JPH10195266A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂組成物Info
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- JPH10195266A JPH10195266A JP355497A JP355497A JPH10195266A JP H10195266 A JPH10195266 A JP H10195266A JP 355497 A JP355497 A JP 355497A JP 355497 A JP355497 A JP 355497A JP H10195266 A JPH10195266 A JP H10195266A
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- Japan
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- vinyl chloride
- olefin
- resin composition
- copolymer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】溶融流動性及び機械的物性の優れた射出成形に
用いて好適な塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】塩化ビニル単量体を主成分とする炭素原子
数2〜10のα−オレフィン系単量体との塩化ビニル系
共重合体と、該共重合体100重量部当たり可塑剤30
〜150重量部及びオレフィン−無水マレイン酸共重合
体0.5〜10重量部からなる塩化ビル系樹脂組成物。
用いて好適な塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】塩化ビニル単量体を主成分とする炭素原子
数2〜10のα−オレフィン系単量体との塩化ビニル系
共重合体と、該共重合体100重量部当たり可塑剤30
〜150重量部及びオレフィン−無水マレイン酸共重合
体0.5〜10重量部からなる塩化ビル系樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融流動性に優
れ、射出成形に用いて好適な塩化ビニル系樹脂組成物に
関する。
れ、射出成形に用いて好適な塩化ビニル系樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形に用いる塩化ビニル系樹脂組成
物は、低射出圧で成形金型の狭い末端部にまで樹脂が充
填されるものが好まれ、このためには溶融流動性に優れ
ていることが必要であり、従来は、主に塩化ビニル系樹
脂の平均重合度を下げることにより、又は可塑剤量を増
大することにより対処してきた。しかし、樹脂の重合度
を下げると引張り強度、伸び等の機械的物性が低下し、
又可塑剤の増量では物性の低下もさることながら、可塑
剤がブリードするという現象があり、実用上問題が生じ
ることが多かった。
物は、低射出圧で成形金型の狭い末端部にまで樹脂が充
填されるものが好まれ、このためには溶融流動性に優れ
ていることが必要であり、従来は、主に塩化ビニル系樹
脂の平均重合度を下げることにより、又は可塑剤量を増
大することにより対処してきた。しかし、樹脂の重合度
を下げると引張り強度、伸び等の機械的物性が低下し、
又可塑剤の増量では物性の低下もさることながら、可塑
剤がブリードするという現象があり、実用上問題が生じ
ることが多かった。
【0003】塩化ビニル系樹脂組成物の流動性の改良を
目的として、α−オレフィン−塩化ビニル共重合体を使
用してガラスとの一体成形を試みる方法が特開平4−6
8004号公報に開示されているが、α−オレフィン−
塩化ビニル共重合体のみでは、流動性改良の効果が充分
ではなく、更なる改良が求められていた。
目的として、α−オレフィン−塩化ビニル共重合体を使
用してガラスとの一体成形を試みる方法が特開平4−6
8004号公報に開示されているが、α−オレフィン−
塩化ビニル共重合体のみでは、流動性改良の効果が充分
ではなく、更なる改良が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、低平均重
合度の塩化ビニル樹脂と同程度の優れた流動性を有し、
且つ、優れた引張り強度等の機械的物性を有する塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、比較的
平均重合度の高いα−オレフィン−塩化ビニル共重合体
に、更にオレフィン−無水マレイン酸共重合体を少量添
加することにより上述の目的を達しうることを見出し、
本発明を完成するに到った。すなわち、本発明の目的
は、溶融流動性及び機械的物性の優れた射出成形に用い
て好適な塩化ビニル系樹脂組成物を提供するにある。
合度の塩化ビニル樹脂と同程度の優れた流動性を有し、
且つ、優れた引張り強度等の機械的物性を有する塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、比較的
平均重合度の高いα−オレフィン−塩化ビニル共重合体
に、更にオレフィン−無水マレイン酸共重合体を少量添
加することにより上述の目的を達しうることを見出し、
本発明を完成するに到った。すなわち、本発明の目的
は、溶融流動性及び機械的物性の優れた射出成形に用い
て好適な塩化ビニル系樹脂組成物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、塩化ビニル単量体を主成分とする炭素原子数2〜
10のα−オレフィン系単量体との塩化ビニル系共重合
体と、該共重合体100重量部当たり可塑剤30〜15
0重量部及びオレフィン−無水マレイン酸共重合体0.
5〜10重量部からなる塩化ビル系樹脂組成物に存す
る。
ろは、塩化ビニル単量体を主成分とする炭素原子数2〜
10のα−オレフィン系単量体との塩化ビニル系共重合
体と、該共重合体100重量部当たり可塑剤30〜15
0重量部及びオレフィン−無水マレイン酸共重合体0.
5〜10重量部からなる塩化ビル系樹脂組成物に存す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
の塩化ビニル系樹脂組成物の必須構成要件である塩化ビ
ニル系共重合体は、塩化ビニル単量体を主体とし、これ
に炭素原子数2〜10のα−オレフィン系単量体を共重
合したものである。α−オレフィン系単量体とは、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、5−
エチル−1−ヘキセン等各種のもを言い、又、勿論、α
−オレフィン系単量体は上述のものに限定されるもので
はなく、これらの一種類又は二種類以上の混合物が使用
される。
の塩化ビニル系樹脂組成物の必須構成要件である塩化ビ
ニル系共重合体は、塩化ビニル単量体を主体とし、これ
に炭素原子数2〜10のα−オレフィン系単量体を共重
合したものである。α−オレフィン系単量体とは、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、5−
エチル−1−ヘキセン等各種のもを言い、又、勿論、α
−オレフィン系単量体は上述のものに限定されるもので
はなく、これらの一種類又は二種類以上の混合物が使用
される。
【0007】而して、α−オレフィン系単量体の塩化ビ
ニル単量体への共重合割合は、1〜10重量%の範囲、
特に8重量%までの範囲であるのが望ましい。共重合割
合が1重量%未満では流動性改良の効果が少なく、10
重量%を超えると可塑剤が塩化ビニル系樹脂組成物の表
面にブリードし易くなる傾向にある。
ニル単量体への共重合割合は、1〜10重量%の範囲、
特に8重量%までの範囲であるのが望ましい。共重合割
合が1重量%未満では流動性改良の効果が少なく、10
重量%を超えると可塑剤が塩化ビニル系樹脂組成物の表
面にブリードし易くなる傾向にある。
【0008】塩化ビニル系共重合体には上述の単量体以
外に、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウ
リン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアク
リル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート等のメタクリル酸エステル類、N−置換マレ
イミド類、芳香族ビニル類等の単量体を共重合させても
良い。共重合割合は、塩化ビニル系共重合体の20重量
%までの範囲である。
外に、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウ
リン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアク
リル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート等のメタクリル酸エステル類、N−置換マレ
イミド類、芳香族ビニル類等の単量体を共重合させても
良い。共重合割合は、塩化ビニル系共重合体の20重量
%までの範囲である。
【0009】塩化ビニル系共重合体の平均重合度は、特
に限定するものではないが、溶融流動性の点からは低い
方が良いが、機械的物性に点からは高い方がよい。通
常、JIS K6721に基づいた平均重合度が400
〜3000の範囲、溶融流動性、加工性、機械的物性を
考慮すると、500〜2000の範囲にあるものが好ま
しい。
に限定するものではないが、溶融流動性の点からは低い
方が良いが、機械的物性に点からは高い方がよい。通
常、JIS K6721に基づいた平均重合度が400
〜3000の範囲、溶融流動性、加工性、機械的物性を
考慮すると、500〜2000の範囲にあるものが好ま
しい。
【0010】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、可塑
剤を併用することにより、組成物を柔らかくして混練、
加工を容易にすることが出来る。可塑剤としては、塩化
ビニル系樹脂に通常使用するものなら特に限定されるも
のではなく、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、
ジヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソ
ノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、又は炭素原子数11〜
13程度の高級アルコール又は混合アルコールのフタル
酸エステル等のフタル酸エステル系可塑剤;ジ−2−エ
チルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペー
ト、ジ−n−デシルアジペート、ジイソデシルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバ
ケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の脂肪族
二塩基酸エステル系可塑剤;
剤を併用することにより、組成物を柔らかくして混練、
加工を容易にすることが出来る。可塑剤としては、塩化
ビニル系樹脂に通常使用するものなら特に限定されるも
のではなく、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、
ジヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソ
ノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、又は炭素原子数11〜
13程度の高級アルコール又は混合アルコールのフタル
酸エステル等のフタル酸エステル系可塑剤;ジ−2−エ
チルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペー
ト、ジ−n−デシルアジペート、ジイソデシルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバ
ケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の脂肪族
二塩基酸エステル系可塑剤;
【0011】トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート
(TOTM)、トリ−n−オクチルトリメリテート、ト
リデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテー
ト、ジ−n−オクチル−n−デシルトリメリレート等の
トリメリット酸エステル系可塑剤、トリブチルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェ
ニルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリオ
クチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、トリブトキシエ
チルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、ト
リス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3
−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホス
フェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフ
ェート等のリン酸エステル系可塑剤;
(TOTM)、トリ−n−オクチルトリメリテート、ト
リデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテー
ト、ジ−n−オクチル−n−デシルトリメリレート等の
トリメリット酸エステル系可塑剤、トリブチルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェ
ニルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリオ
クチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、トリブトキシエ
チルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、ト
リス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3
−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホス
フェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフ
ェート等のリン酸エステル系可塑剤;
【0012】2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸テトラへプチルエステル等のビフェニルテトラ
カルボン酸テトラアルキルエステル系可塑剤;ポリエス
テル系高分子可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜
麻仁油、液状エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;塩素
化パラフィン;五塩化ステアリン酸アルキルエステル等
の塩素化脂肪酸エステル等を挙げることが出来、これら
の一種又は二種以上を混合して使用する。これら可塑剤
の使用量は、塩化ビニル系共重合体100重量部に対し
て、30〜150重量部の範囲で使用される。
ルボン酸テトラへプチルエステル等のビフェニルテトラ
カルボン酸テトラアルキルエステル系可塑剤;ポリエス
テル系高分子可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜
麻仁油、液状エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;塩素
化パラフィン;五塩化ステアリン酸アルキルエステル等
の塩素化脂肪酸エステル等を挙げることが出来、これら
の一種又は二種以上を混合して使用する。これら可塑剤
の使用量は、塩化ビニル系共重合体100重量部に対し
て、30〜150重量部の範囲で使用される。
【0013】本発明の塩化ビニル樹脂系組成物には、そ
の溶融流動性を更に改良するためにオレフィン−無水マ
レイン酸共重合体を添加する。オレフィン−無水マレイ
ン酸共重合体中のオレフィン系単量体の炭素原子数は、
特に限定されるものではなく、α−オレフィンは勿論、
分子鎖の途中に二重結合を有するオレフィン等、ランダ
ムに選択できる。中でもα−オレフィンを共重合したも
のが好ましい。オレフィン系単量体と無水マレイン酸と
の共重合割合は、前者1〜99重量%及び後者99〜1
重量%の範囲のものであり、これら範囲のものから適宜
選択して使用する。
の溶融流動性を更に改良するためにオレフィン−無水マ
レイン酸共重合体を添加する。オレフィン−無水マレイ
ン酸共重合体中のオレフィン系単量体の炭素原子数は、
特に限定されるものではなく、α−オレフィンは勿論、
分子鎖の途中に二重結合を有するオレフィン等、ランダ
ムに選択できる。中でもα−オレフィンを共重合したも
のが好ましい。オレフィン系単量体と無水マレイン酸と
の共重合割合は、前者1〜99重量%及び後者99〜1
重量%の範囲のものであり、これら範囲のものから適宜
選択して使用する。
【0014】オレフィン−無水マレイン酸共重合体の添
加量は、塩化ビニル系共重合体100重量部に対し、
0.5〜10重量部の範囲が適当である。添加量が0.
5重量部よりも少ないと、溶融流動性の改良効果が小さ
く、逆に10重量部よりも多くなると、滑性が増して加
工性が劣る傾向にある。この点を考慮すれば、0.5〜
5重量部の範囲が適当であろう。
加量は、塩化ビニル系共重合体100重量部に対し、
0.5〜10重量部の範囲が適当である。添加量が0.
5重量部よりも少ないと、溶融流動性の改良効果が小さ
く、逆に10重量部よりも多くなると、滑性が増して加
工性が劣る傾向にある。この点を考慮すれば、0.5〜
5重量部の範囲が適当であろう。
【0015】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、上
記配合成分の他に、必要に応じて公知の、安定剤、炭酸
カルシウム等の充填剤、アクリル系樹脂等の成形加工性
改良剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、衝撃改良剤、さらにはM
BS、NBR等のゴム物質など各種添加剤を、塩化ビニ
ル系樹脂に通常使用する範囲で、且つ塩化ビニル系樹脂
組成物の物性を損なわない範囲で配合しても良い。
記配合成分の他に、必要に応じて公知の、安定剤、炭酸
カルシウム等の充填剤、アクリル系樹脂等の成形加工性
改良剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、衝撃改良剤、さらにはM
BS、NBR等のゴム物質など各種添加剤を、塩化ビニ
ル系樹脂に通常使用する範囲で、且つ塩化ビニル系樹脂
組成物の物性を損なわない範囲で配合しても良い。
【0016】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化
ビニル系共重合体、可塑剤及びオレフィン−無水マレイ
ン酸共重合体並びに必要に応じて上述の各種添加剤等を
均一に混合又は混練することにより、容易に調製され
る。混合又は混練に用いる混合機又は混練機は、実質的
に配合物を均一に混合、混練出来る装置なら特に限定さ
れるものではなく、混合機としては、例えば、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダー、プラネタリーミキサー
等が挙げられ、混練機としては、例えば、押出機、ロー
ルミル、バンバリーミキサー、ニーダー等加熱しながら
剪断力下で混練出来るものが挙げられる。本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物は、粉末状であってもペレット状で
あっても良い。
ビニル系共重合体、可塑剤及びオレフィン−無水マレイ
ン酸共重合体並びに必要に応じて上述の各種添加剤等を
均一に混合又は混練することにより、容易に調製され
る。混合又は混練に用いる混合機又は混練機は、実質的
に配合物を均一に混合、混練出来る装置なら特に限定さ
れるものではなく、混合機としては、例えば、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダー、プラネタリーミキサー
等が挙げられ、混練機としては、例えば、押出機、ロー
ルミル、バンバリーミキサー、ニーダー等加熱しながら
剪断力下で混練出来るものが挙げられる。本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物は、粉末状であってもペレット状で
あっても良い。
【0017】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、押出
成形、射出成形、インフレーション成形、回転成形、プ
レス成形、カレンダー加工等の各種成形法を用いて、例
えば、車輌用内外装材部品材料として、建築用内外装材
部品材料として、電線被覆等の材料として、電気機器部
品の材料として有効に利用される。特に、本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物は、溶融流動性に優れているため低
射出圧での成形が可能であり、例えば、高射出圧では不
都合な金属薄膜やガラスをインサートしたインサート射
出成形に好適に使用される。
成形、射出成形、インフレーション成形、回転成形、プ
レス成形、カレンダー加工等の各種成形法を用いて、例
えば、車輌用内外装材部品材料として、建築用内外装材
部品材料として、電線被覆等の材料として、電気機器部
品の材料として有効に利用される。特に、本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物は、溶融流動性に優れているため低
射出圧での成形が可能であり、例えば、高射出圧では不
都合な金属薄膜やガラスをインサートしたインサート射
出成形に好適に使用される。
【0018】
【実施例】次に本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を実施
例にて詳述するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、塩
化ビニル系樹脂組成物の引張り強度、引張り伸びの評
価、溶融流動性の評価及び加工性の評価を次の通り行
い、表−1に記した。
例にて詳述するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、塩
化ビニル系樹脂組成物の引張り強度、引張り伸びの評
価、溶融流動性の評価及び加工性の評価を次の通り行
い、表−1に記した。
【0019】
【表1】引張り強度及び伸び;JIS K6723に準
拠して測定した。 溶融流動性;75トン射出成形機使用 射出圧 400kg/cm2 スパイラルフロー断面(梯形)上底7mm、下底10m
m、高さ5.9mm流動距離を測定した。 加工性;ストックのロールへの巻き付き性を目視観察 ○:良好 △:シートがたれ、加工性劣る
拠して測定した。 溶融流動性;75トン射出成形機使用 射出圧 400kg/cm2 スパイラルフロー断面(梯形)上底7mm、下底10m
m、高さ5.9mm流動距離を測定した。 加工性;ストックのロールへの巻き付き性を目視観察 ○:良好 △:シートがたれ、加工性劣る
【0020】実施例1〜2、比較例1〜2 平均重合度1050の塩化ビニル系共重合体(エチレン
2wt%含有、商標リュウロンE1050、東ソー製、
PVC−1という)、平均重合度1050の塩化ビニル
樹脂(商標SG1100D、三菱化学製、PVC−2と
いう)、平均重合度800の塩化ビニル樹脂(商標SG
800、三菱化学製、PVC−3という)、ジイソノニ
ルフタレート(DINP)及びα−オレフィン−無水マ
レイン酸共重合体(平均分子量9000、融点72〜7
6℃、商標ダイヤカルナ30、三菱化学製)をそれぞれ
表−1に示す量(重量部)並びにBa−Za系複合安定
剤3重量部、ホスファイト系キレーター1重量部、ポリ
メチルメタクリレート系加工助剤1重量部、紫外線吸収
剤0.3重量部及び炭酸カルシウム40重量部を20l
ヘンシェルミキサーにて全量4.5kgになるように調
整し、樹脂温度110℃まで昇温してドライアップし
た。ドライアップ組成物3.8kgを3.6lのバンバ
リーミキサーに投入し、樹脂温度160℃まで昇温して
混練した。これを9インチロールミルに移してシート化
し、シートカット方式にてペレット化した。該ペレット
を各種試験に供し、その結果を表−1に併記した。
2wt%含有、商標リュウロンE1050、東ソー製、
PVC−1という)、平均重合度1050の塩化ビニル
樹脂(商標SG1100D、三菱化学製、PVC−2と
いう)、平均重合度800の塩化ビニル樹脂(商標SG
800、三菱化学製、PVC−3という)、ジイソノニ
ルフタレート(DINP)及びα−オレフィン−無水マ
レイン酸共重合体(平均分子量9000、融点72〜7
6℃、商標ダイヤカルナ30、三菱化学製)をそれぞれ
表−1に示す量(重量部)並びにBa−Za系複合安定
剤3重量部、ホスファイト系キレーター1重量部、ポリ
メチルメタクリレート系加工助剤1重量部、紫外線吸収
剤0.3重量部及び炭酸カルシウム40重量部を20l
ヘンシェルミキサーにて全量4.5kgになるように調
整し、樹脂温度110℃まで昇温してドライアップし
た。ドライアップ組成物3.8kgを3.6lのバンバ
リーミキサーに投入し、樹脂温度160℃まで昇温して
混練した。これを9インチロールミルに移してシート化
し、シートカット方式にてペレット化した。該ペレット
を各種試験に供し、その結果を表−1に併記した。
【0021】
【表2】 *:1−アルケン(C28〜60)無水マレイン酸共重合体
【0022】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、オ
レフィン−無水マレイン酸を塩化ビニル単量体とα−オ
レフィン系単量体とを共重合した塩化ビニル系共重合体
に添加することにより、比較的高平均重合度の塩化ビニ
ル系共重合体の溶融流動性を改良することができ、該組
成物を成形して得られた成形品の機械的強度を損なうこ
とがない。従って、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物
は、高射出圧を要することなく射出成形することが可能
であり、繊細な射出成形品や高射出圧をかけることので
きない、例えば、ガラスインサート射出成形、薄膜部品
インサート射出成形等に好適に使用される。
レフィン−無水マレイン酸を塩化ビニル単量体とα−オ
レフィン系単量体とを共重合した塩化ビニル系共重合体
に添加することにより、比較的高平均重合度の塩化ビニ
ル系共重合体の溶融流動性を改良することができ、該組
成物を成形して得られた成形品の機械的強度を損なうこ
とがない。従って、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物
は、高射出圧を要することなく射出成形することが可能
であり、繊細な射出成形品や高射出圧をかけることので
きない、例えば、ガラスインサート射出成形、薄膜部品
インサート射出成形等に好適に使用される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】塩化ビニル系共重合体の平均重合度は、特
に限定するものではないが、溶融流動性の点からは低い
方が良いが、機械的物性の点からは高い方がよい。通
常、JIS K6721に基づいた平均重合度が400
〜3000の範囲、溶融流動性、加工性、機械的物性を
考慮すると、500〜2000の範囲にあるものが好ま
しい。
に限定するものではないが、溶融流動性の点からは低い
方が良いが、機械的物性の点からは高い方がよい。通
常、JIS K6721に基づいた平均重合度が400
〜3000の範囲、溶融流動性、加工性、機械的物性を
考慮すると、500〜2000の範囲にあるものが好ま
しい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表2】 *:1−アルケン(C28〜60)無水マレイン酸共重合体 溶融流動性:比較例3の(67)は、金型オーバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 27/06 35:00)
Claims (3)
- 【請求項1】塩化ビニル単量体を主成分とする炭素原子
数2〜10のα−オレフィン系単量体との塩化ビニル系
共重合体と、該共重合体100重量部当たり可塑剤30
〜150重量部及びオレフィン−無水マレイン酸共重合
体0.5〜10重量部からなる塩化ビル系樹脂組成物。 - 【請求項2】塩化ビニル系共重合体中のα−オレフィン
系単量体の共重合割合が1〜10重量%である請求項1
記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項3】射出成形に用いる請求項1又は請求項2記
載の塩化ビニル系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP355497A JPH10195266A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP355497A JPH10195266A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10195266A true JPH10195266A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11560654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP355497A Pending JPH10195266A (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10195266A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101261591B1 (ko) | 2012-01-16 | 2013-05-09 | 금양화학 주식회사 | 접착제 조성물 및 전자레인지 조리용 스팀백 |
-
1997
- 1997-01-13 JP JP355497A patent/JPH10195266A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101261591B1 (ko) | 2012-01-16 | 2013-05-09 | 금양화학 주식회사 | 접착제 조성물 및 전자레인지 조리용 스팀백 |
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