JPH10193580A - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ドラム外周面から剥離された印字媒体を迅速か
つ確実に排出搬送することができ，かつインク乾燥を促
進することができるようにする。 【解決手段】一定の周速度で回転可能なドラム１０の外
周面１１に印字媒体を保持させる媒体保持手段２０と、
ドラム外周面１１に保持された印字媒体の表面にインク
を吹付けて印字可能な印字部（２００）と、ドラムの外
周面１１に保持された印字媒体を剥離する剥離手段１４
０と、剥離された印字媒体の進行方向に沿って対向配設
された主送り手段（１６１）と補助送り手段（１６５）
とを有し当該両送り手段間に挿入された印字媒体を排出
搬送する媒体排出搬送手段１６０とを備え、ドラム外周
面１１から剥離された印字媒体部分の表面に沿って印字
媒体進行方向に気流を発生させる気流発生手段３０を設
けた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転中のドラムに
保持された印字媒体にインクを吹付けて印字後印字媒体
を排出搬送可能なインクジェットプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】各色用ノズルユニットを行方向の全長に
渡って往復移動させかつその各往動中に印字して１行印
字をし、１行印字後に印字媒体（普通紙，ＯＨＰ用紙
等）Ｍを列方向に１行送りしてこれらを繰り返すいわゆ
るシリアル型のインクジェットプリンタに比較して大幅
な印字高速化を図れかつ多数枚に渡って連続印字運転可
能であるとともに、いわゆるレーザプリンタに比較して
大幅な小型化を図れるインクジェットプリンタが本出願
人から提案（例えば、特願平８−２９６９５９号）され
ている。

【０００３】すなわち、図３において、ドラム１０は一
定の周速度で回転可能でありかつその外周面１１に印字
媒体Ｍを保持可能である。このドラム１０の回転（Ｙ）
方向には各色用ノズルユニット（印字部）２００が配設
されている。

【０００４】したがって、行方向（紙面に垂直方向）の
全長に一体型の各色用ノズルユニット２００あるいは行
方向に複数のノズルユニット要素を並べた一体的な各色
用ノズルユニット２００を、例えばインクジェットノズ
ル間ピッチ分だけ往復移動させつつ回転中の印字媒体Ｍ
に各色用インクジェットノズル２０７からインクを吹付
けて行方向印字させるとともに、インクジェットノズル
間ピッチの往動中にドラム１０の回転を利用しつつ列方
向印字させることができる。つまり、行方向印字と列方
向印字とを同時的に進行可能であるから大幅な印字高速
化を図れる。

【０００５】また、各色用ノズルユニット２００と当該
各色用インクタンク（図示省略）が離れた位置に配設さ
れているので、各色用ノズルユニット２００を軽くでき
行方向の往復移動速度をより大幅に高められる点も一層
の印字高速化を助長するとともに、各色用インクタンク
の容量を大幅に拡大できるので、例えば５００枚以上の
連続印字運転ができるわけである。

【０００６】これらを実現化するために、ドラム１０の
一方（図で右）側には給送手段６０と媒体供給手段９０
とが設けられ、他方（左）側には媒体剥離手段１４０と
媒体排出搬送手段１６０と方向切換手段１９０とが設け
られている。また、ドラム１０およびその周辺には、印
字媒体Ｍを保持可能な媒体保持手段２０（負圧吸引部１
３，挟持爪１４，帯電手段５１等）が設けられている。

【０００７】給送手段６０は、カセット給送手段７１お
よび手差給送手段６１のいずれか一方から選択的に１枚
ずつ印字媒体Ｍを給送できる。媒体供給手段９０は、給
送されて来た印字媒体Ｍを供給ローラ（９１，９２）で
姿勢修正した後に所定のタイミングでドラム１０側へ給
送する。

【０００８】ドラム１０に送られてきた印字媒体Ｍは、
媒体保持手段２０によってドラム外周面１１に保持され
る。ドラム外周面１１に吸着保持された印字媒体Ｍに、
各色用ノズルユニット２００のインクジェットノズル２
０７からインクが吹付けられて、文字や画像等が印字さ
れる。

【０００９】媒体剥離手段１４０は、剥離爪１４１を用
いて印字後印字媒体Ｍをドラム１０から剥離する。媒体
排出搬送手段１６０は、ドラム外周面１１から剥離され
た印字媒体Ｍ部分の進行方向に沿って対向配設された主
送り手段（搬送ベルトコンベア１６１）と補助送り手段
（押圧ベルトコンベア１６５）とを有し、当該両送り手
段（１６１，１６５）間に挿入された印字媒体Ｍを図３
で左方向に排出搬送する。そして、印字媒体Ｍは、方向
変換手段１９０によって排出トレイ１９２および上部排
出トレイ１９３のいずれかに振り分けられる。

【００１０】かくして、印字媒体Ｍの給送，供給，保
持，印字，剥離，排出搬送を連続して行えるから、１分
間に例えば２０枚以上のＡ４サイズについて多色カラー
印字することができる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先提案
のインクジェットプリンタにおいて多数枚の印字媒体Ｍ
を連続して高速印字できるようにするには、印字媒体Ｍ
を高速回転中のドラム外周面１１に迅速かつ確実に保持
可能とすることはもとより必要であるが、ドラム外周面
１１から剥離した印字媒体Ｍの排出搬送の高速化も必要
である。

【００１２】ここにおいて、印字媒体Ｍの排出搬送の高
速化を図るには、高速で回転中のドラム１０から剥離さ
れた印字媒体Ｍの先端部を確実に主送り手段（１６１）
と補助送り手段（１６５）との間に挿入できるようにす
ることが必要である。また、印字媒体Ｍがトレイ（１９
２，１９３）上に排出された場合に既に収容されている
他の印字媒体にインクを付着させないように、印字媒体
Ｍの表面上に吹付けられインク画像の乾燥を促進する必
要がある。

【００１３】本発明の目的は、ドラム外周面から剥離さ
れた印字媒体を迅速かつ確実に主送り手段と補助送り手
段との間に挿入して排出搬送することができ，かつイン
ク乾燥を促進することができるインクジェットプリンタ
を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、一定
の周速度で回転可能なドラムと、ドラムの外周面に印字
媒体を保持させる媒体保持手段と、ドラム外周面に保持
された印字媒体の表面にインクを吹付けて印字可能な印
字部と、ドラムの外周面に保持された印字媒体を剥離す
る剥離手段と、剥離された印字媒体の進行方向に沿って
対向配設された主送り手段と補助送り手段とを有し当該
両送り手段間に挿入された印字媒体を排出搬送する媒体
排出搬送手段とを備え、ドラム外周面から剥離された印
字媒体表面に沿って印字媒体進行方向に気流を発生させ
る気流発生手段を設けたことを特徴とする。

【００１５】かかる発明では、剥離手段によってドラム
外周面から剥離された印字媒体部分は、ドラムの回転に
伴い媒体排出搬送手段（主送り手段，補助送り手段）へ
向けて送り出される。この際、上記印字媒体部分は、ド
ラムと同一周速度で回転していた状態から急激に解放さ
れて異なる方向に進行されることになるとともに、その
裏面側から風を受けるなどするために振動しようとす
る。

【００１６】しかし、剥離された印字媒体表面に沿って
印字媒体進行方向に気流が流動しているので、該気流に
よって振動の発生は阻止される。あるいは、仮に印字媒
体が振動しても直ちに抑えられる。そのため、印字媒体
を姿勢安定化させて確実に主送り手段と補助送り手段と
の間に挿入できる。したがって、印字媒体を、ジャム等
を発生させることなく迅速かつ確実に排出搬送できる。
また、気流によって印字媒体の表面に印字されたインク
画像の乾燥を促進できる。

【００１７】請求項２の発明は、前記気流発生手段が、
外気を取入れてプリンタ本体内部を冷却する送気ファン
および／または内気をプリンタ本体外部へ排出可能な排
気ファンから形成されているインクジェットプリンタで
ある。

【００１８】かかる発明では、送気ファンおよび／また
は排気ファンで気流を発生するので、構成部品の共用化
を図って部品点数を減少することができる。したがっ
て、請求項１の発明の場合と同様な作用効果を奏し得る
他、構成の簡素化およびコスト低減を図ることができ
る。

【００１９】請求項３の発明は、前記気流発生手段によ
って発生された気流を加熱する加熱手段を設けたことを
特徴とする。

【００２０】かかる発明では、印字媒体の表面に沿って
流動する気流は加熱手段によって暖められているので、
請求項１および請求項２の発明の場合と同様な作用効果
を奏し得る他、印字媒体上に印字されたインク画像の乾
燥を一段と促進することができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。本インクジェットプリンタは、図１
および図２に示す如く、全体的かつ基本構造が先提案イ
ンクジェットプリンタ（図３）の場合と同様に形成され
ており、かつ気流発生手段３０を設け、ドラム１０の外
周面１１から剥離された印字媒体Ｍ表面に沿って気流
（ＡＲ）を発生させて当該印字媒体Ｍを媒体排出搬送手
段１６０の主送り手段（１６１）と補助送り手段（１６
５）との間に確実に挿入して排出搬送可能に構成されて
いる。

【００２２】なお、先提案インクジェットプリンタの場
合と共通する部分については、それらの説明を簡略化ま
たは省略する。

【００２３】まず、媒体保持手段２０は、媒体供給手段
９０（一方供給ローラ９１，他方供給ローラ９２，ガイ
ド９３）で供給された印字媒体Ｍの先端を、ドラム外周
面１１に負圧吸引部１３で吸引保持するとともに挟持爪
１４で挟持可能、かつその後に外周面１１に接離可能と
された帯電手段５１による電荷吸着力で保持可能に形成
されている。

【００２４】回転中には、補充用帯電手段５３で電荷が
補充され、電荷吸着力を一定に維持する。媒体剥離手段
１４０によるドラム外周面１１からの剥離に際しては、
それに先立って除電手段５５が電荷吸着力を除去する。

【００２５】媒体排出搬送手段１６０を形成する搬送ベ
ルトコンベア１６１は、図１に示す如く、印字媒体排出
搬送方向に沿って対向配設されたプーリー（１６３，１
６４）と、両プーリー（１６３，１６４）に掛け渡され
印字済印字媒体Ｍの非印字面に接触するベルト１６２
と，少くともいずれか一方のプーリーを回転駆動するモ
ータ等とから形成されている。

【００２６】また、媒体排出搬送手段１６０を形成する
押圧ベルトコンベア１６５は、印字済印字媒体Ｍが搬送
ベルトコンベア１６１から浮き上がるのを防止するもの
で、プーリー（１６７，１６８）およびベルト１６６等
から形成されている。なお、押圧ベルトコンベア１６５
は、いわゆる拍車形状のローラ等から形成してもよい。

【００２７】気流発生手段３０は、媒体剥離手段１４０
によってドラム外周面１１から剥離された印字媒体Ｍ表
面に沿って印字媒体進行方向に気流（ＡＲ）を発生可能
に形成されている。

【００２８】具体的には、気流発生手段３０は、部品の
共用化を図って構成の簡素化およびコスト低減を図るた
めに、プリンタ本体１内部を冷却する送気ファン３２お
よび／または内気をプリンタ本体１外部へ排出可能な排
気ファン３３から形成されている。

【００２９】送気ファン３２は、図１に示す如く、ドラ
ム１０および媒体剥離手段１４０よりも図中右側に設け
られており、本体ケース１に設けられた外気取入部５を
通して外気を取入れてドラム１０の上部から媒体排出搬
送手段１６０に向けて流動する空気の流れを発生可能に
形成されている。もとより送気ファン３２によってプリ
ンタ本体内の構成部品が冷却されて過度に温度上昇する
のが防止される。

【００３０】また、排気ファン３３は、方向切換手段１
９０の近傍に設けられており、媒体排出搬送手段１６０
の印字媒体排出搬送方向に流動する空気の流れを発生可
能に形成されている。

【００３１】したがって、気流発生手段３０を上記送気
ファン３２と排気ファン３３とから形成することによ
り、一段と確実かつ安定して上記気流（ＡＲ）を発生さ
せることができるとともに、印字媒体Ｍが媒体排出搬送
手段１６０に入る前段階から方向変換手段１９０でいず
れかのトレイ（１９２，１９３）に振り分けられるまで
の間、該気流（ＡＲ）によって印字媒体Ｍの表面と接触
して乾燥させることができる。

【００３２】なお、この実施形態では、更に一段と円滑
かつ確実に気流（ＡＲ）を発生できるように、上ガイド
プレート３６と下ガイドプレート３５とを設け、さら
に、媒体排出搬送手段１６０の上方を囲いかつその上流
側から下流側に延るガイドプレート３７が設けてある。

【００３３】また、上記気流（ＡＲ）を加熱する加熱手
段（ヒータ３１）が設けられている。これにより、気流
（ＡＲ）は暖められることになり、該気流（ＡＲ）と接
触する印字媒体Ｍの表面に印字されたインク画像の乾燥
が一段と促進される。なお、加熱手段（３１）によって
印字媒体Ｍはドラム外周面１１に保持されて印字されて
いる間も加熱乾燥されることになり、この点からもイン
ク画像の乾燥が促進される。

【００３４】かかる構成の実施形態では、ドラム１０を
一定周速度でＹ方向に回転させる。所定のタイミングで
媒体供給手段９０が駆動されて、印字媒体Ｍをドラム１
０側へ供給する。すると、負圧吸引部１３がその先端を
吸引しかつ挟持爪１４が挟持する。しかる後に、帯電手
段５１が印字媒体Ｍの先端から後端までに接触して帯電
する。したがって、印字媒体Ｍは、電荷吸着力によって
ドラム外周面１１に保持される。

【００３５】保持された印字媒体Ｍがドラム１０の回転
に伴って印字部（２００）を通過するときに、文字や画
像が印字される。印字済印字媒体Ｍは、媒体剥離手段
（剥離爪）１４０によってドラム外周面１１から剥離さ
れる。

【００３６】この剥離された印字媒体Ｍの先端部は、ド
ラム１０の回転に伴い媒体排出搬送手段１６０〔主送り
手段（１６１），補助送り手段（１６５）〕へ向けて送
り出される。

【００３７】この際、印字媒体Ｍの先端部は、主送り手
段（１６１）と補助送り手段（１６５）との間に挿入さ
れるまではフリーの状態で裏面側から風を受けるなどす
るために振動しようとする。

【００３８】しかし、剥離された印字媒体Ｍ表面に沿っ
て印字媒体進行方向に流動する気流（ＡＲ）によって振
動の発生が阻止される。あるいは、仮に印字媒体Ｍの先
端部が振動しても直ちに抑えられる。

【００３９】そのため、印字媒体Ｍの先端部を姿勢を安
定させて主送り手段（１６１）と補助送り手段（１６
５）との間に挿入できる。したがって、印字媒体Ｍをジ
ャム等を発生させることなく迅速かつ確実に排出搬送で
きる。また、印字媒体Ｍの表面上に印字されたインク画
像は、気流（ＡＲ）と接触することにより乾燥が促進さ
れる。

【００４０】なお、気流（ＡＲ）は、加熱手段（３１）
によって暖められているので、印字媒体Ｍの表面上に印
字されたインク画像は一段と乾燥が促進される。しか
も、媒体排出搬送手段１６０によってその上流側から下
流側へ排出搬送されている期間中も、気流（ＡＲ）によ
って姿勢を安定化されかつインク乾燥されるので、一段
と印字媒体Ｍを迅速かつ確実に排出搬送できるとともに
乾燥を促進できる。

【００４１】しかして、この実施形態によれば、気流発
生手段３０を設け、ドラム外周面１１ら剥離した印字媒
体Ｍ表面に沿って印字媒体進行方向に気流（ＡＲ）を発
生させるので、当該印字媒体Ｍの先端部の振動を抑止し
て主送り手段（１６１）と補助送り手段（１６５）との
間に迅速かつ確実に挿入して排出搬送することができ
る。また、気流（ＡＲ）によって印字媒体Ｍの表面に印
字されたインク画像の乾燥も促進される。

【００４２】また、気流発生手段２１を、送気ファン３
２および排気ファン３３から形成したので、構成部品の
共用化が図られるとともに、一段と効率よく気流（Ａ
Ｒ）を発生させて剥離された印字媒体Ｍの先端部の振動
を抑えることができる。その結果、構成の簡素化および
コスト低減を図りつつドラム外周面１１から剥離された
印字媒体Ｍを迅速かつ確実に排出搬送できる。

【００４３】また、気流発生手段２１によって発生され
た気流を加熱する加熱手段（３１）を設けたので、印字
媒体Ｍのインク画像を一段と効率よく乾燥することがで
きる。

【００４４】なお、上記実施形態では、気流発生手段３
０を、送気ファン３２および排気ファン３３から形成し
たが、いずれか１つから形成してもよい。

【００４５】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、気流発生手段
を設け、ドラム外周面から剥離した印字媒体表面に沿っ
て印字媒体進行方向に気流を発生させるので、該印字媒
体を迅速かつ確実に主送り手段と補助送り手段との間に
挿入して排出搬送することができ，かつインク乾燥を促
進することができる。

【００４６】また、請求項２の発明によれば、気流発生
手段を、送気ファンおよび排気ファンから形成したの
で、請求項１の発明の場合と同様な効果を奏し得る他、
構成の簡素化およびコスト低減を図ることができる。

【００４７】さらに、請求項３の発明によれば、気流発
生手段によって発生された気流を加熱する加熱手段を設
けたので、請求項１および請求項２の発明の場合と同様
な効果を奏し得る他、印字媒体を一段と効率よく乾燥す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を説明するための図である。

【図２】同じく、気流による印字媒体の振動抑制を説明
するための図である。

【図３】先提案のインクジェットプリンタを説明するた
めの図である。

【符号の説明】

１０ ドラム １１ ドラム外周面 ３０ 気流発生手段 ３１ ヒーター（加熱手段） ３２ 送気ファン ３３ 排気ファン １４０ 媒体剥離手段 １６０ 媒体排出搬送手段 １６１ 搬送ベルトコンベア（主送り手段） １６５ 押圧ベルトコンベア（補助送り手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定の周速度で回転可能なドラムと、ド
   ラムの外周面に印字媒体を保持させる媒体保持手段と、
   ドラム外周面に保持された印字媒体の表面にインクを吹
   付けて印字可能な印字部と、ドラムの外周面に保持され
   た印字媒体を剥離する剥離手段と、剥離された印字媒体
   の進行方向に沿って対向配設された主送り手段と補助送
   り手段とを有し当該両送り手段間に挿入された印字媒体
   を排出搬送する媒体搬送手段とを備え、ドラム外周面か
   ら剥離された印字媒体表面に沿って印字媒体進行方向に
   気流を発生させる気流発生手段を設けたことを特徴とす
   るインクジェットプリンタ。
2. 【請求項２】 前記気流発生手段が、外気を取入れてプ
   リンタ本体内部を冷却する送気ファンおよび／または内
   気をプリンタ本体外部へ排出可能な排気ファンから形成
   されている請求項１記載のインクジェットプリンタ。
3. 【請求項３】 前記気流発生手段によって発生された気
   流を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする請求項
   １または請求項２記載のインクジェットプリンタ。