JPH10186434A - 手振れ補正装置 - Google Patents

手振れ補正装置

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Publication number
JPH10186434A
JPH10186434A JP8344000A JP34400096A JPH10186434A JP H10186434 A JPH10186434 A JP H10186434A JP 8344000 A JP8344000 A JP 8344000A JP 34400096 A JP34400096 A JP 34400096A JP H10186434 A JPH10186434 A JP H10186434A
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JP
Japan
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lens
angle
rotation
spherical
optical axis
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Application number
JP8344000A
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English (en)
Inventor
Nobumoto Momochi
伸元 百地
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一方のレンズを回動したときの他方のレンズの
ズレを補正する。 【解決手段】球面レンズ3、4をその球面を対向させた
頂角可変プリズム2が光学系の前面にある。撮像装置の
光軸に対する直交2軸方向の振れがセンサ203、20
4で検出されその出力でレンズ3、4の回転角を調整し
たとき、このセンサ出力を利用してレンズ4、3の回転
角が補正される。レンズが全く動いていないときは、D
x=Dy=0。このとき、手振れによりx軸方向にカメ
ラ本体がぶれると信号Lxが得られ、その補正用光軸補
正信号Sxが生成される。信号Sxによるレンズ3の回
動でφだけ傾くとDxが得られ、これによる信号Δψで
レンズ4を回転させる。レンズ4が既に傾いているとそ
の差分Sy=Δψ−Dyでレンズ4が補正される。y軸
にも手振れがあるとLyが得られるのでレンズ4に加え
る信号Syは、Sy=Ly−Dy+Δψとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚の球面レンズ
をその球面同士が互いに対向するようにして配置されて
構成されたダブレット型頂角可変プリズムを使用した手
振れ補正装置に関する。詳しくは、平凹と平凸2枚のレ
ンズの各球面中心を中心として微小回転してプリズムの
頂角を可変することによってその光軸を可変できるよう
にすると共に、レンズ外縁付近の1点とレンズ球面中心
とを通る直線上にレンズの回転軸を選んだときに発生す
る2レンズ間における回転角のズレを補正できるように
したものである。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビカメラ撮影時にカメラに伝
わる振動(手振れ)により撮影画像が揺れることを抑制
するため手振れ補正装置が設けられている。これは、テ
レビカメラ内にカメラ本体の角度姿勢を検知する検出セ
ンサ(角速度検出センサや加速度検出センサなど)を取
り付け、その出力に応じてカメラ撮影レンズの光路に配
置された可変プリズム(手振れ補正装置)の頂角を可変
して光軸を傾けることによって、カメラ本体の揺動によ
る画像の揺れをキャンセルするようにしたものである。
【0003】このような手振れ補正装置としては例えば
「特開昭61‐269572号公報」などが知られてい
る。この手振れ補正装置として使用されている頂角可変
プリズムは、レンズ光軸内に特殊な液体を板ガラスで挟
んで封入し、一方の板ガラスの角度姿勢を変えることで
プリズムの頂角を変化させ、これにより光軸をカメラの
揺れた角度だけ補正するようにしたものである。
【0004】このような液体封入型の頂角可変プリズム
では、板ガラスとこれを結合する蛇腹の間に液体が封入
されているため、坂ガラスの角度を変えるとき、封入液
体が粘性抵抗として働き、高速の振れ追従をさせにくい
という欠点がある。
【0005】この問題を解決する手段として、一対の球
面レンズを組み合わせたダブレット型頂角可変プリズム
が考えられる。図3を参照してこの頂角可変プリズムの
原理を説明する。
【0006】同図Aに示すクサビ形プリズム1は屈折率
n、頂角αであり、このクサビ形プリズム1では入射光
軸Fに対して出射光軸F1 に屈折角θが発生する。屈
折角θと頂角αの関係は、 θ=(n−1)α ・・・・(1) のように表わされる。
【0007】これに対してこの発明が適用される頂角可
変プリズム2は同図Bに示すように、一対の球面レンズ
本例では平凹球面レンズ3と平凸球面レンズ4で構成さ
れ、それらの球面3a、4a間に僅かな隙間5を保って
対向させる。平凹レンズ3と平凸レンズ4の屈折率n及
び球面3a、4aの曲率半径は略等しくなされている。
【0008】この頂角可変プリズム2は、同図Bに点線
で示すように、平凹レンズ3と平凸レンズ4の平面3
b、4bが光軸Fに対して直角のときには光は屈折しな
い。しかし実線で示すように、平凹レンズ3と平凸レン
ズ4とをこれらの球面3a、4aに沿って相対的に矢印
x方向に回転させて、これらの平面3b、4b間に頂角
αを形成すると、クサビ形プリズム1と同等に式(1)
により入射光軸Fに対する出射光軸F1が発生する。
【0009】平凹レンズ3と平凸レンズ4の球面3a、
4aに沿った相対的な回転方向を直角2軸方向とし、そ
の回転角を自在に制御することにより、出射光軸F1の
屈折方向及び屈折角θを上下左右、何れの方向にも自在
に可変することができる。したがってこの頂角可変プリ
ズム2をビデオカメラ本体に取り付けて手振れ補正装置
に適用すれば画面の揺れを補正できる。
【0010】ところで、この可変頂角プリズム2を構成
する一対の球面レンズ3、4は互いの面を傷つけること
なく摺動させなければならないが、この場合には各々の
球面レンズの回転中心としてレンズ球面中心を通りレン
ズ光軸(ぶれを補正する元の光学系の光軸)に垂直な面
内に直交する2つの回転軸をとるのではなく、レンズ球
面中心と各々の球面レンズの外縁付近の1点を通る直線
上に回転軸をとる方法が考えられる。
【0011】図4はその案内方法を示す断面図で、テレ
ビカメラレンズの鏡筒(後述する)に取り付けてテレビ
カメラの光軸を可変にできるようにした例である。同図
ではレンズ支持部1Aとその回転駆動部1Bは平凸レン
ズ4のみ示してある。また平凹レンズ3、平凸レンズ4
それぞれの支持部と駆動部を保持して撮像レンズへの取
り付ける鏡筒についても省略してある。
【0012】鏡筒20については、図5にその断面図
が、図6にその斜視図が示されている。図5に示すよう
に鏡筒20は頂角可変プリズム2を撮像レンズLに連結
するために使用されるものであって、図6のようにフラ
ンジ20aを有する筒体として構成される。フランジ2
0aなどにはその所定個所に、レンズ支持部1Aなどを
取り付けるために切り欠きが設けられている。
【0013】図4に示すように平凹レンズ3がカメラの
被写体側にその平面3bを向けて置かれ、平凸レンズ4
は平凹レンズ3の球面3aにその球面4aを少許の間隙
を保持して対向配置される。平凸レンズ4の平面4bは
撮像レンズLに近接すると共に、平凸レンズ4の回動を
妨害しないだけの隙間をあけて配置されている。
【0014】次にレンズ回動支持手段について平凸レン
ズ4を例にして説明する。
【0015】まずレンズ回動の軸受8側について説明す
る。図4において平凸レンズ4の回転中心となる仮想の
回転軸U上に鋼球6を置く。鋼球6は軸受本体17と軸
受カバー15により回転自在に支持されてピボット軸受
8が構成され、任意の方向に対する回動支点として機能
する。
【0016】鋼球6の位置は被回転物である平凸レンズ
4にできるだけ近くに置くことが、全体の小型化のため
には望ましい。軸10は一方の端が剛球6に圧入され、
さらに他端が保持枠11に圧入されている。
【0017】保持枠11は平凸レンズ4に固定される。
すなわち図5に示すように、平凸レンズ4に圧入された
一対の位置決めピン12が保持枠11に設けられた孔
(丸孔と長孔構成)に嵌合されて両者の位置決めがなさ
れている。平凸レンズ4と保持枠11とはネジ13によ
って締結されており、これら平凸レンズ4と保持枠11
が一体となって動くようになされている。
【0018】鋼球6を使用したピボット軸受8は図5お
よび図7のように構成されている。軸受カバー15はネ
ジ16により軸受本体17に締結され、軸受カバー15
と軸受本体17とに設けられた鋼球当接面が円錐面とし
て構成されることによって鋼球6がガタなくスムーズに
回動できるようになっている。この構造によって保持枠
11とこれに一体に固定された平凸レンズ4は、他に拘
束するものがない限り鋼球6を中心として自由に回転で
きる。
【0019】こうしてピボット保持された平凸レンズ4
とその回動保持枠11は、軸受部8に設けられた左右一
対の位置決めピン19で位置決めされると共に、その状
態で図5に示すように鏡筒20のフランジ20aにネジ
18によって固定される。なお、図7はピボット軸受
8、回動保持枠11を前面下部から見たときの斜視図で
ある。
【0020】次に平凸レンズ4を回動させるための駆動
力を与える駆動系1Bについて説明する。図8は本機構
を撮像レンズ側より見た斜視図である。平凸レンズ4の
固定部21はネジ21aによって平凸レンズ4の駆動側
保持枠(駆動枠)22に固定されている。
【0021】駆動枠22は仮想の回転軸U回りの回転運
動のみとなるように規制するため、図9にその一部を拡
大して示すように、この駆動枠22に連結された腕38
の背面24が当接面として機能する。この当接面24は
図9からも明らかなように、回転軸Uに垂直な面K(図
4参照)となる。当接面24は当接部26と当接してい
るが、この当接部26は直流モータ25の取り付け部を
兼ねており、また当接部26には図10のように一対の
ボールベアリング52が設けられ、レンズ側が滑らかに
回動するように工夫されている。
【0022】図9に示すベアリング軸54は図10の板
ばね55によって押さえられた状態で当接部26に固定
される。図10にも示すようにベアリング軸54は回転
軸Uに垂直な面K(図4参照)内に平行にあって、かつ
この面内で回転中心から放射状に2ヶ所設けられてい
る。したがってこのように構成することによって、平凸
レンズ4は、軸受8と2ヶ所のベアリング52の3点に
よって空間上に保持され、仮想の回転軸Uに対する垂直
な1つの面に沿って案内されることになる。
【0023】次に平凸レンズ4の駆動機構について図1
0および図11を参照して説明する。図10に示すよう
に、モータ25に取り付けられたプーリ44にはスチー
ルベルト45が滑らないように、しかも傷つかずに取り
付けられるように座金を介してネジ46aによって固定
されている。スチールベルト45はいわゆるα巻の状態
で約360°プーリ44に巻きつけられた後、図11に
示す駆動枠22の腕38に巻きつけられる。
【0024】α巻きの交叉部ではスチールベルト45の
一方には孔が空いており、他方45aは幅が狭くなされ
て、重なることなく交叉するようになされている。スチ
ールベルト45の一部は腕38にネジ46bによって固
定される。
【0025】図11のように駆動枠22の腕38には、
中空の穴が空けられており(図では右側のみ図示)、こ
の穴の中に圧縮コイルバネ47がはめ込まれ、さらにガ
イド49が圧入された軸48が案内棒としてはめ込まれ
ており、これによってスチールベルト45には所定の張
力が与えられる。
【0026】当接部26は図13に示すように、鏡筒2
0に設けられたフランジ20aの切りかかれた部分を跨
ぐように柱状支柱部40を介して取り付けられる。
【0027】図12のようにモータ25がxa若しくは
xa′方向に回転すると、スチールベルト45がxb′
方向若しくはxb方向に回転するから、これによって腕
38(駆動枠22)も回転する。図12はxa方向に回
転させたときの回転状態を示す。腕38が回転すればそ
の駆動枠22を介して平凸レンズ4も回転する(図4参
照)。
【0028】ベアリング52の当接部24は回転軸Uと
垂直な面Kに沿って回転する。したがって平凸レンズ4
の回転はその凸球面4aの中心を通る軸の回りの回転運
動となり、部分球面である凸球面4aが回転しても全体
の球面を外れることはない。
【0029】ここでこのような運動により、平凸レンズ
4の球面が移動の前後で同じ球面に含まれることを直感
的に説明した概念図が図14である。球Bの直径を軸と
して回転する球面の一部は回転により移動しても元の球
面から外れることはなく、また、この直径に垂直な面も
同様である。従って直径上の1点でのピボット軸受8と
この直径に垂直な面に沿わせる案内により、この球面を
球Bの球面から外れることなく回転させることができ
る。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成されたダブレット型頂角可変プリズム2をテレビカ
メラ(ビデオカメラ)の手振れ光軸補正に適用する場合
には、光軸の変動(カメラの振れ)を直交する2軸方向
の動きに分けて検知し、それぞれの動きと同方向に光軸
を変化させれば互いに影響されることなく独立に補正す
ることができる。このような観点からすると光軸の補正
の方向は、カメラの光軸F(z軸)に垂直な平面に投影
したとき直線となることが望ましい。そのためには平凸
レンズ4の回転は光軸に垂直な直線を軸とする回転運動
であることが必要である。
【0031】しかし上述した頂角可変プリズム装置では
これまで述べてきたように光軸とは垂直でない軸U(光
軸となす角度αx)の回りを回転する。このため光軸に
垂直な平面に投影して考えるとき、運動の軌跡は直線で
はなく、弧を描いてしまう。
【0032】図15は一対のレンズ3と4の各平面3
b、4bが光軸Fに垂直で互いに平行な状態から回転軸
3に垂直な面内で回転した状態を示すものであって、図
では説明の便宜上平凹レンズ3に関してその支持部1A
と駆動部1Bを示した。平凹レンズ3は撮像レンズ側か
ら見た光軸に平行な断面図で、平凸レンズ4は断面をと
らずにレンズ全体を投影して表わしている。この図で平
凸レンズ4の平面4bは回転軸Uに垂直な面内で回転し
ているので、この断面への平面4bの投影は直線とはな
らず、矢印qで示すように僅かに傾きを持った面となっ
てしまう。
【0033】図16はこのような面の傾きがどの程度で
あるのかを説明する斜視図で、平凸レンズ4の光軸方向
をz軸、z軸に垂直な面内で平凸レンズ4の回転軸を含
む方向をy軸、yz軸に垂直な方向をx軸とする空間直
交座標を示す。
【0034】この図でベクトル101は初期のレンズ平
面の傾きを表わす法線ベクトル(長さl)で、この座標
系の原点を起点としている。原点を通る回転軸に平行な
直線103がz軸となす角度をαとする。法線ベクトル
101はこの直線103のまわりを回転することにな
る。
【0035】法線ベクトル102はレンズが回転したと
きのレンズの平面部の法線ベクトルで、法線ベクトル1
02の先端pが1回転することによって半径rの円10
4を描く。ここで、半径rは、 r=lsinα ・・・・(2) である。
【0036】またxz平面105はy軸に、yz平面1
06はx軸に垂直な平面である。以下ではこの2つの平
面105、106にベクトルを投影して動きを説明す
る。
【0037】まず円104内で法線ベクトル101が回
転したことによってできる弧の張る角度をθとすると、
円104の動径がxz面105に投影される長さは図の
ようにrsinθ、yz面106に投影される長さはr
cosθとなる。このことから回転した法線ベクトル1
02の終点Pの座標を(x,y,z)とすると、 x=rsinθ=lsinαsinθ ・・・・(3) y=r(1‐cosθ)cosα=lsinαcosα(1−cosθ) ・・・・(4) z=l‐r(1‐cosθ)sinα=l−lsin2α(1−cosθ) ・・・・(5) のようになる。
【0038】したがって法線ベクトル102のxz面へ
の投影での回転角度φは次のようになる。
【0039】
【数3】
【0040】yz面への投影での回転角度ψは次のよう
になる。
【0041】
【数4】
【0042】このうち、角度φが意図した方向の回転角
であり、角度ψは誤差成分である。ここで、光軸と回転
軸103のなす角α(αx、αy)を15°としたときの
φとψを計算により求めグラフに表わすと図17のよう
になる。
【0043】これから明らかなようにφが小さいとき、
例えばφ=1°のときに、これと垂直方向の回転角ψは
ψ≒0.0326°であり、x方向の補正により、y方
向に誤った振れ(0.33%程度)が生じることが判
る。
【0044】このように上述した頂角可変プリズム装置
を採用する場合には、レンズが回転する際の抵抗力が少
なく、スムーズに揺動させることが可能となる反面、回
転時に意図する方向とは異なる方向の運動成分が生じて
しまい、これによりぶれをとる方向に対してこれと直交
する方向の画像のぶれが新たに発生してしまう問題が惹
起する。
【0045】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決したものであって、誤差成分を相殺できるよう
に、他方の球面レンズを回転させるようにしたものであ
る。
【0046】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ためのこの発明に係る振れ補正装置では、略同一半径の
球面からなる第1と第2の球面レンズをその球面を対向
させて組み合わせ、一方の略球面中心とレンズ外縁付近
とを結ぶ直線を回転軸として回転させるようにした頂角
可変プリズム装置が、撮像装置の光学系の前面に取り付
けられると共に、この撮像装置に光軸に対する直交2軸
方向の振れを検出する振れ検出センサが取り付けられ、
上記振れ検出センサからの出力に基づいて上記第1の球
面レンズの回転角φを調整したときで、第1の球面レン
ズの回転軸と上記光軸とのなす角をαxとしたときに
は、上記第2の球面レンズの回転角ψとして、
【0047】
【数5】
【0048】が回転角補正として第2の球面レンズ側に
与えられると共に、上記振れ検出センサからの出力に基
づいて上記第2の球面レンズの回転角ψを調整したとき
で、第2の球面レンズの回転軸と上記光軸とのなす角を
αyとしたときには、上記第1の球面レンズの回転角φ
として、
【0049】
【数6】
【0050】が回転角補正として上記第1の球面レンズ
側に与えられるようになされたことを特徴とする。
【0051】この発明では一方のレンズを回転させたと
きに発生する誤差成分が相殺できるように、他方のレン
ズを(数5)および(数6)により表される角度Δψ、
Δφだけ回転させて補正を行う。こうすることによっ
て、レンズの球面中心とレンズ外縁の1点を結んだ直線
を回転軸としてレンズの光軸を可変しても正しく可変プ
リズムの頂角を所定角度だけ可変できるようになる。そ
の結果、手振れ補正も正しく行うことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】続いてこの発明に係る頂角可変プ
リズム装置およびこれを使用した手振れ補正装置の一実
施態様を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0053】図1は上述した頂角可変プリズム2を利用
してテレビカメラの手振れ補正を行う場合にこの発明を
適用したときの一実施態様を示す要部の系統図である。
【0054】撮像レンズ201の前面には凹凸レンズを
組合せた図4構成の頂角可変プリズム2が取り付けられ
ている。したがって平凹レンズ3および平凸レンズ4は
光軸に直交する2軸方向に自在に回転できる。直交2軸
を水平走査方向である水平軸xと垂直走査方向である垂
直軸yとすると、平凹レンズ3を水平方向に回動させる
ときには、平凸レンズ4は垂直方向に回動させて、光軸
の補正が行われる。
【0055】図1において、被写体像は頂角可変プリズ
ム2および撮像レンズ201を介して撮像素子であるこ
の例ではCCD202に結像されて信号に変換される。
この撮像信号は後段のカメラ信号処理回路230で所定
の信号処理が施されて映像信号が生成される。
【0056】カメラ本体、本例では撮像レンズ201に
対して振れ検出センサである角速度センサ203、20
4が取り付けられる。センサ203で鉛直方向の振れ
(図16のyz面106内の振れ)が検出され、センサ
204で水平方向の振れ(図16のxz面105内の振
れ)が検出される。
【0057】各々の検出信号(便宜的にx、y信号とす
る)はアンプ205,206により増幅されたあと、フ
ィルタ207に供給されて除去したい手振れ振動成分の
帯域だけが通過する。フィルタ207はx、y信号のそ
れぞれに設けられているが図では省略してある。
【0058】その後マイクロコンピュータ209内のA
/D変換器231に入力される。ディジタル化された角
速度信号x、yは積分器232で積分されて平滑化され
たのち、その積分信号(回転角度に対応した信号)Lx,
LyがY軸演算手段233およびX軸演算手段234に
供給されてレンズ3、4の姿勢を正す角度補正信号S
x、Syに変換される。この信号Sx、Syが振れを補
正したい目標値となる。
【0059】上述した頂角可変プリズム2を構成する一
対のレンズ3、4の姿勢は、初期状態(何れも回動して
いない最初の位置)の姿勢にあるとは限らず、x、y方
向に傾斜していることも考えられる。そこで、この発明
では一対のレンズ3、4の姿勢をセンスする傾斜角セン
サ210,211がこれらレンズ3、4に関連して設け
られる。本例ではレンズ平面3b、4bと略垂直に検出
光線を入射し、その反射光線の位置をPSDセンサ(Po
sition Sensitive Ditector)で検出することによって
レンズ3、4の傾斜状態を検出するようにしている。
【0060】傾斜角センサ210、211からのセンス
出力は信号処理回路212,215に供給されてそれぞ
れx軸およびy軸方向の傾き信号Dx,Dyとして出力
される。
【0061】これらの傾き信号Dx、Dyはアンプ23
5、236を介してマイクロコンピュータ209内のA
/D変換器237、238でディジタル信号に変換され
た後、その変換出力(便利的にDx、Dyとする)と、
回転角補正量算出手段240、241でそれぞれ算出さ
れた回転角補正信号(便宜的にΔφ、Δψで表す)が対
応する演算手段233、234に供給され、レンズ3、
4に対する光軸補正用の信号Sx、Syとして演算され
て出力される。
【0062】演算手段233、234での演算処理は、 Sx=Lx−Dx+Δφ ・・・・(6) Sy=Ly−Dy+Δψ ・・・・(7) のようになる。
【0063】ここに、Δφは手振れによりy軸方向にレ
ンズ4を回転させたときに用いられる補正回転角量であ
り、Δψは手振れによりx軸方向にレンズ3を回転させ
たときに用いられる補正回転角量である。
【0064】したがって演算手段233にはy軸方向に
手振れが発生したときに得られる積分信号Lyの他に、
レンズ4に対する傾き信号Dyと回転角補正信号Δψが
与えられる。同様に、他方の演算手段234にはx軸方
向に手振れが発生したときに得られる積分信号Lxの他
に、レンズ3に対する傾き信号Dxと回転角補正信号Δ
φが与えられる。
【0065】続いて、式(6)および式(7)の補足説
明を行う。まず、回転角補正信号(補正回転量)Δφ、
Δψは以下のようにして算出された近似式を用いる。
【0066】(数3)、(数4)の関係式において、テ
レビカメラなどでは手振れ補正等では振れの振幅が小さ
いので、 φ≒0 ψ≒0 ・・・・(8) φ≒0、ψ≒0だから、マクローリン展開により近似す
ると、 tanφ≒sinφ≒φ ・・・・(9) cosφ≒(1−φ2)=1−θ2/2 ・・・・(10) となるから、レンズ3の回転角φおよびレンズ4の回転
角ψは次のようになる。
【0067】
【数7】
【0068】これから
【0069】
【数8】
【0070】となり、これを用いてθを消去すると、
【0071】
【数9】
【0072】これを回転角ψについて解くと
【0073】
【数10】
【0074】さらに、上式の√の中を、φ≒0を用いて
展開すると、次式が得られる。
【0075】
【数11】
【0076】したがってレンズ4の回転軸Uと光軸Fと
のなす角をαy、レンズ3の回転軸(図示はしないが、
回転軸Uと直交している)と光軸Fとのなす角をαxと
したときには、レンズ4を回転させたときにレンズ3側
に加える補正回転角Δφは(数11)を用いて次式で与
えられる。
【0077】
【数12】
【0078】同様に、レンズ3を回転させたときにレン
ズ4側に加える補正回転角Δψは(数12)より次式で
与えられる。
【0079】
【数13】
【0080】この発明では(数12)および(数13)
で与えられた近似式を用いて手振れ補正による補正が行
われる。
【0081】(数13)について説明する。まず、レン
ズ3、4が共に初期位置(レンズが全く回動補正されて
いない状態)にあったときには、 Dx=Dy=0 ・・・・(11) である。このとき、手振れによりx軸方向にカメラ本体
がぶれたときには、センサ203に関連した積分信号L
xが得られ、これを補正するための光軸補正信号Sxが
生成される。
【0082】光軸補正信号Sxでレンズ3が回動制御さ
れる。レンズ3の回動によってレンズ3がφだけ傾いて
傾き信号Dxが得られる。この傾き信号Dxに基づいて
回転角相殺信号Δψが算出され、これを加えてレンズ4
を回転させる。つまり、 Sy=Δψ ・・・・(12) となる。
【0083】したがって、レンズ4が既に傾いていたと
きは(Dy≠0)、その差分である Sy=Δψ−Dy ・・・・(13) でレンズ4を補正すればよい。y軸方向にも手振れがあ
るときは、センサ204に関連した積分信号Lyが得ら
れているので、これを補正するために最終的にレンズ4
に加える光軸補正信号Syは、 Sy=Ly−Dy+Δψ ・・・・(14) となる。レンズ4に関しても同様な考え方によって(数
12)を導びくことができる。
【0084】出力された光軸補正信号Sx、Syはそれ
ぞれD/A変換器216,217で電圧に変換され、ア
ンプ218,219で増幅されてから、各々の補正レン
ズ3、4を動かすモータ220,221に供給される。
【0085】したがって、回転時に意図する方向とは異
なる方向の運動成分が生じ、これにより手振れをとる方
向に対してこれと直交する方向の画像のぶれが新たに発
生するのを回避できる。
【0086】上述した(数5)および(数6)はあくま
でも近似式であり、これに基づいてレンズの回転角を補
正するものであるから、(数3)あるいは(数4)に基
づいて回転角の補正を行う場合との間で誤差が発生す
る。
【0087】どの程度の誤差が発生するかを図2を参照
して説明する。図2はφについてであって、(数5)か
ら求められるφ、φだけ回転させたときに実際に発生す
る誤差成分(理論値)Δψ0、近似式により求めた誤差
成分Δψ、誤差成分Δψ、Δψ0の比(%表示)をそれ
ぞれ求めたものである。
【0088】この図からも明らかなように近似式を使用
して補正しても大きな誤差は発生しないから、近似式に
よる回転角相殺を行うことによって手振れをほぼ確実に
補正できることが判る。
【0089】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明では、一対
の球面レンズを組合せたダブレット式頂角可変プリズム
を使用するに当たり、光軸に垂直でしかも互いに直交す
る方向であってレンズ外縁の1点とレンズ中心とを通る
軸を回転軸として案内するように構成した場合に発生す
るレンズの回転ズレ、つまりレンズ回転軸が系の光軸に
垂直で互いに直交する方向にないために生じる、他方向
への振れの発生を電気的にキャンセルできるようにした
ものである。
【0090】これによれば、レンズ球面中心とレンズ外
縁を結ぶ直線上にレンズ回転軸をとってプリズムの頂角
を可変したとき、意図する方向とは異なる方向の運動成
分による画像のぶれを効果的に抑止できる特徴を有す
る。
【0091】したがってこの頂角可変プリズムをビデオ
カメラの光学系に装着して手振れ成分に基づいてプリズ
ムの頂角を可変できるように構成すれば、適切な手振れ
補正を実現できる。
【0092】もちろん、レンズの回転軸を上述したよう
に選ぶことによって、可変プリズムを小型化できるの
で、この発明は業務用、民生用に用いられる携帯用ビデ
オカメラの光学系に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る頂角可変プリズムを適用した撮
像装置の一実施態様を示す要部の系統図である。
【図2】補正近似値と理論値との関係を示す図である。
【図3】頂角可変プリズムの説明図である。
【図4】レンズ支持部と駆動部との関係を示す断面図で
ある。
【図5】鏡筒へのレンズ取り付け状態を示す部分的な断
面図である。
【図6】鏡筒の概形を示す斜視図である。
【図7】レンズ支持部の詳細を示す要部の斜視図であ
る。
【図8】レンズ駆動部の一例を示す斜視図である。
【図9】レンズ駆動部の詳細を示す要部の断面図であ
る。
【図10】モータ伝達系の一例を示す分解斜視図であ
る。
【図11】モータ伝達系の一例を示す一部を断面した正
面図(その1)である。
【図12】モータ伝達系の一例を示す一部を断面した正
面図(その2)である。
【図13】頂角可変プリズムを組み立てた状態を示す斜
視図である。
【図14】平凸レンズの回転状態を示す説明図である。
【図15】回転ズレの発生を示す部分的断面図である。
【図16】回転ズレの説明を行う回転座標系を示す図で
ある。
【図17】回転ズレ量を示す特性図である。
【符号の説明】
2・・・頂角可変プリズム、3,4・・・球面レンズ、
1A・・・レンズ支持部、1B・・・レンズ駆動部、6
・・・鋼球、25・・・モータ、45・・・ベルト、2
02・・・CCD、203,204・・・角速度セン
サ、209・・・マイコン、210,211・・・傾斜
角センサ、220,221・・・モータ、230・・・
信号処理回路、233,234・・・光軸補正信号生成
のための演算手段、240,241・・・回転角補正量
算出手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略同一半径の球面からなる第1と第2の
    球面レンズをその球面を対向させて組み合わせ、一方の
    略球面中心とレンズ外縁付近とを結ぶ直線を回転軸とし
    て回転させるようにした頂角可変プリズム装置が、撮像
    装置の光学系の前面に取り付けられると共に、 この撮像装置に光軸に対する直交2軸方向の振れを検出
    する振れ検出センサが取り付けられ、 上記振れ検出センサからの出力に基づいて上記第1の球
    面レンズの回転角φを調整したときで、第1の球面レン
    ズの回転軸と上記光軸とのなす角をαxとしたときに
    は、上記第2の球面レンズに対する補正回転角Δψとし
    て、 【数1】 が回転角補正として第2の球面レンズ側に与えられると
    共に、 上記振れ検出センサからの出力に基づいて上記第2の球
    面レンズの回転角ψを調整したときで、第2の球面レン
    ズの回転軸と上記光軸とのなす角をαyとしたときに
    は、上記第1の球面レンズに対する補正回転角Δφとし
    て、 【数2】 が回転角補正として上記第1の球面レンズ側に与えられ
    るようになされたことを特徴とする手振れ補正装置。
  2. 【請求項2】 上記頂角可変プリズムを構成する第1お
    よび第2の球面レンズに関連してその傾斜角を検出する
    傾斜角センサが設けられ、 この傾斜角センサの出力に基づいて上記補正回転角Δ
    ψ、Δφが算出されるようになされたことを特徴とする
    請求項1記載の手振れ補正装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の球面レンズは平凹球面レンズ
    であり、第2の球面レンズは平凸球面レンズであること
    を特徴とする請求項1記載の手振れ補正装置。
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