JPH1018902A - エンジンの失火診断装置及び制御装置 - Google Patents

エンジンの失火診断装置及び制御装置

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JPH1018902A
JPH1018902A JP17503396A JP17503396A JPH1018902A JP H1018902 A JPH1018902 A JP H1018902A JP 17503396 A JP17503396 A JP 17503396A JP 17503396 A JP17503396 A JP 17503396A JP H1018902 A JPH1018902 A JP H1018902A
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air
brake
intake
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勝彦 坂本
Tetsushi Hosogai
徹志 細貝
Yuji Ota
裕二 太田
Susumu Takano
晋 高野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキオフ時に倍力装置から吸気系に吐き
出されるエアに起因する失火誤診を防ぎ、また不安定な
燃焼状態を解消する。 【解決手段】 吸気通路20にその吸気負圧を利用する
ブレーキ倍力装置34が接続されたエンジンの失火診断
装置及び制御装置。失火判定手段42は所定の失火判定
条件に基づいて失火の判定をする。ブレーキがオンから
オフに切換えられてブレーキ倍力装置34から吸気通路
20にエアが吐き出される際、上記切換時点から所定期
間だけ上記失火判定手段42による失火判定を規制した
り、非同期燃料噴射等によって空燃比をリッチ側に補正
したりする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンに失火が
発生しているか否かを診断するエンジンの失火診断装置
及びエンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンにおいてインジェクタ
や点火プラグ等に劣化あるいは故障が生じると、断続的
な失火が生じ得る。このような失火は、その発生頻度が
高いほど排ガスのエミッションを悪化させ、また、触媒
コンバータ内での未燃ガスの燃焼によって同コンバータ
にダメージを与える要因となるため、その早期発見が非
常に重要となる。
【0003】ところで、上記失火には、エンジン始動時
等の不安定な運転状態において一時的に生じるものと、
上記インジェクタや点火プラグの劣化等に起因して半永
続的に生じるものとがある。このうち、エンジンの運転
状態に本質的に悪影響を及ぼし得る故障とみなせるのは
後者のみであり、前者については、実質上これを失火と
判定せずに正常とみなすのが妥当である。
【0004】そこで、特開平4−36044号公報に
は、スタータモータの駆動開始から、同モータの駆動が
停止して所定時間経過するまでの期間を失火判定停止期
間とし、この失火判定停止期間中は失火判定を禁止する
ことにより、実際にエンジンの運転状態に悪影響を及ぼ
す故障とみなせる失火が発生した場合のみ失火判定と診
断するように考慮した装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エンジンの吸気系に
は、その吸気負圧を利用してブレーキ作動の倍力を行う
ブレーキ倍力装置が接続されることがある。このブレー
キ倍力装置は、ブレーキペダルが踏み込まれる際に上記
吸気負圧と大気圧との差圧を利用してペダル踏力を補助
するものであり、上記ペダルが戻された際(すなわちブ
レーキがオンからオフに切換えられた際)には、エア
(大気)を吸気系へ吐き出して負圧を貯め込む作用をす
る。
【0006】従って、このようなブレーキ倍力装置を備
えたエンジンでは、ブレーキのオンからオフへの切換時
に上記吐き出しエアが気筒内に流入し、一時的に空燃比
をリーン化して失火を招くことがあるが、このような失
火は、ブレーキがオンからオフに切換えられた場合にの
み生じる一時的なものであるため、実際は失火発生(故
障発生)と判定せずに正常とみなすのが妥当である。
【0007】ところが、上記公報の装置では、上記失火
判定停止期間が経過した後はブレーキのオンオフにかか
らわず常に一定の判定条件に基づいて失火判定が行われ
るので、当該期間経過後は、上記のようなブレーキ操作
による一時的な空燃比のリーン化に起因するものも故障
失火として誤診されるおそれがある。
【0008】また一方、上記のようなブレーキ倍力装置
の吐き出しによる吸気エアの増量は、その吐き出し位置
よりも上流側に配置されているエアフローセンサ等によ
っては検知されないので、上記吐き出しエアによって空
燃比が一時的にリーン化した場合にその対応が遅れ、不
安定な燃焼状態が比較的長く放置されるおそれがある。
【0009】なお、特開平4−203252号公報に
は、急ブレーキ時の回転変動に起因する失火誤診を防ぐ
べく、ブレーキがオフからオンに切換えられる際にしば
らく失火判定を禁止するものが示されているが、この装
置は、上記ブレーキ倍力装置から吸気系へ吐き出される
エアに起因する不都合を解消できるものではない。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、ブレー
キ倍力装置から吸気系へのエアの吐き出しに起因する不
都合を回避できるエンジンの失火診断装置及び制御装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、吸気系にその吸気負圧を利用
するブレーキ倍力装置が接続されたエンジンの失火判断
を行うエンジンの失火診断装置において、エンジンの運
転状態が予め設定された失火判定条件を満たす場合に失
火発生と判定する失火判定手段と、ブレーキがオンから
オフに切換えられた場合にその切換時点から所定期間が
経過するまで上記失火判定手段による失火判定を規制す
る判定規制手段とを備えたものである。
【0012】なお、この装置において判定される「失
火」は、ブレーキがオンからオフに切換えられる際、す
なわちブレーキ倍力装置から吸気系にエアが吐き出され
る際に空燃比がリーンとなることに起因する一時的な失
火を含まず、実際にエンジンの運転状態に悪影響を及ぼ
す本質的な失火、すなわち故障とみなせる失火のみを指
すものとする。
【0013】この装置によれば、ブレーキがオンからオ
フに切換えられる場合、すなわちブレーキ倍力装置から
吸気系にエアが吐き出される場合、上記切換時点から所
定期間が経過するまで失火判定が規制されることによ
り、上記エアの気筒内への流入による空燃比のリーン化
に起因する一時的な失火が故障失火として判定されるこ
とが防がれる。
【0014】特に、上記吸気系に吸入空気量を検出する
吸入空気量検出手段が設けられるとともに、この吸入空
気量検出手段による検出個所よりも下流側の位置に上記
ブレーキ倍力装置が接続されている場合には、上記ブレ
ーキ倍力装置からのエアの吐き出しによるエア増量が吸
入空気量検出手段により全く検出されず、この吸入空気
量の検出に基づいての燃料噴射増量の制御はなされない
ので、この場合に本発明は特に有用なものとなる。
【0015】上記失火判定手段は、上記所定期間が経過
するまで失火判定条件を厳しくするもの(すなわち失火
判定がされにくくするもの)でもよいが、上記所定期間
が経過するまで失火判定を禁止するものであれば、誤診
をより確実に防止できる。
【0016】また、上記所定期間が経過する前であって
も、吸入空気量が多い場合には上記吐き出しエアが空燃
比に与える影響が小さいので、吸入空気量が一定値以下
の場合にのみ上記失火判定の規制をすることが、より好
ましい。
【0017】上記所定期間は、適宜設定が可能である
が、この期間をブレーキがオンからオフに切換えられる
ことにより上記ブレーキ倍力装置から吸気系へのエアの
吐き出しが行われる期間と略同等の期間にすれば、上記
誤診を確実に防止できる範囲で、失火判定不能な期間を
最小限に抑えることができる。
【0018】また本発明は、上記エンジンを制御するエ
ンジンの制御装置において、ブレーキがオンからオフに
切換えられた場合に一時的に空燃比をリッチ側に補正す
る操作を行う空燃比補正手段を備えたものである。
【0019】この装置によれば、ブレーキがオンからオ
フに切換えられる時、すなわちブレーキ倍力装置から吸
気系にエアが吐き出される時に、空燃比をリッチ側に補
正する操作が行われることにより、上記エアが気筒内に
流入することに起因する空燃比のリーン化が解消もしく
は緩和され、燃焼状態の不安定化が回避される。
【0020】この制御装置においても、上記吸気系に吸
入空気量を検出する吸入空気量検出手段が設けられると
ともに、この吸入空気量検出手段による検出個所よりも
下流側の位置に上記ブレーキ倍力装置が接続されている
場合には、上記ブレーキ倍力装置からのエアの吐き出し
によるエア増量が吸入空気量検出手段により全く検出さ
れず、この吸入空気量の検出に基づいての燃料噴射増量
の制御はなされないので、この場合に上記空燃比補正手
段による補正動作は特に有効となる。
【0021】上記空燃比補正手段としては、ブレーキが
オンからオフに切換えられた時に一時的に燃料噴射量を
増加させる燃料制御手段が好適である。この燃料噴射量
の増加により、空燃比が迅速にリッチ側に補正される。
【0022】この装置においても、吸入空気量が多い場
合には上記吐き出しエアが空燃比に与える影響が小さい
ので、吸入空気量が一定値以下の場合にのみ上記燃料噴
射量の増加をすることが、より好ましい。
【0023】上記空燃比補正手段に加え、予め設定され
た失火判定条件に基づいてエンジンに失火が発生してい
るか否かを判定する失火判定手段を備えれば、上記空燃
比のリーン化の解消もしくは緩和によって、当該リーン
化に起因する失火誤診断も防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
〜図3に基づいて説明する。
【0025】図1に示すエンジン本体10は、複数の気
筒を備え、各気筒にピストン12が収容されており、こ
のピストン12の上方に燃焼室14が形成されている。
この燃焼室14には吸気ポート15及び排気ポート16
が臨み、これら吸気ポート15及び排気ポート16がそ
れぞれ吸気弁17及び排気弁18によって開閉されるよ
うになっている。また、このエンジン本体10の適所に
は、クランク角センサ13と、エンジン水温τwを検出
する水温センサ19とが配設されている。
【0026】上記吸気ポート15には、吸気通路20が
接続されている。この吸気通路20には、その上流側か
ら順に、エアクリーナー21、エアフローセンサ(吸入
空気量検出手段)22、スロットル弁23、サージタン
ク24、及び吸気マニホールド25が設けられ、上記吸
気ポート15に向けてインジェクタ26が配されてい
る。上記スロットル弁23はバイパス通路27によって
バイパスされ、このバイパス通路27の途中にアイドル
回転数制御用のバイパス弁28が設けられている。ま
た、上記エアクリーナー21には吸気温センサ29が設
けられている。
【0027】上記排気ポート16には、排気通路30が
接続されている。この排気通路30には触媒コンバータ
31が設けられ、その上流側にO2センサ32が設けら
れている。
【0028】吸気系の適所(この実施の形態ではエアフ
ローセンサ22よりも下流側のサージタンク24)に
は、ブレーキ倍力装置34が接続されている。このブレ
ーキ倍力装置34は、ブレーキペダル36に連結されて
おり、このブレーキペダル36の踏み込み時に吸気負圧
と大気圧との差圧を利用してペダル踏力を補助するもの
であり、上記ブレーキペダル36が解放される(すなわ
ちブレーキがオンからオフに切換えられる)際には、大
気(エア)をサージタンク24内に吐き出して再び負圧
を貯め込む作用をなすものである。
【0029】また、上記ブレーキペダル36の近傍に
は、その踏み込みの有無(ブレーキのオンオフ)を検出
するブレーキスイッチ38が設けられている。
【0030】このエンジンには、マイクロコンピュータ
からなるECU(コントロールユニット)40が装備さ
れている。このECU40は、前記各センサの検出信号
に基づき、インジェクタ26からの燃料噴射制御、バイ
パス弁28の開閉制御等を行う他、エンジン本体10に
故障とみなせる失火が発生しているか否かを判定する役
割を担っており、これに関連する機能として、判定規制
手段41及び失火判定手段42を備えている。
【0031】失火判定手段42は、現在の運転状態が予
め設定された失火判定条件に適合する場合にのみ失火発
生と判定し、運転室内等に設けられた警告灯44を点灯
させるものである。判定規制手段41は、上記ブレーキ
スイッチ38がオンからオフに切換えられた場合、すな
わちブレーキがオンからオフに切換えられた場合に、原
則として、その切換時点から所定の判定禁止期間が経過
するまでは上記失火判定手段42による失火判定を禁止
するものであり、上記判定禁止期間は、上記ブレーキが
オンからオフに切換えられた時点から、これに伴うブレ
ーキ倍力装置34からサージタンク24へのエアの吐き
出しが終了する期間と略同等の期間に設定されている。
【0032】次に、このECU40により行われる具体
的な失火診断動作を、図2のフローチャート及び図3
(a)(b)のタイムチャートを併せて参照しながら説
明する。
【0033】まず、各種検出信号を取り込み(図2ステ
ップS1)、実際の運転状態が予め設定された失火モニ
タ条件に適合した時点(ステップS2でYES)から、
失火診断動作を開始する。
【0034】この装置の特徴として、ブレーキがオンか
らオフに切換えられた時点で(ステップS3でYE
S)、図3(a)に示すように、前記失火判定禁止期間
を計測するためのタイマーカウントTCを当該失火判定
禁止期間に相当するカウント値Aに設定し(図2のステ
ップS4)、それ以降は上記タイマーカウントTCを1
ずつ減らしていく(ステップS5)。そして、このタイ
マーカウントTCが0に到達せず(ステップS6でN
O)、しかも吸入空気量Qaが予め設定された値Bに満
たない場合には(ステップS7でYES)、ブレーキ倍
力装置34からエアが吐き出され、かつこのエアが空燃
比に与える影響が大きい(すなわち空燃比を著しくリー
ン化する)と判断でき、この空燃比のリーン化により一
時的に燃焼状態が不安定化していると予想されるため、
この期間は失火の判定を禁止する。
【0035】これに対し、上記タイマーカウントTCが
0に到達した場合(ステップS6でYES)、すなわ
ち、上記失火判定禁止期間が経過してブレーキ倍力装置
34からのエアの吐き出しが終了したとみなせる場合
や、吸入空気量Qaが上記値B以上の場合(ステップS
7でNO)、すなわち、仮にブレーキ倍力装置34から
エアの吐き出しがあっても、全体の吸入空気量Qaが多
いために空燃比に大きな影響が与えられないとみなせる
場合に、失火モニタを実行する。
【0036】なお、図3(b)に示すように、前記失火
判定禁止期間よりも短いピッチでブレーキが何度もオン
オフ操作される場合、すなわちポンピングブレーキが行
われている場合には、その期間、ブレーキ倍力装置34
から間欠的にエアが吐き出され続けるので、最後のブレ
ーキオン→オフの切換時から上記失火判定禁止期間経過
後に失火モニタを開始するようにすればよい。
【0037】上記失火モニタの具体的な動作としては、
図略の点火プラグによる点火が行われる度にそのカウン
ト数を積算し(点火数)、そのうち失火が生じたとみな
せる回数(失火数)もカウントする。本発明では、どの
ような場合に失火が起こったとみなすかは適宜設定すれ
ばよいが、例としては、クランク角センサ13から出力
される検出信号に基づき、クランク角速度の変動値(今
回のクランク回転のクランク角速度と前回のクランク回
転のクランク角速度との差)Δωを演算し、この変動値
Δωが予め設定された判定値Rfを上回る度に失火数を
カウントするといった手段が有効である。
【0038】そして、上記点火数が所定値Cに到達する
度に(ステップS10でYES)、それまでカウントし
た失火数と予め設定された許容値Dとを比較し、失火数
の方が多い場合には(ステップS11でYES)故障発
生(すなわち狭義の失火発生)と判定し(ステップS1
2)、失火数が許容値D以下の場合には(ステップS1
1でNO)、正常と判定する(ステップS13)。そし
て、このような判定を行う度に点火数及び失火数につい
てのカウント値を0にリセットし(ステップS14)、
次の失火判定に備える。
【0039】このような装置によれば、ブレーキがオン
からオフに切換えられた時点から所定の失火判定禁止期
間が経過するまでは、原則として失火判定を禁止するこ
とにより、ブレーキ倍力装置34から吐き出されるエア
に起因する一時的な失火を故障失火と判定する誤診を防
ぐことができ、常に適正な失火診断ができる。
【0040】しかも、この実施の形態では、上記失火判
定禁止期間中であっても、吸入空気量Qaが多い場合、
すなわち上記の吐き出しエアが空燃比にさほど影響を与
えない場合には、失火判定を禁止しないので、必要以上
の失火判定規制を防いでより適正な失火診断が可能とな
っている。
【0041】なお、本発明における「判定規制手段」
は、上記のように失火判定を完全に禁止するものに限ら
ず、ブレーキがオンからオフに切換えられてから所定期
間は失火と判定する条件を厳しくするものであってもよ
い。例えば、上記所定期間中は、上記クランク角速度変
動値Δωと比較される判定値を他の期間よりも大きくす
るものであってもよい。
【0042】また、上記失火判定禁止期間(もしくは失
火判定抑制期間)も、適宜設定すればよいが、この期間
を、上述のように、ブレーキ倍力装置34からのエアの
吐き出しが終了するまでの期間と略同等の期間に設定す
れば、上記吐き出しエアに起因する誤診を確実に防ぎな
がら、失火判定を抑制する期間を短期間に設定できる利
点がある。
【0043】次に、第2の実施の形態を図4及び図5を
参照しながら説明する。この実施の形態では、前記イン
ジェクタ26からの燃料噴射を制御する燃料制御手段4
3を用いて、上記吐き出しエアに起因する不安定な燃焼
状態を積極的に解消するようにしている。具体的に、上
記燃料制御手段43は、ブレーキスイッチ38がオンか
らオフに切換えられた場合、原則として、上記切換時点
から予め設定された空燃比補正期間が経過するまでは、
非同期で燃料を噴射させる(すなわち本来の燃料噴射時
期とは異なる時期に燃料を噴射させる)ように構成され
ている。
【0044】その具体的な制御動作を図5のフローチャ
ートに示す。同図において、ブレーキオンオフの判定
(ステップS3)及び吸入空気量Qaの確認(ステップ
S7)は前記第1の実施の形態と全く同様であるが、こ
の第2の実施の形態では、ブレーキがオンからオフに切
換えられた時点で(ステップS3でYES)吸入空気量
Qaが所定値Bに満たない場合には(ステップS7でY
ES)、上述の非同期燃料噴射が行われる(ステップS
ij)。このような燃料の臨時噴射により、前記ブレーキ
倍力装置34からのエア吐き出しに起因する空燃比のリ
ーン化が迅速に解消もしくは緩和され、不安定な燃焼状
態が長く続くことが防がれる。また、この実施の形態の
ように、上記空燃比制御と同時に失火診断も行う場合、
上記空燃比のリーン化に起因する誤診も防ぐことができ
る。
【0045】しかも、この実施の形態では、吸入空気量
Qaが多い場合、すなわち上記の吐き出しエアが空燃比
にさほど影響を与えない場合には、非同期燃料噴射を行
わないので、その分燃費を節約できる利点が得られる。
【0046】なお、本発明における「空燃比補正手段」
は、上記のように非同期で燃料を臨時噴射させるものに
限らず、例えば正規の燃料噴射時期における燃料噴射量
を増量するものでもよいし、図4に示したバイパス弁2
8を閉じて吸入空気量を一時的に低減させるものでもよ
い。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明は、吸気負圧を利用
するブレーキ倍力装置が接続されたエンジンの失火診断
装置において、ブレーキがオンからオフに切換えられた
場合、すなわちブレーキ倍力装置から吸気系にエアが吐
き出される場合に、その切換時点から所定期間が経過す
るまで失火判定を規制するようにしたものであるので、
上記エアの気筒内への流入による空燃比のリーン化に起
因する一時的な失火を故障失火として判定するのを防止
できる効果がある。
【0048】特に、上記所定期間が経過するまで失火判
定を禁止するものであれば、誤診をより確実に防止でき
る。
【0049】また、吸入空気量が一定値以下の場合にの
み上記失火判定の規制をするものによれば、上記誤診を
防ぎながら、失火判定が可能な運転領域を拡大できる効
果が得られる。
【0050】上記所定期間として、ブレーキがオンから
オフに切換えられることにより上記ブレーキ倍力装置か
ら吸気系へのエアの吐き出しが行われる期間と略同等の
期間を設定したものによれば、上記誤診を確実に防止で
きる範囲で、失火判定不能な期間を最小限に抑えること
ができる効果が得られる。
【0051】また本発明は、上記エンジンを制御するエ
ンジンの制御装置において、ブレーキがオンからオフに
切換えられた場合に一時的に空燃比をリッチ側に補正す
る操作を行う空燃比補正手段を備えたものであるので、
ブレーキ倍力装置から吸気系に吐き出されるエアが気筒
内に流入することに起因する空燃比のリーン化を迅速に
解消もしくは緩和し、燃焼状態の不安定化を回避できる
効果がある。
【0052】特に、ブレーキがオンからオフに切換えら
れた時に一時的に燃料噴射量を増加させるものによれ
ば、空燃比を迅速に補正できる効果が得られる。
【0053】また、吸入空気量が一定値以下の場合にの
み上記燃料噴射量の増加をするものによれば、真に空燃
比補正が必要な場合にのみ燃料噴射量増加を行うことに
よって燃費を節約できる効果が得られる。
【0054】また、上記空燃比補正に加え、予め設定さ
れた失火判定条件に基づいてエンジンに失火が発生して
いるか否かを判定するものによれば、上記空燃比のリー
ン化の解消もしくは緩和によって、当該リーン化に起因
する失火誤診断も防止できる効果が得られる。
【0055】そして、本発明にかかるエンジンの失火診
断装置及び制御装置は、上記吸気系に吸入空気量を検出
する吸入空気量検出手段が設けられるとともに、この吸
入空気量検出手段による検出個所よりも下流側の位置に
上記ブレーキ倍力装置が接続されている場合、すなわ
ち、ブレーキ倍力装置から吐き出されるエアによるエア
増量が上記吸入空気量検出手段で検出されない場合に、
特に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるエンジンの
全体構成図である。
【図2】上記エンジンにおいて行われる失火診断動作を
示すフローチャートである。
【図3】(a)(b)は上記失火診断動作における失火
判定禁止期間の設定例を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるエンジンの
全体構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態において行われる失
火診断動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン本体 20 吸気通路 26 インジェクタ 34 ブレーキ倍力装置 38 ブレーキスイッチ 40 ECU(コントロールユニット) 41 判定規制手段 42 失火判定手段 43 燃料制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 晋 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気系にその吸気負圧を利用するブレー
    キ倍力装置が接続されたエンジンの失火判断を行うエン
    ジンの失火診断装置において、エンジンの運転状態が予
    め設定された失火判定条件を満たす場合に失火発生と判
    定する失火判定手段と、ブレーキがオンからオフに切換
    えられた場合にその切換時点から所定期間が経過するま
    で上記失火判定手段による失火判定を規制する判定規制
    手段とを備えたことを特徴とするエンジンの失火診断装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの失火診断装置
    において、上記吸気系に吸入空気量を検出する吸入空気
    量検出手段が設けられるとともに、この吸入空気量検出
    手段による検出個所よりも下流側の位置に上記ブレーキ
    倍力装置が接続されていることを特徴とするエンジンの
    失火診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のエンジンの失火
    診断装置において、上記失火判定手段は上記所定期間が
    経過するまで上記失火判定手段による失火判定を禁止す
    るものであることを特徴とするエンジンの失火診断装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエンジ
    ンの失火診断装置において、上記失火判定手段は吸入空
    気量が一定値以下の場合にのみ上記失火判定の規制をす
    るものであることを特徴とするエンジンの失火診断装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のエンジ
    ンの失火診断装置において、上記所定期間はブレーキが
    オンからオフに切換えられることにより上記ブレーキ倍
    力装置から吸気系へのエアの吐き出しが行われる期間と
    略同等の期間であることを特徴とするエンジンの失火診
    断装置。
  6. 【請求項6】 吸気系にその吸気負圧を利用するブレー
    キ倍力装置が接続されたエンジンを制御するエンジンの
    制御装置において、ブレーキがオンからオフに切換えら
    れた場合に一時的に空燃比をリッチ側に補正する操作を
    行う空燃比補正手段を備えたことを特徴とするエンジン
    の制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のエンジンの制御装置にお
    いて、上記吸気系に吸入空気量を検出する吸入空気量検
    出手段が設けられるとともに、この吸入空気量検出手段
    による検出個所よりも下流側の位置に上記ブレーキ倍力
    装置が接続されていることを特徴とするエンジンの制御
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のエンジンの制御
    装置において、上記空燃比補正手段はブレーキがオンか
    らオフに切換えられた時に一時的に燃料噴射量を増加さ
    せる燃料制御手段であることを特徴とするエンジンの制
    御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のエンジンの制御装置にお
    いて、上記燃料制御手段は吸入空気量が一定値以下の場
    合にのみ上記燃料噴射量の増加をするものであることを
    特徴とするエンジンの制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載のエン
    ジンの制御装置において、予め設定された失火判定条件
    に基づいてエンジンに失火が発生しているか否かを判定
    する失火判定手段を備えたことを特徴とするエンジンの
    制御装置。
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