JPH10186614A - 現像処理装置及び現像処理方法 - Google Patents

現像処理装置及び現像処理方法

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JPH10186614A
JPH10186614A JP34207196A JP34207196A JPH10186614A JP H10186614 A JPH10186614 A JP H10186614A JP 34207196 A JP34207196 A JP 34207196A JP 34207196 A JP34207196 A JP 34207196A JP H10186614 A JPH10186614 A JP H10186614A
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film
processing
tank
processing tank
solution
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Application number
JP34207196A
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English (en)
Inventor
Hideaki Nomura
秀昭 野村
Toshio Kurokawa
俊夫 黒川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムが容易かつ確実に処理槽内へ搬送さ
れる簡易な現像処理装置及び現像処理方法を提供する。 【解決手段】 最終処理液である安定液を処理槽から抜
かずに保持しておき(ステップ128)、フィルムを処
理槽から取り出す(ステップ130)。新たなフィルム
の挿入前に、処理槽内に予め処理液が満たされ(ステッ
プ104)、この状態でフィルムを挿入する(ステップ
106)ので、フィルム挿入時にフィルムが処理槽の内
壁に干渉(当接)しても内壁に付着し張り付くことがな
くなるので、フィルムを処理槽内に挿入する際の搬送不
良が防止される。従って、処理槽内にフィルムを引き込
むための引込手段を設置したり,処理槽の内壁材質をフ
ィルムの滑りが良くなる材質に変更することなく、簡易
な構成で、フィルムを容易かつ確実に処理槽内へ搬送す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネガフィルムを切
断せずに、現像済みのネガフィルムをカートリッジに収
容した状態で返却する新システムフィルムを処理するの
に適した現像処理装置及び現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に用いられている135サイ
ズのネガフィルムは、ネガフィルムをスプール軸から外
し又はスプール軸の近傍で切断し、複数の処理槽を搬送
ローラ等で搬送しながら現像処理を行うようになってい
る。
【0003】また、現像済みのネガフィルムは、所定コ
マ数毎に切断されてピースネガとして顧客に返却される
ようになっていた。
【0004】近年、このようにネガフィルムを切断せず
に、現像済みのネガフィルムをカートリッジに収容した
状態で返却する新システムとしてのAPS(「アドバン
スト・フォト・システム」の略で、以下この新システム
のことを単に「APS」という)が提案されている。
【0005】APSでは、顧客から預かったカートリッ
ジからネガフィルムを取り出して現像処理を行い、現像
処理したネガフィルムは元のカートリッジに収容して顧
客に返却するようになっている。
【0006】このAPSにおいて、従来と同様の現像処
理方法を用いると、カートリッジに収容されたネガフィ
ルムをカートリッジを分解せずにスプール軸から取外す
装置と、現像処理したネガフィルムをカートリッジのス
プール軸に取付ける装置とが必要となり、現像処理シス
テムが複雑となる。
【0007】この課題を解決する現像処理システムとし
て特願平8−108272号の明細書に記載されている
ような簡易な現像処理装置が提案されている。この現像
処理装置は、フィルムをフィルム収容容器から分離せず
に現像処理できるので、フィルムをスプール軸から取外
したりスプール軸に取付ける装置が不要となり、現像処
理装置が小型となると共に、少ない処理液量でも安定し
た処理性能が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記現像処
理装置では、処理槽内を多湿な環境とした条件下におい
て、フィルムを処理槽内に挿入する際の搬送不良が生じ
る確率が高まることが確認された。この原因として、処
理槽内壁に対するフィルムの滑りが悪い(例えば水滴等
の水分が付着している内壁にフィルムが付着し張り付く
等)ことが考えられる。
【0009】この課題を解決する方法として、処理槽内
にフィルムを引き込むための引込手段を設置すること,
又は処理槽の内壁材質をフィルムの滑りが良くなる材質
に変更(例えば、塩化ビニルからテフロン(ポリテトラ
フルオロエチレンの米国duPont社の商品名)への
変更)が考えられるが、これに派生し、処理液使用量の
増大や処理装置のコスト増大等望ましいものとは言えな
い。
【0010】なお、処理槽内を完全に乾燥させることも
考えられるが、フィルムの出入口が1箇所しかなく、か
つこの出入口が狭い鞘状の処理槽では迅速かつ確実に乾
燥させることが困難であると共に、コスト高となる。
【0011】そこで、本発明の目的は上記問題を解決す
ることにあり、フィルムが容易かつ確実に処理槽内へ搬
送される簡易な現像処理装置及び現像処理方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、スプール軸に巻き取られた長尺状のフィルムをフィ
ルム収容容器の出入口から送り出して現像処理する現像
処理装置であって、フィルム収容容器から長手方向一端
をスプール軸に係止した状態でフィルムを送り出す送出
手段と、前記フィルム収容容器の外に送り出されたフィ
ルムの処理長さよりも長い長さに形成され、長手方向一
方にのみフィルムの出入を可能とするフィルム挿入口を
有する小容量で単槽の鞘状の処理槽と、前記処理槽内へ
処理液を供給すると共に、前記フィルムの挿入前に前記
処理槽内に処理液を満たしておく処理液供給手段と、を
有することを特徴としている。
【0013】請求項1に記載の発明では、まず、フィル
ムの挿入前に、処理液供給手段により処理槽内に処理液
を満たしておく。送出手段によりフィルム収容容器から
長手方向一端をスプール軸に係止した状態でフィルムが
送り出される。フィルム収容容器の外に送り出されたフ
ィルムは、フィルム挿入口から予め処理液が満たされた
処理槽内に挿入される。その後、処理液供給手段で供給
された処理液によって現像処理される。
【0014】即ち、請求項1に記載の発明によれば、フ
ィルムの挿入前に、処理槽内に予め処理液が満たされ、
この状態でフィルムを挿入するので、フィルム挿入時に
おいてフィルムが処理槽内壁に干渉(当接)しても内壁
に付着し張り付くことがなくなるので、フィルムを処理
槽内に挿入する際の搬送不良が防止される。従って、請
求項1に記載の発明によれば、処理槽内にフィルムを引
き込むための引込手段を設置したり,処理槽の内壁材質
をフィルムの滑りが良くなる材質に変更することなく、
簡易な構成で、フィルムを容易かつ確実に処理槽内へ搬
送することができる。
【0015】ここで、フィルム収容容器とは、例えばA
PS用のフィルム収容容器(カートリッジ)又はパトロ
ーネ内に収容された135サイズのネガフィルムを巻き
取る別体のフィルム収容容器(中間スプール軸が装備さ
れた中間マガジンを含む)等を含むものである。
【0016】なお、本発明に用いられる小容積で単槽の
処理槽とは、フィルムの処理タンク部に相当する部分で
あり、小容積とは処理タンク部分の容積が十分に小さい
こと、好ましくは10ミリリットル〜500ミリリット
ル更に好ましくは20ミリリットル〜300ミリリット
ル程度である。ここでいう処理タンク部分の容積とは、
フィルムが処理されるタンク内部のみの液容積を意味
し、液の搬送や循環のための配管系の液量は含まれな
い。
【0017】また、単槽の処理槽とは、フィルムを処理
する場合に処理槽が一つしか存在しないことを意味し、
処理液は随時処理槽に供給して入れ換える処理方式を意
味する。単位時間当たりの処理能力を上げる意味で、こ
のような単槽の処理槽を複数個準備し、同時に複数のフ
ィルムを処理できるような仕様も、本発明では考えられ
る。
【0018】ここで、本発明に用いられる小容積で単槽
の鞘状の処理槽(処理タンク)の具体例としては、上述
した特願平8−108272の図9,15,16記載の
鞘状の処理タンク等を挙げることができる。
【0019】本発明の現像処理装置は各種感光材料の処
理に用いることができるが、とりわけ、撮影感光材料の
処理に使用するのが望ましい。具体的には、カラーネガ
フィルム、カラー反転フィルム、黒白フィルムの処理で
ある。
【0020】本発明の現像処理装置には各種処理液が使
用される。カラーネガフィルムの現像処理に使用される
カラー現像タンク液やカラー現像補充液は、芳香族第一
級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水溶
液である。この発色現像主薬としては、アミノフェノー
ル系化合物も有用であるが、p-フェニレンジアミン系化
合物が好ましく使用され、その代表例としては3-メチル
-4- アミノ-N,Nジエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ
-N- エチル-N- β-ヒドロキシエチルアニリン、3-メチ
ル-4- アミノ-N- エチル-N- β-メタンスルホンアミド
エチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル- β-
メトキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- メチ
ル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3-エチル-N- エチル-N-(3
-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-
N- プロピル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- プロピル -N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒ
ドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エ
チル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N- プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2
- メチルプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N
- ビス(4- ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N,N- ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、
4-アミノ-3- メチル-N-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-
ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N
-エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-
3-エトキシ-N,N- ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエ
ンスルホン酸塩などが挙げられる。これらの中で、特
に、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N -β-ヒドロキシ
エチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれ
らの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が
好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用す
ることもできる。
【0021】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量はカ
ラー現像液1リットル当たり好ましくは0.0002モ
ル〜0.2モル、さらに好ましくは0.001モル〜
0.1モルである。
【0022】カラー現像液(発色現像液)は、アルカリ
金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩5−スルフォ
サリチル酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミンの他、特開平3−144446号の一般式(I)
で表されるヒドロキシルアミン類、亜硫酸塩、N,N-ビス
カルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェ
ニルセミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテコ
ールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベンジル
アルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウ
ム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラ
ー、競争カプラー、1-フェニル-3-ピラゾリドンのよう
な補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、
アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノ
カルボン酸に代表されるような各種キレート剤、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロキシエチ
リデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N- テトラメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o- ヒドロ
キシフェニル酢酸) 及びそれらの塩等に代表される各種
配合材を含むことができる。
【0023】上記のうち、保恒剤としては無置換ヒドロ
キシルアミンや置換ヒドロキシルアミンが最も好まし
く、中でもジエチルヒドロキシルアミン、モノメチルヒ
ドロキシルアミン或いはスルホ基やカルボキシ基、水酸
基などの水溶性基で置換されたアルキル基を置換基とし
て有するものが好ましい。最も好ましい例としては、
N,N−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキシルアミン
及びそのアルカリ金属塩である。
【0024】また、キレート剤としては生分解性を有す
る化合物が好ましい。この例としては、特開昭63−1
46998号、同63−199295号、同63−26
7750号、同63−267751号、特開平2−22
9146号、同3−186841号、独国特許第3,7
39,610号、欧州特許第468,325号等に記載
のキレート剤を挙げることができる。
【0025】発色現像液の補充タンクの処理液は高沸点
有機溶剤などの液剤でシールドし、空気との接触面積を
減少させることが好ましい。この液体シールド剤として
は流動パラフィンが最も好ましい。
【0026】発色現像液での処理温度は20〜55℃、
好ましくは30〜55℃である。処理時間は30秒〜4
分、好ましくは45秒〜3分20秒である。最も好まし
くは60秒〜120秒の範囲である。
【0027】この処理方法において、感光材料は、カラ
ー現像の後、脱銀処理される。脱銀工程においては、双
方の感光材料は、共通のタンク液及び共通の補充液で処
理される場合が望ましい。但し、補充量は、各々の感光
材料において異なった設定することができる。以下、脱
銀工程について詳細を説明する。
【0028】脱銀工程においては、漂白工程、漂白定着
工程、定着工程を有することが一般的であり、各種工程
が存在する。具体的な工程を以下に示すが、これらに限
定されるものではない。
【0029】 (工程1) 漂白定着 (工程2) 漂白−漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着−定着 (工程4) 定着−漂白定着 (工程5) 漂白−定着 上記記載の各処理浴は、必要に応じて2浴以上に分割さ
れてもよく、カスケード法にて補充されても良い。
【0030】漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤
としては、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過
硫酸塩、臭素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いら
れるが、アミノポリカルボン酸(III) 錯体を最も好まし
く用いることができきる。
【0031】この処理方法で使用される第二鉄錯塩は、
予め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよ
く、また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二
鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄
(III)アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有す
る液中で錯塩を形成させてもよい。
【0032】錯形成化合物は、第二鉄イオンとの錯形成
に必要とする量よりもやや過剰にしてもよく、過剰に添
加するときには通常0.01〜10%の範囲で過剰にす
ることが好ましい。
【0033】なお、漂白能を有する液中の第二鉄錯塩を
形成する化合物としては、エチレンジアミン四酢酸(E
DTA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3−
PDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、メチルイ
ミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、
ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボキシエチル)イミノ
二酢酸、N−(2−カルボキシメチル)イミノジプロピ
オン酸、β−アラニンジ酢酸、αーメチルーニトリロ三
酢酸、1,4−ジアミノブタン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、N−(2−カルボキシフェニル)
イミノジ酢酸、エチレンジアミン−N−(2−カルボキ
シフェニル)−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジア
ミン−N,N’−ジコハク酸、1,3−ジアミノプロパ
ン−N,N’−ジコハク酸、エチレンジアミン−N,
N’−ジマロン酸、1,3−ジアミノプロパン−N,
N’−ジマロン酸等が挙げられるが、特にこれらに限定
されるものではない。
【0034】漂白能を有する処理液における第二鉄錯塩
の濃度としては、0.005〜1.0モル/リットルの
範囲が適当であり、0.01〜0.50モル/リットル
の範囲が好ましく、より好ましくは、0.02〜0.3
0モル/リットルの範囲である。
【0035】また漂白能を有する処理液の補充液中の第
2鉄錯塩の濃度としては、好ましくは、0.005〜2
モル/リットル、より好ましくは0.01〜1.0モル
/リットルである。
【0036】漂白能を有する浴またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ドイツ特
許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公報、リサ
ーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7月号)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化
合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832号、同53-3
2735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチオ尿素系化
合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂
白能に優れる点で好ましい。
【0037】その他、漂白能を有する浴には、臭化物
(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモ
ニウム)、又は塩化物(例えば、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム、塩化アンモニウム)、又は沃化物(例えば、
沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤を含むことがで
きる。必要に応じ硼砂、メタホウ酸ナトリウム、酢酸、
酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜燐
酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリ
ウム、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸など
のpH緩衝能を有する1種類以上の無機酸、有機酸およ
びこれらのアルカリ金属またはアンモニウム塩、又は、
硝酸アンモニウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを
添加することができる。
【0038】また漂白能を有する浴には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0039】漂白定着液中や定着液中の定着剤成分は、
チオ硫酸塩を用いる場合が好ましい。チオ硫酸塩はチオ
硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニ
ウム等を挙げることができる。その他公知の定着剤、チ
オシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなど
のチオシアン酸塩;エチレンビスチオグリコール酸、
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオ
エーテル化合物、メソイオン化合物、およびチオ尿素類
などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤も使用することもで
きる。本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸ア
ンモニウム塩、チオ硫酸カリウム塩及び及びチオ硫酸ナ
トリウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着
剤の総量は、0.3〜3モルが好ましく、更に好ましく
は 0.5〜2.0 モルの範囲である。
【0040】漂白定着液や定着液には保恒剤として、亜
硫酸塩(或いは重亜硫酸塩やメタ重亜硫酸塩類)を含有
するのが望ましいが、とりわけ0.03〜0.5モル/
リットル、更に好ましくは0.05〜0.3モル/リッ
トル含有するとが好ましい。
【0041】漂白定着液や定着液は、保恒剤として前述
した亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例えば、重
亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カ
リウム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリ
ウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニ
ウム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有する以外に、
アルデヒド類(ベンズアルデキド、アセトアルデヒド
等)、ケトン類(アセトン等)、アスコルビン酸類、ヒ
ドロキシルアミン類、ベンゼンスルフィン酸類、アルキ
ルスルフィン酸類等を必要に応じて添加することができ
る。特に、ベンゼンスルフィン酸、p−メチルベンゼン
スルフィン酸、p−アミノベンゼンスルフィン酸等の使
用も好ましい。好ましい添加量は0.005モル〜0.
3モル/リットル程度である。
【0042】さらに、漂白液、漂白定着液、定着液に
は、緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ
剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0043】漂白液、漂白定着液、定着液において、好
ましいpH領域は、4〜8であり、更には4.5〜6.
5が好ましい。
【0044】漂白液、漂白定着液、定着液への補充量は
感光材料1m2 当たり、50〜2000ミリリットルで
ある。また、後浴である水洗水や安定浴のオーバーフロ
ー液を、必要に応じて補充しても良い。
【0045】漂白液、漂白定着液、定着液の処理温度は
20〜50℃であり、好ましくは30〜45℃である。
各工程の処理時間は10秒〜3分、好ましくは20秒〜
2分である。
【0046】漂白能を有する処理液は、処理に際し、エ
アレーションを実施することが写真性能をきわめて安定
に保持するため特に好ましい。エアレーションには当業
界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処理液中へ
の、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空気の吸収
などが実施できる。
【0047】エアレーションは直接処理タンク内で実施
してもよいが、本発明の現像処理装置は小タンク容量で
あるため、ストックタンク内でエアレーションを実施す
るのが好ましい態様である。
【0048】空気の吹き込みに際しては、微細なポアを
有する散気管を通じて、液中に空気を放出させることが
好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理における
曝気槽等に、広く使用されている。エアレーションに関
しては、イーストマン・コダック社発行のZ−121、
ユージング・プロセス・C−41第3版(1982
年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用でき
る。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処理におい
ては、攪拌が強化されていることが好ましく、その実施
には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第
6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用で
きる。
【0049】本発明の現像処理装置において、エアレー
ションを行う場合には、循環系やストックタンク等で行
うことが好ましい。
【0050】感光材料は、脱銀処理後、水洗及び/又は
安定工程を経るのが一般的である。水洗及び/又は安定
工程においては、処理済感光材料の残存チオ硫酸濃度が
30〜1500マイクロモル/m2 になるように調製す
ることが必要である。
【0051】具体的には、最終浴のチオ硫酸塩の濃度
が、0.001〜0.04モル/リットル程度になるよ
うに調製するのが望ましい。即ち、最終浴に上記濃度を
添加しても良いし、定着成分としてチオ硫酸塩を使用し
ている場合には、後続する水洗や安定工程の補充量を低
減して、最終浴が上記濃度になるように調製すること
も、望ましい態様である。
【0052】具体的な補充量は、定着工程のチオ硫酸塩
の濃度、水洗工程や安定工程の浴数等により異なるが、
大略、感光材料1m2 あたり、100〜1000ミリリ
ットル、好ましくは130〜700ミリリットル程度で
ある。
【0053】また、水洗工程での水洗水量においては、
多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Jo
urnal of the Society of Motion Picture and Televis
ionEngineers 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月号)
に記載の方法で、求めることができる。前記文献に記載
の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得る
が、タンク内における水の滞留時間の増加により、バク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
等の問題が生じる。
【0054】カラー感光材料の処理において、このよう
な問題が解決策として、特開昭62-288,838号に記載のカ
ルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法
を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57-
8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダ
ゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素
系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防
菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編
「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術
会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)
に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0055】感光材料の処理における最終浴のpHは、
いかなる値にも設定できるが、好ましくは3.5〜8、
更に好ましくは4〜7である。上記pHは、処理済感光
材料の膜pHに反映するように設定するのが好ましく、
その目的で各種緩衝剤を用いることもできる。具体的に
は、酢酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン
酸、フタール酸等を挙げることができる。
【0056】また、水洗水温、水洗時間も、感光材料の
特性、用途等で種々設定し得るが、一般には、20〜45℃
で20秒〜5 分、好ましくは25〜40℃で30秒〜3 分の範囲
が選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に
代り、直接安定液によって処理することもできる。この
ような安定化処理においては、特開昭57-8543 号、同58
-14834号、同60-220345 号に記載の公知の方法はすべて
用いることができる。
【0057】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0058】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0059】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′
−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A
1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物など
を挙げることができる。
【0060】請求項2に記載の発明は、フィルム収容容
器の外に送り出されたフィルムの処理長さよりも長い長
さに形成され、長手方向一方にのみフィルムの出入を可
能とするフィルム挿入口を有する小容量で単槽の鞘状の
処理槽と、前記処理槽内へ処理液を供給する処理液供給
手段と、を有する現像処理装置に用いられ前記処理槽内
で前記処理槽内のフィルムを現像処理する現像処理方法
であって、前記処理液供給手段で前記フィルムの挿入時
に前記処理槽内に処理液を満たしておくことを特徴とし
ている。
【0061】請求項2に記載の発明では、フィルムの挿
入前に、処理液供給手段により処理槽内に処理液を満た
しておく。フィルムは、フィルム挿入口から予め処理液
が満たされた処理槽内に挿入される。その後、処理液供
給手段で供給された処理液によって現像処理される。
【0062】なお、好ましい態様として、フィルム収容
容器と処理槽との間に、フィルムを処理槽内へ搬送する
搬送手段を設けてもよい。この場合には、搬送手段がフ
ィルムを処理槽内へ搬送し、処理槽内へのフィルムの挿
入がさらに容易かつ確実となる点で好ましい。
【0063】また、好ましい態様として、フィルムが対
向する処理槽の内壁面に凹凸を形成してもよい。この場
合には、フィルムの挿入時での内壁面に対する接触面積
が少なくなるので、さらにフィルムの搬送性が向上する
点で好ましい。
【0064】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜14に
したがって説明する。 (カートリッジ及びフィルム)まず、本実施形態に用い
るカートリッジ14及びフィルムFIの概略を図1乃至
図4を参照しながら説明する。
【0065】図1(A)乃至図1(C)及び図2に示さ
れるように、フィルム収容容器としてのカートリッジ1
4は、カバー18A、18Bを重ね合わせて略円筒状に
形成されたケーシング20を備えている。このケーシン
グ20は、接線方向に突出した突出部22を備え、この
突出部22の先端には、ケーシング20の軸線方向に沿
ったスリット状の出入口としての挿通口28が形成され
ている。この挿通口28は、通常、ドア30によって閉
止されており、これによってケーシング20内が遮光状
態となっている。また、ケーシング20内のスプール軸
16は、ケーシング20の軸方向の両端を閉塞する側壁
24、26に回転可能に支持されている。
【0066】図1(B)、図1(C)及び図2に示すよ
うに、突出部22には、側壁24、26の間にドアシャ
フト32が掛け渡されて回転可能に支持されている。こ
のドアシャフト32はドア30と一体回転するようにな
っており、ドアシャフト32と共にドア30が回動して
挿通口28が開閉される。なお、ドアシャフト32の側
壁24、26から露出した先端には、ドアシャフト32
を回転する手段(後述するドアドライバ158)の係合
用のキー孔34が形成されている。
【0067】このケーシング20は、側壁24、26の
ドアシャフト32の支持位置、スプール軸16の支持位
置及び突出部22と反対側の端部を結ぶ線に沿ってカバ
ー18A、18Bに分割されている。
【0068】また、図1(C)に示されるように、ケー
シング20の一方の側壁26の突出部22と反対側の端
部には、カバー18A、18Bに形成された切欠によっ
てノッチ孔36が形成され、また、カバー18Bには、
このノッチ孔36を覆う表示板38が延設されている。
この表示板38は、ケーシング20の軸心側が細幅の接
合部38Aで結合され、外周部側が太幅の接合部38B
で結合されている。
【0069】この表示板38は、カートリッジ14内に
現像処理の終了したフィルムFIを収容しているときに
は、接合部38A側を切り離し、表示板38をノッチ孔
36内へ押し込み折り曲げるようになっている。これに
よって、カートリッジ14内のフィルムFIが現像の終
了したものであるか、現像処理前のものであるかをケー
シング20の外から判断できるようにしている。
【0070】また、側壁26には、スプール軸16の周
囲に表示孔40A、40B、40C、40Dが等間隔で
穿設されている(以下総称するときには「表示孔40」
と言う)。これらの表示孔40は、カートリッジ14に
収容しているフィルムFIがいずれの状態であるかを表
示するのに用いられる。例えば、丸孔の表示孔40A
は、未露光、半円状の表示孔40Bは一部露光済、X状
の表示孔40Cは露光済で未現像、矩形状の表示孔40
Dは現像済であることを示す。これによって、カートリ
ッジ14内に収容しているフィルムFIが何れの露光状
態又は処理状態にあるかを判断することができるように
なっている。
【0071】一方、図3(A)及び図3(B)には、ケ
ーシング20内に配置しているスプール軸16を示して
いる。このスプール軸16は、軸方向(図3(A)の紙
面左右方向)の中間部がフィルムFIを巻き取る巻取部
42であり、この巻取部42の両側には、フランジ部4
4が設けられている。
【0072】図3(A)に示すように、フランジ部44
には、弾性変形可能な薄肉の樹脂で形成された可撓性フ
ランジ72が取り付けられている。
【0073】また、スプール軸16には、ケーシング2
0の側壁26側の端部に小径のリング48が取り付けら
れている。図1(C)及び図3(B)にも示すように、
このリング48には、半径方向の外方に所定幅で突出す
る白色板50が一体的に設けられている。図1(C)に
示されるように、この白色板50は、スプール軸16を
中心にした回転位置によって何れかの表示孔40と重な
って、重なった表示孔40内に白色部分を露出する。こ
の白色板50の露出位置によって前記したカートリッジ
14内のフィルムFIの処理状態を明示している。
【0074】図2に示すように、リング48には歯車部
48Aが形成されており、ドア30が閉められるとカバ
ー18Bに取り付けられたスプールロック76が歯車部
48Aに噛み合い、所定以下のトルクでは回転しないよ
うになっている。一方、ドア30が開けられるとスプー
ルロック76が歯車部48Aから離れ、スプール軸16
はスムーズに回転できるようになっている。
【0075】図3(A)及び図3(B)に示されるよう
に、スプール軸16の巻取部42には、軸線方向に沿っ
た切り欠き部52が形成されており、巻取部42は、こ
の切り欠き部52によって太幅の巻取部本体42Bと細
幅の係合部42Aに分割されている。また、係合部42
Aには、軸線方向の中間部で分割されてそれぞれの先端
が巻取部本体42Bへ向けて切り欠き部52の開口幅を
狭める方向に突出した押さえ部54が形成されている。
【0076】一方、巻取部本体42Bには、押さえ部5
4の軸線方向に沿った外側に、切り欠き部52の開口幅
を狭める方向に突出した突起部56が対で形成されてい
る。この突起部56は、スプール軸の軸線方向に沿って
見たときに前記した押さえ部54と重なり合うようにな
っている。
【0077】図1(B)及び図2に示すように、ケーシ
ング20の外周面には、ラベル78が貼り付けられてい
る。図1(B)に示すように、ラベル78には、カート
リッジ14を識別するためのカートリッジID(識別番
号)、フィルム種、撮影枚数(コマ数)情報等の各種情
報の含まれたバーコード80がカバー18B側に2段印
刷されている。
【0078】図4に示すように、フィルムFIのトレー
ラー側の端部FTには、幅方向の中央部にフィルムFI
をスプール軸16へ係止するときに用いられるアタッチ
プレートの爪部(図示せず)を引っ掛けるための長孔5
8が穿設されている。
【0079】この長孔58の幅方向の両側には、係合孔
60が穿設されている。この係合孔60は、フィルムF
Iのトレーラー側の端部FTをスプール軸16の切り欠
き部52へ挿入したときに、図3(A),(B)に示す
ように、前記した突起部56がそれぞれ入り込むように
なっている。また、このときフィルムFIの係合孔60
の間は押さえ部54が当接して、突起部56の抜け止め
の役目をしてフィルムFIのトレーラー側の端部FTを
スプール軸16に係合させるようになっている。
【0080】なお、図3(B)に示されるように、突起
部56の先端56Aは、フィルムFIの引出し方向(矢
印R方向)と反対方向に突出した形状となってフィルム
FIの抜け防止が施されている。
【0081】フィルムFIは、トレーラー側の端部FT
が前記したようにスプール軸16に係合した状態でスプ
ール軸16に巻き取られてカートリッジ14内に収容さ
れている。
【0082】図1(A),(C)に示すように、カート
リッジ14には、側壁24、26から露出するスプール
軸16の端面にキー孔62が形成されており、このキー
孔62に係合した場合にスプール軸16に回転力を伝達
することができるようになっている。
【0083】なお、図4に示されるように、フィルムF
Iには、画像コマ64の位置を明示するパーフォレーシ
ョン66が所定間隔で幅方向の一端部に形成されてお
り、このパーフォレーション66は、画像の露光やプリ
ント作業を行うときの画像コマ64の位置決めに用いら
れるようになっている。
【0084】また、最終の画像コマ64より端部FT側
には、前記パーフォレーション66と反対側にアラウン
ドパーフォレーション68が穿設されており、この位置
よりもトレーラー側には画像が記録されていないこと、
または画像を記録しないことを明示している。
【0085】また、フィルムFIには、トレーラー側の
端部FTから一定の間隔Tだけ離れた位置にデタッチパ
ーフォレーション70が穿設されており、このデタッチ
パーフォレーション70を検出すればフィルムFIのト
レーラー側の端部FTの位置を正確に判断できるように
している。なお、フィルムFIのトレーラー側の端部F
Tの幅方向の両端は、スプール軸16の切り欠き部52
への挿入を容易にするために傾斜している。
【0086】さらに、このフィルムFIには、透明な磁
気記録層が設けられており、フィルムFIの幅方向の両
端部で、画像コマ64に掛からない領域を磁気トラック
として用いるようになっている。
【0087】ここで、パーフォレーション66の形成さ
れている側には現像所用の磁気トラック80が設けられ
ている。また、パーフォレーション66の形成されてい
る側とは反対側には、カメラ用の磁気トラック82が設
けられている。また、端部FT側の画像コマ64のパー
フォレーション66よりも端部FT側、及び端部FR側
の画像コマ64のパーフォレーション66よりも端部F
R側には、それぞれフィルムFIを識別するためのフィ
ルムIDを記録する磁気トラック88が設けられてい
る。さらに、これら磁気トラック88の反対側には、バ
ーコード90が設けられている。このバーコード90
は、フィルムFIを識別するためのフィルムIDを含む
ものであり、フィルムFIの製造段階で予め潜像として
形成されており、現像処理することで顕像化されるもの
である。なお、フィルムFIのバーコード90は、前述
したカートリッジ14のバーコード80と対応してい
る。
【0088】さらに、フィルムFIには、磁気トラック
82と同じ位置に、バーコード92が記録されている。
このバーコード92は、画像コマ64のコマナンバー、
製造メーカー、フィルム種等を表すものであり、フィル
ムFIの製造段階で予め潜像として形成されており、現
像処理することで顕像化されるものである。 (現像処理装置)図5に示すように、前述したフィルム
FIの現像処理を行う現像処理装置100は、内部を遮
光するための箱状のケーシング102を備えている。ケ
ーシング102の上部には開閉蓋110、表示装置11
2、操作盤114が設けられている。
【0089】ケーシング102の内部には、図6及び図
7に示すように、カートリッジ14を装填するためのス
テーション104が設けられている。
【0090】図6,7に示すように、このステーション
104にはカートリッジ14を装填する凹部116と、
凹部116に挿入されたカートリッジ14を保持する回
転レバー118を備えている。なお回転レバー118は
モータ120によって回転される。
【0091】ステーション104にはカートリッジ14
のバーコード80を読み取るバーコードスキャナー12
1が設けられている。このバーコードスキャナー121
で読み取られたバーコード80の情報は後述する処理液
供給手段の一部を構成する制御装置122に送信され
る。
【0092】ステーション104には、カートリッジ1
4からフィルムFIを出入り可能とするための切欠12
4が形成されている。
【0093】図7に示すように、ステーション104に
は、カートリッジ14のドア30(図7では図示せず)
を開閉するドアドライバ126及びスプール軸16(図
7では図示せず)を回転させるスプールドライバ128
を備えたチャッキング装置130が設けられている。
【0094】ドアドライバ126及びスプールドライバ
128は、各々モータ132及びモータ134によって
回転されるようになっており、軸側面にはキー孔と係合
するキー(突起)が形成されている。モータ132及び
モータ134は、ステーション104に取り付けられた
一対のガイドレール136に沿って移動可能に支持され
たスライド板138に取り付けられている。なお、スラ
イド板138は、スプール軸16の軸方向に沿ってスラ
イドする。
【0095】スライド板138には、ステーション10
4に取り付けられたソレノイド140の可動鉄心140
Aが連結されており、通常は、図7に示すようにドアド
ライバ126及スプールドライバ128が凹部116か
ら所定寸法離れた位置に退避している。
【0096】なお、ソレノイド140が通電されると、
可動鉄心140Aが突出して凹部116の底部に形成さ
れた開口142からドアドライバ126及スプールドラ
イバ128の先端が突出し、ドアドライバ126がドア
シャフト32のキー孔34に、スプールドライバ128
がスプール軸16のキー孔62に係合する。
【0097】なお、ステーション104のソレノイド1
40、モータ120、モータ132、モータ134は制
御装置122によって制御される。
【0098】図6に示すように、ステーション104の
下方即ちカートリッジ14と後述する処理槽300との
間には、フィルムFIを処理槽300内へ搬送する搬送
手段としての一対のガイドローラ250が配置されてい
る。これらのガイドローラ250は、図示しないソレノ
イドの可動鉄心252に連結されており、ソレノイドの
オン又はオフにより可動鉄心252を介して左右方向へ
スライドし、フィルムFIの巻き込み時または引出し時
に退避状態となる。
【0099】ガイドローラ250の下方には現像処理さ
れたフィルムFIを乾燥させる一対のドライヤー254
がフィルムFIの面にそれぞれ対向して配置されてお
り、フィルムFIがカートリッジ14内へ巻き戻される
際に温風が吹きつけられる。
【0100】図8に示すように、ドライヤー254の下
方には合成樹脂等で形成された刀の鞘状を呈した処理槽
300がほぼ鉛直方向に沿って配置されている。なお、
本実施形態の処理槽300の容積は、50ミリリットル
である。
【0101】処理槽300の内部の長手方向直角断面形
状は図11に示すようになっており、互いに対向する内
壁面は、幅方向両側(フィルムFIの幅方向両端部と対
向する部分)の間隔が狭く、幅方向中央部(フィルムF
Iの画像コマ64と対向する部分)の間隔が広くなるよ
うに湾曲している。なお、図12に示すように幅方向中
央部を広くかつ平行にしても良い。
【0102】このため、フィルムFIを開口から挿入す
ると、フィルムFIの幅方向両端部分が処理槽300の
内部の幅方向両側部分でガイドされ、フィルムFIの幅
方向中央部分、即ち画像コマ64と処理槽300の内壁
面との接触が防止される。
【0103】図8に示すように、処理槽300の上部側
面の一方には槽内と連通しているパイプ状の接続部30
4が設けられており、上部側面の他方にも同じく槽内と
連通しているパイプ状の接続部306が設けられてい
る。
【0104】また、処理槽300の下部側面の一方には
槽内と連通しているパイプ状の接続部308が設けられ
ており、下端には槽内と連通しているパイプ状の接続部
310が設けられている。
【0105】図6に示すように、処理槽300の上端は
一部が切り欠かれており、この切り欠き部分に形成され
たフィルム挿入口312と対向する位置には密閉装置3
14が設けられている。
【0106】密閉装置314は、フィルム挿入口312
と密着するブロック316を備えている。なお、ブロッ
ク316には、フィルム挿入口312と密着する部分に
ゴム等の弾性体からなる厚肉のパッキン318が貼り付
けられている。
【0107】このブロック316は、ラック320に連
結されており、ラック320と噛み合うピニオン322
をモータ324で回転させることにより、パッキン31
8で処理槽300の開口を閉塞し、これにより槽内を密
閉することができる。
【0108】図8に示すように、現像処理装置100に
は、処理液供給手段の一部を構成する発色現像液の貯留
された発色現像液ストックタンク400、漂白液の貯留
された漂白液ストックタンク402、定着液の貯留され
た定着液ストックタンク404、水洗液の貯留された水
洗液ストックタンク406及び安定液の貯留された安定
液ストックタンク408が設けられている。なお、各タ
ンクの容量は500ミリリットルとなっている。
【0109】ここで、発色現像液は処理液供給手段の一
部を構成する電磁弁410、正逆回転可能なポンプ41
2及び接続部310を介して処理槽300へ、漂白液は
処理液供給手段の一部を構成する電磁弁414,410
及びポンプ412を介して処理槽300へ、定着液は電
磁弁416,414,410、ポンプ412及び接続部
310を介して処理槽300へ、水洗液は電磁弁41
8,416,414,410、ポンプ412及び接続部
310を介して処理槽300へ、安定液は電磁弁42
0,418,416,414,410、ポンプ412及
び接続部310を介して処理槽300へ送液されるよう
になっている。
【0110】なお、電磁弁420は開閉弁であり、電磁
弁410,414,416,418は3方弁である。
【0111】また、処理槽300を通過した発色現像液
は電磁弁422を介して発色現像液ストックタンク40
0へ、処理槽300を通過した漂白液は電磁弁422,
424を介して漂白液ストックタンク402へ、処理槽
300を通過した定着液は電磁弁422,424,42
6を介して定着液ストックタンク404へ、処理槽30
0を通過した水洗液は電磁弁422,424,426,
428を介して水洗液ストックタンク406へ、処理槽
300を通過した安定液は電磁弁422,424,42
6,428,430を介して安定液ストックタンク40
8へと循環する。
【0112】なお、接続部306と電磁弁422との間
には、電磁弁421を介して廃液タンク423が接続さ
れている。また、電磁弁430は開閉弁であり、電磁弁
421,422,424,426,428は3方弁であ
る。
【0113】また、一つの処理液で処理が終了するとポ
ンプ412が逆転し、処理槽300内の処理液が元のス
トックタンクへと戻され、処理槽300内が空になる。
その後、次の処理液を処理槽300内に送液する。
【0114】なお、接続部304と接続部308は配管
456で連結されており、配管の途中に設けられた正逆
回転可能なポンプ458によって処理槽300内の処理
液を循環するようになっている。
【0115】これら発色現像液ストックタンク400、
漂白液ストックタンク402、定着液ストックタンク4
04、水洗液ストックタンク406及び安定液ストック
タンク408の構造を説明する。なお、これらのタンク
は全て同一構造であるので、代表して発色現像液ストッ
クタンク400の構造を詳述する。
【0116】図9に示すように、発色現像液ストックタ
ンク400には、発色現像液を加温するヒーター46
0、発色現像液の液温を測定す温度センサー462、処
理槽300の接続部310に通じかつポンプ412を介
し処理槽300へ発色現像液を送液するための配管46
6が挿入されている。
【0117】ヒーター460及び温度センサー462は
制御装置122に連結されており、これによって処理液
の温度が所定温度にコントロールされる。
【0118】発色現像液ストックタンク400の下部に
は、処理槽300の発色現像液を回収するための配管4
68が連結されている。
【0119】発色現像液ストックタンク400には、貯
留した発色現像液を循環させて組成及び温度を均一化す
るための配管470及びポンプ472が取り付けられて
いる。
【0120】発色現像液ストックタンク400は水平方
向断面形状が上下方向に一定であり、貯留された発色現
像液には、発色現像液と外気との接触面積を小さくする
と共に、外気への自然放熱による液温低下を防止するた
めの浮き蓋474が浮かべられている。
【0121】ここで、処理液を加温する方法として、図
10に示すように、循環用の配管470を鋳込みヒータ
ー476で加熱し、間接的に処理液を加温しても良い。 (作用)次に、本実施形態の作用を説明する。
【0122】装置の初期状態では、ガイドローラ250
同士は離間しており、かつブロック316が処理槽30
0のフィルム挿入口312から離間している。
【0123】先ず、開閉蓋110を開けて未現像のフィ
ルムFIの収納されたカートリッジ14をステーション
104の凹部116に装填し、開閉蓋110を閉める。
【0124】操作盤114のスタートボタンをオンする
と、回転レバー118が回転してカートリッジ14が保
持される。
【0125】次に、チャッキング装置130が作動し、
ドアドライバ126がドアシャフト32のキー孔34
に、スプールドライバ128がスプール軸16のキー孔
62に係合する。
【0126】次に、ドアドライバ126がモータ132
で回転されてドア30が開かれた後、スプールドライバ
128がモータ134で回転されてフィルムFIがカー
トリッジ14の挿通口28から送り出される。
【0127】カートリッジ14からフィルムFIが送り
だされると、ガイドローラ250が回転し、フィルムF
Iは、ガイドローラ250と250との間を通って処理
槽300の中へと挿入される。
【0128】なお、フィルムFIが処理槽300に挿入
し終わると、ブロック316がフィルム挿入口312を
押圧して槽内が密閉される。
【0129】次に処理液によるフィルムFIの現像処理
について説明する。処理槽300が密閉されると、ポン
プ412、電磁弁410,414,416,418,4
20,422,424,426,428,430が制御
装置122によって所定の順番で作動し、発色現像液、
漂白液、定着液、水洗液、安定液の順で処理槽300内
が充填され、フィルムFIの現像処理が行われる。
【0130】ここで、一つの処理液でフィルムFIを処
理する場合、ポンプ412を作動させて処理液をストッ
クタンクと処理槽300との間で一方向に循環させる
が、適宜ポンプ412を停止してポンプ458を作動さ
せ、処理槽300内の処理液を逆方向に循環させる。こ
れにより、長尺のフィルムFIを長手方向に渡って安定
して処理できる。
【0131】また、一つの処理液で処理が終了すると、
ポンプ412によって処理槽300及び配管456内の
処理液が接続部306を介して元のストックタンクへと
戻され、処理槽300及び配管456内が一旦空にな
る。その後、電磁弁が切り換えられ、ポンプ412が作
動して次の処理液が処理槽300内に送液される。
【0132】このようにしてフィルムFIが発色現像
液、漂白液、定着液、水洗液及び安定液によって順に処
理されると、密閉装置314のブロック316がフィル
ム挿入口312から離間する。
【0133】次に、スプールドライバ128が回転され
てフィルムFIがカートリッジ14のスプール軸16に
全て巻き取られるとドア30が閉じられ、ドアドライバ
126及スプールドライバ128がカートリッジ14か
ら離れる。なお、このフィルムFIがカートリッジ14
内へ巻き戻される際に、図6に示すドライヤー254が
フィルムFIの面に温風を吹き付け、フィルムFIを乾
燥させる。
【0134】その後、回転レバー118が回転して凹部
116から退避し、現像済のフィルムFIを収容したカ
ートリッジ14を開閉蓋110を開けて取り出すことが
できるようになる。
【0135】さらに、図13のフローチャートを参照し
て本実施形態の処理槽内に予め最終処理液(安定液)を
満たしておく処理液供給の制御について説明する。
【0136】ステップ100において、カートリッジ1
4が装填されたか否かが判断され、肯定の場合にはステ
ップ102で処理槽300内に処理液があるか否かが判
断される。ステップ102が否定の場合にはステップ1
04で安定液を処理槽300内に送液すると共に、ステ
ップ106でフィルムFIを処理槽300内に挿入す
る。なお、ステップ102が肯定の場合にはステップ1
06の処理を行う。
【0137】この後、ステップ108で液路を切り換え
て処理槽300内の安定液を元のストックタンク408
へと戻した後に、発色現像液を処理槽300内に送液
し、ステップ110で現像処理を行う。なお、この場
合、処理槽300に保持していた安定液の一部又は全部
は、廃液タンク423へ送液して廃液してもよい。
【0138】ステップ112で液路を切り換えて漂白液
を処理槽300内に送液し、ステップ114で漂白処理
を行う。ステップ116で液路を切り換えて定着液を処
理槽300内に送液し、ステップ118で定着処理を行
う。ステップ120で液路を切り換えて水洗液を処理槽
300内に送液し、ステップ122で水洗処理を行う。
ステップ124で液路を切り換えて安定液を処理槽30
0内に送液し、ステップ126で安定処理を行う。
【0139】ステップ128で、安定液を処理槽300
から抜かずに保持しておき、ステップ130でフィルム
FIを処理槽300から取り出す。ステップ132にお
いて、ドライヤ254でフィルムFIを乾燥させ、カー
トリッジ14内に引き込ませる。なお、最終処理液(安
定液)の代わりに、水洗水を予め処理槽300内に満た
しておいてもよい。
【0140】他の実施形態として、図14のフローチャ
ートに基づき、予め発色現像液を処理槽300内に満た
しておく場合について説明する。
【0141】ステップ140において、カートリッジ1
4が装填されたか否かが判断され、肯定の場合にはステ
ップ142で処理槽300内に処理液があるか否かが判
断される。ステップ142が否定の場合にはステップ1
44で発色現像液を処理槽300内に送液すると共に、
ステップ146でフィルムFIを処理槽300内に挿入
する。なお、ステップ142が肯定の場合にはステップ
146の処理を行う。
【0142】この後、ステップ148で現像処理を行
う。ステップ150で液路を切り換えて漂白液を処理槽
300内に送液し、ステップ152で漂白処理を行う。
ステップ154で液路を切り換えて定着液を処理槽30
0内に送液し、ステップ156で定着処理を行う。ステ
ップ158で液路を切り換えて水洗液を処理槽300内
に送液し、ステップ160で水洗処理を行う。ステップ
162で液路を切り換えて安定液を処理槽300内に送
液し、ステップ164で安定処理を行う。
【0143】ステップ166で、安定液を処理槽300
から抜かずに保持しておき、ステップ168でフィルム
FIを処理槽300から取り出す。ステップ170にお
いて、ドライヤ254でフィルムFIを乾燥させ、カー
トリッジ14内に引き込ませると共に、ステップ172
でフィルムFIを処理槽300から取り出した後に液路
を切り換え、ステップ174で発色現像液を処理槽30
0内に送液する。
【0144】なお、発色現像液を予め処理槽300内に
満たしておく場合には、フィルムFIの処理槽300内
への挿入時間が多少要すると、現像処理時間がフィルム
FIの長さ方向の先端と後端とでは変わり、均一な現像
処理ができなくなるおそれがある。一方、発色現像液以
外の処理液例えば最終処理液や水洗水等を予め処理槽3
00内に満たしておく場合には、ステップ108におい
て、発色現像液を処理槽300内へ一気に送液するの
で、フィルムFIの長さ方向の先端と後端とでも現像処
理時間が一定となり、均一な現像処理ができる。
【0145】ここで、本実施形態の現像処理装置100
では、フィルムFIの挿入前に、処理槽300内に予め
処理液が満たされ、この状態でフィルムFIを挿入する
ので、フィルムFI挿入時においてフィルムFIが処理
槽300の内壁に干渉(当接)しても内壁に付着し張り
付くことがなくなるので、フィルムFIを処理槽300
内に挿入する際の搬送不良が防止される。
【0146】従って、本実施形態の現像処理装置100
によれば、処理槽300内にフィルムFIを引き込むた
めの引込手段を設置したり,処理槽300の内壁材質を
フィルムFIの滑りが良くなる材質に変更することな
く、簡易な構成で、フィルムFIを容易かつ確実に処理
槽300内へ搬送することができる。
【0147】なお、本実施形態においては、フィルムF
IがAPS用のものであるが、本発明のフィルムはこれ
に限定されず、例えば135サイズのフィルム等でも同
様に適用することができる。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の現像処理
装置は上記の構成としたので、フィルムが容易かつ確実
に処理槽内へ搬送できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はカートリッジの左側面図であり、
(B)はカートリッジの正面図であり、(C)はカート
リッジの右側面図である。
【図2】カートリッジの分解斜視図である。
【図3】(A)はスプール軸の正面図であり、(B)は
図3(A)に示すスプール軸の3(B)−3(B)線断
面図である。
【図4】フィルムの平面図である。
【図5】現像処理装置の全体斜視図である。
【図6】フィルム挿入機構の側面図である。
【図7】ステーションの断面図である。
【図8】現像処理装置の配管図である。
【図9】ストックタンクの構成図である。
【図10】他の実施形態に係るストックタンクの構成図
である。
【図11】処理槽の断面図である。
【図12】他の実施形態に係る処理槽の断面図である。
【図13】処理槽内に予め最終処理液を満たしておくフ
ローチャートである。
【図14】処理槽内に予め現像液を満たしておくフロー
チャートである。
【符号の説明】
14 カートリッジ(フィルム収容容器) 16 スプール軸 28 挿通口(出入口) 100 現像処理装置 122 制御装置(補充液供給手段) 128 スプールドライバ(送出手段) 134 モータ(送出手段) 250 ガイドローラ(搬送手段) 300 処理槽 312 フィルム挿入口 400 発色現像液ストックタンク(補充液供給手段) 402 漂白液ストックタンク(補充液供給手段) 404 定着液ストックタンク(補充液供給手段) 406 水洗液ストックタンク(補充液供給手段) 408 安定液ストックタンク(補充液供給手段) 442 ポンプ(補充液供給手段) 444 ポンプ(補充液供給手段) 446 ポンプ(補充液供給手段) 448 ポンプ(補充液供給手段) 450 ポンプ(補充液供給手段) FI フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプール軸に巻き取られた長尺状のフィ
    ルムをフィルム収容容器の出入口から送り出して現像処
    理する現像処理装置であって、 フィルム収容容器から長手方向一端をスプール軸に係止
    した状態でフィルムを送り出す送出手段と、 前記フィルム収容容器の外に送り出されたフィルムの処
    理長さよりも長い長さに形成され、長手方向一方にのみ
    フィルムの出入を可能とするフィルム挿入口を有する小
    容量で単槽の鞘状の処理槽と、 前記処理槽内へ処理液を供給すると共に、前記フィルム
    の挿入前に前記処理槽内に処理液を満たしておく処理液
    供給手段と、 を有することを特徴とする現像処理装置。
  2. 【請求項2】 フィルム収容容器の外に送り出されたフ
    ィルムの処理長さよりも長い長さに形成され、長手方向
    一方にのみフィルムの出入を可能とするフィルム挿入口
    を有する小容量で単槽の鞘状の処理槽と、前記処理槽内
    へ処理液を供給する処理液供給手段と、を有する現像処
    理装置に用いられ前記処理槽内で前記処理槽内のフィル
    ムを現像処理する現像処理方法であって、 前記処理液供給手段で前記フィルムの挿入時に前記処理
    槽内に処理液を満たしておくことを特徴とする現像処理
    方法。
JP34207196A 1996-12-20 1996-12-20 現像処理装置及び現像処理方法 Pending JPH10186614A (ja)

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