JPH10189012A - 燃料電池用の電極および発電層並びにその製造方法 - Google Patents

燃料電池用の電極および発電層並びにその製造方法

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JPH10189012A
JPH10189012A JP8355383A JP35538396A JPH10189012A JP H10189012 A JPH10189012 A JP H10189012A JP 8355383 A JP8355383 A JP 8355383A JP 35538396 A JP35538396 A JP 35538396A JP H10189012 A JPH10189012 A JP H10189012A
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forming
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なガス透過性と導電性を有する電極と電
解質膜との接合体を製造する。 【解決手段】 鉄により針状の造孔剤を形成すると共に
(S100)、これを触媒を担持したカーボン微粒子と
共に溶媒に分散させてペースト状のインクとし(S11
0)、シート状の電極形成部材を形成する(S12
0)。形成した電極形成部材はシート面に対して垂直な
方向の磁界を作用させた状態で乾燥させ(ステップS1
30)、乾燥させた電極形成部材を電解質膜の両面にホ
ットプレス法により接合し(S140)、得られた接合
体を希硫酸で煮沸して造孔剤を溶出させて(S15
0)、電極と電解質膜との接合体である発電層を完成す
る。発電層の電極には長手方向が表面に対して垂直な配
向性をもった複数の細孔が形成されるから、電極は十分
なガス透過性と導電性とを有するものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用の電極
および発電層並びにその製造方法に関し、詳しくは、燃
料電池に用いられる電極および燃料電池に用いられ電解
質膜とこれを挟持する2つの電極とを備える発電層並び
にこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池、例えば、固体高分子型燃料電
池では、電解質膜を挟んで対峙する2つの電極(酸素極
と燃料極)に、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有す
る酸化ガスとをそれぞれ供給することにより、次式
(1)および式(2)に示す反応が行なわれ、物質の持
つ化学エネルギを直接電気エネルギに変換する。
【0003】 カソード反応(酸素極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O …(1) アノード反応(燃料極):H2→2H++2e- …(2)
【0004】この反応を連続的にかつ円滑に行なうため
には、酸素極では生成する水を速やかに排除すると共に
酸化ガスを連続的に供給する必要があり、燃料極では生
成した水素イオンを水和により電解質膜中にスムーズに
拡散するための水と燃料ガスとを連続的に供給する必要
がある。このほか、接触抵抗を小さくし効率の良い燃料
電池とするために、電解質膜と両電極とを密着する必要
もある。
【0005】従来、こうした要求に応える燃料電池用の
電極の製造方法としては、亜鉛,アルミニウム,クロム
等の金属あるいはこれらの金属塩などの無機塩の粉末を
造孔剤として用いて触媒を担持したカーボンを混在する
シート状の電極部材を形成し、この形成した電極部材を
溶液に浸漬して内部の造孔剤を溶出させて除去すること
により内部に複数の細孔を有する電極を製造する方法が
提案されている(例えば、特開平6−36771号公報
や特開平6−203852号公報など)。
【0006】また、燃料電池用の発電層の製造方法とし
ては、上述の従来例の燃料電池用の電極の製造方法にお
ける電極部材を溶液に浸漬して電極部材内の造孔剤を溶
出させる工程の前に、電極部材と高分子電解質膜とを接
合して一体化させる方法が提案されている(例えば、特
開平6−203852号公報など)。このように高分子
電解質膜と接合した後に造孔剤を溶出することにより、
接合の際に電極の細孔がつぶれるのを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
造方法では、電極に十分なガスの透過性を確保しようと
すると、電極内に必要以上の空間を形成されて、燃料電
池の性能を低下させたり、電極を脆弱なものにしてしま
うといった問題があった。粒状の金属あるいは金属塩を
造孔剤として用いると、形成される細孔は、造孔剤の形
状である略球状の空孔を連通した形状となる。このた
め、細孔の径は、その長さ方向に大きく変化し、一定と
ならない。電極におけるガスの透過性は、電極に形成さ
れる細孔の径に依存するから、細孔の径が大きく変化す
る電極では、十分なガスの透過性を得ようとすると、そ
の内部に必要以上の空間を形成することになる。こうし
た必要以上の空間は、電極の導電面積を減少させてその
導電性を低下させると共に、電極を脆弱なものにする。
【0008】本発明の燃料電池用の電極およびその製造
方法は、こうした問題を解決し、十分なガス透過性と導
電性とを有する電極とその製造方法とを提供することを
目的の一つとする。また、本発明の燃料電池用の発電層
およびその製造方法は、電解質膜の性能を高く維持した
状態で十分なガス透過性と導電性とを有する電極を備え
る発電層とその製造方法とを提供することを目的の一つ
とする。
【0009】なお、出願人は、上述の目的の一部を達成
するために、本発明とは異なる発明として、水溶性の短
繊維を造孔剤として用いて電極部材を形成し、電極部材
を水に浸漬して内部の造孔剤を溶出させて除去すること
により十分なガス透過性と導電性とを有する電極を製造
する方法や、電極部材を水に浸漬して内部の造孔剤を溶
出させる前に、電極部材を電解質膜と接合して一体化す
ることにより十分なガス透過性と導電性とを有する2つ
の電極を有する発電層を製造する方法を提案している
(特開平8−180879号公報)。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の燃料電池用の電極や発電層およびこれらの製造方
法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以
下の手段を採った。
【0011】本発明の燃料電池用の電極は、触媒を担持
したカーボン粒子を混在し、長手方向に所定の配向性を
もった複数の細孔を有することを要旨とする。
【0012】この本発明の電極によれば、長手方向に所
定の配向性をもった細孔により所定の方向へのガスの透
過性をよくすることができる。こうした電極を用いるこ
とにより、燃料電池における電気化学反応を連続してス
ムーズに行わせることができる。
【0013】こうした本発明の電極において、前記細孔
は、長手方向を有する3次元構造の細孔であるものとす
ることもできる。こうすれば、長手方向へのガスの透過
性をよくすることができるだけでなく、長手方向とは異
なる方向へのガスの拡散性もよくすることができる。
【0014】また、本発明の電極において、長手方向に
配向性をもたない複数の細孔を更に有するものとするこ
ともできる。こうすれば、長手方向に配向性をもつ細孔
による長手方向へのガスの透過性をよくすることができ
るだけでなく、長手方向に配向性をもたない複数の細孔
により他の方向へのガスの拡散性もよくすることができ
る。
【0015】これらの本発明の電極において、前記所定
の配向性は、前記細孔の長手方向が電極の厚さ方向であ
るものとすることもできる。こうすれば、電極の厚さ方
向へのガスの透過性をよくすることができる。
【0016】本発明の燃料電池用の電極の製造方法は、
所定の場を作用させたとき長手方向が該所定の場に基づ
いて所定方向に配向する性質を有し所定の溶液に溶解可
能な材料により長手形状の造孔剤を形成する造孔剤形成
工程と、該形成された造孔剤と触媒を担持したカーボン
粒子とを所定の溶媒に分散させてインクを調整するイン
ク調整工程と、該調整されたインクによりシート状の電
極形成部材を形成する電極形成部材形成工程と、該形成
された電極形成部材に対して所定の角度をもって前記所
定の場を作用させる場作用工程と、該所定の場を作用さ
せた電極形成部材に含まれる溶媒を乾燥させる乾燥工程
と、該乾燥させた電極形成部材を前記所定の溶液に浸漬
して前記造孔剤を溶出させる溶出工程とを備えることを
要旨とする。
【0017】この本発明の電極の製造方法によれば、長
手方向に所定の配向性をもった複数の細孔を有する電極
を製造することができる。こうして製造された電極によ
れば、長手方向に所定の配向性をもった細孔により所定
の方向へのガスの透過性をよくすることができ、この電
極を用いることにより、燃料電池における電気化学反応
を連続してスムーズに行わせることができる。なお、
「所定の場」とは、所定方向の何らかの力を作用させる
ことができる場であり、所定方向の磁界を形成する磁場
や所定方向の電界を形成する電場あるいは所定方向の重
力場などが含まれる。造孔剤を形成する材料は、こうし
た「所定の場」が所定方向の磁界を形成する磁場のとき
には強磁性を示す材料であり、「所定の場」が所定方向
の電界を形成する電場のときには強誘電性を示す材料で
ある。
【0018】本発明の電極の製造方法において、前記場
作用工程と前記乾燥工程は、前記形成された電極形成部
材に所定の角度をもって前記所定の場を作用させた状態
で該電極形成部材に含まれる溶媒を乾燥させることによ
り同時に行う工程であるものとすることもできる。
【0019】また、本発明の電極の製造方法において、
前記造孔剤形成工程は、前記材料により長手方向を有す
る3次元構造の造孔剤を形成する工程であるものとする
こともできる。こうすれば、長手方向のガスの透過性に
優れているだけでなく、長手方向とは異なる方向への拡
散性にも優れた電極を製造することができる。
【0020】さらに、本発明の電極の製造方法におい
て、前記所定の溶液に溶解可能な材料により第2の造孔
剤を形成する第2造孔剤形成工程を備え、前記インク調
整工程は、前記造孔剤と前記第2の造孔剤と触媒を担持
したカーボン粒子とを所定の溶媒に分散させてインクを
調整する工程であるものとすることもできる。こうすれ
ば、長手方向のガスの透過性に優れているだけでなく、
長手方向とは異なる方向への拡散性にも優れた電極を製
造することができる。
【0021】本発明の燃料電池用の発電層は、電解質膜
と、該電解質膜を挟持する2つの電極とを備える燃料電
池用の発電層であって、前記電極は、触媒を担持した複
数のカーボン粒子を混在し、長手方向に所定の配向性を
もった複数の細孔を有することを要旨とする。
【0022】この本発明の発電層によれば、長手方向に
所定の配向性をもった細孔を有する電極により燃料ガス
や酸化ガスがスムーズに供給されるから、電気化学反応
を連続してスムーズに行なうことができる。
【0023】本発明の発電層において、前記細孔は、長
手方向を有する3次元構造の細孔であるものとすること
もできる。こうすれば、燃料ガスや酸化ガスの細孔の長
手方向への透過性がよくなるだけでなく、長手方向とは
異なる方向への拡散性もよくなるから、電極全体により
均一に燃料ガスや酸化ガスを供給することができ、電極
全体でより均一に電気化学反応を行うことができる。
【0024】また、本発明の発電層において、前記電極
は、更に、長手方向に配向性を持たない複数の細孔を有
するものとすることもできる。こうすれば、燃料ガスや
酸化ガスの細孔の長手方向への透過性がよくなるだけで
なく、長手方向とは異なる方向への拡散性もよくなるか
ら、電極全体により均一に燃料ガスや酸化ガスを供給す
ることができ、電極全体でより均一に電気化学反応を行
うことができる。
【0025】これら本発明の発電層において、前記所定
の配向性は、前記細孔の長手方向が電極の厚さ方向であ
るものとすることもできる。こうすれば、電極の厚さ方
向への燃料ガスや酸化ガスの透過性がよくなるから、電
気化学反応をよりスムーズに行うことができる。
【0026】本発明の燃料電池用の発電層の製造方法
は、所定の場を作用させたとき長手方向が該所定の場に
基づいて所定方向に配向する性質を有し所定の溶液に溶
解可能な材料により長手形状の造孔剤を形成する造孔剤
形成工程と、該形成された造孔剤と触媒を担持したカー
ボン粒子とを所定の溶媒に分散させてインクを調整する
インク調整工程と、該調整されたインクによりシート状
の電極形成部材を形成する電極形成部材形成工程と、該
形成された電極形成部材に対して所定の角度をもって前
記所定の場を作用させる場作用工程と、該所定の場を作
用させた電極形成部材に含まれる溶媒を乾燥させる乾燥
工程と、該乾燥させた電極形成部材を電解質膜の両面に
接合して発電層形成部材を形成する発電層形成部材形成
工程と、該形成された発電層形成部材を前記所定の溶液
に浸漬して該発電層形成部材の前記電極形成部材から前
記造孔剤を溶出させる溶出工程とを備えることを要旨と
する。
【0027】この本発明の発電層の製造方法によれば、
長手方向に所定の配向性をもった複数の細孔を有する電
極を備える発電層を製造することができる。こうして製
造された発電層によれば、長手方向に所定の配向性をも
った細孔を有する電極により燃料ガスや酸化ガスがスム
ーズに供給されるから、電気化学反応を連続してスムー
ズに行なうことができる。なお、「所定の場」とは、所
定方向の何らかの力を作用させることができる場であ
り、所定方向の磁界を形成する磁場や所定方向の電界を
形成する電場あるいは所定方向の重力場などが含まれ
る。造孔剤を形成する材料は、こうした「所定の場」が
所定方向の磁界を形成する磁場のときには強磁性を示す
材料であり、「所定の場」が所定方向の電界を形成する
電場のときには強誘電性を示す材料である。
【0028】こうした本発明の発電層の製造方法におい
て、前記場作用工程と前記乾燥工程は、前記形成された
電極形成部材に所定の角度をもって前記所定の場を作用
させた状態で該電極形成部材に含まれる溶媒を乾燥させ
ることにより同時に行う工程であるものとすることもで
きる。
【0029】また、本発明の発電層の製造方法におい
て、前記造孔剤形成工程は、前記材料により長手方向を
有する3次元構造の造孔剤を形成する工程であるものと
することもできる。こうすれば、長手方向への燃料ガス
や酸化ガスの透過性に優れているだけでなく、長手方向
とは異なる方向への燃料ガスや酸化ガスの拡散性にも優
れた電極を備える発電層を製造することができる。
【0030】あるいは、本発明の発電層の製造方法にお
いて、前記所定の溶液に溶解可能な材料により第2の造
孔剤を形成する第2造孔剤形成工程を備え、前記インク
調整工程は、前記造孔剤と前記第2の造孔剤と触媒を担
持したカーボン粒子とを所定の溶媒に分散させてインク
を調整する工程であるものとすることもできる。こうす
れば、長手方向への燃料ガスや酸化ガスの透過性に優れ
ているだけでなく、長手方向とは異なる方向への燃料ガ
スや酸化ガスの拡散性にも優れた電極を備える発電層を
製造することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図1は本発明の好適な一実施例で
ある電解質膜12と触媒電極14との接合体である発電
層15の製造の様子を例示する工程図であり、図2は図
1の工程により製造される発電層15の構造の概略を例
示する模式図である。まず、図1の工程図に基づき発電
層15の製造の様子について説明する。
【0032】実施例の発電層15の製造は、まず、鉄に
より半径0.1μm,長さ1μmの針状の造孔剤Fを形
成し(工程S100)、形成した造孔剤Fを、造孔剤F
1gに対して、触媒Pとしての白金あるいは白金と他の
金属との合金の微粒子(平均粒径約1nm)を20wt
%担持した触媒担持カーボンCを1g、5wt%パーフ
ルオロカーボンスルホン酸溶液(例えば、アルドリッチ
ケミカル社製のナフィオンソリューション)を10m
l、シクロヘキサノールの10mlの割合で混合し、超
音波を照射して造孔剤Fおよび触媒担持カーボンCを均
一に分散させてペースト状のインクを調整する(工程S
110)。なお、超音波の照射による分散は、実施例で
は市販されている超音波洗浄機を用いて周波数30kH
zないし50kHzの超音波を照射することによって行
なった。
【0033】続いて、このペースト状のインクをドクタ
ーブレード式の印刷装置を用いてテフロンシート上に厚
さ30μmないし500μm好ましくは80μmないし
300μmに調整して印刷することによりシート状の電
極形成部材17を形成し(工程S120)、形成した電
極形成部材17をそのシート面に略垂直な方向の磁界を
作用させた状態で40℃ないし100℃好ましくは60
℃ないし80℃の温度で真空乾燥することにより、その
厚さが1μmないし100μm好ましくは3μmないし
10μmになるまで電極形成部材17中の溶媒を乾燥さ
せる(工程S130)。このように磁界を電極形成部材
17に作用させると、電極形成部材17中の造孔剤Fが
強磁性の鉄により形成されていることから、その長手方
向が磁界の方向となるように配向する。この様子を図3
に示す。図3(a)は磁場を作用させる前の電極形成部
材17内の造孔剤Fの状態を模式的に示す説明図、図3
(b)は磁場を作用させているときの電極形成部材17
内の造孔剤Fの状態を模式的に示す説明図、図3(c)
は磁場を作用させた状態で溶媒を乾燥させた後の電極形
成部材17内の造孔剤Fの状態を模式的に示す説明図で
ある。造孔剤Fは、磁界を作用させる前は、図3(a)
に示すように配向性を示さないが、磁界を作用させる
と、図3(b)に示すようにその磁化作用により長手方
向が磁力線の方向を向くようになる。したがって、シー
ト面に略垂直な方向の磁界を作用させた状態で電極形成
部材17を乾燥させれば、図3(c)に示すように造孔
剤Fの長手方向がシート面に略垂直な方向の配向性をも
った乾燥した電極形成部材17とすることができる。な
お、実施例では、作用させる磁場としては、単位面積当
たりの磁界の強さが100[A/m]ないし1000
[A/m]の磁界を作用させた。なお、磁界の強さは、
造孔剤Fと触媒担持カーボンCとにより調整されたイン
クの粘度や造孔剤Fの材質によって定まるものであり、
上述の範囲に限られるものでないことはいうまでもな
い。
【0034】次に、予め希硫酸,過酸化水素水およびイ
オン交換水で順次煮沸洗浄を行って得られた厚さ10μ
mないし200μm好ましくは30μmないし100μ
mの電解質膜12(例えば、デュポン社製商品名「ナフ
ィオン」として販売されているパーフルオロカーボンス
ルホン酸高分子膜など)を乾燥させた電極形成部材17
により印刷面を内側として挟み、サンドイッチ構造とし
た状態で100℃ないし160℃好ましくは110℃な
いし130℃の温度で1MPaないし20MPa好まし
くは5MPaないし15MPaの圧力を作用させて接合
するホットプレス法によって電解質膜12と電極形成部
材17とを接合する(工程S140)。
【0035】こうして得られた電解質膜12と電極形成
部材17との接合体からテフロンシートを剥がして造孔
剤Fを溶解可能な酸に浸漬して電極形成部材17から造
孔剤Fを溶出させ(工程S150)、洗浄,乾燥して、
図2に示すような面に対して略垂直な配向性をもった複
数の細孔Sを有する2つの触媒電極14と電解質膜12
との接合体である発電層15を完成する。なお、実施例
では、造孔剤Fを溶解可能な酸としては1規定の希硫酸
を用い、この希硫酸による煮沸洗浄とイオン交換水によ
る煮沸洗浄を2回ないし5回程度繰り返すことにより電
極形成部材17から造孔剤Fを完全に溶出させた。
【0036】次に、こうして製造された発電層15を用
いた燃料電池10について説明する。図4は実施例の発
電層15を備える燃料電池10の構成を例示する模式図
である。図示するように、燃料電池10は、前述の製造
方法により製造された電解質膜12と2つの触媒電極1
4との接合体である発電層15と、この発電層15を挟
持する2つのガス拡散電極16と、発電層15と共にガ
ス拡散電極16をも挟持する集電極20とからなる。
【0037】2つのガス拡散電極16は、表面をポリ四
フッ化エチレンでコーティングした炭素繊維と何等処理
されていない炭素繊維とを1対1の割合とした糸で織成
したカーボンクロスにより形成されている。このガス拡
散電極16は、炭素繊維にコーティングされたポリ四フ
ッ化エチレンが撥水性を呈することから、ガス拡散電極
16の表面全体が水で覆われてることがなく、良好なガ
ス透過性を有する。
【0038】集電極20は、カーボンを圧縮して緻密化
しガス不透過とした緻密質カーボンにより形成されてお
り、集電極20のガス拡散電極16と接触する面には、
平行に配置された複数のリブ22が形成されている。こ
のリブ22は、ガス拡散電極16とで酸素を含有する酸
化ガス(例えば、空気等)または水素を含有する燃料ガ
ス(例えば、メタノール改質ガス等)の流路24を形成
する。
【0039】こうして構成された燃料電池10の発電層
15と2つのガス拡散電極16とを挟んで対峙する集電
極20とガス拡散電極16とにより形成される流路24
に、水素を含有する燃料ガスおよび酸素を含有する酸化
ガスを供給すれば、電解質膜12を挟んで対峙する2つ
の触媒電極14に燃料ガスおよび酸化ガスが供給され
て、前述の反応式(1)および式(2)に示す電気化学
反応が行なわれ、化学エネルギが直接電気エネルギに変
換される。
【0040】次に、こうして構成された燃料電池10の
性能について従来例の燃料電池と比較して説明する。図
5は、実施例の燃料電池10と従来例の燃料電池とにお
ける電流密度と電圧との関係を例示したグラフであり、
図6は従来例の燃料電池の触媒電極の構造を例示する模
式図である。図5のグラフ中、曲線Aは実施例の発電層
15を備える燃料電池10における電流密度と電圧との
関係を示し、曲線Cは金属塩の粒状の造孔剤Zを用いて
細孔SCを形成した触媒電極14Cと電解質膜12Cと
を接合してなる発電層15C(図6の模式図を参照)を
備える燃料電池(従来例の燃料電池)における電流密度
と電圧との関係を示す。なお、図中曲線Bについては後
述する。
【0041】従来例の燃料電池が備える発電層15Cの
触媒電極14Cは、1gの触媒担持カーボンCに対して
500mgの平均粒径1μmの炭酸カルシウムの粉末を
混合して電極形成部材を形成し、この電極形成部材と実
施例の電解質膜12と同一の電解質膜12Cとを実施例
の接合条件と同一の条件で接合し、その後、電極形成部
材中の炭酸カルシウムを強酸性水溶液により溶出して形
成したものである。触媒電極14Cは、粒状の炭酸カル
シウムを造孔剤として用いるから、形成される細孔SC
は、図6に示すように、平均径1μmの略球形の空孔を
小さな径の連通孔で連通したものとなる。触媒電極にお
けるガスの透過性は細孔の径に依存するから、従来例の
触媒電極14Cでは、空孔を連絡する連通孔の径に依存
することになり、十分なガス透過性を確保しようとする
と、その内部に必要以上の空間が形成されてしまう。こ
の結果、触媒電極14Cは、導電面積が小さくなって導
電率が低下すると共に脆弱なものとなる。
【0042】一方、実施例の燃料電池10が備える触媒
電極14の細孔Sは、磁界を作用させることにより表面
に対して略垂直に配向された半径0.1μm,長さ1μ
mの針状の造孔剤Fによるものであるから、半径が約
0.1μm,長さが1μmで表面に対して略垂直なもの
となり、ガスの透過に対し必要以上の空間が形成される
ものではない。このことは、細孔Sが触媒電極14にお
けるガスの透過に対してその機能を十分果たすことを意
味する。これらのことから、実施例の燃料電池10の性
能を従来例の燃料電池と比較すると、図5に示すよう
に、実施例の燃料電池10は、ガス透過性の影響が大き
くなる高電流密度領域で従来例の燃料電池に比して著し
い性能の向上が認められる。
【0043】なお、実施例の燃料電池10が従来例の燃
料電池に比して良好な性能を示すのは、燃料電池10が
備える発電層15の性能の差、即ち触媒電極14の性能
の差に基づくのは言うまでもない。
【0044】以上説明した実施例の発電層15の製造方
法によれば、表面に対して略垂直な配向性をもった複数
の細孔を有する触媒電極14と電解質膜12との接合体
である発電層15を製造することができる。
【0045】こうして製造された発電層15によれば、
触媒電極14が表面に対して略垂直な配向性をもった複
数の細孔を有することにより、より良好なガス透過性と
導電性とを示すから、発電層15の性能をより高くする
ことができる。また、こうして製造された発電層15を
燃料電池に用いることにより、より性能のよい燃料電池
とすることができる。
【0046】実施例の発電層15の製造方法では、鉄に
より半径0.1μm,長さ1μmの針状に形成された造
孔剤Fを用いたが、長手方向を有する3次元的な構造の
造孔剤を用いるものとしてもよい。例えば、平均粒径
0.1μmの鉄粉末を焼成,粉砕して鉄粉末粒子が5個
ないし200個程度、大きさでは0.5μmないし5μ
m程度に3次元構造に形成された造孔剤を用いるものと
してもよい。こうした3次元構造の造孔剤を用いて電極
形成部材を形成し、これをシート面と略垂直な方向の磁
界を作用させることにより、造孔剤はその長手方向がシ
ート面と略垂直な方向に揃う。したがって、この3次元
構造の造孔剤を用いて実施例の発電層15と同様に発電
層を製造すれば、長手方向が表面に略垂直な配向性をも
つ3次元構造の複数の細孔を有する触媒電極と電解質膜
との接合体である発電層を得ることができる。こうして
得られる変形例の発電層の模式図を図7に示す。図示す
るように、この変形例の発電層は、長手方向が表面に略
垂直な配向性をもった細孔SBを有する触媒電極14B
を備えることにより、実施例の発電層15と同様の効果
を奏することができ、更に、触媒電極14Bの細孔SB
が3次元的に連通していることから、長手方向とは異な
る方向へのガスの拡散性をも有するものとすることがで
きる。この変形例の発電層を用いた燃料電池の電流密度
と電圧との関係を図5の曲線Bとして示す。図示するよ
うに、変形例の発電層を用いた燃料電池は、ガス透過性
の影響が大きくなる高電流密度領域で、従来例の燃料電
池との比較においてはもとより、実施例の燃料電池10
に比しても性能の向上が認められる。
【0047】このように、長手方向が触媒電極の表面に
略垂直な配向性をもち、かつ長手方向とは異なる方向に
も連通する細孔を有する触媒電極を得るためには、変形
例の3次元構造の造孔剤FBを用いる手法の他、実施例
の針状の造孔剤Fと常磁性で造孔剤Fと同一の溶液に溶
解可能な材料により球状,針状,3次元構造,その他の
形状に形成された造孔剤とを混ぜて用いるものとしても
よい。実施例の針状の造孔剤Fと鉄により球状に形成さ
れた造孔剤F2とを混ぜて用いることによって、表面に
対して略垂直な配向性をもつと共にこの方向とは異なる
方向にも連通する複数の細孔SDを有する触媒電極14
Dと電解質膜12Dとの接合体である変形例の発電層の
構成の概略を示す模式図を図8に示す。
【0048】また、実施例の発電層15や変形例の発電
層の製造方法では、ペースト状に調整したインクをドク
ターブレード式の印刷装置を用いてテフロンシート上に
印刷することによりシート状の電極形成部材17を形成
したが、電解質膜12へスクリーン印刷などにより直接
印刷して形成するものとしたり、テフロンシート上にあ
るいは電解質膜12上にスプレーにより吹き付けて形成
するものなど、種々の方法で形成してもよい。
【0049】実施例の発電層15や変形例の発電層が備
える触媒電極では、長手方向が表面に対して略垂直な配
向性をもった細孔を有するが、この角度に限られるもの
ではなく、例えば、ガスを透過させたい方向が表面から
所定の角度をもっているときには、長手方向が表面に対
して所定の角度となる配向性をもった細孔を有するもの
としてもよい。こうした触媒電極を備える発電層を製造
するには、図1の製造工程の工程S130に代えて、シ
ート面に対して所定の角度の方向の磁界を作用させた状
態で電極形成部材17を乾燥させればよい。
【0050】実施例の発電層15や変形例の発電層の製
造方法では、電極形成部材17を磁界を作用させた状態
で乾燥させたが、電極形成部材17に磁界を作用させて
造孔剤Fの長手方向に配向性をもたせ、その後に磁界を
作用させずに電極形成部材17を乾燥させる2段階の工
程としてもよい。
【0051】実施例の発電層15や変形例の発電層の製
造方法では、造孔剤を形成する材料として鉄を用いた
が、電解質膜12に影響を与えることがない溶液により
溶解可能な強磁性材料であれば如何なるものでもよいか
ら、例えば、鉄と他の金属との合金,コバルトやニッケ
ルあるいはこれらと他の金属との合金などを用いてもよ
い。
【0052】また、実施例の発電層15や変形例の発電
層の製造方法では、強磁性材料により長手形状の造孔剤
Fを形成し、電界を作用させることにより電極形成部材
17中の造孔剤Fの長手方向に配向性をもたせたが、所
定の場を作用させたとき長手方向が所定の場に基づいて
所定方向に配向する性質を有し所定の溶液に溶解可能な
材料により長手形状の造孔剤を形成し、所定の場に電極
形成部材をおくことにより電極形成部材中の造孔剤の長
手方向に配向性をもたせるものとしてもよい。例えば、
強誘電性材料により長手形状の造孔剤を形成し、電界を
作用させることにより電極形成部材中の造孔剤の長手方
向に配向性をもたせるものとしてもよい。また、長手方
向に密度分布を有するよう造孔剤を形成し、電極形成部
材を所定の重力場(例えば遠心回転機などにより与えら
れる重力場)に置くことにより電極形成部材中の造孔剤
の長手方向に配向性をもたせるものとしてもよい。
【0053】以上、長手方向が表面に対して略垂直な配
向性をもった複数の細孔を有する触媒電極14と電解質
膜12との接合体である発電層15やその変形例の発電
層を製造する方法について説明したが、この発電層15
や変形例の発電層の製造工程のうち電解質膜12と電極
形成部材17との接合の工程(図1の工程S140)を
除くことにより、長手方向が表面に対して略垂直な配向
性をもった複数の細孔を有する触媒電極14を製造する
方法や、変形例の発電層が備える触媒電極を製造する方
法とすることができる。こうした触媒電極14の製造方
法や変形例の発電層が備える触媒電極の製造方法につい
てのこれ以上の説明は重複するから省略する。こうした
触媒電極14の製造方法や変形例の発電層が備える触媒
電極の製造方法によれば、長手方向が表面に対して略垂
直な配向性をもった複数の細孔や、更に長手方向とは異
なる方向に連通する細孔を有することにより、その長手
方向に対する十分なガス透過性を有すると共に導電性と
を備える触媒電極14や更にその長手方向とは異なる方
向へのガスの拡散性を有する触媒電極を得ることができ
る。したがって、この触媒電極14や変形例の触媒電極
を用いることにより、より性能のよい発電層を形成する
ことができると共に、より性能のよい燃料電池を構成す
ることができる。
【0054】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である電解質膜12と
触媒電極14との接合体である発電層15の製造の様子
を例示する工程図である。
【図2】図1の工程により製造された発電層15の構造
の概略を例示する模式図である。
【図3】電極形成部材17中の造孔剤Fが配向される様
子を説明する説明図である。
【図4】実施例の発電層15を備える燃料電池10の構
成を例示する模式図である。
【図5】実施例の発電層15を備える燃料電池10と変
形例の発電層を備える燃料電池と従来例の燃料電池とに
おける電流密度と電圧との関係を例示したグラフであ
る。
【図6】従来例の燃料電池の発電層15Cの構造の概略
を拡大して示す模式図である。
【図7】変形例の発電層の構造の概略を例示する模式図
である。
【図8】変形例の発電層の構造の概略を例示する模式図
である。
【符号の説明】
10…燃料電池 12…電解質膜 14…触媒電極 15…発電層 16…ガス拡散電極 17…電極形成部材 20…集電極 22…リブ 24…流路 C…触媒担持カーボン F…造孔剤 P…触媒 S…細孔

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池用の電極であって、 触媒を担持したカーボン粒子を混在し、長手方向に所定
    の配向性をもった複数の細孔を有する電極。
  2. 【請求項2】 前記細孔は、長手方向を有する3次元構
    造の細孔である請求項1記載の電極。
  3. 【請求項3】 長手方向に配向性をもたない複数の細孔
    を更に有する請求項1記載の電極。
  4. 【請求項4】 前記所定の配向性は、前記細孔の長手方
    向が電極の厚さ方向である請求項1ないし3いずれか記
    載の電極。
  5. 【請求項5】 燃料電池用の電極の製造方法であって、 所定の場を作用させたとき長手方向が該所定の場に基づ
    いて所定方向に配向する性質を有し所定の溶液に溶解可
    能な材料により長手形状の造孔剤を形成する造孔剤形成
    工程と、 該形成された造孔剤と触媒を担持したカーボン粒子とを
    所定の溶媒に分散させてインクを調整するインク調整工
    程と、 該調整されたインクによりシート状の電極形成部材を形
    成する電極形成部材形成工程と、 該形成された電極形成部材に対して所定の角度をもって
    前記所定の場を作用させる場作用工程と、 該所定の場を作用させた電極形成部材に含まれる溶媒を
    乾燥させる乾燥工程と、 該乾燥させた電極形成部材を前記所定の溶液に浸漬して
    前記造孔剤を溶出させる溶出工程とを備える電極の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記場作用工程と前記乾燥工程は、前記
    形成された電極形成部材に所定の角度をもって前記所定
    の場を作用させた状態で該電極形成部材に含まれる溶媒
    を乾燥させることにより同時に行う工程である請求項5
    記載の電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の電極の製造方法
    であって、 前記所定の場は所定方向の磁界を形成する磁場であり、 前記性質は強磁性である電極の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載の電極の製造方法
    であって、 前記所定の場は所定方向の電界を形成する電場であり、 前記性質は強誘電性である電極の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記造孔剤形成工程は、前記材料により
    長手方向を有する3次元構造の造孔剤を形成する工程で
    ある請求項5ないし8いずれか記載の電極の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5ないし8いずれか記載の電極
    の製造方法であって、 前記所定の溶液に溶解可能な材料により第2の造孔剤を
    形成する第2造孔剤形成工程を備え、 前記インク調整工程は、前記造孔剤と前記第2の造孔剤
    と触媒を担持したカーボン粒子とを所定の溶媒に分散さ
    せてインクを調整する工程である電極の製造方法。
  11. 【請求項11】 電解質膜と、該電解質膜を挟持する2
    つの電極とを備える燃料電池用の発電層であって、 前記電極は、触媒を担持した複数のカーボン粒子を混在
    し、長手方向に所定の配向性をもった複数の細孔を有す
    る発電層。
  12. 【請求項12】 前記電極の細孔は、長手方向を有する
    3次元構造の細孔である請求項11記載の発電層。
  13. 【請求項13】 前記電極は、更に、長手方向に配向性
    をもたない複数の細孔を有する請求項11記載の発電
    層。
  14. 【請求項14】 前記所定の配向性は、前記細孔の長手
    方向が電極の厚さ方向である請求項11ないし13いず
    れか記載の発電層。
  15. 【請求項15】 燃料電池用の発電層の製造方法であっ
    て、 所定の場を作用させたとき長手方向が該所定の場に基づ
    いて所定方向に配向する性質を有し所定の溶液に溶解可
    能な材料により長手形状の造孔剤を形成する造孔剤形成
    工程と、 該形成された造孔剤と触媒を担持したカーボン粒子とを
    所定の溶媒に分散させてインクを調整するインク調整工
    程と、 該調整されたインクによりシート状の電極形成部材を形
    成する電極形成部材形成工程と、 該形成された電極形成部材に対して所定の角度をもって
    前記所定の場を作用させる場作用工程と、 該所定の場を作用させた電極形成部材に含まれる溶媒を
    乾燥させる乾燥工程と、 該乾燥させた電極形成部材を電解質膜の両面に接合して
    発電層形成部材を形成する発電層形成部材形成工程と、 該形成された発電層形成部材を前記所定の溶液に浸漬し
    て該発電層形成部材の前記電極形成部材から前記造孔剤
    を溶出させる溶出工程とを備える発電層の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記場作用工程と前記乾燥工程は、前
    記形成された電極形成部材に所定の角度をもって前記所
    定の場を作用させた状態で該電極形成部材に含まれる溶
    媒を乾燥させることにより同時に行う工程である請求項
    15記載の発電層の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項15または16記載の発電層の
    製造方法であって、 前記所定の場は所定方向の磁界を形成する磁場であり、 前記性質は強磁性である発電層の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項15または16記載の発電層の
    製造方法であって、 前記所定の場は所定方向の電界を形成する電場であり、 前記性質は強誘電性である発電層の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記造孔剤形成工程は、前記材料によ
    り長手方向を有する3次元構造の造孔剤を形成する工程
    である請求項15ないし18いずれか記載の発電層の製
    造方法。
  20. 【請求項20】 請求項15ないし18いずれか記載の
    電極の製造方法であって、 前記所定の溶液に溶解可能な材料により第2の造孔剤を
    形成する第2造孔剤形成工程を備え、 前記インク調整工程は、前記造孔剤と前記第2の造孔剤
    と触媒を担持したカーボン粒子とを所定の溶媒に分散さ
    せてインクを調整する工程である発電層の製造方法。
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