘進機の外周側)は弾性を維
持する。
【0012】従って、型枠に打設されたコンクリートが
固化した後、掘進機を推進すると、該掘進機の外周面に
シートが摩擦接触して両者の間を止水することが出来
る。また掘進機に推進管を後続させて推進する場合に
も、同様にして推進管の外周面にシートが摩擦接触して
両者の間を止水して地下水等の流出を防止することが出
来る。
【0013】上記の如くして発進立坑側から到着立坑側
に向けて推進管を推進する推進工程を経て両立坑の間に
推進管を敷設した後、露出工程では、前記推進管(既設
管)に隣接させて新たな推進管(新管)を推進する際の
該既設管に於ける新管を接続する側の型枠とコンクリー
トを撤去する。このとき、コンクリート及びシートは既
設管の継手まで撤去するのではなく、継手及び既設管の
一部を露出させるまで撤去する。
【0014】上記の如くして既設管の継手と外周面の一
部を露出させた後、再度、土留め壁に新管の推進部位に
対応させて枠を固着し、更に、鏡切りを行って形成され
た穴に対向させて元押し装置を設置すると共に該元押し
装置に掘進機を装着して先端部を穴に挿入し、この状態
で外周所定位置に盲部材を取り付けてシートを巻き付
け、このシートの端部を既設管の周囲に配置されている
シートと接続してバンドで固定することで、既設管の周
囲に配置されたシートと新管の周囲に配置されるシート
を一体化させる。
【0015】その後、新管の周囲に形成された枠の前面
に形成された開放部を閉鎖して一方の側面が既設管の周
囲に形成されたコンクリートが露出した型枠を構成し、
この型枠にコンクリートを打設する。新管の周囲に配置
された型枠に打設されたコンクリートのセメントミルク
がシートの孔に含浸し、コンクリートの固化に伴って該
コンクリートとシートを強固に一体化すると共に既設管
のシートと新管のシートを一体化させる。
【0016】上記の如くして既設管に隣接させて掘進機
を配置し、更に、該掘進機に新管を後続させると共に該
新管の継手を既設管の継手に係合させて推進すること
で、新管を地中に敷設することが出来る。
【0017】従って、推進管を敷設する都度、上記手順
を繰り返すことで、パイプルーフを構築することが出来
る。特に、既設管に新管を隣接させる際に、既設管の周
囲に配置されたコンクリートを撤去して継手と既設管の
一部を露出させてシートを接続するため、継手の周囲に
あるシートが継手に密着して高いシール性能を維持し、
地下水の発進立坑側への流出を防止することが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下上記パイプルーフの構築方法
の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1
は推進管を推進する状態を説明する模式図、図2は推進
管を推進する際の手順を説明する図、図3は既に推進さ
れた推進管に新たな推進管を隣接させて推進する際の型
枠の接続手順を説明する図、図4は既に推進された推進
管と新たな推進管に適用するシートとの関係を説明する
図、図5は既に推進された推進管の継手に新たな推進管
の継手を係合させて推進した状態を説明する図である。
【0019】本発明に係るパイプルーフの構築方法は、
地中にパイプルーフを構築するに際し、掘進機を推進す
るのに先立って該掘進機の周囲にコンクリートを打設す
ることによって土留め壁を上下に一体化させて強度を保
持させ、且つ既設管に隣接させて新管を推進した場合で
あっても、これらの管の継手部分から地下水が発進立坑
側に流出することを防止し得るように構成したものであ
る。
【0020】本発明に係るパイプルーフの構築方法を説
明するのに先立って、図1により推進管Aを推進して地
中に敷設する推進工法を簡単に説明する。推進工法は、
掘進機Bに後続させた推進管Aを発進立坑Cに設置した
元押し装置Dによって推進することで、発進立坑Cから
図示しない到着立坑に向けて推進するものである。
【0021】発進立坑Cは予め設定された深さに設置さ
れており、周囲は鋼矢板を打ち込んで構成した土留め壁
1が構成されている。また土留め壁1の所定位置には坑
口Eが形成されている。この坑口Eは、掘進機B,推進
管Aによって分断された土留め壁1を一体化させると共
に、発進立坑Cに対する地下水の流入を防止するもので
あり、後述するように構成されている。
【0022】掘進機Bは地山を掘削するものであり、先
端にカッターヘッド2を設けたシールド本体3と、シー
ルド本体3に屈折可能に接続されたテールシールド4と
を有して構成されている。また元押し装置Dは掘進機B
及び該掘進機Bに後続させた推進管Aに推力を付与して
これらを地中に推進するものであり、掘進機B,推進管
Aを搭載して移動方向を案内する架台5と、該掘進機
B,推進管Aの後端に当接して架台5を移動することで
推力を伝達する押し輪6と、押し輪6を駆動するジャッ
キ7とを有して構成されている。
【0023】上記構成に於いて、掘進機Bを元押し装置
Dの架台5に搭載し、ジャッキ7を駆動して押し輪6を
前進させて掘進機Bに推力を付与しつつ、該掘進機Bの
カッターヘッド2を駆動して地山を掘削することで、掘
進機Bを地山に推進することが可能である。そして掘進
機Bの推進が終了した後、押し輪6を引き戻し、架台5
に推進管Aを搭載して再度押し輪6を前進させること
で、掘進機Bに推進管Aを後続させて地山に推進するこ
とが可能である。
【0024】従って、推進管Aを推進する毎に上記手順
を繰り返すことで、推進管Aを到着立坑に向けて推進し
て地中に敷設することが可能である。
【0025】パイプルーフを構築する場合、目的のパイ
プルーフに応じて複数の推進管Aを推進することが必要
である。特に、推進された推進管Aの位置精度は充分に
高いことが好ましい。このため、図5に示すように、予
め設定された位置に基準となる推進管Aaを充分に高い
位置精度を保持して推進し、この推進管Aaの両側に順
次新たな推進管Abを隣接させて推進することで、推進
管Aaに対する推進管Ab、及び推進管Abどうしの精
度を保持している。そして構築されたパイプルーフの内
側を掘削して土砂を排除し、その後、目的に応じて選択
的にコンクリートを打設することで周壁を構成すること
で、トンネルを構築することが可能である。
【0026】次に、本実施例で用いる推進管Aa,Ab
の構成について図5により説明する。一般的に用いる推
進管Abは、図に示すように、素管11の内部に全長にわ
たってフランジ12a,ウエブ12bを有する溝形鋼からな
る管部分構成部材12が配置され、フランジ12aが素管1
に当接された状態で溶接されている。また素管11の管部
分構成部材12のフランジ12a間に対応する部位には全長
にわたって所定の幅(後述する雄継手14を構成するT形
鋼のウエブ14bの厚さよりも充分に広い幅寸法)を持っ
た溝11aが形成されている。そして管部分構成部材12及
び溝11aによって雌継手13を構成している。
【0027】素管11の外周であって雌継手12の形成位置
を基準とし且つ目的のパイプルーフに於ける配置位置に
応じた位置には、雄継手14が形成されている。雄継手14
は、雌継手13を構成する管部分構成部材12のフランジ12
aの間の寸法よりも小さい寸法を持ったフランジ14a
と、素管11の溝11aに嵌合するウエブ14bとからなるT
形に形成されている。従って、素管11の全長にわたって
形成される溝11aの幅寸法は雄継手14のウエブ14bを容
易に嵌合し得る値を有している。
【0028】またパイプルーフの基準となる位置に推進
される推進管Aaは素管11の内部であって所定位置に2
つの雌継手13が形成されている。従って、推進管Aaを
推進する場合、該管Aaの外周に突起物が形成されてい
ないため地山の抵抗を受けることがなく、推進時に曲が
りやローリングが発生することが少なく、精度の高い推
進を行うことが可能である。
【0029】次に、上記推進管Aa,Abを推進してパ
イプルーフを構成する手順について図により説明する。
先ず、パイプルーフに於ける予め設定された位置に基準
となる推進管Aaを推進する。そして基準位置に推進さ
れた推進管Aaの両側に該推進管Aaの雌継手13に雄継
手14を嵌合させて推進管Abが推進される。
【0030】図2(a),(b)は鏡切り工程を示して
いる。この工程では、発進立坑Cの土留め壁1及び地山
に穴21が形成される。この穴21はパイプルーフを構築す
る際の基準となる位置に対応して、掘進機B(推進管A
a)の径よりも大きい径を持って形成される。
【0031】鏡切り工程が終了すると、同図(c)に示
す枠付け工程では、穴21の周囲に左右両側面22a(図3
参照)及び底面22bからなる枠22を固着する。この枠22
は坑口Eを構成するものであり、コンクリートを打設す
る際の型枠としての機能を発揮するものである。枠22の
土留め壁1に対する固着方式は、土留め壁1の構造に応
じて設定される。即ち、土留め壁1が鋼矢板によって構
成されている場合、枠22は鋼矢板に溶接される。また土
留め壁1がコンクリートによって構成されている場合、
枠22ははつり出した鉄筋や形鋼からなる心材に溶接され
る。
【0032】尚、鏡切り工程と枠付け工程は必ずしも本
実施例の順序で実施する必要はなく、先に枠付け工程を
実施しても良い。
【0033】土留め壁1に枠22を固着した後、機械設置
工程が実施される。先ず、元押し装置Dを穴21に対向さ
せると共にマシンセンターを推進管Aaの芯23に一致さ
せて発進立坑Cに設置する。そして元押し装置Dの架台
5に掘進機Bを搭載することで、同図(d)に示すよう
に、掘進機Bのマシンセンターは芯23に一致する。この
とき、掘進機Bの先端側は、カッターヘッド2に対する
コンクリートの浸透を防止するための袋24によって覆わ
れている。次いで、同図(e)に示すように、掘進機B
を穴21内に押し込んで該掘進機Bの外周部を枠22に対応
させる。
【0034】次に、止水工程では、同図(f)に示すよ
うに、掘進機Bの外周に予め設定された厚さを有する弾
性体で且つ多孔質のシート25を巻き付け、このシート25
をバンド26及びターンバックル26aによって締め付け固
定する。シート25は、掘進機B,推進管Aを推進する際
に枠22に止まって掘進機B,推進管Aの外周面に対し弾
性的に摩擦接触することで、地山から発進立坑に対する
地下水の流入を防止する機能を有するものである。
【0035】シート25は、後述するように型枠 にコン
クリートを打設したとき、該コンクリートのセメントミ
ルクが多数の孔に含浸して厚さの約半分程度の部分が硬
化してコンクリートと一体化し、残りの半分程度は弾性
を保持していることが好ましい。このため、シート25に
形成された孔は厚さ方向に連続した所謂連孔ではなく、
適度に分断された所謂単孔であることが好ましい。また
厚さは、掘進機B,推進管Aの径に応じて異なるものの
約50mm程度であることが好ましい。このようなシート25
としては合成樹脂の発泡体、例えばスポンジがある。
【0036】上記の如くして掘進機Bの周囲にシート25
を巻き付けてバンド26で固定した後、同図(g),
(h)に示すように、枠22の前面であって掘進機Bの外
周との間に形成された開放部にパッキン27を装着すると
共に該パッキン27を締付金具28で締め付けることで、前
面を閉鎖する。これにより、枠22と土留め壁1とパッキ
ン27からなり、上面が開放された型枠29が形成される。
【0037】次に、同図(i)に示す打設工程に於いて
型枠29にコンクリート30が打設され、これにより孔口E
が形成される。尚、型枠29に打設されたコンクリート30
は穴21を通って地山にも注入されるが、掘進機Bの先端
側は袋24によって覆われているため、掘進機Bに悪影響
を与えることはない。
【0038】上記の如くして型枠29にコンクリート30を
打設し所定の養生期間が経過した後、推進工程が実施さ
れる。この工程は、前述したように、掘進機Bのカッタ
ーヘッド2を駆動して地山を掘削しつつ元押し装置Dの
ジャッキ7を駆動し、該ジャッキ7の推力を押し輪6を
介して掘進機Bに付与することで行われる。
【0039】掘進機Bを推進する際にシート25は外周面
側がコンクリート30と一体化し内周面側が弾性を保持し
ているため、掘進機Bの外周面に対し弾性的に圧接して
シール機能を発揮する。このため、地山の地下水が掘進
機Bとシート25の間を通って発進立坑C側に流入するこ
とがない。
【0040】掘進機Bの推進が終了すると、元押し装置
Dのジャッキ7を駆動して押し輪6を引き戻し、架台5
に推進管Aaを搭載する。その後、再度ジャッキ7を前
進駆動して推進管Aaを掘進機Bの後端に接続して両者
を推進する。この操作を繰り返すことで推進管Aaを到
着立坑まで推進し、両立坑に夫々推進管Aaの端部を突
出させた状態で推進を終了する。図3(a)は、発進立
坑C側に於ける推進管Aaの推進が完了した状態を示し
ている。尚、推進管Aaを推進するに際し、雌継手14に
は適度な弾性を有する合成樹脂の発泡体、例えば発泡ポ
リエチレン等を挿入しておくことが好ましい。
【0041】次に、上記の如くして推進されたパイプル
ーフの基準となる推進管Aaを既設管Aaとし、該既設
管Aaに隣接させて新たな推進管(新管)Abを推進す
る際の手順について説明する。図3(a)に示すよう
に、既設管Aaが推進されたとき、該既設管Aaの後端
は発進立坑Cの内部に突出した状態となる。
【0042】上記既設管Aaの一方側の雌継手13に新管
Abの雄継手14を係合させて推進する場合、同図(b)
に示すように、新管Abを接続する側の枠22を切断する
と共にコンクリート30を撤去して既設管Aaの雌継手13
と該既設管Aaの外周面の一部及びシート25の一部を露
出させる。
【0043】このとき、単に雌継手13を構成する素菅11
の溝11aのみを露出させるのではなく、既設管Aaの外
周をシート25と共に充分に広い範囲で露出させることが
必要である。この場合、既設管Aaの外周面に配置され
たシート25を全て撤去する必要はなく、雌継手13の周辺
部位以外のシート25を残しておくことが好ましい。
【0044】上記の如くして既設管Aaの外周を露出さ
せた後、同図(c)に示すように、土留め壁1の既設管
Aaに隣接した位置に穴21を形成し、該穴21の周囲に一
方の側面が既設管Aaの外周及びコンクリート30を利用
した枠22を形成する。枠22を形成するに際し、底板22b
は既設管Aaの周囲に形成されている枠22の底板22bと
溶接して一体化する。
【0045】上記の如くして枠22を形成した後、前述の
推進管Aaを推進した手順と同様にして穴21に対向させ
て元押し装置Dを設置し、該元押し装置Dに掘進機Bを
搭載して先端部を袋24で覆ったて穴21に押し込む。この
とき、掘進機Bの既設管Aaに対する位置及び平行度は
新管Abを推進する際の精度を保証する重要な因子とな
るため、厳密に設定することが必要である。
【0046】既設管Aaに対する掘進機Bの位置が設定
された後、図4,図5(これらの図は既設管Aaの雌継
手13に新管Abの雄継手14を係合させた状態を示してい
るが新管Abの代わりに掘進機Bを想定すれば同一であ
る。)に示すように、掘進機Bの外周にシート25を巻き
付けてバンド31とターンバックル31aによって固定す
る。バンド31は掘進機Bの外周の1/2の長さよりも短
い長さを有しており、一方の端部にターンバックル31a
に螺合し得るネジが形成され、他方の端部には既設管A
aの雌継手13を構成する素菅11の溝11aに嵌合して該素
菅11に係止されるフック31bが設けられている。
【0047】従って、既設管Aaの外周に配置されたシ
ート25を該管Aaの雌継手13の近傍で切断しておき、一
対のバンド31を夫々のフック31bを既設管Aaの溝11a
に係止させて新管Abの外周に配置されたシート25の外
周に巻き付けると共にターンバックル31aで締め付ける
ことで、新たなシート25を既設管Aaのシート25と接続
することが可能である。
【0048】その後、枠22の前面にパッキン27を取り付
けた後、コンクリート30を打設することで坑口Eを構成
し、コンクリート30の養生が終了した後、掘進機Bを推
進し、引き続き新管Abを推進する。
【0049】上記の如くして既設管Aaの雌継手13に新
管Abの雄継手14を係合させて推進するに際し、既設管
Aaの雌継手13の溝11aは新管Abの外周に巻き付けた
シート25によって覆われており、且つ雌継手13は予め発
泡体で閉塞されているため、地下水が雌継手13を伝わっ
て発進立坑Cに流入することがない。
【0050】上記実施例では、推進管Aa,Ab共に推
進時に継手が突出しないように構成されている。しか
し、パイプルーフを構成するための推進管はすべて継手
が突出しないものではなく、素菅の外周にC形鋼や山形
鋼を溶接して雌継手を構成したものもある。このような
推進管を用いる場合には、掘進機Bの外周に突出する継
手の断面形状と等しい形状を持った発泡体を取り付けて
おき、この発泡体の外側からシート25を巻き付けること
で、推進管の推進時にシートが継手を安全に回避するこ
とが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
パイプルーフの構築方法では、既設管に新管を隣接させ
て推進する際に、既設管の継手側に存在する型枠,コン
クリートを撤去して継手を含む推進管の外周の一部及び
シートを露出させ、この露出部に新管の周囲に巻き付け
たシートを係合させて止水した後、型枠にコンクリート
を打設して掘進機,推進管を推進するようにしたので、
土留め壁に固着された型枠及び該型枠に打設されたコン
クリートによって、掘進機及び推進管によって分断され
た土留め壁を一体化することが出来る。
【0052】このため、掘進機,推進管とコンクリート
の間に配置されるシートが既に推進された既設管のシー
トと接続した状態を保持することが出来るため、地下水
が掘進機,コンクリートの間から発進立坑側に流入する
ことがない。また目的のパイプルーフを地中に設置する
ような場合であって、発進立坑が地下に構成される場合
であっても、土留め壁が安定した強度を発揮することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】推進管を推進する状態を説明する模式図であ
る。
【図2】推進管を推進する際の手順を説明する図であ
る。
【図3】既に推進された推進管に新たな推進管を隣接さ
せて推進する際の型枠の接続手順を説明する図である。
【図4】既に推進された推進管と新たな推進管に適用す
るシートとの関係を説明する図である。
【図5】既に推進された推進管の継手に新たな推進管の
継手を係合させて推進した状態を説明する図である。
【符号の説明】
A,Aa,Ab 推進管 B 掘進機 C 発進立坑 D 元押し装置 E 坑口 1 土留め壁 2 カッターヘッド 3 シールド本体 4 テールシールド 5 架台 6 押し輪 7 ジャッキ 11 素管 12 管部分構成部材 13 雌継手 14 雄継手 21 穴 22 枠 23 芯 24 袋 25 シート 26,31 バンド 26a,31a ターンバックル 27 パッキン 28 締付金具 29 型枠 30 コンクリート 31c フック

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向の全長にわたって継手部を形成
    した複数の推進管を前記継手部を互いに係合させて平行
    に地中に敷設してパイプルーフを構築するための方法で
    あって、 発進立坑の土留め壁に於ける推進管を推進すべき位置に
    推進管の径よりも大きい径を持った穴を形成する鏡切り
    工程と、 前記鏡切りされた部位の周囲に左右両側面と底面からな
    る枠を固着する枠付け工程と、 前記鏡切りされた穴に対向させて元押し装置を設置する
    と共に該元押し装置に装着した掘進機の先端部分を前記
    穴に挿入する機械設置工程と、 前記掘進機の外周に弾性を有し且つ所定の厚さを持った
    多孔質のシートをバンドによって巻き付け、且つ推進管
    の外周に継手部が突出して形成されている場合には該継
    手部の断面形状と略等しい形状を持った盲部材を掘進機
    の外周であって前記シートとの間で且つ推進管の外周に
    突出して形成された継手部と対応する位置に配置してお
    く止水工程と、 土留め壁に固着された枠の前面を閉鎖して型枠を形成す
    ると共に該型枠にモルタル又はコンクリートを打設する
    打設工程と、 型枠にモルタル又はコンクリートを打設した後、掘進機
    を推進すると共に該掘進機に後続させた推進管を所定長
    推進する推進工程と、 前記推進工程が終了した後、既に推進された推進管に於
    ける継手部側の型枠の一部とモルタル又はコンクリート
    及びシートの一部を撤去して、既に推進された推進管の
    外周の一部と継手部を露出させる管露出工程と、 発進立坑の土留め壁に於ける既に推進された推進管に隣
    接した新たな推進管を推進すべき部位の周囲に既に推進
    された推進管の周囲に形成され且つ一部が撤去された型
    枠と連続させて枠を固着すると共に土留め壁に推進管の
    径よりも大きい径を持った穴を形成し、次いで、前記穴
    に対向させて元押し装置を設置すると共に該元押し装置
    に装着した掘進機の先端部分を前記穴に挿入し、その
    後、掘進機の外周に前記シートをバンドによって巻き付
    けると共に該シートを既に推進された推進管の周囲に配
    置されているシートと接続し、且つ新たな推進管の外周
    に継手部が突出して形成されている場合には該継手部の
    断面形状と略等しい形状を持った盲部材を掘進機の外周
    であって前記シートとの間で且つ推進管の外周に突出し
    て形成された継手部と対応する位置に配置し、次いで、
    既に推進された推進管の周囲に形成された型枠と連続し
    て土留め壁に固着された枠の前面を閉鎖して型枠を形成
    すると共に該型枠にモルタル又はコンクリートを打設
    し、その後、掘進機を推進し且つ該掘進機に新たな推進
    管を後続させると共に該推進管の継手部を既に推進され
    た推進管の継手部と係合させて所定長推進する新たな推
    進管の推進工程と、を含み、 以後、前記新たな推進管の推進工程を繰り返すことを特
    徴とするパイプルーフの構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011226116A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Taisei Corp パイプルーフとその施工方法

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