JPH10193200A - 油圧プレスの油圧回路故障診断装置及びその方法 - Google Patents

油圧プレスの油圧回路故障診断装置及びその方法

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JPH10193200A
JPH10193200A JP1732997A JP1732997A JPH10193200A JP H10193200 A JPH10193200 A JP H10193200A JP 1732997 A JP1732997 A JP 1732997A JP 1732997 A JP1732997 A JP 1732997A JP H10193200 A JPH10193200 A JP H10193200A
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stop
hydraulic
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speed
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JP1732997A
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Yukio Hata
幸男 畑
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧回路の油圧機器の故障を早期に発見でき
る油圧プレスの油圧回路故障診断装置及びその方法を提
供する。 【解決手段】 油圧ポンプから吐出された圧油の流量及
び方向をサーボバルブ13によって制御して油圧シリン
ダ4に供給し、油圧シリンダ4の伸縮によりスライドを
駆動する油圧プレスの油圧回路故障診断方法において、
プレス加工時に、スライドを停止させる停止指令が出力
されてから実際にスライドが停止するまでの停止時間又
は惰走距離を検出し、この検出した停止時間又は惰走距
離と、前記停止指令が出力されたときのスライド速度値
に対応する停止時間又は惰走距離の許容値とをそれぞれ
比較し、この比較結果に基づいて前記サーボバルブ13
及び油圧シリンダ4を含む油圧回路の異常有無を判断す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧プレスの油圧
機器の故障を検出できる油圧プレスの油圧回路故障診断
装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧プレスでは、例えば、サーボ
バルブにより油圧シリンダの伸縮方向及び速度を制御
し、この油圧シリンダによってスライドを所定速度で所
定の目標位置まで移動させる制御を行っている。したが
って、これらのサーボバルブ及び油圧シリンダ等の油圧
機器の制御特性の良否が、油圧プレスによる加工精度に
大きく影響を与えている。また、上記油圧機器を含めた
油圧回路全体での応答性の良否によって、油圧プレスの
急停止時の惰走距離や停止時間が大きく左右されること
が判明している。そして、例えば、前記サーボバルブ、
及びこのパイロット操作用の圧油を制御する切換弁やチ
ェック弁等の内部にゴミが混入してスプールの動作性能
が低下して来ることがあり、これにより上記惰走距離や
停止時間が増大する。
【0003】このため、油圧プレスの性能検査や定期点
検を行って油圧回路の応答性を測定する方法が、従来か
ら多く提案されている。例えば、特公平2−44364
号公報においては、急停止時間と惰走距離を同時に、か
つ、高精度に測定し、これを表示する測定装置が開示さ
れている。これにより、油圧プレスの検査や点検等を的
確に行えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の方法では、作業者又は点検員が所定時間毎
に(例えば、定期的に)検査や点検を行っており、よっ
て、この作業のためにプレス機械を休止させる必要があ
るので機械の稼働率低下を招いており、また、この点検
作業は作業者にとって負担が大きいという問題を生じて
いる。また、定期的にしか点検しないので、次回の点検
時期までの間に発生する故障を早期に発見できないとい
う問題がある。
【0005】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、油圧回路の油圧機器の故障を早期に発見
できる油圧プレスの油圧回路故障診断装置及びその方法
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、スライ
ドを駆動する油圧シリンダ4と、油圧ポンプから油圧シ
リンダ4に供給する圧油の流量及び方向を制御するサー
ボバルブ13と、急停止時にサーボバルブ13に停止指
令を出力する停止指令手段45とを備えた油圧プレスの
油圧回路故障診断装置において、前記スライドの移動速
度を検出する速度検出手段34と、予め、停止指令手段
45が停止指令を出力してから前記スライドが停止する
までの停止時間の許容値を、前記停止指令が出力された
ときのスライド速度値毎に対応させた許容値カーブを記
憶する許容値カーブ記憶手段42と、プレス加工時に、
停止指令手段45が停止指令を出力した後、前記スライ
ドが停止したか否かを判断し、停止したときに停止完了
信号を出力する停止判断手段46と、停止指令手段45
が停止指令を出力してから停止判断手段46が前記停止
完了信号を出力するまでの停止時間を検出する急停止時
間検出手段47と、停止指令手段45が停止指令を出力
したときのスライド速度値を速度検出手段34から入力
し、許容値カーブ記憶手段42に記憶された前記許容値
カーブに基づいて、入力した前記スライド速度値に対応
する停止時間の許容値を求め、急停止時間検出手段47
により検出された前記停止時間がこの許容値以上のと
き、油圧回路異常と判断して異常信号を出力するモーシ
ョン異常判断手段48とを備えた構成としている。
【0007】請求項1に記載の発明によると、予め、停
止指令出力時のスライド速度値に対応して停止時間の許
容値を規定した許容値カーブを設定して記憶しておく。
そして、プレス加工時に停止指令が出力される度に、こ
のときのスライド速度値に対応した停止時間の許容値を
前記許容値カーブに基づいて算出し、このときの実際の
停止時間を検出してこの算出した許容値と比較し、許容
値より大きいときは油圧機器の異常と判断する。したが
って、常時油圧機器の故障診断を行えるので異常の早期
発見ができ、よって油圧機器の故障による事故を未然に
防止することが可能となる。また、停止指令出力時のス
ライド速度値に対応した許容値と実際の停止時間とを比
較しているので、精度良く、かつ、早期に異常を発見す
ることができ、よって安全性が向上する。
【0008】請求項2に記載の発明は、スライドを駆動
する油圧シリンダ4と、油圧ポンプから油圧シリンダ4
に供給する圧油の流量及び方向を制御するサーボバルブ
13と、急停止時にサーボバルブ13に停止指令を出力
する停止指令手段45とを備えた油圧プレスの油圧回路
故障診断装置において、前記スライドの位置を検出する
スライド位置センサ33と、前記スライドの速度を検出
する速度検出手段34と、予め、停止指令手段45が停
止指令を出力してから前記スライドが停止するまでの惰
走距離の許容値を、前記停止指令が出力されたときのス
ライド速度値毎に対応させた許容値カーブを記憶する許
容値カーブ記憶手段42と、プレス加工時に、停止指令
手段45が停止指令を出力した後、前記スライドが停止
したか否かを判断し、停止したときに停止完了信号を出
力する停止判断手段46と、スライド位置センサ33か
らの位置信号に基づいて、停止指令手段45が停止指令
を出力してから停止判断手段46が前記停止完了信号を
出力するまでの惰走距離を検出する惰走距離検出手段4
7aと、停止指令手段45が停止指令を出力したときの
スライド速度値を速度検出手段34から入力し、許容値
カーブ記憶手段42に記憶された前記許容値カーブに基
づいて、入力した前記スライド速度値に対応する惰走距
離の許容値を求め、惰走距離検出手段47aにより検出
された前記惰走距離がこの許容値以上のとき、油圧回路
異常と判断して異常信号を出力するモーション異常判断
手段48とを備えた構成としている。
【0009】請求項2に記載の発明によると、予め、停
止指令出力時のスライド速度値に対応して惰走距離の許
容値を規定した許容値カーブを設定して記憶しておく。
そして、プレス加工時に停止指令が出力される度に、こ
のときのスライド速度値に対応した惰走距離の許容値を
前記許容値カーブに基づいて算出し、このときの実際の
惰走距離を検出してこの算出した許容値と比較し、許容
値より大きいときは油圧機器の異常と判断する。したが
って、常時油圧機器の故障診断を行えるので異常の早期
発見ができ、よって油圧機器の故障による事故を未然に
防止することが可能となる。また、停止指令出力時のス
ライド速度値に対応した許容値と実際の惰走距離とを比
較しているので、精度良く、かつ、早期に異常を発見す
ることができ、よって安全性が向上する。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の油圧プレスの油圧回路故障診断装置において、
前記速度検出手段34は、スライド位置センサ33によ
って検出された前記スライドの位置に基づいてスライド
速度を算出することを特徴としている。
【0011】請求項3に記載の発明によると、スライド
位置データの変化率からスライド速度が算出される。こ
れにより、例えばパルスジェネレータ等の速度検出器が
不要となり、本発明に係わる油圧回路故障診断装置の構
成が簡素化されると共に、コスト的にも有利となる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の油圧プレスの油圧回路故障診断装置において、
前記停止判断手段46が判断する前記スライドの停止
は、スライドの位置又は速度値に基づいて行うことを特
徴としている。
【0013】請求項4に記載の発明によると、スライド
位置の変化率又は速度値の大きさに基づいて、スライド
が停止したか否かが判断される。この判断結果でスライ
ド停止とみなされたとき、実際の停止時間又は惰走距離
を正確に演算できるので、精度良い故障診断が可能とな
る。
【0014】請求項5に記載の発明は、油圧ポンプから
吐出された圧油の流量及び方向をサーボバルブ13によ
って制御して油圧シリンダ4に供給し、油圧シリンダ4
の伸縮によりスライドを駆動する油圧プレスの油圧回路
故障診断方法において、プレス加工時に、スライドを停
止させる停止指令が出力されてから実際にスライドが停
止するまでの停止時間又は惰走距離を検出し、この検出
した停止時間又は惰走距離と、前記停止指令が出力され
たときのスライド速度値に対応する停止時間又は惰走距
離の許容値とをそれぞれ比較し、この比較結果に基づい
て前記サーボバルブ13及び油圧シリンダ4を含む油圧
回路の異常有無を判断する方法としている。
【0015】請求項5に記載の発明によると、プレス加
工時に停止指令が出力される度に、このときのスライド
速度値に対応した停止時間又は惰走距離の許容値と、実
際の停止時間又は惰走距離とをそれぞれ比較し、実際の
停止時間又は惰走距離が前記許容値より大きいときは油
圧機器の異常と判断する。したがって、常時油圧機器の
故障診断を行えるので異常の早期発見ができ、よって油
圧機器の故障による事故を未然に防止することが可能と
なる。また、停止指令出力時のスライド速度値に対応し
た許容値と実際の停止時間又は惰走距離とを比較してい
るので、精度良く、かつ、早期に異常を発見することが
でき、よって安全性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、図1〜図6
を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係わ
る油圧プレスの要部側面図を示している。同図におい
て、油圧プレス1の本体後部の左右にはCフレーム7が
配設されており、Cフレーム7の下部にはベッド9が設
けられ、ベッド9の上部にボルスタ3が設置されてい
る。また、Cフレーム7の上部にはスライド駆動手段と
して油圧シリンダ4が配設されている。この油圧シリン
ダ4は、これを駆動するためのサーボバルブ13や、こ
のサーボバルブ13のパイロット油圧用の電磁弁24、
25等と共に、マニホールドを形成する同一の金属ブロ
ック10(以後、マニホールドブロック10と言う)に
取着されており、このマニホールドブロック10により
接続する配管等を無くした一体化構造をしている。さら
に、Cフレーム7の上部で、かつ、油圧シリンダ4の下
部にはボルスタ3と対向した位置にスライド2が上下動
自在に配設されている。スライド2は油圧シリンダ4に
よって上下駆動されるようになっており、このスライド
2の上下駆動に伴って、前記ボルスタ3の上面に設けら
れた下型(図示せず)と、前記スライド2の下面に設け
られた上型(図示せず)との間でプレス加工が行われ
る。
【0017】また、上記Cフレーム7の開口部近傍に、
この開口部と略同様の形状を成す補助フレーム8が配設
されている。この補助フレーム8はその下端側がピン8
aによってCフレーム7の側面に上下方向にのみ変位自
在となるように取着されている。さらに、補助フレーム
8の上端側とスライド2の後部側との間に、例えばリニ
アセンサよりなるスライド位置センサ33が配設されて
いる。
【0018】このスライド位置センサ33は、軸心方向
がスライド2の移動方向と平行で、かつ、スライド2の
後部に支持されたセンサロッド33aと、このセンサロ
ッド33aに嵌挿され、かつ、上記補助フレーム8の上
端側に取着されたセンサヘッド33bとからなってい
る。そして、スライド2の上下動に伴ってセンサロッド
33aがセンサヘッド33bに対して上下動し、これに
よって、センサヘッド33bの内部の位置検出部により
スライド2の位置がボルスタ3の上面からの高さとして
検出されるようになっている。このスライド位置センサ
33が検出したスライド2の位置信号は後述する制御器
40に入力され、この制御器40は前記位置信号に基づ
いて前記油圧シリンダ4を駆動してスライド2の位置を
所定のモーションカーブ(図示せず)に沿うように制御
する。
【0019】図2は本発明に係わる油圧プレスの油圧回
路故障診断装置のハード構成図を示している。同図にお
いて、設定スイッチ32は、油圧回路故障診断のための
油圧プレスの惰走距離又は停止時間の基準カーブを設定
するものである。この基準カーブは、後述する制御器4
0が停止指令を出力してから実際にスライド2が完全に
停止するまでの惰走距離又は停止時間を、前記停止指令
を出力した時のスライド速度値に対する許容値カーブと
して設定される。この設定スイッチ32により入力され
た設定データは、制御器40に入力されている。
【0020】ここで、図3はこの許容値カーブの一例を
示しており、同図に基づいて上記許容値カーブを説明す
る。同図において、横軸は前記停止指令出力時のスライ
ド速度の大きさを表し、縦軸は惰走距離又は停止時間を
表している。通常、惰走距離及び停止時間の実測値は、
上記スライド速度の大きさに対応して自然増加して行く
曲線で表される。図示で点線で表されたカーブ15は、
この実測値による惰走距離及び停止時間を示している。
そして、油圧回路のサーボバルブ13や電磁弁24、2
5等の内部にゴミ等が混入してスプールが正常に作動し
なくなると、応答性が悪くなり、惰走距離及び停止時間
が徐々に大きくなる傾向がある。したがって、本発明に
係わる油圧プレスの油圧回路故障診断装置においては、
この惰走距離及び停止時間に許容値を設け、この許容値
より大きくなったとき故障と判定するようにしている。
図では、この許容値を表す許容値カーブ16を実線で示
している。この許容値カーブは故障診断の精度を損なわ
ない程度に折れ線によって近似することが可能であり、
本実施形態では低速域と高速域において直線で近似した
例を示している。前記設定スイッチ32は、この折れ線
の折れ点A1 の速度値と惰走距離(又は、停止時間)、
及び、高速域での直線の任意の一点A2 での速度値と惰
走距離(又は、停止時間)を設定することができる。
【0021】なお、本実施形態では2つの直線で近似し
た例を示しているが、本発明はこれに限定するものでは
なく、実際の許容値カーブを精度良く近似できるものな
らば、多くの直線からなる折れ線や、又は多項式関数で
表される滑らかな曲線等で近似することもできる。
【0022】また、スライド位置センサ33は、前述の
ようにスライド位置を検出してこの位置信号を制御器4
0に出力する。さらに、速度検出手段34は、スライド
の移動速度を検出しており、この検出した速度信号を制
御器40に出力する。制御器40は、例えばマイクロコ
ンピュータ等のコンピュータを主体にして構成されてい
る。前記設定スイッチ32からの基準カーブの設定デー
タ、スライド位置センサ33からの位置信号、及び速度
検出手段34からの速度信号を入力して後述する所定の
処理を行い、この処理結果に基づいて、異常表示器36
にアラーム表示を行う。
【0023】異常表示器36は、制御器40からの異常
表示指令に基づいてアラーム表示を行い、作業者に油圧
回路の機器の故障を警告する。この異常表示器36は、
例えば、パトライト、ランプ表示器、LED表示器、又
は、液晶やEL等のキャラクタ表示器等で構成され、異
常検出時に点滅又は点灯表示、あるいはメッセージ表示
を行うことができる。
【0024】図4は、本発明に係わる油圧プレスの油圧
回路故障診断装置の機能構成ブロック図を示している。
許容値設定手段41は、例えば設定スイッチ32により
入力された許容値カーブ設定データに基づいて、許容値
カーブを生成する。この許容値カーブは、例えば、所定
間隔毎のスライド速度値とこのスライド速度値に対応す
る惰走距離許容値又は停止時間許容値とをテーブル化し
て生成しても良いし、あるいは、近似した直線式の関数
としての各係数を求めて生成しても良い。そして、許容
値カーブ記憶手段42は、許容値設定手段41により生
成された許容値カーブを記憶する。例えば、許容値カー
ブが上述のようにテーブル化されている場合には、前記
所定間隔毎のスライド速度値と、このスライド速度値に
対応する惰走距離許容値又は停止時間許容値とを記憶す
る。あるいは、上述のように許容値カーブが近似した多
項式の関数として表された場合には、前記各係数を記憶
する。
【0025】位置検出手段43は、スライド位置センサ
33からの位置信号に基づいて、現在のスライド位置を
算出する。この位置データは、速度演算手段44及び停
止判断手段46に出力される。速度演算手段44は前述
の速度検出手段34の一例であり、本実施形態において
は入力した位置データの時間に対する変化率に基づいて
スライドの速度値を算出しており、例えば所定時間毎の
位置データの差(すなわち、移動距離)によって算出で
きる。算出された速度値は、モーション異常判断手段4
8に出力される。
【0026】停止指令手段45は、油圧プレスを急停止
させるときに停止指令を出力する。この停止指令によ
り、サーボバルブ13は油圧シリンダ4を停止させ、ス
ライド2が急停止する。また、停止判断手段46は、前
記停止指令を受けたときこの停止指令を急停止時間検出
手段47に出力し、さらに、スライド2が完全に停止し
たか否かを判断し、停止と判断したときに停止完了信号
を急停止時間検出手段47に出力する。このときのスラ
イド停止の判断は、例えば入力している前記位置データ
の変化率に基づいて行ってもよいし、あるいは、速度デ
ータの大きさに基づいて行ってもよい。急停止時間検出
手段47は、前記停止指令を入力した時点から前記停止
完了信号を入力した時点までの経過時間、すなわち、停
止時間を求める。この停止時間は、例えば、ソフトタイ
マー等により計測してもよいし、あるいは、停止指令を
入力した時刻と停止完了信号を入力した時刻との差から
算出してもよい。求めた停止時間は、モーション異常判
断手段48に出力される。
【0027】モーション異常判断手段48は、停止指令
手段45から前記停止指令を入力したときのスライド速
度値を速度演算手段44から取り込み、このスライド速
度値に対応する停止時間の許容値データを、許容値カー
ブ記憶手段42に記憶されている前記許容値カーブから
算出する。ここで、許容値カーブがテーブル化されて記
憶されている場合、実際のスライド速度値が上記記憶さ
れた速度値データの間にあるときは、対応する停止時間
の許容値データは補間によって求められ、また、許容値
カーブが多項式の関数として記憶されている場合、実際
のスライド速度値に対応する停止時間の許容値データは
この関数によって直接求められる。そして、モーション
異常判断手段48は、急停止時間検出手段47から入力
した実際の停止時間とこの算出した許容値とを比較し、
この比較の結果、実際の停止時間が許容値より大きいと
きは異常と判断し、異常信号を出力する。異常処理手段
49は、この異常信号を入力したとき、異常表示器36
にアラーム表示を行う。
【0028】なお、惰走距離に基づいて故障診断を行う
場合には、上記急停止時間検出手段47の代わりに惰走
距離検出手段47aを設ける。この惰走距離検出手段4
7aは、停止判断手段46から前記停止指令を入力した
時点から前記停止完了信号を入力した時点までのスライ
ド2の移動距離、すなわち、実際の惰走距離を求める。
そしてモーション異常判断手段48は、前記停止指令を
入力したときのスライド速度値に対応する惰走距離の許
容値を許容値カーブ記憶手段42に記憶されている許容
値カーブから算出し、前記実際の惰走距離とこの算出し
た許容値とを比較し、実際の惰走距離が許容値より大き
いときは異常と判断して異常信号を出力する。
【0029】図5は、本発明に係わる油圧回路故障診断
装置において、停止時間に基づいて故障診断を行う処理
フローチャートを示しており、以下同図を参照して診断
方法を説明する。なお、ここでは、各処理ステップ番号
にSを付している。まず、S1で(停止判断手段46)
停止指令が出力されたか否か判断し、停止指令が出力さ
れるまでS1を繰り返す。停止指令手段45が停止指令
を出力したときは、S2で、(急停止時間検出手段4
7)現在の時刻を読み取るとともに、(モーション異常
判断手段48)スライド速度値を速度検出手段34(本
実施例では、速度演算手段44)から入力する。次に、
S3で(停止判断手段46)スライド2が停止したか否
かを判断し、停止するまでS3を繰り返る。停止したと
きは、S4で(急停止時間検出手段47)現在の時刻を
読み取った後、S5で、このときの時刻とS2において
読み取った時刻との差から停止時間を演算して求める。
【0030】次に、S6で(モーション異常判断手段4
8)、許容値カーブ記憶手段42に記憶された許容値カ
ーブに基づいて、S2で入力した停止指令出力時のスラ
イド速度値に対応する停止時間許容値を求める。そし
て、S7で(モーション異常判断手段48)、停止時間
がこの停止時間許容値より大きいか否かを判断し、大き
いときは、S8で異常信号を出力する。これによって、
(異常処理手段49)異常表示器36にアラームが表示
される。この後、本処理フローを終了する。また、上記
S7において、停止時間が停止時間許容値以下のときは
油圧回路正常と判断し、本処理フローを終了する。
【0031】また、図6は、本発明に係わる油圧回路故
障診断装置において、惰走距離に基づいて故障診断を行
う処理フローチャートを示しており、以下同図を参照し
て診断方法を説明する。まず、S11で(停止判断手段
46)停止指令が出力されたか否か判断し、停止指令が
出力されるまでS11を繰り返す。停止指令手段45が
停止指令を出力したときは、S12で、(惰走距離検出
手段47a)現在のスライド位置をスライド位置センサ
33から入力するとともに、(モーション異常判断手段
48)スライド速度値を速度検出手段34(本実施例で
は、速度演算手段44)から入力する。次に、S13で
(停止判断手段46)スライド2が停止したか否かを判
断し、停止するまでS13を繰り返る。停止したとき
は、S14で(惰走距離検出手段47a)現在のスライ
ド位置を入力した後、S15で、このときのスライド位
置とS12において入力したスライド位置との差から惰
走距離を演算して求める。
【0032】次に、S16で(モーション異常判断手段
48)、許容値カーブ記憶手段42に記憶された許容値
カーブに基づいて、S12で入力した停止指令出力時の
スライド速度値に対応する惰走距離許容値を求める。そ
して、S17で(モーション異常判断手段48)、惰走
距離がこの惰走距離許容値より大きいか否かを判断し、
大きいときは、S18で異常信号を出力する。これによ
って、(異常処理手段49)異常表示器36にアラーム
が表示される。この後、本処理フローを終了する。ま
た、上記S17において、惰走距離が惰走距離許容値以
下のときは油圧回路正常と判断し、本処理フローを終了
する。
【0033】これまでに説明したように、停止指令出力
時のスライド速度値に対応して停止時間又は惰走距離の
許容値を規定した許容値カーブを予め設定して記憶して
おき、プレス加工時に停止指令が出力される度に、この
ときのスライド速度値に対応した停止時間又は惰走距離
の許容値を前記許容値カーブに基づいて算出している。
そして、このときの実際の停止時間又は惰走距離を検出
して前記算出した許容値と比較し、許容値より大きいと
きは油圧機器の異常と判断している。したがって、常時
油圧機器の故障診断を行えるので異常の早期発見がで
き、よって油圧機器の故障による事故を未然に防止する
ことが可能となる。また、停止指令出力時のスライド速
度値に対応した許容値と実際の停止時間又は惰走距離と
を比較しているので、精度良く、かつ、早期に異常を発
見することができるので、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる油圧プレスの要部側面図を示
す。
【図2】本発明に係わる油圧回路故障診断装置のハード
構成図を示す。
【図3】本発明に係わる油圧回路故障診断装置の許容値
カーブの一例を示す。
【図4】本発明に係わる油圧回路故障診断装置の機能構
成ブロック図を示す。
【図5】本発明に係わる停止時間に基づく故障診断処理
のフローチャート例を示す。
【図6】本発明に係わる惰走距離に基づく故障診断処理
のフローチャート例を示す。
【符号の説明】 1…油圧プレス、2…スライド、3…ボルスタ、4…油
圧シリンダ、7…Cフレーム、8…補助フレーム、9…
ベッド、10…マニホールドブロック、13…サーボバ
ルブ、15…カーブ、16…許容値カーブ、24、25
…電磁弁、32…設定スイッチ、33…スライド位置セ
ンサ、33a…センサロッド、33b…センサヘッド、
34…速度検出手段、36…異常表示器、40…制御
器、41…許容値設定手段、42…許容値カーブ記憶手
段、43…位置検出手段、44…速度演算手段、45…
停止指令手段、46…停止判断手段、47…急停止時間
検出手段、47a…惰走距離検出手段、48…モーショ
ン異常判断手段、49…異常処理手段。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライドを駆動する油圧シリンダ(4)
    と、油圧ポンプから油圧シリンダ(4) に供給する圧油の
    流量及び方向を制御するサーボバルブ(13)と、急停止時
    にサーボバルブ(13)に停止指令を出力する停止指令手段
    (45)とを備えた油圧プレスの油圧回路故障診断装置にお
    いて、 前記スライドの移動速度を検出する速度検出手段(34)
    と、 予め、停止指令手段(45)が停止指令を出力してから前記
    スライドが停止するまでの停止時間の許容値を、前記停
    止指令が出力されたときのスライド速度値毎に対応させ
    た許容値カーブを記憶する許容値カーブ記憶手段(42)
    と、 プレス加工時に、停止指令手段(45)が停止指令を出力し
    た後、前記スライドが停止したか否かを判断し、停止し
    たときに停止完了信号を出力する停止判断手段(46)と、 停止指令手段(45)が停止指令を出力してから停止判断手
    段(46)が前記停止完了信号を出力するまでの停止時間を
    検出する急停止時間検出手段(47)と、 停止指令手段(45)が停止指令を出力したときのスライド
    速度値を速度検出手段(34)から入力し、許容値カーブ記
    憶手段(42)に記憶された前記許容値カーブに基づいて、
    入力した前記スライド速度値に対応する停止時間の許容
    値を求め、急停止時間検出手段(47)により検出された前
    記停止時間がこの許容値以上のとき、油圧回路異常と判
    断して異常信号を出力するモーション異常判断手段(48)
    とを備えたことを特徴とする油圧プレスの油圧回路故障
    診断装置。
  2. 【請求項2】 スライドを駆動する油圧シリンダ(4)
    と、油圧ポンプから油圧シリンダ(4) に供給する圧油の
    流量及び方向を制御するサーボバルブ(13)と、急停止時
    にサーボバルブ(13)に停止指令を出力する停止指令手段
    (45)とを備えた油圧プレスの油圧回路故障診断装置にお
    いて、 前記スライドの位置を検出するスライド位置センサ(33)
    と、 前記スライドの速度を検出する速度検出手段(34)と、 予め、停止指令手段(45)が停止指令を出力してから前記
    スライドが停止するまでの惰走距離の許容値を、前記停
    止指令が出力されたときのスライド速度値毎に対応させ
    た許容値カーブを記憶する許容値カーブ記憶手段(42)
    と、 プレス加工時に、停止指令手段(45)が停止指令を出力し
    た後、前記スライドが停止したか否かを判断し、停止し
    たときに停止完了信号を出力する停止判断手段(46)と、 スライド位置センサ(33)からの位置信号に基づいて、停
    止指令手段(45)が停止指令を出力してから停止判断手段
    (46)が前記停止完了信号を出力するまでの惰走距離を検
    出する惰走距離検出手段(47a) と、 停止指令手段(45)が停止指令を出力したときのスライド
    速度値を速度検出手段(34)から入力し、許容値カーブ記
    憶手段(42)に記憶された前記許容値カーブに基づいて、
    入力した前記スライド速度値に対応する惰走距離の許容
    値を求め、惰走距離検出手段(47a) により検出された前
    記惰走距離がこの許容値以上のとき、油圧回路異常と判
    断して異常信号を出力するモーション異常判断手段(48)
    とを備えたことを特徴とする油圧プレスの油圧回路故障
    診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の油圧プレスの油
    圧回路故障診断装置において、 前記速度検出手段(34)は、スライド位置センサ(33)によ
    って検出された前記スライドの位置に基づいてスライド
    速度を算出することを特徴とする油圧プレスの油圧回路
    故障診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の油圧プレスの油
    圧回路故障診断装置において、 前記停止判断手段(46)が判断する前記スライドの停止
    は、スライドの位置又は速度値に基づいて行うことを特
    徴とする油圧プレスの油圧回路故障診断装置。
  5. 【請求項5】 油圧ポンプから吐出された圧油の流量及
    び方向をサーボバルブ(13)によって制御して油圧シリン
    ダ(4) に供給し、油圧シリンダ(4) の伸縮によりスライ
    ドを駆動する油圧プレスの油圧回路故障診断方法におい
    て、 プレス加工時に、スライドを停止させる停止指令が出力
    されてから実際にスライドが停止するまでの停止時間又
    は惰走距離を検出し、この検出した停止時間又は惰走距
    離と、前記停止指令が出力されたときのスライド速度値
    に対応する停止時間又は惰走距離の許容値とをそれぞれ
    比較し、この比較結果に基づいて前記サーボバルブ(13)
    及び油圧シリンダ(4) を含む油圧回路の異常有無を判断
    することを特徴とする油圧プレスの油圧回路故障診断方
    法。
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