JPH10192049A - ペン型唇用化粧品 - Google Patents

ペン型唇用化粧品

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JPH10192049A
JPH10192049A JP35919796A JP35919796A JPH10192049A JP H10192049 A JPH10192049 A JP H10192049A JP 35919796 A JP35919796 A JP 35919796A JP 35919796 A JP35919796 A JP 35919796A JP H10192049 A JPH10192049 A JP H10192049A
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JP
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cosmetic
lip cosmetic
pen
lip
application
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JP35919796A
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English (en)
Inventor
Akiko Nakajima
晶子 中島
Kazuhiko Nojima
和彦 廼島
Hitoshi Hosokawa
均 細川
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の化粧品で、容易に迅速にかつ美しい仕
上がりに口紅等の唇用化粧料を塗布できるようにする。 【解決手段】 ペン型唇用化粧品1Aを、唇用化粧料を
唇に塗布する塗布部2、唇用化粧料が装填される化粧料
装填部3、塗布部2の外表面と化粧料装填部3とを連通
させる連通路5、及び化粧料装填部3内に装填された唇
用化粧料Aを連通路5を通して塗布部2の外表面へ押し
出す押出機構8を有するペン型唇用化粧料塗布容器の該
化粧料装填部3に唇用化粧料Aが装填されたものとし、
唇用化粧料Aには、次の成分(a)及び(b) (a)半固体油又は固体油 3〜70重量% (b)液体油 10〜95重量% を含有させ、その静置時の粘度を100000cps以
下、硬度150g以下とし、化粧料装填部から塗布部外
表面へ押し出されるときの粘度を50000cps以
下、硬度を30g以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口紅などの唇用化
粧料をペン型塗布容器に装填したペン型唇用化粧品に関
する。
【0002】
【従来の技術】口紅、リップクリームといった唇用化粧
料の製品形態としては、図7に示したように、先端径の
細い円柱状に成形した棒状唇用化粧料50を押出容器5
1に装填し、容器端部51aをねじり回すことにより、
装填した唇用化粧料50が、押出容器51から突き出た
状態も、押出容器51内に収納された状態(図中破線)
もとれるようにし、さらに唇用化粧料50を押出容器5
1内に収納した状態で、キャップ52を容器51に被せ
られるようにしたスティックタイプのものが広く普及し
ている。このスティックタイプの唇用化粧料は、唇用化
粧料それ自体とその容器とが一体となっているので、バ
ッグ等に入れて持ち運び、必要時に手軽に唇用化粧料の
塗布ができるという利点を有する。
【0003】また、同様のスティックタイプの製品形態
としては、図7と同様の押出容器51に装填した唇用化
粧料50の外形を、図8(a)に示したように、略円柱
状でその天面50aを平面とし、天面50aを側面50
bに対して傾斜させ、さらに天面50aと側面50bと
の稜線部分50cを角付けしたものや、あるいは同図
(b)に示したように、天面50aが凸曲面となるよう
にしたものもある。このように成形すると、唇の輪郭を
描きやすくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7、
図8に示した従来のスティックタイプの唇用化粧料の場
合、押し出し容器51から棒状唇用化粧料50を僅かで
も出し過ぎると、使用時に棒状唇用化粧料50が折れ易
く、一旦折れると、再びその棒状唇用化粧料50を押し
出し容器51に装填して従前通りに使用することができ
ないという問題がある。
【0005】また、唇用化粧料、特に口紅の場合には、
唇の輪郭を美しく描けることが重要となるが、スティッ
クタイプの唇用化粧料の場合には、図8(a)や同図
(b)に示したように、棒状唇用化粧料50の先端部の
天面50aを側面50bに対して傾斜させ、さらに天面
50aと側面50bとの稜線部分50cを角付けしたも
のであっても、唇の輪郭を美しく描き、仕上げることは
難しいという問題がある。また、当初口紅の先端面が角
付けされていても、使用に伴って次第に丸みを帯びるの
で、その口紅を用いて唇の輪郭を所望通りに描くことは
一層難しくなる。
【0006】これに対しては、紅筆を使用して唇の輪郭
を描き、輪郭の内側をスティックタイプの口紅で塗りつ
ぶすことが行われている。しかし、このような塗布方法
は、スティックタイプの口紅の他に紅筆を用意しなくて
はならないので繁雑である。スティックタイプの口紅を
直接使用することなく、紅筆で口紅を塗布することもな
されているが、この場合には、唇用化粧料の塗布に時間
がかかり、面倒であるという欠点がある。
【0007】また、先端部にフェルト状の塗布部を有
し、内部に化粧料装填部を有する、所謂フェルトペン型
をした口紅であって、化粧料装填部から先端部のフェル
ト状塗布部へ流動性の口紅が導出されるようにしたもの
も知られている。しかしながら、この場合には塗布部が
ペン先のように細いので、輪郭は描きやすいが唇全体を
塗りつぶすには時間がかかり、面倒となる。また、口紅
に揮発性溶媒が使用されることが多いため、口紅を唇に
塗布した後、唇に乾燥感が生じるという問題がある。
【0008】先端部にブラシ状の塗布部を有し、内部に
化粧料装填部を有するペン型の口紅であって、化粧料装
填部から先端部のブラシ状の塗布部へペースト状の口紅
が押し出されるようにしたものも知られている。しか
し、先端部をブラシ状とすると、口紅の塗布後、唇に刷
毛目がついたり、仕上がりにむらが生じやすいという問
題がある。また、このようなブラシ状の塗布部を有する
ペン型の口紅の多くは揮発性油剤を使用しており、口紅
を唇に塗布した後、唇に乾燥感が生じるという問題もあ
る。
【0009】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、単一の化粧品で、容易に迅
速にかつ美しい仕上がりに口紅等の唇用化粧料を塗布で
きるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、口紅等の唇
用化粧料の容器として、唇に接触することとなる塗布部
に、唇用化粧料を装填する化粧料装填部を連結させた特
定構造のペン型容器を使用し、かつ、このペン型容器に
使用する唇用化粧料を特定組成として唇用化粧料にチキ
ソトロピー性を付与すると、唇用化粧料を容器から容易
に押し出すことができ、かつ正確に美しく唇の輪郭を描
くことができ、口紅の塗布域を迅速に塗りつぶすことも
でき、容器の持ち運び性その他使用上の利便性も向上す
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、本発明は、唇用化粧料を唇に塗布す
る塗布部、唇用化粧料が装填される化粧料装填部、塗布
部外表面と化粧料装填部とを連通させる連通路、及び化
粧料装填部内に装填された唇用化粧料を連通路を通して
塗布部外表面へ押し出す押出機構を有するペン型唇用化
粧料塗布容器の該化粧料装填部に唇用化粧料が装填され
たペン型唇用化粧品であって、唇用化粧料が、次の成分
(a)及び(b) (a)半固体油又は固体油 3〜70重量% (b)液体油 10〜95重量% を含有し、その静置時に粘度100000cps以下、
硬度150g以下を有し、化粧料装填部から塗布部外表
面へ押し出されるときに粘度50000cps以下、硬
度30g以下となることを特徴とするペン型唇用化粧品
を提供する。
【0012】ここで、唇用化粧料の静置時あるいは押し
出し時の粘度は、静置時、あるいは実際に容器から押し
出したときの唇用化粧料について、B型粘度計により、
No.2ローター、測定温度30℃、12rpmの測定
条件下で得られる値であり、同様に硬度は、静置時、あ
るいは実際に容器から押し出したときの唇用化粧料につ
いて、後述の実施例のようにレオメータを用い、30℃
で、直径1cm、高さ2.5cmの筒状容器に唇用化粧
料を充填し、唇用化粧料に直径2.0mmの針を1cm
針入したときの抵抗値(g)である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のペン型唇用化粧品
の態様を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図中
同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0014】図1は、ペン型唇用化粧品の一態様の部分
切欠斜視図である。同図のペン型唇用化粧品1Aは、唇
用化粧料Aを唇に塗布する塗布部2、化粧料装填部3及
び塗布部2を覆うキャップ4からなるペン型唇用化粧料
塗布容器の当該化粧料装填部3に唇用化粧料Aを装填し
たものである。
【0015】塗布部2は、その全表面がフロッキー植毛
された樹脂材料からなっており、塗布部2と化粧料装填
部3とは連通路5で連通し、さらに塗布部2の天面2a
の略中央部に連通路5の開口端6があいている。
【0016】ここで、塗布部2の表面を平滑とすると、
後述するように開口端6から唇用化粧料Aを押し出し、
唇に塗り広げるときに、唇用化粧料Aを均一な塗布厚に
塗布することが困難となるが、塗布部2の表面をフロッ
キー植毛により非平滑面とすると唇用化粧料Aを容易に
均一な塗布厚に塗布することが可能となる。
【0017】この場合、フロッキー植毛で植毛する繊維
としては、種々の合成繊維、天然繊維を使用することが
でき、例えば、ナイロン、レーヨン、アクリル、ポリエ
ステル等の合成繊維や、シルク、木綿等の天然繊維を使
用することができ、特に、ナイロン繊維、レーヨン繊維
等が好ましい。また、植毛繊維としては、唇用化粧料A
の塗布し易さ、使用感等の点から、長さ0.2〜2m
m、径0.3〜3デニール程度とすることが好ましい。
【0018】一方、植毛する樹脂材料自体としては種々
の熱可塑性樹脂を使用することができ、例えば、ポリエ
ステル、ポリウレタン、アクリル、スチレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS、H
IPS等を使用することができる。また、フロッキー植
毛される樹脂材料自体としては、ある程度の硬さ(例え
ば、JIS K7215による硬さ試験で10〜80
(Dスケ−ル)程度)を有するものが、所定の輪郭を美
しく描けるようにする点から好ましい。
【0019】塗布部2の外形としては、略円柱状であ
り、その先端面、即ち天面2aが図2(a)に示すよう
に平面又は同図(b)に示すように凸曲面をなし、塗布
部2の先端部において天面2aと側面2bとのなす角度
αを15°〜60°とすることが好ましく、20°〜4
0°とすることがより好ましい。また、天面2aと側面
2bとの稜線部分2cは、なだらかな曲面ではなく、角
付けされていることが好ましい。これにより唇用化粧料
Aを唇に塗布するにあたり、所定の輪郭に美しく塗布
し、かつその輪郭内を容易に均一に塗布することが可能
となる。
【0020】塗布部2を覆うキャップ4はペン型唇用化
粧品1Aの本体に着脱可能に設けられている。このキャ
ップ4は、唇用化粧料Aの塗布時には同図のように外さ
れ、非使用時にはペン型唇用化粧品1Aの本体に嵌合
し、塗布部2を汚れや摩擦等から保護すると共に、塗布
部2に残存している唇用化粧料Aが不用に外部に付着し
ないようにする。
【0021】一方、化粧料装填部3は、透明筒状部材か
ら形成された外側ケース7と、内部に装填されている唇
用化粧料Aを押し出す押出機構8とからなっている。こ
のように外側ケース7を透明筒状部材から形成すると、
内部に装填されている唇用化粧料Aを外部から透視で
き、唇用化粧料Aの色や残存量をキャップ4をしたまま
容易に確認することができるので好ましい。なお、本発
明のペン型唇用化粧品において、内部に装填されている
唇用化粧料Aの色や残存量を外部から確認できるように
するためには、外側ケース7は必ずしもその全体を透明
部材から形成する必要はなく、一部を透明としてもよ
い。
【0022】また、ペン型唇用化粧品1Aは、化粧料装
填部3に装填された唇用化粧料Aを塗布部2へ押し出す
押出機構として、ラチェット式押出機構8を有してい
る。このラチェット式押出機構8は、ステップ状の回転
角をとりつつ矢印のように回転する摘み9、摘み9に連
結しているネジ10、ネジ10に螺合し、装填されてい
る唇用化粧料Aを段階的に押圧する押圧部材11からな
っている。
【0023】以上のように図1の態様のペン型唇用化粧
品1Aは、塗布部2が、表面にフロッキー植毛された樹
脂材料からなり、塗布部2と化粧料装填部3とが連通路
5で連通し、化粧料装填部3に装填された唇用化粧料A
を塗布部2へ押し出すラチェット式押出機構8が備えら
れているという特定構造を有しているが、さらに唇用化
粧料Aそれ自体も次の成分(a)及び(b) (a)半固体油又は固体油 3〜70重量% (b)液体油 10〜95重量% を含有し、その静置時に粘度100000cps以下、
硬度150g以下を有し、化粧料装填部から塗布部外表
面へ押し出されるときに粘度50000cps以下、硬
度30g以下となることを特徴としている。
【0024】ここで成分(a)の半固体油又は固体油と
しては、例えば、モクロウ、硬化牛脂、カルナウバワッ
クス、キャンデリラワックス、ライスワックス、ミツロ
ウ、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、硬化
ホホバ油、ラノリン、ワセリン、ヒドロキシステアリン
酸コレステリル、及びこれらの混合物等をあげることが
できる。
【0025】この成分(a)の含有量が、唇用化粧料A
中70重量%よりも多くなると、硬すぎて容器から出し
にくくなり、3重量%よりも少なくなると唇へのつきが
悪くなるので好ましくない。
【0026】成分(b)の液体油としては、流動パラフ
ィン、流動イソパラフィン(流動イソポリブチレン)、
スクワラン等の炭化水素類、オリーブ油、ホホバ油等の
天然動植物油、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン
油、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル
ドデシル、イソパルミチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジ
イソステアリル等の合成エステル油、ジグリセリン、ト
リグリセリン、グリコール等の多価アルコール及びこれ
らの混合物をあげることができる。
【0027】この成分(b)の含有量が、唇用化粧料A
中95重量%よりも多くなると、唇へのつきが悪くな
り、10重量%よりも少なくなると硬すぎて容器から出
しにくくなるので好ましくない。
【0028】また、成分(a)及び(b)を上述の範囲
に設定することにより、唇用化粧料Aに、上述の特定構
造のペン型容器での使用に適したチキソトロピー性を付
与することができる。即ち、唇用化粧料Aの静置時の粘
度を100000cps以下、硬度を150g以下と
し、唇用化粧料Aが化粧料装填部3から塗布部2の外表
面へ押し出されるときの粘度を50000cps以下、
硬度を30g以下とすることが可能となる。ここで、唇
用化粧料Aの静置時あるいは押し出し時の粘度は、静置
時、あるいは実際に容器から押し出したときの唇用化粧
料Aについて、B型粘度計により、No.2ローター、
測定温度30℃、12rpmの測定条件下で得られる値
であり、同様に硬度は、静置時、あるいは実際に容器か
ら押し出したときの唇用化粧料Aについて、後述の実施
例のようにレオメータを用い、30℃で、直径1cm、
高さ2.5cmの筒状容器に唇用化粧料Aを充填し、唇
用化粧料Aに直径2.0mmの針を1cm針入したとき
の抵抗値(g)である。
【0029】したがって、このペン型唇用化粧品1Aに
よれば、唇用化粧料Aは、押出機構8の操作により化粧
料装填部3から塗布部2の外表面へ押し出されるときに
は容易に押し出される粘度及び硬度となり、かつ唇へ塗
布されるときには、ムラがなくのびもよく美しい仕上が
りを得るために適した粘度及び硬度となる。
【0030】唇用化粧料Aは、上述の成分(a)及び
(b)の他、顔料、抗酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤、香料
等種々の添加剤を必要に応じて含有することができ、例
えば、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール誘
導体等をあげることができる。
【0031】ペン型唇用化粧品1Aの使用方法として
は、ラチェット式押出機構8の摘み9を矢印のように捩
る。これにより、摘み9及び摘み9に連結しているネジ
10が段階的な回転角で回転し、それに応じて押圧部材
11が化粧料装填部3に装填されている唇用化粧料Aを
段階的に押圧し、その押圧により唇用化粧料Aが、連結
路5を通り、開口端6から塗布部2の外表面に所定量ず
つ押し出される。そこで、塗布部の天面2aを唇にあ
て、押し出された唇用化粧料Aを塗り広げる。この場
合、塗布部2は表面にフロッキー植毛された、適度な弾
性あるいは硬さを有する樹脂材料からなり、また塗布部
の天面2aは平面又は凸曲面を有し、天面2aと側面2
bとの稜線部分2cは角付けされており、さらに唇用化
粧料Aは特定の組成を有することにより、このペン型容
器からの押し出しに適したチキソトロピー性を有するの
で、極めて容易に唇の輪郭を描くことができ、かつ輪郭
内をムラなく塗りつぶすことができる。
【0032】したがって、このペン型唇用化粧品1Aに
よれば、従来のスティックタイプの口紅を使用するよう
な手軽さで、かつ紅筆を使用した場合のような美しい輪
郭に、口紅等の唇用化粧料を塗布することが可能とな
る。さらに、この塗布部2は、従来のスティックタイプ
の口紅のように先端部が使用により丸く変形することが
ないので、何時までも唇の輪郭を美しく描くことが可能
となる。
【0033】また、唇用化粧料Aの使用にしたがって、
化粧料装填部3内の唇用化粧料は減少していくが、外側
ケース7が透明材料からなっているので、唇用化粧料A
の残存量を容易に確認することができ、また、キャップ
4をしたまま唇用化粧料Aの色を確認することができ
る。
【0034】以上、図1に示した態様のペン型唇用化粧
品1Aを基にして本発明を詳細に説明したが、本発明は
この他種々の態様をとることができる。
【0035】例えば、唇用化粧料の押出機構としては、
図1のラチェット式押出機構8に限らず、例えば、ノッ
ク式とすることができる。また、押出量を連続的に変え
ることができ、押出量の微調整を可能とする捩り押し出
し式等とすることもできる。
【0036】また、塗布部2と化粧料装填部3とを連通
させる連通路5として、図1には分岐のない1本の連通
路5を示したが、例えば、連通路5を分岐させて塗布部
2の表面に連通路5の開口端6を複数個設けてもよく、
また連通路5自体を複数本設けてもよい。
【0037】塗布部2の形成材料としては、上述の態様
では表面にフロッキー植毛した樹脂材料を使用したが、
フロッキー植毛する基体材料としてゴム系材料を使用し
てもよい。植毛繊維は毛足2mm以下の繊維とすること
が好ましいが、植毛方法はフロッキー植毛に限定されな
い。また、上述の態様では塗布部2の全表面が植毛され
ているが、部分的に植毛してもよく、例えば天面2aと
天面2a近傍の側面2bのみを植毛してもよい。
【0038】さらに、塗布部2の形成材料としては、植
毛された樹脂材料やゴム系材料に代えて、図3に示した
ように、表面が適度な粗面、例えば平均表面粗さRa
10μm〜0.1mmの樹脂材料やゴム系材料を使用す
ることができ、特にエラストマー材料を好ましく使用す
ることができる。
【0039】また、塗布部2の形成材料としては、連続
多孔性樹脂を使用してもよい。ここで連続多孔性樹脂と
しては、樹脂内に多数の孔が形成されており、樹脂内部
と表面がそれらの孔により連通しているものをいい、例
えば、発泡ウレタン樹脂等をあげることができる。連続
多孔性樹脂を形成する孔のセル数としては、35個以上
/25mm(即ち、長さ25mmの直線をひいた場合
に、それを横切る孔の数が35個以上)が好ましい。孔
の大きさについては特に限定はなく、複数の孔が互いに
連通することにより形成された連通孔を通して、唇用化
粧料を塗布部内部から塗布部外表面へ押し出すことので
きる大きさがあればよい。この場合、押し出し易さは、
連続多孔性樹脂の硬さとセル数に大きく依存し、通常、
硬度30以下(JIS K−6401による硬さ試
験)、セル数35個以上/25mmとすることにより実
用的な押し出し易さとすることができる。
【0040】図4は、塗布部2を連続多孔性樹脂20か
ら形成した態様のペン型唇用化粧品の塗布部の断面図で
ある。図1に示したペン型唇用化粧品1Aでは、塗布部
2と化粧料装填部とを連通させる連通路5が塗布部2の
天面2aに開口端6を有していたが、この図4の態様の
ペン型唇用化粧品では、塗布部2の天面2aに連通路5
の開口端はなく、連通路5の端部は塗布部2の内部に形
成されている。そこで、化粧料装填部内に装填された唇
用化粧料Aは、押出機構によって塗布部2の方へ押し出
されることにより、連通路5を通って連続多孔性樹脂2
0からなる塗布部2内に至り、さらに連続多孔性樹脂2
0の孔を通して塗布部2の外表面に押し出されることと
なる。
【0041】この態様のペン型唇用化粧品の塗布部2の
外形としても、上述の図1の唇用化粧品1Aと同様に、
略円柱状とし、その天面2aを平面又は凸曲面とし、塗
布部2の先端部において天面2aと側面2bとのなす角
度αを15°〜60°とすることが好ましく、20°〜
40°とすることがより好ましい。また、天面2aと側
面2bとの稜線部分2cは、なだらかな曲面ではなく、
角付けすることが好ましい。これにより唇用化粧料Aを
唇に所定の輪郭に美しく塗布し、かつその輪郭内を容易
に均一に塗布することが可能となる。
【0042】本発明においては、塗布部2を上述のよう
に連続多孔性樹脂20から形成する場合あるいは表面に
植毛していない樹脂材料やゴム系材料等から形成する場
合、塗布部2の表面をメッシュ材料で被覆してもよい。
【0043】図5は、塗布部2を、連続多孔性樹脂20
とその表面を被覆するメッシュ材料21とから形成した
場合の塗布部2の断面図である。このようにメッシュ材
料21で塗布部2の表面を被覆することにより、唇用化
粧料を均一に天面2aに行き渡らせることができ、唇に
唇用化粧料をむらなく均一に塗布することがいっそう容
易となる。
【0044】ここでメッシュ材料21としては、例え
ば、厚さ0.5〜3.0mmのポリウレタンフォーム、
ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、金属等からな
るメッシュ材料を使用することができる。
【0045】また、メッシュ材料21としては、表面が
フロッキー植毛等により植毛されているものを使用して
もよい。図6は、天面2aに連通路5の開口端6を形成
したエラストマー材料22と、その表面を被覆するフロ
ッキー植毛されたメッシュ材料21xとから塗布部2を
形成した場合の当該塗布部2の断面図である。このよう
に植毛されたメッシュ材料21xで塗布部2の表面を被
覆することにより、塗布時の唇に対する感触が非常に良
好となり、より一層ムラづきしにくくなるという利点を
得ることができる。
【0046】なお、メッシュ材料21、21xで塗布部
2を被覆する場合、天面2aと側面2bとの稜線部分2
cは、角付けすることなくなだらかな曲面に形成するこ
とも好ましい。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0048】実施例1、比較例1及び比較例2 塗布部2が、図6の構造を有し、その他は図1の構造を
有するペン型唇用化粧料塗布容器を作製した。この場
合、塗布部2のエラストマー材料22としては、ポリエ
ステルエラストマーを使用し、メッシュ材料21xとし
ては、ナイロン繊維(繊維長0.4mm,繊維径1デニ
ール)がフロッキー植毛されているポリウレタンフォー
ム(エバーライトSF、タイプHF、ブリヂストン
(株)製)を使用した。また、連通路5の内径は1.5
mmとした。
【0049】一方、唇用化粧料として、表1の組成の各
成分を約85℃に加熱して均一に混合することにより口
紅を調製し、これをペン型唇用化粧料塗布容器の化粧料
装填部3に装填し、実施例及び比較例のペン型唇用化粧
品を作製した。
【0050】そして調製した口紅の粘度と硬度とを静置
時と化粧料装填部からの押し出し時とについて、それぞ
れ次のようにして測定した。この結果を表1に示す。
【0051】・粘度の測定方法(静置時) 静置しておいた口紅を、B型粘度計により、No.2ロ
ーター、測定温度30℃、12rpmの測定条件下で測
定した。
【0052】・粘度の測定方法(押し出し時) 実際に容器から押し出した口紅について、その粘度を上
記と同様にB型粘度計により測定した。
【0053】・硬度の測定方法(静置時) 図9に示すように、底面の直径1cm、高さ2.5cm
の筒状容器70に唇用化粧料Aを充填し、30℃で静置
し、直径2.0mmの針71を1cm針入したとき(d
=1cm)の抵抗値(g)を、レオメータ(レオメータ
ーNRM−2010J−CW、不動工業(株)製)を用
いて測定した。
【0054】・硬度の測定方法(押し出し時) 実際にペン型唇用化粧料塗布容器から唇用化粧料Aを筒
状容器70に押し出し、押し出した直後の硬度を上記と
同様にレオメーターを用いて測定した。
【0055】また、得られたペン型唇用化粧品を用いて
唇に口紅を塗布した際の、のび、ムラづきのしにくさ、
しっとり感、容器からの出し易さについて、化粧品のパ
ネラー10名による官能試験を行い、それぞれの試験項
目について、良好と不良との間を次の評価基準にしたが
い◎、○、△、×の4段階に評価した。結果を表1に示
す。
【0056】評価基準 ◎:パネラー10名中、8名以上が良好と評価した場合 ○:パネラー10名中、6名以上が良好と評価した場合 △:パネラー10名中、4名以上が良好と評価した場合 ×:パネラー10名中、3名以下が良好と評価した場合
【0057】
【表1】 (単位:重量%) 口紅組成 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 (a)半固体油又は固体油 セレシンワックス 2 2 20 20 キャンデリラワックス 2 2 15 15 マイクロクリスタリンワックス 2 2 20 20 パラフィンワックス 2 2 10 10 ヒドロキシステアリン酸コレステリル 10 10 10 10 (b)液体油 リンゴ酸ジイソステアリル 34.9 34.9 6.9 12.9 イソステアリン酸イソプロピル 35 42 6 12 (添加剤) 酸化チタン 3 − 3 − 赤色202号 3 − 3 − 赤色201号 3 − 3 − 黄色4号 3 − 3 − 抗酸化剤 0.1 0.1 0.1 0.1評価 粘度(静置時)(cps) 21000 19500 110000 103500 粘度(押出時)(cps) 15250 14800 67000 57500 硬度(静置時)(g) 10 8 230 215 硬度(押出時)(g) 4 2 61 72 のび ◎ ◎ × × ムラづきのしにくさ ○ ○ × △ しっとり感 ◎ ◎ ○ ○容器からの出し易さ ◎ ◎ △ △
【0058】表1の結果から、実施例1,2のペン型唇
用化粧品は、化粧料装填部からの押し出し時と、唇への
塗布時にそれぞれ適度な粘度と硬さを有し、伸び、ムラ
づきのしにくさ、しっとり感、ペン型容器からの出し易
さについて良好な評価結果が得られたが、比較例1,2
のペン型唇用化粧品は、硬すぎて延びが悪く、ムラづき
しやすく、容器からも出しにくいものであった。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、単一の化粧品で、容易
に迅速にかつ美しい仕上がりに口紅等の唇用化粧料を塗
布することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペン型唇用化粧品の斜視図である。
【図2】塗布部の断面図である。
【図3】塗布部の断面図である。
【図4】塗布部の断面図である。
【図5】塗布部の断面図である。
【図6】塗布部の断面図である。
【図7】従来のスティックタイプの唇用化粧品の斜視図
である。
【図8】従来のスティックタイプの唇用化粧品に使用さ
れている棒状唇用化粧料の断面図である。
【図9】唇用化粧料の硬度の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1A ペン型唇用化粧品 2 塗布部 2a 塗布部の天面 2b 塗布部の側面 2c 塗布部の天面と側面との稜線部分 3 化粧料装填部 4 キャップ 5 連通路 6 開口端 7 外側ケース 8 押出機構 9 摘み 10 ネジ 11 押圧部材 20 連続多孔性樹脂 21 メッシュ材料 22 エラストマー材料

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 唇用化粧料を唇に塗布する塗布部、唇用
    化粧料が装填される化粧料装填部、塗布部外表面と化粧
    料装填部とを連通させる連通路、及び化粧料装填部内に
    装填された唇用化粧料を連通路を通して塗布部外表面へ
    押し出す押出機構を有するペン型唇用化粧料塗布容器の
    該化粧料装填部に唇用化粧料が装填されたペン型唇用化
    粧品であって、唇用化粧料が、次の成分(a)及び
    (b) (a)半固体油又は固体油 3〜70重量% (b)液体油 10〜95重量% を含有し、その静置時に粘度100000cps以下、
    硬度150g以下を有し、化粧料装填部から塗布部外表
    面へ押し出されるときに粘度50000cps以下、硬
    度30g以下となることを特徴とするペン型唇用化粧
    品。
  2. 【請求項2】 唇用化粧料が、次の成分(a)及び
    (b) (a)半固体油又は固体油 5〜50重量% (b)液体油 50〜90重量% を含有する請求項1記載のペン型唇用化粧品。
  3. 【請求項3】 塗布部が樹脂材料又はゴム系材料からな
    り、連通路が塗布部外表面に開口端を有し、化粧料装填
    部内に装填された唇用化粧料が、連通路を通して塗布部
    外表面に押し出される請求項1記載のペン型唇用化粧
    品。
  4. 【請求項4】 塗布部の樹脂材料又はゴム系材料の表面
    がフロッキー植毛されている請求項3記載のペン型唇用
    化粧品。
  5. 【請求項5】 塗布部が連続多孔性樹脂からなり、化粧
    料装填部内に装填された唇用化粧料が、連通路及び連続
    多孔性樹脂を形成する孔を通して塗布部外表面に押し出
    される請求項1記載のペン型唇用化粧品。
  6. 【請求項6】 塗布部の表面がメッシュ材料で被覆され
    ている請求項5記載のペン型唇用化粧品。
  7. 【請求項7】 塗布部がエラストマー材料及びエラスト
    マー材料の表面を被覆するメッシュ材料からなり、連通
    路が該エラストマー材料の外表面に開口端を有し、化粧
    料装填部内に装填された唇用化粧料が、連通路及びメッ
    シュ材料を通して塗布部外表面に押し出される請求項1
    記載のペン型唇用化粧品。
  8. 【請求項8】 メッシュ材料がフロッキー植毛されてい
    る請求項6又は7記載のペン型唇用化粧品。
  9. 【請求項9】 化粧料装填部の一部又は全部が、透明材
    料からなる請求項1〜8のいずれかに記載のペン型唇用
    化粧品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010094351A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Shiseido Co Ltd 粘性化粧料用容器
US7857538B2 (en) 2004-11-10 2010-12-28 Tokiwa Corporation Filler extruding container for coating

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