JP4427350B2 - 強度均一性に優れた溶接金属 - Google Patents
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Description
Cは、溶接金属の強度を確保するために欠くことのできない元素であるが、過剰に含有されると、高温割れを助長することになる。C含有量の好ましい上限は、0.10%程度である。またこうした効果を発揮させるためには、0.05%以上含有させることが好ましい。
Siは、脱酸作用によって溶接金属の清浄度を高め、歩留まった場合には、フェライトを固溶強化させるのに有効に作用する。こうした効果を発揮させるには、0.05%以上含有させる必要がある。しかしながら、過剰に含有されると強度上昇・硬質第二相の生成によって、原質部の強度を上昇させて均一性が却って劣化するので、1.2%以下とする必要がある。Si含有量の好ましい下限は0.10%であり、好ましい上限は0.80%である。
Mnは、溶接金属の強度を確保する上で有効な元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、0.30%以上含有させる必要があり、好ましくは0.80%以上含有させるのがよい。しかしながら、Mn含有量が過剰になると焼入れ性が増大したり、偏析によって硬質第二相が生じたりして、原質部強度が上昇して強度が不均一になることから、2.0%以下に抑える必要がある。好ましくは1.6%以下とするのがよい。
Alは、硬質第二相の生成を促進して原質部の強度を上昇させて、強度が不均一になるので、できるだけ低減する必要がある。こうした観点から、Al含有量は0.005%未満とする必要があり、好ましくは0.002%以下とするのがよい。
Ti(Ti全含有量)は、アシキュラーフェライトの生成核となる酸化物を形成させるために、溶接金属には欠かせない元素である。こうした作用を発揮させるためには、0.01%以上含有させる必要があり、好ましくは0.015%以上含有させるのがよい。しかしながら、過剰に含有させると、固溶Tiが増加することになって、多量に炭化物が生成して再加熱部の強度が著しく増大し、溶接金属の強度が不均一となる。
Oは、アシキュラーフェライトの生成核となる酸化物を形成するのに有効に作用する元素である。こうした効果を発揮させるためには、0.020%以上含有させる必要がある。しかしながら、Oを過剰に含有させると、Si,Mn,Tiなどの脱酸元素が持つ強度確保作用を消失させることになるので、溶接金属の強度が確保できなくなるので、0.050%以下とする必要がある。尚、O含有量好ましい下限は0.025%であり、好ましい上限は0.040%である。
Bは、オーステナイト粒界に偏析して、粒界フェライトを抑制するため、溶接金属の強度を確保する上で有効な元素であり、その作用は含有量が増加するにつれて増大するが、B含有量が過剰になると高温割れを助長するので、0.010%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.0080%以下とするのがよい。尚、Bによる効果を有効に発揮させるためには、0.0020%以上含有させることが好ましい。
CuおよびNiは、Mnと同様の作用を発揮するが、特に溶接金属の低温靭性を確保する上でも有効な元素である。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、あまり過剰になると偏析によって硬質第二相が生成して原質部の強度が上昇し、強度が不均一になるので、Cuで2.0%以下、Niで3.0%以下とするのがよい。尚、こうした効果を発揮させるための好ましい下限は、いずれも0.1%程度、より好ましくは0.2%程度である。またより好ましい上限はCuで1.5%、Niで2.0%である。
CrおよびMoは、焼入れ性を増加させるために、溶接金属全体の強度確保に有効に作用する。また、粒界からのフェライト生成を抑制して組織を微細化する作用を発揮するのにも有効である。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、あまり過剰になると原質部の強度が上昇し、強度が不均一になるので、いずれも1.0%以下とするのがよい。尚、こうした効果を発揮させるための好ましい下限は、いずれも0.01%程度、より好ましくは0.2%程度である。またより好ましい上限はいずれも0.8%程度である。
NbおよびVは、いずれも焼入性を高めるのに有効である他、Tiと同様の作用を発揮する元素である。こうしたことから、NbやVが原質部に固溶した場合には、再熱部の軟化を抑制できることになる。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、あまり過剰になるとTiの場合と同様に炭化物の析出によって強度が不均一になるので、合計で0.03%以下とするのがよい。尚、こうした効果を発揮させるための好ましい下限は、合計で0.005%程度であり、またより好ましい上限は合計で0.02%程度である。
(溶接条件)
溶接電圧:30V
溶接速度:20cm/分
(開先形状)
板厚:20mm
開先形状:45°V型
Claims (4)
- ソリッドワイヤーを用いたガスシールドアーク溶接法によって多層盛りで形成される溶接金属であって、C:0.20%以下(「質量%」の意味。以下同じ)、Si:0.05〜1.2%、Mn:0.30〜2.0%、Al:0.005%未満(0%を含む)、Ti:0.01〜0.10%、O:0.020〜0.050%の他、Cu:2.0%以下(0%を含まない)および/またはNi:1.0%以下(0%を含まない)を夫々含有すると共に、溶接原質部における固溶Ti量が0.01〜0.05%であり、残部が鉄および不可避不純物からなるものであることを特徴とする強度均一性に優れた溶接金属。
- 更に、他の元素としてB:0.010%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1に記載の溶接金属。
- 更に、他の元素としてCr:1.0%以下(0%を含まない)および/またはMo:1.0%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1または2に記載の溶接金属。
- 更に、他の元素としてNbおよび/またはV:合計で0.03%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の溶接金属。
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