JPH10189534A - 電子装置の製造方法 - Google Patents

電子装置の製造方法

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JPH10189534A
JPH10189534A JP9288475A JP28847597A JPH10189534A JP H10189534 A JPH10189534 A JP H10189534A JP 9288475 A JP9288475 A JP 9288475A JP 28847597 A JP28847597 A JP 28847597A JP H10189534 A JPH10189534 A JP H10189534A
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oxide film
silicon oxide
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寿 進藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライエッチング装置の搬送系あるいは基板
チャック等の装置内で発生する傷、あるいは異物に起因
する素子欠陥が無い、電子装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板上にシリコン窒化膜を配して構成さ
れる電子装置の製造方法において、前記基板の第1の面
上及び該第1の面の反対側に位置する第2の面上に、そ
れぞれシリコン窒化膜とシリコン酸化膜とを積層する工
程、前記第1の面上に位置する前記シリコン酸化膜をウ
ェットエッチングにより除去する工程、前記第1の面上
に位置する前記シリコン窒化膜をウェットエッチングに
より除去する工程及び、前記第2の面上に位置する前記
シリコン酸化膜をウェットエッチングにより除去する工
程とを有することを特徴とする電子装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子装置の製造方
法、とりわけ基体の一部を除去する工程を有する液晶表
示装置あるいは記録ヘッド用基体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板の素子面側のみにシリコン窒
化膜を形成する場合、図10に示す様に減圧CVD法に
よりシリコン窒化膜12,13を堆積すると、CVD装
置の構成上、基板11の表裏両面に堆積される。そのた
め裏面側のシリコン窒化膜13を剥離する。
【0003】シリコン窒化膜のエッチング液としては、
熱リン酸溶液が一般的であるが、この場合フォトレジス
ト16等を表面に塗布し、裏面のシリコン窒化膜をエッ
チングする必要がある。しかし、フォトレジスト16は
熱リン酸に対する耐性が十分ではないため、ウエットエ
ッチング法では困難である。
【0004】このため、シリコン窒化膜を基板の素子面
側にのみ形成する場合は、ドライエッチング法により裏
面のシリコン窒化膜を除去することが一般に行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ドライエッチング法と
しては、CDE(Chemical Dry Etch
ing)、あるいは、RIE(Reactive Io
n Etching)等の手法がある。
【0006】CDEの場合は、ガスの回り込みにより表
裏両面がエッチングされるために、表面にはフォトレジ
スト等の保護膜が必要である。
【0007】RIEの場合は、プラズマに晒されている
面のみがエッチングされるため、通常のRIE装置では
裏面の窒化膜をエッチングするためには、基板を表裏入
れ替えて搬送する必要がある。このため、表面(素子
面)側が搬送系のアーム、ベルト等あるいは装置電極に
接触することになる。これは素子面の傷、ゴミの原因と
なり、素子の欠陥になる。これを防ぐためには、やは
り、表面に樹脂等の保護膜を形成する必要がある。
【0008】以上説明したように、基板裏面のシリコン
窒化膜をドライエッチングで除去するためには、どのよ
うな方法によっても表面(素子面)側にフォトレジスト
等の、保護膜となる有機樹脂膜を形成し、搬送、エッチ
ングする必要がある。
【0009】しかし、有機樹脂膜は、搬送系のアーム、
ベルト等のメカニカル部分と接触することによりパーテ
ィクルを発生するという問題がある。あるいは、装置電
極にクランプされることにより電極上に有機樹脂が付着
し、電極と基板の密着性が悪くなり、エッチング中の基
板温度上昇が大きくなり、エッチングの選択比が劣化す
る等の影響がでるという問題がある。
【0010】[発明の目的]本発明の目的は、基体裏面
の窒化膜等の、基体の一部を除去することが必要な電子
装置の製造方法において、基体裏面の窒化膜等の除去
を、ドライエッチング装置を用いることなく、ウエット
エッチングのみで可能とし、ドライエッチング装置の搬
送系あるいは基板チャック等の装置内で発生する傷、あ
るいは異物に起因する素子欠陥が無い、電子装置の製造
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
を解決するための手段として、基板上にシリコン窒化膜
を配して構成される電子装置の製造方法において、前記
基板の第1の面上及び該第1の面の反対側に位置する第
2の面上に、それぞれシリコン窒化膜とシリコン酸化膜
とを積層する工程、前記第1の面上に位置する前記シリ
コン酸化膜をウエットエッチングにより除去する工程、
前記第1の面上に位置する前記シリコン窒化膜をウエッ
トエッチングにより除去する工程及び、前記第2の面上
に位置する前記シリコン酸化膜をウエットエッチングに
より除去する工程とを有することを特徴とする電子装置
の製造方法を提供するものである。
【0012】[作用]本発明によれば、ウエットエッチ
ングのみで、基体の一部領域の窒化膜を剥離して、他の
一部領域に窒化膜を残すことが可能となるため、従来の
ドライエッチングで発生していた問題である、ドライエ
ッチング装置の搬送系あるいは基板チャック等の装置内
で発生する傷、あるいは異物に起因する素子欠陥が無
い、電子装置を製造することができる。
【0013】また、本発明によれば、電子装置の製造方
法に於いて、基板の2つの面にシリコン窒化膜を成長し
た後、該シリコン窒化膜上に二酸化シリコン膜を形成し
た基板に対して、裏面のシリコン酸化膜を例えば、フッ
化水素を含む水溶液で除去した後、裏面のシリコン窒化
膜を例えば、リン酸を含む水溶液により除去することに
より、ドライエッチング装置を用いることなく、ウエッ
トエッチングのみで裏面の窒化膜を剥離することが可能
になるため、ドライエッチング装置の搬送系あるいは基
板チャック等の装置内で発生する傷、あるいは異物に起
因する素子欠陥が無い、液晶表示装置あるいは記録ヘッ
ド用基体などの製造が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は、本例の工程を説明するための模
式的工程図である。
【0015】図1に示す様に、まず、基板1上に減圧化
学成長法等のCVD法によりシリコン窒化膜2,3を成
長する(図1(a))。
【0016】その後、減圧化学成長法等のCVD法によ
りシリコン薄膜4,4’を成長させる(図1(b))。
【0017】その後、前記シリコン薄膜4,4’を酸化
することにより二酸化シリコン薄膜5,5’とする(図
1(c))。
【0018】その後、表面側にフォトレジスト6を形成
した後、裏面のシリコン酸化膜5’を、シリコン窒化膜
に対して選択比を有する第1のウエットエッチング液と
してフッ化水素を含む水溶液を用いて除去する(図1
(d))。
【0019】その後、フォトレジスト6を除去した後、
裏面のシリコン窒化膜3を、第2のウエットエッチング
液となるリン酸を含む水溶液により除去する(図1
(e))。
【0020】その後、表面側のシリコン酸化膜5を第1
のウエットエッチング液により除去する(図1
(f))。
【0021】これにより、ドライエッチング装置を用い
ることなくウエットエッチングのみで裏面の窒化膜を剥
離することが可能になる。
【0022】ここで、第1のウエットエッチング液とし
ては、フッ化水素を含むものであり、例えば、フッ化水
素水溶液、フッ化水素+フッ化アンモニウム水溶液、フ
ッ化水素+過酸化水素水溶液などを用いることができ
る。
【0023】また、第2のウエットエッチング液として
は、リン酸を含むものであり、加熱リン酸、リン酸+過
酸化水素水などを用いることができる。
【0024】本発明において、シリコン窒化膜、シリコ
ン酸化膜とは、Si34 ,SiO 2 の他、シリコン原
子と窒素原子の結合を含む膜(例えばSiN膜)、シリ
コンと酸素の結合を含む膜(例えばSiO膜)を包含す
る。
【0025】また、このような工程は、例えば、液晶表
示装置や、インクジェット記録ヘッドの製造工程に利用
することができ、液晶表示装置の製造工程においては、
シリコン窒化膜を基体の一部に形成する工程に利用でき
る。
【0026】また、インクジェット記録ヘッドの製造工
程においても、シリコン窒化膜を基体の一部に形成する
工程に利用可能である。
【0027】(第1の実施例)本発明を、複数の信号線
と複数の走査線の交点に対応して画素電極を配置し、該
画素電極を駆動するための駆動回路を前記画素電極の周
辺部に設けるとともに、前記画素電極が設けられた画素
表示領域の下方の部分が除去されて前記画素表示領域に
光を透過可能にした半導体基板と、該半導体基板に対向
する対向基板との間に液晶を挟持してなる液晶表示装置
の製造に適用した例を示す。
【0028】本例で製造する液晶表示装置のパネル構成
の1例についてまず説明する。本例の液晶表示パネルの
模式図は、図3に示すとおりである。
【0029】図3に示すように、マトリクス状に配置さ
れたpoly−Si TFTをスイッチング素子とする
パネル表示回路305には、垂直シフトレジスタ303
及び、水平シフトレジスタ304が接続され、ビデオ信
号回路301より送られるTV画像信号が垂直シフトレ
ジスタ303及び、水平シフトレジスタ304を介して
表示回路305の中の画素に書き込まれる。302は2
つのシフトレジスタ304、305のタイミングをとる
ための同期回路である。
【0030】この液晶パネルの等価回路は図4に示すと
おりである。
【0031】図4に示すように、複数の信号線401a
〜401dと複数の走査線402a〜402dの交点に
対応して画素電極406が配置され、該画素電極には薄
膜トランジスタ(TFT:Thin Film Tra
nsistor)403のドレインが接続されている。
TFT403のソースには信号線401a〜401dが
接続され、ゲートには走査線402a〜402dそれぞ
れに接続されている。画素電極406には信号線401
a〜401dからのビデオ信号が書き込まれる。TFT
403のドレインは、書き込んだ電荷を十分長い間保持
するための保持容量404にも接続され、保持容量40
4の電極のもう一端405は全画素、または1行方向ず
つの画素について共通の電位に接続される。
【0032】ここでは、TFTを用いたアクティブマト
リクス型の液晶表示装置を例に説明しているが、本発明
は、これに限定されるものではない。本発明は、例えば
信号線と走査線の交点に対応してMIM素子やPN接合
素子を設けたものにも適応可能である。
【0033】図5は、画素部の平面構造を示した模式図
である。1つの画素は隣接する2本の信号線501a,
501b及び2本の走査線502a,502bに囲まれ
ている。多結晶シリコン膜で形成されたTFT503の
ソースはコンタクトホール504により信号線501a
と接続され、2枚のゲートを介してドレインに信号電荷
を書き込む。505はTFTと金属電極506を結ぶコ
ンタクトであり、この金属電極506はスルーホール5
07を介して、透明な画素電極508と結ばれている。
図で509は遮光膜の開口部であり、TFTに不要な光
が当たるのを防止する。
【0034】図6は、図5中のAA′線に沿った断面図
である。図6においては、シリコン基板上400〜12
00nmの厚い酸化膜102、シリコン窒化膜202が
配されている。前記膜上には10〜100nmのシリコ
ン酸化膜が設けられており、TFTとシリコン窒化膜を
隔てている。TFTは電界緩和のため低濃度n型層10
7、及び高濃度ソース、ドレイン103を有しており、
これらはゲート酸化膜105を介して2枚のポリシリコ
ン電極106と対峙している。ソース電極、ドレイン電
極108はAl膜108aとTi膜108bの積層膜よ
り成り、画素電極603とのオーミック接続を容易にし
ている。遮光膜602は、例えばTiN膜で構成され、
ソース・ドレイン電極とは、例えばPSG膜601によ
り隔てられ、TFTとは例えばBPSG膜106により
隔てられている。109は遮光膜と画素電極を隔てるた
めの絶縁層であり、例えばプラズマ窒化膜が用いられ
る。610は液晶配向膜であり、例えばポリイミド膜を
用いる。
【0035】図6に示した基板101乃至配向膜610
を持ってアクティブマトリクス基板が構成されている。
TN液晶611を挟んで対向基板621側には配向膜6
26、保護膜625、透明電極624が設けられてい
る。遮光膜602が開口している部分に対応して例えば
顔料を用いたカラーフィルター623が設けられ、遮光
部に対してCrなどのブラックマトリクス622が設け
られている。
【0036】本例の液晶表示パネルの画素表示領域と周
辺駆動部を含めた断面図を図2に示す。図2において、
701はシリコン基板、702は素子分離のための厚い
酸化膜(フィールド酸化膜)、703aはNMOSトラ
ンジスタの低濃度ソース、ドレインであり、703bは
NMOSトランジスタの高濃度ソース・ドレインであ
る。704はN型トランジスタのp型ウエル、706は
ポリシリコンゲート電極である。720は基板シリコン
を有する支持体、721は基板シリコンが除去された透
明な領域で、パネル表示部となる部分(画素表示領域)
である。722はTFT、723は絶縁膜、725はT
FTと画素電極をつなぐ配線部分である。
【0037】図2に示したTFT基板(半導体基板)
は、対向基板621と平行に設置され、両者の間には液
晶物質611が封入されている。液晶の光学特性を考慮
して設計される液晶611の厚みを維持するためにスペ
ーサー724が置かれている。画素電極603に対向す
る位置には全部の画素に共通あるいは多数の画素に共通
な透明共通電極625があり、液晶に電圧を印加する。
【0038】本例ではフルカラーの表示パネルの例を示
しているので、対向基板621上には染料または顔料を
用いたカラーフィルター623が配置され、画素間及び
周辺の駆動回路上はCrなどのブラックマトリクス62
2で遮光されている。
【0039】液晶物質611としては、主にTN(Tw
ist−Nematic)型の液晶が有効であるが、構
造上STN(Super Twist−Nemati
c)型やFLC(Ferroelectoric Li
quid Crystal:強誘電液晶)、PDLC
(Polymer−Diffused Liquid
Crystal:高分子分散型液晶)を用いることがで
きる。TN,STN,FLCを用いる場合は、表示装置
の前後に直交ニコルの偏光板を設ける必要がある。表示
に必要なバックライトは、図の上方から照射しても下方
から照射してもよい。
【0040】次に、図2におけるTFT基板の製造方法
を、図7を用いて説明する。
【0041】まず、単結晶シリコン基板801をH2
2 雰囲気、1000℃で熱酸化させることにより70
0nmのシリコン酸化膜802を単結晶シリコン基板8
01上に形成する。
【0042】次に、前記シリコン酸化膜802のうち、
NMOSトランジスタとなるところを通常のフォトリソ
グラフィー及びエッチング技術により除去する。
【0043】その後、イオン注入及び、熱処理によりp
ウエル領域803を形成し、緩衝フッ化水素溶液によ
り、シリコン酸化膜を除去する(図7−(a))。
【0044】その後、単結晶の素子分離領域及び、po
ly−Si TFTが形成される画素表示領域にLOC
OS工程によりフィールド酸化膜804を形成する(図
7−(b))。
【0045】次に、減圧CVD装置により、SiH
4 (シラン)とNH3 (アンモニア)を反応させ400
nmのシリコン窒化膜805を堆積させる。次ぎに減圧
CVD法により、600〜700℃で、窒素で希釈した
シランガスを熱分解し、多結晶シリコン806を700
Å堆積した(図7−(c))。
【0046】その後、1000℃、酸素+水素雰囲気で
熱酸化することにより、前記多結晶シリコンをすべて二
酸化シリコン807にする。
【0047】次に、その表面にフォトレジストを1.0
μm塗布した後、加熱硬化し、本発明の特徴的工程であ
る、第1のウエットエッチング液として、緩衝フッ酸溶
液に浸することにより、裏面側の酸化シリコン膜を除去
する(図7−(d))。
【0048】その後、表面側のフォトレジストを除去
し、第2のウエットエッチング液として、加熱した燐酸
溶液に前記基板を浸漬することにより、裏面のシリコン
窒化膜805を除去する。
【0049】その後、表面側のシリコン窒化膜上の二酸
化シリコン膜807を緩衝フッ酸溶液により除去する
(図7−(e))。
【0050】その上層に、同じく減圧CVD装置により
800℃でSiH4 (シラン)とN 2 O(亜酸化窒素)
を反応させ、シリコン酸化膜806を50nm堆積させ
た。次に同じく減圧CVD装置により600〜700℃
で、窒素で希釈したシランガスを熱分解し、多結晶シリ
コン膜809を50〜200nmの厚みで堆積させる。
このとき多結晶シリコンの厚さは薄いほどTFTのソー
ス・ドレイン間のリーク電流が抑制され望ましい。本例
では、次にゲート酸化膜810を80nmの厚さで形成
することと、プロセスのばらつきを考慮して、多結晶シ
リコンの堆積膜厚を80nmとした。ゲート酸化膜の形
成法としては、他に酸化を行った後に窒化酸化を連続し
て行うONO(Oxidized−Nitrided
Oxide)膜を使用する方法やCVD法によりシリコ
ン酸化膜を堆積する方法などがある。ゲート酸化膜を形
成した後、ゲート電極となる多結晶シリコン110を1
00〜500nmの厚みで堆積させ、高濃度にドーピン
グした後、パターニングを行い、ゲート電極811を形
成する(図7−(f))。
【0051】本例では、気相中でのリンのドーピングを
行ったが、他にも砒素やリンをイオン注入、イオンドー
ピングする方法があり、周知の技術を適宜用いることが
できる。
【0052】次いで、SiH4 (シラン)、O2 (酸
素)、PH3 (ホスフィン)を原料ガスに用いて常圧C
VD装置により、層間絶縁膜812としてPSG(Ph
ospho Silicate Glass)を600
nmの厚みで堆積させた。
【0053】層間絶縁膜としては、他にNSG(Non
−Doped SilicateGlass)、BPS
G(Boron−Phospho Silicate
Glass)などの膜を用いることができる。
【0054】コンタクトホールを開口し、シリコンが
0.5〜2.0%ドープされたアルミニウム813をマ
グネトロンスパッタ法により600nmの厚みで堆積さ
せた。電極材料として通常の半導体、TFTプロセスで
使用される材料、例えばAl合金、W,Ta,Ti,C
u,Cr,Moまたはこれらのシリサイド等は適宜しよ
うできる。電極材料をパターニングしてAl配線814
を形成した。
【0055】次に、第2の層間絶縁膜としてプラズマC
VD法により、酸化シリコン膜814を1000nm堆
積させる。
【0056】後に、透光性とするために単結晶基板を除
去する部分の裏面にLP−CVDにより形成されたポリ
シリコン膜、シリコン窒化膜あるいは熱酸化により形成
されたシリコン酸化膜を除去する。
【0057】その後、第2の層間絶縁膜にスルーホール
を形成し、マグネトロンスパッタ法によりTiNを堆積
させた後パターニングすることにより、遮光層817を
形成した。
【0058】次に、素子の保護膜816としてプラズマ
CVD法により、シリコン窒化膜を270nm堆積させ
た後、マグネトロンスパッタ法により透明電極膜である
ITO(Indium Thin Oxide:酸化イ
ンジウム錫)膜を堆積し、透明電極815を形成した
(図7−(g))。
【0059】前記のプロセスにより形成したTFT基板
と別途作成した対向基板を貼り合わせ、液晶を注入した
後封口した。その後前記液晶セルのTFT基板側をTM
AH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)
に浸漬することにより、TFT基板裏面のパターニング
されたシリコン酸化膜、シリコン窒化膜をマスクに単結
晶シリコン基板をエッチングし、透光性とすることによ
り、透過型液晶表示装置を作製した。
【0060】以上の方法により、表示画素数32万画素
の液晶表示装置を作製した結果、裏面のシリコン窒化膜
剥離時の傷あるいは異物による配線の断線あるいはショ
ートによる画素及び線欠陥、あるいはTFT基板の画素
上の傷による液晶の配向欠陥は皆無となり、高品質な画
像の高精細液晶表示装置が得られた。
【0061】(第2の実施例)第1の実施例と同じ構造
の液晶表示装置を、裏面のシリコン窒化膜剥離時のシリ
コン薄膜を多結晶シリコンから非晶質シリコンに変える
ことにより、その酸化膜の表面平滑性を向上させ、前記
酸化膜を剥離することなく、その上層にTFTを形成し
た例を記す。
【0062】第1の実施例と同様に、シリコン基板上に
pウエル領域と素子分離領域を形成し、次に減圧CVD
装置により、SiH4 (シラン)とNH3 (アンモニ
ア)を反応させ300nmのシリコン窒化膜を堆積させ
る。
【0063】次に、減圧CVD法により450℃で、窒
素で希釈したシランガスを熱分解し、非晶質シリコンを
1000Å堆積した後、1000℃、酸素+水素雰囲気
で熱酸化することにより、前記多結晶シリコンをすべて
二酸化シリコンにする。
【0064】次に、その表面にフォトレジストを1.0
μm塗布した後、加熱硬化し、本発明の特徴的工程であ
る、第1のウエットエッチング液である緩衝フッ酸溶液
に浸することにより裏面側の酸化シリコン膜を除去す
る。
【0065】その後、表面側のフォトレジストを除去
し、第2のウエットエッチング液である、加熱した燐酸
溶液に前記基板を浸漬する事により裏面のシリコン窒化
膜を除去する。
【0066】その後、前記非晶質シリコンを酸化した二
酸化シリコン上に多結晶シリコンを堆積してTFTを形
成した。その後実施例1と同様のプロセスでTFT基板
を作製した。
【0067】前記のプロセスにより形成したTFT基板
と別途作成した対向基板を貼り合わせ、液晶を注入した
後封口した。その後前記液晶セルのTFT基板側をTM
AH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)
に浸漬することにより、TFT基板裏面のパターニング
されたシリコン酸化膜、シリコン窒化膜をマスクに単結
晶シリコン基板をエッチングし、透光性とすることによ
り、透過型液晶表示装置を作製した。
【0068】以上の方法により、表示画素数32万画素
の液晶表示装置を作製した結果、裏面のシリコン窒化膜
剥離時の傷あるいは異物による配線の断線あるいはショ
ートによる画素及び線欠陥、あるいはTFT基板の画素
上の傷による液晶の配向欠陥は皆無となり、高品質な画
像の高精細液晶表示装置が得られた。
【0069】又、前記TFT基板のTFTの電気特性
(閾値電圧、電界効果移動度、S係数等)は、実施例1
の高温のCVDで堆積した二酸化シリコン上に堆積した
ものと変わらなかった。
【0070】(第3の実施例)本発明を用いて基体の一
部を除去して形成する記録ヘッド用基体を製造した例に
ついて示す。
【0071】図8は、本発明により製造される記録ヘッ
ド用基体の模式的断面図である。
【0072】記録ヘッド用基体としての基体900は電
気熱交換素子である発熱部910と駆動用機能素子であ
るバイポーラ型のNPNトランジスタ920とをP型シ
リコン基板11上に形成したものである。
【0073】図8に於いて、11はP型シリコン基板、
12は機能素子を形成するためのN型コレクタ領域、1
3は機能素子分離のためのP型アイソレーション埋込領
域、14はN型エピタキシャル領域、15は機能素子を
形成するためのP型ベース領域、16は素子分離のため
のP型アイソレーション埋込領域、17は機能素子を構
成するためのN型コレクタ埋込領域、18は素子分離を
構成するための高濃度P型ベース領域、19は素子分離
のための高濃度P型アイソレーション領域、20は素子
を構成するためのN型エミッタ領域、21は素子を構成
するための高濃度N型コレクタ領域、22はコレクタ、
ベース共通電極、23はエミッタ電極、24はアイソレ
ーション電極である。
【0074】ここに、NPNトランジスタ920が形成
されており、12,14,17,21のコレクタ領域が
エミッタ領域20とベース領域15,18とを完全に包
囲するように形成されている。又、素子分離領域とし
て、P型アイソレーション埋込領域、P型アイソレーシ
ョン領域16、高濃度P型アイソレーション領域により
各セルが包囲され電気的に分離されている。
【0075】ここで、NPNトランジスタ920は、N
型コレクタ埋込領域12およびN型コレクタ埋込領域1
2を介してP型シリコン基板11上に形成された2つの
高濃度N型コレクタ領域21と、N型コレクタ埋込領域
12及びP型ベース領域15を介して、高濃度N型コレ
クタ領域21の内側に形成された2つの高濃度P型ベー
ス領域18と、N型コレクタ埋込領域12およびP型ベ
ース領域15を介して高濃度ベース18に挟まれて形成
された高濃度N型エミッタ領域20とによりNPNトラ
ンジスタの構造を有するが、高濃度N型コレクタ領域2
1と高濃度P型ベース領域18とがコレクタ・ベース共
通電極22により接続されることによりダイオードとし
て動作する。
【0076】また、NPNトランジスタ920に隣接し
て、素子分離領域としてのP型アイソレーション埋込領
域13、P型アイソレーション領域16及び高濃度P型
アイソレーション領域19が順次形成されている。
【0077】また、発熱抵抗層903がN型エピタキシ
ャル領域14、蓄熱層901及び該蓄熱層901と一体
的に形成された層間膜902を介してP型シリコン基板
11上に形成されており、発熱抵抗層903上に形成さ
れた配線電極904が切断されて接続端面である2個の
エッジ部9041 が形成されることにより、発熱部91
0が構成されている。
【0078】前記記録ヘッド用基体900は全面がシリ
コン窒化膜で形成される蓄熱層901で覆われており、
機能素子から各電極22,23,24がAl等で形成さ
れている。
【0079】本実施例の基体900は上述した駆動部
(機能素子)を有する記録ヘッド用のP型シリコン基板
11上に、コレクタ・ベース共通電極22、エミッタ電
極23及びアイソレーション電極24が形成された蓄熱
層901で覆ったもので、その上層には常圧CVD法、
プラズマCVD法、スパッタリング法等による酸化シリ
コン膜からなる層間膜902が形成されている。
【0080】各電極22,23,24を形成するAl等
は、傾いた側面を有するため、層間膜902のステップ
カバレージ性が非常に優れているので、層間膜902を
従来に比較して蓄熱効果を失わない範囲で薄く形成する
ことができる。
【0081】層間膜902を部分的に開孔して、コレク
タ・ベース共通電極22、エミッタ電極23及びアイソ
レーション電極24と電気的に接続し、且つ層間膜90
2上で電気的な配線を形成するためのAl等の配線電極
904が設置される。すなわち、層間膜902を部分的
に開孔した後に、スパッタリング法によるHfB2 等の
発熱抵抗層903と、蒸着法あるいはスパッタリング法
によるAl等の配線電極904で構成された電気熱交換
素子が設けられている。
【0082】ここで、発熱抵抗層903を構成する材料
としては、Ta,ZrB2 ,Ti−W,Ni−Cr,T
a−Al,Ta−Si,Ta−Mo,Ta−W,Ta−
Cu,Ta−Ni,Ta−Ni−Al,Ta−Mo−A
l,Ta−Mo−Ni,Ta−W−Ni,Ta−Si−
Al,Ta−W−Al−Ni等がある。
【0083】Al等の配線電極904は、法線に対して
30度以上傾いた接続端面であるエッジ部9041 及び
9042 を有している。
【0084】さらに、図8に示す電気熱変換素子910
上には、スパッタリング法又はCVD法によってSi
O,SiO2 ,SiN,SiON等の保護膜905及び
Ta等の保護膜906が層間膜902と一体的に設けら
れている。
【0085】こうして構成された基体900は、図9に
示すように、複数の吐出口950に連通する液路955
を形成するための感光性樹脂などからなる液路壁部材9
51と、インク供給口953を有する天板952とが取
り付けられて、インクジェット方式の記録ヘッド960
とすることができる。この場合、インク供給口953か
ら注入されるインクが内部の共通液室954へ蓄えられ
て各液路955へ供給され、その状態で基体900の発
熱部910を駆動することで、吐出口950からインク
の吐出がなされる。
【0086】次に、本例に係る記録ヘッド910の製造
工程について説明する。
【0087】(1)P型シリコン基板(不純物濃度1×
1012〜1×1016cm-3程度)の表面に、8000Å
程度のシリコン酸化膜を形成した後、各セルのN型コレ
クタ埋込領域を形成する部分のシリコン酸化膜をフォト
リソグラフィー工程で除去した。
【0088】シリコン酸化膜を形成した後、N型の不純
物(たとえば、P,Asなど)をイオン注入し、熱拡散
により不純物濃度1×1018cm-3以上のN型コレクタ
埋込領域を厚さ2〜6μmほど形成し、シート抵抗が8
0Ω/□以下の低抵抗となるようにした。
【0089】続いて、P型アイソレーション埋込領域を
形成する領域のシリコン酸化膜を除去し、1000Å程
度のシリコン酸化膜を形成した後、P型不純物(たとえ
ば、Bなど)をイオン注入し、熱拡散により不純物濃度
1×1015〜1×1017cm -3以上のP型アイソレーシ
ョン埋込領域を形成した。
【0090】(2)全面のシリコン酸化膜を除去した
後、N型エピタキシャル領域(不純物濃度1×1013
1×1015cm-3程度)を厚さ5〜20μm程度エピタ
キシャル成長させた。
【0091】(3)次に、N型エピタキシャル領域の表
面に1000Å程度のシリコン酸化膜を形成し、レジス
トを塗布し、パターニングを行い、低濃度P型ベース領
域を形成する部分にのみP型不純物をイオン注入した。
レジスト除去後、熱拡散によって低濃度P型ベース領域
(不純物濃度1×1014〜1×1017cm-3程度)を厚
さ5〜10μmほど形成した。
【0092】P型ベース領域は、(1)の工程の後、酸
化膜を除去し、その後5×1014〜5×1017程度の低
濃度P型エピタキシャル層を3〜10μmほど成長させ
ることでも形成できる。
【0093】その後、再びシリコン酸化膜を全面除去
し、さらに8000Å程度のシリコン酸化膜を形成した
後、P型アイソレーション領域を形成すべき領域のシリ
コン酸化膜を除去し、BSG膜を全面にCVD法を用い
て堆積し、さらに、熱拡散によって、P型アイソレーシ
ョン埋込領域に届くように、P型アイソレーション領域
(不純物濃度1×1018〜1×1020cm-3程度)を厚
さ10μm程度形成した。ここでは、BBr3 を拡散源
として用いてP型アイソレーション領域16を形成する
ことも可能である。
【0094】また前述した如く、P型エピタキシャル層
を用いると、上記P型アイソレーション埋込領域及びP
型アイソレーション領域が不要な構造も可能であり、P
型アイソレーション埋込領域及びP型アイソレーション
領域、低濃度ベース領域を形成するためのフォトリソ工
程及び高温の不純物拡散工程を削除することもできる。
【0095】(4)BSG膜を除去した後、8000Å
程度のシリコン酸化膜を形成し、さらに、N型コレクタ
領域を形成する部分のみシリコン酸化膜を除去した後、
N型の固相拡散およびリンイオンを注入しあるいは熱拡
散によって、コレクタ埋込領域15に届きかつシート抵
抗が10Ω/□以下の低抵抗となるようにN型コレクタ
領域17(不純物濃度1×1018〜1×1020cm-3
度)を形成した。このとき、N型コレクタ領域17の厚
さは約10μmとした。
【0096】続いて、その後3000Åの熱酸化膜を形
成し、更に減圧CVD装置により、SiH4 (シラン)
とNH3 (アンモニア)を反応させ400nmのシリコ
ン窒化膜105を堆積させる。
【0097】次ぎに、減圧CVD法により、600〜7
00℃で、窒素で希釈したシランガスを熱分解し、多結
晶シリコンを700Å堆積した後、1000℃、酸素+
水素雰囲気で熱酸化することにより、前記多結晶シリコ
ンをすべて二酸化シリコンにする。
【0098】次ぎに、その表面にフォトレジストを1.
0μm塗布した後、加熱硬化し、本発明の特徴的工程で
ある、第1のウエットエッチング液として、緩衝フッ酸
溶液に浸することにより裏面側の酸化シリコン膜を除去
する。
【0099】その後、表面側のフォトレジストを除去
し、第2のウエットエッチング液として、加熱した燐酸
溶液に前記基板を浸漬することにより裏面のシリコン窒
化膜を除去する。
【0100】その後、表面側のシリコン窒化膜上の二酸
化シリコン膜を緩衝フッ酸溶液により除去する。
【0101】その後、セル領域のシリコン窒化膜、シリ
コン酸化膜を選択的に除去した。
【0102】レジストパターニングを行い、高濃度ベー
ス領域18および高濃度アイソレーション領域19を形
成する部分にのみP型不純物の注入を行った。
【0103】レジストを除去した後、N型エミッタ領域
および高濃度N型コレクタ領域を形成すべき領域のシリ
コン酸化膜を除去し、熱酸化膜を全面に形成し、N型不
純物を注入した後、熱拡散によってN型エミッタ領域お
よび高濃度N型コレクタ領域を同時に形成した。なお、
N型エミッタ領域および高濃度N型コレクタ領域の厚さ
は、それぞれ1.0μm以下、不純物濃度は1×1018
〜1×1020cm-3程度とした。
【0104】(5)さらに、一部電極の接続箇所のシリ
コン酸化膜を除去した後、Al等を全面堆積し、一部電
極領域以外のAl等を除去した。ここで、Alの除去
は、従来のウエットエッチングとは異なり、フォトレジ
ストを後退させながらエッチングを行なう方法におい
て、傾いた側面を有する配線形状が得られた。
【0105】エッチング液としては、従来レジストをパ
ターニングするために用いる現像液つまりTMAH(テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含有す
る水溶液を用いて良い結果すなわち配線の側壁が法線に
対して約60度傾いた形状が安定して得られた。
【0106】(6)そして、PCVD法により蓄熱層と
しての機能も有する層間膜となるSiO2 膜を全面に
0.6〜2.0μm程度形成した。
【0107】この層間膜102は常圧CVD法によるも
のであってもよい。またSiO2 膜に限らずSiON
膜、SiO膜またはSiN膜であってもよい。
【0108】次に、電気的接続をとるために、エミッタ
領域およびベース・コレクタ領域の上部にあたる層間膜
の一部をフォトリソグラフィー法で開口し、スルーホー
ルTHを形成した。
【0109】層間膜、保護膜等の絶縁膜のエッチングの
際、NH4 F+CH3 COOH+HF等の混酸エッチン
グ液を用い、レジスト(マスク用フォトレジスト)と絶
縁膜界面にエッチング液を侵み込ませることで、エッチ
ング断面形状に、テーパー(法線に対して30度以上7
5度以下が好ましい)をつけたものとすることができ
る。これは、層間膜上に形成する各膜のステップカバレ
ージ性に優れ、製造プロセスの安定化、歩留り向上に役
立つ。
【0110】(7)次に、発熱抵抗層903としてのH
fB2 を層間膜上と、電気的接続をとるためにエミッタ
領域およびベース・コレクタ領域の上部にあたる電極お
よび電極上とに、スルーホールTHを通して1000Å
ほど堆積した。
【0111】(8)発熱抵抗層の上に、電気熱変換素子
の一対の配線電極およびダイオードのカソード配線電
極、アノード配線電極としてのAl材料からなる層を約
5000Å堆積させ、AlおよびHfB2 (発熱抵抗
層)をパターニングし、電気熱変換素子とその他配線と
を同時に形成した。ここで、Alのパターニングは、前
記方法と同様である。
【0112】(9)その後、PCVD法等により、電気
熱変換素子の保護層およびAl配線間の絶縁層としての
SiO2 膜を約10000Å堆積させた。最初、比較的
低温(150〜250℃)で膜成長を行い、ヒロックの
成長を抑制することは、前記と同様である。また、保護
膜は、SiO2 膜以外にも、SiO,SiN,SiON
等の膜でもよい。
【0113】その後、耐キャビテーションのための保護
層906としてTaを電気熱変換体の発熱部上部に20
00Åほど堆積した。
【0114】(10)以上のようにして作成された電気
熱変換素子、TaおよびSiO2 膜を部分的に除去し、
ボンディング用のパッドを形成した。
【0115】(11)次に、半導体素子を有する基体
に、インク吐出部を形成するための液路壁部材および天
板を配設して、それらの内部にインク液路を形成した記
録ヘッドを製造した。
【0116】くりぬき部980の作成工程を以下に示
す。
【0117】前記、電気熱変換素子、及び、駆動用機能
素子をSi基板に作り込んだ後、裏面の前記素子作成時
に成長(堆積)させたシリコン酸化膜をフォトリソグラ
フィーによってパターニングし、くりぬき部980を限
定する。
【0118】素子を作成したシリコン基体の表面をレジ
スト、及び治具によって保護した後、くりぬき部980
のシリコン基体を裏面からエッチングにより除去した。
エッチング液としてはTMAH(テトラメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド)22%溶液を90度に加熱し
たものを用いた。なお、裏面にマスクとして用いる膜
は、低圧気相合成法によって堆積させたSiNx膜でも
良い。
【0119】また、くりぬき部980を設けたことによ
り、インクはヒーター部上下どちら側からでも供給可能
であり、図9に示したヒーター上部ではなく、くりぬき
部980側より供給しても良い。
【0120】前述のくりぬき部作成工程によってくりぬ
き部980を形成し、天板、吐出口をくりぬき部側に形
成し、インクを裏面より供給した。この時に、素子を作
成した側に補強板を貼り、膜を補強しても良い。また、
補強板は、熱伝導率の小さい、ガラス、石英等を用いる
ことが望ましい。
【0121】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ウ
エットエッチングのみで、基体の一部領域のみの窒化膜
を剥離して、他の一部領域のみに窒化膜を形成すること
が可能となるため、従来のドレイエッチングで発生して
いた問題である、ドライエッチング装置の搬送系あるい
は基板チャック等の装置内で発生する傷、あるいは異物
に起因する素子欠陥が無い、電子装置を製造することが
できる。
【0122】また、本発明によれば、電子装置の製造方
法に於いて、基板上に減圧化学成長法によりシリコン窒
化膜を成長した後、減圧化学成長法によりシリコン薄膜
を成長させ、前記シリコン薄膜を酸化することにより二
酸化シリコン薄膜とした基板に対して、裏面のシリコン
酸化膜をフッ化水素を含む水溶液で除去した後、裏面の
シリコン窒化膜をリン酸を含む水溶液により除去するこ
とにより、ドライエッチング装置を用いることなく、ウ
エットエッチングのみで裏面の窒化膜を剥離することが
可能になるため、ドライエッチング装置の搬送系あるい
は基板チャック等の装置内で発生する傷、あるいは異物
に起因する素子欠陥が無い、液晶表示装置あるいは記録
ヘッド用基体などの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明するプロセスフローの
断面模式図。
【図2】実施例1の表示装置の模式的断面図である。
【図3】実施例1の液晶パネルを示す模式図である。
【図4】実施例1の液晶パネルの等価回路図である。
【図5】実施例1の液晶パネルの画素部の平面構造図で
ある。
【図6】実施例1の液晶パネルの画素部の断面図であ
る。
【図7】実施例1の工程を示す模式的断面図である。
【図8】実施例3により製造される記録ヘッド用基体を
示す模式的断面図である。
【図9】実施例3により製造される記録ヘッドの外観を
示す模式的斜視図である。
【図10】従来例を示す製造工程の模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基体 2,3 シリコン窒化膜 4,4’ シリコン薄膜 5,5’ シリコン酸化膜 6 レジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B41J 2/16 B41J 3/04 103H

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にシリコン窒化膜を配して構成さ
    れる電子装置の製造方法において、 前記基板の第1の面上及び該第1の面の反対側に位置す
    る第2の面上に、それぞれシリコン窒化膜とシリコン酸
    化膜とを積層する工程、 前記第1の面上に位置する前記シリコン酸化膜をウエッ
    トエッチングにより除去する工程、 前記第1の面上に位置する前記シリコン窒化膜をウエッ
    トエッチングにより除去する工程及び、 前記第2の面上に位置する前記シリコン酸化膜をウエッ
    トエッチングにより除去する工程とを有することを特徴
    とする電子装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン窒化膜は、CVD法を用い
    て形成される請求項1に記載の電子装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記CVD法は、減圧CVD法である請
    求項2に記載の電子装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記シリコン酸化膜は、CVD法を用い
    て形成されたシリコン膜を酸化して得られる請求項1に
    記載の電子装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記CVD法は、減圧CVD法である請
    求項4に記載の電子装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化は、熱酸化である請求項4に記
    載の電子装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シリコン酸化膜の除去は、フッ化水
    素を含むエッチング液を用いてなされる請求項1に記載
    の電子装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シリコン窒化膜の除去は、リン酸を
    含むエッチング液を用いてなされる請求項1に記載の電
    子装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記シリコン膜は、多結晶シリコンであ
    る請求項4に記載の電子装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記シリコン膜は、非晶質シリコンで
    ある請求項4に記載の電子装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の面上に位置する前記シリコ
    ン酸化膜の除去は、前記第2の面上に形成された前記シ
    リコン酸化膜上にレジストを配した状態で行なわれる請
    求項1に記載の電子装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記電子装置は、液晶表示装置である
    請求項1〜11のいずれかに記載の電子装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 上記電子装置は、インクジェット記録
    ヘッドである請求項1〜12のいずれかに記載の電子装
    置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003031780A (ja) * 2001-06-07 2003-01-31 Ind Technol Res Inst 薄膜トランジスタパネルの製造方法
JP2009016515A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Spansion Llc 半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置
JP2009229698A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Citizen Watch Co Ltd 半導体装置
JP2016070765A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 日立オートモティブシステムズ株式会社 熱式流体センサの製造方法

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