JPH07134312A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法

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JPH07134312A
JPH07134312A JP27978793A JP27978793A JPH07134312A JP H07134312 A JPH07134312 A JP H07134312A JP 27978793 A JP27978793 A JP 27978793A JP 27978793 A JP27978793 A JP 27978793A JP H07134312 A JPH07134312 A JP H07134312A
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liquid crystal
crystal display
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signal lines
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JP27978793A
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Haruo Matsumaru
治男 松丸
Ryoji Oritsuki
良二 折付
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】透明ガラス基板(1)面上に、ITO膜(2)
を形成した後、ITO膜(2)を多結晶化し、次いで、
Cr(またはTi)膜(3)、およびAl合金膜(4)
を順次形成して3層膜を形成し、所定の形状のホトレジ
スト膜(5)をマスクとして、まずAl合金膜(4)を
BCl3とCl2との混合ガスを用いてドライエッチング
し、次に、Cr(またはTi)膜(3)をCl2とO
2(TiはBCl3とCl2)との混合ガスを用いてドラ
イエッチングし、次に、ITO膜(2)をCH3OHと
Arとの混合ガスを用いてドライエッチングして、信号
線と画素電極部に所定のパターンの前記3層膜を形成
し、前記画素電極部のAl合金膜(4)とCr(または
Ti)膜(3)を除去する構成。 【効果】信号線のパターニングに使用するホトマスクの
数が少なくて済み、製造コストを安くすることができ
る。また、透明導電膜の残渣の発生を抑制でき、G/D
ショートの発生を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタ等の
スイッチング素子と画素電極とを表示画素の一単位とす
るアクティブ・マトリクス方式の液晶表示装置およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブ・マトリクス方式の液晶表示
装置は、液晶表示パネル(液晶表示素子、あるいは液晶
表示部)において、マトリクス状に配列された複数の画
素電極のそれぞれに対応して非線形素子であるスイッチ
ング素子を設けたものである。すなわち、例えば、2枚
の透明ガラス基板を所定の間隙を隔てて重ね合わせ、前
記両基板間に液晶を封止し、第1の透明ガラス基板面上
には、水平方向に延在し、かつ垂直方向に複数本配置さ
れた走査信号線(ゲート信号線または水平信号線)と、
垂直方向に延在し、かつ水平方向に複数本配置された映
像信号線(ドレイン信号線または垂直信号線)と、隣接
する2本の走査信号線と隣接する2本の映像信号線との
交差領域内にそれぞれ画素毎に配置された薄膜トランジ
スタと第1の透明画素電極とを設け、第2の透明ガラス
基板面上には第1の透明ガラス基板の第1の透明画素電
極に対向して第2の共通透明画素電極を設け、各画素を
分離・独立して駆動する。これにより、クロストークの
発生を防ぎ、画素の数を大幅に増加することができるの
で、高品質の表示画面を提供することができる。各画素
における液晶は理論的には常時駆動(デューティ比1.
0)されているので、時分割駆動方式を採用しており、
いわゆる単純マトリクス方式と比べてコントラストが良
く、特にカラー液晶表示装置では欠かせない技術となり
つつある。
【0003】なお、薄膜トランジスタを使用したアクテ
ィブ・マトリクス方式の液晶表示装置は、例えば特開昭
63−309921号公報や、「冗長構成を採用した1
2.5型アクティブ・マトリクス方式カラー液晶ディスプ
レイ」、日経エレクトロニクス、頁193〜210、1986年12
月15日、日経マグロウヒル社発行、で知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の液晶表示装置で
は、信号線と画素電極とを異なるホトマスクを用いたホ
トリソグラフィー工程およびエッチング工程によりパタ
ーニングするので、製造コストが高くなる問題がある。
【0005】本発明の目的は、製造コストが安価な液晶
表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の液晶表示装置は、第1の基板と第2の基板
とを所定の間隙を隔てて重ね合わせ、前記両基板間に液
晶を封止し、前記第1の基板面上には、水平方向に延在
し、かつ垂直方向に複数本配置された走査信号線と、垂
直方向に延在し、かつ水平方向に複数本配置された映像
信号線と、隣接する2本の前記走査信号線と隣接する2
本の前記映像信号線との交差領域内にそれぞれ配置され
たスイッチング素子と第1の画素電極とを設け、前記第
2の基板面上には前記第1の画素電極に対向して第2の
画素電極を設けたアクティブ・マトリクス方式の液晶表
示装置において、少なくとも一方の前記信号線が、少な
くとも一部が多結晶化された透明導電膜、中間金属膜、
およびAl(アルミニウム)またはAl合金膜を順次積
層して成ることを特徴とする。
【0007】また、前記透明導電膜がITO膜(インジ
ウム・スズ酸化物(Indium-Tin-Oxide)膜:ネサ膜)で
あることを特徴とする。
【0008】また、前記中間金属膜がCr(クロム)膜
またはTi(チタン)膜であることを特徴とする。
【0009】また、本発明の液晶表示装置の製造方法
は、第1の基板と第2の基板とを所定の間隙を隔てて重
ね合わせ、前記両基板間に液晶を封止し、前記第1の基
板面上には、水平方向に延在し、かつ垂直方向に複数本
配置された走査信号線と、垂直方向に延在し、かつ水平
方向に複数本配置された映像信号線と、隣接する2本の
前記走査信号線と隣接する2本の前記映像信号線との交
差領域内にそれぞれ配置されたスイッチング素子と第1
の画素電極とを設け、前記第2の基板面上には前記第1
の画素電極に対向して第2の画素電極を設けたアクティ
ブ・マトリクス方式の液晶表示装置の製造方法におい
て、前記第1の基板面上に、少なくとも一部が多結晶化
された透明導電膜、中間金属膜、およびAlまたはAl
合金膜を順次積層して成る積層膜を形成する工程と、前
記積層膜の上に所定のパターンを有するレジスト膜を形
成する工程と、それぞれ所定のエッチングガスを用いて
前記積層膜を構成する膜を順次ドライエッチングして前
記信号線の少なくとも一方を形成する工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0010】また、前記少なくとも一部が多結晶化され
た前記透明導電膜を形成するのに、前記透明導電膜を堆
積した後、熱処理することにより多結晶化することを特
徴とする。
【0011】また、前記熱処理の温度が約150〜25
0℃であることを特徴とする。
【0012】また、前記積層膜を形成、パターニングす
る工程において、前記第1の画素電極を形成する領域に
も前記積層膜を形成、パターニングし、その後、前記領
域の前記AlまたはAl合金膜と前記中間金属膜を除去
することを特徴とする。
【0013】また、前記中間金属膜がCr膜から成り、
Cl2とO2とを含む混合ガスを用いて前記Cr膜を前記
ドライエッチングすることを特徴とする。
【0014】また、前記中間金属膜がTi膜から成り、
BCl3とCl2とを含む混合ガスを用いて前記Ti膜を
前記ドライエッチングすることを特徴とする。
【0015】また、前記透明導電膜がITO膜から成
り、CH3OHとArとを含む混合ガスを用いて前記I
TO膜を前記ドライエッチングすることを特徴とする。
【0016】また、BCl3とCl2とを含む混合ガスを
用いて前記AlまたはAl合金膜を前記ドライエッチン
グすることを特徴とする。
【0017】このように本発明では、信号線のパターニ
ングと画素電極のパターニングとを同時に行なうことを
骨子とする。信号線は電気抵抗が低いことが要求され
る。画素電極を構成する透明導電膜としては、例えばイ
ンジウム・スズ酸化物、すなわち、ITO膜が用いられ
るが、このITO膜は固有抵抗率が3×10~4Ω・cm
と高いため、ITO膜単層を信号線として実用すること
はできない。したがって、抵抗の低い金属膜と2層構造
で使用することが望ましい。最も代表的な例は、ITO
膜とAlまたはAl合金膜との2層構造とすることであ
る。しかし、ITO膜とAlまたはAl合金膜とを積層
した場合は、ITO膜とAlまたはAl合金膜との界面
にAl23膜が自然に形成されるために、ITO膜とA
lまたはAl合金膜との電気的接触が得られないという
問題がある。これを解決するために、本発明では、透明
導電膜とAlまたはAl合金膜との間に中間金属膜を入
れた3層構造としている。中間金属膜としては、例えば
Cr膜やTi膜を用いる。Cr膜やTi膜は共に、IT
O膜との電気的接触、AlまたはAl合金膜との電気的
接触のどちらも良好であり、上記の問題を解決すること
ができる。また、ITO膜との接着性、AlまたはAl
合金膜との接触性のどちらも良好である。さらに、本発
明の他の特徴として、このような積層膜をパターニング
するのに、ドライエッチングを用いる。通常の液晶表示
装置の製造工程では、薄膜のパターニングにはウェット
エッチングを用いるのが一般的であるが、多層膜のパタ
ーニングには適していない。以下、これを図4を用いて
説明する。
【0018】図4(a)〜(d)は、ウェットエッチン
グを用いて多層膜のパターニングを行なう工程断面図で
ある。まず、透明ガラス基板1の上にITO膜2を形成
し、その上に例えば、中間金属膜としてのCr膜3と、
Al合金膜4を形成する。次いで、この3層膜上にホト
レジスト膜5を塗布形成した後、通常のホトリソグラフ
ィー工程を用いてホトレジスト膜5を所定の形状にパタ
ーニングする(図4(a))。
【0019】次に、このホトレジスト膜5をマスクとし
て、まず、Al合金膜4をリン酸−硝酸系エッチング液
を用いたウェットエッチングによりパターニングする
(図4(b))。
【0020】次に、ホトレジスト膜5をマスクとして、
Cr膜3を第2硝酸セリウムアンモニウムエッチング液
を用いたウェットエッチングによりパターニングする
(図4(c))。
【0021】次に、ホトレジスト膜5をマスクとして、
ITO膜2を塩酸系エッチング液を用いたウェットエッ
チングによりパターニングする(図4(d))。この
後、ホトレジスト膜5を除去する。
【0022】このようにウェットエッチングを用いた多
層膜のパターニング法では、結果的にパターニングは可
能であるが、その断面形状は図4(d)に示すように、
Al合金膜4とCr膜4がひさし状に形成されてしま
う。このような断面形状の多層膜は剥がれ易い、ひさし
の下に異物が溜り易いという問題がある。このような従
来の等方性のウェットエッチングに対し、ドライエッチ
ングは異方性エッチングのため、良好な断面形状を得る
ことができる。
【0023】なお、現像液やレジスト剥離液等の有機ア
ルカリ液を用いてホトレジスト膜を現像するときや剥離
除去するとき、ITO膜は電池反応によりエッチングさ
れ、ITO膜の残渣が生じ易い。ITO膜の残渣は透明
なため、顕微鏡などで確認することができず、その上に
ゲート絶縁膜としてのSiN膜を形成すると、SiN膜
がうまく形成されず、ゲート電極を含む走査信号線とド
レイン電極を含む映像信号線との短絡(以下、G/Dシ
ョートと称す)が生じる問題がある。本発明では、この
問題を解決するために、ITO膜等の透明導電膜を多結
晶化する。ITO膜を多結晶化すると、ITO膜は非常
にエッチングされにくくなり、ホトレジスト膜の現像時
や剥離除去時にITO膜の残渣が発生しない。
【0024】
【作用】本発明の液晶表示装置では、透明導電膜、中間
金属膜、およびAlまたはAl合金膜の積層膜により、
信号線を、あるいは信号線と画素電極とを同時に形成す
るため、パターニングに使用するホトマスクの数が少な
くて済み、製造コストを安くすることができる。また、
信号線にAlまたはAl合金膜が含まれているため、信
号線の電気抵抗を低くすることができ、大画面、高精細
用に好適な液晶表示装置を実現することができる。ま
た、信号線のパターニングにドライエッチングを用いる
ため、断面形状の良好な配線が得られ、信頼性の高い液
晶表示装置を提供することができる。さらに、透明導電
膜を多結晶化するため、透明導電膜の残渣の発生を抑制
することができ、したがって、G/Dショートの発生を
抑制し、歩留りを向上できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例の液晶表示装置およ
びその製造方法を図を用いて説明する。
【0026】図1(a)〜(f)は、本発明の液晶表示
装置の液晶表示パネルを構成する透明ガラス基板の製造
工程断面図である。図2は、図1の製造工程を用いて製
造された透明ガラス基板の部分平面図である。
【0027】まず、透明ガラス基板1の面上にスパッタ
蒸着法により膜厚約100nmのITO(Indium-Tin-O
xide)膜2を形成する。この後、窒素(N2)雰囲気
中、約230℃で、約30分間熱処理を行ない、ITO
膜2を多結晶化する。次いで、膜厚約50nmのCr膜
3、および膜厚約100nmのAl−Ta合金膜4をス
パッタ蒸着法を用いて順次形成する。次いで、この上に
ホトレジスト膜5を塗布形成し、通常のホトリソグラフ
ィー工程(すなわち、露光・現像工程。現像液:東京応
化工業株式会社製のNMD−3)を用いてホトレジスト
膜5を所定の形状にパターニングする(図1(a)・第
1回目のホト工程)。
【0028】次に、このホトレジスト膜5をマスクとし
て、まず、Al−Ta膜4をBCl3(200cc)と
Cl2(250cc)との混合ガス(圧力100mTo
rr)を用いたドライエッチング(RF 2kW)によ
りパターニングする。次いで、Cr膜3をCl2(25
0cc)とO2(400cc)との混合ガス(圧力60
0mTorr)を用いたドライエッチング(RF 2k
W)によりパターニングする。次いで、ホトレジスト膜
5を除去した後(剥離液:東京応化工業株式会社製の5
02A)、ITO膜2をCH3OH(20cc)とAr
(49cc)との混合ガス(圧力100mTorr)を
用いたドライエッチング(RF 2kW)によりパター
ニングする。これにより、薄膜トランジスタ(TFT)
のゲート電極を含む走査信号線と画素電極、ゲート端子
部、ドレイン端子部のパターンが形成される(図1
(b))。なお、ITO膜2のドライエッチングは時間
がかかるので、ホトレジスト膜5をその前に剥離しない
と、ホトレジスト膜がドライエッチングのイオン衝撃に
より変質し易い。ホトレジスト膜が変質すると、ドライ
エッチング後に剥離しようとしても剥離できなくなるこ
とがある。これを防止するために、ITO膜をパターニ
ングする前にホトレジスト膜5を剥離するのが望まし
い。
【0029】次に、パターニングされた積層膜2、3、
4を有する透明ガラス基板1上に、膜厚約350nmの
SiN(窒化シリコン)から成るゲート絶縁膜6をプラ
ズマCVD法により形成し、次いで、膜厚約200nm
のi型(真性、導電型決定不純物がドープされていな
い)非晶質シリコン(Si)膜7、オーミックコンタク
ト用のリン(P)をドープした膜厚約30nmの高濃度
n型Si膜8を順次形成する。次いで、ホトリソグラフ
ィー工程とドライエッチング工程により、n型非晶質S
i膜8とi型非晶質Si膜7とをパターニングした後、
ホトレジスト膜(図示せず)を除去する(図1(c)・
第2回目のホト工程)。
【0030】次に、ホトリソグラフィー工程によりホト
レジスト膜(図示せず)を形成した後、SF6ガスを用
いたドライエッチングによりゲート絶縁膜6をパターニ
ングする(図1(d)・第3回目のホト工程)。
【0031】次に、このゲート絶縁膜6をマスクとし
て、BCl3とCl2との混合ガスを用いたドライエッチ
ングによりAl−Ta合金膜4の一部(画素電極部とゲ
ート・ドレイン端子部の一部)を除去し、さらに、Cl
2とO2との混合ガスを用いたドライエッチングによりC
r膜3の一部(画素電極部とゲート・ドレイン端子部の
一部)を除去した後、ホトレジスト膜を除去する。これ
により、画素電極部とゲート・ドレイン端子部の一部が
ITO膜2のみとなり、画素電極部とゲート・ドレイン
端子部が完成する。なお、ゲート・ドレイン端子部の幅
は、配線部(すなわち、走査信号線および映像信号線)
より広いので、ITO膜2のみでよい。
【0032】次に、映像信号線、薄膜トランジスタのソ
ース・ドレイン電極、付加容量素子の電極のための金属
膜として、膜厚約60nmのCr膜と、膜厚約450n
mのAl−Si合金膜の2層膜から成る電極・配線9を
スパッタ蒸着法により形成する。次いで、ホトリソグラ
フィー工程とドライエッチング工程により電極・配線9
をパターニングする(第4回目のホト工程)。次いで、
この電極・配線9をマスクとしてn型非晶質Si膜8を
ドライエッチングした後、ホトレジスト膜を除去する
(図1(e))。
【0033】次に、プラズマCVD法によりSiNから
成る保護膜10を形成し、次いで、ホトリソグラフィー
工程とドライエッチング工程によりパターニングした
後、ホトレジスト膜を除去する(第5回目のホト工
程)。これにより、薄膜トランジスタが形成された透明
ガラス基板(TFT基板と称される)が完成する。
【0034】本実施例では、ITO膜2、Cr膜3、お
よびAl−Ta合金膜4の積層膜により、走査信号線と
画素電極とを同時に形成するため、パターニングに使用
するホトマスクの数が5枚と少なくて済み(従来は7
枚)、製造コストを約20%安くすることができた。ま
た、走査信号線にAl−Ta合金膜4が含まれているた
め、走査信号線の電気抵抗を低くすることができ、10
形以上の大画面、高精細用に好適な液晶表示装置を実現
することができる。さらに、走査信号線のパターニング
にドライエッチングを用いたため、断面形状の良好な配
線が得られ、信頼性の高い液晶表示装置を提供すること
ができる。
【0035】また、非晶質(アモルファス)状態のIT
O膜はエッチングされ易く、ホトレジスト膜5を現像す
るときや剥離除去するとき(図1(a)〜(b))、上
記のAl−Ta合金膜4/Cr膜3/ITO膜2の膜構
成では、上記の現像液やホトレジスト剥離液の有機アル
カリ液により電池反応(電気化学的腐食)が起こり、下
層のITO膜2がエッチングされ、ITO膜2の残渣が
生じ易い。ITO膜の残渣は透明なため、顕微鏡などで
確認することができず、その上にゲート絶縁膜6として
プラズマCVD法等によりSiN膜を形成すると、Si
N膜がうまく形成されず(SiN膜のカバレージが悪く
なり)、G/Dショート(すなわち、ゲート電極を含む
走査信号線とドレイン電極を含む映像信号線との短絡)
が生じる問題がある。本実施例では、この問題を解決す
るために、ITO膜2を熱処理により多結晶化した。I
TO膜2を多結晶化すると、非常にエッチングされにく
くなり、ホトレジスト膜5の現像時や剥離除去時にIT
O膜2の残渣が発生しない。その結果、ゲート絶縁膜6
としてのSiN膜が正常に形成することができ(良好に
被覆することができ)、G/Dショートの発生を抑制
し、TFT基板の製造歩留りを向上できる。なお、IT
O膜2は多結晶化すると、ウェットエッチングではエッ
チング速度が非常に遅くなるが、ドライエッチングでは
エッチング速度は変わらない。
【0036】図3(a)、(b)は、ITO膜の熱処理
温度と結晶化との関係を示す図である。図3(a)はI
TO膜を熱処理により結晶化し、X線解析でそのスペク
トルを見た図である。ITO膜がアモルファス状態の場
合は、図3(a)に示すようなピークは出ないが、熱処
理後は鋭いピークが現われる。ピークは、回折角とそれ
らの強度比が立方晶ホタル石型の結晶構造のIn23
いずれも一致していることから結晶化していることが確
認できる。図3(b)は、X線回折スペクトルの主回折
ピークであるIn23(222)の回析強度を用いて、
ITO膜の結晶化と熱処理温度との関係を示す図であ
る。N2雰囲気中の熱処理では、回折強度は150〜2
00℃の間で立ち上り、200〜250℃の間で急に増
加し、それ以上の熱処理温度では飽和している。これに
より、ITO膜は150〜250℃の温度で結晶化が進
行することがわかる。なお、ITO膜をすべて多結晶化
しなくても一部が多結晶化していれば効果がある。
【0037】なお、ここでは、中間金属膜としてCr膜
を用いたが、この代わりにTi膜(例えば膜厚は約50
nm)を用いた場合も同様の効果を得ることができた。
なお、このTi膜のドライエッチングのガスとしては、
Al合金膜と同一のBCl3とCl2との混合ガスを用い
る。したがって、Al合金膜のエッチングに引き続くT
i膜のエッチング時に、ガスの切り換えをしなくて済
む。また、Cr膜はAl合金膜とほぼ同一のエッチング
レートなので、Al合金膜がひさし状になりにくい。一
方、中間金属膜としてCr膜を用いる場合は、Al合金
膜のエッチングガスではエッチングされないため、マー
ジンを増大することができる。また、Al−Ta合金膜
4の代わりに、Al−Si、Al−Ti、Al−Ti−
Ta、Al−Pd等の合金膜やAl膜を用いてもよい。
また、上記実施例では、本発明を走査信号線に適用した
例を示したが、映像信号線に適用することも可能であ
る。その他、本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能
であることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、透明
導電膜、中間金属膜、およびAlまたはAl合金膜の積
層膜により、信号線、あるいは信号線と画素電極とを同
時に形成するため、パターニングに使用するホトマスク
の数が少なくて済み、製造コストを安くすることができ
る。また、信号線に電気抵抗の低いAlまたはAl合金
膜が含まれているため、10形以上の大画面、高精細の
液晶表示装置においても、高画質表示を実現することが
できる。また、信号線のパターニングにドライエッチン
グを用いるため、断面形状の良好な配線が得られ、信頼
性の高い液晶表示装置を提供することができる。さら
に、透明導電膜を多結晶化することにより、透明導電膜
の残渣の発生を防止でき、その上に堆積する絶縁膜の異
常成長が原因で発生するG/Dショートを防止すること
ができ、製造歩留りを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の液晶表示パネルを構成
する透明ガラス基板の製造工程断面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の液晶表示パネルを構成
する透明ガラス基板の部分平面図である。
【図3】ITO膜の熱処理温度と結晶化との関係を示す
図である。
【図4】ウェットエッチングを用いて多層膜のパターニ
ングを行なう場合の工程断面図である。
【符号の説明】
1…透明ガラス基板、2…ITO膜、3…Cr膜、4…
Al−Ta合金膜、5…ホトレジスト膜、6…ゲート絶
縁膜、7…i型非晶質Si膜、8…高濃度n型Si膜、
9…電極・配線、10…保護膜。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基板と第2の基板とを所定の間隙を
    隔てて重ね合わせ、前記両基板間に液晶を封止し、前記
    第1の基板面上には、水平方向に延在し、かつ垂直方向
    に複数本配置された走査信号線と、垂直方向に延在し、
    かつ水平方向に複数本配置された映像信号線と、隣接す
    る2本の前記走査信号線と隣接する2本の前記映像信号
    線との交差領域内にそれぞれ配置されたスイッチング素
    子と第1の画素電極とを設け、前記第2の基板面上には
    前記第1の画素電極に対向して第2の画素電極を設けた
    アクティブ・マトリクス方式の液晶表示装置において、
    少なくとも一方の前記信号線が、少なくとも一部が多結
    晶化された透明導電膜、中間金属膜、およびAlまたは
    Al合金膜を順次積層して成ることを特徴とする液晶表
    示装置。
  2. 【請求項2】前記透明導電膜がITO膜であることを特
    徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記中間金属膜がCr膜またはTi膜であ
    ることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】第1の基板と第2の基板とを所定の間隙を
    隔てて重ね合わせ、前記両基板間に液晶を封止し、前記
    第1の基板面上には、水平方向に延在し、かつ垂直方向
    に複数本配置された走査信号線と、垂直方向に延在し、
    かつ水平方向に複数本配置された映像信号線と、隣接す
    る2本の前記走査信号線と隣接する2本の前記映像信号
    線との交差領域内にそれぞれ配置されたスイッチング素
    子と第1の画素電極とを設け、前記第2の基板面上には
    前記第1の画素電極に対向して第2の画素電極を設けた
    アクティブ・マトリクス方式の液晶表示装置の製造方法
    において、前記第1の基板面上に、少なくとも一部が多
    結晶化された透明導電膜、中間金属膜、およびAlまた
    はAl合金膜を順次積層して成る積層膜を形成する工程
    と、前記積層膜の上に所定のパターンを有するレジスト
    膜を形成する工程と、それぞれ所定のエッチングガスを
    用いて前記積層膜を構成する膜を順次ドライエッチング
    して前記信号線の少なくとも一方を形成する工程とを有
    することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記少なくとも一部が多結晶化された前記
    透明導電膜を形成するのに、前記透明導電膜を堆積した
    後、熱処理することにより多結晶化することを特徴とす
    る請求項4記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記熱処理の温度が約150〜250℃で
    あることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置の製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記積層膜を形成、パターニングする工程
    において、前記第1の画素電極を形成する領域にも前記
    積層膜を形成、パターニングし、その後、前記領域の前
    記AlまたはAl合金膜と前記中間金属膜を除去するこ
    とを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記中間金属膜がCr膜から成り、Cl2
    とO2とを含む混合ガスを用いて前記Cr膜を前記ドラ
    イエッチングすることを特徴とする請求項4記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記中間金属膜がTi膜から成り、BCl
    3とCl2とを含む混合ガスを用いて前記Ti膜を前記ド
    ライエッチングすることを特徴とする請求項4記載の液
    晶表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記透明導電膜がITO膜から成り、C
    3OHとArとを含む混合ガスを用いて前記ITO膜
    を前記ドライエッチングすることを特徴とする請求項4
    記載の液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】BCl3とCl2とを含む混合ガスを用い
    て前記AlまたはAl合金膜を前記ドライエッチングす
    ることを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置の製造
    方法。
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