JPH10193173A - 制振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法 - Google Patents

制振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法

Info

Publication number
JPH10193173A
JPH10193173A JP9015995A JP1599597A JPH10193173A JP H10193173 A JPH10193173 A JP H10193173A JP 9015995 A JP9015995 A JP 9015995A JP 1599597 A JP1599597 A JP 1599597A JP H10193173 A JPH10193173 A JP H10193173A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
vibration damping
toughness
tensile strength
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9015995A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumito Umazume
文人 馬詰
Akira Hirano
侃 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP9015995A priority Critical patent/JPH10193173A/ja
Publication of JPH10193173A publication Critical patent/JPH10193173A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高機能、低コストで生産され、しかも引張強
さ、じん性、溶接性が具備された制振合金の溶接。 【解決手段】 C:0.001〜0.10%、Si:
0.1〜3.5%、Mn:0.1〜3.5%、P+S:
0.015%以下、Cu:0.30%以下、Ni:0.
1〜3.5%、Cr:0.1〜4.0%、Mo:0.1
〜2.0%、N:0.0050%以下、O:0.005
0%以下に規制し、Al:0.01〜0.3%、Ti:
0.01〜0.3%、の1種あるいは2種以上を添加
し、さらに必要に応じ、Nb:0.001〜0.01
%、B:0.0001%〜0.005%、Zr:0.0
1〜0.5%の1種あるいは2種以上を含有するフィラ
ーワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振合金を溶接フ
ィラーワイヤを用いて溶接し、溶接継手を作製した際、
溶接作業性、引張強さ、じん性および制振性が良好な制
振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年建設物、橋梁、産業機械、土木、自
動車、家電製品等にいたるまで快適性が求められてい
る。例えば、騒音や振動を軽減させることが要求されて
いる。このような背景から引張強さ、じん性、溶接性、
および制振性が良好な構造材料が必要となってきた。
【0003】そこで制振性の良好な鋼が種々開発されて
いる。市販されている構造用制振材料の種類は2種類あ
り、1種は鋼板と鋼板の間に樹脂を挟んだサンドイッチ
型の制振鋼板と、2種目は合金型の制振合金に分かれ
る。
【0004】サンドイッチ型は非常に制振性に優れ、制
振性を表す指標の損失係数ηが室温でη約0.1(樹脂
の種類にもよる)。一方、合金型は、サンドイッチ型に
は比べ制振性は若干劣るが、室温でη約0.01(合金
の種類にもよる)であり、いずれも普通鋼板(室温でη
で約0.001)より制振性が優れているという特徴が
ある。
【0005】サンドイッチ型は、鋼板と鋼板の間に樹脂
を挟んでいるため、この鋼を溶接する際、通電性が悪く
なり、アークが不安定になる。また、樹脂が溶接中に溶
け、あるいは蒸発し、樹脂中に含まれる水素、炭素等が
溶接金属中のとけ込むため、健全な溶接金属が得られな
い等種々の問題を抱えていた。
【0006】そこで、サンドイッチ型でも溶接可能な鋼
板が開発された。例えば特開昭63−67142号公報
では、拘束型の抵抗溶接可能な制振鋼板において3〜6
0%重量比、粒度分布80μ以下で、且つ、JISZ2
502に規定する流動度が18〜30秒/50gである
金属粉を添加した樹脂を用い、溶接性能に優れた制振鋼
板。
【0007】および上記の金属粉を、ステンレス粉、鉄
粉、銅粉、ニッケル粉、鉛粉を単独、または混合あるい
は、合金化して適用することを特徴とする溶接性能に優
れた制振鋼板に代表される樹脂中に金属粉を添加し、溶
接アークを安定にし健全な溶接金属が得られる技術が多
数の公知文献等で開示されている。
【0008】また、サンドイッチ型の樹脂により、溶接
の際樹脂が溶接金属内に溶け込むあるいは、樹脂が蒸発
し、溶接金属内に樹脂の水素、炭素等が溶込み健全な溶
接金属が得られない。そこで溶接施工でもって上記問題
を改善している。
【0009】例えば特公平6−16950号公報は、複
数の鋼板間に樹脂が存在する樹脂系制振鋼板のアーク溶
接において、被溶接面をガスバーナーで加熱して樹脂を
焼却した後、樹脂の存在した部分にスペンサーを挟み込
み、あるいはまた複数の鋼板を仮付け溶接することによ
り樹脂の存在した間隔を確保した状態として、溶接する
と樹脂系制振鋼板の溶接時の気孔発生が防止でき、ま
た、溶接部周辺の樹脂厚の減少を防ぎ、制振性能の低下
を低減できる。
【0010】このため制振鋼板を利用した構造物が製造
でき、あるいは製造コストが低減、工期の短縮ができる
等の効果がある溶接施工技術が開示されている。
【0011】しかし、サンドイッチ型は、鋼板と鋼板の
間に樹脂を挟んでいるため、家電、自動車、建材(屋根
板)に代表される引張強さ、じん性が余り重視されない
薄板には、適用できるが、引張強さ、じん性を重視する
厚板構造物には、適用が困難である。
【0012】そこで引張強さ、じん性に期待の持てる合
金型の制振合金が着目されるようになった。
【0013】例えば特開平7−216507号公報は、
重量%でC:0.0005〜0.0800%、Si:
0.005〜0.060%、Mn:0.05〜1.50
%、P:0.003〜0.2%、S:0.005〜0.
060%、Al:0.01〜0.10%、N:0.00
10〜0.0500%を含み、残部が鉄および不可避不
純物からなる鋼のA層と、C:0.1〜5.0%、S
i:0.01〜6.00%、Mn:0.1〜1.6%、
P:0.01〜0.60%、S:0.005〜0.01
2%を含み、残部が鉄および不可避不純物からなる鉄合
金のB層とをA−B−Aの板厚方向構造になるように、
かつ凝固後の全板厚に対するB層の厚み比が4〜60%
となるように、鋳込み法により製造した複層構造を持つ
ことを特徴とする、溶接性、加工性と制振性を両立する
制振鋼板に代表される合金型制振合金の技術が開示され
ている。
【0014】しかし、合金型の制振合金に適用する制振
合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法を改善し、溶接
作業性、引張強さ、じん性、および溶接継手の制振性を
向上させた技術は、未だ開示されていない。
【0015】例えば特開平5−245670号公報は、
制振鋼板の突き合わせレーザ溶接において、突き合わせ
部にデフォーカスレーザビームを照射し、該突き合わせ
部近傍の樹脂層を蒸発させ除去した後、フォーカスレー
ザビームで該突き合わせ部を溶接することを特徴とし、
突き合わせ継手の延性が母材レベルに向上する効果が得
られる。
【0016】また、突き合わせ部の樹脂層を実際のレー
ザ溶接に先立って物理的に除去するものであるから、除
去された樹脂層の範囲が狭く、かつ狭ビード幅で溶接で
きるため、制振性能を低下させることなく効率の良い良
好な突き合わせ溶接ができる技術である。
【0017】特開平8−25067公報は、1)樹脂複
合型制振鋼板の突き合わせレーザ溶接において、レーザ
ビーム照射部にフィラーワイヤを供給しながらレーザ溶
接を行うことを特徴とする樹脂複合型制振鋼板のレーザ
溶接法。2)フィラーワイヤが、実質的に炭素を含有し
ない非鉄金属であることを特徴とする1)記載の樹脂複
合型制振鋼板のレーザ溶接方法。3)フィラーワイヤ
が、オーステナイト系ステンレス鋼またはフェライト系
ステンレス鋼であることを特徴とする1)記載の樹脂複
合型制振鋼板のレーザ溶接方法の3種のレーザ溶接方法
を用いレーザ突き合わせ部にフィラーワイヤを供給しな
がら突き合わせ溶接するので、樹脂層からの気泡の溶融
金属への混入によるブローホールやアンダーカット等の
溶接欠陥の発生を低減し、樹脂層からの炭素の溶融金属
への溶込みを希釈して深絞りや張り出しなどの成形性の
大幅な低下を抑止できる。
【0018】しかも、1工程で済むので迅速で効率的な
突き合わせ溶接ができる技術が開示されているが、いず
れもサンドイッチ型制振鋼板のレーザー溶接方法であ
り、合金型の制振合金の溶接フィラーワイヤと溶接施工
法に関するものは開示されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、高機
能、低コストで生産され、しかも、引張強さ、じん性、
溶接性が具備された合金型の制振合金の溶接において、
上記問題点を解決し、溶接作業性、引張強さ、じん性お
よび溶接継手の制振性が良好な制振合金用溶接フィラー
ワイヤと溶接施工法を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するものであって、 [請求項1]制振合金溶接フィラーワイヤにおいて重量
%で、C:0.001〜0.10%、Si:0.1〜
3.5%、Mn:0.1〜3.5%、P+S:0.01
5%以下、Cu:0.30%以下、Ni:0.1〜3.
5%、Cr:0.1〜4.0%、Mo:0.1〜2.0
%、N:0.005%以下、O:0.005%以下に規
制し、Al:0.01〜0.3%、Ti:0.01〜
0.3%の1種あるいは2種以上を添加し、さらに必要
に応じ、Nb:0.001〜0.01%、B:0.00
01〜0.005%、Zr:0.01〜0.5%の1種
あるは2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純
物であり、溶接作業性、引張強さ、じん性および溶接継
手の制振性が良好な制振合金用溶接フィラーワイヤ。 [請求項2]請求項1記載のワイヤを用いて制振合金を
溶接するに際し、1層1パスで溶接をすることを特徴と
する溶接施工法。 [請求項3]溶接前に予熱トーチあるいはレーザのみで
鋼板を予熱し、予熱後溶接フィラーワイヤを用い溶接継
手を作製、その後溶接金属中に溶接フィラーワイヤを送
給することなく、レーザのみで溶接金属表面を照射する
ことにより、溶接金属の硬さをHv170〜210に
し、溶接継手の制振性を向上させる溶接施工中の溶接作
業性、溶接金属の引張強さ、じん性が良好な制振合金用
溶接施工法。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は前述のような現状を鑑み
鋭意研究を繰り返した結果なされたものであって、溶接
作業性、引張強さ、じん性および溶接継手の制振性が良
好な制振鋼板用溶接フィラーワイヤと溶接施工法に関す
るものである。
【0022】以下に各成分の限定理由と溶接施工法につ
いて記載する。 C:0.001〜0.10% Cは、炭化物を形成し、引張強さを確保しさらに制振性
が向上する元素である。上記効果を得るため、溶接ワイ
ヤ中に0.001%以上添加させる必要がある。しか
し、過剰添加は割れ、じん性および本発明の特徴である
制振性を低下させる。そのため上限を0.10%とし
た。
【0023】Si:0.1〜3.5% Siは、脱酸元素であり溶接作業性、じん性向上に効く
元素である。また、フェライト生成元素であり、フェラ
イト粒内の純化を促し、本発明の特徴である制振性を向
上させる働きがある。上記効果を得るためには、溶接ワ
イヤ中に0.1%以上添加させる必要がある。しかし、
過剰添加は、じん性および制振性劣化を招くため上限を
3.5%とした。
【0024】Mn:0.1〜3.5% Mnは、Si同様脱酸元素であると同時に溶接金属の引
張強さを高める元素である。上記効果を得るためには、
溶接ワイヤ中に0.1%以上添加させる必要がある。し
かし、過剰添加はじん性低下、制振性を劣化させる働き
があるため、上限を3.5%とした。
【0025】Cu:0.30%以下 Cuは耐錆性、耐蝕性およびワイヤ送給性向上を目的の
ため0.30%以下添加させる必要がある。しかし、対
象鋼種によりCu添加が認めれない場合は、添加しない
ことが望ましい。
【0026】P+S:0.015%以下 P、Sはできるだけ低いほうが望ましい。P、Sは、じ
ん性劣化を招くため溶接ワイヤ中のPおよびSの総重量
を0.015%以下に抑制した。
【0027】Ni:0.1〜3.5%Niは、オーステ
ナイト生成元素で、本発明の特徴である制振性に効果が
あると同時に引張強さおよびじん性が向上する元素であ
る。上記効果を得るためには、溶接ワイヤ中に0.1%
以上添加させる必要がある。しかし、過剰添加は、引張
強さおよびじん性の低下および本発明の特徴である制振
性が劣化するため、3.5%以下とした。
【0028】Cr:0.1〜4.0% Crは、フェライト生成元素でフェライトを安定化さ
せ、本発明の特徴である制振性を向上させると当時にC
r炭窒化物により引張強さを向上させ、耐蝕・耐酸化性
を確保に有効な元素である。上記効果を得るためには、
溶接ワイヤ中に0.1%以上添加させる必要がある。し
かし、過剰添加は、じん性および本発明の特徴である制
振性が劣化するため上限を4.0%とした。
【0029】Mo:0.1〜2.0% MoもCr同様フェライト生成元素でフェライトを安定
させ、本発明の特徴である制振性を向上させると同時に
炭化物により引張強さを向上させる元素である。上記効
果を得るためには、溶接ワイヤ中に0.1%以上添加さ
せる必要がある。しかし、過剰添加は、じん性および本
発明の特徴である制振性が劣化するため上限を2.0%
とした。
【0030】N:0.005%以下 O:0.005%以下 Nは、引張強さ、じん性、および窒化物により制振性が
向上する元素である。しかし、過剰添加は引張強さ、じ
ん性が低下すると同時に本発明の特徴である制振性が劣
化するため上限を0.005%以下とした。Oは、溶接
作業性、じん性および制振制に影響する元素である。O
は、できるだけ低く抑える方がよい。よって0.005
%以下とした。
【0031】Al:0.01〜0.3% Ti:0.01〜0.3% AlおよびTiは、溶接作業性、引張強さおよびじん性
を向上させる元素である。また、Al、Tiの窒化物生
成により本発明の特徴である制振性を向上させる働きが
ある。上記効果を得るためには、溶接ワイヤ中に0.0
1%以上添加させる必要がある。しかし、過剰添加は溶
接作業性、引張強さおよびじん性を低下させ、さらに本
発明の特徴の制振性も劣化するため上限を0.30%と
した。尚、Al、Tiは、1種あるいは2種以上ワイヤ
中に添加することにより上記効果が得られた。
【0032】Nb:0.001〜0.01% B:0.0001〜0.005% Zr:0.01〜0.5% Nb、BおよびZrは、溶接作業性、引張強さおよびじ
ん性を向上させる元素である。また、炭窒化物生成によ
り本発明の特徴である制振性を向上させる働きがある。
上記効果を得るためには、溶接ワイヤ中にNbは0.0
01%、Bは0.0001%、Zrは0.01%以上添
加させる必要がある。しかし、過剰添加は溶接作業性、
引張強さおよびじん性が低下すると同時に本発明の特徴
である制振性が劣化するため、それぞれの元素の上限N
bは0.01%、Bは0.005%、Zrは0.5%と
した。尚、Nb、BおよびZrは、1種あるいは2種以
上ワイヤ中に添加することにより上記効果が得られた。
【0033】次に本発明の特徴である溶接施工法につい
て以下に言及する。本願発明の溶接金属じん性および制
振性を向上させるためには、溶接金属の熱影響部が少な
く、しかも溶接金属の硬さが低いことが望ましい。しか
し、低すぎると目的の引張強さが得られないため、ワイ
ヤ中の合金にて目的の引張り強さを得る。
【0034】また、本発明の特徴である制振性は、ワイ
ヤ中の合金添加で効果を得るよう添加するが、さらに溶
接金属の硬さに着眼し、溶接後の溶接金属に予熱効果を
与え、溶接金属の硬さをHv170〜210に抑えるこ
とにより溶接継手の制振性を向上させる溶接施工法を考
案した。
【0035】溶接法は、レーザ溶接を採用。しかし、溶
接ままの溶接金属では、目的の硬さを得ることが困難な
ため、溶接後フィラーワイヤを用いず溶接金属中にレー
ザ照射することにより目的の硬さを得ることができた。
尚、母材を予熱することにより溶込みおよびビード形状
が安定するため、溶接前に予熱を実施し、積層要領は溶
接効率が良く良好な溶接金属を得るU形開先あるいは狭
開先溶接を実施し、1層1パスで積層させることが望ま
しい。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。表1は、
ワイヤ径1.2mmの供試ワイヤの化学成分を示す。
【0037】
【表1】
【0038】1〜5は本発明ワイヤ、6〜8は比較ワイ
ヤである。表2に溶接施工条件、図1に開先形状を示
す。これらの条件で出力15kwCO2 レーザ溶接を実
施した。引張試験片は、JIS Z3111 A2号、
衝撃試験片 JIS Z3111 4号をそれぞれ図2
に示す試験片採取位置より採取し、引張強さは、500
〜670Mpa、靱性は0℃の吸収エネルギで100J
以上を合格とした。また、溶接後の溶接金属内の欠陥検
査をJISZ3104に従って放射線透過試験を実施し
た。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】尚、溶接継手の制振性は、幅10mm、長
さ60mmの試験片を図2に示す試験片採取位置より採
取し、試験片に曲げ振動を与え、自由減衰法で損失係数
が0.005以上のものを合格とした。
【0042】本発明ワイヤは、溶接作業性、引張強さお
よびじん性が、開発目標値に達している。また、溶接金
属内の欠陥も無く、本発明の特徴である溶接継手の制振
性も良好である。
【0043】比較ワイヤ6は、軟鋼系成分ワイヤをCO
2 レーザ溶接した結果である。溶接作業性、0℃の吸収
エネルギが目標値に達しなかった。また、本発明の特徴
である溶接継手の制振性は、Cr、Mo、Al、Ti等
の合金がワイヤ中に添加されていないため得られなかっ
た。
【0044】比較ワイヤ7は、1Cr−0.5Mo系ワ
イヤをCO2 レーザ溶接した結果である。じん性が開発
目標値に達することができず、溶接作業性も悪い。しか
も本発明の特徴である溶接継手の制振性は、溶接後レー
ザ照射しなかったため溶接金属の硬さが高いため得られ
なかった。
【0045】比較ワイヤ8は、3Cr−1Mo系ワイヤ
をCO2 レーザ溶接したものである。じん性が開発目標
値に達せずしかも溶接作業性が悪い。また、本発明の特
徴である溶接継手の制振性も比較ワイヤ6、7同様に得
られなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明は、建設物、橋梁、土木、船舶等
の構造物を制振合金を利用し溶接した際、溶接作業性、
溶接金属の引張強さとじん性および溶接継手の制振性が
良好である溶接フィラーワイヤと溶接施工法を提供する
ものであり、その価値は、きわめて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】開先形状を示す図
【図2】試験片採取位置を示す図
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/58 C22C 38/58

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振合金用溶接フィラーワイヤにおいて
    重量%で、 C:0.001〜0.10%、 Si:0.1〜3.5%、 Mn:0.1〜3.5%、 P+S:0.015%以下、 Cu:0.30%以下、 Ni:0.1〜3.5%、 Cr:0.1〜4.0%、 Mo:0.1〜2.0%、 N:0.005%以下、 O:0.005%以下に規制し、 Al:0.01〜0.3%、 Ti:0.01〜0.3% の1種あるいは2種以上を添加し、さらに必要に応じ、 Nb:0.001〜0.01%、 B:0.0001〜0.005%、 Zr:0.01〜0.5% の1種あるは2種以上を含有し、残部がFeおよび不可
    避不純物であり、溶接作業性、引張強さ、じん性および
    溶接継手の制振性が良好な制振合金用溶接フィラーワイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のワイヤを用いて制振合金
    を溶接するに際し、レーザ溶接でU形開先溶接あるいは
    狭開先溶接を実施し、1層1パスで溶接をすることを特
    徴とする溶接施工法。
  3. 【請求項3】 溶接前に予熱トーチあるいはレーザのみ
    で鋼板を予熱し、予熱後溶接フィラーワイヤを用い溶接
    継手を作製、その後溶接金属中に溶接フィラーワイヤを
    送給することなく、レーザのみで溶接金属表面を照射す
    ることにより、溶接金属の硬さをHv170〜210に
    し、溶接継手の制振性を向上させる溶接施工中の溶接作
    業性、溶接金属の引張強さ、じん性が良好な制振合金用
    溶接施工法。
JP9015995A 1997-01-14 1997-01-14 制振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法 Withdrawn JPH10193173A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9015995A JPH10193173A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 制振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9015995A JPH10193173A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 制振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10193173A true JPH10193173A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11904236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9015995A Withdrawn JPH10193173A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 制振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10193173A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101992365A (zh) * 2010-12-20 2011-03-30 成都新大洋焊接材料有限责任公司 一种高强度高韧性气体保护焊丝
CN103350290A (zh) * 2013-06-21 2013-10-16 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 一种用于低温钢板的电渣焊实芯焊丝
WO2015099219A1 (ko) * 2013-12-24 2015-07-02 주식회사 포스코 충격인성이 우수한 초고강도 가스메탈 아크 용접이음부 및 이를 제조하기 위한 솔리드 와이어
CN106735764A (zh) * 2016-11-14 2017-05-31 常州晨弘新材料科技有限公司 一种高锰含量锰铜阻尼合金的焊接方法
CN107574383A (zh) * 2017-09-25 2018-01-12 宝鸡市金得利新材料有限公司 一种高阻尼铁基合金及其制备方法
CN107587071A (zh) * 2017-08-30 2018-01-16 武汉钢铁有限公司 一种抗拉强度≥2100MPa桥梁缆索用钢及生产方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101992365A (zh) * 2010-12-20 2011-03-30 成都新大洋焊接材料有限责任公司 一种高强度高韧性气体保护焊丝
CN103350290A (zh) * 2013-06-21 2013-10-16 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 一种用于低温钢板的电渣焊实芯焊丝
WO2015099219A1 (ko) * 2013-12-24 2015-07-02 주식회사 포스코 충격인성이 우수한 초고강도 가스메탈 아크 용접이음부 및 이를 제조하기 위한 솔리드 와이어
CN105848820A (zh) * 2013-12-24 2016-08-10 Posco公司 冲击韧性优异的超高强度气体保护金属极弧焊接头及用于制作其的焊丝
JP2017508876A (ja) * 2013-12-24 2017-03-30 ポスコPosco 衝撃靱性に優れた超高強度ガスメタルアーク溶接継手、及びこれを製造するためのソリッドワイヤ
JP2018047507A (ja) * 2013-12-24 2018-03-29 ポスコPosco 衝撃靱性に優れた超高強度ガスメタルアーク溶接継手を製造するためのソリッドワイヤ
DE112013007707B4 (de) 2013-12-24 2024-02-01 Posco Co., Ltd Ultrahochfeste Metallschutzgasschweißverbindung mit ausgezeichneter Kerbschlagzähigkeit und Volldraht zum Herstellen derselben
US10266929B2 (en) 2013-12-24 2019-04-23 Posco Ultrahigh-strength gas metal arc welded joint having excellent impact toughness, and solid wire for producing same
CN106735764A (zh) * 2016-11-14 2017-05-31 常州晨弘新材料科技有限公司 一种高锰含量锰铜阻尼合金的焊接方法
CN107587071B (zh) * 2017-08-30 2019-05-24 武汉钢铁有限公司 一种抗拉强度≥2100MPa桥梁缆索用钢及生产方法
CN107587071A (zh) * 2017-08-30 2018-01-16 武汉钢铁有限公司 一种抗拉强度≥2100MPa桥梁缆索用钢及生产方法
CN107574383A (zh) * 2017-09-25 2018-01-12 宝鸡市金得利新材料有限公司 一种高阻尼铁基合金及其制备方法
CN107574383B (zh) * 2017-09-25 2019-01-11 佛山市中富明德不锈钢有限公司 一种高阻尼铁基合金及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4903918B1 (ja) 超高強度溶接継手およびその製造方法
JP4787062B2 (ja) 靭性および耐sr割れ性に優れた溶接金属
JPH10193173A (ja) 制振合金用溶接フィラーワイヤと溶接施工法
WO1997024203A1 (fr) Procede de fabrication de tubes d'acier soudes de grand diametre qui possedent une grande resistance et une grande solidite
JP4016800B2 (ja) 内面溶接金属の原質部、再熱部とも厳格靭性要求を満たす厚肉大径ストレートuoe鋼管およびその製造方法
JPH0825041B2 (ja) クラッド鋼管の製造方法
CN113613828A (zh) 高Cr铁素体系耐热钢用涂药焊条
JP7031796B2 (ja) クラッド鋼板及びその製造方法
JP2006075853A (ja) オーステナイト系合金鋼のレーザ溶接継手およびその製造方法
JP2004269905A (ja) フィレット部の靭性の高い高パス間温度多層盛り溶接用h形鋼及びその製造方法
JPH09225680A (ja) フェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤ
JP2021049582A (ja) 薄肉鋼材のアーク溶接用の高クロムクリープ抵抗性溶接金属
JP2002239722A (ja) 溶接部の疲労強度に優れた鋼板の重ね隅肉溶接方法
JP4427350B2 (ja) 強度均一性に優れた溶接金属
JP3734742B2 (ja) 靭性に優れた溶接継手
JP3204065B2 (ja) 2相ステンレス鋼溶接管の製造方法
JP3190224B2 (ja) ステンレスクラッド鋼用潜弧溶接ワイヤ
JP3481547B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ
JP4505076B2 (ja) 低温靭性に優れた溶接金属が得られる電子ビーム溶接方法
JP7432723B2 (ja) 溶接部の疲労強度に優れた溶接部材及びその製造方法
JP4464859B2 (ja) 低降伏比鋼板を用いた大入熱溶接継手及び溶接方法
JPH0636996B2 (ja) 9Cr−Mo鋼用潜弧溶接ワイヤ
JP3327128B2 (ja) 溶接材料
JP2002309339A (ja) 溶接熱影響部靭性と疲労特性に優れた溶接継手
JP6874609B2 (ja) フェライト系ステンレス溶接部材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040406