JPH10186896A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10186896A
JPH10186896A JP34214996A JP34214996A JPH10186896A JP H10186896 A JPH10186896 A JP H10186896A JP 34214996 A JP34214996 A JP 34214996A JP 34214996 A JP34214996 A JP 34214996A JP H10186896 A JPH10186896 A JP H10186896A
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JP34214996A
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Takeshi Nakagawa
健 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー像全体を効率よく転写材に転写して中
抜け等を防止する。 【解決手段】 感光体1に当接する転写ローラ23の金
属芯金22に制振部材24を介して振動手段である圧電
素子25を当接し、転写ニップ部Tに搬送される転写材
の搬送方向に沿って圧電素子25を振動させることによ
り転写ローラ23を振動させて、転写材と感光体1上の
トナー像を高速で摺擦させることにより、トナー像全体
が効率よく転写材に転写されて中抜け等を防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
を利用した複写機、レーザービームプリンタ、ファクシ
ミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを利用した複写機、レ
ーザービームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置
においては、像担持体としてのドラム型の電子写真感光
体(以下、単に「感光体」という)上に形成されたトナ
ー像を紙などの転写材に転写する転写手段として、コロ
ナ放電を利用したコロナ転写装置がある。コロナ転写装
置は転写材に対して非接触に配置され、コロナ放電を利
用して転写材に所定の電荷を付与し、感光体上のトナー
像を転写材に転写するもので、非接触の転写手段として
有効である。しかしながら、コロナ転写装置はコロナ放
電の発生のために、高電圧の印加が必要であったり、コ
ロナ放電時にオゾンが発生する等の問題を有している。
【0003】このため、近年では、比較的低い電圧で転
写できる接触式の転写手段を使用した画像形成装置が開
発されている。この接触式の転写手段は、一般に転写材
の裏面に当接する導電ローラ等を備え、これに比較的低
いバイアス電圧を印加することにより、感光体上のトナ
ー像を転写材に転写するものである。このような接触式
の転写手段は低電圧を印加すればよいので電源が小型に
でき、また、オゾンの発生量も少なくすることができ
る。
【0004】図9は、上記した接触式の転写手段を使用
した従来の画像形成装置の一例を示す概略断面図であ
る。この図に示す画像形成装置100において、1は感
光体、2は電源3が接続された帯電ローラ、4はミラー
5を介してレーザ光による画像露光Lを感光体1に付与
する露光装置、6は現像スリーブ、7はトナー8を充填
したトナー容器、9は転写ローラ、10はクリーニング
ブレード11によって除去した感光体1表面の残留トナ
ー等を収納する廃トナー容器、12は定着器、13はカ
セット14内に収納した転写材Pを給紙する給紙ローラ
である。
【0005】このように構成された画像形成装置100
は、画像形成時には、感光体1は駆動手段であるモータ
(不図示)により矢印A方向に回転駆動され、感光体1
に従動回転される帯電ローラ2により表面が均一に帯電
される。そして、帯電された感光体1上に露光装置4に
より画像露光Lが与えられ、入力される画像情報に応じ
た静電潜像が形成される。そして、トナー容器7内のト
ナー8は現像スリーブ6の回転にともない、適量のトナ
ー8が適度の帯電を受けた後に感光体1上に供給され、
現像スリーブ6上のトナー8が感光体1の静電潜像に付
着してこの静電潜像が現像され、トナー像として可視化
される。
【0006】そして、感光体1上のトナー像は、転写ロ
ーラ9により紙などの転写材Pに転写され、トナー像が
転写された転写材Pは定着器12に搬送され、定着器1
2により加熱、加圧して転写トナー像が表面に永久固着
画像として定着されて外部に排出される。また、感光体
1の表面に付着している残留トナー等はクリーニングブ
レード11により除去され、表面をクリーニングされた
感光体1は繰り返し次の画像形成プロセスに入る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、転写ローラ
9を感光体1に圧接して転写を行う上記した従来の画像
形成装置では、転写効率を上げるために感光体1と転写
材Pに相対速度差を与え、感光体1上のトナー像を転写
材Pに擦りつけることも行われている。
【0008】しかしながら、このように感光体1と転写
材Pに相対速度差を与え、感光体1上のトナー像を転写
材Pに擦りつけて転写する場合、トナー像の中央部が圧
力を受け凝集して、トナー像が感光体1にこびりつくこ
とによる転写中抜けや、トナー像が感光体1上に融着す
る虞がある。
【0009】また、転写ローラ9に周速差を与えるため
に、転写ローラ9はモータ等により駆動を受けるが、そ
の際ギア列の噛み合わせからくる振動等により転写像が
ずれることによるピッチむらが生じる虞がある。さら
に、転写材Pは感光体1、転写ローラ9から別々の搬送
力を与えられるため、転写材Pの種類等により印字画像
の搬送方向の伸びや縮みが生じる虞がある。
【0010】そこで、本発明は、像担持体に近接または
当接して転写を行う転写装置による転写時において、転
写中抜け、ピッチむら、像担持体へのトナーの融着、印
字画像の伸縮等を防止して良好な画像を得ることができ
る画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、表面にトナー像が形成される
像担持体と、該像担持体に近接または当接する転写手段
とを備え、前記像担持体と前記転写手段との間の転写ニ
ップ部に転写材を通過させて、前記転写手段により前記
トナー像を前記転写材に転写させる画像形成装置におい
て、前記転写手段を振動させる振動手段を設けたことを
特徴としている。
【0012】また、前記振動手段は、前記転写手段を前
記転写ニップ部に搬送される前記転写材の面内方向に振
動させることを特徴としている。
【0013】また、前記振動手段は、前記転写手段を前
記転写材の搬送方向に沿って振動させて、前記像担持体
上の前記トナー像を静電的に前記転写ニップ部に搬送さ
れる前記転写材の面内方向に振動させることを特徴とし
ている。
【0014】また、前記振動手段は圧電素子であること
を特徴としている。
【0015】(作用)本発明の構成によれば、転写時
に、転写手段を振動手段によって振動させることによ
り、転写ニップ部で転写材と像担持体上のトナー像の摺
擦を積極的に起こして、トナー像全体を効率よく転写材
に転写することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。
【0017】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形
態に係る画像形成装置を示す概略断面図であり、本実施
の形態では、電子写真方式を利用したレーザビームプリ
ンタの例である。なお、図9に示した従来例の画像形成
装置と同一符号を付し、重複する説明は省略する。この
図に示す画像形成装置20において、1は感光体、2は
電源3が接続された帯電ローラ、4はミラー5を介して
レーザ光による画像露光Lを感光体1に付与する露光装
置、6は現像スリーブ、7はトナー8を充填したトナー
容器、21は転写装置、10はクリーニングブレード1
1によって除去した感光体1表面の残留トナー等を収納
する廃トナー容器、12は定着器、13はカセット14
内に収納した転写材Pを給紙する給紙ローラである。
【0018】転写装置21はローラ転写装置であり、図
2に示すように、回転自在に支持された金属芯金22
と、その外周部に設けた感光体1表面に当接する中抵抗
の弾性部材で形成された転写ローラ23と、制振部材2
4を介して金属芯金22に当接した振動手段である圧電
素子25とを備えている。転写ローラ23は、EPDM
やNBRなどにカーボンブラック、金属粉などのフィラ
ーを分散させた単泡スポンジゴムや、イオン導電性を持
つ発砲ウレタンゴムなどで形成され、制振部材24は、
転写ローラ23の回転を妨げないようにしてNBRなど
の弾性材料やABS樹脂やPOMなどで形成され、圧電
素子25は、水晶などの圧電材料を薄膜電極で挟んで形
成されている。
【0019】圧電素子25は、不図示の直流または交流
電源により給電されて矢印B方向に振動し、その振動周
波数や振幅、同期などは出力画像に応じて不図示のCP
Uによって制御される。また、振動子25は装置本体2
6上に設置されている。
【0020】次に、上記した画像形成装置20の動作に
ついて説明する。
【0021】画像形成時には、感光体1は駆動手段(不
図示)により矢印A方向に回転駆動され、帯電ローラ2
により感光体1の表面を帯電させる。そして、帯電処理
された感光体1上に露光装置4からレーザ光による画像
露光Lが与えられ、入力される画像情報に応じて画像部
の電荷を除去した形の静電潜像が形成される。そして、
この感光体1上の静電潜像に、トナー8を付着した現像
スリーブ6で反転現像法によりこの静電潜像と同極性の
負に帯電されたトナーが付着され、トナー像として可視
化される。
【0022】そして、感光体1上のトナー像が転写装置
21の転写ローラ23とのニップ部に到達すると、この
タイミングに合わせて紙などの転写材Pがこのニップ部
Tに給紙ローラ13によって搬送され、転写バイアス電
位が印加された転写ローラ23により転写材Pの裏側に
前記トナーと逆極性(正極性)の電荷が付与されて、表
面側に感光体1上のトナー像が転写される。
【0023】この転写ローラ23による転写時に、上記
した振動子25が出力画像に応じて矢印B方向に振動
し、この振動は制振部材24を介して金属芯金22に伝
達されて転写ローラ23を転写材Pの面内方向に振動さ
せる。このときの転写ローラ23の振動は転写材Pの搬
送方向の振動として伝わり、転写材Pと感光体1上のト
ナー像を高速に摺擦する。
【0024】そして、トナー像が転写された転写材Pは
定着器12に搬送され、定着器12により転写トナー像
が転写材P上に永久固着画像として定着されて外部に排
出される。一方、トナー像転写後の感光体1表面の残留
トナーやその他の付着物は、クリーニングブレード11
によって除去される。以下、同様にして上記した画像形
成プロセスを繰り返す。
【0025】このように、転写ローラ23による転写時
において、振動子25の振動により制振部材24を介し
て転写ローラ23を振動させることによって、転写材P
と感光体1上のトナー像が高速に摺擦することにより、
トナー像全体が効率よく転写材Pに転写されて転写中抜
けを防止することができる。
【0026】(第2の実施の形態)図3は、本実施の形
態に係る画像形成装置の転写部近傍を示す概略断面図で
ある。なお、第1の実施の形態と同一部材には同一符号
を付し、重複する説明は省略する。
【0027】本実施の形態における転写装置30は、矢
印C方向に振動する振動子25を軸受け27a,27b
に回転自在に支持された金属芯金22の回転を妨げない
ように配置し、加圧ばね28により振動子25を金属芯
金22の長手方向に所定の当接力で金属芯金22に当接
するように構成されている。他の構成は第1の実施の形
態と同様である。
【0028】本実施の形態においても、転写ローラ23
による転写時において、振動子25の振動により転写ロ
ーラ23をその長手方向に振動させることによって、転
写材Pと感光体1上のトナー像が高速に摺擦することに
より、トナー像全体が効率よく転写材Pに転写されて転
写中抜けを防止することができる。
【0029】次に、上記した第1、第2の実施の形態に
おける画像形成装置の転写装置21、30による効果の
確認として、図4に示す比較例用の転写装置70と比較
して画像評価を行った。比較例用の転写装置70は、上
記した振動子25、制振部材24を装置本体26上に鉛
直方向に配置し、振動子25を矢印D方向に振動させ
て、感光体1に当接する転写ローラ23がその当接方向
(感光体1の回転中心方向)に沿って振動するように構
成されている。なお、金属芯金22の長手方向の振動振
幅を均一にするため、振動子25を金属芯金22の両側
にそれぞれ設け、お互いが同位相となるように同期させ
る。
【0030】第1、第2の実施の形態と上記した比較例
において、振動子25を振動させないときと、振動子2
5を10kHz、振幅50μmで振動させたときにおけ
る出力画像を評価したところ、表1に示す結果が得られ
た。
【0031】
【表1】 画像の評価は、図5(a)に示すように文字(A)に中
抜けがない場合をO、図5(b)に示すように文字
(A)に中抜けがある場合を×とした。なお、このとき
の環境条件は高温(32.5℃)、高湿度(80%)で
あり、転写材PとしてOHP用のトランスペアレンシー
フィルムを使用した。
【0032】この表1から明らかなように、振動子25
を振動させない場合には第1、第2の実施の形態、及び
比較例とも出力画像の文字(A)に中抜けが生じていた
が、振動子25を振動させた場合には第1、第2の実施
の形態では出力画像の文字(A)に中抜けが生じなかっ
た。また、比較例のように、振動方向が転写ローラ23
と感光体1の当接方向である場合には、中抜け防止に効
果がない。以上のことから、中抜けを防止するための効
果的な転写ローラ23への振動方向は、第1、第2の実
施の形態のように転写材Pの面内方向であり、比較例の
ように転写材Pに対して鉛直方向の振動は中抜け防止に
効果がない。
【0033】次に、転写ローラ23と感光体1が当接し
ているニップ部内にトナー粒子がある間に振動子25
が、最低何周期の振動をすれば中抜けを防止できるか調
べるために、振動子25の振動周波数を変化させて中抜
けの有無を調べたところ、表2に示すような結果が得ら
れた。
【0034】
【表2】 なお、振動子25の振動振幅は50μm、転写ローラ2
3の固有振動数は1kHz近傍であり、振動子25を転
写ローラ23の固有振動数で振動させたとき、最も振動
の伝達効率が高くなる。また、このときの転写プロセス
スピードVpは25mm/secであり、転写ローラ2
3と感光体1間のニップ部Tの幅Nは3mmである。
【0035】そして、振動子25の振動周波数をfとす
ると、トナー粒子の転写ローラ23と感光体1間のニッ
プ部Tにいる間に受ける振動の回数nは、n=N/Vp
・fで表される。
【0036】表2の結果から明らかなように、トナー粒
子が転写ローラ23と感光体1間のニップ部T内にいる
間に受ける振動の回数は最低1回以上でないと中抜けが
生じる。また、10万回以上の振動は効率よく伝わら
ず、中抜けが生じる。以上のことから、トナー粒子の転
写ローラ23と感光体1間のニップ部T内にいる間に受
ける振動の回数nは、1<n<100000が好まし
い。
【0037】(第3の実施の形態)図6は、本実施の形
態に係る画像形成装置の転写部近傍を示す概略断面図で
ある。なお、第1、第2の実施の形態と同一部材には同
一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0038】本実施の形態における転写装置40は、矢
印C方向に振動する振動子25を軸受け27a,27b
に回転自在に支持された金属芯金22の一端側に転写ロ
ーラ23の回転を妨げないようにして直接接続し、振動
子25の転写ローラ23と反対側に重り29を取り付け
た構成である。他の構成は第2の実施の形態と同様であ
る。振動子25には、不図示のブラシ等を介して不図示
の交流または直流電源が接続されており、振動周波数、
振動振幅、同期などが制御される。重り29は金属など
の比較的比重の高い材質で形成され、かつ転写ローラ2
3と同等かより重くなるように形成されている。
【0039】本実施の形態では、転写ローラ23による
転写時において、金属芯金22に直接接続されている振
動子25は、転写ローラ23の回転とともに回転する。
この際、振動子25を振動させると作用反作用の法則に
より、転写ローラ23と重り29の質量に反比例した振
動がそれぞれ伝えられ、転写ローラ23をその長手方向
に振動させる。
【0040】このように本実施の形態においても、振動
子25の振動により転写ローラ23をその長手方向に振
動させることによって、転写材Pと感光体1上のトナー
像が高速に摺擦することにより、トナー像全体が効率よ
く転写材Pに転写されて転写中抜けを防止することがで
きる。
【0041】また、振動子25を転写ローラ23の金属
芯金22に直接接続し、振動子25に接続した重り29
を転写ローラ23と同等かより重くしたことにより、振
動子25と金属芯金22の接続部で振動音が発生するこ
となく、振動子25の振動を効率よく転写ローラ23に
伝達することができる。
【0042】(第4の実施の形態)図7は、本実施の形
態に係る画像形成装置の転写部近傍を示す概略断面図で
ある。なお、第1、第2、第3の実施の形態と同一部材
には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0043】本実施の形態における転写装置50は、矢
印C方向に振動する振動子25を、軸受け27a,27
bに回転自在に支持された金属芯金22の一端側に転写
ローラ23の回転を妨げないようにして直接接続し、振
動子25の転写ローラ23と反対側に重り29aを取り
付け、他端側の金属芯金22と、重り29aと装置本体
26との間に、それぞれ加圧ばね28a,28bを設け
た構成である。他の構成は第3の実施の形態と同様であ
る。加圧ばね28a,28bは、転写ローラ23の回転
を妨げないようにしてそれぞれ他端側の金属芯金22
と、重り29aに当接しており、加圧ばね28bで振動
子25を転写ローラ23の長手方向に加圧している。
【0044】また、加圧ばね28bのばね定数は加圧ば
ね28aのばね定数より大きく設定されており、重り2
9aは転写ローラ23より軽くしている。
【0045】本実施の形態では、転写ローラ23による
転写時において、金属芯金22に直接接続されている振
動子25は、転写ローラ23の回転とともに回転する。
この際、振動子25を振動させると、加圧ばね28bの
ばね定数が加圧ばね28aのばね定数より大きく設定さ
れているので、加圧ばね28bの方が加圧ばね28aよ
り振動振幅が小さくなることにより、振動子25の振動
が効率よく転写ローラ23に伝わり、転写ローラ23を
その長手方向に振動させる。
【0046】このように本実施の形態においても、振動
子25の振動により転写ローラ23をその長手方向に振
動させることによって、転写材Pと感光体1上のトナー
像が高速に摺擦することにより、トナー像全体が効率よ
く転写材Pに転写されて転写中抜けを防止することがで
きる。
【0047】また、振動子25を転写ローラ23の金属
芯金22に直接接続し、加圧ばね28bのばね定数を加
圧ばね28aのばね定数より大きく設定したことによ
り、振動子25と金属芯金22の接続部で振動音が発生
することなく、振動子25の振動を効率よく転写ローラ
23に伝達することができる。
【0048】(第5の実施の形態)図8は、本実施の形
態に係る画像形成装置の転写部近傍を示す概略断面図で
ある。なお、第1の実施の形態と同一部材には同一符号
を付し、重複する説明は省略する。
【0049】本実施の形態における転写装置60はシー
ト転写装置であり、シート状の電極保持部材31上に配
置した転写手段である電極部32を装置本体26上に固
着した固定部材33に固定し、固定部材33に矢印B方
向に振動する振動子34を接続した構成である。
【0050】電極部32は中抵抗部材35内に設けた金
属電極36を有しており、電極保持部材31によって感
光体1に当接されて転写ニップ部Tを形成している。中
抵抗部材35は、転写面と給電接点間の抵抗が103
1012Ωとなるように抵抗調整された感光体1の回転方
向の幅0.5〜2mm、厚さ0.5〜4mmの樹脂で形
成されており、例えばナイロン系樹脂やポリエステル系
樹脂にカーボンブラックや金属粉等のフィラーを分散さ
せたものや、イオン導電系樹脂や、PA、PPP等の導
電性樹脂を用いることができる。また、中抵抗部材35
の転写材Pへの接触性をより高めるために、上記した抵
抗を満たす導電性弾性部材で構成することもできる。金
属電極36は、例えば直径0.5mmのAu−Wワイヤ
ーや銅線などで形成され、接続された外部電極(不図
示)から所定の転写バイアス電位が印加される。
【0051】電極保持部材31は、ナイロンやPET、
フッソ樹脂等の絶縁性樹脂で厚さ100〜200μmの
シート状に形成されており、感光体1と当接する位置に
電極部32が接着や埋め込みなどによって取り付けられ
ている。電極保持部材31の基端側は固定部材33に固
定されており、そのたわみ性を利用して適正な当接圧で
電極部32が感光体1に当接するようにしている。ま
た、電極保持部材31は、転写材Pを転写ニップ部Tに
搬送するためのガイドの役目も持たせている。
【0052】振動子34は、その低部が装置本体26上
に固定されており、不図示の直流または交流電源により
給電されて矢印B方向に振動して、固定部材33に取り
付けた電極保持部材31上の電極部32を転写材Pの搬
送方向に沿って振動させる。また、振動子34は、その
振動周波数や振幅、同期などは出力画像に応じて不図示
のCPUによって制御される。
【0053】そして、電極部32による転写時におい
て、感光体1上のトナー像が転写装置60の電極部32
との転写ニップ部Tに到達すると、このタイミングに合
わせて紙などの転写材Pがこの転写ニップ部Tに搬送さ
れ、直流に交流を重畳させた転写バイアス電位が印加さ
れた金属電極36により転写材Pの裏側に前記トナーと
逆極性(正極性)の電荷が付与されて、表面側に感光体
1上のトナー像が転写される。
【0054】この際、上記した振動子34が出力画像に
応じて矢印B方向に振動し、この振動は固定部材33を
介して電極保持部材31に伝達されて電極部32を振動
させる。
【0055】本実施の形態では、シート状の電極保持部
材31上に取り付けた電極部32によって転写を行う
が、電極保持部材31と電極部32は転写材Pの搬送を
担わないので、転写材Pの搬送の抵抗とならないよう
に、電極部32の感光体1への当接圧を比較的小さくす
る必要がある。この当接圧を小さくすると、転写材Pと
感光体1の摺擦が上記した実施の形態の転写ローラ23
に比べて少なく、転写不良が起こりやすいが、本実施の
形態のように、振動子34により電極保持部材31と電
極部32を転写材Pの搬送方向に沿って振動させること
によって、転写材Pと感光体1上のトナー像を高速に摺
擦し、さらに線状の金属電極36を使用していることに
起因する転写電界の局部集中の位置を転写材Pの搬送方
向に沿って振動させることにより、トナー像が電気的に
転写材P面内方向の力を受けることによってトナー像を
振動させ、トナー像を感光体1から剥離させて転写電界
により転写材P上に転写する。
【0056】また、本実施の形態において、転写手段で
ある電極部32に直流に交流を重畳した転写バイアスを
印加して感光体1上のトナー像に転写材Pの鉛直方向の
振動電界をかけることによっても、トナー像を感光体1
から剥離させる効果があるが、本実施の形態のように、
感光体1上のトナー像を転写材Pの面内方向に振動させ
るほうが、より転写効率の向上を図ることができる。
【0057】このように本実施の形態では、電極部32
の感光体1への当接圧を下げても転写不良を防止するこ
とができるので、当接圧が高い場合にトナー粒子が感光
体1にこびりついて生じる融着や、印字画像の伸び等を
防止することができる。
【0058】なお、本実施の形態において、電極保持部
材31を絶縁性樹脂で形成したが、転写材Pに摩擦帯電
履歴を与える場合には、カーボン分散等、適宜抵抗調整
を行うことによって好ましい保持部材を構成できる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
転写時において、振動手段によって転写手段を振動させ
ることにより、転写ニップ部で転写材と像担持体上のト
ナー像の摺擦を積極的に起こして、トナー像全体を効率
よく転写材に転写することができるので、転写中抜けを
防止することができる。
【0060】さらに、本発明によれば、転写時におい
て、振動手段によって転写手段を振動させることによ
り、転写手段の像担持体への当接圧を下げても転写不良
を防止することができるので、トナー粒子の像担持体へ
の融着や、印字画像の伸び等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置
を示す概略断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置
の転写部近傍を示す概略断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置
の転写部近傍を示す概略断面図。
【図4】本発明の第1、第2の実施の形態に対する比較
例用の画像形成装置の転写部近傍を示す概略断面図。
【図5】(a)は本発明の第1、第2の実施の形態の画
像形成装置における出力画像を示す図、(b)は比較例
用の画像形成装置における出力画像を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置
の転写部近傍を示す概略断面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置
の転写部近傍を示す概略断面図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装置
の転写部近傍を示す概略断面図。
【図9】従来例に係る画像形成装置を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体) 2 帯電ローラ 4 露光装置 20 画像形成装置 21、30、40、50、60 転写装置(転写手
段) 23 転写ローラ(転写手段) 24 制振部材 25、34 圧電素子(振動手段) 28、28a,28b 加圧ばね 29、29a 重り 31 電極保持部材 32 電極部(転写手段) 33 固定部材 35 中抵抗部材 36 金属電極(転写手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にトナー像が形成される像担持体
    と、該像担持体に近接または当接する転写手段とを備
    え、前記像担持体と前記転写手段との間の転写ニップ部
    に転写材を通過させて、前記転写手段により前記トナー
    像を前記転写材に転写させる画像形成装置において、 前記転写手段を振動させる振動手段を設けた、 ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記振動手段は、前記転写手段を前記転
    写ニップ部に搬送される前記転写材の面内方向に振動さ
    せる、 請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記振動手段は、前記転写手段を前記転
    写材の搬送方向に沿って振動させて、前記像担持体上の
    前記トナー像を静電的に前記転写ニップ部に搬送される
    前記転写材の面内方向に振動させる、 請求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記振動手段は圧電素子である、 請求項1乃至請求項3のいずれか1項載の画像形成装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008293051A (ja) * 2008-09-08 2008-12-04 Fuji Xerox Co Ltd 転写装置
JP2014139639A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Casio Electronics Co Ltd 画像記録装置

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