JPH1124228A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JPH1124228A
JPH1124228A JP17500097A JP17500097A JPH1124228A JP H1124228 A JPH1124228 A JP H1124228A JP 17500097 A JP17500097 A JP 17500097A JP 17500097 A JP17500097 A JP 17500097A JP H1124228 A JPH1124228 A JP H1124228A
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JP
Japan
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film
spool shaft
cartridge
processing tank
processing
Prior art date
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Pending
Application number
JP17500097A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Kurokawa
俊夫 黒川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/998,058 priority patent/US5826131A/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さなスペースでも設置することができ、第
1のフィルム収容容器内のフィルムと第2のフィルム収
容容器内のフィルムを共通の機構で処理する。 【解決手段】 135サイズのフィルムを収容したパト
ローネを装填する装填部106を設ける。この装填部1
06の中間カートリッジ120に中間スプール軸204
を設け、かつカートリッジ14を挟持する挟持部材23
0,232を設ける。挟持部材230,232と中間ス
プール軸204とをリンク機構で移動させる。135サ
イズのフィルムがパトローネから中間スプール軸204
に巻き取られて装填部106内に保持され、かつこの状
態で装填部106から処理槽内に挿入されて現像処理さ
れる。また、カートリッジ14が挟持部材230,23
2で挟持され装填部106に保持される。従って、単一
の装填部106に種類の異なるフィルムを装填できるの
で、装置の小型化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム収容容器
に収容されたフィルムを装填部に装填して現像処理する
感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に用いられている135サイ
ズのネガフィルムは、ネガフィルムをスプール軸から外
し又はスプール軸の近傍で切断し、複数の処理槽を搬送
ローラ等で搬送しながら現像処理を行うようになってい
る。
【0003】また、現像済みのネガフィルムは、所定コ
マ数毎に切断されてピースネガとして顧客に返却される
ようになっていた。
【0004】近年、このようにネガフィルムを切断せず
に、現像済みのネガフィルムをフィルム収容容器(カー
トリッジ)に収容した状態で返却する新システムとして
のAPS(「アドバンスト・フォト・システム」の略
で、以下この新システムのことを単に「APS」とい
う)が提案されている。
【0005】このAPSでは、顧客から預かったカート
リッジからネガフィルムを取り出して現像処理を行い、
現像処理したネガフィルムは元のカートリッジに収容し
て顧客に返却するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のネガ
フィルムの自動現像機の処理では、135サイズのネガ
フィルム先端を切って処理槽内の搬送装置に合致する専
用のリーダに貼付させる作業をしたり、フィルムが貼付
されたリーダを自動現像機の所定の位置にセットしたり
するめんどうな作業が必要であった。
【0007】さらに、処理槽もネガフィルム付リーダを
屈曲させて搬送する複雑な機構とローラが必要であり、
処理槽も専用の大きな内容積の複雑な機構を有するもの
であり、大きなスペースと液量を必要としていた。
【0008】また、自動現像機では、発色現像、定着漂
白、水洗等の複数の処理を行うため、複数個の処理槽を
必要とする関係で、機械が大型化し、広い設置スペース
を必要としていた。このため、狭い場所では設置出来
ず、設置場所が限られてしまうという問題があった。
【0009】さらに、135サイズのネガフィルムで
は、予めネガフィルムを切断して現像処理することを前
提としているので、ネガフィルムのスプール軸の係止付
近即ちネガフィルムの最後端まで画像コマが形成されて
いる。
【0010】また、135サイズのネガフィルムでは、
予めネガフィルムの先端付近をカートリッジから引き出
した状態とし、カートリッジをカメラに装填し引き出し
たネガフィルムのパーフォレーション(フィルムの孔)
をカメラのスプロケット(ギヤ)に噛み合わせる必要が
あるため、ネガフィルムの先端から若干の長さに亘って
は画像が形成されない。
【0011】そのため、135サイズのネガフィルムを
その最後端を保持した状態で現像処理しようとすると、
ネガフィルムの後端付近の画像コマが現像されない場合
がある。
【0012】一方、自動現像機に前述した新システムを
採用しようとすると、カートリッジのスプール軸からネ
ガフィルムを分離する装置や現像処理した後のネガフィ
ルムを再びスプール軸に係止する装置が必要となり、さ
らに機械が複雑化すると共に大型化してしまうという問
題がある。
【0013】また、135サイズのネガフィルムを現像
処理する処理装置でAPSのネガフィルムを現像処理で
きれば処理装置を別々に設ける場合に比べ安価になると
共に、小さなスペースでも設置できる。しかし、135
サイズのフィルム収容容器とAPSのフィルム収容容器
とではその構成(外形等)が異なり、両者のフィルム収
容容器を同一の容器装填部に装填することができないと
いう問題がある。
【0014】本発明は上記事実を考慮し、小さなスペー
スでも設置することができると共に、第1のフィルム収
容容器内のフィルムと第2のフィルム収容容器内のフィ
ルムを共通の機構で処理する感光材料処理装置を提供す
ることが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、第1のスプール軸に巻き取られた長尺状の第1のフ
ィルムを前記第1のスプール軸から前記第1のフィルム
を離間させた状態で現像処理し、かつ返却する種類の前
記第1のフィルムを収容した第1のフィルム収容容器を
装填し前記第1のフィルム収容容器から前記第1のフィ
ルムを巻き取り保持し、または第2のスプール軸に巻き
取られた長尺状の第2のフィルムを出し入れする挿通口
が形成されると共に前記第2のフィルムを前記第2のス
プール軸に巻き取られた状態で返却する種類の前記第2
のフィルムを収容した第2のフィルム収容容器を装填す
る単一の共用の装填部と、前記第2のスプール軸と連結
する連結手段と、前記連結手段を介して前記第2のスプ
ール軸を回転させる回転駆動手段と、を有することを特
徴としている。
【0016】請求項1に記載の感光材料処理装置では、
未現像の第1または第2のフィルムの収容された第1ま
たは第2のフィルム収容容器を装填部に装填する。第1
のフィルムが第1のフィルム収容容器から装填部に巻き
取られ、装填部内に保持される。また、第2のスプール
軸が連結手段に連結され、回転駆動手段によって第2の
スプール軸が回転する。そのため、第2のフィルムが第
2のフィルム収容容器から出入りする。
【0017】請求項1に記載の感光材料処理装置では、
単一の装填部に対して第1のフィルム収容容器を装填可
能とし、または第2のフィルム収容容器を装填可能とし
たので、装填部を共用でき、感光材料処理装置の小型化
を図ることができる。
【0018】ここで、スプール軸に巻き取られた長尺状
のフィルムをスプール軸からフィルムを離間させた状態
で現像処理し、かつ返却する種類のフィルムとは、画面
位置が予め規定されておらず使用の仕方によって異なる
フィルムで、その代表的な例は135サイズのフィルム
がある。なお、135サイズのフィルム等においては、
撮影の仕方によって標準の画面数(つまり、露光枚数)
より多く用いられることもあり、その場合にはフィルム
上に未露光部分が非常に少なくなる。なお、ここでの返
却とは、現像済みのフィルムを所定コマ数毎に切断し、
ピースネガとして顧客等に返却することを意味する。
【0019】また、フィルムをスプール軸に巻き取られ
た状態で返却する種類のフィルムとは、画面位置がパー
フォレーションなどによって予め規定されているような
フィルムであり、その代表的な例はAPSフィルムがあ
る。なお、ここでの返却とは、フィルムをスプール軸に
巻き取られた状態での第2のフィルム収容容器を顧客等
に返却することを意味する。
【0020】請求項2に記載の発明は、第1のスプール
軸に巻き取られた長尺状の第1のフィルムを前記第1の
スプール軸から前記第1のフィルムを離間させた状態で
現像処理し、かつ返却する種類の前記第1のフィルムを
収容した第1のフィルム収容容器を装填し前記第1のフ
ィルム収容容器から前記第1のフィルムを巻き取り保持
し、または第2のスプール軸に巻き取られた長尺状の第
2のフィルムを出し入れする挿通口が形成されると共に
前記第2のフィルムを前記第2のスプール軸に巻き取ら
れた状態で返却する種類の前記第2のフィルムを収容し
た第2のフィルム収容容器を装填する単一の共用の装填
部と、前記第2のスプール軸と連結する連結手段と、前
記連結手段を介して前記第2のスプール軸を回転させる
回転駆動手段と、前記連結手段を前記第2のスプール軸
に対応するように移動させて係合させる移送手段と、前
記移送手段に連結され、前記移送手段の移動によって前
記第2のフィルム収容容器を位置決めして保持する保持
手段と、を有することを特徴としている。
【0021】請求項2に記載の感光材料処理装置では、
移送手段によって連結手段が移動し、かつ保持手段が移
動する。そのため、保持手段によって第2のフィルム収
容容器が位置決めされ保持される。また、連結手段が第
2のスプール軸と係合する。
【0022】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の感光材料処理装置において、前記連結手段
に、前記第1のフィルムの長手方向一端を保持して前記
第1のフィルム収容容器から前記第1のフィルムを巻き
取る中間スプール軸を備えたことを特徴としている。
【0023】請求項3に記載の感光材料処理装置では、
連結手段の中間スプール軸が第1のフィルムを巻き取
る。
【0024】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項に記載の感光材料処理装置において、前
記装填部に装填された前記第1のフィルム収容容器内の
前記第1のフィルムを前記装填部内に巻き取った後に、
前記第1のフィルムの長手方向他端を切断する切断手段
と、前記装填部に配置された前記第1または第2のフィ
ルムの長手方向一端を前記装填部に係止した状態で前記
第1または第2のフィルムを送り出す送出手段と、フィ
ルム挿入口が形成され、前記装填部に巻き取られた前記
第1のフィルムの長手方向他端または前記装填部に装填
された前記第2のフィルム収容容器の挿通口を前記処理
槽のフィルム挿入口に対向させた状態で前記フィルム挿
入口から前記送出手段により送り出された前記第1およ
び第2のフィルムを挿入して現像処理する単一の共用の
処理槽と、を有することを特徴としている。
【0025】請求項4に記載の感光材料処理装置では、
装填部に第1のフィルム収容容器を装填する。装填部に
装填された第1のフィルム収容容器内のフィルムは、装
填部内に巻き取られる。装填部内に巻き取られたフィル
ムの長手方向一端を係止した状態で、送出手段によって
フィルムが送り出され処理槽内で現像処理される。
【0026】または、装填部に第2のフィルム収容容器
を装填する。第2のフィルム収容容器内のスプール軸に
巻き取られたフィルムの長手方向一端を係止した状態
で、送出手段によってフィルムが送り出される。そし
て、送出手段により送り出されたフィルムは、処理槽内
で現像処理される。
【0027】従って、請求項4に記載の感光材料処理装
置によれば、単一の装填部に対して第1のフィルム収容
容器を装填可能とし、または、第2のフィルム収容容器
を装填可能としたので、第1または第2のフィルムを装
填部から送り出すローラやこのローラを駆動するモータ
等を共用できると共に、共通の処理槽で第1のフィルム
収容容器内のフィルムと第2のフィルム収容容器内のフ
ィルムとを現像処理することができる。即ち、請求項4
に記載の感光材料処理装置によれば、別々の感光材料処
理装置を設ける必要がなくなり、安価となると共に小さ
なスペースでも設置することができる。
【0028】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項に記載の感光材料処理装置において、前
記装填部に装填された前記第1のフィルム収容容器内の
前記第1のフィルムを前記装填部内に巻き取った後に、
前記第1のフィルムの長手方向他端を切断する切断手段
と、前記第1または装填部に配置された前記第1または
第2のフィルムの長手方向一端を前記第1または装填部
に係止した状態で前記第1または第2のフィルムを送り
出す送出手段と、フィルム挿入口が形成されると共に前
記第1のフィルムの幅に対応した内幅寸法を有し、前記
送出手段により送り出された前記第1のフィルムを現像
処理する第1の処理槽と、フィルム挿入口が形成される
と共に前記第2のフィルムの幅に対応した内幅寸法を有
し、前記送出手段により送り出された前記第2のフィル
ムを現像処理する第2の処理槽と、前記装填部または前
記第1の処理槽のいずれか一方を移動させて前記第1の
フィルムの長手方向他端を前記第1の処理槽のフィルム
挿入口に対向させ、または前記装填部または前記第2の
処理槽のいずれか一方を移動させて前記第2のフィルム
収容容器の挿通口を前記第2の処理槽のフィルム挿入口
に対向させる移動手段と、を有することを特徴としてい
る。
【0029】請求項5に記載の感光材料処理装置では、
装填部に第1のフィルム収容容器を装填する。装填部に
装填された第1のフィルム収容容器内のフィルムは、装
填部内に巻き取られる。例えば、移動手段によって装填
部に巻き取られたフィルムの長手方向他端を第1の処理
槽のフィルム挿入口に対向するように移動させる。
【0030】この移動後に、装填部内に巻き取られたフ
ィルムの長手方向一端を係止した状態で、送出手段によ
ってフィルムが送り出される。なお、初期位置におい
て、装填部に巻き取られたフィルムの長手方向他端が処
理槽のフィルム挿入口に対向している場合には、移動手
段によって装填部を移動させる必要がない。
【0031】または、装填部に第2のフィルム収容容器
を装填する。第2のフィルム収容容器内のスプール軸に
巻き取られたフィルムの長手方向一端を係止した状態
で、移動手段で装填部に装填された第2のフィルム収容
容器の挿通口を第2の処理槽のフィルム挿入口に対向さ
せ、送出手段によってフィルムが送り出される。そし
て、送出手段により送り出されたフィルムは、第2の処
理槽内で現像処理される。
【0032】請求項5に記載の感光材料処理装置によれ
ば、第1のフィルム及び第2のフィルムのフィルム幅に
対応した第1の処理槽及び第2の処理槽を設けたので、
第1のフィルム及び第2のフィルムの幅方向両端部分が
第1の処理槽及び第2の処理槽の内壁面の幅方向両側部
分でより確実にガイドされる。
【0033】請求項6に記載の発明は、請求項4または
5に記載の感光材料処理装置において、前記処理槽内の
処理液の循環、置換及び排出を行う処理液供給手段を有
することを特徴としている。
【0034】請求項6に記載の感光材料処理装置では、
処理液供給手段が処理槽内の処理液(例えば、発色現像
液、定着漂白液、リンス液等)の循環、置換(例えば、
発色現像液と定着漂白液との置換、漂白定着液とリンス
液との置換等)及び排出を行う。
【0035】請求項6に記載の感光材料処理装置によれ
ば、処理液供給手段を用いて発色現像、定着漂白、水洗
等の複数の処理を単一の処理槽内で行うため、複数個の
処理槽が不要となるので、機械が小型化となると共に、
小さなスペースでも設置できる。
【0036】請求項7に記載の発明は、請求項4乃至6
のいずれか1項に記載の感光材料処理装置において、前
記第1および第2のフィルムに形成された画像を被記録
媒体に記録する記録手段を有することを特徴としてい
る。
【0037】請求項7に記載の感光材料処理装置では、
現像処理されたフィルムの画像データが記録手段に出力
され、プリント等の処理がなされる。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明に係る感光材料処理装置
の第1実施形態を図1乃至図18に基づき説明する。な
お、前側を矢印FRで、右側を矢印RLで、上側を矢印
UPでそれぞれ図示する。 (プロセッサ)図1に示す第1のフィルム収容容器とし
てのパトローネ94内に収容されかつその第1のスプー
ル軸94A(図3参照)に係止された135サイズの第
1のフィルム96及び図5に示す第2のフィルム収容容
器としてのAPS用カートリッジ(以下、単に「カート
リッジ」という)14内に収容されかつその第2のスプ
ール軸16に係止された第2のフィルムFI(図19参
照)の現像処理を行う感光材料処理装置としてのプロセ
ッサ100は、図1に示すように、内部を遮光するため
の箱状のケーシング102を備えている。
【0039】ケーシング102の上部には、パトローネ
94を装填する装填部106が設けられており、この装
填部106を覆い隠すL字状のカバー104が回転可能
に配置されている。
【0040】図3に示すように、装填部106にはパト
ローネ94を載置させる載置部材108が配置されてお
り、この載置部材108は装填部106に配置された支
持部材110に対して左右方向へスライド可能となって
いる。
【0041】なお、この支持部材110と載置部材10
8とには、パトローネ94内のフィルム96の引出し完
了時において後述する中間スプール軸204側(右側)
へスライドした載置部材108を図2に示す初期位置に
引き戻すためのコイルスプリング112が配置されてい
る。
【0042】載置部材108には、この載置部材108
上に載置された図9に示すパトローネ94の出入口94
B側(右側)に円柱状のストッパ114がパトローネ9
4から引き出したフィルム96の長手方向と直交する方
向(前後方向)に向かって2本配置されている。図9に
示すように、これらのストッパ114は、その軸心が上
下方向において同一線上に位置するように配置され、パ
トローネ94の外周面に当接する。
【0043】パトローネ94の出入口94Bに対向する
部位には、円柱状のガイド軸116が一対のストッパ1
14と同一方向に向いて取付けられている。そして、こ
のガイド軸116はフィルム96をガイドするものであ
り、フィルム96はガイド軸116の上側の周面に当接
した状態で送り出される。
【0044】載置部材108と中間スプール軸204が
配置されている装填部としての中間カートリッジ120
との間に仕切り板118が配置されており、この仕切り
板118には切欠118Aがガイド軸116の上側の周
面に対応する部位に形成されている。図3に示すよう
に、この切欠118Aは、仕切り板118の前側端面か
ら連続して形成されており、フィルム96が仕切り板1
18の前側端面から挿入できるようになっている。な
お、切欠118Aは、フィルムの厚みよりも若干だけ長
くなっている。また、切欠118Aの前側端面には、フ
ィルム96を切欠118Aに挿通し易くするためのテー
パ状のガイド面118Bが形成されている。
【0045】仕切り板118には、その載置部材108
に対応する部位にスイッチ122が配置されている。こ
のスイッチ122は、載置部材108が中間スプール軸
204側へスライドしたときに載置部材108と当接す
る。そのため、スイッチ122に接続された図2に示す
制御装置202(マイクロコンピュータ)は、パトロー
ネ94内のフィルム96の引出しが完了したことを制御
装置202が判断する。
【0046】また、図3の破線に示すように、仕切り板
118内には、切欠118Aに対向する部位に切断手段
としての一対のカッタ124A,124Bが配置されて
いる。上側のカッタ124Aは昇降可能となっており、
下側のカッタ124Bは図3に示す位置に固定されてい
る。
【0047】そして、図10に示すように、中間スプー
ル軸204に対するフィルム96の巻取終了状態におい
ては、パトローネ94がその後端96Bのフィルム96
の張力によって移動するので、ストッパ114を介して
載置部材108が中間スプール軸204側へスライドす
る。そのため、載置部材108で押圧されたスイッチ1
22がオンとなり、制御装置202はフィルム96が巻
取終了されたことを判断する。この制御装置202から
の制御信号によって上部のカッタ124Aが下降し、フ
ィルム96は後端96B(図10参照)で切断される。
【0048】図3に示すように、装填部106には中間
カートリッジ120が配設されており、この中間カート
リッジ120は略直方体をなしている。また、中間カー
トリッジ120は、上部120Aと下部120Bとに区
面されており、その左前側にはフィルム96の厚みより
も若干長いスリット65が形成されている。即ち、この
スリット65は、中間カートリッジ120の前側端面か
ら連続して形成されており、フィルム96が挿入できる
ようになっている。
【0049】下部120Bには、仕切り板118の切欠
118Aに対応して突部66が左側へ向かって突設され
ており、この突部66の左側には後述する処理槽300
のフィルム挿入口318の大きさに対応する先端66A
が形成されている。そして、図14に示すように、この
先端66Aは、フィルム挿入口318に挿入される。
【0050】図3に示すように、中間カートリッジ12
0には、その中間スプール軸204の左側にフィルム9
6を中間スプール軸204側またはその反対側へ送り出
す一対のローラ125A,125Bがスリット65を挟
んだ状態で対向して配置されている。即ち、ローラ12
5Aは上部120Aに回転可能に軸支されており、ロー
ラ125Bは下部120Bに配置されている。
【0051】なお、図4に示すように、ローラ125B
は、正逆方向へ回転するモータ123に連結されてい
る。なお、このモータ123はステッピングモータであ
り、制御装置202がモータ123のパルス数をカウン
トすることによってフィルム96の送り出し量を判断す
る。
【0052】また、モータ123は、図示しない昇降手
段(例えば、ラックアンドピニオン及びこのピニオンに
連結されたモータ等)によって昇降する(図12参
照)。即ち、モータ123は、後述するスイッチ76ま
たは77が押圧されることによって上昇し、スイッチ1
22がオンになることによって下降する。
【0053】図9に示すように、中間カートリッジ12
0には、スリット65の右側にフィルム96を巻き取っ
て保持するための逃げとしての孔67が略円状に形成さ
れている。この孔67には、その軸心と略同軸上に中間
スプール軸204が配置されている。
【0054】図3及び図4に示すように、中間スプール
軸204は、モータ121のモータ軸121Aに連結さ
れている。また、中間スプール軸204には、その略軸
心を通って外周面上の2点を結ぶ直線状でフィルム96
の厚みようも若干長いスリット204Aが形成されてい
る。このスリット204Aには、フィルム96が挿通さ
れ、かつこの挿通されたフィルム96をスリット204
Aに位置決めして係止するための係止手段が設けられて
いる。
【0055】例えば、この係止手段としては、中間スプ
ール軸204の幅方向略中間にフィルム96を位置決め
する図示しないボールが配置されており、このボールの
一部が図示しないコイルスプリングによって常に外方即
ちフィルム96側へ向うように付勢されている。この係
止手段により、フィルム96はスリット204Aに係止
される。さらに、係止手段としては、板バネ等の構成と
しても良い。
【0056】そして、図9に示すように、フィルム96
の先端が図示しないボールの付勢力によって中間スプー
ル軸204に位置決めされ、この状態で中間スプール軸
204が回転すると、図10に示すように、中間スプー
ル軸204にフィルム96が巻き取られる。
【0057】本実施形態では、予めフィルム96の先端
96Aを引き出す引出し装置(例えば特開昭55−22
29公報参照)によって先端96Aを引き出した後に、
中間スプール軸204に取付けるものである。なお、本
発明では、中間カートリッジ120内に先端96Aを引
き出す引出し装置を設けるようにしても良い。
【0058】さらに、中間スプール軸204の先端面に
は、その軸心に後述するAPS用のカートリッジ14の
スプール軸16と係合する突部204Pが前側へ向かっ
て突設されている。即ち、中間スプール軸204は、1
35サイズのフィルム96を巻装すると共に、カートリ
ッジ14のスプール軸16を回転させるスプールドライ
バを兼用するものである。
【0059】ここで、カートリッジ14の構成について
説明する。図5に示すように、カートリッジ14には、
その接線方向に突出した突出部22が形成されている。
この突出部22の先端には、スリット状の挿通口28が
形成されている。この挿通口28は、通常、ドア30に
よって閉止されており、これによってカートリッジ14
内が遮光状態となっている。また、カートリッジ14に
はフィルムFIの終端を固定したスプール軸16が配置
されており、このスプール軸16はその軸方向の両端が
回転可能に軸支されている。
【0060】突出部22には、ドアシャフト32が回転
可能に軸支されている。このドアシャフト32は図示し
ないドアと一体的に回転するようになっており、ドアシ
ャフト32と共にドアが回動して挿通口28が開閉され
る。なお、ドアシャフト32の両端には、ドアシャフト
32を回転する手段(後述するドアドライバ158)の
係合用のキー孔34が形成されている。
【0061】なお、カートリッジ14の外周面には、図
示しないラベルが貼り付けられている。このラベルに
は、カートリッジ14を識別するためのカートリッジI
D(識別番号)、フィルム種、撮影枚数(コマ数)情報
等の各種情報の含まれたバーコードが2段印刷されてい
る。
【0062】また、カートリッジ14には、スプール軸
16の端面にキー孔62が形成されており、このキー孔
62に係合した場合にスプール軸16に回転力を伝達す
ることができるようになっている。
【0063】なお、図17及び図18に示すフィルムF
Iには、その画像コマの位置を明示する図示しないパー
フォレーションが所定間隔で幅方向の一端部に形成され
ており、このパーフォレーションは、画像の露光やプリ
ント作業を行うときの画像コマの位置決めに用いられる
ようになっている。
【0064】また、フィルムFIには、カートリッジの
バーコードに対応する図示しないバーコードが形成され
ている。このバーコードは、画像コマのコマナンバー、
製造メーカー、フィルム種等を表すものであり、フィル
ムFIの製造段階で予め潜像として形成されており、現
像処理することで顕像化されるものである。
【0065】図5及び図6に示すように、中間カートリ
ッジ120の上部120A及び下部120Bには保持手
段としての挟持部材230及び232が対向して配置さ
れており、挟持部材230は上部120A側に配置され
ており、挟持部材232は下部120B側に配置されて
いる。これらの挟持部材230及び232は、それぞれ
昇降可能となっており、図9に示すように、中間スプー
ル軸204の軸心を中心にして上下方向の径方向に沿う
部位に設けられている。
【0066】即ち、中間カートリッジ120の孔67は
上部120A,下部120B,及び挟持部材230,2
32で形成され、挟持部材230及び232の対向する
面の形状はカートリッジ14の突出部22(挿通口2
8)が先端66A側に向かうように配置させた場合にそ
のカートリッジ14の外形に対応する形状となってい
る。
【0067】そして、図3に示すように、135サイズ
のフィルム96を中間スプール軸204に巻装させる場
合には、図9に示す挟持部材230及び232を中間ス
プール軸204の軸心と反対側へ移動させる。また、中
間カートリッジ120にカートリッジ14を装着させる
場合には、図5に示すように、挟持部材230及び23
2を中間スプール軸204の軸心側へ移動させてカート
リッジ14を挟持部材230及び232で挟持させる。
【0068】次に、図6及び図7に基づき、挟持部材2
30及び232に連結される移送手段の構成について説
明する。本実施形態ではリンク機構を用いて挟持部材2
30及び232と中間スプール軸204との移送を同期
させているが、本発明の請求項4においては、必ずしも
同期させる必要はない。なお、本発明の移送手段は、リ
ンク機構の他に、挟持部材230,232及び中間スプ
ール軸204を個別に駆動する駆動源(例えば、モー
タ,リニアモータ,ソレノイド,エアーシリンダ,油圧
シリンダ等)に連結されて作動させても良い。
【0069】挟持部材230及び232には、その前後
方向の略中央に中間スプール軸204の軸心と反対側に
向かう突部234及び236が形成されている。この突
部234及び236には、その右側側面に円柱状のピン
238及び240が右側に向かって突設されている。
【0070】図7に示すように、ピン238には略L字
状のロッド242の一端に形成された長孔244内に嵌
入されており、この長孔244はその長手方向が前後方
向に沿って形成されている。
【0071】ロッド242の角部には支軸246が固定
されており、この支軸246を中心にしてロッド242
が回転する。支軸246と長孔244との間には、その
支軸246寄りにピン248が右側に向かって突設され
ている。このピン248は角柱状の作動杆250に形成
された長孔252に嵌入されており、この作動杆250
の下部にはネジ部254を介してモータ256が連結さ
れている。
【0072】ピン240には直線状のロッド258の前
端に形成された長孔260内に嵌入されており、この長
孔260はその長手方向が前後方向に沿って形成されて
いる。ロッド258の後端にはピン262が右側へ向か
って突設されており、このピン262は作動杆250の
下側に形成された長孔264内に嵌入されている。
【0073】ピン262と長孔260との間には、その
ピン262寄りに支軸266が連結されている。そし
て、モータ256が駆動して作動杆250が昇降する
と、ロッド242及び258は支軸246及び266を
中心にして回転する。この回転に伴って、挟持部材23
0及び232が昇降する。
【0074】また、ロッド242の他端である下端には
長孔268が形成されており、この長孔268はその長
手方向が下端部の長手方向に沿って形成されている。長
孔268は、モータ121を載置したスライダ270に
形成されたピン272内に嵌入されている。スライダ2
70は、中間カートリッジ120を固定しているベース
274(図7の想像線参照)に対して前後方向に移動可
能となっている。
【0075】従って、モータ256が駆動すると、挟持
部材230及び232が昇降すると共に、スライダ27
0が連動して中間スプール軸204が前後方向へ移動す
る。
【0076】なお、本実施形態では、挟持部材230及
び232が昇降する量と中間スプール軸204が移動す
る量との割合が、略2対1になるように設定されている
が、この割合は任意に変更できる。図7に示すピン24
6に対してモータ,ロータリーソレノイド,ロータリー
アクチュエータ等を連結させてロッド242等を回転さ
せるように構成しても良く、またモータ256の代わり
にエアシリンダ,ソレノイド等に変更しても良い。
【0077】本発明においては、図3に示す別体の挟持
部材230及び232を設けずに、中間カートリッジ1
20の上部120A及び下部120Bを2分割させ、こ
れらの上部120A及び下部120を移送手段を介して
昇降させるように構成しても良い。また、本発明の請求
項2においては、一対の挟持部材230又は232(上
部120A及び下部120B)のうち、一方のみを移動
可能としても良い。
【0078】図9に示すように、挟持部材230及び2
32には、その左右方向両側にガイド片231及び23
3が突設されている。そして、挟持部材230及び23
2は、ガイド片231及び233に沿って昇降する。
【0079】図5に示すように、中間カートリッジ12
0には、ドアシャフト32に形成されたキー孔34に対
向する部位にカートリッジ14のドア30を開閉する図
9に示すドアドライバ158を備えている。このドアド
ライバ158は、前側にのみ設けられており、図示しな
いモータに連結されている。また、図9に示すドアドラ
イバ158及び図示しないモータをスライダ270に連
結させて前後方向に移動可能となっている。
【0080】なお、突部204Bを形成したスプールド
ライバは、図示しないが、前側にも設けられ、図示しな
いチャッキング手段によってカートリッジ14をチャッ
キングする。そして、通常は、ドアドライバ158及び
図示しないスプールドライバがカートリッジ14から所
定寸法離れた位置に退避している。
【0081】図1に示すスイッチ77がオンになると、
挟持部材230,232及び中間スプール軸204がカ
ートリッジ14側へ向かって所定寸法移動する。そのた
め、中間スプール軸204の突部204Bはスプール軸
16のキー孔62に係合すると共に、挟持部材230及
び232はカートリッジ14を挟持する。なお、突部2
04B及びドアドライバ158には、軸側面にキー孔と
係合するキー(突起)が形成されている。
【0082】図3に示すように、中間カートリッジ12
0のガイド板64及び66には、発光素子72と受光素
子74とがフィルム96に対応する仕切り板118側
(左端側)に設けられている。この発光素子72からの
発光が受光素子74に供給されることにより、制御装置
202はフィルム96の後端96B(図10参照)の位
置を判断する。
【0083】図1に示すように、ケーシング102の前
パネル102Aには押しボタン式のスイッチ76,77
が配置されており、スイッチ76は135サイズの第1
のフィルム96を現像処理及び乾燥処理の一連の処理を
行わせるものであり、スイッチ77はAPS用の第2の
フィルムFIを現像処理及び乾燥処理の一連の処理を行
わせるものである。
【0084】そして、スイッチ76が押圧されると、モ
ータ121,123が回転し中間スプール軸204に挟
持されたフィルム96が中間スプール軸204に巻き取
られると共に、この巻き取られたフィルム96が後述す
る現像処理及び乾燥処理される。
【0085】図3に示すように、中間カートリッジ12
0は本発明の請求項1に記載の回転駆動手段としてのモ
ータ70のモータ軸70Aに連結されており、このモー
タ70が回転することによって図13に示すように中間
カートリッジ120が反時計方向(矢印CCW方向)へ
90度回転する。なお、モータ70は、ステッピングモ
ータであり、制御装置202がモータ123のパルス数
をカウントすることによって中間カートリッジ120の
回転量を判断する。
【0086】そして、スイッチ77が押圧されると、モ
ータ70が回転し、この後モータ121,123が回転
してフィルムFIをカートリッジ14から引き出し後述
する現像処理及び乾燥処理される。
【0087】なお、図2の想像線に示すケーシング10
2の内部には、図4に示す中間カートリッジ搬送装置1
26,図2に示す現像処理部128,及び図2に示す乾
燥部130が設けられている。
【0088】(中間カートリッジ搬送装置)以下、中間
カートリッジ搬送装置126の構成について説明する。
【0089】図4に示すように、中間カートリッジ搬送
装置126は、中間カートリッジ120を昇降させるも
のであり、図14に示すフィルム96の先端96Aを後
述する処理槽300のフィルム挿入口318に対向させ
た状態で中間カートリッジ120を昇降させるものであ
る。
【0090】図12に示すように、中間カートリッジ1
20は、断面L字状のブラケット80を介して昇降可能
に配置された中間カートリッジ搬送装置126に連結さ
れている。即ち、中間カートリッジ120を回転させる
モータ70のモータ軸70Aの先端には円形の取付板7
0Bが配置されており、この取付板70Bには複数本
(本実施形態では3本)のボルト82によって中間カー
トリッジ120が固定されている。
【0091】さらに、このモータ70には矩形のベース
70Cが設けられており、このベース70Cがブラケッ
ト80の側片80Bに複数本(本実施形態では4本)の
ボルト84によって固定されている。なお、図4に示す
ように、側片80Bには、取付板70Bよりも径大な孔
80Cが形成されており、この孔80Cを挿通した取付
板70Bが中間カートリッジ120の取付座140に取
付けられている。
【0092】中間カートリッジ搬送装置126は、シリ
ンダ126Aとこのシリンダ126Aに連結されて上下
方向へ移動するロッド126Bとで構成されている。こ
のロッド126Bは、その先端がブラケット80の下片
80Aにナット86によって固定されている。また、シ
リンダ126Aにはモータ90が連結されており、この
モータ90に連結された図示しないラックを回転させる
ことによってロッド126Bを昇降させる。さらに、ブ
ラケット80の下片80Aには、ガイドロッド部材12
7の先端がナット88によって固定されている。なお、
本実施形態のロッド126Bは、エアー,油圧,スクリ
ュ等で作動するようにしても良い。 (現像処理部)図2に示すように、現像処理部128
は、合成樹脂等で形成された刀の鞘状を呈した処理槽3
00を有している。この処理槽300は、鉛直方向(上
下方向)に配置されており、図4に示すように、上端が
開口しているフィルム挿入口318が形成されている。
【0093】即ち、本実施形態では、処理槽300の長
手方向一方(上側)にのみフィルム96の出入を可能と
するフィルム挿入口318が形成されている。なお、処
理槽300は、その長さがパトローネ94の外に送り出
されたフィルム96の処理長さよりも長くなっている。
【0094】図14に示すように、フィルム96はロー
ラ125A,125Bによってパトローネ94から送り
出され、先端96Aが処理槽300のフィルム挿入口3
18へ挿入される。この状態では、ガイド板66の先端
66Aがフィルム挿入口318に挿入されている。
【0095】図11に示すように、処理槽300の内壁
面302は、互いに対向し、幅方向(図11では前後方
向)両側(フィルム96の幅方向両端部と対向する部
分)の間隔が狭く、幅方向中央部(フィルム96の画像
コマと対向する部分)の間隔が広くなるように湾曲して
いる。
【0096】このため、フィルム96をフィルム挿入口
318から挿入すると、フィルム96の幅方向両端部分
が処理槽300の内壁面302の幅方向両側部分でガイ
ドされ、フィルム96の幅方向中央部分、即ち画像コマ
と処理槽300の内壁面302との接触が防止される。
また、135サイズのフィルム96のフィルム幅はAP
SのフィルムFIのフィルム幅よりも広いので、本実施
形態の内壁面302ではその幅方向をフィルム幅が広い
135サイズのフィルム96のフィルム幅に対応させて
いる。
【0097】なお、処理槽300の構成は、直線の鞘状
に限定されるものではなく、例えばU字状(この場合、
フィルム挿入口318は処理槽300の長手方向両端に
形成しても良い)等としてもよく、またフィルム96を
合成樹脂等からなるエンボスフィルムと伴巻きにして槽
内に収容する円筒形状としてもよい。 (密閉装置)図2に示すように、フィルム挿入口318
と対応する位置には密閉装置320が設けられている。
図13に示すように、密閉装置320は、フィルム挿入
口318と密着するブロック322を備えている。な
お、ブロック322には、フィルム挿入口318と密着
する部分にゴム等の弾性体からなる厚肉のパッキン32
4が貼り付けられている。
【0098】このブロック322は、ソレノイド326
の可動鉄心326Aに連結されており、図15に示すよ
うに、ソレノイド326に通電がなされると、可動鉄心
326Aがブロック322をフィルム挿入口318に押
圧して槽内が密閉される。 (処理液の循環経路)図2に示すように、処理槽300
の上部付近には、槽内と連通しているパイプ状の接続部
330が設けられており、この接続部330は配管33
6を介してストックタンク332に接続されている。こ
のストックタンク332内には、発色処理液,漂白定着
液,リンス液等の1種類の処理液が収容されている。な
お、図示しないが、ストックタンクは、各処理液に応じ
た個数が配置されている。
【0099】また、配管336の処理槽300とストッ
クタンク332との間には電磁弁338が接続されてお
り、この電磁弁338によって処理槽300の処理液が
元のストックタンク332内に戻される。
【0100】処理槽300の下端には、槽内と連通して
いるパイプ状の接続部334が設けられており、この接
続部334の一端は配管344を介してストックタンク
332の接続部342に接続されている。
【0101】配管344の処理槽300とストックタン
ク332との間には正逆回転可能なポンプ346及び電
磁弁348が接続されており、これらのポンプ346及
び電磁弁348によって処理液が処理槽300内に供給
される。なお、電磁弁338,348及びポンプ346
は制御装置202に接続されており、制御装置202の
制御信号に基づき制御される。ここで、本発明の処理液
供給手段は、配管336及び344,電磁弁338及び
348,ポンプ346等である。 (押出部)図13に示すように、押出部210は、中間
カートリッジ120の下方で、かつガイドロッド部材1
27と処理槽300との間に配置されている。この押出
部210は、長尺で上方が開放された箱状のガイド部材
212,このガイド部材212の両端に配置された図示
しない一対の支軸,この右端の支軸を連結しかつガイド
部材212の右端に固定されたモータ214,このモー
タ214によって回転される図示しないベルト,このベ
ルト上に固定されかつガイド部材212上に左右方向へ
移動するスライダ216,このスライダ216に軸支さ
れたガイドシャフト218,及びこのガイドシャフト2
18の先端に固定された円筒状のローラ220で構成さ
れている。
【0102】図11に示すように、そのローラ220の
初期位置(図11に示す位置)においては、ローラ22
0が密閉装置320に対向するように配置されている。
そして、ローラ220は、実線に示す初期位置から想像
線に示す押出位置まで移動する。
【0103】なお、ローラ220の材質は、アルミ等の
金属、POM等の合成樹脂、CR等のゴム、その他の材
質でも良く、表面が平滑でフィルム96に傷を付けない
ものとする。また、本実施形態のローラ220は、円筒
状に形成されているが、例えばフィルム96の画像部分
に接触しないように、ローラ220の中央部を円弧状に
凹ませても良い。 (乾燥部)図2に示すように、装填部106の下側でか
つ処理槽300の左側には、現像処理されたフィルム9
6を乾燥させる乾燥部130が設けられている。この乾
燥部130は、断面略コ字状のダクト500を備えてい
る。ダクト500の一方の側壁には、開口502が形成
されている。この開口502は、フィルム96が進入す
る空間となっている。
【0104】図2及び図4に示すように、ダクト500
の開口502の部位には、スリット状の複数の空気吹出
口508が所定間隔をもって前後方向に沿って形成され
ている。ダクト500の左側には、ファン及びヒータか
らなるドライヤー506が連結されている。なお、本実
施形態においては、ダクト500に図示しない温度セン
サーを配置しても良い。
【0105】本実施形態では、ドライヤー506によっ
てダクト500内の空気が加熱され、空気吹出口508
からフィルム96に向けて温風が吹き付けられるように
なっている。そのため、フィルム96は、乾燥される。
【0106】なお、本実施形態では、制御装置202に
予めフィルムFI及び96の種類(例えば、製造メーカ
ー、カラー、白黒、ネガ、リバーサル等のフィルム種
別)と、これに対応する乾燥条件(本実施形態では、乾
燥温度)を記憶し、カートリッジ14及びパトローネ9
4のバーコードから読み取ったフィルム種別に応じて乾
燥条件の設定を行うようにしても良い。
【0107】また、図15に示すように、ダクト500
には、フィルム96がローラ220によってダクト50
0の開口502内に押し込まれた状態においてフィルム
96と当接する部位に、フィルム96の移動を円滑にさ
せる図示しないローラ,ガイド等を設けるようにしても
良い。
【0108】さらに、フィルム96を中間スプール軸2
04に巻き戻す際に、図示しない読み取りユニットによ
ってフィルム96の画像コマを読み取り、プリント処理
させても良い。即ち、読み取りユニットは、フィルム9
6の画像コマを読み取った画像データとして制御装置2
02へ出力する。制御装置202へ供給された画像デー
タは図示しない本発明の請求項7に記載の記録手段とし
てのプリンタ装置に出力され、プリンタ装置により被記
録媒体としてのプリント処理される。
【0109】この場合、読み取りユニットで読み取った
画像データに基づき別体のプリンタ装置でプリント処理
を行うように構成したので、巻き戻したフィルム96又
は現像処理したフィルム96において、その後の露光処
理及び焼付け処理等が不要となる。なお、本発明の被記
録媒体としては、銀塩写真の他、溶融型熱転写,昇華型
熱転写,電子写真,インクジェット等を用いることがで
きる。 (作用)次に、本実施形態の作用を説明する。
【0110】本実施形態においては、135サイズのフ
ィルム96を現像処理する場合について説明する。ユー
ザー(顧客及び顧客からフィルム96を預かった作業者
等を含む)は、図1に示すように、カバー104を開放
状態とし、未現像のフィルム96の先端96Aを図示し
ない引出し装置(例えば特開昭55−2229公報参
照)によってパトローネ19内から引き出す。
【0111】図9に示すように、フィルム96の先端9
6Aを切欠118A,スリット65,孔67,及び中間
スプール軸204のスリット204Aに挿入して位置決
めすると共に、パトローネ94を載置部材108に載置
させる。なお、ユーザーは、フィルム96を装填部10
6に装填した後、図1に示すカバー104を閉める。
【0112】図1に示す前パネル102Aのスイッチ7
6がオンにすると、図4に示すモータ121,123が
回転し中間スプール軸204のスリット204Aに挟持
されたフィルム96が中間スプール軸204に巻き取ら
れる(図10参照)。載置部材108がスイッチ122
を押圧してオンになると、図2に示す制御装置202は
フィルム96が巻取終了されたことを判断する。この制
御装置202からの制御信号により、図8に示すよう
に、上部のカッタ124Aが下降し、フィルム96の後
端96Bを切断する。
【0113】さらに、発光素子72からの発光が受光素
子74に供給され、制御装置202がフィルム96の後
端96B(図10参照)を検出するまで、フィルム96
が中間スプール軸204に巻き取られる。
【0114】この後、図1に示すモータ70が回転し、
図13に示すように、中間カートリッジ120を反時計
方向(矢印CCW方向)へ90度回転させる。すると、
図11に示すように、ガイド板66の先端66Aが処理
槽300のフィルム挿入口318に対向する。この状態
で、中間カートリッジ搬送装置126のロッド126B
を下方へ移動させ中間カートリッジ120を下降させ
る。
【0115】図14に示すように、中間カートリッジ1
20は、そのガイド板66の先端66Aが処理槽300
のフィルム挿入口318に挿入された状態で停止し、モ
ータ121,123が回転してフィルム96を処理槽3
00内に挿入する。
【0116】なお、このフィルム96の挿入量は、モー
タ121,123のパルス数を制御装置202がカウン
トすることによって判断される。即ち、フィルム96は
中間スプール軸204から離間せず、所定の長さ(最終
の画像コマが形成されている範囲の長さ)のフィルム9
6が処理槽300内に挿入される。
【0117】この後、中間カートリッジ120は中間カ
ートリッジ搬送装置126によって図15に示す位置ま
で上昇し、ガイド板66の先端66Aを処理槽300の
フィルム挿入口318から離間させる。
【0118】図15に示すように、中間カートリッジ1
20の上昇と同時に、密閉装置320のブロック322
(パッキン324)をフィルム挿入口318に密着さ
せ、フィルム96の後端部を押さえた槽内の密閉状態
で、現像処理が行われる。なお、密閉装置320及び中
間カートリッジ搬送装置126の動作タイミングは、図
示しないセンサ等で検出され、制御装置202により制
御される。
【0119】次に処理液によるフィルム96の現像処理
について説明する。処理槽300が密閉されると、図2
に示すポンプ346、電磁弁338,348が制御装置
202によって所定の順番で作動し、発色現像液、漂白
液、定着液、水洗液、安定液の順で処理槽300内が充
填され、フィルム96の現像処理が行われる。
【0120】ここで、一つの処理液でフィルム96を処
理する場合、ポンプ346を作動させて処理液をストッ
クタンク332と処理槽300との間で一方向に循環さ
せるが、適宜ポンプ412を停止してポンプ346を作
動させ、処理槽300内の処理液を逆方向に循環させ
る。これにより、長尺のフィルム96を長手方向に渡っ
て安定して処理できる。
【0121】また、一つの処理液で処理が終了するとポ
ンプ346によって処理槽300及び配管336,34
4内の処理液が元のストックタンク332へと戻され、
処理槽300及び配管336,344内が一旦空にな
る。この時、ブロック322が適時開閉することで、処
理槽300内は処理液/空気の置換が出来る。なお、処
理槽300内と外気とを連通可能なように専用の電磁弁
を設け、処理槽300に処理液を供給、排出する際に、
その電磁弁で処理槽300内のエアー排出、吸引を行っ
てもよい。
【0122】その後、電磁弁338が切り換えられ、ポ
ンプ346が作動して次の処理液が処理槽300内に送
液される。
【0123】このようにしてフィルム96が発色現像
液、漂白液、定着液、水洗液及び安定液によって順に処
理されると、密閉装置320のブロック322がフィル
ム挿入口318から離間する。
【0124】なお、フィルム96の処理液による処理が
終了する前に、制御装置202はドライヤ506に通電
を行い、ダクト500の内部が制御装置202に予め設
定された温度としても良い。
【0125】その後、図16に示すように、モータ70
により、中間カートリッジ120を図15の状態から図
16に示す状態まで時計方向(図16では矢印CW方
向)へ回転させる。なお、この中間カートリッジ120
の位置は、モータ70のパルス数を制御装置202がカ
ウントすることによって判断される。
【0126】押出部210のモータ214を回転させて
スライダ216を左側へスライドさせると、ローラ22
0が左側へ移動し、ローラ220と当接するフィルム9
6が順次処理槽300から引き出され、ダクト500の
開口502内に送り込まれる。なお、図17に示すよう
に、ローラ220は、ダクト500の開口502の最も
奥で停止する。
【0127】ダクト500の開口502内へ送り込まれ
たフィルム96は、ドライヤ506の温風が吹き付けら
れ、例えばフィルム96の種類に対応して設定された乾
燥時間と乾燥温度等で乾燥が行われる。
【0128】なお、本実施形態では、ドライヤ506を
使用したが、これに限らず、例えば、遠赤外線ヒーター
等の赤外線をフィルム96に向けて放射するように設置
しても良い。また、ドライヤ506の図示しないファン
の送風量を変えることによって乾燥能力に差をつけるこ
ともできる。
【0129】モータ121,123の回転により、フィ
ルム96が処理槽300から引き出され、かつこの処理
槽300から出たフィルム96が一定速度(=ダクト5
00の開口502内のフィルム96の搬送距離/フィル
ム96の種類に対応して設定された乾燥時間)でダクト
500の開口502内を通過し、順次中間スプール軸2
04に巻き取られて行く。
【0130】なお、搬送しながらフィルム96を乾燥す
る場合には、前半を高めの温度、後半を前半よりも低め
の温度で乾燥することにより、全体を一様の温度に設定
したものに比較して同じエネルギーでも短時間で乾燥を
行うことができる。
【0131】このように、中間カートリッジ120に近
い側と遠い側との乾燥能力に差を付け、停止中の乾燥条
件と搬送中の乾燥条件を上記のように設定すことによ
り、最少のエネルギーで短時間にフィルム96の乾燥を
行うことができる。
【0132】フィルム96が中間スプール軸204に全
て巻き取られた後は、モータ70によって中間カートリ
ッジ120が図17に示す状態から図10に示す状態
(初期位置)へと時計方向へ回転する。なお、上記一連
の動作が終了した後に、終了ブザーを鳴らすようにした
り、表示部に「現像処理終了」等を表示させても良い。
【0133】この後、ユーザーは、図1に示すカバー1
04を開ける。さらに、フィルム96の先端96Aを中
間スプール軸204のスリット204Aから取り外し、
フィルム96を中間カートリッジ120から取り出す。
なお、パトローネ94も、載置部材108から取り去
る。
【0134】次に、APSのフィルムFIを現像処理す
る場合について説明する。図6及び図7に示す挟持部材
230及び232が中間スプール軸204の軸心と反対
方向側に位置している状態から図5及び図8に示す中間
スプール軸204の軸心側へ移動させる。
【0135】即ち、カートリッジ14を挟持部材232
上に載置させ、この状態で図1に示すスイッチ77を操
作すると、図6に示すモータ256が駆動し、作動杆2
50が下降する。すると、ロッド242が支軸246を
中心にして反時計方向(図7では矢印CCW方向)へ回
転すると共に、ロッド258が支軸266を中心にして
時計方向(図7では矢印CW方向)へ回転する。また、
図8に示すように、これに連動してスライダ270が後
側へスライドするので、中間スプール軸204が後退す
る。
【0136】そのため、挟持部材230及び232が中
間スプール軸204の軸心側へ移動してカートリッジ1
4を挟持すると共に、一対のドアドライバ158(図9
参照)及び突部204Bが図5に示すスプール軸16及
びドアシャフト32と係合する。この一連の動作によっ
て、カートリッジ14が中間カートリッジ120の孔6
7内に装填される。この後の動作は、135サイズのフ
ィルム96を現像処理する場合と同様であるので、説明
は省略する。
【0137】なお、フィルムFIの現像処理及び乾燥等
の処理が全て終了すると、図6に示すモータ256が駆
動し作動杆250を上昇させ、ロッド242及び258
等を図6及び図7に示す初期位置に復帰させる。また、
図7に示す中間スプール軸204がカートリッジ14を
前側へ押し出すので、カートリッジ14を孔67内から
摘まみ出す。このカートリッジ14の取出し手段は、ソ
レノイド等を設けても良い。
【0138】本実施形態においては、135サイズのフ
ィルム96をパトローネ94から中間カートリッジ12
0の中間スプール軸204に巻き付けて孔67内に保持
し、かつこの状態で中間カートリッジ120から処理槽
300内に挿入されて現像処理できると共に、APS用
のカートリッジ14を中間カートリッジ120に装填し
てフィルムFIを現像処理できる。
【0139】即ち、本実施形態によれば、単一の中間カ
ートリッジ120に対して135サイズのフィルム96
を装填可能とし、また、APS用のカートリッジ14
(フィルムFI)を装填可能としたので、中間カートリ
ッジ120,ローラ125B,及びモータ121等を共
用でき、感光材料処理装置の小型化を図ることができ
る。
【0140】また、本実施形態によれば、配管336,
344、電磁弁338,348、及びポンプ346等で
構成される処理液供給手段を用いて発色現像、定着漂
白、水洗等の複数の処理を単一の処理槽300内で行う
ため、複数個の処理槽が不要となるので、機械が小型化
となると共に、小さなスペースでも設置できる。
【0141】本発明の感光材料用処理装置は各種フィル
ム、つまり感光材料の処理に用いることができるが、と
りわけ、撮影用感光材料の処理に使用するのが望まし
い。具体的には、カラーネガフィルム、カラー反転フィ
ルム、黒白フィルムの処理である。さらに、本発明で
は、フィルムの種類は2種類のみならず、3種類以上の
複数の種類(例えば、120サイズのフィルム,110
サイズのフィルム等)を装填し、現像処理できるように
構成してもよい。
【0142】なお、本発明の感光材料処理装置は各種感
光材料の処理に用いることができるが、とりわけ、撮影
感光材料の処理に使用するのが望ましい。具体的には、
カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、黒白フィル
ムの処理である。
【0143】本発明の感光材料処理装置には各種処理液
が使用される。カラーネガフィルムの現像処理に使用さ
れるカラー現像タンク液やカラー現像補充液は、芳香族
第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性
水溶液である。この発色現像主薬としては、アミノフェ
ノール系化合物も有用であるが、p-フェニレンジアミン
系化合物が好ましく使用され、その代表例としては3-メ
チル-4- アミノ-N,Nジエチルアニリン、3-メチル-4- ア
ミノ-N- エチル-N- β-ヒドロキシエチルアニリン、3-
メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β-メタンスルホンア
ミドエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-
β- メトキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N-
メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ
-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニ
リン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシ
プロピル)アニリン、4-アミノ-3-エチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチ
ル-N- プロピル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、
4-アミノ-3- プロピル -N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロ
ピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-
ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-
エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3
- メチル-N- プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2
- メチルプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N
- ビス(4- ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N,N- ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、
4-アミノ-3- メチル-N-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-
ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N
-エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-
3-エトキシ-N,N- ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエ
ンスルホン酸塩などが挙げられる。これらの中で、特
に、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N -β-ヒドロキシ
エチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれ
らの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が
好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用す
ることもできる。
【0144】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量はカ
ラー現像液1リットル当たり好ましくは0.0002モ
ル〜0.2モル、さらに好ましくは0.001モル〜
0.1モルである。
【0145】カラー現像液(発色現像液)は、アルカリ
金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩5−スルフォ
サリチル酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミンの他、特開平3−144446号の一般式(I)
で表されるヒドロキシルアミン類、亜硫酸塩、N,N-ビス
カルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェ
ニルセミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテコ
ールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベンジル
アルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウ
ム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラ
ー、競争カプラー、1-フェニル-3-ピラゾリドンのよう
な補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、
アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノ
カルボン酸に代表されるような各種キレート剤、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロキシエチ
リデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N- テトラメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o- ヒドロ
キシフェニル酢酸) 及びそれらの塩等に代表される各種
配合材を含むことができる。
【0146】上記のうち、保恒剤としては無置換ヒドロ
キシルアミンや置換ヒドロキシルアミンが最も好まし
く、中でもジエチルヒドロキシルアミン、モノメチルヒ
ドロキシルアミン或いはスルホ基やカルボキシ基、水酸
基などの水溶性基で置換されたアルキル基を置換基とし
て有するものが好ましい。最も好ましい例としては、
N,N−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキシルアミン
及びそのアルカリ金属塩である。
【0147】また、キレート剤としては生分解性を有す
る化合物が好ましい。この例としては、特開昭63−1
46998号、同63−199295号、同63−26
7750号、同63−267751号、特開平2−22
9146号、同3−186841号、独国特許第3,7
39,610号、欧州特許第468,325号等に記載
のキレート剤を挙げることができる。
【0148】発色現像液での処理温度は20〜55℃、
好ましくは30〜55℃である。処理時間は30秒〜4
分、好ましくは45秒〜3分20秒である。最も好まし
くは60秒〜120秒の範囲である。
【0149】この処理方法において、感光材料は、カラ
ー現像の後、脱銀処理される。脱銀工程においては、双
方の感光材料は、共通のタンク液及び共通の補充液で処
理される場合が望ましい。但し、補充量は、各々の感光
材料において異なった設定することができる。以下、脱
銀工程について詳細を説明する。
【0150】脱銀工程においては、漂白工程、漂白定着
工程、定着工程を有することが一般的であり、各種工程
が存在する。具体的な工程を以下に示すが、これらに限
定されるものではない。
【0151】(工程1) 漂白定着 (工程2) 漂白−漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着−定着 (工程4) 定着−漂白定着 (工程5) 漂白−定着 上記記載の各処理浴は、必要に応じて2浴以上に分割さ
れてもよく、カスケード法にて補充されても良い。
【0152】漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤
としては、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過
硫酸塩、臭素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いら
れるが、アミノポリカルボン酸(III) 錯体を最も好まし
く用いることができきる。
【0153】この処理方法で使用される第二鉄錯塩は、
予め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよ
く、また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二
鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄
(III)アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有す
る液中で錯塩を形成させてもよい。
【0154】錯形成化合物は、第二鉄イオンとの錯形成
に必要とする量よりもやや過剰にしてもよく、過剰に添
加するときには通常0.01〜10%の範囲で過剰にす
ることが好ましい。
【0155】なお、漂白能を有する液中の第二鉄錯塩を
形成する化合物としては、エチレンジアミン四酢酸(E
DTA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3−
PDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、メチルイ
ミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、
ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボキシエチル)イミノ
二酢酸、N−(2−カルボキシメチル)イミノジプロピ
オン酸、β−アラニンジ酢酸、αーメチルーニトリロ三
酢酸、1,4−ジアミノブタン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、N−(2−カルボキシフェニル)
イミノジ酢酸、エチレンジアミン−N−(2−カルボキ
シフェニル)−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジア
ミン−N,N’−ジコハク酸、1,3−ジアミノプロパ
ン−N,N’−ジコハク酸、エチレンジアミン−N,
N’−ジマロン酸、1,3−ジアミノプロパン−N,
N’−ジマロン酸等が挙げられるが、特にこれらに限定
されるものではない。
【0156】漂白能を有する処理液における第二鉄錯塩
の濃度としては、0.005〜1.0モル/リットルの
範囲が適当であり、0.01〜0.50モル/リットル
の範囲が好ましく、より好ましくは、0.02〜0.3
0モル/リットルの範囲である。
【0157】また漂白能を有する処理液の補充液中の第
2鉄錯塩の濃度としては、好ましくは、0.005〜2
モル/リットル、より好ましくは0.01〜1.0モル
/リットルである。
【0158】漂白能を有する浴またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ドイツ特
許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公報、リサ
ーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7月号)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化
合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832号、同53-3
2735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチオ尿素系化
合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂
白能に優れる点で好ましい。
【0159】その他、漂白能を有する浴には、臭化物
(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモ
ニウム)、又は塩化物(例えば、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム、塩化アンモニウム)、又は沃化物(例えば、
沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤を含むことがで
きる。必要に応じ硼砂、メタホウ酸ナトリウム、酢酸、
酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜燐
酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリ
ウム、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸など
のpH緩衝能を有する1種類以上の無機酸、有機酸およ
びこれらのアルカリ金属またはアンモニウム塩、又は、
硝酸アンモニウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを
添加することができる。
【0160】また漂白能を有する浴には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0161】漂白定着液中や定着液中の定着剤成分は、
チオ硫酸塩を用いる場合が好ましい。チオ硫酸塩はチオ
硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニ
ウム等を挙げることができる。その他公知の定着剤、チ
オシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなど
のチオシアン酸塩;エチレンビスチオグリコール酸、
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオ
エーテル化合物、メソイオン化合物、およびチオ尿素類
などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤も使用することもで
きる。本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸ア
ンモニウム塩、チオ硫酸カリウム塩及び及びチオ硫酸ナ
トリウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着
剤の総量は、0.3〜3モルが好ましく、更に好ましく
は 0.5〜2.0 モルの範囲である。
【0162】漂白定着液や定着液には保恒剤として、亜
硫酸塩(或いは重亜硫酸塩やメタ重亜硫酸塩類)を含有
するのが望ましいが、とりわけ0.03〜0.5モル/
リットル、更に好ましくは0.05〜0.3モル/リッ
トル含有するとが好ましい。
【0163】漂白定着液や定着液は、保恒剤として前述
した亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例えば、重
亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カ
リウム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリ
ウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニ
ウム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有する以外に、
アルデヒド類(ベンズアルデキド、アセトアルデヒド
等)、ケトン類(アセトン等)、アスコルビン酸類、ヒ
ドロキシルアミン類、ベンゼンスルフィン酸類、アルキ
ルスルフィン酸類等を必要に応じて添加することができ
る。特に、ベンゼンスルフィン酸、p−メチルベンゼン
スルフィン酸、p−アミノベンゼンスルフィン酸等の使
用も好ましい。好ましい添加量は0.005モル〜0.
3モル/リットル程度である。
【0164】さらに、漂白液、漂白定着液、定着液に
は、緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ
剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0165】漂白液、漂白定着液、定着液において、好
ましいpH領域は、4〜8であり、更には4.5〜6.
5が好ましい。
【0166】漂白液、漂白定着液、定着液への補充量は
感光材料1m2 当たり、50〜2000ミリリットルで
ある。また、後浴である水洗水や安定浴のオーバーフロ
ー液を、必要に応じて補充しても良い。
【0167】漂白液、漂白定着液、定着液の処理温度は
20〜50℃であり、好ましくは30〜45℃である。
各工程の処理時間は10秒〜3分、好ましくは20秒〜
2分である。
【0168】漂白能を有する処理液は、処理に際し、エ
アレーションを実施することが写真性能をきわめて安定
に保持するため特に好ましい。エアレーションには当業
界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処理液中へ
の、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空気の吸収
などが実施できる。
【0169】エアレーションは直接処理タンク内で実施
してもよいが、本発明の感光材料処理装置は小タンク容
量であるため、処理液貯留用タンク内でエアレーション
を実施するのが好ましい態様である。
【0170】空気の吹き込みに際しては、微細なポアを
有する散気管を通じて、液中に空気を放出させることが
好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理における
曝気槽等に、広く使用されている。エアレーションに関
しては、イーストマン・コダック社発行のZ−121、
ユージング・プロセス・C−41第3版(1982
年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用でき
る。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処理におい
ては、攪拌が強化されていることが好ましく、その実施
には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第
6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用で
きる。
【0171】本発明の感光材料処理装置において、エア
レーションを行う場合には、循環系や処理液貯留用タン
ク等で行うことが好ましい。
【0172】感光材料は、脱銀処理後、水洗及び/又は
安定工程を経るのが一般的である。水洗及び/又は安定
工程においては、処理済感光材料の残存チオ硫酸濃度が
30〜1500マイクロモル/m2 になるように調製す
ることが必要である。
【0173】具体的には、最終浴のチオ硫酸塩の濃度
が、0.001〜0.04モル/リットル程度になるよ
うに調製するのが望ましい。即ち、最終浴に上記濃度を
添加しても良いし、定着成分としてチオ硫酸塩を使用し
ている場合には、後続する水洗や安定工程の補充量を低
減して、最終浴が上記濃度になるように調製すること
も、望ましい態様である。
【0174】具体的な補充量は、定着工程のチオ硫酸塩
の濃度、水洗工程や安定工程の浴数等により異なるが、
大略、感光材料1m2 あたり、100〜1000ミリリ
ットル、好ましくは130〜700ミリリットル程度で
ある。
【0175】また、水洗工程での水洗水量においては、
多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Jo
urnal of the Society of Motion Picture and Televis
ionEngineers 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月号)
に記載の方法で、求めることができる。前記文献に記載
の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得る
が、タンク内における水の滞留時間の増加により、バク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
等の問題が生じる。
【0176】カラー感光材料の処理において、このよう
な問題が解決策として、特開昭62-288,838号に記載のカ
ルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法
を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57-
8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダ
ゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素
系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防
菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編
「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術
会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)
に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0177】感光材料の処理における最終浴のpHは、
いかなる値にも設定できるが、好ましくは3.5〜8、
更に好ましくは4〜7である。上記pHは、処理済感光
材料の膜pHに反映するように設定するのが好ましく、
その目的で各種緩衝剤を用いることもできる。具体的に
は、酢酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン
酸、フタール酸等を挙げることができる。また、水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、20〜45℃で20秒〜5 分、好ましくは
25〜40℃で30秒〜3 分の範囲が選択される。更に、本発
明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって
処理することもできる。このような安定化処理において
は、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号
に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0178】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0179】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0180】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′
−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A
1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物など
を挙げることができる。 (第2実施形態)図18及び図19に示すように、第2
実施形態としては、上述したように、135サイズのフ
ィルム96のフィルム幅とAPSのフィルムFIのフィ
ルム幅とが異なることから、フィルム96及びFIのフ
ィルム幅にそれぞれ対応した処理槽300A,300B
が一対設けた例である。なお、本実施形態は、本発明の
請求項5に対応する例である。また、図1に示す第1実
施形態と同一構成については、同一符号を付し、その詳
細説明は省略する。
【0181】図18に示す処理槽300Aの内壁302
(図11参照)は、その内幅寸法がフィルム96のフィ
ルム幅に対応するものである。図20に示す処理槽30
0Bの内壁302(図11参照)は、その内幅寸法がフ
ィルムFIのフィルム幅に対応するものである。また、
本実施形態では、処理槽300A及び300Bをそれぞ
れ設けているので、押出部210もそれぞれ設けてい
る。なお、処理槽300A及び300Bは、フィルム9
4及びFIの処理長さよりも若干長い長さにそれぞれ形
成されている。
【0182】さらに、一対の処理槽300A,300B
には、配管174が電磁弁176(3ポート2位置切替
弁)を介して配管344に接続されている。なお、図2
に示す電磁弁338(本実施形態では、3ポート2位置
切替弁とする)には、配管178を介して処理槽300
Bが連結されている。
【0183】一方、本実施形態においても、取付座14
0が単一であるので、取付座140をそれぞれの処理槽
300Aまたは300Bのフィルム挿入口318に対向
させるために、以下に説明する移動手段が設けられてい
る。
【0184】図18及び図19に示すように、中間カー
トリッジ120は、図4に示す中間カートリッジ搬送装
置126を介してスライダ168に固定されている。こ
のスライダ168は、支持部材170を介して移動手段
の一部を構成する図示しないギヤに連結されている。こ
のギヤはモータ172に連結されており、このモータ1
72が駆動することによってギヤが回転しスライダ16
8が左右方向へ移動する。なお、本発明の移動手段は、
例えばワイヤ,スプロケット,ベルト,エアー,油圧等
の機構を適用しても良い。
【0185】本実施形態において、中間カートリッジ1
20に装填されたフィルム96またはフィルムFIをそ
れぞれ対応する処理槽300A及び300Bのフィルム
挿入口318に対向させ、現像処理する。その他の作用
効果は、図1の実施形態と同様であるので、説明は省略
する。
【0186】本実施形態によれば、フィルム94及びF
Iのフィルム幅に対応した処理槽300A及び300B
に挿入するので、フィルム96及びFIの幅方向両端部
分が処理槽300A及び300Bの内壁面302の幅方
向両側部分でより確実にガイドされる。
【0187】なお、第2実施形態では中間カートリッジ
120を移動手段によって移動させる例であるが、本発
明の請求項5においては処理槽300A及び300Bを
中間カートリッジ120に対応するように移動させても
良い。また、本実施形態では処理槽の数を2個とした
が、処理槽を3個以上の複数個として複数本のフィルム
の現像処理を同時に行えるようにしても良い。 (第3実施形態)図20及び図21に示すように、第3
実施形態は、135サイズのフィルム96を巻き取る中
間スプール軸204を設けずに、スプールドライバ16
0及びドアドライバ158のみを設けた例で、本発明の
請求項1に対応するものである。なお、図1に示す第1
実施形態と同一構成については、同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。また、スプールドライバ160及
びドアドライバ158に図3に示す移送手段を連結する
ように構成しても良い。
【0188】図20に示すように、中間カートリッジ1
20にはカートリッジ14を装填する凹部154が設け
られており、この凹部154はカートリッジ14の外形
に対応する形状となっている。そのため、カートリッジ
14を中間カートリッジ120に装填して図1に示すス
イッチ77を操作すると、カートリッジ14からフィル
ムFIが引き出されて現像処理される。
【0189】一方、135サイズのフィルム96を中間
カートリッジ120に保持させるには、凹部154内に
フィルム96を巻き取る。この場合、図21に示すよう
に、フィルム96の巻き癖によってフィルム96が中間
カートリッジ120の孔142Aに巻き込まれ係止され
る。即ち、孔142A内に巻き込まれたフィルム96
は、その後端96Bがローラ125A,125Bで挟持
された状態で保持される。その他の作用効果は、第1実
施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0190】なお、上記各実施形態では、プロセッサ1
00内にプリンタを設けるようにしてもよく、この場合
フィルム画像をCCD等で読み取ってインクジェット
式、感熱式等によるカラープリンタでプリントを得る方
法としても良く、またプリントを通常の印画紙を処理液
で現像処理して得る方法としても良く、プリントを得る
方式は上記に限定されない。
【0191】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に記載の感
光材料処理装置は上記の構成としたので、小さなスペー
スでも設置することができると共に、第1のフィルム収
容容器内のフィルムと第2のフィルム収容容器内のフィ
ルムを共通の機構で処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のプロセッサの全体
斜視図である。
【図2】図1に示すプロセッサ内の主要部を示す断面図
である。
【図3】図1に示す中間カートリッジの要部を示す斜視
図である。
【図4】プロセッサ内の主要部を示す分解斜視図であ
る。
【図5】図3に示す中間カートリッジにAPSのカート
リッジを装填する際の状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示す挟持部材の移送手段の要部を示す斜
視図である。
【図7】図6に示す挟持部材の移送手段の要部を示す断
面図である。
【図8】図7に示す挟持部材が移動した状態を示す断面
図である。
【図9】図3に示す載置部材にパトローネを載置させた
状態を示す正面図である。
【図10】図9に示す中間スプール軸に巻き取られたフ
ィルムの後端を切断した状態を示す正面図である。
【図11】図2に示すプロセッサ内の主要部を示す平面
図である。
【図12】図2に示すプロセッサ内の主要部を示す左側
面図である。
【図13】図2に示す中間カートリッジが回転した状態
を示す図である。
【図14】図13に示す中間カートリッジが下降した状
態を示す図である。
【図15】図14に示す中間カートリッジが若干上昇し
かつ処理槽が密閉された状態を示す図である。
【図16】図15に示す中間カートリッジが若干回転し
かつフィルムがローラで処理槽から若干引き出された状
態を示す図である。
【図17】図16に示すフィルムがローラで処理槽から
引き出され乾燥される状態を示す図である。
【図18】本発明に係る第2実施形態のプロセッサ内の
主要部を示す図である。
【図19】図18に示す中間カートリッジが移動手段で
移動した状態を示す図である。
【図20】本発明に係る第3実施形態の中間カートリッ
ジの主要部を示し、APSのカートリッジを装填する際
の状態を示す斜視図である。
【図21】図20に示す中間カートリッジに135サイ
ズのフィルムを巻装する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
14 カートリッジ(第2のフィルム収容容器) 16 スプール軸(第2のスプール軸) 28 挿通口 70 モータ(回転駆動手段) 94 パトローネ(第1のフィルム収容容器) 94A スプール軸(第1のスプール軸) 96 フィルム(第1のフィルム) 97A モータ(送出手段) 100 プロセッサ(感光材料処理装置) 106 装填部 121 モータ(回転駆動手段) 121A モータ軸(回転駆動手段) 123 モータ(送出手段) 124A カッタ(切断手段) 124B カッタ(切断手段) 125A ローラ(送出手段) 125B ローラ(送出手段) 160 スプールドライバ(連結手段) 162A ローラ(第2の送出手段) 162B ローラ(第2の送出手段) 168 スライダ(移動手段) 170 支持部材(移動手段) 172 モータ(移動手段) 204 中間スプール軸(連結手段) 204B 突部(連結手段) 230 挟持部材(保持手段) 232 挟持部材(保持手段) 242 ロッド(移送手段) 250 作動杆(移送手段) 256 モータ(移送手段) 258 ロッド(移送手段) 270 スライダ(移送手段) 300 処理槽 300A 処理槽(第1の処理槽) 300B 処理槽(第2の処理槽) 318 フィルム挿入口 338 電磁弁(処理液供給手段) 340 配管(処理液供給手段) 344 配管(処理液供給手段) 346 ポンプ(処理液供給手段) FI フィルム(第2のフィルム)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のスプール軸に巻き取られた長尺状
    の第1のフィルムを前記第1のスプール軸から前記第1
    のフィルムを離間させた状態で現像処理し、かつ返却す
    る種類の前記第1のフィルムを収容した第1のフィルム
    収容容器を装填し前記第1のフィルム収容容器から前記
    第1のフィルムを巻き取り保持し、または第2のスプー
    ル軸に巻き取られた長尺状の第2のフィルムを出し入れ
    する挿通口が形成されると共に前記第2のフィルムを前
    記第2のスプール軸に巻き取られた状態で返却する種類
    の前記第2のフィルムを収容した第2のフィルム収容容
    器を装填する単一の共用の装填部と、 前記第2のスプール軸と連結する連結手段と、 前記連結手段を介して前記第2のスプール軸を回転させ
    る回転駆動手段と、 を有することを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 第1のスプール軸に巻き取られた長尺状
    の第1のフィルムを前記第1のスプール軸から前記第1
    のフィルムを離間させた状態で現像処理し、かつ返却す
    る種類の前記第1のフィルムを収容した第1のフィルム
    収容容器を装填し前記第1のフィルム収容容器から前記
    第1のフィルムを巻き取り保持し、または第2のスプー
    ル軸に巻き取られた長尺状の第2のフィルムを出し入れ
    する挿通口が形成されると共に前記第2のフィルムを前
    記第2のスプール軸に巻き取られた状態で返却する種類
    の前記第2のフィルムを収容した第2のフィルム収容容
    器を装填する単一の共用の装填部と、 前記第2のスプール軸と連結する連結手段と、 前記連結手段を介して前記第2のスプール軸を回転させ
    る回転駆動手段と、 前記連結手段を前記第2のスプール軸に対応するように
    移動させて係合させる移送手段と、 前記移送手段に連結され、前記移送手段の移動によって
    前記第2のフィルム収容容器を位置決めして保持する保
    持手段と、 を有することを特徴とする感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 前記連結手段に、前記第1のフィルムの
    長手方向一端を保持して前記第1のフィルム収容容器か
    ら前記第1のフィルムを巻き取る中間スプール軸を備え
    たことを特徴とする請求項1または2に記載の感光材料
    処理装置。
  4. 【請求項4】 前記装填部に装填された前記第1のフィ
    ルム収容容器内の前記第1のフィルムを前記装填部内に
    巻き取った後に、前記第1のフィルムの長手方向他端を
    切断する切断手段と、 前記装填部に配置された前記第1または第2のフィルム
    の長手方向一端を前記装填部に係止した状態で前記第1
    または第2のフィルムを送り出す送出手段と、 フィルム挿入口が形成され、前記装填部に巻き取られた
    前記第1のフィルムの長手方向他端または前記装填部に
    装填された前記第2のフィルム収容容器の挿通口を前記
    処理槽のフィルム挿入口に対向させた状態で前記フィル
    ム挿入口から前記送出手段により送り出された前記第1
    および第2のフィルムを挿入して現像処理する単一の共
    用の処理槽と、 を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の感光材料処理装置。
  5. 【請求項5】 前記装填部に装填された前記第1のフィ
    ルム収容容器内の前記第1のフィルムを前記装填部内に
    巻き取った後に、前記第1のフィルムの長手方向他端を
    切断する切断手段と、 前記第1または装填部に配置された前記第1または第2
    のフィルムの長手方向一端を前記第1または装填部に係
    止した状態で前記第1または第2のフィルムを送り出す
    送出手段と、 フィルム挿入口が形成されると共に前記第1のフィルム
    の幅に対応した内幅寸法を有し、前記送出手段により送
    り出された前記第1のフィルムを現像処理する第1の処
    理槽と、 フィルム挿入口が形成されると共に前記第2のフィルム
    の幅に対応した内幅寸法を有し、前記送出手段により送
    り出された前記第2のフィルムを現像処理する第2の処
    理槽と、 前記装填部または前記第1の処理槽のいずれか一方を移
    動させて前記第1のフィルムの長手方向他端を前記第1
    の処理槽のフィルム挿入口に対向させ、または前記装填
    部または前記第2の処理槽のいずれか一方を移動させて
    前記第2のフィルム収容容器の挿通口を前記第2の処理
    槽のフィルム挿入口に対向させる移動手段と、 を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の感光材料処理装置。
  6. 【請求項6】 前記処理槽内の処理液の循環、置換及び
    排出を行う処理液供給手段を有することを特徴とする請
    求項4または5に記載の感光材料処理装置。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2のフィルムに形成さ
    れた画像を被記録媒体に記録する記録手段を有すること
    を特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の感
    光材料処理装置。
JP17500097A 1996-12-26 1997-06-30 感光材料処理装置 Pending JPH1124228A (ja)

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