JPH10194639A - エレベータの姿勢制御装置 - Google Patents

エレベータの姿勢制御装置

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Publication number
JPH10194639A
JPH10194639A JP1601197A JP1601197A JPH10194639A JP H10194639 A JPH10194639 A JP H10194639A JP 1601197 A JP1601197 A JP 1601197A JP 1601197 A JP1601197 A JP 1601197A JP H10194639 A JPH10194639 A JP H10194639A
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JP
Japan
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car
control device
spoiler
elevator
amount
Prior art date
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Application number
JP1601197A
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English (en)
Inventor
Hideya Obara
英也 小原
Shigeo Nakagaki
薫雄 中垣
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗りかごが倒れたときには乗りかごをまっす
ぐに立てることができ、乗りかごの倒れからくる振動や
風音等を防止することができるエレベータの姿勢制御装
置を得ることである。 【解決手段】 かご倒れ量検出手段25が乗りかご4の
倒れ量を検出すると、制御装置22は、その乗りかご4
の倒れ量をなくするようにスポイラ20の回動角度指令
を演算しアクチュエータ21に出力する。これにより、
スポイラ20はその回動角度に調整され、乗りかご4の
走行時にその回動角度に応じた風圧を受けて乗りかご4
の倒れ量をなくし鉛直方向に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの乗り
かごの乗り心地を向上させるためのエレベータの姿勢制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高層建物に設置されるエレベータは、高
層建物の昇降路に設けられたガイドレールに沿って昇降
するようになっており、エレベータの姿勢を垂直方向に
保つようにしている。図8に、そのようなエレベータの
乗りかごの昇降路内での配置を示す。
【0003】図8に示すように、高層建物の昇降路1の
両側壁にはそれぞれガイドレール2が垂直に立設されて
おり、これらガイドレール2の間には吊りロープ3で昇
降する乗りかご4が昇降自在に設けられている。この乗
りかご4は、かご枠5とこれに載置されたかご室6で構
成されており、かご枠5の上下にはそれぞれ合計4個の
案内装置7が取り付けられている。
【0004】また、かご枠5の下部には床受け枠8が敷
設されており、この床受け枠8とかご室6の底面との間
には、防振ゴム6aおよびロードセル6bがかご室6を
支承するように設けられている。この防振ゴム6aでエ
レベータの乗り心地の向上を図り、ロードセル6bによ
ってかご室6の重量を検出し各種の情報として利用して
いる。
【0005】また、図9のように乗りかご4の上下に
は、整風装置15が設けられることがあり、この整風装
置15によって風の流れを整流し、エレベータが高速で
走行する際に発生する風音を低減するようにしている。
一方、上述の案内装置7は、それぞれ3個のガイドロー
ラ7cを有しており、この3個のガイドローラ7cはガ
イドレール2に対して、乗りかご4の前後方向と左側面
方向又は右側面方向の3方向から接するようになってい
る。
【0006】図10は乗りかご4の駆動系の説明図であ
る。乗りかご4はかご枠5に取り付けられたかごヒッチ
8aによって吊られ、吊りロープ3を介して釣り合いお
もりヒッチ10によって吊られた釣合いおもり9に繋が
れている。そして、乗りかご4と釣合いおもり9の間に
は巻上機11があり、その吊りロープ3と巻上機11の
シーブのトラクションによって乗りかご4を昇降させ
る。
【0007】さらに、巻上機11のトルク変動を小さく
するために乗りかご4と釣合いおもり9との間には、コ
ンペン装置13を介してコンペンロープ12によって繋
げられている。また、乗りかご4に情報等を伝えるため
にテールコード14が乗りかご4と昇降路1との間に吊
られている。
【0008】次に、図11は案内装置7の側面図であ
る。この図11では、乗りかご4の前後方向のガイドロ
ーラ7cの記載は省略しており、左側面方向のガイドロ
ーラ7cのみを示している。案内装置7は、レバー7a
の一方の端部をかご枠5に回転自在に取り付けられて、
かご枠5に固定される。レバー7aの他方の端部には、
ガイドローラ7cが回転自在に取り付けられており、さ
らに抑えバネ7bによってレバー7aおよびガイドロー
ラ7cを支持している。そして、ガイドローラ7cが各
ガイドレール2に当接して転動するようになっている。
また、レバー7aの動きを制限するストッパ7dが付い
ている。つまり、乗りかご4が傾いたときガイドローラ
7cにかかる荷重が変動し、その変動を抑えバネ7bに
よって吸収してかごの倒れに対する姿勢維持を保ってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエレベータでは、乗りかご4内に人間が偏っ
て乗り込んだときには偏荷重となり、乗りかご4がその
モーメントによって倒れて傾く。また、テールコード1
4は乗りかご4に対して偏心して取り付けられているの
で、テールコード14とコンペンロープ12によってア
ンバランスが生じることがあり、その際にも乗りかご4
がそのモーメントによって倒れて傾く。
【0010】これにより、乗りかご4がアンバランスと
なりガイドローラ7cからガイドレール2への押し付け
力が増大する。その押し付け力の増大に伴い、エレベー
タの走行時には横振動や上下振動の原因となり、さらに
は振動を大きくすることがある。また、釣り合いおもり
9や隣接エレベータの乗りかご4とのすれ違い時の揺れ
や乗りかご4の廻りに生じる風音がエレベータの速度の
増加に伴い大きくなり、今まで以上の速度になると乗り
かご4が傾くことによって風の流れが乱れ、大きくなる
ことが考えられる。
【0011】本発明の目的は、乗りかごが倒れたときに
は乗りかごをまっすぐに立てることができ、乗りかごの
倒れからくる振動や風音等を防止することができるエレ
ベータの姿勢制御装置を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、乗り
かごの倒れ量を検出するかご倒れ量検出手段と、乗りか
ごの上下に設けられ乗りかごの走行時にその回動角度に
応じた風圧を受ける翼状のスポイラと、スポイラを回動
駆動するためのアクチュエータと、かご倒れ量検出手段
で検出された乗りかごの倒れ量をなくするようにスポイ
ラの回動角度指令を演算しアクチュエータを駆動する制
御装置とを備えたものである。
【0013】請求項1の発明では、かご倒れ量検出手段
が乗りかごの倒れ量を検出すると、制御装置は、その乗
りかごの倒れ量をなくするようにスポイラの回動角度指
令を演算しアクチュエータに出力する。これにより、ス
ポイラはその回動角度に調整され、乗りかごの走行時に
その回動角度に応じた風圧を受けて乗りかごの倒れ量を
なくし鉛直方向に維持する。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、制御装置は、乗りかごの倒れ量に基づいて乗りかご
にかかっているアンバランスなモーメントを演算し、そ
のアンバランスなモーメントを打ち消す方向に風圧がか
かるようにスポイラの回動角度指令を演算し、その演算
結果に基づきアクチュエータを駆動するようにしたもの
である。
【0015】請求項2の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、制御装置は、乗りかごにかかっているアンバ
ランスなモーメントを打ち消す方向に風圧がかかるよう
にスポイラの回動角度指令を演算する。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、制御装置は、かご倒れ量検出手段で検出された乗り
かごの倒れ量に、乗りかご位置に対応して予め記憶され
た乗りかごの機械的要因に基づく倒れ量を加算し、それ
らの合計によってスポイラの回動角度指令を演算するよ
うにしたものである。
【0017】請求項3の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、乗りかごの倒れ量のうちその要因が既知であ
る機械的要因の乗りかごの倒れ量については、予め乗り
かご位置に対応して記憶しておき、かご倒れ量検出手段
で検出された乗りかごの倒れ量に加算し、それらの合計
によってスポイラの回動角度指令を演算する。これによ
り制御応答が速くなる。
【0018】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、制御装置は、乗りかごが最下階又は最上階に近づい
たときはスポイラが水平になる回動角度指令をアクチュ
エータに出力するようにしたものである。
【0019】請求項4の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、乗りかごが最下階又は最上階の近傍にきたと
きは、スポイラの角度を水平にし、スポイラが他の機器
の邪魔にならないようにする。
【0020】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、かご倒れ量検出手段として、昇降路に設けられたガ
イドレールと当接する案内装置のガイドローラの変位を
検出する変位検出装置又はガイドローラにかかる力を検
出する荷重検出装置を用いたものである。
【0021】請求項5の発明では、乗りかごの倒れ量を
案内装置のガイドローラの変位又はガイドローラにかか
る力で検出する。
【0022】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、制御装置は、乗りかごが釣り合いおもりとすれ違う
とき又は隣接の乗りかごとすれ違うときには、それらの
すれ違う面の背面側に風が流れるようにスポイラの回動
角度指令を演算し、アクチュエータに出力するようにし
たものである。
【0023】請求項6の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、乗りかごが釣り合いおもりや隣接の乗りかご
とすれ違うときには、それらのすれ違う面の背面側に風
が流し、乗りかごの騒音や振動を抑制する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の実施の形態の説明図である。図1
(a)は、乗りかご4の上部の整風装置15に設けられ
たスポイラ20の平面図である。整風装置15の上部に
は、乗りかご4の左右方向及び前後方向に計4個のスポ
イラ20が設けられている。すなわち、スポイラ20
は、整風装置15による整風を妨げることがないように
取り付けられ、またかごの前後左右にバランス良く対称
に取り付けられている。図1(a)では、4個のスポイ
ラ20を示しているが、場合によっては各々のスポイラ
20を2分割した8個のスポイラ20を設けるようにし
ても良い。
【0025】このスポイラ20は、図2に示すように、
乗りかご4の上下の整風装置15にそれぞれ取り付けら
れ、それぞれ乗りかご4の左右方向及び前後方向に計4
個のものが取り付けられている。スポイラ20の形状は
翼状であり、その回動角度に応じて風圧による力が作用
するようになっている。このように、スポイラ20は乗
りかご4の上下にある整風装置15の先に取り付けら
れ、乗りかご4の左右及び前後対称に取り付けられてい
る。これにより、乗りかご4の廻りの整風効果を妨げな
いようにしている。
【0026】図1(b)は、図1(a)のA−A線での
断面図であり、図1(c)は、図1(a)のB方向から
の矢視図である。スポイラ20は支持軸20aにより整
風装置15に取り付けられ、この支持軸20aを軸にし
て回動するようになっている。そしてスポイラ20の骨
軸20bには案内支持台20cが設けられ、骨軸20b
をジョイント20dによって支持している。
【0027】スポイラ20はアクチュエータ21で駆動
される。アクチュエータ21は、案内支持台20cをそ
の軸方向に移動させるためのボールネジ21aと、ボー
ルネジ21aを回転させ案内支持台20cをボールネジ
21a上で移動させるサーボモータ21bと、案内支持
台20cのボールネジ21a上の位置を検出する変位計
21cとから構成されている。
【0028】案内支持台20cは、ボールネジ21aの
回転によりジョイント20dに案内されてボールネジ2
1a上を動く。この場合、骨軸20bは、案内装置20
cの移動に伴ってジョイント20dにより図1(b)の
矢印方向に動く。また、骨軸20bの動きに応じて支持
軸20aを軸にしてスポイラ20の回動角度を変化させ
る。このように、ボールネジ21aの回転によってスポ
イラ20の角度を自由に変えることができる。
【0029】この場合、スポイラ20の骨軸20bのレ
バー比によりアクチュエータ21からの力を増幅させて
使っている。すなわち、骨軸20bの長さを長くすると
サーボモータ21bの駆動力は小さいものであっても、
スポイラ20を駆動する力は大きくなる。
【0030】このように、ボールネジ21aはサーボモ
ータ21bで回転駆動され、そのサーボモータ21は制
御装置22からのスポイラ20の回動角度指令に基づい
て駆動されるようになっている。制御装置22は、後述
するように、かご倒れ量検出手段25で検出されたかご
倒れ量に基づいてスポイラ20の回動角度指令を演算
し、アクチュエータ21のサーボモータ21bにその回
動角度指令を出力するものである。なお、変位計21c
は案内支持台20cのボールネジ21a上での位置が制
御装置22からの回動角度指令に合致したものであるか
否かを確認するためのものである。
【0031】次に、図3は本発明の実施の形態における
案内装置7の側面図である。図3では、乗りかご4の前
後方向のガイドローラ7cの記載は省略しており、左側
面方向のガイドローラ7cのみを示している。図3に示
すように、本発明の案内装置7には、かごの倒れ量を検
出するためのかご倒れ量検出手段25が設けられてい
る。
【0032】図3(a)は、かご倒れ量検出手段25と
して、ガイドローラ7cの変位をレバー7aの変位とし
て検出する変位検出装置23を設けたものである。案内
装置7は、レバー7aの一方の端部がかご枠5に回転自
在に取り付けられ、その位置から長さd1のレバー7a
の他方の端部には、ガイドローラ7cが回転自在に取り
付けられている。そして、レバー7bの一方端部から長
さd2の位置には抑えバネ7bが設けられ、この抑えバ
ネ7bによってレバー7a及びガイドローラ7cを支持
している。
【0033】そして、レバー7bの一方端部から長さd
3の位置にはかごの倒れ量を検出するためのかご倒れ量
検出手段25としての変位検出装置23が設けられてい
る。この変位検出装置23は、昇降路1に設けられたガ
イドレール2と当接する案内装置7のガイドローラ7c
の変位をレバー7aの変位xとして検出する。すなわ
ち、変位検出装置23の取付位置におけるレバー7aの
変位として検出する。この変位検出装置23としては、
ポテンショメータや非接触のレーザ変位計が用いられ
る。なお、ストッパ7dは、レバー7aの動きを制限す
るものである。
【0034】一方、図3(b)は、かご倒れ量検出手段
25として、レバー7aにかかる力を検出する荷重検出
装置24を用いたものである。案内装置7は、レバー7
aの一方の端部がかご枠5に回転自在に取り付けられ、
その位置から長さd1のレバー7aの他方の端部には、
ガイドローラ7cが回転自在に取り付けられている。そ
して、レバー7bの一方端部から長さd2の位置には抑
えバネ7bが設けられ、この抑えバネ7bによってレバ
ー7a及びガイドローラ7cを支持している。
【0035】そして、抑えバネ7bとレバー7aとの間
には、かご倒れ量検出手段25としての荷重検出装置2
4が設けられている。この荷重検出装置24は昇降路1
に設けられたガイドレール2と当接する案内装置7のガ
イドローラ7cの変位をレバー7aにかかる荷重として
検出する。この荷重検出装置24としては、ロードセル
や圧電素子が用いられる。
【0036】次に、図4は制御装置22のブロック構成
図である。かご倒れ量検出手段25で検出された乗りか
ごの倒れ量は制御装置22の演算手段26に入力され
る。また、演算手段26にはかご位置検出手段27から
のかご位置も入力される。演算手段22は入力したかご
倒れ量やかご位置及び予めメモリ28に記憶された情報
に基づいて、乗りかご4の倒れ量がなくなるようにスポ
イラ20の回動角度指令を演算し、サーボドライバ29
を介してその回動角度指令をアクチュエータ21のサー
ボモータ21bに出力するようになっている。
【0037】メモリ28には、予めスポイラ20の角度
と風圧との関係、風圧と乗りかご4に与えるモーメン
ト、エレベータの機械的要因からくるアンバランス等が
記憶されており、乗りかご4にかご倒れ量あるときは、
これらの情報に基づいて乗りかご4の倒れ量がなくなる
ようにスポイラ20の角度を演算し、その回動角度指令
を演算する。
【0038】次に、かご倒れ量検出手段25で検出され
るかご倒れ量には、エレベータの機械的要因からくるア
ンバランスや乗客等の乗り込み時のアンバランス等が含
まれている。すなわち、乗りかご4への人間の乗り込み
のアンバランス(偏荷重)によるかごの倒れや、乗りか
ご4とテールコード14との取付位置が偏心しているこ
とからくる機械的要因による倒れや、エレベータ走行時
の揺れ等によって生じるかごの倒れ等が含まれている。
【0039】そこで、図4に示すように、エレベータの
機械的要因による倒れに付いては予めメモリに記憶して
おく。エレベータの機械的要因による倒れは、乗りかご
4の位置に応じて異なる値となるので、乗りかご4の位
置に対するかご傾き量を予め計算又は実測によって求め
ておく。
【0040】このようにして、乗りかご4の位置に対す
るコンペンロープ12やテールコード14からくるアン
バランスによるかご倒れ量を予めメモリ28に記憶して
おき、かご位置検出手段27で乗りかご位置が検出され
たときは、そのかご位置に対するかごの倒れ量をフィー
ドフォワード量としてメモり28より取り出す。つま
り、テールコード14からくるかご倒れ量は既知である
ので、予めその分をメモリ28に入れておき演算手段2
6で先行制御し、乗客の乗り込み時のアンバランスや乗
りかご4の揺れによるアンバランス等の不確定な要因に
よるかご倒れ量についてフィードバック制御することに
なる。
【0041】例えば、図5(a)に示すように、乗りか
ご4の下降時に乗客の偏りにより右方向のモーメントM
を受けたとする。この場合には、乗りかご4は右方向に
倒れるので、スポイラ20の角度を図5(a)に示すよ
うな角度とし、乗りかご4に対し左方向のモーメントを
発生させる。つまり、スポイラ20の表面に受ける風圧
をスポイラ20の角度を調節することにより制御する。
これにより、乗りかご4の倒れ量の補償を行い、乗りか
ご4が鉛直方向になるように制御する。
【0042】一方、図5(b)に示すように、乗りかご
4の上昇時に乗客の偏りにより右方向のモーメントMを
受けたときも同様に、スポイラ20の角度を図5(b)
に示すような角度とし、乗りかご4に対し左方向のモー
メントを発生させる。つまり、スポイラ20の角度を調
節することにより風圧を調整して、かご倒れ量の補償を
行う。
【0043】図6は、制御装置22での演算内容を示す
フローチャートである。まず、かご倒れ量検出手段25
により乗りかご4の倒れ量が検出されると(S1)、制
御装置22の演算手段26は、下記式により、そのかご
倒れ量に基づいてガイドローラ7c(レバー7a)にか
かる押付荷重Fを計算する(S2)。
【0044】かご倒れ量検出手段25が図3(a)に示
す変位検出装置23である場合は、下記の(1)式でガ
イドローラ7cへの押付荷重Fを求める。
【0045】
【数1】
【0046】ここで、kは抑えバネ7bのバネ定数、x
は変位検出量、d1はレバー7aの有効長、d2は抑え
バネ7bの取付位置、d3は変位検出装置23の取付位
置である。
【0047】また、かご倒れ量検出手段25が図3
(b)に示す荷重検出装置24である場合は、下記の
(2)式でガイドローラ7cへの押付荷重Fを求める。
【0048】
【数2】
【0049】ここで、Lは荷重検出量、d1はレバー7
aの有効長、d2は荷重検出装置24の取付位置であ
る。
【0050】そして、演算手段26は左右のガイドロー
ラ7cの押付荷重Fの偏差及び前後のガイドローラ7c
の押付荷重Fの偏差を演算する(S3)。その偏差が零
であるときは、左右又は前後に均等に押し付け荷重Fが
かかっていることになるので、乗りかご4の倒れ量は零
である。一方、偏差があるときは、その偏差のある方向
に乗りかご4が倒れていることになる。そこで、その荷
重の偏差の半分を打ち消すための風圧を計算する(S
4)。
【0051】次に、その風圧がスポイラ20にかかる角
度を演算し(S5)、その回動角度指令をサーボドライ
バ29を介してアクチュエータ21のサーボモータ21
bに出力する。ここで、スポイラ20は、基本的には乗
りかご4にアンバランスが生じていないときは、左右及
び前後のスポイラ角度は対称になるようにしているの
で、乗りかご4にかかるモーメントのアンバランス分の
みを補償するようにスポイラ20の角度を制御すること
になる。
【0052】以上の説明では、エレベータの機械的要因
による乗りかご4の倒れ量については、予めメモり28
に乗りかご位置に応じて記憶しておきフィードフォワー
ド量として先行制御するようにしているが、それを省略
しかご倒れ量検出手段25からのかご倒れ量のフィード
バック量に基づいて制御するようにしても良い。
【0053】次に、図7は、乗りかご4が釣り合いおも
り9とすれ違うとき又は隣接の乗りかご4とすれ違うと
きのスポイラ20の角度の制御の説明図である。図7
(a)は乗りかご4が釣り合いおもり9とすれ違う場合
の説明図であり、図7(b)は乗りかご4と隣接かごと
すれ違う場合の説明図であり、図7(c)は乗りかご4
が昇降路1の突起部を通過する説明図であり、図7
(d)は最下階および最上階に着床する場合の説明図で
ある。
【0054】図7(a)及び図7(b)に示すように、
釣り合いおもり9とのすれ違い時や隣接かごとのすれ違
い時の情報により、制御装置22は、すれ違い時に風が
すれ違い面でなくその背面側に流れるようにスポイラ2
0を動かすように制御する。これにより風が狭いところ
を流れ増速等による風音が発生するのを妨げると共に、
風圧による乗りかご4の揺れを防ぐ。ここで、釣り合い
おもり9とのすれ違い情報はエレベータ制御盤から制御
装置22に入力され、隣接かごとのすれ違い情報はエレ
ベータの群管理制御盤から制御装置22に入力される。
また、図7(c)に示すように昇降路1の突起部付近に
おいても、その通過時には風が突起部側でなくその背面
側に流れるようにスポイラ20を動かすように制御す
る。さらに、図7(d)のように最下階および最上階に
着床する時ピットやオーバーヘッド部分の機器との当た
りからスペースを有効にするためスポイラを水平にす
る。
【0055】このように、本発明の実施の形態では、乗
りかご4の上下に翼状のスポイラ20を取り付け、走行
時の風圧により乗りかご4の姿勢および風の流れを制御
することにより、人間の乗り込みによって生じる偏荷
重、乗りかごにかかるテールコードやコンペンロープの
アンバランスからくるかごの倒れを除去することができ
乗りかご4をまっすぐに立てることができる。また、釣
り合いおもり9や隣接かごとのすれ違い時にスポイラ2
0により風の流れを制御するので、乗りかご4の揺れや
騒音を低減することができる。
【0056】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
乗りかごの速度が増加しても常に乗りかごをまっすぐに
立てることができ、乗りかごの倒れからくる振動や風音
等を防止することが可能となり、乗り心地を向上させる
ことができる。
【0057】すなわち、乗りかごの倒れ量をかご倒れ量
検出手段で検出し、その倒れ量を打ち消す方向にスポイ
ラが風圧を受けるようにスポイラの角度を制御し、スポ
イラにモーメントがかかるように制御する。これによ
り、乗りかごを走行時常にまっすぐ立てることができ、
バランスの崩れやガイドレールへの押付力増加による乗
りかごの上下や左右振動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の説明図であり、図
1(a)はスポイラの平面図、図1(b)は図1(a)
のA−A線での断面図、図1(c)は図1(a)のB方
向からの矢視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態における整風装置を
取り付けたエレベータの乗りかごの斜視図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態における案内装置の
側面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態における制御装置の
ブロック構成図である。
【図5】図5は乗りかごのかご倒れ量の補償する制御の
説明図であり、図5(a)は乗りかごの下降時に乗りか
ごが右方向に倒れた場合のかご倒れ量の補償の説明図で
あり、図5(b)は乗りかごの上昇時に乗りかごが右方
向に倒れた場合のかご倒れ量の補償の説明図である。
【図6】図6は本発明の制御装置の演算内容を示すフロ
ーチャートである。
【図7】図7は本発明での乗りかごが釣り合いおもりと
すれ違うとき又は隣接の乗りかごとすれ違うときのスポ
イラの角度の制御の説明図である。
【図8】図8は、従来例におけるエレベータの乗りかご
の昇降路内での配置を示す側面図である。
【図9】図9は、従来例における整風装置を取り付けた
エレベータの乗りかごの斜視図である。
【図10】図10は、従来例におけるエレベータの乗り
かごの駆動系の説明図である。
【図11】図11は従来例における案内装置の側面図で
ある。
【符号の説明】
1 昇降路 2 ガイドレール 3 吊りロープ 4 乗りかご 5 かご枠 6 かご室 6a 防振ゴム 6b ロードセル 7 案内装置 7a レバー 7b 抑えバネ 7c ガイドローラ 7d ストッパ 8 床受け枠 8a かごヒッチ 9 釣り合いおもり 10 おもりヒッチ 11 巻上機 12 コンペンロープ 13 コンペン装置 14 テールコード 15 整風装置 20 スポイラ 20a 支持軸 20b 骨軸 20c 案内支持台 20d ジョイント 21 アクチュエータ 21a ボールネジ 21b サーボモータ 21c 変位計 22 制御装置 23 変位検出装置 23a ポテンショメータ 23b レーザ変位計 24 荷重検出装置 25 かご倒れ量検出手段 26 演算手段 27 かご位置検出手段 28 メモリ 29 サーボドライバ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータの乗りかごに傾きが生じた場
    合に、前記乗りかごのかご枠に設けられた案内装置が昇
    降路のガイドレールに沿って移動し、前記乗りかごを鉛
    直方向に維持するようしたエレベータの姿勢制御装置に
    おいて、前記乗りかごの倒れ量を検出するかご倒れ量検
    出手段と、前記乗りかごの上下に設けられ前記乗りかご
    の走行時にその回動角度に応じた風圧を受ける翼状のス
    ポイラと、前記スポイラを回動駆動するためのアクチュ
    エータと、前記かご倒れ量検出手段で検出された前記乗
    りかごの倒れ量をなくするように前記スポイラの回動角
    度指令を演算し前記アクチュエータを駆動する制御装置
    とを備えたことを特徴とするエレベータの姿勢制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、前記乗りかごの倒れ量
    に基づいて前記乗りかごにかかっているアンバランスな
    モーメントを演算し、そのアンバランスなモーメントを
    打ち消す方向に風圧がかかるように前記スポイラの回動
    角度指令を演算し、その演算結果に基づき前記アクチュ
    エータを駆動するようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載のエレベータの姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、前記かご倒れ量検出手
    段で検出された前記乗りかごの倒れ量に、前記乗りかご
    位置に対応して予め記憶された前記乗りかごの機械的要
    因に基づく倒れ量を加算し、それらの合計によって前記
    スポイラの回動角度指令を演算するようにしたことを特
    徴とする前記請求項1に記載のエレベータの姿勢制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置は、前記乗りかごが最下階
    又は最上階に近づいたときは前記スポイラが水平になる
    回動角度指令を前記アクチュエータに出力するようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの姿勢
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記かご倒れ量検出手段は、前記昇降路
    に設けられたガイドレールと当接する前記案内装置のガ
    イドローラの変位を検出する変位検出装置又は前記ガイ
    ドローラにかかる力を検出する荷重検出装置であること
    を特徴とする請求項1に記載のエレベータの姿勢制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制御装置は、前記乗りかごが中間階
    付近で釣り合いおもりとすれ違うとき又は隣接の乗りか
    ごとすれ違うときには、それらのすれ違う面の背面側に
    風が流れるように前記スポイラの回動角度指令を演算
    し、前記アクチュエータに出力するようにしたことを特
    徴とする請求項1に記載のエレベータの姿勢制御装置。
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