JPH10186278A - 光サーキュレータ - Google Patents

光サーキュレータ

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Publication number
JPH10186278A
JPH10186278A JP33999696A JP33999696A JPH10186278A JP H10186278 A JPH10186278 A JP H10186278A JP 33999696 A JP33999696 A JP 33999696A JP 33999696 A JP33999696 A JP 33999696A JP H10186278 A JPH10186278 A JP H10186278A
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JP
Japan
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crystal
port
light
optical circulator
prism
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Withdrawn
Application number
JP33999696A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kawabata
雄一 川幡
Yasuaki Tamura
安昭 田村
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OYO KODEN KENKIYUUSHITSU KK
Original Assignee
OYO KODEN KENKIYUUSHITSU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の加工が必要な偏光プリズムを用いず
に、光サーキュレータを実現する。 【解決手段】 第2ポートP2および第3ポートP3間
に第1結晶10、第2結晶12、第3結晶14および第
4結晶16を具えている。これら1軸性複屈折結晶には
同一のものを用いており、所定の方向に結晶軸を配向さ
せてある。第1結晶10および第2結晶12間には偏光
回転子として旋光器18を具え、第2結晶12および第
3結晶14間に第1ポートP1からの光を入射させるた
めの平行シフトプリズム28を具えている。プリズム2
8は、微小な反射面bを有し、第2結晶12から出射し
た光がこの反射面を避けて通過できるように設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバ伝送
方式において有用な光機能部品である光サーキュレータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】光サーキュレータは、あるポートに入射
させた光を、これとは別の特定のポートから出射させる
機能を有しており、3ポート以上のポートを具えた受動
非相反部品である。光サーキュレータは、光ファイバ伝
送や光計測等で多用されている。従来この種の光サーキ
ュレータとして、例えば文献「特開平4−36680
6」に開示されている4ポートを具えた光サーキュレー
タがある。この4ポート型光サーキュレータは、2個の
偏光ビームスプリッタと、これら偏光ビームスプリッタ
の間に設けられたファラデ回転子および1/2波長板と
を具えた構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た4ポート型光サーキュレータは、以下に記載するよう
に、いくつかの問題点を有しているものであった。
【0004】 先ず、上述の偏光ビームスプリッタ
は、任意の入射光をP偏光およびS偏光に分離させるた
めに必要であるが、これは、偏光分離膜を具えたプリズ
ムと全反射面を具えたプリズムとを、これら偏光分離膜
および全反射面を接着剤により接合させて形成する。こ
れら偏光分離膜および全反射面の間には、高い平行性が
要求される。この平行性が悪いと、偏光分離膜や全反射
面においてP偏光あるいはS偏光が所定の方向にそれぞ
れ透過または反射されなくなり、各ポートに出射するP
偏光およびS偏光の間の結合が不充分になる。このこと
は、各ポート間における光結合の損失を増大させる原因
になる。この平行性の欠落を要因とする種々の不都合
は、各光ポートの位置調整を行っても本質的に解消する
ことができない。従って、低損失のサーキュレータを製
作しようとすると、偏光ビームスプリッタに高精度の加
工が要求されるので、非常に高価な装置になる欠点があ
る。
【0005】 また、偏光ビームスプリッタは、上述
したように人工的に製作されるものであるため、その特
性にバラツキが発生する。さらに、方解石等の1軸性複
屈折結晶に比較してP偏光とS偏光との分離度が劣るた
め、サーキュレータとしてのアイソレーション特性が劣
るといった欠点を有している。
【0006】 また、偏光ビームスプリッタは、上述
したように、その内部に接着剤が介在しており、光がそ
の部分を透過または反射するようになっている。従っ
て、長期間にわたる環境の変化や、大入力の光パワーの
通過により、接着剤の光学特性が変質し、サーキュレー
タの光学特性を劣化させてしまうといった懸念がある。
よって、信頼性の面でも問題がある。
【0007】 また、上述の光サーキュレータは、対
向させた2つの偏光ビームスプリッタの間で2本の光ビ
ームの受渡しを行い、その2本の光ビームを、これらビ
ームスプリッタ間に設けたファラデ回転子および1/2
波長板に通過させる構成となっている。偏光ビームスプ
リッタから出射する2つの光ビームの間隔は、偏光ビー
ムスプリッタ自体の寸法により決まる。しかるに、ビー
ムスプリッタのような偏光プリズムの寸法は、一般的
に、微小に加工することができず、加工できるとしても
非常に高価になってしまい、また、微小であるほど加工
精度は悪くなる。従って、偏光ビームスプリッタを微小
に形成することができないので、光ビームの間隔を狭め
ることもできず、これら光ビームを通過させるために
は、ファラデ回転子および1/2波長板として大型のも
のが必要である。そして、大型のファラデ回転子は非常
に高価である。よって、装置全体が大型化し、また、高
価になってしまうといった問題がある。
【0008】従って、従来より、上記〜で説明した
問題が生じることのない構成の光サーキュレータの出現
が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の光サ
ーキュレータによれば、3個のポートを具えた光サーキ
ュレータにおいて、1軸性複屈折結晶の第1、第2、第
3および第4結晶を、第2ポートおよび第3ポート間に
具えており、前記第1および第2結晶の結晶軸が第1方
向に揃えられ、前記第3および第4結晶の結晶軸が第2
方向に揃えられていて、前記第1および第2方向は光路
軸に垂直な面に関して互いに対称となるように配向され
ており、前記第1および第2結晶の間に、順方向に通過
させた光の偏光面を90°回転させた状態になし、逆方
向に通過させた光の偏光面を非回転の状態に維持する旋
光器を具えており、前記第2結晶の前記旋光器とは反対
の側に、第1ポートから入射させた光を前記第2ポート
に向けて全反射させるための反射面を有した反射プリズ
ムを具え、この反射面は、前記第2ポートから入射した
光が前記第2結晶中で常光線および異常光線に分離され
たとき、この結晶から出射される2つの光ビームの間に
位置するように設けられており、前記第4結晶を、前記
反射プリズムの前記第2結晶とは反対の側に設けられた
前記第3結晶と前記第3ポートとの間に具えていること
を特徴とする。
【0010】このように構成すると、第1ポートから入
射した光は、反射プリズムにより偏向し、第2結晶、旋
光器および第1結晶を通過して第2ポートから出射す
る。また、第2ポートから入射した光は、第1結晶、旋
光器、第2結晶、第3結晶および第4結晶を通過して第
3ポートから出射する。この際、第1結晶、旋光器およ
び第2結晶の作用により、第2結晶から出射する光は偏
光分離されており、2つのビームは、ちょうど、反射面
を避けて反射プリズムを通過するので第1ポートの側に
は反射されない。また、第3ポートから入射した光は、
旋光器の作用のため、第1結晶からは、第2ポートから
外れた位置に光が出射する。
【0011】このように、偏光プリズムの代りに複屈折
の光学特性を有した1軸性複屈折結晶を用いており、こ
の結晶の光学特性そのものを利用している。従って、高
精度の加工等を必要とせずに、高い精度でもって偏光分
離あるいは偏光合成が行える。また、1軸性複屈折結晶
の光通過面には、全く接着剤を介在させていないので、
信頼性の観点から光学特性の面でも問題がない。さら
に、1軸性複屈折結晶の偏光分離幅は、光路軸と結晶軸
のなす角度を適当にすれば、光が通過する結晶の長さの
およそ10分の1にすることができる。長さ10mm程
度の結晶を用いれば、分離幅は1mm程度にできるの
で、旋光器として大型の光学素子を用いる必要がない。
【0012】上述した前記第1、第2、第3および第4
結晶としては、それぞれ方解石を用いることができる。
あるいは、前記第1、第2、第3および第4結晶をそれ
ぞれルチルとしても良い。
【0013】また、この発明の光サーキュレータの好適
な構成例によれば、前記反射プリズムは、前記常光線が
この反射プリズム内を通過できる位置に設けられている
のが良い。このように構成すると、常光線と異常光線と
の間の伝搬遅延時間を補償することができる。また、好
ましくは、前記反射プリズムを、前記第1ポートから入
射した光を直角方向に偏向させて前記反射面に入射させ
る平行シフトプリズムとするのが良い。
【0014】次に、この発明の光サーキュレータの好適
な構成例によれば、前記旋光器は、ファラデ回転子と、
1/2波長板とからなるのが良い。ファラデ回転子は、
ファラデ効果を利用した偏光面回転装置であり、非相反
回転子である。また、1/2波長板は、互いに直交する
直線偏光の間にπ(180°)の位相差を与える光学素
子であり、相反回転子である。そして、前記ファラデ回
転子は、内部に通過させた光の偏光面を45°回転さ
せ、前記1/2波長板は、当該偏光面を同方向に45°
回転させることができるので、上述した旋光器を構成す
ることができる。
【0015】また、この発明の光サーキュレータの好適
な構成例によれば、前記第1、第2、第3および第4結
晶の光が通過する両端面が、平行研磨されているのが良
い。このように、複屈折結晶の両端面を平行に研磨して
あるので、両端面から出射する光ビームを互いに平行の
状態にすることができる。
【0016】また、この発明の光サーキュレータの好適
な構成例によれば、前記反射プリズムの前記第2結晶と
は反対の側に折返しプリズムを設けて、この第2結晶か
ら出射した光をこの折返しプリズムを通過させて前記第
3結晶に入射させるように構成してあるのが良い。この
ように構成すると、全ポートを同じ向きに配置させるこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この実施の
形態につき説明する。尚、図は、この実施の形態の構
成、大きさおよび配置関係が理解できる程度に概略的に
示してあり、また、以下に記載する数値条件等は単なる
一例に過ぎず、従って、この発明は、この実施の形態に
何ら限定されることがない。
【0018】[第1の実施の形態]図1は、第1の実施
の形態の構成を示すブロック図である。この実施の形態
の光サーキュレータの構成要素は、主として、第1結晶
10、第2結晶12、第3結晶14および第4結晶16
と、旋光器18と、平行シフトプリズム28とである。
以下、各構成要素につき説明する。
【0019】この実施の形態の光サーキュレータは、素
子外部からの光入射と素子内部からの光出射を行うポー
トとして、第1ポートP1、第2ポートP2および第3
ポートP3を具えた3ポート型光サーキュレータであ
る。そして、上述の第2および第3ポートP2およびP
3間に、1軸性複屈折結晶の第1結晶10、第2結晶1
2、第3結晶14および第4結晶16を具えている。こ
の例では、第2ポートP2、第1結晶10、第2結晶1
2、第3結晶14、第4結晶16および第3ポートP3
は1つの直線上にあり、この直線を光路軸と称してい
る。また、第1ポートP1は、この光路軸から外れた位
置にある。
【0020】図1の各結晶10、12、14および16
内には、各々の結晶軸方向を両矢印で示してある。図1
において、第1結晶10および第2結晶12の結晶軸
は、紙面に平行であり、光路軸と大略45°の角度をな
す方向(第1方向と称する。)に共に揃えられている。
また、図1において、第3結晶14および第4結晶16
の結晶軸は、紙面に平行であり、光路軸と大略45°の
角度をなす方向(第2方向と称する。)に共に揃えられ
ている。但し、第1および第2方向従ってそれぞれの結
晶軸は、光路軸に垂直な面に関して互いに対称となるよ
うに配向されているものとする。すなわち、上述の面に
関し、第1および第2方向従ってそれぞれの結晶軸は、
反転対称の関係にある。
【0021】この実施の形態では、第1、第2、第3お
よび第4結晶10、12、14および16として方解石
を用いている。各結晶は同一の方解石であり、サイズや
結晶軸方向は同一のものである。また、各結晶の光が入
射あるいは出射する両端面は、互いに平行になるように
研磨されているので、これら端面から出射する光線は、
入射する光線と平行である。
【0022】そして、この光サーキュレータは、これら
第1結晶10および第2結晶12の間に、順方向に通過
させた光の偏光面を90°回転させた状態になし、およ
び逆方向に通過させた光の偏光面を非回転の状態に維持
する旋光器18を具えている。この実施の形態では、旋
光器18として、ファラデ回転子20と、1/2波長板
22とを組み合わせて用いている。尚、ファラデ回転子
20は、磁気光学結晶24と、主として光路軸方向に所
定の磁場を印加するために、光路軸を取り囲むように結
晶24の外周に配設された永久磁石26とをもって構成
される。図1においては、永久磁石26を、紙面に平行
であり光路軸を含む面で切って取った切り口の断面で示
す。
【0023】そして、この光サーキュレータは、第2結
晶12の旋光器18とは反対の側に、第1ポートP1か
ら入射させた光を第2ポートP2に向けて全反射させる
ための反射面が設けられた反射プリズムを具えている。
この例では、反射プリズムとして平行シフトプリズム2
8を用いている。前述した第1ポートP1は、第3ポー
トP3から入射する光と同じ向きに光が入射するように
設けられていて、平行シフトプリズム28は、この第1
ポートP1から入射した光を直角方向に偏向させるため
の反射面(図1のa面)を具えている。図1において、
この反射面aは、紙面に垂直であり光路軸から45°傾
いた面である。上述の反射面(図1のb面)は反射面a
と平行な面であり、従って、この反射面aにより反射さ
れた光は第2ポートP2側に全反射される。
【0024】また、反射面bは、反射面aに比べて小さ
なサイズの面にしてある。そのサイズは、第2ポートP
2から入射した光が第2結晶12中で常光線および異常
光線に分離されたとき、この結晶12から出射される2
つの光ビームの間に反射面bが位置するように設けられ
ている。従って、第2ポートP2側から入射する光が、
この反射面bに反射されないように構成されている。
【0025】各結晶10、12、14、16は、それぞ
れ1軸性複屈折結晶であるので、これら結晶中に入射し
た光は、結晶内で異常光線と常光線とに分離される。従
って、結晶を通過した光は、2本の光ビームとなって出
射する。これら光ビームの間隔すなわち偏光分離幅をΔ
とすると、後述するように、第2ポートP2側から入射
して第2結晶12から出射する2つの光ビームは互いに
平行であり、これら光ビームは距離2Δだけ離間してい
る。そして、第1ポートP1から入射する光は、これら
光ビームの実質的に真ん中となる位置、すなわち、これ
ら光ビームの両者から距離Δだけ離間した位置を通過す
る。図1において紙面に平行であり光路軸に垂直な方向
の反射面bのサイズは、この2Δという範囲内に納まる
サイズとなっている。上述したように、この値Δは1m
m程度の大きさである。
【0026】また、平行シフトプリズム28は、上述し
た常光線が、第2結晶12中から出射した後に、反射プ
リズム内を通過するような位置に設けられている。そし
て、上述の異常光線に対しては、プリズムから外れた位
置を通過するように、平行シフトプリズム28が設けら
れている。前述した2つの光ビームの内、第1ポートP
1に近い側の光ビームが常光線に相当し、もう一方の光
ビームが異常光線に相当している。そして、常光線は反
射面bを避けて上側部分すなわちプリズム28内を通過
し、異常光線は同じく反射面bを避けて下側部分すなわ
ちプリズム28外を通過する。このようにプリズム28
を設けると、常光線と異常光線とが異なる屈折率の媒体
内を伝播するようになり、異常光線に比べて大きな伝搬
遅延が常光線に対して与えられる。この伝搬遅延の大き
さは、プリズム28の光路軸方向の厚さにより定まる。
もともと、異常光線は、常光線に対して伝搬遅延を有し
ているものであるから、プリズム28の厚さを適当に設
定することにより、プリズム28が常光線に対して与え
る伝搬遅延を、常光線および異常光線間の伝搬遅延差を
解消させるように調整することができる。従って、サー
キュレータのPMD(Polarization Mode Dispersion)
特性が向上する。尚、プリズム28の材質はBK7であ
る。
【0027】そして、この光サーキュレータは、第3結
晶14および第3ポートP3の間に、上述した第4結晶
16を具えている。
【0028】尚、各結晶10、12、14および16
は、方解石に限らずに、それぞれルチルとしても良い。
尚、ルチルの場合には、異常光線が変移する方向が方解
石と異なっているが、その点だけ考慮すれば、サーキュ
レータ動作原理は全く同様にできる。また、各ポートP
1、P2およびP3の間の光結合を好適に行うため、各
ポートP1、P2およびP3にそれぞれレンズL1、L
2およびL3を設け、各ポートP1、P2およびP3か
ら入射する光が、それぞれレンズL1、L2およびL3
により集光されるように構成してある。
【0029】次に、この光サーキュレータの動作につき
説明する。図2は、この説明に供するブロック図であ
る。図2には、光サーキュレータに入射した光の経路を
実線で示してあり、所定の位置における光の偏向状態を
図中下側のボックスの中に示してある。このボックスは
3区画に分割されており、図2の紙面内に平行で光路軸
に垂直な方向の位置を、図中の上下と対応させて、上側
から順次に上・中・下の位置の区画として形成してあ
る。そして、各区画内にその位置に対応した光線の偏光
状態を示してある。サーキュレータ内に各ポートから入
射する光の偏光は、図2において、紙面に平行な偏光面
を有する直線偏光(以下、縦偏光と称する。)と紙面に
垂直な偏光面を有する直線偏光(以下、横偏光と称す
る。)とを含んでいるので、これら互いに直交する直線
偏光に注目して各位置における光の偏光状態を表すこと
にする。ボックスの各区画内には、縦棒で縦偏光を示
し、横棒で横偏光を示す。また、例えば縦偏光の偏光面
が45°回転したときには、その回転方向も考慮して、
縦棒から45°傾いた線分で偏光状態を示すことにす
る。
【0030】<ポートP1からポートP2への光経路>
図2(A)に、第1ポートP1から光を入射させたとき
の光経路を示す。第1ポートP1から入射した光は、先
ず、平行シフトプリズム28に入射し、反射面aにて全
反射して直角方向に偏向され、プリズム内を経由して反
射面bに到達する。そして、光は、反射面bにて全反射
して直角方向に偏向され、第2結晶12の端面中央部に
入射する。このときの光の偏光状態は、縦偏光と横偏光
が合波されている状態であり、図2(A)におけるボッ
クスB1中央の区画に十字状に示されている。
【0031】第2結晶12に入射した光は、各偏光に応
じて常光線と異常光線とに分離され、互いに平行な光ビ
ームとなって結晶内から出射する。第2結晶12の結晶
軸方向は、図1に示した通りであるから、常光線(横偏
光)は変移を受けずに直進し、異常光線(縦偏光)だけ
が図中上側に向けて変移を受ける(位置がずれる)。第
2結晶12から出射したときの偏光状態をボックスB2
に示す。
【0032】第2結晶12から出射した光は、続いて、
ファラデ回転子20に入射する。このファラデ回転子2
0により、各偏光は正方向に45°の回転を受ける(図
2(A)のB3)。
【0033】次に、ファラデ回転子20から出射した光
は、1/2波長板22に入射する。この1/2波長板2
2により、各偏光の偏光面は正方向に45°回転され
る。従って、1/2波長板22から出射した光の偏光面
は、ファラデ回転子20に入射する前に比べて、正方向
に90°の回転を受けている(図2(A)のB4)。
【0034】次に、1/2波長板22から出射した光
は、第1結晶10に入射する。第1結晶10の結晶軸は
第2結晶12の結晶軸と同じ方向にしてあるから、第1
結晶10に入射する縦偏光は先程と同様の位置変移効果
を受ける。従って、第1結晶10から出射するときに
は、分離していた異常光線および常光線が合波して、両
偏光が重なった状態で第2ポートP2へ入射する(図2
(A)のB5)。尚、第1結晶10からは、プリズム2
8の反射面bにおける反射点に比べて高い位置から光が
出射する。
【0035】以上説明したように、第1ポートP1から
出射した光は第2ポートP2へ到達する。この伝搬経路
において、注目した両偏光は同一の作用を受けるので、
いずれの偏光の間にも光伝搬遅延差が発生しない。
【0036】<ポートP2からポートP3への光経路>
次に、図2(B)を参照して、第2ポートP2から光が
サーキュレータ内に入射したときの光経路を説明する。
図2(B)は、第2ポートP2から光を入射させたとき
の光経路を示す。第2ポートP2から出射した光の偏光
状態を、図2(B)のボックスB1に示す。
【0037】次に、第2ポートP2から出射して第1結
晶10に入射した光は、この結晶10により前述した偏
光分離を受ける(図2(B)のB2)。
【0038】続いて、第1結晶10から出射した各偏光
は、1/2波長板22に入射し、逆方向に45°の回転
を受ける(図2(B)のB3)。しかしながら、続いて
各偏光が入射する非相反素子であるファラデ回転子20
において、両偏光は正方向に45°の回転を受けるの
で、1/2波長板22に入射する前と同様の偏光状態に
戻る(図2(B)のB4)。
【0039】従って、第2結晶12にあっては、第1ポ
ートP1から第2ポートP2へ伝播する場合とは異なる
位置変移効果を受け、今度は別の経路を辿るようにな
る。すなわち、ファラデ回転子20から出射し、第2結
晶12へ入射する横偏光は直進し、縦偏光は図中下側へ
変移する(図2(B)のB5)。このように、両偏光は
さらに分離した状態になって第2結晶12から出射す
る。そして、上述したように、第2結晶12から出射し
た2本の光ビームはプリズム28の反射面bを避けて通
過する。一方の光ビーム(図中上側の光線)はプリズム
28内を通過し、他方の光ビーム(図中下側の光線)は
プリズム28の外部を通過する。
【0040】次に、第2結晶12から出射した光は、プ
リズム28を通過し、互いに平行の状態を保ったまま第
3結晶14に入射し(図2(B)のB6)、続いて第4
結晶16に入射する(図2(B)のB7)。第3結晶1
4および第4結晶16の結晶軸の向きは、先の第1結晶
10および第2結晶12の結晶軸の向きと逆にしてある
ため、プリズム28の下面を通過させた縦偏光を図中上
側に変移させることができ、第4結晶16から出射する
ときには、プリズム28内を通過させた横偏光と合波さ
せることができる。このようにして、第2ポートP2か
ら入射させた光を損失させることなく第3ポート3へ出
射させることができ、しかも、第1ポートP1に光が出
射することがない。
【0041】尚、第3ポートP3からサーキュレータ内
に入射した光は、ファラデ回転子20により正方向に4
5°の偏光回転を受けるため、第1結晶10において、
第2ポートP2から第3ポートP3への光経路と異なる
経路を辿ることになる。この場合には、分離された光ビ
ームを合波させることができないし、第1結晶から出射
する各偏光は第2ポートP2が設けられている高さと異
なる位置に出射するため、第2ポートP2へ到達するこ
とができない。従って、第3ポートP3から第2ポート
P2へは光を伝播させることができない。
【0042】以上説明したように、第1ポートP1から
第2ポートP2への光の伝搬と、第2ポートP2から第
3ポートP3への光の伝搬とだけが可能である。よっ
て、光サーキュレータが実現できる。この実施の形態の
光サーキュレータの特性結果を図3の表に示してある。
図3の表には、挿入損失、挿入損失の偏光依存性、アイ
ソレーションおよび反射減衰量の各実測値を、対象ポー
トごとに示してある。尚、測定には、波長1550nm
の光を用いている。
【0043】先ず、挿入損失について見ると、第1ポー
ト(ポート1)P1から第2ポート(ポート2)P2へ
の経路については0.55dBである。また、第2ポー
トP2から第3ポート(ポート3)P3への経路につい
ては0.68dBである。通常のサーキュレータに対し
てこの値は0.8〜1.0dB程度であるので、損失が
抑えられていることが分かる。
【0044】次に、挿入損失の偏光依存性を見ると、第
1ポートP1から第2ポートP2への経路については
0.01dBである。また、第2ポートP2から第3ポ
ートP3への経路については0.03dBである。従来
は0.1dB程度であったので、この点も改善されてい
ることが分かる。
【0045】また、アイソレーション特性について見る
と、第2ポートP2から第1ポートP1への経路につい
ては37dB、第3ポートP3から第2ポートP2への
経路については35dB、第1ポートP1から第3ポー
トP3への経路については68dBである。従来25d
B程度のアイソレーションしか得られていなかったか
ら、アイソレーションも増大していることが理解され
る。
【0046】また、反射減衰量について見ると、第1ポ
ートP1については62dB、第2ポートP2について
は69dB、第3ポートP3については68dBであ
る。従来は50dB程度であるから、反射減衰量も大き
くなっている。
【0047】以上説明したように、この実施の形態の光
サーキュレータによれば、偏光分離素子として1軸性複
屈折結晶である方解石を用いるため、高精度の偏光分離
および偏光合成が行える。また、方解石の両端面の平行
研磨以外には高精度の加工を必要としないので、組立が
容易である(一般的に、平行研磨は、容易に、かつ、安
価に行える。)。また、組立再現性も高いから、組立コ
ストを安くすることができる。そして、光が通過する面
には接着剤を用いていないから、光学特性を劣化させる
ことがない。さらに、大型のファラデ回転子あるいは波
長板が要らないので、部品コストを低減させることがで
きる。また、上述したように、PMDも抑制することが
できるため、高性能の光サーキュレータが実現できる。
【0048】[第2の実施の形態]図4は、第2の実施
の形態の構成を示すブロック図である。第2の実施の形
態の光サーキュレータは、第1の実施の形態の構成を、
第3結晶14および平行シフトプリズム28間において
折り返した構成となっている。すなわち、プリズム28
の第2結晶12とは反対の側に折返しプリズム30を設
けて、この第2結晶12から出射した光を折返しプリズ
ム30を通過させて第3結晶14に入射させるように構
成してある。
【0049】図2に示すように、折返しプリズム30
は、第2結晶から出射した光が図中下側に直角方向に偏
向させるための第1反射面と、この反射面で反射された
光を再び第2ポートP2側に向けて直角方向に偏向させ
るための第2反射面とを有している。そして、第2反射
面で反射された光が、第3結晶14および第4結晶16
を経て第3ポートP3へ伝搬させるように構成されてい
る。従って、この構成例では、第2ポートP2と第3ポ
ートP3とは同じ側にある。
【0050】また、平行シフトプリズム28の反射面a
を、反射面bと直交する方向に変えることにより、第1
ポートP1も、第2ポートP2および第3ポートP3と
同じ側に配設させることができる。このように、この構
成例は、すべてのポートが同じ側に設けられている。従
って、このサーキュレータモジュールを、他の基板等に
取り付けるときには、ファイバを同方向に出すことがで
きるので、デッドスペースを無くすことが可能である。
このように、この構成例によれば、モジュールとして実
装がしやすいといった利点がある。
【0051】
【発明の効果】この発明の光サーキュレータによれば、
偏光プリズムの代りに複屈折の光学特性を有した1軸性
複屈折結晶を用いた構成であり、この結晶の光学特性そ
のものを利用している。従って、高精度の加工等を必要
とせずに、高い精度でもって偏光分離あるいは偏光合成
が行える。よって、偏光分離および偏光合成を容易にか
つ高精度に行うことができるので、極めて低挿入損失の
サーキュレータを安定に実現することができる。
【0052】また、1軸性複屈折結晶の光通過面には、
全く接着剤を介在させる必要がない。従って、偏光分離
素子としての信頼性が高い。
【0053】また、1軸性複屈折結晶の偏光分離幅は、
光が通過する結晶の長さのおよそ10分の1である。長
さ10mm程度の結晶を用いれば、分離幅は1mm程度
にできるので、旋光器として大型の光学素子を用いる必
要がない。よって、部品コストが低減し、装置全体の小
型化も図れる。
【0054】また、この発明の光サーキュレータの好適
な構成例によれば、前記反射プリズムは、前記常光線が
この反射プリズム内を通過するように設けられているの
で、常光線と異常光線との間の伝搬遅延時間を補償する
ことができる。従って、伝搬遅延時間が発生しない光サ
ーキュレータが構成できる。
【0055】また、この発明の光サーキュレータの好適
な構成例によれば、前記第1、第2、第3および第4結
晶の光が通過する両端面が平行研磨されているので、各
両端面からは、偏光分離された光ビームが互いに高精度
の平行状態で出射される。従って、偏光分離された光を
偏光合成するとき、極めて低損失に合成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の光サーキュレータの構成を
示す図である。
【図2】光サーキュレータ内の光経路を示す図である。
【図3】光サーキュレータの特性結果を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の光サーキュレータの構成を
示す図である。
【符号の説明】
10:第1結晶 12:第2結晶 14:第3結晶 16:第4結晶 18:旋光器 20:ファラデ回転子 22:1/2波長板 24:磁気光学結晶 26:永久磁石 28:平行シフトプリズム 30:折返しプリズム

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3個のポートを具えた光サーキュレータ
    において、 1軸性複屈折結晶の第1、第2、第3および第4結晶
    を、第2ポートおよび第3ポート間に具えており、 前記第1および第2結晶の結晶軸が第1方向に揃えら
    れ、前記第3および第4結晶の結晶軸が第2方向に揃え
    られていて、前記第1および第2方向は光路軸に垂直な
    面に関して互いに対称となるように配向されており、 前記第1および第2結晶の間に、順方向に通過させた光
    の偏光面を90°回転させた状態になし、逆方向に通過
    させた光の偏光面を非回転の状態に維持する旋光器を具
    えており、 前記第2結晶の前記旋光器とは反対の側に、第1ポート
    から入射させた光を前記第2ポートに向けて全反射させ
    るための反射面を有した反射プリズムを具え、 該反射面は、前記第2ポートから入射した光が前記第2
    結晶中で常光線および異常光線に分離されたとき、該結
    晶から出射される2つの光ビームの間に位置するように
    設けられており、 前記第4結晶を、前記反射プリズムの前記第2結晶とは
    反対の側に設けられた前記第3結晶と前記第3ポートと
    の間に具えていることを特徴とする光サーキュレータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記反射プリズムは、前記常光線が該反射プリズム内を
    通過できる位置に設けられていることを特徴とする光サ
    ーキュレータ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記反射プリズムを、前記第1ポートから入射した光を
    直角方向に偏向させて前記反射面に入射させる平行シフ
    トプリズムとしたことを特徴とする光サーキュレータ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記旋光器は、ファラデ回転子と、1/2波長板とから
    なることを特徴とする光サーキュレータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記ファラデ回転子は、内部に通過させた光の偏光面を
    45°回転させ、前記1/2波長板は、当該偏光面を同
    方向に45°回転させることを特徴とする光サーキュレ
    ータ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記第1、第2、第3および第4結晶の光が通過する両
    端面が、平行研磨されていることを特徴とする光サーキ
    ュレータ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記第1、第2、第3および第4結晶をそれぞれ方解石
    としたことを特徴とする光サーキュレータ。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記第1、第2、第3および第4結晶をそれぞれルチル
    としたことを特徴とする光サーキュレータ。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の光サーキュレータにお
    いて、 前記反射プリズムの前記第2結晶とは反対の側に折返し
    プリズムを設けて、該第2結晶から出射した光を該折返
    しプリズムを通過させて前記第3結晶に入射させるよう
    に構成してあることを特徴とする光サーキュレータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000049450A3 (en) * 1999-02-22 2001-02-22 Sigma Optics Inc Optical circulator
WO2003009436A1 (fr) * 2001-07-18 2003-01-30 Oyokoden Lab Co., Ltd. Procede de couplage optique a excitation par la sortie, et coupleur optique a excitation par la sortie utilisant le procede
CN110208969A (zh) * 2018-02-28 2019-09-06 福州高意通讯有限公司 一种光环行器

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