JPH10188900A - 蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents

蛍光ランプおよび照明装置

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JPH10188900A
JPH10188900A JP28365997A JP28365997A JPH10188900A JP H10188900 A JPH10188900 A JP H10188900A JP 28365997 A JP28365997 A JP 28365997A JP 28365997 A JP28365997 A JP 28365997A JP H10188900 A JPH10188900 A JP H10188900A
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JP
Japan
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fluorescent lamp
metal oxide
oxide fine
wavelength
fine particles
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JP28365997A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Tamura
暢宏 田村
Mitsuru Shiozaki
満 塩崎
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属酸化物微粒子を蛍光体粒子の間に介在させ
る手法を用いて光束維持率を改善した蛍光ランプおよび
これを用いた照明装置を提供する。 【解決手段】波長254nmの紫外線に対する反射率が
70%以上で、かつ波長185nm以下の紫外線に対し
て優れた吸収率を有する金属酸化物微粒子を蛍光体粒子
の間に介在させた。そうして、蛍光体を励起して可視光
を発生させるのに貢献する波長254nmの紫外線に対
しては金属酸化物微粒子はこれを乱反射して蛍光体粒子
に入射させて初期光束を増加させるとともに、波長18
5nm以下の紫外線に対してはこれを吸収するから、蛍
光体の劣化を防止し、光束維持率を改善する。また、異
なる構成としては波長254nm〜800nmにおける
硫酸バリウムの分光反射率を100%としたときの分光
反射率が80%以上の金属酸化物微粒子を蛍光体粒子の
間に介在させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体層の蛍光体
粒子の間に金属酸化物微粒子が介在する蛍光ランプに関
する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプなどの低圧水銀蒸気放電ラン
プにおいては、低圧水銀蒸気放電により、主として波長
254nmの紫外線が発生する。蛍光ランプでは、この
紫外線が蛍光体を励起して所望波長の光を発生するので
あるが、波長185nm以下の短波長の紫外線も同時に
いくらか発生する。この短波長の紫外線は可視光発生に
対しては殆ど貢献しないにもかかわらず、逆に蛍光体を
劣化させる作用があり、これが蛍光ランプの光束維持率
を低下させる要因の一つになっている。特に管壁負荷が
大きくなるにしたがって、短波長の紫外線の発生割合が
増加し、その影響を無視し得なくなる。
【0003】一方、蛍光体粒子の間に金属酸化物微粒子
を介在させた蛍光ランプは、従来から知られている。
【0004】しかし、従来の金属酸化物微粒子介在の目
的は、特公平3−31310号公報においては、α−ア
ルミナの微粒子を含有させることにより、始動性を改善
することにある。また、特公平3−70341号公報に
おいては、蛍光体とガラスとの反応を抑えてガラスバル
ブを強化することを目的としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属酸化物微粒
子を蛍光体粒子の間に介在させる手法は構造が簡単であ
るから、比較的安価に提供することができるが、光束維
持率を向上することはできなかった。
【0006】本発明者は、金属酸化物微粒子を蛍光体粒
子の間に介在させる手法を用いて光束維持率を改善する
ことを着想し、種々研究の結果、本発明を完成するに至
った。
【0007】すなわち、本発明は、金属酸化物微粒子を
用いて光束維持率を改善した蛍光ランプおよびこれを用
いた照明装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の蛍光ラ
ンプは、気密な透光性ガラス容器と;蛍光体粒子が集合
して構成され透光性ガラス容器の内面側に形成された蛍
光体層と;波長254nmの紫外線に対する反射率が7
0%以上で、かつ波長185nm以下の紫外線に対して
優れた吸収率を有していて蛍光体粒子の間に介在してい
る金属酸化物微粒子と;透光性ガラス容器内に封入され
た水銀および希ガスを含む放電媒体と;透光性ガラス容
器内に放電を生起するように配設された放電生起手段
と;を具備していることを特徴としている。
【0009】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0010】透光性ガラス容器は、形状、サイズは自由
であり、たとえば管形、板形などであることを許容し、
また管形であっても直管状、円管状、半円状、スパイラ
ル状、鞍形状、W字状、U字状またはH字状のものの一
対をブリッジ部を介して立体的に接続した2U状、同様
に3個を円周上に配列した3U状などであってもよい。
また、ガラスは、材質を問わない。通常はその経済性
から軟質ガラスが用いられるが、所要により硬質ガラ
ス、石英ガラスなど他のガラスを使用することができ
る。軟質ガラスとしては、ソーダライムガラス、ホウ珪
酸ガラスなどを用いることができる。
【0011】蛍光体層は、透光性ガラス容器の内面に直
接形成してもよいが、必要に応じて内面導電膜、保護膜
などを介して形成してもよい。すなわち、透光性ガラス
容器の内面に内面導電膜などの膜を形成し、次にその膜
の上に蛍光体層を形成してもよい。
【0012】また、使用する蛍光体は、特定の組成のも
のに限定されるものではなく、たとえばハロ燐酸蛍光体
や3波長発光形蛍光体など任意所望の蛍光体を用いるこ
とができる。蛍光体の平均粒径は1.0〜5.0μmの
ものが多い。
【0013】なお、蛍光体粒子の平均粒径はレーザー回
折を利用した粒度分布測定器を用いて測定することがで
きるものとする。
【0014】金属酸化物微粒子は、波長254nmの紫
外線に対する反射率が70%以上望ましくは90%以上
であって、しかも波長185nm以下好ましくは100
〜185nmの紫外線に対して優れた吸収率を有するも
のであれば、どのような材質であってもよい。波長25
4nmの紫外線に対する反射率が70%未満であると、
波長254nmの紫外線吸収よって可視光が金属酸化物
微粒子を含まない蛍光ランプより減少するので、不可で
ある。
【0015】上記の優れた吸収率とは、金属酸化物微粒
子へ入射した波長185nm以下の紫外線の過半数望ま
しくは60%以上、最適には80%以上を吸収するよう
な特性を有していることを意味する。なお、吸収率は、
反射率を測定し、100%から反射率を差し引くことに
より求めることができる。
【0016】また、微粒子とは、蛍光体粒子に対する相
対値において平均粒径が十分小さければよく、たとえば
1/5以下好ましくは1/7以下より好ましくは1/1
0以下である。絶対値でいうと平均粒径が0.01〜
0.1μmであることが好ましい。
【0017】なお、金属微粒子の粒径は、電子顕微鏡に
よる測定で求めることができるものとする。
【0018】金属酸化物微粒子の平均粒径があまり大き
くなると、蛍光体粒子からの可視光も乱反射する割合が
多くなり、その結果可視光が減少する。
【0019】さらに、材質は具体的にはたとえばアルミ
ニウム、イットリウム、マグネシウム、セリウムおよび
ランタンからなるグループの中から選ばれた一種または
複数種の酸化物である。
【0020】しかし、上記グループの材料は、全てが一
義的に本発明の条件を満足する訳でなく、特に重要なこ
とは不純物レベルである。すなわち、不純物レベルが高
いと本発明の条件を満足しないので、不純物レベルを十
分に低く維持することが肝要である。
【0021】さらにまた、金属酸化物微粒子は蛍光体粒
子の間に介在していればよく、たとえば予め蛍光体粒子
と金属酸化物微粒子とを所定の割合でよく混合して蛍光
体粒子の周囲に金属酸化物微粒子をファン・デル・ワー
ルス力により付着させたものを常法により透光性ガラス
容器に被着させることにより、蛍光体粒子の間に金属酸
化物微粒子を介在させることができる。
【0022】放電媒体は、水銀と希ガスとしてたとえば
アルゴン、クリプトン、ネオンまたはキセノンの一種ま
たは複数種とを用いることができる。また、水銀はその
まま封入する他にアマルガムの形で封入することができ
る。
【0023】放電生起手段は、通常は透光性ガラス容器
内に封装された電極を用いるが、必要に応じて透光性ガ
ラス容器の外部に配設した電極または高周波誘導コイル
を用いることも許容される。
【0024】また、透光性ガラス容器内に封着される電
極であっても、熱陰極形および冷陰極形のいずれであっ
てもよい。
【0025】そうして、本発明においては、波長254
nmの紫外線は蛍光体粒子を励起して可視光ないしは長
波長紫外線を効率よく放射させるのに貢献するが、蛍光
体粒子の間に波長254nmを70%以上反射する金属
酸化物の微粒子が介在しているので、蛍光体粒子の間を
通過して透光性ガラス容器に到達しようとする波長25
4nmの紫外線は金属酸化物微粒子により乱反射して蛍
光体粒子に入射する確率が高くなる。このため、蛍光ラ
ンプの初期光束が向上する。
【0026】しかも、これに加えて上記金属酸化物微粒
子は、波長185nm以下の紫外線を良好に吸収するか
ら、185nm以下の紫外線は金属酸化物微粒子に吸収
されやすくなり、このため蛍光体粒子に入射する185
nm以下の紫外線が減少することになる。
【0027】したがって、蛍光体の波長185nm以下
の紫外線の照射によって発生する劣化が減少し、その結
果蛍光ランプの光束維持率が向上する。このため、本発
明は波長185nmの紫外線発生が多い高管壁負荷の蛍
光ランプにおいて、特に顕著な効果を奏する。
【0028】また、本発明によれば、水銀の透光性ガラ
ス容器との反応が抑制される作用のあることが分かっ
た。この作用によっても光束維持率の向上が得られてい
る。
【0029】請求項2の発明の蛍光ランプは、請求項1
記載の蛍光ランプにおいて、金属酸化物微粒子は、波長
100〜185nmの紫外線に対する反射率が40%以
下であることを特徴としている。
【0030】本発明は、波長100〜185nmの紫外
線の反射率が40%以下、したがって同吸収率が60%
以上であるから、光束維持率および初期光束についてよ
り好ましい結果をもたらす。
【0031】請求項3の発明の蛍光ランプは、請求項1
または2記載の蛍光ランプにおいて、金属酸化物微粒子
は、平均粒径が蛍光体粒子の平均粒径の1/10以下で
あることを特徴としている。
【0032】本発明は、金属酸化物微粒子の平均粒径の
より好ましい範囲を示す。
【0033】請求項4の発明の蛍光ランプは、請求項1
ないし3のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、金属
酸化物微粒子は、蛍光体粒子に対して0.2〜5重量%
であることを特徴としている。
【0034】金属酸化物微粒子が蛍光体粒子に対して
0.2重量%を下回ると、波長185nm以下の紫外線
を吸収する割合が少なくなり、十分な効果を得にくくな
り、また5重量%を超えると、反対に蛍光体から放射さ
れる可視光が金属酸化物微粒子によって乱反射されて有
効光量が減少するので好ましくない。
【0035】請求項5の発明の蛍光ランプは、請求項1
ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、金属
酸化物微粒子は、アルミナと、イットリウム、マグネシ
ウム、セリウムおよびランタンからなるグループの中か
ら選ばれた一種または複数種の酸化物とからなることを
特徴としている。
【0036】本発明は金属酸化物微粒子の効果的な組合
せ、すなわち複合形の金属酸化物微粒子を明示してお
り、アルミナを第1の成分として、これに上記グループ
から選択した金属酸化物を第2の成分として、これらを
混合することによって、十分な光束維持率を呈しなが
ら、コスト的にも採算性のよい結果を得ることができ
る。
【0037】請求項6の発明の蛍光ランプは、気密な透
光性ガラス容器と;蛍光体粒子が集合して構成され透光
性ガラス容器の内面側に形成された蛍光体層と;波長2
54〜800nmにおける硫酸バリウムの分光反射率を
100%としたときの分光反射率が80%以上であり、
かつ蛍光体粒子に対して1.5〜15重量%の混合比で
蛍光体粒子の間に介在した金属酸化物微粒子と;透光性
ガラス容器内に封入された水銀および希ガスを含む放電
媒体と;透光性ガラス容器内に放電を生起するように配
設された放電生起手段と;を具備していることを特徴と
している。
【0038】本発明は、蛍光体粒子の間に介在する金属
酸化物微粒子として分光反射率が上記のように著しく高
いものを使用することにより、光束維持率を向上するも
のである。
【0039】蛍光体粒子の放射する可視光および低圧水
銀蒸気放電によって発生する波長254nmの紫外線の
両者に対して高いことが重要である。すなわち、可視光
については金属酸化物微粒子が吸収しないで乱反射して
蛍光ランプの外部に導出され、また紫外線は乱反射によ
って蛍光体粒子に再入射して可視光変換率を高める。
【0040】なお、硫酸バリウム(イーストマン・コダ
ック社製の試薬、白色標準 カタログ番号6091)の
分光反射率は、次のとおりである。
【0041】 波長(nm) 反射率 250 0.950 350 0.979 400 0.987 500 0.991 700 0.992 本発明に使用することができる金属酸化物微粒子のうち
の一例として硫酸バリウムに対する相対的な分光反射率
(波長254〜800nmの範囲の波長における最低反
射率)を示せば次のとおりである。
【0042】測定装置:島津分光光度計 UV−310
0(測定可能波長範囲:190〜800nm) 酸化イットリウム 94.92% 酸化ランタン 95.53 酸化ガドリニウム 82.43 酸化ルテチウム 93.20 アルミナ 試料A 96.80 アルミナ 試料B 104.00 ただし、金属酸化物の分光反射率も不純物レベルが高い
と反射率は低下して十分所期の作用効果を発揮すること
ができないので、留意すべきである。
【0043】本発明において、金属酸化物微粒子の蛍光
体粒子に対する混合比率を1.5%以上に限定した理由
は、1.5%未満であると、金属酸化物微粒子を介在さ
せても光束維持率の所期の改善効果が得られないからで
ある。また、金属酸化物微粒子が15%を超えると、可
視光が乱反射しすぎて反射の繰り返しが多くなるため
に、蛍光ランプの所期の初期光束が得られないからであ
る。
【0044】さらに、本発明においては、用いる金属酸
化物微粒子の分光反射率が、従来技術において用いられ
ていた金属酸化物微粒子と違って、紫外線および可視光
にわたって大きいから、金属酸化物微粒子の添加量を多
くしても紫外線および可視光の吸収が少ない。
【0045】したがって、添加量を多くして蛍光体層の
膜強度を向上させることができるようになった。
【0046】請求項7の発明の蛍光ランプは、請求項6
記載の蛍光ランプにおいて、金属酸化物微粒子は、波長
254〜800nmにおける硫酸バリウムの分光反射率
と同等以上の分光反射率を有していることを特徴として
いる。
【0047】本発明において、硫酸バリウムの分光反射
率と同等であるとは、上記波長域内のいずれにおいても
硫酸バリウムの分光反射率の95%以上の分光反射率を
有していなければならないことを意味する。
【0048】本発明は、請求項6において、分光反射率
の一層高い金属酸化物微粒子を用いることにより、さら
に好ましい効果の得られる範囲を規定している。
【0049】請求項8の発明の蛍光ランプは、請求項7
記載の蛍光ランプにおいて、金属酸化物微粒子は、蛍光
体粒子に対して1〜15重量%であることを特徴として
いる。
【0050】本発明は、請求項7に規定する分光反射率
の高い金属酸化物微粒子を用い、さらにその混合比率を
上記のように規定しているのであるが、使用する金属酸
化物微粒子の分光反射率がすこぶる高いために、蛍光体
粒子に対する混合比率が1%まで少なくても所期の高い
光束維持率および初期光束を得ることができる。
【0051】しかし、15重量%を超えると、可視光が
乱反射しすぎて反射の繰り返しが多くなりすぎるため
に、蛍光ランプの初期光束が減少するので、好ましくな
い。
【0052】請求項9の発明の蛍光ランプは、請求項6
ないし8のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、金属
酸化物微粒子は、ランタン、ガドリニウム、イットリウ
ム、ルテチウムおよびアルミニウムからなるグールプの
中から選ばれた一種または複数種の酸化物であることを
特徴としている。
【0053】本発明は、金属酸化物微粒子の具体名を明
示している。上記物質であっても不純物レベル如何では
所定の反射率は得られないのであって、不純物レベルは
100ppm以下であることが好ましい。たとえば、本
発明に用いた酸化ランタンの不純物は、カルシウムが数
10ppm、鉄が数ppm検出されたが、錫、亜鉛、チ
タンについては殆ど検出されなかった。なお、不純物レ
ベルの判定は、ICP法によって行うことができるもの
とする。
【0054】請求項9の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体に配設された請求項1ないし8のい
ずれか一記載の蛍光ランプと;を具備していることを特
徴としている。
【0055】照明装置とは、照明器具、表示装置、電球
形蛍光ランプ、主としてOA機器用の読取装置など蛍光
ランプおよびこのランプを支持する手段および蛍光ラン
プを点灯する手段を備えた装置をいう。照明器具として
は、屋内用および屋外用のあらゆる用途および機能を備
えた照明器具に適応する。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0057】図1は、本発明の蛍光ランプの第1の実施
形態を示す一部切欠断面正面図である。
【0058】図2は、同じく概念的一部拡大断面図であ
る。
【0059】図において、1は透光性ガラス容器、2は
蛍光体層、3は金属酸化物微粒子、4放電生起手段、5
は内面導電膜である。
【0060】透光性ガラス容器1は、透明なソーダライ
ムガラス製の直管形のガラス管の両端にフレアステム1
aを封着して形成したもので、図示していないがフレア
ステム1aに配設した排気管から排気し、かつ放電媒体
を封入するように構成されている。
【0061】蛍光体層2は、3波長形蛍光体を用いてお
り、常法によって被着させてある。
【0062】金属酸化物微粒子3は、アルミナおよび酸
化イットリウム(いずれも平均粒径0.05μm、波長
254nmの紫外線に対する反射率は80%)を蛍光体
2に対して1重量%用い、予め蛍光体とよく混合して蛍
光体粒子の表面に付着させてある。
【0063】放電生起手段4は、熱陰極形の電極であ
り、フレアステム1aに封装してある。
【0064】内面導電膜5は、酸化錫を主体とするもの
で、常法により形成してある。
【0065】放電媒体は、水銀と封入圧266.6Pa
のアルゴンとからなる。
【0066】上記構成にてFLR40S形の蛍光ランプ
を製作した。
【0067】また、比較のためにアルミナ微粒子(デグ
サ社製のデルタアルミナ)を1重量%を付着している他
は同一構成の従来の蛍光ランプをも製作した。
【0068】図3は、本発明の蛍光ランプの第1の実施
形態と上記比較例の蛍光ランプとの点灯10000時間
後の光束維持率を示すグラフである。
【0069】図から明かなように、曲線Aに示す第1の
実施形態の蛍光ランプは光束維持率が90%以上であっ
た。これに対して、曲線Bに示す比較例の蛍光ランプは
70%であった。
【0070】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。
【0071】本実施形態も、図1と同様な構成である
が、蛍光体の種類ならびに金属酸化物微粒子の種類およ
び蛍光体粒子に対する混合比を変えたものである。
【0072】すなわち、蛍光体は、ハロ燐酸カルシウム
蛍光体を用いた。また、金属酸化物微粒子としてはアル
ミナおよび1重量%の酸化マグネシウム(いずれも平均
粒径0.07μm、波長254nmの紫外線に対する反
射率70%)を蛍光体粒子に対して2重量%使用した。
【0073】そして、比較のために前述と同じアルミナ
微粒子を含む以外は同一仕様の蛍光ランプも製作した。
【0074】図4は、本発明の蛍光ランプの第2の実施
形態と上記比較例の蛍光ランプとの点灯10000時間
後の光束維持率を示すグラフである。
【0075】図から明かなように、曲線Cに示す第2の
実施形態の蛍光ランプは光束維持率が80%以上であっ
たが、曲線Dに示す比較例の蛍光ランプは60%であっ
た。
【0076】また、10000時間点灯後の透光性ガラ
ス容器のガラス内に存在するHgの量を測定したとこ
ろ、本実施形態のものは従来の1/10以下であった。
これは、波長185nm以下の紫外線は水銀とガラスと
のエネルギー源となるが、本発明においては金属酸化物
微粒子がこの短波長紫外線を吸収しているために、水銀
とガラスとの反応が極めて少なくなったのが原因と考え
られる。
【0077】さらに、本発明の第3の実施形態について
説明する。
【0078】本実施形態は、可視光変換を主として担当
する波長254nmの紫外線および可視光に対する分光
反射率が90%以上の酸化ランタン微粒子であって、不
純物レベルが100ppm未満の金属酸化物微粒子を1
0重量%蛍光体粒子に付着させたものである。また、蛍
光体には3波長発光形の蛍光体を使用した。
【0079】これに対して、前述と同じアルミナを用い
た以外は同一仕様の蛍光ランプを比較のために製作し
た。
【0080】図5は、本発明の蛍光ランプの第3の実施
形態と上記比較例の蛍光ランプとの点灯5000時間後
の光束維持率を示すグラフである。
【0081】曲線Eに示す本実施形態は光束維持率が9
5%であったが、曲線Fに示す比較例の蛍光ランプは9
0%であった。
【0082】図6は、本発明の照明装置の一実施形態を
示す正面図である。
【0083】図において、7は照明装置本体、8は蛍光
ランプである。
【0084】照明装置本体7は、内部に点灯装置7aを
収納し、ソケット7bを備えている。
【0085】蛍光ランプ8は、記述の本発明の蛍光ラン
プであり、ソケット7bに装着されている。
【0086】図7は、本発明の蛍光ランプに用いる金属
酸化物微粒子として好適な2種のアルミナ微粒子につい
て、硫酸バリウムの分光反射率を100%としたときの
分光反射率を示すグラフである。
【0087】図において、横軸は波長(nm)を、縦軸
は反射率(%)を、それぞれ示す。なお、硫酸バリウム
は、イーストマン・コダック社製の試薬、白色標準 カ
タログ番号6091を用いた。また、測定は、深さ5m
mの粉体サンプルホルダーに被測定微粒子を詰めて、硫
酸バリウムを標準として積分球付分光光度計を用いて行
った。
【0088】そうして、曲線Gはフランス・バイコウス
キー社製のCR−125形アルミナを、また曲線Hはデ
グサ社製のAl23−C形アルミナを、それぞれ示す。
【0089】図から明らかなように、いずれも各波長領
域において優れた反射率を示しているが、特に曲線Gは
硫酸バリウムの反射率より優れた反射率を示している。
【0090】上記曲線Gに示すアルミナは、不純物が少
なく規制されており、鉄10ppm以下、シリコン45
ppm以下、ナトリウム20ppm以下で、亜鉛、塩素
は検出されないものである。このように、不純物を10
0ppmに規制することにより、金属酸化物微粒子の反
射率が大きくなり、蛍光体粒子の間に介在させることに
より、蛍光ランプの光束維持率が改善される。
【0091】なお、上記金属酸化物微粒子を用いて蛍光
ランプを製作するには、溶媒に金属酸化物微粒子を分散
させてから蛍光体スラリー中に添加したものを、ガラス
チューブに塗布、乾燥および焼成し、以下常法にしたが
って蛍光ランプを得る。
【0092】
【発明の効果】請求項1ないし8の各発明によれば、金
属酸化物微粒子を蛍光体粒子の間に介在させることによ
り、光束維持率を改善した蛍光ランプを提供することが
できる。
【0093】請求項1の発明によれば、加えて波長25
4nmの紫外線に対して高い反射率を有するが、波長1
85nm以下の紫外線に対しては優れた吸収率を有する
金属酸化物微粒子を用いることにより、優れた光束維持
率を向上した蛍光ランプを提供することができる。
【0094】請求項2の発明によれば、加えて波長10
0〜185nmの紫外線の反射率を40%以下に規定す
ることにより、光束維持率を改善した蛍光ランプを提供
することができる。
【0095】請求項3の発明によれば、加えて金属酸化
物微粒子の平均粒径を蛍光体粒子の平均粒径の1/10
以下に規定することにより、光束維持率を改善した蛍光
ランプを提供することができる。
【0096】請求項4の発明によれば、加えて金属酸化
物微粒子の量を蛍光体に対して0.2〜5重量%に規定
することにより、光束維持率を改善した蛍光ランプを提
供することができる。
【0097】請求項5の発明によれば、加えてアルミナ
とイットリウム、マグネシウム、セリウムおよびランタ
ンのグループの中から選ばれた一種または複数種の酸化
物との複合金属酸化物を用いることにより、光束維持率
を改善した蛍光ランプを提供することができる。
【0098】請求項6の発明によれば、加えて波長25
4〜800nmにおける分光反射率が80%以上の金属
酸化物微粒子を蛍光体粒子に対して1.5〜15重量%
混合して用いることにより、光束維持率を改善した蛍光
ランプを提供することができる。
【0099】請求項7の発明によれば、加えて波長25
4〜800nmにおける分光反射率が硫酸バリウムと同
等以上の金属酸化物微粒子を用いることにより、光束維
持率を最適範囲にまで改善した蛍光ランプを提供するこ
とができる。
【0100】請求項8の発明によれば、加えて請求項7
における金属酸化物微粒子の量を1〜15重量%に規定
することにより、光束維持率を改善した蛍光ランプを提
供することができる。
【0101】請求項9の発明によれば、加えて請求項6
の金属酸化物微粒子の効果的な材質を規定することによ
り、光束維持率を改善した蛍光ランプを提供することが
できる。
【0102】請求項10の発明によれば、請求項1ない
し9の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光ランプの第1の実施形態を示す一
部切欠断面正面図
【図2】同じく概念的一部拡大断面図
【図3】本発明の蛍光ランプの第1の実施形態と従来の
蛍光ランプとの10000時間点灯後の光束維持率を示
すグラフ
【図4】本発明の蛍光ランプの第2の実施形態と従来の
蛍光ランプとの点灯10000時間点灯後の光束維持率
を示すグラフ
【図5】本発明の蛍光ランプの第3の実施形態と従来の
蛍光ランプとの点灯5000時間後の光束維持率を示す
グラフ
【図6】本発明の照明装置の一実施形態を示す正面図
【図7】本発明の蛍光ランプに用いる金属酸化物微粒子
として好適な2種のアルミナ微粒子について、硫酸バリ
ウムの分光反射率を100%としたときの分光反射率を
示すグラフ
【符号の説明】
1…透光性ガラス容器 2…蛍光体層 3…金属酸化物微粒子 4…放電生起手段 5…内面導電膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密な透光性ガラス容器と;蛍光体粒子が
    集合して構成され透光性ガラス容器の内面側に形成され
    た蛍光体層と;波長254nmの紫外線に対する反射率
    が70%以上で、かつ波長185nm以下の紫外線に対
    して優れた吸収率を有していて蛍光体粒子の間に介在し
    ている金属酸化物微粒子と;透光性ガラス容器内に封入
    された水銀および希ガスを含む放電媒体と;透光性ガラ
    ス容器内に放電を生起するように配設された放電生起手
    段と;を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】金属酸化物微粒子は、波長100〜185
    nmの紫外線に対する反射率が40%以下であることを
    特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】金属酸化物微粒子は、平均粒径が蛍光体粒
    子の平均粒径の1/10以下であることを特徴とする請
    求項1または2記載の蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】金属酸化物微粒子は、蛍光体粒子に対して
    0.2〜5重量%であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか一記載の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】金属酸化物微粒子は、アルミナと、イット
    リウム、マグネシウム、セリウムおよびランタンからな
    るグループの中から選ばれた一種または複数種の酸化物
    とからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か一記載の蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】気密な透光性ガラス容器と;蛍光体粒子が
    集合して構成され透光性ガラス容器の内面側に形成され
    た蛍光体層と;波長254〜800nmにおける硫酸バ
    リウムの分光反射率を100%としたときの分光反射率
    が80%以上であり、かつ蛍光体粒子に対して1.5〜
    15重量%の混合比で蛍光体粒子の間に介在した金属酸
    化物微粒子と;透光性ガラス容器内に封入された水銀お
    よび希ガスを含む放電媒体と;透光性ガラス容器内に放
    電を生起するように配設された放電生起手段と;を具備
    していることを特徴とする蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】金属酸化物微粒子は、波長254〜800
    nmにおける硫酸バリウムの分光反射率と同等以上の分
    光反射率を有していることを特徴とする請求項6記載の
    蛍光ランプ。
  8. 【請求項8】金属酸化物微粒子は、蛍光体粒子に対して
    1〜15重量%であることを特徴とする請求項7記載の
    蛍光ランプ。
  9. 【請求項9】金属酸化物微粒子は、ランタン、ガドリニ
    ウム、イットリウム、ルテチウムおよびアルミニウムか
    らなるグループの中から選ばれた一種または複数種の酸
    化物であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれ
    か一記載の蛍光ランプ。
  10. 【請求項10】照明装置本体と;照明装置本体に配設さ
    れた請求項1ないし9のいずれか一記載の蛍光ランプ
    と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009099263A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Ushio Inc エキシマランプ
US7538495B2 (en) 2004-10-07 2009-05-26 Panasonic Corporation Fluorescent lamp, backlight apparatus, and manufacturing method of fluorescent lamp

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TWI421902B (zh) * 2007-10-12 2014-01-01 Ushio Electric Inc Excimer lamp

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