JP3837189B2

JP3837189B2 - 水銀蒸気放電ランプ

Info

Publication number: JP3837189B2
Application number: JP21767896A
Authority: JP
Inventors: ジョン・ベニット・ジャンスマ
Original assignee: General Electric Co
Current assignee: General Electric Co
Priority date: 1995-08-28
Filing date: 1996-08-20
Publication date: 2006-10-25
Anticipated expiration: 2016-08-20
Also published as: CN1090810C; CA2183387A1; DE69638062D1; US5602444A; EP0762479B1; EP0762479A3; CN1153995A; JPH09167595A; EP0762479A2

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に蛍光ランプに関するものであり、更に詳しくは改良した紫外線反射性障壁層を有する蛍光ランプに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
蛍光ランプのガラス管の内面上に、ルーメンの維持を向上させ、水銀の消耗を低減し、端部変色を低減するために、導電性始動補助装置を含む特殊なランプ用に薄い保護被膜が設けられている。この保護被膜は、蛍光体粒子の層とガラス球又はガラス管との間の障壁を形成する。
【０００３】
蛍光ランプ障壁被膜は、典型的には、直径が１０〜１００ｎｍの大きさのアルミナ又はシリカ粒子で構成される。これらの被膜は薄く（一般的には１μｍ未満、普通は０．５μｍの厚さ）、可視光を良好に透過する。紫外線の幾分かが蛍光体（ｐｈｏｓｐｈｏｒ）層へ有利に反射されるが、障壁被膜の主目的は蛍光体層とガラスとの間に化学的に不活性な境界を提供することである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような蛍光体層への紫外線の反射をより一層効果的に行う障壁層に対する要望がある。紫外線の効率の良い反射は、その結果として、高価な希土類蛍光体使用する場合に特に重要になる蛍光体の利用度が改善されるので、非常に望ましい。
【０００５】
【課題を解決しようとする手段】
本発明では、光透過性のエンベロープと、放電を行う手段と、エンベロープの内部に密封された放電維持用充填ガスと、エンベロープの内部にエンベロープの内面に隣接して配置された蛍光体層と、エンベロープと蛍光体層との間に配置された障壁層とを含む蛍光ランプ又は水銀蒸気放電ランプが提供され、該障壁層は５〜８０重量％のγ−アルミナと２０〜９５重量％のα−アルミナとのブレンドを有する。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図１は一般に良く知られている代表的な低圧水銀蒸気放電蛍光ランプ１０を示す。蛍光ランプ１０は、円形断面のガラス管又は光透過性のエンベロープ１２を有する。エンベロープ１２の内面には本発明に従って紫外線反射性の障壁層１４が設けられている。障壁層１４の内面には蛍光体層１６が設けられて、障壁層１４がエンベロープ１２と蛍光体層１６との間に配置される。蛍光体層１６は希土類トリフォスファー（ｔｒｉｐｈｏｓｐｈｏｒ）層のような希土類蛍光体層であるのが好ましいが、ハロ燐酸塩蛍光体層や当該分野で知られている紫外線を吸収する任意の他の蛍光体層であってもよい。
【０００７】
オプションにより、エンベロープ１２の内部に、例えば障壁層１４と蛍光体層１６との間またはそれらに隣接して他の層、例えば多数の蛍光体層を設けてもよい。例えば、ハロ燐酸塩蛍光体層を障壁層と希土類トリフォスファー層との間に設けてもよい。
ランプは両端に固定された口金２０によって気密封止されており、（アーク放電を行わせるための）電極１８が口金２０上に取り付けられている。この離間した一対の電極は、放電を行う手段を構成する。放電維持用充填ガスが密封されたガラス管すなわちエンベロープ１２の内部に封入されており、この充填ガスは、典型的には、低蒸気圧でランプの点灯を行うように少量の水銀と組み合わせた低圧の不活性ガス、例えばアルゴン、或いはアルゴンと他の貴ガスとの混合物である。
【０００８】
本発明による紫外線反射性障壁層は、低圧水銀蒸気放電ランプに利用されるのが好ましいが、高圧水銀蒸気放電ランプに使用することもできる。この障壁層は、当該分野で良く知られている電極付きの蛍光ランプに用いることができると共に、同じく当該分野で良く知られている無電極蛍光ランプにも用いることができ、無電極蛍光ランプの場合には放電を行う手段は高周波電磁エネルギ又は放射を供給する構造である。
【０００９】
本発明の障壁層は、それが利用されている蛍光体層の中へ紫外線を都合良く反射し、これにより蛍光体の利用度を向上させて、より一層効率よく可視光を生じさせる。本発明の障壁層を設けたランプはまた、１）必要な水銀の量がより少なくて済み、２）紫外線の放出が小さくなり、３）トリフォスファーが一層容易に再生されるという点でリサイクル可能な設計を有し、４）上記障壁層が不透明で白色であることにより外観がよくなる。
【００１０】
障壁層１４は、γ−アルミナ粒子とα−アルミナ粒子とのブレンドを含み、或いは該ブレンドより成る。γ−アルミナ粒子は、表面積が３０〜１４０ｍ²／ｇｍ、好ましくは５０〜１２０ｍ²／ｇｍ、より好ましくは８０〜１００ｍ²／ｇｍであり、粒度（直径）が１０〜５００ｎｍ、好ましくは３０〜２００ｎｍ、より好ましくは５０〜１００ｎｍである。α−アルミナ粒子は、表面積が０．５〜１５ｍ²／ｇｍ、好ましくは３〜８ｍ²／ｇｍ、より好ましくは４〜６ｍ²／ｇｍ、更に好ましくは約５ｍ²／ｇｍであり、粒度（直径）が５０〜５０００ｎｍ、好ましくは１００〜２０００ｎｍ、より好ましくは５００〜１０００ｎｍ、更に好ましくは約７００ｎｍである。
【００１１】
障壁層中のアルミナ粒子のブレンドは、γ−アルミナが５〜８０重量％、好ましくは１０〜６５重量％、より好ましくは２０〜４０重量％、より好ましくは２５〜３５重量％、更に好ましくは約３０重量％であり、α−アルミナが２０〜９５重量％、好ましくは３５〜９０重量％、より好ましくは６０〜８０重量％、より好ましくは６５〜７５重量％、更に好ましくは約７０重量％である。
【００１２】
障壁層１４はランプ上に次のようにして設けられる。γ−アルミナ及びα−アルミナ粒子が重量でブレンドされる。これらの粒子は、実質的に光吸収性不純物を含んでいないか或いは最少の光吸収性不純物しか含んでいない、実質的に純粋な又は高純度のものであるべきである。次いでアルミナは、アンモニウムポリアクリレート（及びオプションとして当該分野で知られている薬剤）の様な分散剤により水ビヒクル中に分散されて、約５〜１５重量％のアルミナ及び１〜３重量％の分散剤を有する懸濁液を生じる。この懸濁液は次いで、当該分野で知られているように蛍光体被膜を塗布して加熱するのと同様にして、ガラス管すなわちエンベロープの内部に被膜として塗布されて加熱される。加熱段階で、アルミナ以外の成分が追い出されて、後にアルミナのみが残る。障壁層は、被膜すなわち障壁層中のアルミナの重量（被覆重量）が０．１〜３ｍｇ／ｃｍ²、好ましくは０．３〜１ｍｇ／ｃｍ²、より好ましくは０．５〜０．７ｍｇ／ｃｍ²、さらに好ましくは約０．６ｍｇ／ｃｍ²になるように設けられる。
【００１３】
本発明による障壁層を低圧水銀蒸気放電ランプに設けたとき、紫外線（特に２５４ｎｍ）の反射率は、硫酸バリウムに対して、５０％以上、好ましくは７０％以上、より好ましくは８０％以上、より好ましくは９０％以上であり、好ましくは７０〜９５％、より好ましくは８０〜９０％である。
以下に示す実施例は本発明の種々の面を例示する。百分率は、特に指定しない限り、全て重量％である。
【００１４】
【実施例１】
アルミナ被膜を平坦なガラス・スライド上に形成して、ＳＰＥＸ拡散反射率スペクトロメータで測定した。下記の表１に示す反射率の値は、低圧水銀蒸気放電ランプの主放出波長である２５４ｎｍでの、硫酸バリウム標準に対するものである。サンプルＡ（参照例）は、９０〜１００ｍ²／ｇｍの表面積を持つγ−アルミナをほぼ９９％有するものであった。サンプルＢ（参照例）は、４〜６ｍ²／ｇｍの表面積を持つα−アルミナをほぼ９９％有するものであった。またサンプルＣ（本発明）は、サンプルＢで用いられたα−アルミナを７０％有し、サンプルＡで用いられたγ−アルミナを３０％有するものであった。
【００１５】
被覆重量の単位はｍｇ／ｃｍ²である。サンプルＡは０．５５ｍｇ／ｃｍ²以上被覆して用いるのが困難である。

同等の被覆重量では、本発明のものの反射率が大きい。これは以外であり予想外のことであった。
【００１６】
【実施例２】
実施例１と同様な実験を行った。試験したサンプルはα−アルミナ（表面積４〜６ｍ²／ｇｍ）とγ−アルミナ（表面積９０〜１００ｍ²／ｇｍ）とのブレンドであった。下記の表２中のα−アルミナのパーセントはブレンド中のα−アルミナの割合を示し、残部はγ−アルミナである。反射率は２５４ｎｍにおける硫酸バリウム標準に対するものである。
【００１７】

【００１８】
【実施例３】
図２は、３２ワットの４フィートのＴ８型蛍光ランプを用いた一連の試験の結果を示す。図中、水平軸は各ランプ当たりの３０００Ｋトリフォスファーの重量（グラム）を表し、縦軸はランプを１００時間点灯した後で測定したルーメン数を表す。黒三角は、本発明の障壁層をトリフォスファー層の下に設けた場合を示し、障壁層は７０％のα−アルミナ（表面積４〜６ｍ²／ｇｍ）と３０％のγ−アルミナ（表面積９０〜１００ｍ²／ｇｍ）とを有し、被覆重量は０．５ｍｇ／ｃｍ²であった。黒四角は、γ−アルミナ（表面積９０〜１００ｍ²／ｇｍ）の障壁層を設けた場合（参照例）を示し、被覆重量は０．４ｍｇ／ｃｍ²であった。黒丸は、ランプに何ら障壁層を設けなかった場合（参照例）を示す。十字の点は、障壁層は設けなかったが、トリフォスファー層の下にハロフォスファー層を設けた場合（参照例）を示し、ハロフォスファー層の被覆重量は２．５ｍｇ／ｃｍ²であった。破線ＳＰは、標準の蛍光ランプが満足することを必要とする２８５０ルーメン定格を示す。また破線ＳＰＸは、デラックス型蛍光ランプが満足することを必要とする２９５０ルーメン定格を示す。図２のグラフは、本発明の障壁層を有するランプがそうでないランプよりも特性がかなり向上していることを表している。このような結果は以外であり予想外のことであった。
【００１９】
以上、本発明の好ましい実施態様を例示し説明したが、ここに開示し特許請求の範囲に記載した発明の範囲から逸脱することなく種々の変更並びに部分的な置換等を行えることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による蛍光ランプの部分断面正面図である。
【図２】種々のランプについて１００時間の点灯後に測定したルーメンを示すグラフである。
【符号の説明】
１２光透過性のエンベロープ
１４紫外線反射性障壁層
１６蛍光体層

Claims

内面を持つ光透過性のエンベロープと、放電を行う手段と、前記エンベロープの内部に密封された放電維持用充填ガスと、前記エンベロープの内部に前記エンベロープの内面に隣接して配置された蛍光体層と、前記エンベロープと前記蛍光体層との間に配置された障壁層とを含む水銀蒸気放電ランプにおいて、前記障壁層が８．７〜６２．３重量％のγ−アルミナと３７．７〜９１．３重量％のα−アルミナとのブレンドを有することを特徴とする水銀蒸気放電ランプ。
前記のアルミナのブレンドが、１７．８〜４６．０重量％のγ−アルミナと５４．０〜８２．２重量％のα−アルミナとより成る請求項１記載の水銀蒸気放電ランプ。
前記のアルミナのブレンドが、２３．９〜４６．０重量％のγ−アルミナと５４．０〜７６．１重量％のα−アルミナとより成る請求項２記載の水銀蒸気放電ランプ。
前記蛍光体層が希土類蛍光体層である請求項１記載の水銀蒸気放電ランプ。
前記障壁層と前記希土類蛍光体層との間にハロ珪酸塩蛍光体層を更に有する請求項４記載の水銀蒸気放電ランプ。
前記ランプが、一対の離間した電極を有する低圧水銀蒸気放電ランプである請求項１記載の水銀蒸気放電ランプ。