JPH10186549A - 立体画像撮影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体画像撮像装置において、一般仕様の２カ
メラを用いて、同期ずれ、画像の欠如のない立体画像信
号を得ることを課題とする。 【解決手段】 ２台のカメラを用いた立体画像信号を生
成する立体画像撮影装置において、上記２台のカメラの
同期信号を遅延手段によりずらすことにより、各カメラ
の画面位置をずらし、上記各カメラの画像信号を合成す
る際の画面位置をずらしたことにより一方のカメラの画
像信号が欠けた信号のかわりに、もう１方のカメラの信
号を用いて補うことを特徴とする。また、上記２台のカ
メラの一方のカメラの同期信号を所定時間遅延する遅延
手段と、該各カメラの映像信号からフレーム信号をそれ
ぞれ識別するフレーム識別手段と、該各フレーム識別手
段の出力により左右切換信号を生成する切換信号発生手
段と、前記左右切換信号により各カメラの映像信号を切
換えて立体画増信号を出力する切換手段とからなること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は左眼用、右眼用の画
像を表示し、立体視表示を行う表示器用の立体画撮影装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】２台のカメラを用いて、立体視表示用の
画像を撮影する場合、表示器上で注目点の左右画像が一
致するようにする必要がある。これを行なうため、２台
のカメラの光軸を平行でなく交差させたり、レンズと撮
像素子の光軸をずらす、また２台のカメラの同期信号を
ずらすなどが行なわれていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来例で
は、光学歪がおきたり、安価に入手できる一般仕様のカ
メラをそのまま使うことができず、システムが高価にな
ってしまう欠点があった。

【０００４】また同期信号をずらすことにより画面をず
らすことができるが、画面の一部が欠けてしまうという
問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、同期信号を
ずらした２台のカメラの画像を合成した場合、かけてし
まう画像をもう一方のカメラの画像でおきかえることに
より、画面の欠けを補うものである。

【０００６】具体的には、本発明は、２台のカメラを用
いた立体画像信号を生成する立体画像撮影装置におい
て、前記２台のカメラの同期信号を遅延手段によりずら
すことにより、各カメラの画面位置をずらし、前記各カ
メラの画像信号を合成する際の画面位置をずらしたこと
により一方のカメラの画像信号が欠けた信号のかわり
に、もう１方のカメラの信号を用いて補うことを特徴と
する。

【０００７】また、本発明では、２台のカメラを用いた
立体画像信号を生成する立体画像撮影装置において、前
記２台のカメラの一方のカメラの同期信号を所定時間遅
延する遅延手段と、該各カメラの映像信号からフレーム
信号をそれぞれ識別するフレーム識別手段と、該各フレ
ーム識別手段の出力により左右切換信号を生成する切換
信号発生手段と、前記左右切換信号により各カメラの映
像信号を切換えて立体画増信号を出力する切換手段とか
らなることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施の形態にお
ける構成図である。図において、１はマスターとしての
左用カメラで、内部同期型である。２はスレーブとして
の右用カメラで、外部同期型のものである。３はＶＤ信
号を遅らせる遅延回路、４，５はインターレースビデオ
信号の偶数フレームと奇数フレームの開始を判別するフ
レーム識別回路、６はフレーム識別回路４，５のフレー
ム信号により切換信号を作る切替信号発生回路、７はビ
デオ信号を切換える信号切換器である。

【０００９】上記構成において、左用カメラ１は内部同
期なので、映像信号と同期信号のＨＤ（水平同期）信
号，ＶＤ（垂直同期）信号を出力する。遅延回路３はＶ
Ｄ信号を立体視に必要な遅延量に当る水平走査線数だけ
遅延させ外部同期の右カメラ２へ送る。ＨＤ信号は両カ
メラともに同一である。

【００１０】これにより右カメラ２からは左用カメラ１
に比べ遅延回路３で所定時間遅延された映像信号出力が
出てくる。右左のカメラ１，２の映像信号出力によりフ
レーム識別回路４，５がそれぞれフレーム識別信号を生
成し、切換信号発生回路６で左カメラのフレーム識別信
号を遅延時間だけ延長し、その後右カメラのフレーム識
別信号を遅延時間だけ短縮した切換信号を生成し、切換
器７は左右の映像信号を切換信号発生回路６の切換信号
に基づいて切り換える。

【００１１】この様子を図２に示す。図において、
（ａ）は左カメラ１からの映像部と垂直帰線期間部を示
す映像信号出力波形、（ｂ）は左カメラ１に内蔵の同期
信号による奇数、偶数のフィールド信号を含むフレーム
信号で、このフレーム信号毎に映像信号を左右に振り分
けるためのフレーム識別信号波形である。また、（ｃ）
は左カメラ１に内蔵の同期信号を遅延回路３により所定
時間ｔだけ遅延した同期信号に基づいて撮像された右カ
メラ２の映像信号出力波形、（ｄ）は遅延された同期信
号によるフィールド信号を含むフレーム信号をこのフレ
ーム信号毎に映像信号を左右に振り分けるためのフレー
ム識別信号波形である。（ｅ）は左カメラ１の映像信号
と右カメラ２の映像信号を左カメラ１のフレーム識別信
号に基づいて切換えた場合の合成信号波形であり、
（ｆ）は本発明による後述の合成信号波形である。
（ｇ）は本発明による後述の切換信号発生器６による左
右切換信号波形である。

【００１２】かかる各波形を示す図２において、（ｂ）
と（ｄ）のフレーム識別信号により切換信号発生器６に
より（ｇ）の左右切換信号を作り、信号切換器７により
左右の各映像信号を時系列的に切換る。

【００１３】単純に片方のカメラに同期して映像を切換
えた場合には、（ｅ）に示す、例えば左カメラのフレー
ム識別信号で切換えた例のような出力になり、同期信号
が左右で異なるため変形しており、同期がおかしくなる
か、遅延期間ｔに遅延した右カメラの垂直帰線期間が表
示されて画像が見えるべき所に同期信号が見えてしまう
状態がある。

【００１４】本発明によれば、（ｆ）に示すように右の
画像の一部を左の画像Ｌ２を用いて補うことにより、画
像の欠けや同期の乱れをおぎなうことができる。

【００１５】なお、上述の説明では、コンポジット映像
信号で説明してきたが、ＲＧＢ．Ｈ／Ｖ信号の場合、片
方のカメラのＨ／Ｖ同期信号のみを使うことにより、同
期の乱れはおきないが、画面の欠けはおこるので、遅延
回路の遅延時間に促した時間の左カメラのＲＧＢ信号を
切り換え表示することにより、画面の上部の画像を補う
ことができる。

【００１６】本実施例は、左右２つの画像を交互に送り
表示する立体視表示器で、例えばＣＲＴ＋液晶メガネ、
又はＬＣＤ＋レンチキュラレンズを想定し、特に表示器
を反時計回りに９０°回転して表示する表示器を想定し
て説明した。この表示の方法は特公平６−７６９２号公
報に記載されている。本公報によれば、テレビジョンの
走査線方向とレンチキュラーレンズ板の縞構造の方向と
の適合を図ることによって撮像及び表示を簡単且つ容易
にすることを目的とし、一つの被写体をＮ個のカメラで
多方向より撮像したテレビジョン画像の複数の走査線を
それぞれレンチキュラー板の一つのレンズピッチの中に
納めるようにしたことを特徴としている。そのため、垂
直同期信号Ｖはカメラの１フィールドＦ当たり垂直走査
線数をＭとしたとき、Ｖ＝１／（ＮＭＦ）の周期で発生
させ、Ｖ／Ｎの時間間隔づつ位相のずれた垂直同期信号
を連続的に発生して、立体視に対応したレンチキュラー
レンズに投影して、表示している。

【００１７】本実施例では、上記公報に記載の表示器に
限らず、通常のままで使う立体表示器の場合でも、欠け
てしまう画像をもう一方の画像で補うものであり、同期
信号の遅延回路、切換信号の切換手段により、違和感の
ない立体画像を観測できる。

【００１８】また、上記実施例では、２つのカメラで立
体撮像する例を示したが、１つのカメラで撮像する場合
には、まず水平・垂直同期信号から、例えば図２に示す
左右切換信号を遅延回路を用いて生成し、この左右切換
信号に基づいて１フレーム毎に左右信号として識別選定
し映像信号とすることも考えられるが、この場合は情報
量が半分になり、精細度の点で問題が残るものの、単純
に立体視を示す場合には簡単な方法であり、また本発明
を適用できるものである。

【００１９】また、上記実施例において、一方のカメラ
の同期信号をずらす遅延回路の遅延時間を所定時間とし
ているが、カメラの対象物に対応して、遅延時間を可変
として、表示画像の輻輳角の変更や焦点調節を行っても
よい。これにより、観察者の眼の疲れを抑えることがで
きる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
安価な一般用カメラを使いつつ、特殊な画像処理などを
行なわず、画質の向上（画面の欠けを防止）を行なうも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による立体撮像装置の構成図
である。

【図２】本発明の一実施例による立体撮像装置の各部の
信号波形図である。

【符号の説明】

１ 左カメラ（内部同期）マスター ２ 右カメラ（外部同期）スレーブ ３ 同期信号遅延回路 ４ フレーム識別回路 ５ フレーム識別回路 ６ 切換信号発生器 ７ 映像信号切換器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾坂 勉 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２台のカメラを用いた立体画像信号を生
   成する立体画像撮影装置において、 前記２台のカメラの同期信号を遅延手段によりずらすこ
   とにより、各カメラの画面位置をずらし、前記各カメラ
   の画像信号を合成する際の画面位置をずらしたことによ
   り一方のカメラの画像信号が欠けた信号のかわりに、も
   う１方のカメラの信号を用いて補うことを特徴とする立
   体画像撮影装置。
2. 【請求項２】 ２台のカメラを用いた立体画像信号を生
   成する立体画像撮影装置において、 前記２台のカメラの一方のカメラの同期信号を所定時間
   遅延する遅延手段と、該各カメラの映像信号からフレー
   ム信号をそれぞれ識別するフレーム識別手段と、該各フ
   レーム識別手段の出力により左右切換信号を生成する切
   換信号発生手段と、前記左右切換信号により各カメラの
   映像信号を切換えて立体画増信号を出力する切換手段と
   からなることを特徴とする立体画像撮影装置。