JP2018105763A - 異常判定方法および異常判定装置 - Google Patents

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隆行 田村
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【課題】空気圧駆動機器の動作中に、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定方法および異常判定装置を提供する。【解決手段】配管を通じて空気圧駆動機器に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定方法であって、変化状態測定ステップと、異常判定ステップと、を有する。変化状態測定ステップでは、配管から空気圧駆動機器へ供給される圧縮空気の変化状態を測定する。異常判定ステップは、変化状態測定ステップで測定された変化状態と予め定められた判定基準情報との比較結果に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する。この異常判定方法によれば、空気圧駆動機器の動作中に、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定することができる。【選択図】図4

Description

本開示は、空気圧駆動機器に対する圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定方法および異常判定装置に関する。
配管から供給される圧縮空気を利用して駆動する空気圧駆動機器(空気圧アクチュエータともいう)が知られている。
このような空気圧駆動機器および配管を備える装置においては、圧縮空気の経路での空気漏洩が発生する場合がある。
このような空気漏洩の有無を判定するにあたり、圧縮空気の供給を停止した状態での時間経過に伴う空気圧の変化状態に基づいて、空気漏洩を判定する判定装置が提案されている(特許文献1)。
特開2013−083016号公報
しかしながら、上記従来の判定装置では、空気漏洩の有無を判定するにあたり、空気圧駆動機器に対する圧縮空気の供給を停止する必要があるため、空気圧駆動機器の動作中に空気漏洩の有無を判定することができないという問題がある。
つまり、上記従来の判定装置では、空気圧駆動機器の動作中に空気漏洩が発生して圧縮空気の供給状態が異常となっても空気漏洩を検出できないため、そのまま空気圧駆動機器の動作が継続されると、圧縮空気の供給状態が異常であることに起因する空気圧駆動機器の動作不良が発生する可能性がある。
また、上記従来の判定装置では、空気圧駆動機器の動作速度(換言すれば、圧縮空気の供給速度)が適切であるか否かを判定できないため、圧縮空気の供給速度の異常に起因する空気圧駆動機器の動作不良が発生する可能性がある。
本開示は、空気圧駆動機器の動作中に、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定方法および異常判定装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、配管を通じて空気圧駆動機器に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定方法であって、変化状態測定ステップと、異常判定ステップと、を有する。
変化状態測定ステップでは、配管から空気圧駆動機器へ供給される圧縮空気の変化状態を測定する。異常判定ステップは、変化状態測定ステップで測定された変化状態と予め定められた判定基準情報との比較結果に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する。
予め定められた判定基準情報は、例えば、圧縮空気の供給状態が正常であるときの圧縮空気の変化状態(値、波形など)を予め測定しておき、その測定結果に基づいて設定することができる。
そして、異常判定ステップでは、例えば、変化状態測定部で測定された変化状態が判定基準情報と一致する場合には、圧縮空気の供給状態が正常状態であると判定し、変化状態測定部で測定された変化状態が判定基準情報と異なる場合には、圧縮空気の供給状態が異常状態であると判定する。
よって、この異常判定方法によれば、空気圧駆動機器の動作中に、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定することができる。
本開示の異常判定方法においては、空気圧駆動機器は複数備えられ、配管は、外部から圧縮空気が供給される主配管と、複数の空気圧駆動機器のそれぞれに圧縮空気を供給するために主配管から分岐する複数の分岐配管と、を備えてもよい。そして、変化状態測定ステップでは、主配管における圧縮空気の変化状態を測定する変化状態測定部を用いて圧縮空気の変化状態を測定し、異常判定ステップでは、複数の空気圧駆動機器のそれぞれの動作時期における圧縮空気の変化状態と判定基準情報との比較結果に基づいて、複数の空気圧駆動機器のうちいずれが異常状態であるかを判定してもよい。
複数の空気圧駆動機器が備えられる構成であっても、異常判定ステップで上記のように判定することで、複数の変化状態測定部ではなく1つの変化状態測定部を用いて、複数の空気圧駆動機器のうちいずれが異常状態であるか判定できる。つまり、変化状態測定部の設置個数を増加させることなく、複数の空気圧駆動機器における圧縮空気の供給状態が正常であるか異常であるかを判定できる。
本開示の異常判定方法においては、異常判定ステップでは、さらに、空気圧駆動機器の動作完了時における圧縮空気の変化状態に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定してもよい。
空気圧駆動機器が正常であれば、空気圧駆動機器の動作完了時には配管からの圧縮空気の供給が停止されるが、空気圧駆動機器が異常(漏洩あり)であれば、空気圧駆動機器の動作完了時以降も漏洩する空気量に応じて配管からの圧縮空気の供給が継続される。このため、空気圧駆動機器の動作完了時における圧縮空気の変化状態に基づいて、空気圧駆動機器での圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定できる。
よって、この異常判定方法のように、空気圧駆動機器の動作中における圧縮空気の変化状態に加えて、空気圧駆動機器の動作完了時における圧縮空気の変化状態を用いて判定することで、圧縮空気の供給状態の判定精度を向上できる。
本開示の異常判定方法においては、異常判定ステップでは、空気圧駆動機器の動作開始時を起点として変化状態測定ステップで測定された変化状態と判定基準情報との比較結果に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定してもよい。
空気圧駆動機器の動作開始時を起点として測定された圧縮空気の変化状態は、空気圧駆動機器の動作中における圧縮空気の変化状態となる。このため、このような変化状態を用いることで、空気圧駆動機器の動作中における異常の有無を判定できる。
なお、空気圧駆動機器の動作開始時は、例えば、空気圧駆動機器の動作を開始するための指令信号に基づいて判断してもよい。
本開示の異常判定方法においては、空気圧駆動機器は、圧縮空気の移動方向を切り替える流通方向切替部により動作状態が切り替わるように構成されてもよい。
空気圧駆動機器は、一例として、このような流通方向切替部による圧縮空気の移動方向の切替により動作状態が切り替わるものがある。このような流通方向切替部を用いる場合には、圧縮空気の経路が複雑に変化する構成となるため、空気漏洩が生じやすくなる。このような流通方向切替部を備える場合に、上記の判定方法を用いることで、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを適切に判定できるとともに、空気圧駆動機器の動作が異常であるか否かを適切に判断できる。
本開示の他の態様は、配管を通じて空気圧駆動機器に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定装置であって、変化状態測定部と、異常判定部と、を備える。
変化状態測定部は、配管から空気圧駆動機器へ供給される圧縮空気の変化状態を測定するように構成されている。異常判定部は、変化状態測定部で測定された変化状態と予め定められた判定基準情報との比較結果に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定するように構成されている。
予め定められた判定基準情報は、例えば、圧縮空気の供給状態が正常であるときの圧縮空気の変化状態(値、波形など)を予め測定しておき、その測定結果に基づいて設定することができる。
そして、異常判定部は、例えば、変化状態測定部で測定された変化状態が判定基準情報と一致する場合には、圧縮空気の供給状態が正常状態であると判定し、変化状態測定部で測定された変化状態が判定基準情報と異なる場合には、圧縮空気の供給状態が異常状態であると判定する。
よって、この異常判定装置によれば、空気圧駆動機器の動作中に、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定することができる。
空気圧駆動機器を備える製造装置の概略構成図である。 制御部からの動作信号に基づいて空気圧駆動機器の状態を切り替える一連の動作を表す説明図である。 空気圧駆動機器への圧縮空気の供給状態であって、流量測定部で測定される圧縮空気の変化状態(圧縮空気の瞬時流量)を表す説明図である。 異常判定処理の処理内容を表すフローチャートである。 第2異常判定処理の処理内容を表すフローチャートである。 第3実施形態の流量測定部で測定される圧縮空気の変化状態(圧縮空気の瞬時流量)の一例を表す説明図である。 4個(A番目、B番目、C番目、D番目)の空気圧駆動機器のうち、B番目が「空気漏れ異常」であり、D番目が「速度低異常」である場合の波形の一例を示す説明図である。 第3異常判定処理の処理内容を表すフローチャートである。 第4実施形態の流量測定部で測定される圧縮空気の変化状態(圧縮空気の瞬時流量)の一例を表す説明図である。 第4異常判定処理の処理内容を表すフローチャートである。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、空気圧駆動機器31(空気圧アクチュエータ31ともいう)を備える製造装置1について説明する。
製造装置1は、空気圧駆動機器31を駆動制御して、製品の製造工程における各種動作を実行して製品を製造する装置である。
図1に示すように、製造装置1は、制御部3と、複数の空気圧駆動機器31と、を備えている。なお、図1では、複数の空気圧駆動機器31のうち、3個の空気圧駆動機器31(第1空気圧駆動機器31a,第2空気圧駆動機器31b,第3空気圧駆動機器31c)を図示している。
制御部3は、外部機器(図示省略)からの指令信号Scに基づいて、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの状態を制御するために備えられている。制御部3は、演算部11と、流量測定部13と、複数の流通方向切替部15と、供給配管17と、排出配管19と、を備えている。
演算部11は、各種制御処理を実行する。制御処理としては、例えば、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの状態を制御する処理が挙げられる。演算部11は、外部機器に対して情報通知信号Sjを出力するとともに、複数の流通方向切替部15のそれぞれに対して動作信号San(nは整数)を出力する。情報通知信号Sjは、例えば、製造装置1の各部の状態を示す信号である。
流量測定部13は、供給配管17(詳細には、後述する主供給配管17a)に流れる圧縮空気の流量(瞬時流量Fi)を測定し、測定結果を示す測定信号Smを演算部11に対して出力する。
供給配管17は、主供給配管17aと、複数の分岐供給配管17bと、を備えている。主供給配管17aは、外部供給経路21を介して空気ポンプ(図示省略)に接続されており、空気ポンプから圧縮空気が供給されるように構成されている。主供給配管17aの圧縮空気は、複数の分岐供給配管17bに分配されて、複数の流通方向切替部15を介して複数の空気圧駆動機器31に供給される。
排出配管19は、主排出配管19aと、複数の分岐排出配管19bと、を備えている。複数の分岐排出配管19bは、それぞれ異なる流通方向切替部15に接続されている。複数の分岐排出配管19bは、主排出配管19aに集約される。主排出配管19aは、外部の外部排出経路23に接続されている。つまり、複数の流通方向切替部15から排出される圧縮空気は、複数の分岐排出配管19bを介して主排出配管19aに移動し、さらに、外部排出経路23を介して大気中に放出される。
流通方向切替部15は、それぞれ平行連結部15aと、交差連結部15bと、を備えている。流通方向切替部15は、演算部11からの動作信号Sanに基づいて、供給配管17と空気圧駆動機器31とを連結する連結部を、平行連結部15aまたは交差連結部15bのいずれかに設定する。なお、流通方向切替部15は、例えば、外部からの信号に基づいて連結経路(連結部)を切替可能に構成されたエア切替弁を用いて実現できる。
空気圧駆動機器31は、第1経路33および第2経路35から供給される圧縮空気によってピストン32が移動するように構成されている。空気圧駆動機器31は、第1経路33から圧縮空気が供給される場合には、ピストン32が図1の上方向に移動し、第2経路35から圧縮空気が供給される場合には、ピストン32が図1の下方向に移動するように構成されている。
つまり、流通方向切替部15の状態が、供給配管17と空気圧駆動機器31とを平行連結部15aを介して連結する状態になると、空気圧駆動機器31に対して第1経路33から圧縮空気が供給されて、ピストン32が図1の上方向に移動する。このとき、空気圧駆動機器31から排出された圧縮空気は、第2経路35を介して、流通方向切替部15に移動し、さらに、排出配管19および外部排出経路23を介して大気中に排出される。
また、流通方向切替部15の状態が、供給配管17と空気圧駆動機器31とを交差連結部15bを介して連結する状態になると、空気圧駆動機器31に対して第2経路35から圧縮空気が供給されて、ピストン32が図1の下方向に移動する。このとき、空気圧駆動機器31から排出された圧縮空気は、第1経路33を介して、流通方向切替部15に移動し、さらに、排出配管19および外部排出経路23を介して大気中に排出される。
ここで、制御部3からの動作信号Sa1に基づいて、空気圧駆動機器31の状態(ピストン32の位置)を切り替える一連の動作について、図2を用いて説明する。
図2に示す「(1)初期状態」では、3個の空気圧駆動機器31(31a,31b,31c)は、いずれもピストン32が最上部に位置する状態である。次の「(2)動作信号入力」では、動作信号Sa1が3個の流通方向切替部15のうち第1空気圧駆動機器31aに対応する流通方向切替部15(以下、第1流通方向切替部15ともいう)に入力される。次の「(3)流通方向切替部動作」では、第1流通方向切替部15が、供給配管17と空気圧駆動機器31とを交差連結部15bを介して連結する状態になる。次の「(4)空気圧駆動機器動作」では、第1空気圧駆動機器31aに対して第2経路35から圧縮空気が供給されて、第1空気圧駆動機器31aのピストン32が図2の下方向に徐々に移動する。次の「(5)動作完了」では、ピストン32が最下部に移動することで、第1空気圧駆動機器31aの動作が完了する。
[1−2.圧縮空気の変化状態]
次に、流量測定部13で測定される圧縮空気の変化状態(圧縮空気の瞬時流量)について、図3を用いて説明する。図3では、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態として、5種類の状態におけるそれぞれの「圧縮空気の変化状態」を図示している。
図3の「(a)正常状態」は、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が正常である場合の圧縮空気の変化状態を表している。圧縮空気の瞬時流量Fiは、動作信号Sa1がON状態となる前までの期間は0[L/SEC]であるが、動作信号Sa1がON状態になると徐々に増加していき、動作信号Sa1がON状態となった時点から第1時間T1が経過した時点で最大値(以下、第1流量F1ともいう)を示す。その後、圧縮空気の瞬時流量Fiは、徐々に低下していき、動作信号Sa1がON状態となった時点から第2時間T2が経過した時点で0となる。このときの第2時間T2は、空気圧駆動機器31の正常状態における動作所要時間である。
次に、「(b)異常状態(動作後)」は、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が、異常(詳細には、動作中および動作後に空気漏れが生じる状態)である場合の圧縮空気の変化状態を表している。圧縮空気の瞬時流量Fiは、動作信号Sa1がON状態となる前までの期間は0[L/SEC]であるが、動作信号Sa1がON状態になると徐々に増加していき、第1流量F1よりも大きい第2流量F2で最大値を示す。その後、圧縮空気の瞬時流量Fiは、徐々に低下していき、第3流量F3になるとその流量が継続する状態となる。このため、動作信号Sa1がON状態となった時点から第2時間T2が経過しても、圧縮空気の瞬時流量Fiは、0[L/SEC]とはならず、空気漏れが生じていることが分かる。なお、図3の「(b)異常状態(動作後)」における点線(波形)は、図3の「(a)正常状態」を示すものである。同様に、図3において、「(c)異常状態(動作前)」、「(d)異常状態(速度高)」、「(e)異常状態(速度低)」のそれぞれにおける点線(破線)についても、図3の「(a)正常状態」を示すものである。
次に、「(c)異常状態(動作前)」は、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が、異常(詳細には、動作前および動作中に空気漏れが生じる状態)である場合の圧縮空気の変化状態を表している。圧縮空気の瞬時流量Fiは、動作信号Sa1がON状態となる前までの期間は第3流量F3を示し、動作信号Sa1がON状態になると徐々に増加していき、第1流量F1よりも大きい第2流量F2で最大値を示す。その後、圧縮空気の瞬時流量Fiは、徐々に低下していき、動作信号Sa1がON状態となった時点から第2時間T2が経過した時点で0[L/SEC]となる。
なお、「(b)異常状態(動作後)」および「(c)異常状態(動作前)」のいずれも、第2時間T2で示す期間中において、この異常状態での圧縮空気の瞬時流量を示す波形(実線)の面積は、正常状態での圧縮空気の瞬時流量を示す波形(点線)の面積よりも大きくなる。空気漏れが生じているため、空気圧駆動機器31の動作に必要な圧縮空気の総量よりも多くの圧縮空気が消費されるからである。
次に、「(d)異常状態(速度高)」は、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が、異常(詳細には、供給速度が高い状態)である場合の圧縮空気の変化状態を表している。圧縮空気の瞬時流量Fiは、動作信号Sa1がON状態となる前までの期間は0[L/SEC]を示し、動作信号Sa1がON状態になると徐々に増加していき、動作信号Sa1がON状態となった時点から第1時間T1が経過するよりも早い時点で、最大値の第4流量F4を示す。このときの第4流量F4は、第1流量F1よりも大きい。なお、この異常状態での圧縮空気の瞬時流量Fiを示す波形(実線)の面積は、正常状態での圧縮空気の瞬時流量Fiを示す波形(点線)の面積と等しくなる。空気圧駆動機器31の動作速度が異なる場合であっても、空気漏れが無い場合には、空気圧駆動機器31の動作に必要な圧縮空気の総量が等しいからである。
次に、「(e)異常状態(速度低)」は、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が、異常(詳細には、供給速度が低い状態)である場合の圧縮空気の変化状態を表している。圧縮空気の瞬時流量Fiは、動作信号Sa1がON状態となる前までの期間は0[L/SEC]を示し、動作信号Sa1がON状態になると徐々に増加していき、動作信号Sa1がON状態となった時点から第1時間T1が経過するよりも遅い時点で、最大値の第5流量F5を示す。このときの第5流量F5は、第1流量F1よりも小さい。なお、この異常状態での圧縮空気の瞬時流量Fiを示す波形(実線)の面積は、正常状態での圧縮空気の瞬時流量を示す波形(点線)の面積と等しくなる。空気圧駆動機器31の動作速度が異なる場合であっても、空気漏れが無い場合には、空気圧駆動機器31の動作に必要な圧縮空気の総量が等しいからである。
[1−3.制御部が実行する処理]
次に、制御部3の演算部11が実行する各種処理について説明する。
演算部11は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンともいう。図示省略。)を備える。マイコンは、CPU、ROM、RAMおよび信号入出力部を備える。演算部11の各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROMが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。信号入出力部は、外部機器との間で各種信号の送受信を行う。なお、マイコンを構成するCPU、ROM、RAMおよび信号入出力部のそれぞれの個数は1つでも複数でもよい。また、マイコンが実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
演算部11(詳細には、CPU)は、各種処理として、ROMに記憶されたプログラムに基づいて、空気圧駆動機器31を制御するためのアクチュエータ制御処理、圧縮空気の供給状態を判定する異常判定処理などを実行する。
アクチュエータ制御処理は、外部機器から受信した指令信号Scに基づいて、複数の空気圧駆動機器31のうち指令信号Scの指令内容に対応する空気圧駆動機器31の状態を制御する処理である。具体的には、アクチュエータ制御処理を実行する演算部11は、指令信号Scに基づいて、対応する流通方向切替部15に対して動作信号San(nは整数)を出力することで、空気圧駆動機器31の状態を制御する。これにより、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれのピストン32の位置は、動作信号Sanに応じた位置(最上部または最下部)に設定される。
なお、指令信号Scの指令内容は、1個の空気圧駆動機器31の状態に限られることはなく、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの状態を表す場合もある。そのような指令信号Scを受信した演算部11は、複数の流通方向切替部15のそれぞれに対して動作信号San(nは整数)を出力することで、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの状態を制御する。
なお、本実施形態の制御部3は、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの動作期間が異なる時期となるように構成されている。つまり、アクチュエータ制御処理を実行する演算部11は、1つの空気圧駆動機器31が動作中である場合には、他の空気圧駆動機器31は停止状態となるように制御処理を実行する。
また、演算部11は、流量測定部13からの測定信号Smが示す瞬時流量Fiの履歴データを記憶部に記憶する流量記憶処理を実行する。流量記憶処理は、流通方向切替部15への動作信号Sanの出力開始時を起点として第2時間T2が経過するまでの動作期間中における瞬時流量Fiの履歴データを記憶部に記憶する処理である。換言すれば、流量記憶処理は、空気圧駆動機器31の動作開始時を起点として第2時間T2が経過するまでの動作期間中において、流量測定部13で測定された瞬時流量Fiの履歴データを記憶部に記憶する処理である。
さらに、演算部11は、記憶した瞬時流量Fiの履歴データに基づいて、動作期間中における瞬時流量Fiの積分値(積算量Im)を演算するとともに、動作期間中において瞬時流量Fiが最大値となる時刻(最大時刻Tm)を特定する流量分析処理を実行する。なお、流量分析処理には、演算結果(積算量Im、最大時刻Tmなど)を記憶部に記憶する処理も含まれる。また、ここでの時刻とは、動作信号SanのON時点を起点とした経過時間を意味しており、図3の「(a)正常状態」においては、第1時間T1が最大時刻Tmに相当する。
次に、演算部11が実行する異常判定処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、S100で、演算部11は、供給配管17(詳細には、主供給配管17a)に流れる圧縮空気の瞬時流量Fiの履歴データなどを記憶部(RAMなど)から読み取る。
次に、演算部11は、S110で、瞬時流量Fiの積算量Imが予め定められた基準積算量Istと同一であると判定した場合には、S120へ移行し、瞬時流量Fiが最大となる最大時刻Tmが予め定められた基準最大時刻Tstと同じであるか否かを判定する。
なお、基準積算量Istは、予め実施した測定結果に基づいて、正常状態の動作期間中における瞬時流量Fiの積算量Imに相当する値が設定されている。また、基準最大時刻Tstは、予め実施した測定結果に基づいて、正常状態の動作期間中において瞬時流量Fiが最大値となる時刻が設定されている。
一方、演算部11は、S110で、否定判定した場合には、S160へ移行し、瞬時流量Fiの積算量Imが基準積算量Istよりも大きいか否かを判定する。
演算部11は、S120で肯定判定した場合には、S130へ移行し、動作期間の終了時(動作完了時)における瞬時流量Fi(以下、完了時流量Fsともいう)が0[L/SEC]である(Fs=0)か否かを判定する。
演算部11は、S130で肯定判定した場合には、S140へ移行し、圧縮空気の供給状態が正常と判定する。一方、演算部11は、S130で否定判定した場合には、S150へ移行し、圧縮空気の供給状態が複合異常(空気漏れとその他の異常との複合異常)と判定する。なお、複合異常とは、例えば、空気漏れ異常と、空気圧駆動機器31の接続機構の不具合(過負荷等)と、が併発した状態が挙げられる。
また、演算部11は、S160で肯定判定した場合には、S180へ移行し、圧縮空気の供給状態が空気漏れ状態であると判定する。なお、空気漏れ状態としては、例えば、空気圧駆動機器31の破損、配管(供給配管17、第1経路33、第2経路35のいずれか)の穴あき、流通方向切替部15のシール(気密性)不具合などが挙げられる。
一方、演算部11は、S160で否定判定した場合には、S190へ移行し、瞬時流量Fiが最大となる最大時刻Tmが基準最大時刻Tstより早いか否かを判定する。
演算部11は、S190で肯定判定した場合には、S200へ移行し、圧縮空気の供給状態が「その他の異常状態(異常停止等)」であると判定する。なお、その他の異常状態としては、例えば、空気圧駆動機器31の動作不良、空気圧駆動機器31の接続機構の不具合(過負荷等)などが挙げられる。この場合、全ての空気圧駆動機器31の動作を停止する処理を実行して、異常状態に起因する事故の発生を抑制してもよい。
演算部11は、S190で否定した場合には、S210へ移行し、圧縮空気の供給状態が「速度低状態」(圧縮空気の供給速度が正常状態よりも遅い状態)と判定する。なお、速度低状態としては、例えば、速度調整機器の誤調整、速度調整機器の故障、配管(供給配管17、第1経路33、第2経路35、排出配管19のいずれか)の詰まり、空気圧駆動機器31の接続機構の不具合(過負荷等)、流通方向切替部15の故障などが挙げられる。速度調整機器は、図1などでは図示を省略しているが、第1経路33,第2経路35に配置されており、それぞれの経路における断面積の大きさを変更可能な絞り弁を有している。そして、この絞り弁により断面積の大きさを変更することで第1経路33、第2経路35の流量を調整可能であり、この調整によりピストン32の移動速度を調整するものである。
また、演算部11は、S120で否定判定した場合には、S220へ移行し、最大時刻Tmが基準最大時刻Tstよりも早いか否かを判定する。
演算部11は、S220で肯定判定した場合には、S230へ移行し、圧縮空気の供給状態が「速度高状態」(圧縮空気の供給速度が正常状態よりも速い状態)と判定する。なお、速度高状態としては、例えば、速度調整機器の誤調整、速度調整機器の故障などが挙げられる。
演算部11は、S220で否定判定した場合には、S210に移行する。
演算部11は、S140,S150,S180,S200,S210,S230のいずれかの処理を完了すると、異常判定処理を終了する。
なお、演算部11は、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれについて、個別に異常判定処理を行うように構成されている。つまり、異常判定処理を実行する演算部11は、空気圧駆動機器31のそれぞれの動作時期(動作期間中)における圧縮空気の瞬時流量Fiと判定基準情報との比較結果に基づいて、複数の空気圧駆動機器31のうちいずれが異常状態であるかを判定している。
[1−4.効果]
以上説明したように、本実施形態の製造装置1に備えられる制御部3は、各種処理を実行する演算部11と、供給配管17(主供給配管17a)に流れる圧縮空気の流量を測定する流量測定部13と、を備えている。
制御部3は、演算部11が異常判定処理を実行することで、供給配管17を通じて空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定装置として動作する。
流量測定部13は、供給配管17(主供給配管17a)から空気圧駆動機器31へ供給される圧縮空気の変化状態を測定する。
演算部11は、異常判定処理を実行することで、流量測定部13で測定された圧縮空気の変化状態(積算量Im、最大時刻Tm、完了時流量Fsなど)と、予め定められた判定基準情報(基準積算量Ist、基準最大時刻Tst、0[L/SEC]など)との比較結果に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する。
演算部11は、流量測定部13で測定された圧縮空気の変化状態が判定基準情報と一致する場合には(S110、S120、S130でいずれも肯定判定)、圧縮空気の供給状態が正常状態であると判定する(S140)。また、演算部11は、流量測定部13で測定された圧縮空気の変化状態が判定基準情報と異なる場合には(S110、S120、S130のうちいずれか1つで否定判定)、圧縮空気の供給状態が異常状態であると判定する(S150,S180,S200,S210,S230のいずれか)。
よって、この制御部3は、空気圧駆動機器31の停止中ではなく、空気圧駆動機器31の動作中に、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定することができる。
次に、製造装置1においては、空気圧駆動機器31は複数備えられ、供給配管17は、主供給配管17aと、複数の分岐供給配管17bと、を備えている。主供給配管17aは、外部供給経路21から圧縮空気が供給されるように構成されており、分岐供給配管17bは、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれに圧縮空気を供給するために主供給配管17aから分岐して構成されている。
そして、流量測定部13は、主供給配管17aにおける圧縮空気の変化状態(具体的には、瞬時流量Fi)を測定する。異常判定処理を実行する演算部11は、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの動作時期(動作期間中)における圧縮空気の瞬時流量Fiと判定基準情報との比較結果に基づいて、複数の空気圧駆動機器31のうちいずれが異常状態であるかを判定している。例えば、第1空気圧駆動機器31aの動作期間中に異常判定処理での判定結果が異常状態となる場合には、複数の空気圧駆動機器31のうち第1空気圧駆動機器31aが異常状態であると判定する。
複数の空気圧駆動機器31が備えられる構成であっても、演算部11が上記のように判定することで、複数の分岐供給配管17bのそれぞれに対応した複数の流量測定部13を備えることなく、主供給配管17aに備えられた1つの流量測定部13を用いて、複数の空気圧駆動機器31のうちいずれが異常状態であるか判定できる。つまり、流量測定部13の設置個数を増加させることなく、複数の空気圧駆動機器31における圧縮空気の供給状態が正常であるか異常であるかを判定できる。
次に、制御部3において、異常判定処理を実行する演算部11は、積算量Imおよび最大時刻Tmを用いた判定(S110、S120)に加えて、動作期間の終了時(動作完了時)における瞬時流量Fi(完了時流量Fs)を用いた判定(S130)を行い、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定している。
空気圧駆動機器31が正常であれば、空気圧駆動機器31の動作完了時には供給配管17からの圧縮空気の供給が停止されるが、空気圧駆動機器31が異常(漏洩あり)であれば、空気圧駆動機器31の動作完了時以降も漏洩する空気量に応じて供給配管17からの圧縮空気の供給が継続される。このため、空気圧駆動機器31の動作完了時における圧縮空気の変化状態に基づいて、空気圧駆動機器31での圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定できる。
よって、制御部3は、空気圧駆動機器31の動作中における圧縮空気の変化状態に加えて、空気圧駆動機器31の動作完了時における圧縮空気の変化状態を用いて判定することで、圧縮空気の供給状態の判定精度を向上できる。
次に、制御部3において、流量記憶処理および流量分析処理を実行する演算部11は、空気圧駆動機器31の動作開始時を起点として流量測定部13で測定された圧縮空気の瞬時流量Fiに基づいて圧縮空気の変化状態(積算量Im、最大時刻Tm、完了時流量Fsなど)を演算する。そして、異常判定処理を実行する演算部11は、空気圧駆動機器31の動作期間中における圧縮空気の変化状態(積算量Im、最大時刻Tm、完了時流量Fsなど)と判定基準情報(基準積算量Ist、基準最大時刻Tst、0[L/SEC]など)との比較結果に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定している。
つまり、演算部11は、空気圧駆動機器31の動作期間中における圧縮空気の変化状態に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否か判定を行うため、空気圧駆動機器31の動作中における異常の有無を判定できる。
なお、本実施形態の演算部11は、空気圧駆動機器31の動作を開始するための動作信号Sanに基づいて、空気圧駆動機器31の動作開始時を判断するよう構成されている。
次に、制御部3は、圧縮空気の移動方向を切り替える流通方向切替部15を用いて空気圧駆動機器31の動作状態を切り替えるように構成されている。換言すれば、空気圧駆動機器31は、このような流通方向切替部15による圧縮空気の移動方向の切替により動作状態が切り替わるように構成されている。このような流通方向切替部15を用いる場合には、圧縮空気の経路が複雑に変化する構成となるため、空気漏洩が生じやすくなる。
このような流通方向切替部15を備える構成において、上記の異常判定処理を実行することで、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを適切に判定できるとともに、空気圧駆動機器31の動作が異常であるか否かを適切に判断できる。
[1−5.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
制御部3が異常判定装置の一例に相当し、流量測定部13が変化状態測定部の一例に相当し、異常判定処理を実行する演算部11が異常判定部の一例に相当し、供給配管17が配管の一例に相当し、主供給配管17aが主配管の一例に相当し、分岐供給配管17bが分岐配管の一例に相当する。
積算量Im、最大時刻Tm、完了時流量Fsのそれぞれが圧縮空気の変化状態の一例に相当し、基準積算量Ist、基準最大時刻Tst、0[L/SEC]のそれぞれが判定基準情報の一例に相当し、流量記憶処理および流量分析処理が変化状態測定ステップの一例に相当し、異常判定処理が異常判定ステップの一例に相当する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態として、第1実施形態における異常判定処理に代えて、第2異常判定処理を実行する制御部3を備える製造装置について説明する。
なお、第2実施形態の製造装置は、制御部3と、複数の空気圧駆動機器31と、を備えており、第1実施形態と比べてハードウェア構成は同様であり、以下の説明では、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。また、第2実施形態のうち第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明する。
まず、第2実施形態の演算部11は、記憶部に記憶した瞬時流量Fiの履歴データに基づいて、空気圧駆動機器31の動作期間中における瞬時流量Fiの最大値Fmを特定するとともに、空気圧駆動機器31の動作期間中において瞬時流量Fiが最大値Fmとなる時刻(最大時刻Tm)を特定する流量分析処理を実行する。なお、第2実施形態の演算部11は、第1実施形態と同様の流量記憶処理を実行する。
次に、制御部3の演算部11が実行する第2異常判定処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、S300で、演算部11は、供給配管17(詳細には、主供給配管17a)に流れる圧縮空気の瞬時流量Fiの履歴データなどを記憶部(RAMなど)から読み取る。
次に、演算部11は、S310で、瞬時流量Fiが最大となる最大時刻Tmが予め定められた基準最大時刻Tstと同じであると判定した場合には、S320へ移行し、瞬時流量Fiの最大値Fmが予め定められた基準最大値Fstと同一か否かを判定する。
なお、基準最大時刻Tstは、予め実施した測定結果に基づいて、正常状態の動作期間中において瞬時流量Fiが最大値となる時刻が設定されている。また、基準最大値Fstは、予め実施した測定結果に基づいて、正常状態の動作期間中における瞬時流量Fiの最大値Fmに相当する値が設定されている。
演算部11は、S320で肯定判定した場合には、S330へ移行し、動作期間の終了時(動作完了時)における瞬時流量Fi(以下、完了時流量Fsともいう)が0[L/SEC]である(Fs=0)か否かを判定する。
演算部11は、S330で肯定判定した場合には、S340へ移行し、圧縮空気の供給状態が正常と判定する。一方、演算部11は、S330で否定判定した場合には、S400へ移行し、圧縮空気の供給状態が「その他の異常状態(異常停止等)」であると判定する。
演算部11は、S320で否定判定した場合には、S380へ移行し、瞬時流量Fiの最大値Fmが基準最大値Fstより大きいか否かを判定する。
演算部11は、S380で肯定判定した場合には、S390へ移行する。演算部11は、S380で否定した場合には、S400へ移行し、圧縮空気の供給状態が「その他の異常状態(異常停止等)」であると判定する。
一方、演算部11は、S310で、否定判定した場合には、S350へ移行し、瞬時流量Fiが最大となる最大時刻Tmが基準最大時刻Tstより早いか否かを判定する。
演算部11は、S350で肯定判定した場合には、S360へ移行し、圧縮空気の供給状態が「速度高状態」(圧縮空気の供給速度が正常状態よりも速い状態)と判定する。演算部11は、S350で否定した場合には、S370へ移行し、圧縮空気の供給状態が「速度低状態」(圧縮空気の供給速度が正常状態よりも遅い状態)と判定する。
演算部11は、S340,S360,S370,S390,S400のいずれかの処理を完了すると、第2異常判定処理を終了する。
以上説明したように、第2実施形態の製造装置1に備えられる制御部3は、演算部11が第2異常判定処理を実行することで、供給配管17を通じて空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定装置として動作する。
演算部11は、第2異常判定処理を実行することで、流量測定部13で測定された圧縮空気の変化状態(最大値Fm、最大時刻Tm、完了時流量Fsなど)と、予め定められた判定基準情報(基準最大値Fst、基準最大時刻Tst、0[L/SEC]など)との比較結果に基づいて、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する。
演算部11は、流量測定部13で測定された圧縮空気の変化状態が判定基準情報と一致する場合には(S310,S320,S330でいずれも肯定判定)、圧縮空気の供給状態が正常状態であると判定する(S340)。また、演算部11は、流量測定部13で測定された圧縮空気の変化状態が判定基準情報と異なる場合には(S310,S320,S330のうちいずれか1つで否定判定)、圧縮空気の供給状態が異常状態であると判定する(S360,S370,S390,S400のいずれか)。
よって、この制御部3は、空気圧駆動機器31の停止中ではなく、空気圧駆動機器31の動作中に、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定することができる。
次に、制御部3において、第2異常判定処理を実行する演算部11は、最大値Fmおよび最大時刻Tmを用いた判定(S310,S320)に加えて、動作期間の終了時(動作完了時)における瞬時流量Fi(完了時流量Fs)を用いた判定(S330)を行い、圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定している。
よって、制御部3は、空気圧駆動機器31の動作中における圧縮空気の変化状態に加えて、空気圧駆動機器31の動作完了時における圧縮空気の変化状態を用いて判定することで、圧縮空気の供給状態の判定精度を向上できる。
ここで、文言の対応関係について説明する。
最大値Fm、最大時刻Tm、完了時流量Fsのそれぞれが圧縮空気の変化状態の一例に相当し、基準最大値Fst、基準最大時刻Tst、0[L/SEC]のそれぞれが判定基準情報の一例に相当し、流量記憶処理および流量分析処理が変化状態測定ステップの一例に相当し、第2異常判定処理が異常判定ステップの一例に相当する。
[3.第3実施形態]
[3−1.全体構成]
第3実施形態として、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの動作期間のうち少なくとも一部が重なるのを許容するように構成された制御部3を備える製造装置について説明する。
なお、第3実施形態の製造装置は、制御部3と、複数の空気圧駆動機器31と、を備えており、第1実施形態と比べてハードウェア構成は同様であり、以下の説明では、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。また、第3実施形態のうち第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明する。
[3−2.圧縮空気の変化状態]
第3実施形態の流量測定部13で測定される圧縮空気の変化状態(圧縮空気の瞬時流量)の一例について、図6を用いて説明する。
ここでは、4個(A番目、B番目、C番目、D番目)の空気圧駆動機器31における動作期間の一部が重複する場合の波形について説明する。また、図6では、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態として、2種類の状態(正常状態、Bが異常(B番目の空気圧駆動機器31が異常))におけるそれぞれの「圧縮空気の変化状態」を図示している。
図6の「正常状態」は、4個の空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が正常である場合の圧縮空気の変化状態を表している。A番目の空気圧駆動機器31は第1時刻taに動作を開始し、B番目の空気圧駆動機器31は第2時刻tbに動作を開始し、C番目の空気圧駆動機器31は第3時刻tcに動作を開始し、D番目の空気圧駆動機器31は第4時刻tdに動作を開始する。
なお、図6の「正常状態」では、流量測定部13で測定される圧縮空気の瞬時流量Fiを示す波形を「総和値」として記載している。また、参考用として、4個(A番目、B番目、C番目、D番目)の空気圧駆動機器31に個別に供給される圧縮空気の瞬時流量を示す波形を、それぞれ、基準A、基準B、基準C、基準Dとして記載している。
次に、図6における「Bが異常」の波形は、B番目の空気圧駆動機器31が空気漏れ異常である場合の波形であり、B番目の波形は、最大値に到達した後は約0.007[L/SEC]までしか低下せず、0[L/SEC]に収束しない波形であり、「正常状態」の基準Bとは異なる波形を示す。なお、A番目、C番目、D番目の各波形は、「正常状態」の基準A、基準C、基準Dと同様の波形である。
このため、「Bが異常」の場合に、流量測定部13で測定される圧縮空気の瞬時流量Fiは、「測定値」と記載した波形(太い実線)となる。これは、「正常状態」の「総和値」(以下、基準総和値ともいう)の波形(太い点線)とは異なる波形を示す。
次に、4個(A番目、B番目、C番目、D番目)の空気圧駆動機器31のうち、B番目が「空気漏れ異常」であり、D番目が「速度低異常」である場合の波形を、図7の上側欄に示す。
図7の上側欄の波形は、B番目の空気圧駆動機器31が空気漏れ異常である場合の波形であり、B番目の波形は、最大値に到達した後は約0.007[L/SEC]までしか低下せず、0[L/SEC]に収束しない波形であり、図6における「正常状態」の基準Bとは異なる波形を示す。また、図7の上側欄の波形は、D番目の空気圧駆動機器31が速度低異常である場合の波形であり、D番目の波形は、図6の「正常状態」の基準Bの波形と比べて、最大値が小さく、最大値となる時刻が遅い波形である。なお、A番目、C番目の各波形は、図6の「正常状態」の基準A、基準Dと同様の波形である。
このため、図7の上側欄の波形では、流量測定部13で測定される圧縮空気の瞬時流量Fiは、「測定値」と記載した波形(太い実線)となる。これは、図6における「正常状態」の「総和値」の波形(図7の上側欄では、基準総和値(太い点線))とは異なる波形を示す。
[3−3.制御部が実行する処理]
次に、第3実施形態において、制御部3の演算部11が実行する各種処理について説明する。
なお、上述のように、第3実施形態の制御部3は、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの動作期間のうち少なくとも一部が重なるのを許容するように構成されている。つまり、第3実施形態の演算部11は、アクチュエータ制御処理を実行するにあたり、1つの空気圧駆動機器31が動作中であっても、他の空気圧駆動機器31も動作可能となるように処理を実行する。
また、第3実施形態の流量記憶処理は、動作信号Sanの出力開始時から第2時間T2が経過するまでの動作期間中、あるいは、動作信号Sanの出力開始時から他の動作信号Sanの出力開始時までの期間中のうちいずれかにおける瞬時流量Fiの履歴データを記憶部に記憶する処理である。換言すれば、流量記憶処理は、通常動作期間(空気圧駆動機器31の動作開始時を起点として第2時間T2が経過するまでの動作期間)および短縮動作期間(空気圧駆動機器31の動作開始時を起点として他の空気圧駆動機器31の動作開始時までの動作期間)のうち早期に終点に到達する動作期間中において、流量測定部13で測定された瞬時流量Fiの履歴データを記憶部に記憶する処理である。
第3実施形態の異常判定処理は、流量測定部13で測定された瞬時流量Fiの波形(測定値)と、予め定められた基準波形との対比結果に基づいて、異常状態であるか否かを判定している。なお、第3実施形態の演算部11は、「正常状態」における「総和値」の波形(図6参照)を基準波形として、記憶部(ROMなど)に予め記憶している。
例えば、図6の「Bが異常」における測定値は、基準総和値と対比すると、第2時刻tb以降の波形が不一致であるため、第2時刻tbの直後に動作を開始するB番目の空気圧駆動機器31が異常であると判断できる。なお、B番目の空気圧駆動機器31における異常の内容(種類)を特定するためには、例えば、B番目の空気圧駆動機器31を単独で動作させて、第1実施形態の異常判定処理や第2実施形態の第2異常判定処理を実行することで、異常の内容(種類)を特定しても良い。
また、図7の上側欄における測定値は、基準総和値と対比すると、第2時刻tb以降の波形が不一致であるため、第2時刻tbの直後に動作を開始するB番目の空気圧駆動機器31が異常状態であると判断できる。
B番目の空気圧駆動機器31よりも後に動作を開始するC番目およびD番目の空気圧駆動機器31が異常であるか否かを判断するためには、例えば、図7の下側欄に示すように、4個の空気圧駆動機器31のそれぞれについて、測定値(流量測定部13で測定された瞬時流量Fi)から個別基準値(例えば、図6の「正常状態」における基準A,基準B,基準C,基準Dの各波形)を差し引いた個別演算値を用いて判定しても良い。具体的には、A番目の空気圧駆動機器31における個別演算値は、「測定値」から「基準B,基準C、基準D」を差し引いた波形である。同様に、B番目の個別演算値は、「測定値」から「基準A,基準C、基準D」を差し引いた波形であり、C番目の個別演算値は、「測定値」から「基準A,基準B、基準D」を差し引いた波形であり、D番目の個別演算値は、「測定値」から「基準A,基準B、基準C」を差し引いた波形である。
得られた個別演算値の波形を、その空気圧駆動機器31の個別基準値の波形(例えば、図6の「正常状態」における基準A,基準B,基準C,基準Dのいずれかの波形)と対比して、波形の相関値を算出し、その相関値に基づいて異常の有無を判定してもよい。なお、波形の相関値とは、相関関数とも言われており、「波形形状の近似度合い」のことであり、例えば、個別演算値の波形を高さ方向に拡大・縮小した波形が、個別基準値の波形と一致する場合には、最大値(例えば、1.000)となり、波形の不一致点が増えるに従い値が低下する、という特徴を有する数値である。そして、例えば、波形の相関値が相関基準値(例えば、0.990)以上である場合に正常と判断し、波形の相関値が相関基準値よりも小さい場合には異常と判断することで、異常の有無を判定できる。
あるいは、個別演算値の波形および個別基準値の波形をそれぞれ時間微分して微分波形を算出し、それぞれの微分波形の相関値を算出して、その相関値と相関基準値との比較結果に基づいて異常の有無を判定してもよい。
図7の下側欄に示すように、相関値に基づいて、4個の空気圧駆動機器31におけるそれぞれの異常の有無を判定すると、A番目およびC番目の空気圧駆動機器31はそれぞれ正常と判定され、B番目およびD番目の空気圧駆動機器31はそれぞれ異常と判定される。なお、C番目の個別演算値の波形は、全体的に個別基準値の波形よりも大きい値を示すとともに、高さ方向に縮小すると個別基準値の波形と一致することから、C番目の空気圧駆動機器31は正常と判定できるとともに、さらに、この前に動作したB番目の空気圧駆動機器31で「空気漏れ」と判定できる。これにより、B番目の空気圧駆動機器31における異常の種類を特定できる。
なお、D番目の空気圧駆動機器31については、個別演算値の波形に基づいて、異常であることは判定できるが、B番目の空気圧駆動機器31が異常であることの影響により、異常の内容(種類)を特定することは難しい。このため、D番目の空気圧駆動機器31の異常の内容を特定するためには、D番目の空気圧駆動機器31のみを単独で動作させて、そのときの圧縮空気の変化状態に基づいて異常の内容(種類)を判定してもよい。
なお、図8に、第3実施形態における第3異常判定処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートは、4個(A番目、B番目、C番目、D番目)の空気圧駆動機器31がA番目、B番目、C番目、D番目の順番で動作する場合の異常判定処理である。
まず、S500で、演算部11は、供給配管17(詳細には、主供給配管17a)に流れる圧縮空気の瞬時流量Fi(図6および図7では測定値に相当)の履歴データなどを記憶部(RAMなど)から読み取る。
次に、演算部11は、S510で、瞬時流量Fi(測定値)の波形および予め定められた基準総和値の波形のうち、図7の上側欄における第1時刻taから第2時刻tbまでの波形どうしの対比結果に基づいて、A番目の空気圧駆動機器31が異常であるか否かを判定する。両者の波形が異なる場合にはA番目の空気圧駆動機器31が異常であると判定(肯定判定)してS560に移行し、両者の波形が同一の場合にはA番目の空気圧駆動機器31が異常ではないと判定(否定判定)してS520に移行する。
次に、演算部11は、S520で、瞬時流量Fi(測定値)の波形および基準総和値の波形のうち、図7の上側欄における第2時刻tbから第3時刻tcまでの波形どうしの対比結果に基づいて、B番目の空気圧駆動機器31が異常であるか否かを判定する。S520で肯定判定するとS570に移行し、S520で否定判定するとS530に移行する。
演算部11は、S530で、瞬時流量Fi(測定値)の波形および基準総和値の波形のうち、図7の上側欄における第3時刻tcから第4時刻tdまでの波形どうしの対比結果に基づいて、C番目の空気圧駆動機器31が異常であるか否かを判定する。S530で肯定判定するとS580に移行し、S530で否定判定するとS540に移行する。
演算部11は、S540で、瞬時流量Fi(測定値)の波形および基準総和値の波形のうち、図7の上側欄における第4時刻tdから一定時間(例えば、図3の第2時間T2に相当する時間が経過するまでの時間)が経過するまでの波形どうしの対比結果に基づいて、D番目の空気圧駆動機器31が異常であるか否かを判定する。S540で肯定判定するとS590に移行し、S540で否定判定するとS550に移行する。
演算部11は、S510、S520、S530、S540の全てで否定判定すると、S550に移行して、4個の空気圧駆動機器31がいずれも正常状態であると判定する。
一方、演算部11は、S510で肯定判定されてS560に移行すると、A番目以外の複数の空気圧駆動機器31(B番目、C番目、D番目の空気圧駆動機器31)のそれぞれについて異常の有無を判定する処理を実行する。具体的には、B番目、C番目、D番目の空気圧駆動機器31のそれぞれについて、上述したように、測定値(流量測定部13で測定された瞬時流量Fi)から個別基準値(例えば、図6の「正常状態」における基準A,基準B,基準C,基準Dのうちいずれか3個の波形)を差し引いた個別演算値を用いて判定する。B番目、C番目、D番目の空気圧駆動機器31のそれぞれについて、個別演算値を算出し、得られた個別演算値の波形を、その空気圧駆動機器31の個別基準値の波形と対比して、波形の相関値を算出し、その相関値に基づいて異常の有無を判定する。なお、微分波形を用いて判定する場合には、微分処理を実施した上で、微分波形どうしの相関値を算出し、その相関値に基づいて異常の有無を判定する。
一方、演算部11は、S520で肯定判定されてS570に移行すると、A番目およびB番目以外の空気圧駆動機器31であるC番目、D番目の空気圧駆動機器31のそれぞれについて異常の有無を判定する処理を実行する。S570での処理内容は、S560に類似した判定処理であって、C番目、D番目の空気圧駆動機器31を判定対象とした判定処理であるため、説明は省略する。
一方、演算部11は、S530で肯定判定されてS580に移行すると、A,B,C番目以外の空気圧駆動機器31であるD番目の空気圧駆動機器31について異常の有無を判定する処理を実行する。S580での処理内容は、S560に類似した判定処理であって、D番目の空気圧駆動機器31を判定対象とした判定処理であるため、説明は省略する。
演算部11は、S560,S570,S580の処理が終了するか、S540で肯定判定されてS590に移行すると、異常と判定された空気圧駆動機器31を個別に動作させて異常の内容(種類)を判定する。
演算部11は、S550またはS590の処理が終了すると、第3異常判定処理を終了する。
なお、図8に示す第3異常判定処理は、4個の空気圧駆動機器31におけるそれぞれの動作期間が重なる場合において異常の有無を判定する異常判定処理の一例であり、動作期間が重なる空気圧駆動機器31の個数が異なる場合には、S510〜S540の判定ステップの個数を適宜変更するとともに、S560〜S580の判定ステップの個数を適宜変更することで、異常の有無を判定できる。
また、図8に示す第3異常判定処理は、4個の空気圧駆動機器31がA番目、B番目、C番目、D番目の順番で動作する場合の異常判定処理の一例であり、動作の順番が異なる場合には、動作の順番に応じて、S510〜S540の判定ステップの判定内容およびS560〜S580の判定ステップの判定内容を適宜変更することで、異常の有無を判定できる。
[3−4.効果]
以上説明したように、第3実施形態の製造装置1に備えられる制御部3は、演算部11が第3異常判定処理を実行することで、供給配管17を通じて空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定装置として動作する。
演算部11は、第3異常判定処理を実行することで、複数の空気圧駆動機器31におけるそれぞれの動作期間のうち少なくとも一部が重なる場合において、少なくとも1つの空気圧駆動機器31が異常状態である場合には、異常の有無を判定することができる。例えば、図6に示す例のように、B番目の空気圧駆動機器31が異常状態である場合には、B番目の空気圧駆動機器31が異常状態であると判定できる。
また、図7に示す例のように、複数(B番目およびD番目)の空気圧駆動機器31が異常状態である場合においても、測定値および基準総和値のそれぞれの波形の対比結果に加えて、個別演算値および個別基準値のそれぞれの波形の対比結果を用いて判定することで、複数の空気圧駆動機器31が異常状態であることを判定できる。
よって、この制御部3は、複数の空気圧駆動機器31におけるそれぞれの動作期間が重なる場合であっても、空気圧駆動機器31における異常の有無を判定できる。
[3−5.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
測定値の波形が圧縮空気の変化状態の一例に相当し、基準総和値の波形が判定基準情報の一例に相当し、流量記憶処理および流量分析処理が変化状態測定ステップの一例に相当し、第3異常判定処理が異常判定ステップの一例に相当する。
[4.第4実施形態]
[4−1.全体構成]
第4実施形態として、複数の空気圧駆動機器31のそれぞれの動作開始時期が同一時期となるのを許容するように構成された制御部3を備える製造装置について説明する。
なお、第4実施形態の製造装置は、制御部3と、複数の空気圧駆動機器31と、を備えており、第1実施形態と比べてハードウェア構成は同様であり、以下の説明では、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。また、第4実施形態のうち第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明する。
[4−2.圧縮空気の変化状態]
第4実施形態の流量測定部13で測定される圧縮空気の変化状態(圧縮空気の瞬時流量)の一例について、図9を用いて説明する。
ここでは、2個(A番目、B番目)の空気圧駆動機器31における動作開始時期が同一である場合(動作期間の全体が重複する場合)の波形について説明する。また、図9では、空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態として、2種類の状態(正常状態、Bが異常(B番目の空気圧駆動機器31が異常))におけるそれぞれの「圧縮空気の変化状態」を図示している。
図9の「正常状態」は、2個の空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が正常である場合の圧縮空気の変化状態(瞬時流量)を表している。A番目およびB番目の空気圧駆動機器31は、それぞれ同一時刻(第1時刻ta)に動作を開始する。
なお、図9の「正常状態」では、流量測定部13で測定される圧縮空気の瞬時流量Fiを示す波形を「測定値」として記載している。また、参考用として、2個(A番目、B番目)の空気圧駆動機器31に個別に供給される圧縮空気の瞬時流量を示す波形を、それぞれ、基準A、基準Bとして記載している。さらに、基準Aおよび基準Bを足し合わせた値を、基準総和値として記載している。図9では、基準Aよりも基準Bの方が、全体として大きい値となる波形となっている。
次に、図9における「Bが異常」の波形は、B番目の空気圧駆動機器31が空気漏れ異常である場合の波形であり、B番目の波形は、最大値に到達した後は約0.010[L/SEC]までしか低下せず、0[L/SEC]に収束しない波形であり、「正常状態」の基準Bとは異なる波形を示す。なお、A番目の波形は、「正常状態」の基準Aと同様の波形である。
このため、「Bが異常」の場合に、流量測定部13で測定される圧縮空気の瞬時流量Fiは、「測定値」と記載した波形(実線)となる。これは、「正常状態」の「総和値」(以下、基準総和値ともいう)の波形(太い点線)とは異なる波形を示す。
[4−3.制御部が実行する処理]
次に、第4実施形態において、制御部3の演算部11が実行する各種処理について説明する。
なお、上述のように、第4実施形態の制御部3は、複数の空気圧駆動機器31のうち少なくとも2つの動作開始時期が同一となるのを許容するように構成されている。つまり、第4実施形態の演算部11が実行するアクチュエータ制御処理は、2つの空気圧駆動機器31が同時に動作を開始するのを許容するように制御処理を実行する。
また、第4実施形態の流量記憶処理は、流通方向切替部15への動作信号Sanの出力開始時を起点として第2時間T2が経過するまでの動作期間中における瞬時流量Fiの履歴データを記憶部に記憶する処理である。換言すれば、流量記憶処理は、空気圧駆動機器31の動作開始時を起点として第2時間T2が経過するまでの動作期間中において、流量測定部13で測定された瞬時流量Fiの履歴データを記憶部に記憶する処理である。
第4実施形態の異常判定処理は、流量測定部13で測定された瞬時流量Fiの波形(測定値)と、予め定められた基準波形との対比結果に基づいて、異常状態であるか否かを判定している。なお、第4実施形態の演算部11は、「正常状態」における「総和値」の波形(図9参照)を基準波形として、記憶部(ROMなど)に予め記憶している。
例えば、図9の「Bが異常」における測定値は、基準総和値と対比すると、波形が不一致であるため、A番目およびB番目のうち少なくとも一方の空気圧駆動機器31が異常であると判断できる。なお、いずれの空気圧駆動機器31が異常であるかを特定するため、あるいは、異常の内容(種類)を特定するためには、例えば、複数の空気圧駆動機器31を個別に動作させて、第1実施形態の異常判定処理や第2実施形態の第2異常判定処理を実行することで、複数の空気圧駆動機器31のうちいずれが異常状態であるのかを特定するとともに、異常の内容(種類)を特定しても良い。
なお、図10に、第4実施形態における第4異常判定処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートは、2個(A番目、B番目)の空気圧駆動機器31が同時期に動作を開始する場合の異常判定処理である。
まず、S700で、演算部11は、供給配管17(詳細には、主供給配管17a)に流れる圧縮空気の瞬時流量Fi(図9では測定値に相当)の履歴データなどを記憶部(RAMなど)から読み取る。
次に、演算部11は、S710で、瞬時流量Fi(測定値)の波形および予め定められた基準総和値の波形の対比結果に基づいて、測定値と基準総和値とが同一であるか否かを判定する。このとき、両者の波形が同一の場合には肯定判定してS720に移行し、A番目およびB番目の空気圧駆動機器31がいずれも正常であると判定する。また、両者の波形が異なる場合には否定判定してS730に移行し、A番目およびB番目のうち少なくとも一方の空気圧駆動機器31が異常であると判定する。
S730が終了してS740に移行すると、2個(A番目、B番目)の空気圧駆動機器31を個別に動作させて、いずれが異常であるのか判定するとともに、異常の内容(種類)を判定する。
演算部11は、S720またはS730の処理が終了すると、第4異常判定処理を終了する。
[4−4.効果]
以上説明したように、第4実施形態の製造装置1に備えられる制御部3は、演算部11が第4異常判定処理を実行することで、供給配管17を通じて空気圧駆動機器31に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定装置として動作する。
演算部11は、第4異常判定処理を実行することで、2個の空気圧駆動機器31が同時期に動作を開始する場合において、少なくとも1つの空気圧駆動機器31が異常状態である場合には、異常の有無を判定することができる。例えば、図9の下側に示す例のように、B番目の空気圧駆動機器31が異常状態である場合には、少なくとも1つの空気圧駆動機器31が異常状態であると判定できる。
また、測定値および基準総和値のそれぞれの波形の対比結果に加えて、個別演算値および個別基準値のそれぞれの波形の対比結果を用いて判定することで、複数の空気圧駆動機器31のうちいずれが異常であるのか判定できるとともに、異常の内容(種類)を判定できる。
よって、この制御部3は、複数の空気圧駆動機器31が同時期に動作を開始する場合であっても、複数の空気圧駆動機器31のうちいずれが異常であるのか判定できるとともに、異常の内容(種類)を判定できる。
[4−5.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
測定値の波形が圧縮空気の変化状態の一例に相当し、基準総和値の波形が判定基準情報の一例に相当し、流量記憶処理および流量分析処理が変化状態測定ステップの一例に相当し、第4異常判定処理が異常判定ステップの一例に相当する。
[5.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上述の各実施形態の制御部3(異常判定装置)は、複数の空気圧駆動機器を制御するように構成されているが、本開示の異常判定装置は、単一の空気圧駆動機器を制御する構成であってもよい。
次に、第1実施形態および第2実施形態では、異常判定処理が、空気圧駆動機器31の動作期間の終了時(動作完了時)における瞬時流量Fi(完了時流量Fs)を用いて圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する完了時判定ステップ(S130,S330)を有する構成であるが、異常判定処理はこのような構成に限られることはない。例えば、異常判定処理が、空気圧駆動機器31の動作期間の開始時(動作開始時)における瞬時流量Fi(開始時流量Fp)を用いて圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する開始時判定ステップを有する構成であってもよい。異常判定処理は、開始時判定ステップおよび完了時判定ステップの両者を備える構成であってもよいし、いずれか一方の判定ステップを備える構成であってもよい。
次に、第3実施形態では、4個の空気圧駆動機器31のそれぞれの動作期間のうち少なくとも一部が重なるように構成について説明したが、2個または3個または5個以上の空気圧駆動機器31のそれぞれの動作期間のうち少なくとも一部が重なるように構成であってもよい。
また、第4実施形態では、2個の空気圧駆動機器31が同時期に動作を開始する構成について説明したが、3個以上の空気圧駆動機器31が同時期に動作を開始する構成であっても良い。
さらに、上記実施形態は、空気圧駆動機器を備える製造装置について説明したが、本開示の適用対象は製造装置に限られることはなく、空気圧駆動機器を備えるものであれば任意の機器に適用できる。例えば、機械設備、産業機械、空気圧駆動機器そのもの、これらの制御装置などに本開示を適用してもよい。
次に、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
上述したマイコンの他、当該マイコンを構成要素とするシステム、当該マイコンとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、濃度算出方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…製造装置、3…制御部、11…演算部、13…流量測定部、15…流通方向切替部、15a…平行連結部、15b…交差連結部、17…供給配管、17a…主供給配管、17b…分岐供給配管、19…排出配管、19a…主排出配管、19b…分岐排出配管、31…空気圧駆動機器(空気圧アクチュエータ)、32…ピストン、33…第1経路、35…第2経路。

Claims (6)

  1. 配管を通じて空気圧駆動機器に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定方法であって、
    前記配管から前記空気圧駆動機器へ供給される前記圧縮空気の変化状態を測定する変化状態測定ステップと、
    前記変化状態測定ステップで測定された前記変化状態と予め定められた判定基準情報との比較結果に基づいて、前記圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定ステップと、
    を有する異常判定方法。
  2. 前記空気圧駆動機器は複数備えられ、
    前記配管は、外部から前記圧縮空気が供給される主配管と、前記複数の空気圧駆動機器のそれぞれに前記圧縮空気を供給するために前記主配管から分岐する複数の分岐配管と、を備えており、
    前記変化状態測定ステップでは、前記主配管における前記圧縮空気の変化状態を測定する変化状態測定部を用いて前記圧縮空気の変化状態を測定し、
    前記異常判定ステップでは、前記複数の空気圧駆動機器のそれぞれの動作時期における前記圧縮空気の変化状態と前記判定基準情報との比較結果に基づいて、前記複数の空気圧駆動機器のうちいずれが異常状態であるかを判定する、
    請求項1に記載の異常判定方法。
  3. 前記異常判定ステップでは、さらに、前記空気圧駆動機器の動作完了時における前記圧縮空気の変化状態に基づいて、前記圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する、
    請求項1または請求項2に記載の異常判定方法。
  4. 前記異常判定ステップでは、前記空気圧駆動機器の動作開始時を起点として前記変化状態測定ステップで測定された前記変化状態と前記判定基準情報との比較結果に基づいて、前記圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する、
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の異常判定方法。
  5. 前記空気圧駆動機器は、前記圧縮空気の移動方向を切り替える流通方向切替部により動作状態が切り替わるように構成されている、
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の異常判定方法。
  6. 配管を通じて空気圧駆動機器に供給される圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定装置であって、
    前記配管から前記空気圧駆動機器へ供給される前記圧縮空気の変化状態を測定する変化状態測定部と、
    前記変化状態測定部で測定された前記変化状態と予め定められた判定基準情報との比較結果に基づいて、前記圧縮空気の供給状態が異常であるか否かを判定する異常判定部と、
    を備える異常判定装置。
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