JPH10189319A - 異方性永久磁石用原料粉末の製造方法 - Google Patents

異方性永久磁石用原料粉末の製造方法

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JPH10189319A
JPH10189319A JP8355016A JP35501696A JPH10189319A JP H10189319 A JPH10189319 A JP H10189319A JP 8355016 A JP8355016 A JP 8355016A JP 35501696 A JP35501696 A JP 35501696A JP H10189319 A JPH10189319 A JP H10189319A
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particle size
magnet
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JP8355016A
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Takashi Ikegami
尚 池上
Satoru Hirozawa
哲 広沢
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 R−T−M−B系磁石粉末を圧縮圧力と直接
通電により成形したり、ホットプレスやHIPなどの比
較的低圧による成形において、磁石粉末を高密度化し
て、高い磁気特性の異方性永久磁石を製造性よく得るこ
とが可能なR−T−M−B系永久磁石用原料粉末の製造
方法の提供。 【解決手段】 R−T−(M)−B系永久磁石を製造す
る方法において、水素処理法によって得られた磁気的異
方性を有する磁石粉末を平均粒度10μm〜40μmの
微粉砕粉と平均粒度75μm〜250μmの粗粉砕粉に
粉砕後、前記微粉砕粉と粗粉砕粉をそれぞれ5〜30重
量%と70〜95重量%混合した高性能化が可能な異方
性永久磁石用原料粉末となし、圧縮成型する際に直接通
電を行ったり、ホットプレスやHIPなどの比較的低圧
による成形において、製造性よく磁石粉末を高密度化し
て、高い磁気特性の異方性永久磁石を容易に製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種モーター、
アクチュエーター等に用いることが可能なR(希土類元
素)−T(鉄属元素)−M−B系の異方性永久磁石原料
粉末に係り、R−T−M−B系合金鋳塊を粗粉砕し、さ
らに水素処理にて得られえた再結晶集合組織からなる合
金粉末を粉砕し、得られた微粉砕粉と粗粉砕粉を所定比
で混合することにより、高い磁気特性を得たボンド磁
石、直接通電を伴う圧縮成形やホットプレス成形による
永久磁石用の原料粉末を製造する異方性永久磁石用原料
粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】R−T−B系磁石粉末を成形する方法と
しては、樹脂などの異種材料をバインダーとして使用し
任意の形状に成形する、ボンド磁石として発展した。こ
のボンド磁石の製造方法は、R−T−B系原料母合金を
メルトスパンすることによって得られる、等方性の粉末
を樹脂バインダーと混合し、成形したものである。この
ようなR−T−B系の等方性のボンド磁石は、磁気特性
は低いが様々な形状、特にラジアルリングなどの薄肉品
などに対応できる上、比較的容易に製造でき、成形後加
工(ネットシェイプ成形)する必要がないという利点が
ある。
【0003】R−T−B系等方性のボンド磁石は、種々
の形伏に容易に対応できるという特色のために年々製造
量が増え、いろいろな用途や品種に用いられている。こ
のR−T−B系等方性のボンド磁石の磁気特性を向上さ
せる方法としては、例えば、特開平3−234002号
公報や特公平4−40842号公報に開示されるよう
に、粒度分布を2μm〜500μmもしくは10μm〜
500μmに調整し、ボンド磁石の密度を向上させるこ
とが提案されている。
【0004】また、さらなる磁気特性の向上を求めよう
とすると、磁気的に等方性の前記メルトスパン粉末のか
わりに、特開平5−163509号公報に開示されてい
るような水素処理によって得られる磁気的異方性を有す
る再結晶組織の集合体からなる粉末を用いることが提案
され、ホットプレス(特開平4−247604号公報)
や直接通電と圧縮成形による成形方法(特開平6−19
6344号公報)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先に挙げたような磁石
粉末をネットシェイプする方法のうち、従来のメルトス
パン粉末を樹脂バインダーで混合したボンド磁石では、
磁石粉末の粒度を2μm〜500μmもしくは10μm
〜500μmの前記粒度分布に調整しても、得られる最
大エネルギー積はたかだか70〜80kJ/m3の磁気
特性であり、必要充分な磁気特性が得られないという問
題があった。
【0006】そこで成形に用いる磁石粉末を、磁気的異
方性を有する粉末にすることが提案された。樹脂バイン
ダーを用いるボンド磁石に磁気的異方性を有する粉末を
用いると、磁界中で配向しながら、圧縮成形を行うこと
となる。しかし、ボンド磁石は成形圧力を7GPa程度
にして高密度化しないと高い最大エネルギー積が得られ
ないが、圧縮圧力をさらに高くすると成形時に配向が乱
れ、高い密度の磁石体が得られても結果として磁気特性
が低くなってしまうという問題があった。
【0007】磁石粉末を成形する方法としては、この樹
脂バインダーを用いる方法のほかにホットプレス、直接
通電と圧縮成形による成形法、HIPなどがある。これ
らの成形方法はいずれも加熱して圧力を加える方法であ
る。よって、ホットプレスや直接通電と圧縮圧力による
方法では、パンチとダイは高温での強度に限界があるた
めに、又HIPでは、圧力容器の高温での強度に限界が
あるために、通常の一軸プレスのような高い圧力をかけ
ることができない。
【0008】そこで、磁気的異方性を有する磁石粉末を
加熱しながら成形する、例えば直接通電と圧縮成形によ
って磁石体とする場合、低い密度によって生じる磁石体
内の空間を埋め、高密度化する方法として、等方性のメ
ルトスパン粉体等の充填材を予め粉末に混合する方法が
ある。このような充填材を混合して圧縮圧力と直接通電
によって成形すると、7.5g/cm3程度の高い密度
が得られるが、等方性の粉末を混ぜるために、磁気特性
としては低く、140kJ/m3程度の最大エネルギー
積しか得られないという欠点があった。
【0009】この発明は、高い磁気特性が得られるR−
T−M−B系永久磁石を目的に、高性能化が可能な異方
性磁石粉末を使用することを想定し、R−T−M−B系
磁石粉末を圧縮圧力と直接通電によって成形したり、ホ
ットプレスやHIPなどの比較的低圧による成形におい
て、磁石粉末を高密度化して、高い磁気特性の異方性永
久磁石を製造性よく得ることが可能なR−T−M−B系
永久磁石用原料粉末の製造方法の提供を目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、磁石粉末を
直接バルク化したり、ホットプレスやHIPなどの比較
的低圧による成形において、磁石粉末を高密度化、高性
能化が可能な異方性磁石粉末を目的に種々検討した結
果、高い磁気特性を得るために原科磁石粉末として、水
素処理によって得られた磁気異方性を有する再結晶組織
の集合体からなる磁石粉末を使用し、低い成形圧力で異
方性の磁石粉末を高密度化するために、使用する磁気的
異方性を有する磁石粉末の粒度分布として、平均粒度の
異なる粗粉砕粉と微粉砕粉を混合することで、樹脂バイ
ンダーを用いるボンド磁石やホットプレス、HIPなど
様々な成形方法において、低い成形圧力でも配向がほと
んど乱れることなく高密度化できることを知見し、この
発明を完成した。
【0011】さらに、発明者らは、水素処理の脱水素条
件によって磁石粉末の保磁力を制御できることを知見
し、混合する微粉砕粉の保磁力を0.65MA/m以
下、また粗粉砕粉の保磁力を0.80MA/m以上とす
ることで成形時の配向の乱れが最小限に抑制できること
を見い出した。
【0012】すなわち、この発明は、R:10〜20a
t%(R:Yを含む希土類元素の少なくとも1種で、P
rまたはNdの1種または2種をRのうち50at%以
上含有)、T:67〜85at%(T:FeまたはFe
の一部を50at%以下のCoで置換)、M:0.05
〜10at%(M:Al,Ti,V,Cr,Ni,G
a,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Hf,Ta,W,
Cu)、B:4〜10at%からなる合金鋳塊を粗粉砕
して平均粒度が50μm〜5000μmの、少なくとも
80vol%以上が正方晶構造Nd2Fe14B型化合物
からなる粗粉砕粉となした後、水素処理をして、得られ
る平均結晶粒径が0.05μm〜1μmである磁気的に
異方性を持つ再結晶組織の集合体からなる合金粉末を粉
砕して、平均粒度10um〜40μmの微粉砕粉と平均
粒度75μm〜250μmの粗粉砕粉とし、微粉砕粉5
〜30重量%と粗粉砕粉70〜95重量%を混合する異
方性永久磁石用原料粉末の製造方法である。
【0013】またこの発明は、前記水素処理において、
10kPa〜1000kPaのH2ガス中で、600℃
〜750℃の温度域を昇温速度10℃/min〜200
℃/min以上で昇温し、さらに750℃〜950℃に
15分〜8時間加熱保持し、組織をR水素化物、T−B
化合物、T相、R214B化合物の少なくとも4相の混
合磁石組織とした水素不均化処理後、さらにArガスま
たはHeガスによる絶対圧10Pa〜50kPaの減圧
気流中にて700℃〜900℃に5分〜8時間の保持を
する脱H2処理を行うことを特徴とする異方性永久磁石
用原料粉末の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
組成の限定理由 この発明に使用する原料合金に用いるRすなわち希土類
元素Rは、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luが包括され、この
うち少なくとも1種以上で、Pr、Ndのうち少なくと
も1種または2種をRのうち50at%以上含有し、さ
らにRの全てがPr、Ndのうち1種または2種の場合
がある。Rの50at%以上をPr、Ndのうち少なく
とも1種以上とするのは、50at%未満では充分な磁
化が得られないためである。
【0015】Rは、10at%未満ではαFe相の析出
により保磁力が低下し、また20at%を超えると、目
的とする正方晶Nd2Fe14B型化合物以外に、Rリッ
チの第2相が多く析出し、この第2相が多すぎると合金
の磁化を低化させる。従って、Rの範囲は10〜20a
t%とする。
【0016】Tは鉄属元素であって、Fe、Coを包含
する。Tが67at%未満では低保磁力、低磁化の第2
相が析出して磁気的特性が低下し、また85at%を超
えるとαFe相の析出により保磁力、角型性が低下する
ため、Tは67〜85at%とする。
【0017】また、Feのみでも必要な磁気的性質は得
られるが、Coの適量の添加は、キュリー温度の向上に
有用であり、Coは必要に応じて添加できる。FeとC
oの原子比においてFeが50%以下となるとNd2
14B型化合物の飽和磁化そのものの減少量が大きくな
ってしまうため、Tのうち原子比でFeを50%以上と
した。
【0018】添加元素Mの効果は、水素不均化時に母相
の分解反応を完全に終了させずに、母相、すなわちR2
14B相を安定化して故意に残存させるのに有効な元素
が望まれる。特に顕著な効果を持つものとして、Ni、
Ga、Zr、Hfがある。
【0019】また、Mのうち、Al、Ni、Ga、Z
r、ln、Sn、Hfは、脱H2処理時の再結晶粒を
0.1μm〜1μmのサイズにまで成長させ、粉末に磁
気異方性を付与するのに有用な元素である。さらに、T
i、V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Cuは、脱H2
処理時の再結晶粒が、1μm以上に粗大化するのを防止
し、結果として保磁力が低下するのを抑制する効果を有
する。
【0020】従って、Mとしては、上記の元素を目的に
応じて組み合わせて用いることが得策である。添加量
は、0.05at%未満では効果がなく、また10at
%を超えると強磁性でない第2相が析出して磁化を低下
させることから、Mは0.05at%以上10at%以
下とした。
【0021】Bは、正方晶Nd2Fe14B型結晶構造を
安定して析出させるために必須の元素である。添加量は
4at%未満では、R217相が析出して保磁力を低下
させ、また減磁曲線の角型性が著しく損なわれる。ま
た、10at%を超えて添加した場合は、磁化の小さい
第2相が析出して粉末の磁化を低下させる。従って、B
は4〜10at%とした。
【0022】この発明において、粗粉砕粉の80vol
%以上が正方晶Nd2Fe14B型化合物としたのは、該
化合物が80vol%未満であると磁気特性が低下す
る。より具体的には、混在する第2相がαFe相の場合
は保磁力を低下させ、Rリッチ相やBリッチ相の場合に
は磁化が低下するため、正方晶Nd2Fe14B型化合物
の存在比を80vol%以上とした。
【0023】体積比で80%以上の正方晶Nd2Fe14
B型化合物を有する粗粉砕を得るためには、合金の鋳塊
を900℃〜1200℃の温度で1時間以上焼鈍する
か、造塊工程で鋳型の冷却速度を制御するなどの方法を
適宜選定すると良い。
【0024】製造条件の限定理由 水素処理法は、所要粒度の粗粉砕粉が外観上その大きさ
を変化させることなく、極微細な再結晶組織の集合体が
得られることを特徴とする。すなわち、正方晶Nd2
14B型化合物に対し、高温、実際上は600℃〜90
0℃の温度範囲でH2ガスと反応させる水素不均化処理
によって、RH2■3、αFe、Fe2Bなどに相分離
し、さらに同温度域でH2ガスを脱H2処理により除去す
ると、再度正方晶Nd2Fe14B型化合物の再結晶組織
が得られる。
【0025】しかしながら、現実には、水素不均化処理
条件によって分解生成物の結晶粒径、反応の度合いが異
なり、水素不均化状態の金属組織は、水素不均化温度7
50℃未満と750℃以上とで明らかに異なる。この金
属組織上の違いが、脱水素処理を行った後の磁粉の磁気
的性質に大きく影響する。
【0026】さらに、脱水素化処理条件によって、正方
晶Nd2Fe14B型化合物の再結晶状態が大きく影響を
受け、水素処理法によって作製した磁性粉の磁気的性
質、特に保磁力に大きく影響する。また逆に、適正な範
囲内で脱水素化処理条件を選択することによって、保磁
力を制御することができる。
【0027】出発原料の粗粉砕法は、従来の機械的粉砕
法やガスアトマイズ法の他、H2吸蔵による、いわゆる
水素粉砕法を用いてもよく、工程の簡略化のためにこの
水素粉砕による粗粉砕工程と、極微細再結晶を得るため
の水素処理法を同一装置内で連続して行っても良い。
【0028】この発明において、粗粉砕粉の平均粒度を
50μm〜5000μmに限定したのは、50μm未満
では粉末の酸化による磁性劣化の恐れがあり、また50
00μmを超えると水素処理によって大きな磁気異方性
を持たせることが困難となるからである。
【0029】この発明において、H2ガス中での加熱に
際し、H2ガス圧力が10kPa未満では前述の分解反
応が充分に進行せず、また1000kPaを超えると処
理設備が大きくなりすぎ、工業的にコスト面、また安全
面で好ましくないため、圧力範囲を10〜1000kP
aとした。さらに好ましい圧力範囲は50〜150kP
aである。
【0030】H2ガス中での加熱処理温度は、600℃
未満ではRH2■3、αFe、Fe2Bなどへの分解反応
が起こらない。また、600℃〜750℃の温度範囲で
は分解反応がほぼ完全に進行してしまい、分解生成物中
に適量のR214B相が残存せず、脱水素処理後に磁気
的、また結晶方位的に充分な異方性が得られない。また
900℃を超えるとRH2■3が不安定となり、かつ生成
物が粒成長して正方晶Nd2Fe14B型化合物極微細結
晶組織を得ることが困難になる。
【0031】水素不均化の温度範囲が750℃〜900
℃の領域であれば、脱水素時の再結晶反応の核となるR
214B相が分散して適量残存するため、脱水素後のR2
14B相の結晶方位が残存R214B相によって決定さ
れ、結果的に再結晶組織の結晶方位が原料インゴットの
結晶方位と一致し、少なくとも原料インゴットの結晶粒
径の範囲内では大きな異方性を示すことになる。従っ
て、水素不均化処理の温度範囲を750〜900℃とす
る。
【0032】また、加熱処理時の保持時間については、
上記の分解反応を充分に行わせるためには15分以上必
要であり、また、8時間を超えると残存R214B相が
減少するため、脱水素後の異方性が低下するので好まし
くない、よって、15分〜8時間の加熱保持とする。
【0033】H2ガス中での昇温速度を所定範囲に保持
することはこの発明において最も重要な工程である。す
なわち、昇温速度が10℃/min未満であると、昇温
過程で600℃〜750℃の温度域を分解反応が進行し
ながら通過するために、完全に分解して母相すなわちR
214B相が残存せず、脱水素処理後の磁気的及び結晶
方位的異方性がほとんど失われてしまう。また、多量に
処理を行う場合は、大きな反応熱のために局部的に最適
処理温度範囲を超える場合があり、そのために実用的な
保磁力が得られない場合がある。
【0034】かかる昇温速度を10℃/min以上にす
れば、600℃〜750℃の領域で反応が充分に進行せ
ず、母相を残存したまま750℃〜900℃の水素不均
化温度域に達するため、脱水素処理後に磁気的および結
晶方位的に大きな異方性を持った粉末を得ることができ
る。また、750℃〜900℃の温度域における分解反
応時の反応熱による温度上昇は小さく、多量処理時でも
実用的な保磁力が得易い。従って、昇温速度は、750
℃以下の温度域において、10℃/min以上とする必
要がある。
【0035】また、200℃/minを越える昇温速度
は、赤外線加熱炉等を用いても実質的に実現困難であ
り、また可能であっても設備費が過大となるので好まし
くない、よって、昇温速度を10℃/min〜200℃
/minとする。
【0036】この発明の脱H2処理は、Arガス又はH
eガスの減圧気流中にて行うが、これによって原料の周
囲の実質的なH2分圧をR水素化物の平衡水素解離圧、
例えばNdH2では850℃で1kPa程度となり、脱
2反応は徐々に進行する。
【0037】雰囲気をArガス又はHeガスに限定した
のは、コスト面でArガスが使いよく、またH2ガスの
置換性や温度制御の点からHeガスが使いよいことによ
る。さらに、不活性ガスとして一般的なN2ガスは希土
類系化合物と反応して窒化物を形成するため不適当であ
り、また他の希ガスでは性能上のメリットがなくコスト
の面でも不利である。
【0038】この発明の脱H2処理時の雰囲気の絶対圧
は、10Pa未満では脱H2反応が急激に起こり、化学
反応による温度が大きく低下し、さらに脱H2反応が急
激すぎるために冷却後の磁性粉の組織に粗大な結晶粒が
混在して保磁力が大きく低下するため好ましくなく、ま
た50kPaを超えると、脱H2反応に時間がかかりす
ぎて実用上問題となるため、絶対圧10Pa〜50kP
aの範囲とする。この範囲で圧力を設定すると保磁力を
制御することができる。
【0039】また、脱H2処理を減圧分流中で行うのは
脱H2反応によって、原料から放出されるH2ガスよっ
て、炉内圧力が上昇するのを防止するためである。実用
上は、一方から不活性ガスを導入しながら、他方から真
空ポンプで排気し、圧力の制御は、供給口、排気口のそ
れぞれに取り付けられた流量調節弁を用いて行うとよ
い。
【0040】この発明において、脱H2処理の温度が7
00℃未満では、RH2■3相からのH2の離脱が起こら
ないか、正方晶Nd2Fe14B型化合物の再結晶が充分
進行しない。また、900℃を超えると正方晶Nd2
14B型化合物は生成するが、再結晶粒が粗大に成長
し、高い保磁力が得られない。そのため、脱H2処理の
温度範囲は700℃〜900℃とする。
【0041】また、加熱処理保持時間は、処理設備の排
気能力にもよるが、上記の再結晶反応を充分に行わせる
ことも重要であり、少なくとも5分以上保持する必要が
あるが、2次的な再結晶反応によって結晶が粗大化すれ
ば保磁力の低下を招くので、できる限り短時間の方が好
ましい。そのため、5分〜8時間の加熱保持で充分であ
る。
【0042】脱H2処理は、原料の酸化防止の観点か
ら、また処理股備の熱効率の観点で、水素化処理に引き
続いて行うのがよいが、水素不均化処理後、一旦原料を
冷却して、再び改めて脱H2のための熱処理を行っても
良い。
【0043】脱H2処理後の正方晶Nd2Fe14B型化合
物の再結晶粒径は実質的に0.05μm以下の平均再結
晶粒径を得ることは困難であり、また、たとえ得られた
としても磁気特性上の利点がない。一方、平均再結晶粒
径が1μmを超えると、粉末の保磁力が低下するため好
ましくない。そのため、平均再結晶粒径を0.05μm
〜1μmとした。
【0044】水素処理によって得られた再結晶組織の集
合体からなる磁石粉末を粉砕する方法としては、通常の
機械粉砕法あるいは水素を吸蔵させ、自然崩壊させる粉
砕方法でもよい。磁石体を成形するための粉末の粒度分
布は、粗い粉末が作る隙間を細かい粉末が埋めるように
この発明では、平均粒度10μm〜40μmの微粉砕粉
を5〜30重量%と、平均粒度75μm〜250μmの
粗粉砕粉を70〜95重量%混合したものとする。
【0045】微粉砕粉の平均粒度を10μm〜40μm
としたのは、平均粒度が10μm未満では粒度が細かす
ぎるために、粉末が自身の表面エネルギーを減少させよ
うとして微粉粋粉同士が凝集し、密度の低い凝集粒子を
形成してしまうからである。また、平均粒度が40μm
を超えると微粉砕粉として粗粉砕粉の隙間に入らなくな
るために40μm以下とした。
【0046】粗粉砕粉の平均粒度を75μm〜250μ
mとしたのは、平均粒度が75μm未満では平均粒度1
0μm以上の微粉砕粉が入る隙間が極端に少なくなり、
微粉砕粉を混合する意味がない。また、平均粒度が25
0μmを超えると、小型磁気部品として精密成形する際
に大きすぎて好ましくないからである。
【0047】粉末の混合比において、微粉砕粉を5〜3
0重量%、粗粉砕粉を70〜95重量%としたのは、微
粉砕粉が5%未満すなわち粗粉砕粉が95%を超えると
粗粉砕粉の隙間に入る量が少ないために成形時の密度が
向上しない。また、微粉砕粉が30重量%を超える、す
なわち粗粉砕粉が70%未満では、微粉砕粉が粗粉砕粉
の隙間に入る量より多くなるために微粉砕粉を30重量
%以上入れても効果がない。よって微粉砕粉の混合比を
5〜30重量%、粗粉砕粉を70〜95重量%とした。
【0048】また、粉末の磁気特性は特に限定しない
が、微粉砕粉の間で容易に配向させるために微粉砕粉の
保磁力として0.65MA/m以下、粗粉砕粉の保磁力
が0.80MA/m以上であることが好ましい。
【0049】磁石体の製造方法この発明の混合磁石粉末
を用いて異方性永久磁石の磁石体を得るには、樹脂バイ
ンダーを用いるボンド磁石、ホットプレス、直接通電と
圧縮成形による方法、HIPなどの公知のいずれの技術
を用いることができる。
【0050】この発明による混合磁石粉末を用いてボン
ド磁石とするには、以下に示す圧縮成形、射出成形、押
し出し成形、圧延成形、樹脂含浸法など公知のいずれの
製造方法であってもよい。
【0051】圧縮成形の場合は、磁性粉末に熱硬化性樹
脂、カップリング剤、滑剤などを添加混練した後、圧縮
成形して加熱樹脂を硬化して得られる。また、樹脂の代
わりにZn,Al等の低融点金属を用いてもよい。
【0052】射出成形、押し出し成形、圧延成形の場合
は、磁性粉末に熱可塑性樹脂、カップリング剤、滑剤な
どを添加混練した後、射出成形、押し出し成形、圧延成
形のいずれかの方法にて成形して得られる。
【0053】樹脂含浸法においては、磁性粉末を圧縮成
形後、必要に応じて熱処理をした後、熱硬化性樹脂を含
浸させ、加熱して樹脂を硬化させて得る。また、混合磁
石粉末を圧縮成形後、必要に応じて熱処理をした後、熱
可塑性樹脂を含浸させて得る。
【0054】この発明において、ボンド磁石中の磁性粉
末の重量比は、前記製法により異なるが、70〜99.
5wt%であり、残部の0.5〜30wt%が樹脂その
他である。圧縮成型の場合、混合磁石粉末の重量比は9
5〜99.5wt%、射出成形の場合、混合磁石粉末の
充填率は90〜95wt%、樹脂含浸法の場合、混合磁
石粉末の重量比は、96〜99.5wt%が好ましい。
【0055】樹脂としては、熱硬化性、熱可塑性のいず
れの性質を有するものも利用できるが、熱的に安定な樹
脂が好ましく、例えば、ポリアミド、ポリイミド、フェ
ノール樹脂、弗素樹脂、けい素樹脂、エポキシ樹脂など
を適宜選定できる。
【0056】また、圧縮圧力と直接通電による成形と
は、通常の一軸プレスにおいて、導電性のパンチと非導
電性のダイ、もしくは非導電性のパンチと導電性のダイ
によって構成され、粉体に直接通電することによってジ
ュール熱を発生させ、温間成形する方法である。この方
法では加熱に数十秒しかかからない上に真密度に近い、
高い密度を得ることができ、製造上のメリットが大き
い。
【0057】また、パンチやダイの材質としては、電導
部にはカーボンや電導粒子とサイアロンの複合材料など
が、非電導材料にはサイアロン、サーメット、カーボン
などが挙げられる。電導部にタングステンやモリブデン
などの金属を用いると成形時に磁石体と反応するために
好ましくない。
【0058】製造工程としては、粒度調整した混合磁石
粉末を上記パンチとダイに充填し、磁界配向した後、圧
縮圧力をかけながら直接通電によって、Nd2Fe14
相の再結晶温度近傍の700〜780℃に加熱し成形す
る。
【0059】ホットプレスによる成形においては、加熱
成形に時間がかかるが、直接通電と圧縮成形による方法
とは異なり、パンチやダイを導電性材料にする必要がな
いため、パンチやダイの材質の選択の幅が広く、かつ成
形に用いる設備も単純であるという利点がある。
【0060】製造工程としては粒度調整した混合磁石粉
末を、耐熱性の高い材質のパンチとダイに充填し、磁界
配向した後、Nd2Fe14B相の再結晶温度近傍の70
0〜780℃に加熱し圧縮成形する。
【0061】HIPとは熱間静水圧成形のことをいい原
料を圧力容器内に封入し、加熱しながら等方的に圧力を
かけて成形する方法である。従来の一軸加圧プレスと異
なり、等方的に圧力をかけることができるために複雑な
形状に対応することができる。
【0062】製造工程としては粒度調整した混合磁石粉
末を、目的とする形状の型に充填後磁界配向し、ステン
レス薄などで作った耐熱性の容器に真空封入する。これ
をHIPに装填後Nd2Fe14B相の再結晶温度近傍の
700〜780℃に加熱し加圧成形する。
【0063】以上、ホットプレス、直接通電と圧縮圧力
による成形法、HIPなどの加温成形においては、必要
に応じて低融点の金属などをバインダーとして加えても
良いが、磁石粉末と反応して磁気特性が低下する恐れが
あるために5重量%以下の極少量が好ましい。
【0064】この発明は、R−T−(M)−B系永久磁
石を製造する方法において、水素処理法によって得られ
た磁気的異方性を有する磁石粉末を平均粒度10μm〜
40μmの微粉砕粉と平均粒度75μm〜250μmの
粗粉砕粉に粉砕後、前記微粉砕粉5〜30重量%と粗粉
砕粉70〜95重量%混合した粉末を用いて、樹脂混合
して成形するボンド磁石、ホットプレス、圧縮成形と直
接通電による成形法、HIPなどで成形すると低い成形
圧力でも磁気特性の高い永久磁石を容易に製造すること
ができる。
【0065】
【実施例】
実施例1 高周波誘導溶解法によって溶製して得られた、表1に示
すNo.1〜11の組成の鋳塊を、1100℃、24時
間、Ar雰囲気中で焼鈍して、鋳塊中の正方晶Nd2
14B型化合物の体積比を90%以上とした。
【0066】この鋳塊をAr雰囲気中(O2量0.5%
以下)でスタンプミルにて平均粒度200μmに粗粉砕
した後、この粗粉砕粉を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2に示す水素不均化処理条件
で水素不均化処理を行った。こうして得た水素不均化原
料を、引き続き表2に示す脱水素処理条件に従って脱水
素処理を行った。排気には、ロータリーポンプを用い
た。冷却後、原料温度が50℃以下となったところで原
料粉末を取り出した。
【0067】得られた原料粉末をArガス雰囲気中(O
2量0.5%以下)でスタンプミルにて粉砕し、平均粒
度25μmの微粉砕粉と平均粒度150μmの粗粉砕粉
を得、それぞれ10重量%と90重量%をV型混合器に
て混合した。
【0068】次に、この混合粉末にクレゾールノボラッ
ク型の樹脂を3wt%混合し1.2MA/mの磁界中で
4GPaの圧力を印加して成形、160℃で1時間硬化
処理して10mm角の立方体のボンド磁石を得た。BH
トレーサーにて磁気特性を測定した結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】実施例2 表1に示すNo.11の組成を有する組成の平均粒度2
00μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にまで
真空排気した。その後、純度99.9999%以上のH
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条件
で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却後、
原料温度が50℃以下となったところで原料を取り出し
た。得られた原料は表3に示す平均粒度にし、表3に示
す重量割合で混合した。次に実施例1と同様の方法でボ
ンド磁石とし、その磁気特性をBHトレーサーで測定し
た。その結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】実施例3 表1に示すNo.11の組成を有する組成の、平均粒度
200μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条
件で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却
後、原料温度が50℃以下となったところで原料を取り
出した。得られた原料は表4に示す平均粒度にし、表4
に示す重量割合で混合した。
【0074】混合磁石粉末はカーボン製のダイとパンチ
に充填し2.5MA/mのパルス磁界で配向した。次に
750〜780℃に加熱保持し、パンチに50MPaの
圧力を加え磁石体を製造した。得られた磁石体の磁気特
性をBHトレーサーで測定し、表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】実施例4 表1に示すNo.11の組成を有する組成の、平均粒度
200μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条
件で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却
後、原料温度が50℃以下となったところで原料を取り
出した。得られた原料は表5に示す平均粒度にし、表5
に示す重量割合で混合した。
【0077】混合磁石粉末はカーボン製のダイと導電性
TiN−サイアロン複合材料のパンチに充填し2.5M
A/mのパルス磁界で配向した。次に、パンチに30M
Paの圧力を加えながら電流密度3.0〜3.5MA/
2で30secの直接通電を行い750〜780℃で
圧縮加圧し、磁石体を製造した。得られた磁石体の磁気
特性をBHトレーサーで測定し、表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】実施例5 表1に示すNo.11の組成を有する組成の、平均粒度
200μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条
件で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却
後、原料温度が50℃以下となったところで原料を取り
出した。得られた原料は表6に示す平均粒度にし、表6
に示す重量割合で混合した。
【0080】混合磁石粉末はステンレス製の缶に充填
し、真空引きした後ふたを溶接して密閉し2.5MA/
mのパルス磁界で配向した。次に缶をHIP装置の圧力
容器に入れ100MPa圧力を加え750〜780℃に
加熱保持し磁石体を製造した。得られた磁石体の磁気特
性をBHトレーサーで測定し、表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】比較例1 表1に示すNo.11の組成を有する組成の、平均粒度
200μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条
件で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却
後、原料温度が50℃以下となったところで原料を取り
出した。得られた原料は表7に示す平均粒度にし、表7
に示す重量割合で混合した。次に、実施例1と同様の方
法でボンド磁石とし、その磁気特性をBHトレーサーで
測定した。その結果を表7に示す。
【0083】
【表7】
【0084】比較例2 表1に示すNo.11の組成を有する組成の、平均粒度
200μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条
件で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却
後、原料温度が50℃以下となったところで原料を取り
出した。得られた原料は表8に示す平均粒度にし、表8
に示す重量割合で混合した。次に実施例3と同様の方法
で磁石体とし磁気特性をBHトレーサーで測定し、表8
に示す。
【0085】
【表8】
【0086】比較例3 表1に示すNo.11の組成を有する組成の、平均粒度
200μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条
件で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却
後、原料温度が50℃以下となったところで原料を取り
出した。得られた原料は表9に示す平均粒度にし、表9
に示す重量割合で混合した。次に実施例4と同様の方法
で磁石体とし磁気特性をBHトレーサーで測定し、表9
に示す。
【0087】
【表9】
【0088】比較例4 表1に示すNo.11の組成を有する組成の、平均粒度
200μmの合金粉末を管状炉に入れ、1Pa以下にま
で真空排気した。その後、純度99.9999%以上の
2ガスを導入しつつ、表2のNo.19に示す処理条
件で水素不均化処理および脱水素処理を行った。冷却
後、原料温度が50℃以下となったところで原料を取り
出した。得られた原料は表10に示す平均粒度にし、表
10に示す重量割合で混合した。次に実施例5と同様の
方法で磁石体とし磁気特性をBHトレーサーで測定し、
表10に示す。
【0089】
【表10】
【0090】
【発明の効果】この発明は、R−T−(M)−B系永久
磁石を製造する方法において、水素処理法によって得ら
れた磁気的異方性を有する磁石粉末を平均粒度10μm
〜40μmの微粉砕粉と平均粒度75μm〜250μm
の粗粉砕粉に粉砕後、前記微粉砕粉と粗粉砕粉をそれぞ
れ5〜30重量%と70〜95重量%混合した高性能化
が可能な異方性永久磁石用原料粉末となし、圧縮成型す
る際に直接通電を行ったり、ホットプレスやHIPなど
の比較的低圧による成形において、製造性よく磁石粉末
を高密度化して、高い磁気特性の異方性永久磁石を容易
に製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R:10〜20at%(R:Yを含む希
    土類元素の少なくとも1種で、PrまたはNdの1種ま
    たは2種をRのうち50at%以上含有)、T:67〜
    85at%(T:FeまたはFeの一部を50at%以
    下のCoで置換)、M:0.05〜10at%(M:A
    l,Ti,V,Cr,Ni,Ga,Zr,Nb,Mo,
    In,Sn,Hf,Ta,W,Cu)、B:4〜10a
    t%からなる合金鋳塊を粗粉砕して平均粒度が50μm
    〜5000μmの、少なくとも80vol%以上が正方
    晶構造Nd2Fe14B型化合物からなる粗粉砕粉となし
    た後、水素処理をして、得られる平均結晶粒径が0.0
    5μm〜1μmである磁気的に異方性を持つ再結晶組織
    の集合体からなる合金粉末を粉砕して、平均粒度10u
    m〜40μmの微粉砕粉と平均粒度75μm〜250μ
    mの粗粉砕粉とし、前記微粉砕粉5〜30重量%と、粗
    粉砕粉70〜95重量%を混合する異方性永久磁石用原
    料粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 水素処理において、10kPa〜100
    0kPaのH2ガス中で、600℃〜750℃の温度域
    を昇温速度10℃/min〜200℃/minで昇温
    し、さらに750℃〜900℃に15分〜8時間加熱保
    持し、組織をR水素化物、T−B化合物、T相、R2
    14B化合物の少なくとも4相の混合組織とした水素不均
    化処理後、さらにArガスまたはHeガスによる絶対圧
    10Pa〜50kPaの減圧気流中にて700℃〜90
    0℃に5分〜8時間の保持をする脱H2処理を行うこと
    を特徴とする請求項1記載の異方性永久磁石用原料粉末
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005236225A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Daido Electronics Co Ltd ボンド磁石用のコンパウンドおよび希土類ボンド磁石
US7390369B2 (en) 2003-04-22 2008-06-24 Neomax Co., Ltd. Method for producing rare earth based alloy powder and method for producing rare earth based sintered magnet
WO2021200517A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 愛知製鋼株式会社 圧縮ボンド磁石とその製造方法および界磁子
CN114724837A (zh) * 2022-03-28 2022-07-08 江西理工大学 利用材料缺陷制备钕铁硼磁体的方法

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