JPH10189576A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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- JPH10189576A JPH10189576A JP34784896A JP34784896A JPH10189576A JP H10189576 A JPH10189576 A JP H10189576A JP 34784896 A JP34784896 A JP 34784896A JP 34784896 A JP34784896 A JP 34784896A JP H10189576 A JPH10189576 A JP H10189576A
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- film
- boron
- phosphorus
- semiconductor device
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- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 絶縁膜に含まれる不純物が、絶縁膜形成後の
熱処理での温度により、ガラス転移して絶縁膜内で結晶
核、及び結晶体となるのを防止し、コンタクト不良を発
生することのない半導体装置の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 シリコン基板上に不純物を含む絶縁膜を
形成した後、不純物がガラス転移して結晶核となるガラ
ス転移温度以上の温度を用いた熱処理を1回以上行う場
合、結晶核の形成速度が最大となる温度よりも40℃以
上低い温度、または40℃以上高い温度を用いて上記の
熱処理を行う。
熱処理での温度により、ガラス転移して絶縁膜内で結晶
核、及び結晶体となるのを防止し、コンタクト不良を発
生することのない半導体装置の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 シリコン基板上に不純物を含む絶縁膜を
形成した後、不純物がガラス転移して結晶核となるガラ
ス転移温度以上の温度を用いた熱処理を1回以上行う場
合、結晶核の形成速度が最大となる温度よりも40℃以
上低い温度、または40℃以上高い温度を用いて上記の
熱処理を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSIチップなど
に使用される半導体装置の製造方法の改善に関する。
に使用される半導体装置の製造方法の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の半導体装置の製造方法を
示す製造工程順の断面図である。図5の(a)に示すよ
うに、シリコン基板21上には、2本の第1の配線22
がLPCVD法(減圧化学蒸着法)により形成されてい
る。また、第1の保護膜23が、LPCVD法によりシ
リコン基板21と第1の配線22上に形成され、さらに
絶縁膜である第1のBPSG(Borophosphosilicate Gl
ass)膜24がCVD法(化学蒸着法)により第1の保
護膜23上に形成されている。第1の配線22は、ポリ
シリコン、あるいはポリサイドなどで形成され、例えば
温度550℃、圧力106Paの条件により250nmに
成膜される。第1の保護膜23は、TEOS(テトラエ
チルオキシシラン)系の原料ガスを用いて形成されたS
iO2(二酸化珪素)膜であり、例えば温度700℃、
圧力0.4torrの条件により100nmに成膜される。
第1のBPSG膜24は、ボロン(B)の濃度がB2O
3(酸化ボロン)換算で16mol%程度、リン(P)の濃
度がP2O5(酸化リン)換算で6mol%程度の不純物を含
んだ酸化膜で形成され、例えば温度400℃、圧力76
0torrの条件により600nmに成膜される。第1のB
PSG膜24を成膜した後、第1のアニール処理をN2
雰囲気で900℃以上の温度により行い、第1のBPS
G膜24の凸部分をフローすることによって第1のBP
SG膜24の平坦化を行う。
示す製造工程順の断面図である。図5の(a)に示すよ
うに、シリコン基板21上には、2本の第1の配線22
がLPCVD法(減圧化学蒸着法)により形成されてい
る。また、第1の保護膜23が、LPCVD法によりシ
リコン基板21と第1の配線22上に形成され、さらに
絶縁膜である第1のBPSG(Borophosphosilicate Gl
ass)膜24がCVD法(化学蒸着法)により第1の保
護膜23上に形成されている。第1の配線22は、ポリ
シリコン、あるいはポリサイドなどで形成され、例えば
温度550℃、圧力106Paの条件により250nmに
成膜される。第1の保護膜23は、TEOS(テトラエ
チルオキシシラン)系の原料ガスを用いて形成されたS
iO2(二酸化珪素)膜であり、例えば温度700℃、
圧力0.4torrの条件により100nmに成膜される。
第1のBPSG膜24は、ボロン(B)の濃度がB2O
3(酸化ボロン)換算で16mol%程度、リン(P)の濃
度がP2O5(酸化リン)換算で6mol%程度の不純物を含
んだ酸化膜で形成され、例えば温度400℃、圧力76
0torrの条件により600nmに成膜される。第1のB
PSG膜24を成膜した後、第1のアニール処理をN2
雰囲気で900℃以上の温度により行い、第1のBPS
G膜24の凸部分をフローすることによって第1のBP
SG膜24の平坦化を行う。
【0003】続いて、図5の(b)に示すように、第1
のBPSG膜24上には、2本の第2の配線25がLP
CVD法により形成されている。また、第2の保護膜2
6が、LPCVD法により第1のBPSG膜24と第2
の配線25上に形成され、さらに第2のBPSG膜27
がCVD法により第2の保護膜26上に形成されてい
る。第2の配線25、第2の保護膜26、及び第2のB
PSG膜27は、上述の第1の配線22、第1の保護膜
23、及び第1のBPSG膜24とそれぞれ同じ条件で
形成され、例えば300nm、100nm、及び800
nmにそれぞれ成膜される。また、第2のBPSG膜2
7に含まれるボロン、及びリンの濃度は、第1のBPS
G膜24と同じ濃度のものが使用されている。第2のB
PSG膜27を成膜した後、第2のアニール処理をN2
雰囲気で900℃以上の温度により行い、第2のBPS
G膜27の凸部分をフローすることによって第2のBP
SG膜27の平坦化を行う。
のBPSG膜24上には、2本の第2の配線25がLP
CVD法により形成されている。また、第2の保護膜2
6が、LPCVD法により第1のBPSG膜24と第2
の配線25上に形成され、さらに第2のBPSG膜27
がCVD法により第2の保護膜26上に形成されてい
る。第2の配線25、第2の保護膜26、及び第2のB
PSG膜27は、上述の第1の配線22、第1の保護膜
23、及び第1のBPSG膜24とそれぞれ同じ条件で
形成され、例えば300nm、100nm、及び800
nmにそれぞれ成膜される。また、第2のBPSG膜2
7に含まれるボロン、及びリンの濃度は、第1のBPS
G膜24と同じ濃度のものが使用されている。第2のB
PSG膜27を成膜した後、第2のアニール処理をN2
雰囲気で900℃以上の温度により行い、第2のBPS
G膜27の凸部分をフローすることによって第2のBP
SG膜27の平坦化を行う。
【0004】次に、図5の(c)において、リソグラフ
ィーとドライエッチングとを行うことにより、2本の第
1の配線22、及び2本の第2の配線25の間にコンタ
クト孔28を開口する。続いて、ウエットエッチングを
行うことによりコンタクト孔28の底部に生じた自然酸
化膜を除去した後、コンタクト孔28の周りにバリアメ
タル29をスパッタリング法を用いて形成する。次に、
コンタクト孔28を埋め込むために、タングステン膜を
CVD法により第2のBPSG膜27、及びバリアメタ
ル29の表面上に成膜して、さらに異方性エッチングな
どを行うことにより、第2のBPSG膜27上のタング
ステン膜を除去してWプラグ部30を形成する。そし
て、外部機器に接続される金属配線31をスパッタリン
グ法により、バリアメタル29、及びWプラグ部30上
に設けて、半導体装置のコンタクト部を形成する。
ィーとドライエッチングとを行うことにより、2本の第
1の配線22、及び2本の第2の配線25の間にコンタ
クト孔28を開口する。続いて、ウエットエッチングを
行うことによりコンタクト孔28の底部に生じた自然酸
化膜を除去した後、コンタクト孔28の周りにバリアメ
タル29をスパッタリング法を用いて形成する。次に、
コンタクト孔28を埋め込むために、タングステン膜を
CVD法により第2のBPSG膜27、及びバリアメタ
ル29の表面上に成膜して、さらに異方性エッチングな
どを行うことにより、第2のBPSG膜27上のタング
ステン膜を除去してWプラグ部30を形成する。そし
て、外部機器に接続される金属配線31をスパッタリン
グ法により、バリアメタル29、及びWプラグ部30上
に設けて、半導体装置のコンタクト部を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、第1、第2の配
線の距離の低減などの半導体装置の微細化に伴い、第
1、第2のアニール処理での温度を850℃以下に下げ
て熱履歴(サーマルバジェット)の影響を抑制すること
が要求されている。しかしながら、上記のような従来の
半導体装置の製造方法では、第1、第2のアニール処理
での温度を850℃以下にした場合、第1のBPSG膜
24に含まれるボロン、及びリンがガラス転移して、第
1のBPSG膜24内でBPO4(ボロンフォスフェイ
ト(Boron Phosphate))の結晶核、及び結晶体となる
という問題点があった。このため、コンタクト孔28に
面する第1のBPSG膜24上にバリアメタル29を良
好に形成することができない恐れがあった。このことに
より、従来の半導体装置の製造方法では、シリコン基板
21がタングステン膜の成膜に使用されるWF6ガスに
より浸蝕され、コンタクト不良を発生するという問題点
を生じた。図6を参照して、コンタクト不良の発生のメ
カニズムについて、具体的に説明する。図6は、従来の
半導体装置の製造方法でのコンタクト不良の発生のメカ
ニズムを示す説明図である。第1のBPSG膜24と第
2の配線25上に第2の保護膜26を成膜した後では、
BPO4の結晶核32が、図6の(a)に示すように、
第1のBPSG膜24内に発生している。この結晶核3
2は、第1のBPSG膜24に含まれるボロン、及びリ
ンが第2の保護膜26の形成するときの700℃の温度
により、ガラス転移して生ずるものである。その後、B
PO4の結晶核32は、図6の(b)に示すように、第
2のアニール処理での850℃の温度により10nm以
上の大きさに成長し、BPO4の結晶体33となる。続
いて、コンタクト孔28を開口してフッ酸をエッチャン
トとしてウェットエッチングを行う。その後では、BP
O4の結晶体33は、図6の(c)に示すように、エッ
チングされずにコンタクト孔28に露出する。というの
は、フッ酸によるウェットエッチングでは、第1、第2
のBPSG膜24,27、及び第1、第2の保護膜2
5,26はエッチングされるが、BPO4の結晶体33
はフッ酸に浸食されずに第1のBPSG膜24の表面上
に残るからである。バリアメタル29の成膜はスパッタ
リング法により行われる。それ故、この状態で引き続い
てバリアメタル29の形成を行うと、コンタクト孔28
に露出した結晶体33が、図6の(d)に示すように、
バリアメタル29の成膜を阻害する。このため、バリア
メタル29は第1のBPSG膜24上に良好に形成され
ない。その結果、タングステン膜30’をCVD法によ
り形成する際に、シリコン基板21が原料ガスであるW
F6ガスにより浸蝕され、好ましくないタングステン膜
30’の一部30”が、図6の(e)に示すように、シ
リコン基板21内に形成される。このことにより、コン
タクト不良が発生する。
線の距離の低減などの半導体装置の微細化に伴い、第
1、第2のアニール処理での温度を850℃以下に下げ
て熱履歴(サーマルバジェット)の影響を抑制すること
が要求されている。しかしながら、上記のような従来の
半導体装置の製造方法では、第1、第2のアニール処理
での温度を850℃以下にした場合、第1のBPSG膜
24に含まれるボロン、及びリンがガラス転移して、第
1のBPSG膜24内でBPO4(ボロンフォスフェイ
ト(Boron Phosphate))の結晶核、及び結晶体となる
という問題点があった。このため、コンタクト孔28に
面する第1のBPSG膜24上にバリアメタル29を良
好に形成することができない恐れがあった。このことに
より、従来の半導体装置の製造方法では、シリコン基板
21がタングステン膜の成膜に使用されるWF6ガスに
より浸蝕され、コンタクト不良を発生するという問題点
を生じた。図6を参照して、コンタクト不良の発生のメ
カニズムについて、具体的に説明する。図6は、従来の
半導体装置の製造方法でのコンタクト不良の発生のメカ
ニズムを示す説明図である。第1のBPSG膜24と第
2の配線25上に第2の保護膜26を成膜した後では、
BPO4の結晶核32が、図6の(a)に示すように、
第1のBPSG膜24内に発生している。この結晶核3
2は、第1のBPSG膜24に含まれるボロン、及びリ
ンが第2の保護膜26の形成するときの700℃の温度
により、ガラス転移して生ずるものである。その後、B
PO4の結晶核32は、図6の(b)に示すように、第
2のアニール処理での850℃の温度により10nm以
上の大きさに成長し、BPO4の結晶体33となる。続
いて、コンタクト孔28を開口してフッ酸をエッチャン
トとしてウェットエッチングを行う。その後では、BP
O4の結晶体33は、図6の(c)に示すように、エッ
チングされずにコンタクト孔28に露出する。というの
は、フッ酸によるウェットエッチングでは、第1、第2
のBPSG膜24,27、及び第1、第2の保護膜2
5,26はエッチングされるが、BPO4の結晶体33
はフッ酸に浸食されずに第1のBPSG膜24の表面上
に残るからである。バリアメタル29の成膜はスパッタ
リング法により行われる。それ故、この状態で引き続い
てバリアメタル29の形成を行うと、コンタクト孔28
に露出した結晶体33が、図6の(d)に示すように、
バリアメタル29の成膜を阻害する。このため、バリア
メタル29は第1のBPSG膜24上に良好に形成され
ない。その結果、タングステン膜30’をCVD法によ
り形成する際に、シリコン基板21が原料ガスであるW
F6ガスにより浸蝕され、好ましくないタングステン膜
30’の一部30”が、図6の(e)に示すように、シ
リコン基板21内に形成される。このことにより、コン
タクト不良が発生する。
【0006】発明者は、実験的研究により、絶縁膜に含
まれる不純物が絶縁膜形成後の熱処理での温度によりガ
ラス転移して絶縁膜内で結晶核、及び結晶体となるのを
防止しできることを見出した。この発明は、上記の知見
に基づいて完成したものである。
まれる不純物が絶縁膜形成後の熱処理での温度によりガ
ラス転移して絶縁膜内で結晶核、及び結晶体となるのを
防止しできることを見出した。この発明は、上記の知見
に基づいて完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、シリコン基板上に不純物を含む絶縁膜を形成
し、その後、前記不純物がガラス転移して結晶核となる
ガラス転移温度以上の温度を用いた熱処理を1回以上行
う半導体装置の製造方法であって、結晶核の形成速度が
最大となる温度より40℃以上低い温度、または40℃
以上高い温度を用いて前記熱処理を行っている。このよ
うに構成することにより、発明者は、実験的研究によっ
て絶縁物に含まれる不純物が熱処理での温度によりガラ
ス転移して結晶核になるのを防止できることを見出し
た。また、このことにより、半導体装置にコンタクト不
良が発生するのを防止することができる。
造方法は、シリコン基板上に不純物を含む絶縁膜を形成
し、その後、前記不純物がガラス転移して結晶核となる
ガラス転移温度以上の温度を用いた熱処理を1回以上行
う半導体装置の製造方法であって、結晶核の形成速度が
最大となる温度より40℃以上低い温度、または40℃
以上高い温度を用いて前記熱処理を行っている。このよ
うに構成することにより、発明者は、実験的研究によっ
て絶縁物に含まれる不純物が熱処理での温度によりガラ
ス転移して結晶核になるのを防止できることを見出し
た。また、このことにより、半導体装置にコンタクト不
良が発生するのを防止することができる。
【0008】さらに、他の発明の半導体装置の製造方法
では、前記絶縁膜が少なくともボロン及びリンを前記不
純物として含む酸化膜である。このように構成すること
により、発明者は、実験的研究によって絶縁物に含まれ
る不純物が熱処理での温度によりガラス転移して結晶核
になるのを防止できることを見出した。
では、前記絶縁膜が少なくともボロン及びリンを前記不
純物として含む酸化膜である。このように構成すること
により、発明者は、実験的研究によって絶縁物に含まれ
る不純物が熱処理での温度によりガラス転移して結晶核
になるのを防止できることを見出した。
【0009】さらに、他の発明の半導体装置の製造方法
では、前記ボロンの濃度、及び前記リンの濃度がそれぞ
れB2O3換算、及びP2O5換算で合計20mol%以上であ
る。このように構成することにより、発明者は、実験的
研究によって絶縁物に含まれる不純物が熱処理での温度
によりガラス転移して結晶核になるのを防止できること
を見出した。また、絶縁物の平坦化を容易に行うことが
できる。
では、前記ボロンの濃度、及び前記リンの濃度がそれぞ
れB2O3換算、及びP2O5換算で合計20mol%以上であ
る。このように構成することにより、発明者は、実験的
研究によって絶縁物に含まれる不純物が熱処理での温度
によりガラス転移して結晶核になるのを防止できること
を見出した。また、絶縁物の平坦化を容易に行うことが
できる。
【0010】さらに、他の発明の半導体装置の製造方法
では、前記ボロンの濃度がB2O3換算で10mol%以上1
8mol%以下であり、かつ前記リンの濃度がP2O5換算で
7mol%以上であり、700℃以下の温度を用いた前記熱
処理と、800℃以上850℃以下の温度を用いた前記
熱処理とを少なくとも1回ずつ行う。このように構成す
ることにより、発明者は、実験的研究によって絶縁物に
含まれる不純物が熱処理での温度によりガラス転移して
結晶核になるのを防止できることを見出した。
では、前記ボロンの濃度がB2O3換算で10mol%以上1
8mol%以下であり、かつ前記リンの濃度がP2O5換算で
7mol%以上であり、700℃以下の温度を用いた前記熱
処理と、800℃以上850℃以下の温度を用いた前記
熱処理とを少なくとも1回ずつ行う。このように構成す
ることにより、発明者は、実験的研究によって絶縁物に
含まれる不純物が熱処理での温度によりガラス転移して
結晶核になるのを防止できることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体装置の製造
方法を示す好ましい実施の形態について、図面を参照し
ながら説明する。図1、及び図2は、本発明の半導体装
置の製造方法を示す製造工程順の断面図である。図1の
(a)に示すように、シリコン基板1上には、2本の第
1の配線2がLPCVD法(減圧化学蒸着法)により形
成されている。また、第1の保護膜3が、LPCVD法
によりシリコン基板1と第1の配線2上に形成され、さ
らに絶縁膜である第1のBPSG(Borophosphosilicat
e Glass)膜4がCVD法(化学蒸着法)により第1の
保護膜3上に形成されている。第1の配線2は、ポリシ
リコン、あるいはポリサイドなどで形成されている。ま
た、第1の配線2をポリシリコンにより構成する場合、
例えば原料ガスとして1000sccm(単位時間当たりに
供給される量(ccm))のSiH4(シラン)、50sccmの
PH3(水素化リン)、及び400sccmのN2を用い、温
度550℃、圧力106Paの条件により約80分で25
0nmに成膜される。第1の保護膜3は、TEOS(テ
トラエチルオキシシラン)系の原料ガスを用いて形成さ
れたSiO2(二酸化珪素)膜であり、例えば80sccm
のTEOS、及び10sccmのO2、温度700℃、圧力
0.4torrの条件により約10分で100nmに成膜さ
れる。第1のBPSG膜4は、TEOS、TMOP(ト
リメチルフォスフェイト(Trimethyl Phosphate))、T
EB(トリエチルボレイト(Triethyl Borate))、及び
O2の原料ガスにより形成された酸化膜であり、例えば
温度400℃、圧力760torrの条件により約4分で6
00nmに成膜される。また、第1のBPSG膜4は、
その内部に含まれる不純物の濃度が次に示す範囲の値と
なるように、成膜されている。ボロン(B)の濃度はB
2O3(酸化ボロン)換算で10mol%以上18mol%以下、
リン(P)の濃度はP2O5(酸化リン)換算で7mol%以
上。このように、第1のBPSG膜4の内に含まれるボ
ロン、及びリンの濃度を選択することにより、本実施の
形態の製造方法によれば、第1のBPSG膜4の形成後
に行う第1、第2のアニール処理での温度、及び第2の
保護膜6の形成時での温度により従来起こっていたボロ
ン、及びリンのガラス転移と、それによるBPO4(ボ
ロンフォスフェイト(Boron Phosphate))の結晶核、及
び結晶体への変化を防止することができる(詳細は後
述)。続いて、第1のBPSG膜4を成膜した後、第1
のアニール処理をN2雰囲気で800℃以上850℃以
下の温度により行い、第1のBPSG膜4の凸部分をフ
ローすることによって第1のBPSG膜4の平坦化を行
う。
方法を示す好ましい実施の形態について、図面を参照し
ながら説明する。図1、及び図2は、本発明の半導体装
置の製造方法を示す製造工程順の断面図である。図1の
(a)に示すように、シリコン基板1上には、2本の第
1の配線2がLPCVD法(減圧化学蒸着法)により形
成されている。また、第1の保護膜3が、LPCVD法
によりシリコン基板1と第1の配線2上に形成され、さ
らに絶縁膜である第1のBPSG(Borophosphosilicat
e Glass)膜4がCVD法(化学蒸着法)により第1の
保護膜3上に形成されている。第1の配線2は、ポリシ
リコン、あるいはポリサイドなどで形成されている。ま
た、第1の配線2をポリシリコンにより構成する場合、
例えば原料ガスとして1000sccm(単位時間当たりに
供給される量(ccm))のSiH4(シラン)、50sccmの
PH3(水素化リン)、及び400sccmのN2を用い、温
度550℃、圧力106Paの条件により約80分で25
0nmに成膜される。第1の保護膜3は、TEOS(テ
トラエチルオキシシラン)系の原料ガスを用いて形成さ
れたSiO2(二酸化珪素)膜であり、例えば80sccm
のTEOS、及び10sccmのO2、温度700℃、圧力
0.4torrの条件により約10分で100nmに成膜さ
れる。第1のBPSG膜4は、TEOS、TMOP(ト
リメチルフォスフェイト(Trimethyl Phosphate))、T
EB(トリエチルボレイト(Triethyl Borate))、及び
O2の原料ガスにより形成された酸化膜であり、例えば
温度400℃、圧力760torrの条件により約4分で6
00nmに成膜される。また、第1のBPSG膜4は、
その内部に含まれる不純物の濃度が次に示す範囲の値と
なるように、成膜されている。ボロン(B)の濃度はB
2O3(酸化ボロン)換算で10mol%以上18mol%以下、
リン(P)の濃度はP2O5(酸化リン)換算で7mol%以
上。このように、第1のBPSG膜4の内に含まれるボ
ロン、及びリンの濃度を選択することにより、本実施の
形態の製造方法によれば、第1のBPSG膜4の形成後
に行う第1、第2のアニール処理での温度、及び第2の
保護膜6の形成時での温度により従来起こっていたボロ
ン、及びリンのガラス転移と、それによるBPO4(ボ
ロンフォスフェイト(Boron Phosphate))の結晶核、及
び結晶体への変化を防止することができる(詳細は後
述)。続いて、第1のBPSG膜4を成膜した後、第1
のアニール処理をN2雰囲気で800℃以上850℃以
下の温度により行い、第1のBPSG膜4の凸部分をフ
ローすることによって第1のBPSG膜4の平坦化を行
う。
【0012】次に、図1の(b)に示すように、第1の
BPSG膜4上には、2本の第2の配線5がLPCVD
法により形成されている。また、第2の保護膜6が、L
PCVD法により第1のBPSG膜4と第2の配線5上
に形成されている。第2の配線5、及び第2の保護膜6
は、上述の第1の配線2、及び第1の保護膜3とそれぞ
れ同じ条件で形成され、約100分で例えば300n
m、及び100nmにそれぞれ成膜される。続いて、図
1の(c)に示すように、第2のBPSG膜7がCVD
法により第2の保護膜6上に形成されている。この第2
のBPSG膜7は、上述の第1のBPSG膜4と同じ条
件で形成され、例えば約5分で800nmに成膜され
る。また、第2のBPSG膜7に含まれるボロン、及び
リンの濃度は、第1のBPSG膜4と同じ濃度のものが
使用されている。第2のBPSG膜7を成膜した後、第
2のアニール処理をN2雰囲気で800℃以上850℃
以下の温度により約45分行い、図1の(d)に示すよ
うに、第2のBPSG膜7の凸部分をフローすることに
よって第2のBPSG膜7の平坦化を行う。
BPSG膜4上には、2本の第2の配線5がLPCVD
法により形成されている。また、第2の保護膜6が、L
PCVD法により第1のBPSG膜4と第2の配線5上
に形成されている。第2の配線5、及び第2の保護膜6
は、上述の第1の配線2、及び第1の保護膜3とそれぞ
れ同じ条件で形成され、約100分で例えば300n
m、及び100nmにそれぞれ成膜される。続いて、図
1の(c)に示すように、第2のBPSG膜7がCVD
法により第2の保護膜6上に形成されている。この第2
のBPSG膜7は、上述の第1のBPSG膜4と同じ条
件で形成され、例えば約5分で800nmに成膜され
る。また、第2のBPSG膜7に含まれるボロン、及び
リンの濃度は、第1のBPSG膜4と同じ濃度のものが
使用されている。第2のBPSG膜7を成膜した後、第
2のアニール処理をN2雰囲気で800℃以上850℃
以下の温度により約45分行い、図1の(d)に示すよ
うに、第2のBPSG膜7の凸部分をフローすることに
よって第2のBPSG膜7の平坦化を行う。
【0013】次に、図2の(a)に示すように、フォト
レジスタ9を第2のBPSG膜7上に設けて、リソグラ
フィーとドライエッチングとを行うことにより、2本の
第1の配線2、及び2本の第2の配線5の間にコンタク
ト孔8を開口する。続いて、図2の(b)に示すよう
に、第2のBPSG膜7、フォトレジスト9を取り除い
た後、ウエットエッチングを行うことによりコンタクト
孔8の底部に生じた自然酸化膜を除去する。その後、コ
ンタクト孔8の周りにバリアメタル10をスパッタリン
グ法を用いて形成する。ウエットエッチングでは、第
1、第2の保護膜3,6、及び第1、第2のBPSG膜
4,7がエッチャントとして使用するフッ酸により浸蝕
され、コンタクト孔8がさらに拡がる。バリアメタル1
0は、タングステン、またはチタンなどで形成され、そ
の厚さは50nm、または100nm程度である。次
に、図2の(c)に示すように、コンタクト孔8を埋め
込むために、CVD法によりタングステン膜11’を第
2のBPSG膜7、及びバリアメタル10の表面上に成
膜する。その後、異方性エッチングなどを行うことによ
り、第2のBPSG膜7上のタングステン膜11’を除
去してWプラグ部11を形成する。続いて、図2の
(d)に示すように、外部機器に接続される金属配線1
2をバリアメタル10、及びWプラグ部11上にスパッ
タリング法により設けて、半導体装置のコンタクト部を
形成する。
レジスタ9を第2のBPSG膜7上に設けて、リソグラ
フィーとドライエッチングとを行うことにより、2本の
第1の配線2、及び2本の第2の配線5の間にコンタク
ト孔8を開口する。続いて、図2の(b)に示すよう
に、第2のBPSG膜7、フォトレジスト9を取り除い
た後、ウエットエッチングを行うことによりコンタクト
孔8の底部に生じた自然酸化膜を除去する。その後、コ
ンタクト孔8の周りにバリアメタル10をスパッタリン
グ法を用いて形成する。ウエットエッチングでは、第
1、第2の保護膜3,6、及び第1、第2のBPSG膜
4,7がエッチャントとして使用するフッ酸により浸蝕
され、コンタクト孔8がさらに拡がる。バリアメタル1
0は、タングステン、またはチタンなどで形成され、そ
の厚さは50nm、または100nm程度である。次
に、図2の(c)に示すように、コンタクト孔8を埋め
込むために、CVD法によりタングステン膜11’を第
2のBPSG膜7、及びバリアメタル10の表面上に成
膜する。その後、異方性エッチングなどを行うことによ
り、第2のBPSG膜7上のタングステン膜11’を除
去してWプラグ部11を形成する。続いて、図2の
(d)に示すように、外部機器に接続される金属配線1
2をバリアメタル10、及びWプラグ部11上にスパッ
タリング法により設けて、半導体装置のコンタクト部を
形成する。
【0014】ここで、第1のBPSG膜4(図1)に含
まれるボロン、及びリンが、第1、第2のアニール処理
での温度、及び第2の保護膜6(図1)の形成時での温
度によりガラス転移してBPO4の結晶核、及び結晶体
となるのを防止できることについて、本発明の発明者が
実施した実験に基づいて説明する。まず、発明者は、ボ
ロン、及びリンの濃度が互いに異なる複数のBPSG膜
を形成し、これらのBPSG膜を加熱してBPO4の結
晶核が形成される形成速度と温度との関係について調べ
た。この実験結果を図3に示す。図3の曲線13に示す
ように、上記結晶核の形成速度が最大となる温度Tmax
は、ボロン、及びリンが結晶核となるガラス転移温度T
gから約125℃高い温度となり、その結晶核が形成さ
れる温度範囲はTmax±40℃となった。ガラス転移温
度Tgは、周知のように、ボロン、及びリンの濃度に依
存するものであるが、上記最大となる温度Tmaxとガラ
ス転移温度Tgとの関係は、ボロン、及びリンの濃度に
関係なく、ほぼ同一の実験結果となった。この実験結果
により、BPSG膜成膜後に行う熱処理での温度と上述
の最大となる温度Tmaxとを変えた場合、ボロン、及び
リンの濃度に関係なく、BPSG膜内での結晶核の発生
を防止することができることがわかった。言い換えれ
ば、ガラス転移温度Tgが、熱処理での温度より165
(=125+40)℃低い値となるように、ボロン、及
びリンの濃度を選択することにより、BPSG膜内での
結晶核の発生を防止することができた。具体的には、例
えば第2の保護膜6は700℃の温度により成膜される
ので、ガラス転移温度Tgが575±40℃以外の値と
なるように、第1のBPSG膜4内に含まれるボロン、
及びリンの濃度を決定すればよいことがわかった。
まれるボロン、及びリンが、第1、第2のアニール処理
での温度、及び第2の保護膜6(図1)の形成時での温
度によりガラス転移してBPO4の結晶核、及び結晶体
となるのを防止できることについて、本発明の発明者が
実施した実験に基づいて説明する。まず、発明者は、ボ
ロン、及びリンの濃度が互いに異なる複数のBPSG膜
を形成し、これらのBPSG膜を加熱してBPO4の結
晶核が形成される形成速度と温度との関係について調べ
た。この実験結果を図3に示す。図3の曲線13に示す
ように、上記結晶核の形成速度が最大となる温度Tmax
は、ボロン、及びリンが結晶核となるガラス転移温度T
gから約125℃高い温度となり、その結晶核が形成さ
れる温度範囲はTmax±40℃となった。ガラス転移温
度Tgは、周知のように、ボロン、及びリンの濃度に依
存するものであるが、上記最大となる温度Tmaxとガラ
ス転移温度Tgとの関係は、ボロン、及びリンの濃度に
関係なく、ほぼ同一の実験結果となった。この実験結果
により、BPSG膜成膜後に行う熱処理での温度と上述
の最大となる温度Tmaxとを変えた場合、ボロン、及び
リンの濃度に関係なく、BPSG膜内での結晶核の発生
を防止することができることがわかった。言い換えれ
ば、ガラス転移温度Tgが、熱処理での温度より165
(=125+40)℃低い値となるように、ボロン、及
びリンの濃度を選択することにより、BPSG膜内での
結晶核の発生を防止することができた。具体的には、例
えば第2の保護膜6は700℃の温度により成膜される
ので、ガラス転移温度Tgが575±40℃以外の値と
なるように、第1のBPSG膜4内に含まれるボロン、
及びリンの濃度を決定すればよいことがわかった。
【0015】次に、本発明の発明者は、下記の試料N
o.1〜No.6を用いて半導体装置を製造し、BPO4
の結晶核、及び結晶体の発生の有無を調べた。 試料No.1;ボロンの濃度16.7mol%、リンの濃度
6.4mol%、 試料No.2;ボロンの濃度13.8mol%、リンの濃度
5.9mol%、 試料No.3;ボロンの濃度18.2mol%、リンの濃度
3.9mol%、 試料No.4;ボロンの濃度14.6mol%、リンの濃度
8.0mol%、 試料No.5;ボロンの濃度13.4mol%、リンの濃度
9.1mol%、 試料No.6;ボロンの濃度18.8mol%、リンの濃度
3.1mol%。 尚、ボロン、及びリンの濃度はそれぞれB2O3換算、及
びP2O5換算の値であり、試料No.1は[従来の技
術]の欄に示した従来例でのボロンとリンとの濃度条件
を用いたものである。これらの試料No.1〜No.6を
用いた実験結果を表1に示す。
o.1〜No.6を用いて半導体装置を製造し、BPO4
の結晶核、及び結晶体の発生の有無を調べた。 試料No.1;ボロンの濃度16.7mol%、リンの濃度
6.4mol%、 試料No.2;ボロンの濃度13.8mol%、リンの濃度
5.9mol%、 試料No.3;ボロンの濃度18.2mol%、リンの濃度
3.9mol%、 試料No.4;ボロンの濃度14.6mol%、リンの濃度
8.0mol%、 試料No.5;ボロンの濃度13.4mol%、リンの濃度
9.1mol%、 試料No.6;ボロンの濃度18.8mol%、リンの濃度
3.1mol%。 尚、ボロン、及びリンの濃度はそれぞれB2O3換算、及
びP2O5換算の値であり、試料No.1は[従来の技
術]の欄に示した従来例でのボロンとリンとの濃度条件
を用いたものである。これらの試料No.1〜No.6を
用いた実験結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示す実験結果から、ガラス転移温度
Tgが600℃から65℃以下、または15℃以上とな
るように、ボロン、及びリンの濃度を選択することによ
り、第1のBPSG4膜内での結晶核の発生を防止する
ことができる。言い換えれば、第1のBPSG膜4形成
後に行う熱処理での温度は、結晶核の形成速度が最大と
なる温度Tmax(=Tg+125=725℃)よりも4
0℃以下、または40℃以上の温度とすることにより、
第1のBPSG膜4内での結晶核の発生を防止すること
ができる。
Tgが600℃から65℃以下、または15℃以上とな
るように、ボロン、及びリンの濃度を選択することによ
り、第1のBPSG4膜内での結晶核の発生を防止する
ことができる。言い換えれば、第1のBPSG膜4形成
後に行う熱処理での温度は、結晶核の形成速度が最大と
なる温度Tmax(=Tg+125=725℃)よりも4
0℃以下、または40℃以上の温度とすることにより、
第1のBPSG膜4内での結晶核の発生を防止すること
ができる。
【0018】さらに、第2の保護膜6の成膜時での温度
は700℃以下の温度を使用する場合もあるため、ガラ
ス転移温度Tgが615(=700−125+40)℃
以上になるように、第1のBPSG膜4に含まれるボロ
ン、及びリンの濃度を選択する必要がある。また、発明
者の実験によれば、ボロン、及びリンの濃度をそれぞれ
B2O3換算、及びP2O5換算の値で合計20mol%以上と
した場合、第1、第2のアニール処理での第1、第2の
BPSG膜4,7の平坦化を良好に行うことができた。
これらの条件を満たすボロン、及びリンの濃度を図4の
斜線部14に示す。尚、図4は、ガラス転移温度とボロ
ン、及びリンの濃度との関係を示すグラフであり、斜線
部14以外は、例えば月刊セミコンダクターワールド
1987年9月号、p150〜p164に記載されてい
るものである。本実施の形態の半導体装置の製造方法で
は、斜線部14によりそれぞれ示されるボロン、及びリ
ンの濃度の範囲のうち、上述した不純物の濃度に示す範
囲の値を選択している。このことにより、本実施の形態
の半導体装置の製造方法では、第1のBPSG膜4に含
まれるボロン、及びリンが、第1、第2のアニール処理
での温度、及び第2の保護膜6の形成時での温度により
ガラス転移してBPO4の結晶核、及び結晶体となるの
を防止できる。
は700℃以下の温度を使用する場合もあるため、ガラ
ス転移温度Tgが615(=700−125+40)℃
以上になるように、第1のBPSG膜4に含まれるボロ
ン、及びリンの濃度を選択する必要がある。また、発明
者の実験によれば、ボロン、及びリンの濃度をそれぞれ
B2O3換算、及びP2O5換算の値で合計20mol%以上と
した場合、第1、第2のアニール処理での第1、第2の
BPSG膜4,7の平坦化を良好に行うことができた。
これらの条件を満たすボロン、及びリンの濃度を図4の
斜線部14に示す。尚、図4は、ガラス転移温度とボロ
ン、及びリンの濃度との関係を示すグラフであり、斜線
部14以外は、例えば月刊セミコンダクターワールド
1987年9月号、p150〜p164に記載されてい
るものである。本実施の形態の半導体装置の製造方法で
は、斜線部14によりそれぞれ示されるボロン、及びリ
ンの濃度の範囲のうち、上述した不純物の濃度に示す範
囲の値を選択している。このことにより、本実施の形態
の半導体装置の製造方法では、第1のBPSG膜4に含
まれるボロン、及びリンが、第1、第2のアニール処理
での温度、及び第2の保護膜6の形成時での温度により
ガラス転移してBPO4の結晶核、及び結晶体となるの
を防止できる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体装置の製
造方法では、シリコン基板上に不純物を含む絶縁膜を形
成した後、不純物がガラス転移して結晶核となるガラス
転移温度以上の温度を用いた熱処理を1回以上行う場
合、結晶核の形成速度が最大となる温度よりも40℃以
上低い温度、または40℃以上高い温度を用いて上記の
熱処理を行う。このことにより、絶縁物に含まれる不純
物が、熱処理での温度によりガラス転移して結晶核にな
るのを防止することができた。その結果、半導体装置に
コンタクト不良が発生するのを防止することができる。
造方法では、シリコン基板上に不純物を含む絶縁膜を形
成した後、不純物がガラス転移して結晶核となるガラス
転移温度以上の温度を用いた熱処理を1回以上行う場
合、結晶核の形成速度が最大となる温度よりも40℃以
上低い温度、または40℃以上高い温度を用いて上記の
熱処理を行う。このことにより、絶縁物に含まれる不純
物が、熱処理での温度によりガラス転移して結晶核にな
るのを防止することができた。その結果、半導体装置に
コンタクト不良が発生するのを防止することができる。
【図1】本発明の半導体装置の製造方法を示す製造工程
順の断面図。
順の断面図。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法を示す製造工程
順の断面図。
順の断面図。
【図3】実験結果により得られた核形成速度と温度との
関係を示すグラフ。
関係を示すグラフ。
【図4】ガラス転移温度とボロン、及びリンの濃度との
関係を示すグラフ。
関係を示すグラフ。
【図5】従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程順
の断面図。
の断面図。
【図6】従来の半導体装置の製造方法でのコンタクト不
良の発生のメカニズムを示す説明図。
良の発生のメカニズムを示す説明図。
1 Si基板 2 第1の配線 3 第1の保護膜 4 第1のBPSG膜 5 第2の配線 6 第2の保護膜 7 第2のBPSG膜
Claims (4)
- 【請求項1】 シリコン基板上に不純物を含む絶縁膜を
形成し、その後、前記不純物がガラス転移して結晶核と
なるガラス転移温度以上の温度を用いた熱処理を1回以
上行う半導体装置の製造方法であって、 結晶核の形成速度が最大となる温度より40℃以上低い
温度、または40℃以上高い温度を用いて前記熱処理を
行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】 前記絶縁膜が少なくともボロン及びリン
を前記不純物として含む酸化膜であることを特徴とする
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 前記ボロンの濃度、及び前記リンの濃度
がそれぞれB2O3換算、及びP2O5換算で合計20mol%
以上であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装
置の製造方法。 - 【請求項4】 前記ボロンの濃度がB2O3換算で10mo
l%以上18mol%以下であり、かつ前記リンの濃度がP2
O5換算で7mol%以上であり、700℃以下の温度を用
いた前記熱処理と、800℃以上850℃以下の温度を
用いた前記熱処理とを少なくとも1回ずつ行うことを特
徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34784896A JPH10189576A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34784896A JPH10189576A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10189576A true JPH10189576A (ja) | 1998-07-21 |
Family
ID=18393016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34784896A Pending JPH10189576A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10189576A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100345670B1 (ko) * | 2000-08-31 | 2002-07-24 | 주식회사 하이닉스반도체 | 비피에스지의 리플로우에 따른 패턴의 이동을 방지할 수있는 소자 제조 방법 |
US6852587B2 (en) | 2000-05-26 | 2005-02-08 | Fujitsu Limited | Method for fabricating a semiconductor device |
-
1996
- 1996-12-26 JP JP34784896A patent/JPH10189576A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6852587B2 (en) | 2000-05-26 | 2005-02-08 | Fujitsu Limited | Method for fabricating a semiconductor device |
KR100345670B1 (ko) * | 2000-08-31 | 2002-07-24 | 주식회사 하이닉스반도체 | 비피에스지의 리플로우에 따른 패턴의 이동을 방지할 수있는 소자 제조 방법 |
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