JPH10195809A - 道路橋用伸縮装置 - Google Patents

道路橋用伸縮装置

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JPH10195809A
JPH10195809A JP35780496A JP35780496A JPH10195809A JP H10195809 A JPH10195809 A JP H10195809A JP 35780496 A JP35780496 A JP 35780496A JP 35780496 A JP35780496 A JP 35780496A JP H10195809 A JPH10195809 A JP H10195809A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋梁、高架などの道路橋の伸縮装置を提供す
る。 【解決手段】 伸縮可能なゴム製弾性部材とこれを補強
する硬質補強材との組み合わせから成り、床版遊間を挟
んで床版遊間の両端部の床版面に垂直状に立てた板状鋼
材で伸縮可能なゴム製弾性部材を挟み込んだゴムジョイ
ント形式の伸縮装置において、該弾性部材1の伸縮方向
両端部の中に弾性部材をその長さ方向の全幅で支持して
伸縮を制御するための帯状補強材2を挿入し、該帯状補
強材2と弾性部材1の両側に位置する板状鋼材3とを適
当な間隔でボルト締めしてなり、当該帯状補強材2を弾
性部材1の中に完全に埋め込んで接着固定してあり、か
つ、弾性部材1の長手方向に対して垂直な断面の形状に
おいて、伸縮する部分に鋭角な溝ならびに空洞形状を形
成しないようにしたことを特徴とする道路橋用伸縮装
置。 【効果】 過酷な交通環境にも耐え得る伸縮装置が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁、高架などの
道路橋の伸縮装置で、特に床版遊間で車輪荷重を支持で
きる荷重支持形式の伸縮装置において、伸縮可能なゴム
材などの弾性部材とこれを補強する鋼材等の補強部材と
の組み合わせから成る形式の伸縮装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】道路橋の伸縮装置は、橋の温度変化、コ
ンクリートの乾燥収縮、及びクリープ・荷重などによる
ケタ端の変位に対して、車両が橋面を支障無く走行でき
るようにするための継ぎ目構造である。道路橋の伸縮装
置は、通行車両の安全かつ快適な走行を確保するために
重要な役割を果たすが、直接、輪荷重の繰り返しを受け
る部分であるため、橋梁の中でも最も損傷が激しい部分
で、近年の大型車交通量の増大とともにその補修頻度も
増加の一途をたどっている。伸縮装置部の損傷は、漏水
による支承強度などへの影響のみならず、騒音、振動の
発生を招くことからも大きな問題となっている。さら
に、近年、主要道路の適応交通荷重が20tから25t
へ引き上げられた。このような使用状況の変化に対し
て、従来から用いられている伸縮装置でそのまま持ちこ
たえられるのかという不安も増しつつある。
【0003】一般的な伸縮装置には、成型した比較的簡
易な構造のゴム製伸縮体とエポキシ樹脂モルタルを組み
合わせて橋面に舗設したカットオフジョイントと呼ばれ
る形式のもの、各種形状のゴム材と鋼材とを組み合わせ
て、車輪荷重を床版遊間で支持できるようにした構造の
ゴムジョイントと呼ばれる形式のもの、及び鋼材組立構
造で、例えば床版遊間上をクシ型で噛み合うような構造
の鋼板材からなる形式(フィンガージョイント)などの
ような、構造全体が直接輪荷重に耐える鋼製ジョイント
形式のものなど、各種の形式がある。
【0004】この中でカットオフジョイントやゴムジョ
イントなどのゴム系の伸縮装置は伸縮装置全体量の約6
割を占めるといわれているが、このゴム系の伸縮装置の
補修頻度は鋼製ジョイントと比較して約8倍の補修頻度
があるという調査結果もある。中でも、カットオフジョ
イント等の突き合わせ形式の伸縮装置は、ゴム部材部分
を装置に固定している方式が簡易であるので、繰り返し
交通や除雪の際にゴム部分が離脱したり、前後の樹脂モ
ルタルにひび割れが生じてゆき、ゴム部分とともに欠損
したりするという欠点があるものが多い。次に、床版遊
間で荷重を支持する形式のゴムジョイント形式のもの
は、カットオフジョイント程に損傷の頻度は多くない
が、それでも品種により様々な形態の損傷を呈してい
る。例えば、伸縮可能なゴム部の定着部の下面に鋼製材
料が設置されており、ボルトなどによってゴム部を鋼製
部に定着させている構成のものでは、繰り返し交通によ
ってボルトがゆるみゴム部が破損したり、上部交通に接
するゴム部の面積が広いので、経年によるゴムの劣化と
繰り返し交通によってゴムに亀裂が生じたり、あるいは
除雪時に損傷したりしている。
【0005】ゴムジョイント形式には床版遊間の両側
に、床版間に対して垂直に設置した2枚の板状鋼材を設
け、その板状鋼材でゴム製の伸縮部を挟み込んで板状鋼
材に連結した構造のゴムジョイントもある。この形式の
伸縮装置は上部交通に直接当接するゴム部材の面積も少
なく、ゴム部分だけを後から取り替える事はできない
が、ゴム部分を固定するボルト類が道路表面に出ないの
で、それだけ損傷を受ける部材が少なく、損傷しにくい
という長所がある。しかしながら、この種のゴムジョイ
ントにも改良すべき点がある。
【0006】このゴムジョイントはゴム製の伸縮部の両
側面に帯状の鉄材を加硫接着し、この帯状の鉄材と床版
面に対して垂直に設置した板状鋼材とをボルトで側面か
ら連結している。床版遊間の両側に設置した板状鋼材
は、これに溶接した鉄筋部材により床版面に埋め込んだ
アンカー筋と溶接して接合され、この上にコンクリート
が打設されるので、板状鋼材は床版の伸縮と共に動き、
これにボルト止めされた帯状の鉄材も連動して動くの
で、ゴム部を引っ張る時にこれを支持するのは「帯状の
鉄材とゴム部との加硫接着面の接着力」が主体となって
いる。そのため、長年の間、繰り返し上部交通を受ける
と、この加硫接着面の鉄とゴムとの剥れが生じて行き、
この剥がれた部分からゴムの割れや飛び出しを生じる様
になる。また、ゴム部の帯状の鉄材と板状鋼材とは直接
接しているため、この両者の間に水が入り込んでこの部
分から漏水しやすい。
【0007】さらに、この種のゴムジョイントは、一定
の長さ、例えば75cm長さのものを継ぎ合わせて長い
ジョイントにしているが、この継ぎ合わせ部分にも帯状
の鉄材の断面が露出しているため、継ぎ合わせる時に
は、鉄と鉄が接し、隙間が僅かならずとも生じるので漏
水を生じる部分となり、この部分にはジョイント設置工
事の際にシール材のコーキングをしなければならないな
どの不便さも生じていた。この種の伸縮装置は、他のカ
ットオフジョイントやゴムジョイントなどより損傷も少
ない部類に入るがそれでもまだ満足ではなく、さらに近
年の交通量の増大や、橋梁を通過する交通の設計荷重の
引き上げにより、さらに伸縮装置の受ける繰り返し応力
は増大するので、より強く、耐久力のある伸縮装置が望
まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来に於い
ても比較的優秀な評価を得ていた上記ゴムジョイントを
さらに過酷な交通環境にも耐えるように改良した伸縮装
置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の道路橋用伸縮装
置は、伸縮可能なゴム製弾性部材とこれを補強する硬質
補強材との組み合わせから成り、床版遊間を挟んで床版
遊間の両端部の床版面に垂直状に立てた板状鋼材で伸縮
可能なゴム製弾性部材を挟み込んだゴムジョイント形式
の伸縮装置において、該弾性部材の伸縮方向両端部の中
に弾性部材をその長さ方向の全幅で支持して伸縮を制御
するための帯状補強材を挿入し、該帯状補強材と弾性部
材の両側に位置する板状鋼材とを適当な間隔でボルト締
めしてなり、当該帯状補強材を弾性部材の中に完全に埋
め込んで接着固定してあり、かつ、弾性部材の長手方向
に対して垂直な断面の形状において、伸縮する部分に鋭
角な溝形状あるいは空洞の形状を形成しないようにした
弾性ジョイントを有することを特徴とする。
【0010】この形式のゴムジョイントは、前述の通り
上部交通に直接接する面積が他の形式のジョイントより
比較的少ない特徴を持っているので損傷を受けにくい構
造となっている。図6に従来のこの形式のゴムジョイン
トの主要例の断面構造を示す。従来のこの形式のゴムジ
ョイントは伸縮可能なゴム部材61の両端部に帯状鋼材
62が接着されており、この帯状鋼材62と床版遊間を
挟んで床版遊間の両端部に床版面に垂直に立てた板状鋼
材63とを一定の間隔でボルト64で接合していた。こ
の場合、帯状鋼材62はゴム部材61の両側面の表面に
出ており、かつ、一本のゴム部材61の長手方向の両側
面にもこの帯状鋼材62の断面が露出している。
【0011】この種のゴムジョイントは道路橋の床版遊
間に跨いで設置されるが、その設置方向は橋梁の橋軸方
向に垂直な場合だけでは無く、斜めに設置される場合も
多い。つまり、この場合の伸縮装置は、装置の長手方向
に垂直な面の方向に繰り返し伸縮されるような比較的に
楽な繰り返し伸縮の条件の場合と、装置の長手方向に対
して斜めの面で繰り返し伸縮を受ける、より過酷な条件
の場合があり、これらの伸縮に耐えながらジョイント上
を通過する重交通の繰り返し応力に耐えなければならな
い。これまでのこの種のゴムジョイントは、重交通で長
年使用された結果、図6で言えば、板状鋼材63に近い
表面部分のゴム部材61の肩部65が帯状鋼材62と剥
離したのが発端となり、ゴム伸縮部が破損したケース、
あるいは図中のゴム部材61の伸縮溝の底の部分66か
ら亀裂を生じてゴム伸縮部が裂断したケースがあった。
【0012】この種のゴムジョイントは床版遊間を跨い
で固着された板状鋼材63に、ボルト64で止められた
帯状鋼材62がゴム部材61を引っ張るようになってい
るが、これを支持するのは「帯状の鋼材とゴム部材との
加硫接着面の接着力」が主体となっており、この接着は
長年、上部からの交通荷重を受けて、特に図中の肩部6
5の箇所のゴムと鉄材との接着の剥離につながると考え
られる。次に、ゴムジョイントが伸縮するときに最も応
力を受けるのが伸縮溝の底の部分66であり、装置が橋
軸に対して斜めに設置された場合などは、この部分は極
度の疲労を受ける。
【0013】このような状況から、本発明者らは実験室
的に繰り返し伸縮並びに斜め方向への繰り返し伸縮を行
える試験機械を使って試験を実施し、本発明の伸縮装置
に至った。すなわち、従来のこの種のゴムジョイントの
伸縮可能なゴム部材の両側面に位置していた帯状鋼材を
ゴム部材の中に完全に埋め込むことによって、帯状鋼材
からゴム部が剥離するのを大幅に改善できることが判っ
た。なおかつ、この帯状鋼材はゴム部材に埋め込む前
に、研磨し、脱脂し、かつ、2層塗りの接着剤を塗布し
た上で、プレス加硫の金型に設置し、ここでプレス加硫
することで強固な接着が行われるので、この部分の耐久
性が高いことが判った。従来のこの種のゴムジョイント
はゴムと鉄材の境界面が伸縮部側面に露出しており、こ
こが上部交通の当たる直下に有るため、耐久性が劣って
いた。本発明の弾性部材の伸縮部には弾性部材と補強材
との境界面、例えばゴムと鉄材との境界面は露出してお
らず、ゴムが鉄材から剥離を開始するゴム部材の端部
(肩部)が無い構造であるので、高い耐久性が得られる
ことが判った。
【0014】次に従来のゴムジョイントは、図6に示す
ごとく帯状鋼材62が露出していたため、板状鋼材63
との間はどうしても雨水が侵入して漏水する箇所となり
やすかった。また、1本の伸縮部成型体(ゴム部材6
1)の両端面にも帯状鋼材62が露出し、何本かの伸縮
部成型体をつなぐ時にも、帯状鋼材62同士が相接する
面は止水ができず漏水する部分になっていたが、本発明
では帯状鋼材をゴムなどの弾性部材の中に埋め込んだ状
態とするため、板状鋼材との間は弾性部材が全面介在し
ており、強く密着しているので漏水部分にならず、1本
の伸縮部成型体の両端面も鉄材の露出が無く、つなぐ時
には弾性部材同士が圧着された形とすることによってこ
こでも止水が完全である。
【0015】さらに、従来のゴムジョイントはその伸縮
部の断面の形状において、鋭角な部分を少なからず持っ
ていた。すなわち、伸縮部の溝の底部66、伸縮部内部
の中空部67の形状である。これらの鋭角部分に対し
て、本発明者らは、これをなだらかに丸みを持たせたも
のが、より繰り返し耐久性に優れるという結果を得た。
【0016】本発明において、ゴム製弾性部材の素材と
しては主にクロロプレンゴムが使用され、帯状の補強材
には鋼材が使用されることから、上記ではゴム部材と鋼
材の例で説明したが、補強材としては鋼材の他ステンレ
ススチール、アルミ、FRP、CFRPであってもよ
い。弾性部材は、この種の従来部材と同様に伸縮を可能
にするため中空状としてよく、表面に収縮分を吸収する
ための溝を設けてよい。
【0017】本発明においてゴム製弾性部材内に埋め込
む帯状補強材、通常帯状鋼材は、弾性部材の長手方向に
対して垂直な断面形状における縦の長さに対する割合が
70〜80%で、かつ、弾性部材の最初の溝と板状鋼材
との間隔に占める帯状鋼材の厚みが40〜50%で、最
初の溝と帯状鋼材側面との間隔が35%以上であること
が望ましい。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】実施例1 伸縮可能なゴム製弾性部材(ゴム伸縮部1)はその材料
として、表1に示す物性を有するクロロプレンゴムを用
い、未加硫の原料を図1に示す伸縮部1の断面形状を製
作できる金型に投入する。この金型の断面形状は、図1
に示すように成形される伸縮部の各部分に鋭角な部分が
無い構造とする。
【0020】
【表1】
【0021】予め帯状鋼板2は研磨の上、脱脂処理して
おき、これに2層塗布型接着剤を塗布する。この接着剤
は金属とゴムとの接着力を向上させるために、まず金属
と強接着する1層目の接着剤を塗布し、次に今度は1層
目の接着剤に相性が良く、かつ、ゴムとの接着力に優れ
る2層目の接着剤を塗布して金属とゴムとを強力に接着
させる方式のものである。帯状鋼板2はゴム伸縮部1の
中に完全に埋め込まれる位置で金型に固定しておき、こ
れに予め断面形状に合わせて予備成型しておいたゴム原
料を挿入して、これらをプレス加硫成型機によって成型
した。次にこの伸縮部を挟み込む両側の板状鋼板3を、
これに予め一定間隔であけておいたボルト穴より皿ボル
ト4で帯状鋼材2と連結する。なお、ゴム伸縮部1の下
面にはこの伸縮部を支える支持鋼材5を予め板状鋼材3
に溶接しておく。最後に、装置を床版面の鉄筋を利用し
てこれに溶接して固定するための翼鉄筋8を板状鋼材3
に溶接した。なお、支持鋼材5は従来知られている櫛刃
状等に設けてよい。51は支持鋼材5の支持板を示す。
【0022】このようにして製作した伸縮装置を、実験
室的に性能評価するために、この装置を50cm長さに
切断し、これを水平方向に希望する長さだけ繰り返し伸
縮出来るようにした、油圧ジャッキと自動で油圧制御す
る回路を設けた伸縮繰り返し装置を使って、本発明の道
路橋用伸縮装置を試験した。なお、比較例として、本発
明の伸縮装置(ジョイント)に於いて溝形状、空洞7形
状を鋭角にしたもの(比較例1)、ならびに最初の溝6
と板状鋼材3との間隔Wに占める最初の溝6と帯状鋼材
2側面との間隔wを30%としたもの(比較例2)を同
様に試験した。ここでは適応伸縮量25mmの装置に対
する試験としている。
【0023】
【表2】 以上のように、同じ条件で行った繰り返し伸縮試験で性
能の相違が歴然とし、改良の効果が判明した。
【0024】なお、本発明の伸縮装置は、帯状鋼材2と
板状鋼材3との間はゴムが全面介在しており、強く密着
しているので従来問題となった様な漏水を生じにくい。
さらに1本の伸縮部成型体の両端面も鉄材の露出が無
く、これらをつなぐ時にはゴム同士が圧着されるのでこ
こでも止水性が高く、連結後に表面をシールするなどの
面倒な作業が不要となった。
【0025】実施例2 図2は本発明の他の実施例で、ゴム部材(ゴム伸縮部)
1を挟んで床版遊間上に位置する両側の板状鋼材3の非
遊間面側に適数個の翼鉄筋8を設け、それぞれの翼鉄筋
8と翼鉄筋8の間に適当な長さと幅の翼間補強板9を設
けたことを特徴とする道路橋用伸縮装置を示す。翼間補
強板9は図2に示すごとく、板状鋼材3の上面から板状
鋼材3の下方で翼鉄筋8に接するように設けられた横鉄
筋10に達する長さとするとよい。この翼間補強板9を
設けることにより、伸縮装置全体が伸縮することによる
板状鋼材3の曲げ抵抗を高めることができる。更に、地
震などにより不測の応力が生じ、翼鉄筋8と本体とを繋
いでいる溶接が破損した場合が生じても、この翼間補強
板9が伸縮装置の両側に埋められた横鉄筋10に溶接し
てあるので、両側のコンクリートと伸縮装置本体とが離
脱することを完全に防止することができる。
【0026】実施例3 上記実施例2において設けられる翼間補強板9は平板で
なく、断面I型の翼間補強板9′としてもよく、この形
状の翼間補強板9′には例えば、市販のI型バー鋼を切
断したものを溶接して設置しても良い。図3はその一例
で、I型バー鋼は断面形状がダンベル状の形状になって
おり、端部のふくらみが後打ちコンクリート中でアンカ
ー的役割をして固定されるので、翼鉄筋8と本体が万が
一はずれた場合にもコンクリートと本体との離脱を防ぐ
ことができる。
【0027】実施例4 図4は、本発明のもうひとつの実施例で、2枚の板状鋼
材3で挟まれたゴム製弾性部材(ゴム伸縮部1)の下の
支持鋼材5から下の空間内に、予め、ゴム製又は樹脂製
の発泡体11を適度に圧縮して設置してある例を示して
いる。この効果を示すのが図5である。通常、この種の
伸縮装置は、図5に示すように箱抜きされた床版遊間D
を挟む床版B1 、B2 上に、アンカー鉄筋12を固定し
ておき、これに伸縮装置の翼鉄筋8を溶接して固定する
か、もしくは伸縮装置の長手方向と平行に設置した横鉄
筋10とアンカー鉄筋12及び伸縮装置の翼鉄筋8を固
定する。従って、伸縮装置の板状鋼材3の下端は床版面
上に浮いた状態になるのが普通で、床版B1 、B2 面と
の間には間隙Dが空いている。この状態で後打ちコンク
リートCを打設することになるので、何の処理も施さな
ければ、後打ちの生コンクリートは、伸縮装置の下部空
間および床版遊間Dに流れ込み、その結果、ジョイント
部の伸縮を妨げてしまうこととなる。
【0028】一般にこの場合、伸縮装置の設置後、後打
ちコンクリートを打設する前に、板状鋼材3の下端と床
版面との間にスポンジ状の材料を詰め込んで流れ込みを
防止するが、その時点では翼鉄筋、横鉄筋、アンカー筋
などが複雑にいり組んでいるため、この作業は、困難で
手間がかかり、又、乱雑になり易かった。本発明では、
ゴム製又は樹脂製の発泡体11が伸縮装置に予めセット
されているので、これをこのまま床版面に設置する作業
を行い、その後、コンクリートを打設する前に発泡体1
1の下面、両端部に接続したテープ11aなどを把んで
発泡体を押し下げてやれば床版遊間Dなどにコンクリー
トが流れ込む隙間が無くなり、その結果、確実に伸縮機
能を発揮できる。なお、図5中Aは舗装を示す。
【0029】
【発明の効果】本発明は、従来のゴムジョイントに対し
て次の点を改良することができる。 .鋼材からゴム部が剥離するのを大幅に改善できる。 .伸縮部のゴムに鋭角な部分が無く、伸縮繰り返し疲
労によって、亀裂を発生しにくい。 .帯状鋼材と板状鋼材との間はゴムが全面介在してお
り、強く密着しているので漏水部分にならない。 .1本の伸縮部成型体の両端面も鉄材の露出が無く、
つなぐ時にはゴム同志が圧着されるのでここでも止水が
完全である。 .地震時にもジョイント本体と後打ちコンクリートの
間が離脱しにくい。 .後打ちコンクリートの流れ込み防止構造の工夫がさ
れており、作業ミスや乱雑な作業によって後打ちコンク
リートが伸縮装置や床版遊間などに流れ込んで伸縮機能
が損われる危険性が無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例の斜視図である。
【図4】本発明の更に別の実施例の断面図である。
【図5】本発明装置の実施状態を示す断面図である。
【図6】従来の伸縮装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゴム伸縮部 2 帯状鋼材 3 板状鋼材 4 ボルト 5 支持鋼材 6 最初の溝 7 空洞 8 翼鉄筋 9 翼間補強板 10 横鉄筋 11 ゴム製又は樹脂製の発泡体 12 アンカー鉄筋 A 舗装 B 床版 C 後打ちコンクリート D 床版間の隙間(床版遊間)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮可能なゴム製弾性部材とこれを補強
    する硬質補強材との組み合わせから成り、床版遊間を挟
    んで床版遊間の両端部の床版面に垂直状に立てた板状鋼
    材で伸縮可能なゴム製弾性部材を挟み込んだゴムジョイ
    ント形式の伸縮装置において、該弾性部材の伸縮方向両
    端部の中に弾性部材をその長さ方向の全幅で支持して伸
    縮を制御するための帯状補強材を挿入し、該帯状補強材
    と弾性部材の両側に位置する板状鋼材とを適当な間隔で
    ボルト締めしてなり、当該帯状補強材を弾性部材の中に
    完全に埋め込んで接着固定してあり、かつ、弾性部材の
    長手方向に対して垂直な断面の形状において、伸縮する
    部分に鋭角な溝ならびに空洞形状を形成しないようにし
    たことを特徴とする道路橋用伸縮装置。
  2. 【請求項2】 ゴム製弾性部材に埋め込む帯状補強材
    が、弾性部材の長手方向に対して垂直な断面形状におけ
    る縦の長さに対する割合が70〜80%で、かつ、弾性
    部材の最初の溝と板状鋼材との間隔に占める帯状補強材
    の厚みが40〜50%で、最初の溝と帯状補強材側面と
    の間隔が35%以上であることを特徴とする請求項1記
    載の道路橋用伸縮装置。
  3. 【請求項3】 ゴム製弾性部材を挟む板状鋼材の非弾性
    部材面側に適数個の翼鉄筋を設けると共に、それぞれの
    翼鉄筋と翼鉄筋の間に上下方向に延びる適当な長さと幅
    形状の翼間補強板を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の道路橋用伸縮装置。
  4. 【請求項4】 ゴム製弾性部材の下部に支持鋼材を設
    け、該支持鋼材の下の空間にあらかじめゴム又は樹脂製
    の発泡体が圧縮して設置してあり、伸縮装置の内部もし
    くは床版の遊間に後打ちコンクリートが流れ込むのを防
    ぐようにしたことを特徴とする請求項1記載の道路橋用
    伸縮装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193943A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The 道路橋梁伸縮装置
JP2007321334A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The 道路橋伸縮装置
CN108179698A (zh) * 2018-02-01 2018-06-19 刘强 一种防尘、防水、防卡伸缩缝装置
CN111622095A (zh) * 2020-05-26 2020-09-04 河北路博新材料科技有限公司 单元式自排渣伸缩装置

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