JPH10194107A - 車両の加速スリップ制御装置 - Google Patents

車両の加速スリップ制御装置

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JPH10194107A
JPH10194107A JP351397A JP351397A JPH10194107A JP H10194107 A JPH10194107 A JP H10194107A JP 351397 A JP351397 A JP 351397A JP 351397 A JP351397 A JP 351397A JP H10194107 A JPH10194107 A JP H10194107A
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vehicle
wheel
brake
engine
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Application number
JP351397A
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Inventor
Toshinobu Ota
田 利 信 太
Masanobu Fukami
見 昌 伸 深
Yosuke Takahira
比 良 洋 介 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 登坂路での発進,加速の安定性を高くする。 【解決手段】 車輪速度検出手段,車体速度Vsoを検出
する手段CPU,Vsoと車輪回転速度に基づいて車輪の
スリップ率Sa**を算出する手段、および、スリップ率
Sa**が目標値Seに合致するように、車輪速度を制御
する手段ST,ECU、を備える車輪速度制御装置にお
いて、車両の縦傾斜Grを検出する傾斜検出手段G,C
PU;および、縦傾斜Grに応じてそれが大きいと大き
く目標値Seを設定する手段CPU;を備えることを特
徴とする。傾斜検出手段G,CPUは、錘式の傾斜セン
サGと、その信号Gxと車体加速度Gwに基づいて縦傾
斜角Grを算出する角度演算手段CPUと、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両発進,車輪制
動,転舵,加減速,路面の傾斜,凹凸等車両の運転状態
あるいは走行状態に応じて、それらがあっても発進,走
行安定性および操舵性を確保するために、車両上エンジ
ンの車輪駆動トルクあるいは車輪ブレ−キ圧を制御する
車輪速度制御に関し、車両発進時又は低速加速時に、路
面に対する車輪のスリップ(加速スリップ)によって発
進,加速が困難となるのを抑制するためにエンジン出力
トルクを下げもしくは車輪を制動するトラクション制御
に関する。
【0002】
【従来の技術】発進時又は急加速時の、路面の摩擦係数
が低いことによる車輪スリップに原因する、発進又は加
速の不全あるいは操舵不能を抑制するために、ブレ−キ
ペダルの踏込みが無いにもかかわらず、車輪ブレ−キ圧
を増圧して車輪回転を制動する、あるいは、車両上エン
ジンのサブスロットルバルブの開度を下げてエンジン出
力トルクを下げる、トラクション制御が知られている。
【0003】特公平3−59848号公報に開示のトラ
クション制御では、各駆動輪の車輪速を検出し、各車輪
の車輪加速度が所定値を越えた時の車輪速をもとに疑似
車体速を造り出し、これらの疑似車体速及び車輪速のう
ち最低のものと、各駆動輪の車輪速を比較し、その差が
所定以上であればホイールスピンと判定する(特公平3
−59848号公報)。そして、ホイールスピンと判定
された車輪のスリップ率が目標スリップ率を越えた場合
には、該車輪への駆動トルクを減少させる。
【0004】また、特開平6−249009号公報に
は、車両の前後軸方向の傾斜を検出する錘式の傾斜セン
サを備えて該センサの検出信号に基づいて登坂路かを判
定して、加速スリップがあって登坂路のときには、加速
スリップ低減のためのエンジン出力トルクの低減および
又は車輪制動を平担路走行の場合より小さくするとの提
案がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発進時あるいは急加速
時に路面に対して車輪が空転することがあり、このよう
な空転は一般に、車輪の加速スリップと言われており、
車輪のスリップ率は、車体速度に対する「車体速度と車
輪周速度との差」の比で表わされる。
【0006】トラクション制御において、車輪のスリッ
プ率を、車輪のグリップ力が失なわれず操舵性が失なわ
れないような目標値に合わすように、エンジン出力トル
クを下げ、および/又は、車輪ブレ−キ圧を上げて、車
輪の回転速度を下げることが行なわれており、スリップ
率目標値は、車輪の横すべりを生じない、低い値(横力
が高い)に定められる。
【0007】しかしながら、例えば登り坂道で実質上停
止している車両が発進する場合あるいは登坂中に低速度
から加速する場合、上述の低い目標値では車輪の駆動力
が低く重力により車両が発進せず、急傾斜では後退傾向
になることがある。運転者はアクセルペダルを踏込む
が、その効果を減殺するようにトラクション制御が機能
するので、運転者のアクセルペダル操作が、トラクショ
ン制御の特性にうまく整合しない場合、車輪速度が短周
期で高低を繰返すとか車両が後退を始めるとかの、不具
合(脱調)を生じる可能性がある。操舵性および方向安
定性を確実にするために、スリップ率目標値をより低値
側に設定しているときに、このような不具合を生じる可
能性が高くなると推察する。特開平6−249009号
公報は、登坂路で加速スリップがあるときは、平担路走
行の場合よりも、加速スリップ低減のためのエンジン出
力トルクの低減および又は車輪制動を小さくすると提案
するに留まる。
【0008】登坂路において車両の発進,加速性と安定
性の両者を確保する為には、路面の傾斜にかかわらない
ブレーキ圧制御を行うことにより車両の横力を確保する
とともに、一方では、路面の傾斜に応じたエンジン出力
制御を行うことにより車両の駆動力を確保するのが望ま
しい。
【0009】本発明は、車輪速度制御の信頼性および安
定性を高くすることを第1の目的とし、登り坂道での発
進,加速の安定性を高くすることを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、駆動輪(FR,FL,RR,RL)の回転速度(Vw*
*)を検出する駆動輪速度検出手段(WS1〜WS4),車体速度
(Vso)を検出する車体速度検出手段(WS1〜WS4,ECU),こ
れが検出した車体速度(Vso)と駆動輪(FR,FL,RR,RL)の回
転速度(Vw**)に基づいて路面に対する駆動輪のスリップ
率(Sa**)を算出する手段(CPU)、および、算出されたス
リップ率(Sa**)が目標値(Se)に合致するように、駆動輪
(FR,FL,RR,RL)の加速スリップを抑制すべく駆動輪(FR,F
L,RR,RL)の回転速度を制御する制御手段(ST,ECU)、を備
える車両の加速スリップ制御装置において、水平面に対
する車両の縦傾斜(Gr)を検出する傾斜検出手段(G,CP
U);および、該傾斜検出手段(G,CPU)が検出した縦傾斜
(Gr)の度合に応じて縦傾斜が急な程大きくなるように前
記目標値(Se)を設定する目標値設定手段(CPU);を備え
ることを特徴とする。
【0011】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項
の記号等を、参考までに付記した。
【0012】これによれば、傾斜検出手段(G,CPU)が、
水平面に対する車両の縦傾斜(Gr)を検出し、目標値設定
手段(CPU)が、縦傾斜(Gr)の度合に応じてそれが急な程
大きく目標値(Se)を設定し、制御手段(ST,ECU)が、スリ
ップ率(Sa**)が目標値(Se)に合致するように、車輪速度
を制御する。
【0013】したがって登坂路の場合、発進、又は低速
での急加速で、加速スリップ傾向となるとき、車輪スリ
ップ率(Sa**)が目標値(Se)に合致するように車輪速度が
制御されるが、車輪速度の抑制は軽度で車輪駆動力の低
下は小さく、車両が円滑に発進する。あるいは円滑に加
速する。すなわち登り坂道での発進,加速の安定性が高
い。急傾斜で車両が後退する可能性や、運転者とトラク
ション制御との不整合の可能性が低減し、車輪速度制御
の信頼性および安定性が向上する。
【0014】縦傾斜(Gr)の度合に応じてスリップ率(Sa*
*)の目標値(Se)を変更するので、登坂路の程度が変わっ
ても、車輪の横力と駆動力の両者を確保でき、車両の発
進,加速性と安定性の両者を確保できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(2)傾斜検出手段(G,CPU)は、車両の前後方向に揺動
可であって車両が停止しているときはその縦傾斜に対応
した位置に移動する錘の該位置を検出する錘式の傾斜セ
ンサ(G)と、前記車体速度検出手段(WS1〜WS4,ECU)が検
出する車体速度(Vso)の加速度(Gw)を演算し該車体速度
(Vso),加速度(Gw)および前記傾斜センサが発生する錘
の位置を表わす信号(Gx)に基づいて縦傾斜角(Gr)を算出
する角度演算手段(CPU)と、を含む。
【0016】錘式の傾斜センサ(G)の錘位置は車両の加
速度(減速度を含む)に応じても変化し、仮に水平な平担
路上に車両がある場合には、錘位置は車両の加速度に対
応し、傾斜センサ(G)の信号は加速度を表わす。したが
って、登坂路,降坂路など、車両の進行方向に路面が傾
斜(縦傾斜)しているときには、傾斜センサ(G)の信号
(Gx)には、路面の縦傾斜に実質上等しい車両の縦傾斜に
対応する成分と、車両の加速度に対応する成分が同時に
含まれる。本実施形態の一実施例では、角度演算手段(C
PU)が車体速度(Vso)に基づいて車両の加速度(Gw)を算出
して、傾斜センサ(G)の信号Gxから加速度Gw対応分を
差し引いて、縦傾斜角対応成分Gx−Gwを求めて、こ
れを縦傾斜角K・(Gx−Gw)に変換し、これを時系
列でスム−ジングして、縦傾斜角信号Gr Gr=k・RGr+(1−k)・K・(Gx−Gw)・・・(1) を算出する。ここで、RGrは、所定周期で算出する場
合の、前回(1周期前)の算出値、kは0より大きく1
未満の、前回算出値に与える重み係数、(1−k)は今
回算出した縦傾斜角K・(Gx−Gw)に対する重み係数
である。
【0017】また、車両が停止しているときには、傾斜
センサ(G)の信号(Gx)は、車両の縦傾斜のみを表わすも
のであり、傾斜センサ(G)の信号(Gx)が縦傾斜を表わす
精度が高いので、車体速度(Vso)が実質上零であると、
傾斜センサ(G)の信号(Gx)をそのまま、縦傾斜角(Gr)を
表わす角度信号(Gr)に変換する(Gr=K・Gx)。
【0018】(3)目標値設定手段(CPU)は、縦傾斜(G
r)に応じてそれが第1設定値(0°)以下(水平路又は降坂
路)のときには目標値(Se)を第1目標値(0.1)に、第1設
定値(0°)より大きい第2設定値(30°)を越える(急登坂
路)ときには目標値(Se)を第1目標値(0.1)より大きい第
2目標値(0.2)に、第1設定値(0°)を越え第2設定値(3
0°)以下(緩登坂路,中登坂路)のときには目標値(Se)を
第1目標値(0.1)と第2目標値(0.2)の間の縦傾斜(Gr)対
応値に設定する。これによれば、登坂傾斜の何如にかか
わらず、車輪の横力と駆動力がバランスする。すなわち
登坂路における、発進,加速性能と進向方向の安定性と
がバランスする。
【0019】(4)前記制御手段(ST,ECU)は、駆動輪(F
R,FL,RR,RL)のスリップ率(So4)がエンジン用目標値(Se)
より大きいとき、車両のエンジンの出力を低減するエン
ジン出力制御手段(ST,ECU)と、駆動輪(FR,FL,RR,RL)の
スリップ率(Sa**)がブレーキ用目標値(So**)より大きい
とき、車輪を制動するための車輪ブレーキのブレーキ圧
を高くする車輪ブレーキ制御手段(PC,ECU)とを含み、前
記目標値設定手段(CPU)は、エンジン用目標値(Se)及び
ブレーキ用目標値(So**)の内、エンジン用目標値(Se)の
みを縦傾斜(Gr)に応じて変更する。
【0020】エンジン用目標値(Se)のみを縦傾斜(Gr)に
応じて変更するので、エンジン用目標値(Se)の変更によ
り車両の駆動力が確保され、ブレーキ用目標値(So**)の
未変更により車両の横力が確保される。その結果、車両
の発進,加速性と安全性の両者を一層確保できる。
【0021】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0022】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。エンジンE
Gはスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを備
えた内燃機関で、スロットル制御装置THにおいてはア
クセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバル
ブMTの開度が制御される。また、電子制御装置ECU
の指令に応じてサブスロットルコントロ−ラSTCが、
スロットル制御装置THのサブスロットルバルブSTを
開閉駆動する電気モ−タを駆動してその開度を指令値に
制御する。FIは燃料噴射装置である。エンジンEG
は、変速制御装置GS及びセンタディファレンシャルギ
ヤDCを介してフロントディファレンシャルギヤDF及
び、リアディファレンシャルギヤDRに連結され、そし
て4つの車輪FR,FL,RR,RLに連結されてい
る。
【0023】車輪FL,FR,RL,RRに夫々車輪ブ
レ−キのホイールシリンダWfL,Wfr,WrL,W
rrが装着されており、これらのホイールシリンダWf
L等は、ブレーキ液圧回路PCに接続されている。尚、
車輪FLは運転席からみて前方左側の車輪(前左車輪)
を示し、以下、FRは前右車輪、RLは後左車輪、RR
は後右車輪である。
【0024】車輪FL,FR,RL,RRには、車輪の
所定小角度の回転につき1パルスの電気信号を発生する
パルス発生器WS1及至WS4が結合され、これらが電
気パルスを電子制御装置ECUに与える。電子制御装置
ECUのマイクロコンピュ−タMCPは、パルス発生器
WS1が1パルスを与えると割込処理を実行して、その
ときの計時値(クロックパルスカウント値)を、WS1
宛てのパルス周期レジスタに書込んでクロックパルスの
カウントアップを再スタ−トする。これにより、WS1
宛てのパルス周期レジスタには常に、パルス発生器WS
1が発生するパルスの最新の1周期の時間を表わすデ−
タが書込まれている。マイクロコンピュ−タMCPは、
車輪FLの回転速度VwfLを演算するとき(図3のス
テップ4)には、WS1宛てのパルス周期レジスタのデ
−タが表わす値の逆数に比例係数を乗じて、回転速度V
wfLを算出する。パルス発生器WS2〜WS4が発生
するパルスに対しても同様な割込処理を実行し、同様
に、車輪FR,RL,RRの回転速度Vwfr,Vwr
L,Vwrrを算出する。
【0025】上述のパルス発生器WS1〜WS4の他、
車体の縦傾斜角を検出するための傾斜センサG,ブレー
キペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレーキス
イッチBS等が、電子制御装置ECUに接続されてい
る。
【0026】傾斜センサGは、車両の前後方向に揺動可
であって車両が停止しているときはその縦傾斜に対応し
た位置に移動する錘の該位置を検出する錘式の傾斜セン
サである。この傾斜センサGの信号Gxは、上記(2)
項で説明したように、車両の加速度に応じても変化す
る。電子制御装置ECUのマイクロコンピュ−タMCP
の中のCPUは、車体速度Vsoが実質上零のときには、
縦傾斜角Grを、 Gr=K・Gx ・・・(2) と算出するが(図4のステップ74)、車体速度Vsoが
車両進行と見なしうる速度のときには、上記(1)式に従
って縦傾斜角Grを算出する(図4のステップ72,7
3,75)。
【0027】電子制御装置ECUは、図1に示すよう
に、バスを介して相互に接続されたマイクロプロセッサ
CPU,メモリROM,RAM,入力ポートIPT及び
出力ポートOPT等から成るマイクロコンピュータMC
Pを備えている。
【0028】パルス発生器WS1及至WS4,ブレーキ
スイッチBS,傾斜センサG等の出力信号Gxは、増幅
回路AMPを介して夫々入力ポートIPTからマイクロ
プロセッサCPUのA/D変換ポ−トに与えられ、CP
Uはこれらの出力信号のレベルをデジタルデ−タに変換
して読込む。CPUはその出力ポートOPTからブレ−
キ液圧回路PCに対する制御信号を駆動回路ACT(1
2個のバルブドライバと1個のモ−タドライバの全体を
示す)に与え、またスロットル制御装置THに対する制
御信号を、スロットル制御装置THのメインスロットル
MTを開閉駆動する電気モ−タに宛てたモ−タドライバ
に与える。
【0029】マイクロコンピュータCMPのROMに
は、後述する種々の処理を実行する制御プログラムおよ
び固定定数等のデ−タが格納されており、マイクロプロ
セッサCPUは、図示しないイグニッションスイッチが
閉成され、これにより図示しない電源回路が動作電圧を
与える間該プログラムを実行する。RAMは、ROMか
ら読出したプログラム,ROMに格納されているデ−
タ,入力ポ−トを介して読込んだデ−タならびにCPU
が生成したデ−タを一時的に記憶する。
【0030】図2に、ブレーキ液圧回路PCの構成を示
す。ブレーキペダルBPが踏込まれるとブースタHBが
踏込圧に実質上比例する圧力を発生して、この圧力でマ
スタシリンダMCのピストンを駆動する。補助液圧源A
PCは、液圧ポンプHP及びアキュレムレータAccを
有する。アキュムレータAccと低圧リザーバRSとの
間にはリリーフバルブRVが介装されている。液圧ポン
プHPは、電気モータMによって駆動され、低圧リザー
バRSのブレーキ液を吸引し加圧して逆止弁CV6を介
してアキュレムレータAccに与える。CPUは、アキ
ュムレ−タAcc又はその給圧ラインの圧力を検出す
る、図示しない圧力検出スイッチのオン(低圧)/オフ
(高圧)を監視して、それがオフからオンになるとドラ
イバACTを介して電気モータMを駆動する。これによ
りアキュムレ−タAccの液圧が上昇する。圧力検出ス
イッチがオンからオフに転ずると、CPUは電気モ−タ
Mの駆動を停止する。CPUのこの駆動制御により、ア
キュムレ−タAccの液圧は、常時所定範囲内に維持さ
れる。
【0031】液圧ブースタHBは、補助液圧源APCの
出力液圧(アキュムレ−タAccの液圧)をソ−ス圧と
して、ブレ−キペダルBPの踏込圧(制御圧)に比例し
た出力圧を発生し、これによってマスタシリンダMCが
倍力駆動される。
【0032】マスタシリンダMCと前輪ホイールシリン
ダWfr,WfLの各々を接続する前輪側の液圧回路に
は、電磁切換弁SA1及びSA2が介装されており、こ
れらは制御圧ラインPfr及びPfLを介して夫々電磁
開閉弁PC1,PC5及び電磁開閉弁PC2,PC6に
接続されている。また、液圧ブースタHBとホイールシ
リンダWfr等の各々を接続する液圧路には、電磁開閉
弁SA3,給排制御用の電磁開閉弁PC1及至PC8が
介挿されており、後輪側には比例減圧弁PVが介装され
ている。そして、電磁開閉弁STRを介して補助液圧源
APCの液圧が電磁開閉弁SA3の下流側に印加され
る。
【0033】前輪側液圧系において、電磁開閉弁PC1
及びPC2は、電磁開閉弁STRに接続されている。電
磁開閉弁STRは2ポート2位置の電磁開閉弁であり、
その電気コイルに通電がない非作動(オフ)時は弁閉
(遮断)で、その電気コイルに通電がある作動(オン)
時は弁開(通流)であって電磁開閉弁PC1及びPC2
がアキュムレータAccに連通する。
【0034】電磁切換弁SA1及び電磁切換弁SA2
は、3ポート2位置の電磁切換弁で、その電気コイルに
通電がない非作動(オフ)時は、図2に示す第1位置に
あって前輪ホイールシリンダWfr,WfLは何れもマ
スタシリンダMCに連通しているが、電気コイルに通電
がある作動(オン)時は、第2位置に切換わって、ホイ
ールシリンダWfr,WfLは何れもマスタシリンダM
Cから遮断され、代りに夫々電磁開閉弁PC1及びPC
5,電磁開閉弁PC2及びPC6と連通する。
【0035】これら電磁開閉弁PC1及びPC2に対し
て並列に逆止弁CV1及びCV2が接続されており、逆
止弁CV1の流入側が制御圧ラインPfrに、逆止弁C
V2の流入側が制御圧ラインPfLに夫々接続されてい
る。逆止弁CV1は、電磁切換弁SA1がオン(第2位
置)である場合において、ブレーキペダルBPが開放さ
れたときには、前右車輪のホイールシリンダWfrのブ
レーキ液圧を液圧ブースタHBの出力液圧の低下に迅速
に追従させるために設けられたもので、液圧ブースタH
B方向へのブレーキ液の流れは許容されるが逆方向の流
れは阻止される。逆止弁CV2は、前左車輪のホイール
シリンダWfLについて、同様に逆流阻止を行なう。
【0036】後輪側液圧系の電磁開閉弁SA3は、2ポ
ート2位置の電磁開閉弁で、その電気コイルに通電がな
い非作動(オフ)時には、図2に示す弁開(通流)であ
って、電磁開閉弁PC3,PC4は比例減圧弁PVを介
して液圧ブースタHBと連通する。このとき、電磁開閉
弁STRは図2に示すようにオフ(弁閉)とされ、比例
減圧弁PVはアキュムレータAccとの連通が遮断され
ている。電磁開閉弁SA3が、オンとなって弁閉(遮
断)になると、電磁開閉弁PC3,PC4は液圧ブース
タHBとの連通が遮断され、比例減圧弁PVを介して電
磁開閉弁STRに接続され、この電磁開閉弁STRがオ
ン(通流)になったときにアキュムレータAccと連通
する。
【0037】また、電磁開閉弁PC3及びPC4に対し
て並列に逆止弁CV3及びCV4が接続されており、逆
止弁CV3の流入側がホイールシリンダWrrに、逆止
弁CV4の流入側がホシールシリンダWrLに夫々接続
されている。これらの逆止弁CV3,CV4は、ブレー
キペダルBPが開放されたときには、ホイールシリンダ
Wrr,WrLのブレーキ液圧を液圧ブースタHBの出
力液圧の低下に迅速に追従させるために設けられたもの
で、電磁開閉弁SA3方向へのブレーキ液の流れを許し
逆方向の流れは阻止する。更に、逆止弁CV5が電磁開
閉弁SA3に並列に設けられており、電磁開閉弁SA3
がオン(遮断)のときにも、ブレーキペダルBPによる
踏み増し(車輪ブレ−キ圧の増圧)が可能である。
【0038】上記電磁切換弁SA1,SA2及び電磁開
閉弁SA3,STR並びに電磁開閉弁PC1及至PC8
は、前述の電子制御装置ECUによってオン/オフ制御
される。例えば、ブレーキペダルBPが操作されていな
い状態で行なわれる制動操舵制御(車輪ブレ−キ圧配分
制御)時には、液圧ブースタHB及びマスタシリンダM
Cからはブレーキ液圧が出力されないので、電磁切換弁
SA1,SA2がオン(第2位置)とされ、電磁開閉弁
SA3がオン(遮断)され、そして電磁開閉弁STRが
オン(通流)とされる。これにより、補助液圧源APC
のアキュムレ−タAccの液圧が、電磁開閉弁STR並
びに通流状態の電磁開閉弁PC1及至PC8を介してホ
イールシリンダWfr等に供給され得る状態となる。而
して、電磁開閉弁PC1及至PC8を、繰返してオフ/
オンし、この繰返しのオフデュ−ティ(オフ/オン一周
期に対するオフ時間の比)を変更することにより、急増
圧,パルス増圧(緩増圧),ホ−ルド(保持),パルス
減圧(緩減圧),急減圧等を行なうことができる。
【0039】例えば、前右車輪Wfrの車輪ブレ−キ圧
を制御するための電磁開閉弁PC1とPC5に関して説
明すれば、PC1オフ(通流)&PC5オフ(遮断)の
状態では前右車輪Wfrの車輪ブレ−キ圧が増圧とな
る。ここで、前述のオフ/オン一周期に対するオフデュ
−ティを100%とすると、これは連続してオフを保持
する状態であり、これが展形的な急増圧である。オフデ
ュ−ティを0%とすると、これは連続してオンを保持す
る状態であり、オンではPC1オン(遮断)&PC5オ
ン(通流)であって前右車輪Wfrの車輪ブレ−キ圧が
PC5を通してリザ−バRSに抜けるので、これが展形
的な急減圧である。すなわち展形的なオフデュ−ティ1
00%の急増圧とオフデュ−ティ0%(=オンデュ−テ
ィ100%)の急減圧を想定すると、単純には、オフデ
ュ−ティが50%以上100%未満がパルス増圧(緩増
圧),50%未満0%超がパルス減圧(緩減圧)という
ことになり、PC1オン(遮断)&PC5オフ(遮断)
がホ−ルドである。
【0040】しかしながら本実施例では、急増圧,パル
ス増圧(緩増圧),パルス減圧(緩減圧)および急減圧
のそれぞれに一対一に基準オフデュ−ティを定めてお
り、車輪ブレ−キ圧制御中はCPUが、急増圧要,パル
ス増圧(緩増圧)要,ホ−ルド(保持)要,パルス減圧
(緩減圧)要又は急減圧要と、1つのモ−ドを決定し、
要としたモ−ドに宛てられている基準オフデュ−ティ
(1値)を、更に細かく補正することにより、オフデュ
−ティを最終的に定めて、このオフデュ−ティに従っ
て、急増圧要又はパルス増圧要のときには増圧用の電磁
開閉弁PC1をオフ/オン制御し減圧用の電磁開閉弁P
C5は連続オフ(遮断)とし、急減圧要又はパルス減圧
要のときには増圧用の電磁開閉弁PC1は連続オン(遮
断)として減圧用の電磁開閉弁PC5をオフ/オン制御
する。ホ−ルド要のときには電磁開閉弁PC1を連続オ
ン(遮断)および電磁開閉弁PC5は連続オフ(遮断)
とする。前左車輪のホイ−ルシリンダの増圧用の電磁開
閉弁PC2と減圧用の電磁開閉弁PC6,後右車輪のホ
イ−ルシリンダの増圧用の電磁開閉弁PC3と減圧用の
電磁開閉弁PC7、および、後左車輪のホイ−ルシリン
ダの増圧用の電磁開閉弁PC4と減圧用の電磁開閉弁P
C8についても、CPUは同様なオフ/オン制御を行な
う。
【0041】図3に、図1に示すROMに格納された制
御プログラムに従ったマイクロプロセッサCPUの、車
輪速度制御動作を示す。電源が投入され、CPUに所定
の動作電圧が印加されるとCPUは、内部レジスタ(メ
モリの記憶領域),カウンタを初期値に設定し、入,出
力ポ−トを待機時の電位に設定する。そして、パルス発
生器WS1〜WS4が発生した各パルスの周期を計測す
るためのパルス割込処理を許可する(ステップ1)。
【0042】次にCPUは、タイマTs(本実施例にお
いては周期6msec)をスタートし(ステップ2)、パル
ス割込処理によって計測したパルス周期を格納している
WS1〜WS4それぞれ宛てのパルス周期レジスタのデ
−タを入力レジスタに書込み、傾斜センサGの傾斜信号
Gxを、デジタル変換して入力レジスタに書込む(ステ
ップ3)。
【0043】次に、WS1〜WS4それぞれ宛てのパル
ス周期デ−タに基づいて、各車輪の車輪速度Vw**(**
は車輪FL,FR,RL,RRを代表して表す。以下同様)を算出
し、車輪速度レジスタにセーブし、また前回算出した車
輪速度と今回算出した車輪速度に基づいて車輪加速度D
Vw**を算出して車輪加速度レジスタにセ−ブする(ス
テップ4)。
【0044】そして、車輪速度レジスタの各車輪速度V
w**の中の最低速度のものを、車体の重心位置の、車体
進行方向の速度すなわち車体速度Vsoと決定(推定)し
て車体速度レジスタVsoに書込み、前回算出した車体速
度と今回算出した車体速度に基づいて車体加速度DVso
を算出して車体加速度レジスタに書込む(ステップ5
a)。
【0045】次にCPUは、車体速度Vsoに設定値KV
o(本実施例においては5km/h)を加算して制御基準速度V
TSを算出し(ステップ5b)、ステップ5cに進む。C
PUは、ステップ5c中のサブルーチンステップ5c1
おいて、各車輪の車輪速度Vw**の、制御基準速度VTS
からの偏差を算出し、算出した偏差が第1設定値KV1
(本実施例においては2km/h)以上であるかをチェックす
る。そしてKV1以上であればステップ5c3に進ん
で、TRC(トラクションコントロール)を開始して状
態レジスタFtrcに、TRC開始を示す1を書込んでス
テップ5dに進む。しかし、ステップ5c1おいて、各
車輪の車輪速度Vw**の、制御基準速度VTSからの偏差
が第1設定値KV1未満であったときには、ステップ5
c2に進んで、さらに該偏差を第1設定値KV1より小
さな値である第2設定値KV2(本実施例においては0km
/h)と比較する。そして、第2設定値KV2にも満たな
ければ(負値であれば)ステップ5c4に進んでTRC
制御を終了して状態レジスタFtrcをクリアする。すな
わち状態レジスタFtrcのデ−タをTRC終了を示す0
とする。ステップ5c2において、各車輪の車輪速度偏
差が第2設定値KV2以上であれば、CPUは現状維持
として(状態レジスタFtrcのデ−タを変更することな
く)、ステップ5dに進む。
【0046】ステップ5dでは、CPUは状態レジスタ
Ftrcのデ−タを参照し、それが1であれば、TRC制
御要であるのでステップ6aに進み、0であれば、TR
C制御不要であるのでステップ11に進む。
【0047】ステップ6aに進むと、各車輪のスリップ
率Sa**を算出(推定)する。ここでは、各車輪の車輪速
度Vw**と各輪部の推定車体速度Vso**)に基づき各車
輪のスリップ率Sa**を、 Sa**=(Vw**−Vso)/Vw** ・・・(3) と算出する。この演算式によれば、車体速度Vsoに対し
て車輪回転速度(周速度)Vw**が高い加速スリップのと
きには、車輪スリップ率Sa**は正値となり、車体速度
Vsoより車輪速度Vw**が低い減速スリップのときには
車輪スリップ率Sa**は負値となる。
【0048】続いて、車両の運転状態および走行状態に
応じた、トラクション制御,アンチスキッド制御および
制動力配分制御を行なう従来の車輪速度制御のアルゴリ
ズムに従って、ブレーキ圧制御用の各輪の目標スリップ
率So**を決定する(ステップ6b)。
【0049】次にCPUは、ステップ3において読み込
んだ傾斜信号Gxのデジタルデ−タGx及び、ステップ
5において算出した車体速度Vsoから、車体の傾斜角す
なわち走行路面の傾斜角度Grを算出する(ステップ
7)。
【0050】図4に、傾斜角度Gr算出のサブルーチン
を示す。ここでCPUは、車体速度Vsoが0であるか
(車両が停止しているか)を判定する(71)。車体速
度Vsoが0あるいはその前後の所定許容範囲内であれ
ば、車両は停止している(傾斜信号Gxに車体加速度成
分が含まれない)としてステップ72にて、傾斜センサ
Gが出力する検出信号Gxのデジタルデ−タが表わす値
に変換係数Kを乗算することにより、角度単位の傾斜角
度デ−タGrを算出する。そしてCPUは、傾斜角度G
rを傾斜量レジスタRGrに格納する(ステップ7
3)。
【0051】ステップ71において車体速度Vsoが0を
含む前後の所定許容範囲内になければ、CPUは、車両
は進行している(傾斜信号Gxに車体加速度成分が含ま
れる)としてステップ74に進んで、先に算出した車体
加速度DVsoを、車体加速度Gwとする(ステップ7
4)。次に、傾斜角度Grを、 Gr=k・RGr+(1−k)・K・(Gx−Gw) ・・・(1) により算出し(ステップ75)、傾斜角レジスタRGr
に今回算出した傾斜角度Grを書込む(ステップ7
3)。ここで、Gx−Gwは、傾斜センサGの検出信号G
xに含まれる車体の縦傾斜角Grに対応する成分、RGr
は傾斜角レジスタRGrの、前回(Ts前)算出した傾斜角
デ−タが表わす値、kは、0<k<1なる重み係数であ
り、上記(1)式は、前回算出値に重みkを与え、今回算
出した傾斜角K・(Gx−Gw)に重み1−kを与えて重
み付け平均した値を、最終的な傾斜角算出値Grとする
ことを意味する。これは、傾斜角算出値の時系列のスム
−ジングである。
【0052】再び図3を参照されたい。傾斜角Grを算
出するとCPUは、ブレーキ圧制御用の目標スリップ率
So**と同様に、車両の運転状態および走行状態に応じ
たトラクション制御のアルゴリズムに従って、エンジン
制御用の目標スリップ率Stを算出し、そして、それに
傾斜角Gr対応の補正を加えて、エンジン制御用の目標
スリップ率Seを決定する(ステップ8a)。これにお
いて、傾斜角Grが0°以下(水平道路又は下り坂
路)、および又は、4輪駆動用低速ギヤ(図示せず)が
Loレンジ以外のときには、Se=Stと決定し、傾斜
角Grが0°を越える(登坂路)ときには、傾斜角Gr
が30°未満であると、Si=(1/30)・Gr+0.1 傾斜角Grが30°以上であると、Si=0.2、と算出し
て、SiとStとを比較して、大きい方の値MAX(S
t,Si)をエンジン制御用の目標スリップ率Seに定め
る。すなわち、水平路又は下り坂路のとき,及び又は4
輪駆動用低速ギヤ(図示せず)がLoレンジ以外のとき
には、従来のトラクション制御のアルゴリズムに従って
算出したエンジン制御用の目標スリップ率Stを、その
ままエンジン制御用の目標スリップ率Seに定めるが、
登坂路のときには、従来のトラクション制御のアルゴリ
ズムに従って算出した目標スリップ率Stと、登坂路発
進,加速の駆動力を損なわないように上述のように算出
する比較的に大きい値のスリップ率Siとを比較して、
大きい方をエンジン制御用の目標スリップ率Seに定め
る。
【0053】次にステップ8bにおいて、CPUは、各
車輪のスリップ率Sa**の平均スリップ率Sa4を、 Sa4=k(SaFR+SaFL)+(1−k)(SaRR+
SaRL) (但しkは、0<k<1なる重み係数である)により算
出する。次いでステップ9において、平均スリップ率S
a4がエンジン制御用の目標スリップ率Seを越えるか
をチェックして、越えていると越える分に対応するサブ
スロットルバルブST閉じ量を算出し、開度レジスタに
セ−ブしているサブスロットル開度を参照して、算出し
た閉じ量のスロットル操作が可能であれば、算出した閉
じ量をサブスロットルコントロ−ラSTCに与える。算
出した閉じ量のスロットル操作が不可能であれば、可能
な閉じ量をサブスロットルコントロ−ラSTCに与え
る。そして開度レジスタにセ−ブしているサブスロット
ル開度を、コントロ−ラSTCに与えた閉じ量分小さい
値に更新し、与えた閉じ量に対応する値分平均スリップ
率Sa4を小さくした値の、平均スリップ率Sa4に対す
る比を各輪スリップ率Sa**に乗算した値に、各輪スリ
ップ率Sa**を更新する。なお、コントロ−ラSTC
は、CPUから通信があるとき、サブスロットルバルブ
STの現開度をCPUに送信し、そしてCPUから受信
した閉じ量分、サブスロットルバルブSTを閉じ駆動す
る。
【0054】上述のステップ9の処理により、加速スリ
ップがあってそれが設定値より大きいとき、サブスロッ
トルバルブSTが閉じられ、エンジンEGの出力トルク
が低下し車輪駆動力が低下して車輪速度Vw**が低下す
る。すなわち車輪スリップ率が下がる。
【0055】CPUは次に、ステップ10で、各輪のス
リップ率Sa**の偏差ΔS**、 ΔS**=Sa**−So** ・・・(4) を算出し、車体加速度Vsoに対する各輪の加速度偏差Δ
DVw**、 ΔDVw**=DVw**−DVso ・・・(5) を算出して、図5に示す制御マップに従って液圧制御モ
−ドを、急増圧,緩増圧,ホ−ルド,緩減圧又は急減圧
と決定する。そして決定した液圧制御モ−ドで、ホィ−
ルシリンダW**のブレ−キ圧を制御する。すなわち、Δ
S**,ΔDVw**の値に対応するオフデュ−ティのPW
M信号を、ホイールシリンダW**に接続されているブレ
ーキ液圧回路PCの電磁開閉弁PC1〜PC8にそれぞ
れ出力する。
【0056】そして、図5に示すように、ΔS**が正お
よびΔDVw**が正の領域では、それらの値が小さいと
保持(ホ−ルド)であってホィ−ルシリンダの増圧は行
なわれないが、それらの値がやや大きいとホィ−ルシリ
ンダのパルス増圧(緩増圧)が行なわれ、それらの値が
共に大きいときに急増圧が行なわれる。
【0057】CPUは次のステップ11において、タイ
マTsがオーバするまで待機し、タイマTsがオーバす
ると再びステップ2に戻り、以下ステップ2〜11の処
理を、Ts周期で繰り返し実行する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1に示すブレ−キ液圧回路PCの構成を示
すブロック図である。
【図3】 図1に示すマイクロコンピュ−タMCPのC
PUが行なう車輪速度制御動作を示すフロ−チャ−トで
ある。
【図4】 図3に示すステップ7の「傾斜角度Gr算
出」の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図5】 図1に示すCPUが算出する車輪スリップ率
偏差ΔS**および車輪加速度偏差ΔDVw**と、それら
の値に従って決定される車輪ブレ−キ圧制御モ−ドとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
FR:前右車輪 FL:前左車輪 RR:後右車輪 RL:後左車輪 Wfr,WfL,Wrr,WrL:ホイ−ルシリンダ WS1〜WS4:パルス発生器 BP:ブレ−キ
ペダル BS:ブレ−キスイッチ PC:ブレ−キ
液圧回路 EG:エンジン GS:変速制御
装置 DS:ディファレンシャルギア TH:スロット
ル制御装置 MT:メインスロットルバルブ ST:サブスロ
ットルバルブ STC:サブスロットルコントロ−ラ FI:燃料噴射
装置 AP:アクセルペダル G:傾斜センサ ECU:電子制御装置 MCP:マイク
ロコンピュ−タ APC:補助液圧源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪の回転速度を検出する駆動輪速度検
    出手段,車体速度を検出する車体速度検出手段,これが
    検出した車体速度と駆動輪の回転速度に基づいて路面に
    対する駆動輪のスリップ率を算出する手段、および、算
    出されたスリップ率が目標値に合致するように、駆動輪
    の加速スリップを抑制すべく駆動輪の回転速度を制御す
    る制御手段、を備える車両の加速スリップ制御装置にお
    いて、 水平面に対する車両の縦傾斜を検出する傾斜検出手段;
    および、 該傾斜検出手段が検出した縦傾斜の度合に応じて縦傾斜
    が急な程大きくなるように前記目標値を設定する目標値
    設定手段;を備えることを特徴とする車両の加速スリッ
    プ制御装置。
  2. 【請求項2】傾斜検出手段は、車両の前後方向に揺動可
    であって車両が停止しているときはその縦傾斜に対応し
    た位置に移動する錘の該位置を検出する錘式の傾斜セン
    サと、前記車体速度演算手段が算出する車体速度の加速
    度を演算し該車体速度,加速度および前記傾斜センサが
    発生する錘の位置を表わす信号に基づいて縦傾斜角を算
    出する角度演算手段と、を含む、請求項1記載の車両の
    加速スリップ制御装置。
  3. 【請求項3】目標値設定手段は、縦傾斜に応じてそれが
    第1設定値以下のときには目標値を第1目標値に、第1
    設定値より大きい第2設定値を越えるときには目標値を
    第1目標値より大きい第2目標値に、第1設定値を越え
    第2設定値以下のときには目標値を第1目標値と第2目
    標値の間の縦傾斜対応値に設定する、請求項1又は請求
    項2記載の車両の加速スリップ制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、駆動輪のスリップ率がエ
    ンジン用目標値より大きいとき、車両のエンジンの出力
    を低減するエンジン出力制御手段と、駆動輪のスリップ
    率がブレーキ用目標値より大きいとき、車輪を制動する
    ための車輪ブレーキのブレーキ圧を高くする車輪ブレー
    キ制御手段とを含み、 前記目標値設定手段は、エンジン用目標値及びブレーキ
    用目標値の内エンジン用目標値のみを縦傾斜に応じて変
    更する、請求項1,請求項2又は請求項3記載の車両の
    加速スリップ制御装置。
JP351397A 1997-01-13 1997-01-13 車両の加速スリップ制御装置 Pending JPH10194107A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020037159A (ko) * 2000-11-13 2002-05-18 밍 루 차량용 트랙션 제어방법
CN114938644A (zh) * 2020-01-15 2022-08-23 沃尔沃卡车集团 用于使重型车辆运动的方法

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KR20020037159A (ko) * 2000-11-13 2002-05-18 밍 루 차량용 트랙션 제어방법
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