JPH0894969A - 光サーキュレータおよび光の制御方法 - Google Patents

光サーキュレータおよび光の制御方法

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Publication number
JPH0894969A
JPH0894969A JP22648094A JP22648094A JPH0894969A JP H0894969 A JPH0894969 A JP H0894969A JP 22648094 A JP22648094 A JP 22648094A JP 22648094 A JP22648094 A JP 22648094A JP H0894969 A JPH0894969 A JP H0894969A
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JP
Japan
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light
polarization
ray
port
birefringent material
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Application number
JP22648094A
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English (en)
Inventor
Shigeru Hirai
茂 平井
Masaru Yui
大 油井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏波分散を抑えるとともに、アイソレーショ
ンを高めることができる光サーキュレータを提供する。 【構成】 このサーキュレータは、第1〜第8の複屈折
材料(21−1〜21−8)と、ファラデ回転子(19
−1〜19−3)と、1/2波長板(20)と、偏光保
証板(H1,H2)とを具備している。ファイバ(F1
〜F4)から入力された光は、高いアイソレーションを
有して目的のファイバに結合するとともに、どのファイ
バ(F1〜F4)からの光の入力に対しても信号光の偏
波分散を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバを用いた光
通信等に用いられる光サーキュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】光サーキュレータは、光ファイバ等の光
導波ガイドが接続されて双方向通信やデータリンク等に
使用されている。
【0003】このような光サーキュレータは、特公昭6
0−29887号公報、特開平4−34813号公報、
特開平5−215990号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の光サーキュレータにおいてはアイソレーションが十
分でない。本願発明は、これらの発明に立脚しつつもさ
らに高いアイソレーションが得られる光サーキュレータ
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題に鑑みてなされたものであり、第1ポートから入力さ
れた第1光を第2ポートに出力し、第2ポートから入力
された第2光を第3ポートに出力し、第3ポートから入
力された第3光を第4ポートに出力し、第4ポートから
入力された第4光を第1ポートに出力する光サーキュレ
ータを対象とするものであり、入射した光のうち常光線
は直進させ、異常光線は屈折させて出射する第1、第
2、第3、第4、第5、第6、第7および第8の複屈折
材料と、入射した2つの偏光に位相差を与えて出射する
第1および第2の偏光補償板と、入射した偏光の方位を
±45度回転して出射する第1、第2および第3の非相
反旋光素子と、入射した偏光の方位を45度回転して出
射する相反旋光素子と、入射した常光線は反射し、異常
光線は透過する第1面およびこれらの光線のうちの一方
を反射して他方の光線とほぼ平行に出射する第1反射面
を有する第1の偏光ビームスプリッタと、入射した常光
線は反射し、異常光線は透過する第2面およびこれらの
光線のうちの一方を反射して他方の光線とほぼ平行に出
射する第1反射面を有する第2の偏光ビームスプリッタ
とを備える。
【0006】第1の偏光ビームスプリッタ、第5の複屈
折材料および第1の非相反旋光素子は、第1ポートから
入射された第1光が前記第5の複屈折材料を透過するこ
とにより常光線と異常光線とに空間的に分離された後、
これらの常光線と異常光線とが共に第1の偏光ビームス
プリッタの第1面の表面側から入射して第1の非相反旋
光素子に入射されるように配置される。
【0007】第7の複屈折材料は、第3ポートから入射
された第3光がこの第7の複屈折材料を透過することに
より常光線と異常光線とに空間的に分離された後、これ
らの常光線と異常光線とが共に第1の偏光ビームスプリ
ッタの第1面の裏面側から入射して第1の非相反旋光素
子に入射されるように配置される。
【0008】第2の偏光ビームスプリッタ、第6の複屈
折材料および第2の非相反旋光素子は、第2ポートから
入射された第2光が第6の複屈折材料を透過することに
より常光線と異常光線とに空間的に分離された後、これ
らの常光線と異常光線とが共に第2の偏光ビームスプリ
ッタの第2面の裏面側から入射して第2の非相反旋光素
子に入射されるように配置される。
【0009】第8の複屈折材料は、第4ポートから入射
された第4光がこの第8の複屈折材料を透過することに
より常光線と異常光線とに空間的に分離された後、これ
らの常光線と異常光線とが共に第2の偏光ビームスプリ
ッタの第2面の表面側から入射して第2の非相反旋光素
子に入射されるように配置され、第3の非相反旋光素子
は、第1の非相反旋光素子と第2の非相反旋光素子との
間を伝搬する光の経路上に配置され、相反旋光素子は、
第3の非相反旋光素子と第2の非相反旋光素子との間を
伝搬する光の経路上に配置される。
【0010】第1の複屈折材料は、第1の非相反旋光素
子と第3の非相反旋光素子との間であって、第5の複屈
折材料および第1の非相反旋光素子を介してこの第1の
複屈折材料に入射される第1光のうちの一方の偏光の伝
搬経路上であり、且つ、この第1の複屈折材料の固有偏
光の方位が第1光のうちの一方の偏光の方位にほぼ一致
するように配置される。
【0011】第2の複屈折材料は、第1の非相反旋光素
子と第3の非相反旋光素子との間であって、第5の複屈
折材料および第1の非相反旋光素子を介してこの第2の
複屈折材料に入射される第1光のうちの他方の偏光の伝
搬経路上であり、且つ、この第2の複屈折材料の固有偏
光の方位が第1光のうちの他方の偏光の方位にほぼ一致
するように配置される。
【0012】第4の複屈折材料は、第2の非相反旋光素
子と第3の非相反旋光素子との間であって、第8の複屈
折材料を介してこの第3の複屈折材料に入射される第4
光のうちの一方の偏光、および、第1光のうちの他方の
偏光の伝搬経路上であり、且つ、この第4の複屈折材料
の固有偏光の方位が第4光のうちの一方の偏光の方位、
および、第1光のうちの一方の偏光の方位にほぼ一致す
るように配置される。
【0013】第3の複屈折材料は、第2の非相反旋光素
子と第3の非相反旋光素子との間であって、第8の複屈
折材料を介してこの第3の複屈折材料に入射される第4
光のうちの他方の偏光、および、第1光のうちの一方の
偏光の伝搬経路上であり、且つ、この第3の複屈折材料
の固有偏光の方位が第4光のうちの他方の偏光の方位、
および、第1光のうちの他方の偏光の方位にほぼ一致す
るように配置される。
【0014】第1の偏光補償板は、第1の偏光ビームス
プリッタと第1および第2の複屈折材料との間に配置さ
れ、第2の偏光補償板は、第2の偏光ビームスプリッタ
と第3および第4の複屈折材料との間に配置される。
【0015】この第1乃至第8の複屈折材料は、同一材
料からなる平板であり、第1乃至第4の複屈折材料それ
ぞれの厚みと第5乃至第8の複屈折材料のそれぞれの厚
みとの比を√2対1とすれば各ポートからは完全に位相
の揃った光が出力される。
【0016】また、本発明は、第1または第3のポート
から入力された第1または第3光を空間的に常光線と異
常光線とに分離したのち、これらの常光線および異常光
線の偏光面を第1非相反旋光素子、第3非相反旋光素
子、相反旋光素子、第2非相反旋光素子を順次通過させ
てた後、合波し、それぞれを第2、第4のポートに出力
するとともに、第2、第4のポートから入力された第2
または第3光を空間的に常光線と異常光線とに分離した
のち、これらの常光線および異常光線の偏光面を第2非
相反旋光素子、相反旋光素子、第3非相反旋光素子、第
1非相反旋光素子を順次通過させてた後、合波し、それ
ぞれを第3、第1のポートに出力する光の制御方法を対
象とするものであり、第1または第3光を空間的に常光
線と異常光線とに分離した後、および、第2または第4
光を空間的に常光線と異常光線とに分離した後に複屈折
材料中におけるこれら常光線と異常光線との伝搬速度の
差を利用して、この空間的な分離によるこれらの常光線
と異常光線との光路差を補正することにより、第1乃至
第4ポートへ出力される光の偏波分散を抑えることを特
徴とする。
【0017】すなわち、このような光の制御方法は光サ
ーキュレータにおいては、(A)第1ポートから入力さ
れた第1光を常光線と異常光線とに分離する第1の手段
と、(B)第2ポートから入力された第2光を常光線と
異常光線とに分離する第2の手段と、(C)第1ポート
から入力された常光線および異常光線に第1の変換を施
してそれぞれを常光線および異常光線として第2手段を
介して第2ポートに出力するとともに、第2ポートから
入力された常光線および異常光線に第2の変換を施して
それぞれを異常光線および常光線として第1手段を介し
て第3ポートに出力する第3の手段と、(D)第1の手
段と前記第3の手段との間を伝搬する光の経路上に配置
され、透過する常光線と異常光線とに位相差または光路
差を与える第4の手段と、(E)第2の手段と第3の手
段との間を伝搬する光の経路上に配置され、透過する常
光線と異常光線とに位相差または光路差を与える第5の
手段とを備えることにより実現することができる。
【0018】詳説すれば、前記の第1の手段(D1,2
1−5,21−7)を通過することにより、常光線と異
常光線との間には位相差(φ)または光路差が生じる。
また、第1光は第2手段(D2,21−6,21−8)
を通過する際に常光線と異常光線との間には位相差
(φ)または光路差が生じる。これにより第1光は第3
の手段(19−1〜3,20,21−1〜4)により第
1の変換を施されて常光線(J)(第1ビーム)は常光
線(J)に、異常光線(I)(第2ビーム)は異常光線
(I)に変換されているので、第1および第2の手段を
通過することにより第1光の常光線と異常光線との間
(第1ビームと第2ビームとの間)に生じた位相差は2
φである。第1の手段と第3の手段との間に配置された
第4の手段(H1)において、第1ビームと第2ビーム
との間に−φの位相差を与え、第2の手段と第3の手段
との間に配置された第5の手段(H2)において、第1
ビームと第2ビームとの間に−φの位相差を与えれば、
第1ビームと第2ビームとの間の位相差は2φ+(−2
φ)=0となる。
【0019】一方、第2光は、第3の手段により第2の
変換を施されて常光線(J)(第3ビーム)は異常光線
(I)に、異常光線(I)(第4ビーム)は常光線
(J)に変換されているので、第1および第2の手段を
通過することにより第1光の第3ビームと第4ビームと
の間に生じる位相差はφ+(−φ)=0である。また、
第1光においては第4および第5の手段においては第1
ビームと第2ビームとの間に−2φの位相差が与えられ
たが、第2光においては第3ビームと第4ビームとは偏
光状態が反転(常光線を異常光線にし、常光線を異常光
線にすることを反転とよぶこととする)されているの
で、これらの第4および第5の手段の双方を通過した光
には位相差は生じない。すなわち、第1の手段と第3の
手段との間に配置された第4の手段(H1)において
は、第3ビームと第4ビームとの間には−φの位相差が
与えられるが、第2の手段と第3の手段との間に配置さ
れた第5の手段(H2)においては、第3ビームと第4
ビームとの間にφの位相差を与えられるので、第3ビー
ムと第4ビームとの間の位相差も2φ+(−2φ)=0
となる。
【0020】なお、第3の手段においてこれらのビーム
間に位相差が生じるようであれば、第4および第5の手
段においてはこの位相差分も考慮しておく。すなわち、
第4および第5の手段の一方で補償する位相差φは第1
の手段で生じた位相差と第3の手段で生じた位相差の半
分との和もしくは第2の手段で生じた位相差と第3の手
段で生じた位相差の半分との和である必要があるが、第
3の手段で生じた位相差が要求される偏波分散に対して
無視できるようであればこの位相差を考慮する必要はな
い。
【0021】
【作用】本発明の光サーキュレータによれば、例えば、
化合物半導体レーザから出射された1.3μmまたは
1.55μmの波長を有するコヒーレントな直線偏光を
第1〜第4の各ポートから入射させる。第1〜第4の各
ポートから入射されたこれらの光は高いアイソレーショ
ンを有してそれぞれ第2、第3、第4および第1のポー
トに出力される。以下、第1ポートからこの光(第1
光)が入力された場合の光サーキュレータ内における光
の伝搬について説明する。
【0022】第1ポートから入射された第1光は、ま
ず、第5の複屈折材料を透過する。第5の複屈折材料は
入射した光を空間的に常光線と異常光線とに分離して出
射する。これらの常光線と異常光線とは共に第1の偏光
ビームスプリッタの第1面の表面側から入射する。第1
面は例えば常光線と異常光線との透過選択性を有する偏
光分離膜などから構成することができる。
【0023】第1の偏光ビームスプリッタを透過した光
は、第1の非相反旋光素子に入射される。ここで非相反
旋光素子とは例えばファラデ回転子のことである。第1
の非相反旋光素子は、入射したこれら光の偏波面をほぼ
+45度回転(偏光の方位を45度回転)させて出射す
る。出射されたこれらの+45度回転常光線および+4
5回転異常光線はそれぞれ第2の複屈折材料および第1
の複屈折材料に入射する。+45度回転常光線および+
45回転異常光は第1および第2の複屈折材料に対する
異常光であるので、これらの光は偏波面に沿った方向に
ウォークオフされて出射される。そして、第2および第
1の複屈折材料から出射された光は第3の非相反旋光素
子に入射されその偏波面が45度回転されて出射され、
さらにこれらの光が相反旋光素子を透過することにより
さらに45度回転させられる。ここで、相反旋光素子と
は例えばルチル結晶などから構成される1/2波長板の
ことである。したがって、これらの第3の非相反旋光素
子および相反旋光素子の組からなる非相反旋光素子を透
過することにより、各偏光の偏波面は90度回転させら
れたことになる。
【0024】この90度回転させれらた光は、ともに第
4および第3の複屈折材料に対する異常光であるので、
これらの光は第4および第3の複屈折材料を透過するこ
とによりウォークオフされて出射され、第2の非相反旋
光素子に入射される。第2の非相反旋光素子に入射され
た光はその偏光の方位がほぼ45度回転させられて出射
される。これらの第2の非相反旋光素子から出射された
光は第2の偏光ビームスプリッタに入射される。第2の
偏光ビームスプリッタは常光線を反射するとともに異常
光線を透過させる第2面を有しているので、この第2面
に平行な全反射ミラーなどの第2反射面によりこれらの
光のうちの一方の進行方向を変えれば、これらの光は平
行光線として第6の複屈折材料に入射される。第6の複
屈折材料では入射した異常光線と常光線とを合波して第
2ポート方向へ出射する。したがって、第1ポートから
入射した光は第2ポートに結合する。また、本発明の光
サーキュレータは第1および第2の偏光補償板を備えて
いるので、例えば、第1光が通過するべき第5および第
6の複屈折材料において生じた分離された2つの光の位
相差を補償して第2ポートに結合される光の偏波分散を
抑制することができる。
【0025】また、第3ポートから入射された第3光も
第7の複屈折材料を透過することにより前記第1光の伝
搬と同様に常光線と異常光線とに空間的に分離された
後、これらの常光線と異常光線とが共に第1の偏光ビー
ムスプリッタの第1面の裏面側から入射される。これら
の光は第1の非相反旋光素子に入射され、第1光と同様
にその偏波面が45度回転させられた後、第1および第
2の複屈折材料、第3の非相反旋光素子、相反旋光素
子、第3および第4の複屈折材料並びに第2の非相反旋
光素子を通過して第2の偏光ビームスプリッタに入射さ
れる。第2の偏光ビームスプリッタに入射された第3光
は第1光と伝搬の方向がほぼ同様であって分離された第
3光のビームの偏波面が第1光とは逆なので、第2の偏
光ビームスプリッタにおいて例えば常光線が第2反射面
で反射されるとともに第3光のうちの常光線が第2面で
反射されて異常光線がこれを透過することによりこれら
の光は第8の複屈折材料を介して第2ポートとは異なっ
た位置に配置された第4ポートに結合する。
【0026】また、第2ポートから入射された第2光
は、第6の複屈折材料を透過することにより常光線と異
常光線とに空間的に分離された後、これらの常光線と異
常光線とが共に前記第2の偏光ビームスプリッタの第2
面の裏面側から入射して第2の非相反旋光素子に入射さ
れる。第2のビームスプリッタの第2面は入射した常光
線は反射し、異常光線は透過するので、これらの光はそ
の進行方向が変更され、これらの光は第2の非相反旋光
素子に入力される。第2の非相反旋光素子は常光線およ
び異常光線の偏波面を−45度回転させて出力する。こ
れらの−45度回転常光線および−45度回転異常光線
はそれぞれこれらの光を常光とする第4および第3の複
屈折材料に入射され、ウォークオフすることなく相反旋
光素子および第3の非相反旋光素子に入力される。
【0027】これらの−45度回転常光線および−45
度回転異常光線は、相反旋光素子および第3の非相反旋
光素子を順に透過するので、これらの相反旋光素子およ
び第3の非相反旋光素子を透過することにより結果的に
はこれらの光の偏波面は回転させられない。つづいてこ
れらの−45度回転常光線および−45度回転異常光線
は、それぞれこれらの光を異常光とする第2および第1
の複屈折材料に入射するので、これらの光はウォークオ
フされて第1の非相反旋光素子に入力される。そして、
これらの光は第1の非相反旋光素子においてその偏波面
が−45度回転させられて第1の偏光ビームスプリッタ
に入力される。第1の偏光ビームスプリッタからはこれ
らの光が平行光として出力され、これらの光は第7の複
屈折材料を透過することにより合成されて第3ポートに
結合される。
【0028】第2光と同様に、第4ポートから入射され
た第4光は、第8の複屈折材料を透過することにより常
光線と異常光線とに空間的に分離された後、これらの常
光線と異常光線とが共に第2の偏光ビームスプリッタの
第2面の表面側から入射して第2の非相反旋光素子に入
射される。これらの光は偏波面が45度回転させられた
後、第3および第4の複屈折材料を透過することにより
ウォークオフされ、しかる後、相反旋光素子および第3
の非相反旋光素子を順に透過して第1および第2の複屈
折材料に入射される。これらの第1および第2の複屈折
材料に入射された光は常光なのでウォークオフされるこ
となく第1の非相反旋光素子に入力され、その偏波面が
−45度回転させられて第1の偏光ビームスプリッタに
入力される。そして、これらの光は第1の偏光ビームス
プリッタを透過することにより第2光と同様にして第5
の複屈折材料により合波されて第1ポートに結合する。
【0029】ここで、本発明では1つの相反旋光素子を
用いて光サーキュレータを構成しているので光に入力さ
れる光の波長依存性を抑制することができる。また、第
1および第2の偏光補償板を用いることにより、4つの
ポートすべてからの光の位相を補償して出力される光の
偏波分散を抑えることができる。さらに、ウォークオフ
偏光ビームなどの第1〜第4の複屈折材料を用いること
により目的外のポートに結合する光の量を低減すること
ができ、高いアイソレーションを達成することができ
る。第1乃至第4の複屈折材料それぞれの厚みと第5乃
至第8の複屈折材料のそれぞれの厚みとの比を√2対1
とすれば、各ポートから入力された光を効率良く他の各
ポートに結合させることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る光サーキュレ
ータについて説明する。本願発明を説明するに先立っ
て、まず、特公昭60−29887号公報に記載された
光サーキュレータについて説明しよう。
【0031】図1は、同公報の第3図に開示された光サ
ーキュレータを示す図である。
【0032】この光サーキュレータは、2つの偏光スプ
リッタE1およびE2、これらの偏光スプリッタE1と
E2との間に配置された45度ファラデ回転子(旋光
子)A、および光学活性旋光子Bを備えており、各構成
部品は図示の如く配置されている。
【0033】偏光スプリッタE1は、偏光スプリッタD
1とそのポートQ4に対して45度の傾きを有して配置
された全反射鏡(ミラー)M1とから構成されている。
偏光スプリッタE2は、偏光スプリッタD2とそのポー
トQ24に対して45度の傾きを有して配置された全反
射鏡(ミラー)M2とから構成されている。
【0034】45度ファラデ回転子(旋光子)Aは、こ
のファラデ回転子Aを磁界に設置することにより、偏光
スプリッタE1または偏光スプリッタE2より直線偏光
が入射された場合にその偏光面(偏波面)を+45度回
転させて出射する機能を有する。なお、この従来技術に
おいては回転の方向は光の進行方向によらず時計回りの
方向(第1の方向)を正とし、反時計回りの方向(第2
の方向)を負とするものとする。すなわち、同図では偏
光スプリッタE1側から見た時計回りの方向を正の方向
とし、これと逆の方向を負の方向とする。
【0035】光学活性旋光子Bは、偏光スプリッタE1
側より直線偏光が入射された場合にこの偏光面を+45
度回転させ、偏光スプリッタE2側から直線偏光が入射
された場合にはこの偏波面を−45度回転させる機能を
有する。
【0036】入射した光L1の直線偏光成分P偏波およ
びS偏波が偏光スプリッタE1のポートQ5側から偏光
スプリッタD1に入射した場合には、これらP偏波およ
びS偏波は空間的に分離される。ファラデ回転子Aを通
過したP偏波の偏波面は+45度回転させられ(この偏
波をP(+45)偏波と記載する)、光学活性旋光子B
を通過したP(+45度)偏波は、その偏波面をさらに
+45度回転させられる(この偏波をP(+90度)偏
波=S偏波と記載する)。一方、ファラデ回転子Aを通
過したS偏波の偏波面は+45度回転させられ(この偏
波をS(+45)偏波と記載する)、光学活性旋光子B
を通過したS(+45度)偏波は、その偏波面をさらに
+45度回転させられる(この偏波をS(+90度)偏
波=P偏波と記載する)。
【0037】したがって、これらのS偏波およびP偏波
は偏光スプリッタD2において合波され、偏光スプリッ
タE2のポートQ6から光L1´として出射される。こ
のように、第1のポート(Q5)から入射した光は第2
のポート(Q6)から出射され、これと同様の原理の基
づいて、第2のポート(Q6)から入射した光は第3の
ポート(Q7)から出射され、第3のポート(Q7)か
ら入射した光は第4のポート(Q8)から出射され、第
4のポート(Q8)から入射した光は第1のポート(Q
5)から出射される。
【0038】ところが、このサーキュレータでは、30
dB程度の光アイソレーションしか得られない(図23
の参照)。すなわち、理想的には第1のポート(Q
5)に入射した光の全てが第2のポート(Q6)から出
射されるはずであるが、実際には、この光は第4のポー
ト(Q8)に結合してしまう。これは、偏光スプリッタ
E1,E2における偏光分離の不完全性並びにファラデ
回転子Aおよび光学活性旋光子(1/2波長板)Bにお
ける偏波面の回転誤差に起因している。
【0039】そこで、高い光のアイソレーションを得る
ために、特開平5−215990号公報に開示された光
サーキュレータが発明されている。
【0040】図2は同公報の図2を記載した図であり、
この光サーキュレータは、所定間隔をおいて対向配置さ
れた第1および第2の偏向ビームスプリッタ1,2、こ
れらの第1、第2の偏向ビームスプリッタ1,2と入出
力ポートP1〜P4との間に位置する複屈折性素子7a
〜7d、偏光ビームスプリッタ1と偏光ビームスプリッ
タ2との間に配置された3組のファラデー回転子9a〜
9cと1/2波長板10a〜10cの組み合わせ910
a〜910c、並びに、第1の偏向ビームスプリッタ1
と組む合わせ910aとの間、組む合わせ910aと〜
組み合わせ910bとの間、組み合わせ910bと〜組
み合わせ910cとの間および組む合わせ910cと〜
第2の偏向ビームスプリッタ2組との間に配置された複
屈折素子8a〜8dを備えている。また、組み合わせ9
10bを構成するファラデー回転子9bと1/2波長板
10bの順序は、他の組み合わせ910aおよび910
cにおける順序と逆になっている。
【0041】そして、この光サーキュレータにおいて
も、第1のポートP1から偏光ビームスプリッタ1に入
射した光のうち常光線Oは偏光分離膜5によって反射さ
れ、異常光線Eは透過する。偏光分離の不完全性等によ
って偏光分離膜5を透過した常光線Oは偏光分離膜6に
おいて反射されるが、これは同図の点線で示す経路をた
どり第4のポートP4には結合しない。また、この構成
の光サーキュレータでは、第1のポート1から入射した
光のうち偏波面の回転の不完全性に起因して同図中の実
線の経路を通らない光が第4のポート4に結合すること
がない。すなわち、ポートに入射される光の経路を適切
にその光の性質によって異ならせれれば、好ましくない
光は所望外のポートに結合しないことになる。
【0042】このような観点から、特開平4−3483
13号公報にはウォークオフ偏光ビームスプリッタを用
いた光サーキュレータが発明されている。図3は、同公
報の第1図を記載した図である。この光サーキュレータ
は所定の間隔を隔てて第1のペンタプリズム18−1お
よび第2のペンタプリズム18−2が配置されるととも
に、これらのペンタプリズム18−1と18−2との間
に第1、第2および第3のファラデー回転子19−1,
19−2,19−3、第1、第2、第3および第4の複
屈折性素子21−1,21−2,21−3,21−4、
並びに1/2波長板20が配置された光サーキュレータ
が記載されている。この発明においても一対の相反転旋
光素子(1/2波長板)20と非反転旋光素子(ファラ
デー回転子)19−3とを加えることにより、高い光の
アイソレーションを得ることができる。
【0043】ところが、これらの公報に開示された発明
においては幾つかの問題点がある。すなわち、特開昭5
−215990においては、そのアイソレーションを高
める構成とするため、1/2波長板が3組以上も配置さ
れているので、その部品の急俊な波長依存性のため、出
射されるべき本来のポート以外のポートにもれる光量に
ついての波長依存性も比較的急俊になってしまう。波長
によって光の通り道は変化するので、伝送する光信号の
波長によっては好ましくない光が本来のポート以外のポ
ートに入射することになる。しかしながら、このような
波長依存の急俊性を緩和するためには1/2波長を除け
ばよいことになるが、これらの複数の1/2波長板はそ
の発明の原理上、この光サーキュレータから除くことが
できない。 このため、特開平4−348313号公報
に開示された発明は1/2波長板一枚のみを用いて光サ
ーキュレータを構成している。ところが、このような光
学的な構成を用いた場合、この発明の構成上、第1のペ
ンタプリズムによって分離された2つの光は第2のペン
タプリズムに到達するまでに種々の光学結晶を経由する
が、2つの光はビームスプリッタで分離されて別の経路
を進行するので、これら2つの光の光路長が異なってし
まう。この光路長のずれによって、例えば、第1のポー
トから第2のポートに進行する光信号の各偏光成分に光
路長差による時間のずれ(偏波分散)が発生し、高ビッ
トレートの光信号の伝送を行う場合には、この光信号が
正確に伝達されなくなってしまう。
【0044】本発明は、上記の従来技術に立脚しつつ、
これらの光サーキュレータの利点および問題点を慎重に
勘案することによりなされたものであり、飛躍的に高ビ
ットレートの光信号の伝送を行うことができる光サーキ
ュレータを提供するものである。
【0045】上記の偏波分散の問題は、その光学的な設
計に対象性を要する光サーキュレータにおいては容易に
は解決しない。すなわち、4つのポートを有する光サー
キュレータにおいては、そのうちの1ポートから2ポー
トへ向かう光の偏波分散が低減できたとしても、残りの
3方向すべての偏波分散が解消できる保証はどこにもな
いからである。本発明の光サーキュレータは、従来技術
の利点を最大限に生かしつつこれらの偏波分散の問題を
も解決した。
【0046】図4は、本発明の一実施例に係る光サーキ
ュレータの構成図である。なお、同図並びに以下の図お
よび説明中において、各要素が、特開平4−34831
3号公報の図1に記載された、すなわち、本願の図3に
記載された要素と同一である場合には、説明の重複を避
けるために、これと同一の符号を用いることとする。
【0047】なお、図5は図4に示した光サーキュレー
タを、特に、シリコン基板SI上に実装した光サーキュ
レータ基板CIであり、図6は、このシリコン基板SI
上に実装した光サーキュレータCIを円筒形の磁石で取
り囲むとともに特別なパッケージ内に収納した光サーキ
ュレータ装置である。
【0048】(光サーキュレータの構成)まず、光サー
キュレータの構成について説明する。
【0049】本実施例の光サーキュレータは、第1光フ
ァイバ(第1ポートF1)、第2光ファイバ(第2ポー
トF2)、第3光ファイバ(第3ポートF3)、第4光
ファイバ(第4ポートF4)から入力された光を、それ
ぞれ第2光ファイバ(F2),第3光ファイバ(F
3)、第4光ファイバ(F4)、第1光ファイバ(F
1)に出力する装置である。すなわち、本実施例の光サ
ーキュレータは、第1ポート(F1)から入力された第
1光を第2ポート(F2)に出力し、第2ポート(F
2)から入力された第2光を第3ポート(F3)に出力
し、第3ポート(F3)から入力された第3光を第4ポ
ート(F4)に出力し、第4ポート(F4)から入力さ
れた第4光を第1ポート(F1)に出力する光サーキュ
レータである。
【0050】図4には、第1ファイバ(F1)から入力
された光が第2光ファイバ(F2)に結合するまでの光
の進行経路も示してある。以下、光の通過する経路を辿
りながら、本サーキュレータの構成について説明する。
なお、符号(19−1〜19−3)で示される部材は、
ファラデ回転素子(非相反旋光素子)であり、符号(2
0)で示される部材は1/2波長板(相反旋光素子)で
あり、符号(21−1〜21−4)で示される部材は複
屈折性平板(ウォークオフ偏光ビームスプリッタ)であ
る。
【0051】本実施例の光サーキュレータは、入射した
光のうち常光線は直進させ、異常光線は屈折させて出射
する第1〜第8の複屈折材料(21−1)〜(21−
8)と、入射した2つの偏光に位相差を与えて出射する
第1および第2の偏光補償板(H1),(H2)と、入
射した偏光の方位を±45度回転して出射する第1、第
2および第3の非相反旋光素子(19−1,19−2,
19−3)と、入射した偏光の方位を45度回転して出
射する相反旋光素子(20)と、入射した常光線は反射
し、異常光線は透過する第1面(1112)を有する第
1の偏光ビームスプリッタ(D1)と、入射した常光線
は反射し、異常光線は透過する第2面(2122)を有
する第2の偏光ビームスプリッタ(D2)とを備えてい
る。
【0052】第1の偏光ビームスプリッタ(D1)は、
図示の如く、断面が菱形のプリズム(D11)と断面が
直角三角形のプリズム(D12)とを組み合わせて構成
されている。また、第2の偏光ビームスプリッタ(D
2)は、図示の如く、断面が菱形のプリズム(D21)
と断面が直角三角形のプリズム(D22)とを組み合わ
せて構成されている。
【0053】そして、第1〜第3の非相反旋光素子(1
9−1,19−2,19−3)は、GdBi系のガーネ
ットから構成されるファラデ回転子であり、ファラデ回
転子はこの光サーキュレータの外周に非相反旋光素子
(19−1,19−2,19−3)を囲むように配置さ
れた円筒形磁石MGからの磁界を受けることにより、こ
の回転子を透過する直線偏光の偏波面を回転させること
ができる。なお、以下の説明において偏光面の回転方向
は、光の進行方向に対して方位角が時計回りに回転する
方向を正方向とし、反時計回りに回転する方向を負方向
とする。
【0054】相反旋光素子(20)は、水晶で構成され
る1/2波長板であり、入射した光の偏波(偏光)面を
45度回転させる。第1〜第8の複屈折材料(21−
1)〜(21−8)はルチル結晶平板である。
【0055】第1の偏光ビームスプリッタ(D1)、第
5の複屈折材料(21−5)および第1の非相反旋光素
子(19−1)は、第1ポート(F1)から入射された
第1光が第5の複屈折材料(21−5)を透過すること
により常光線と異常光線とに空間的に分離された後、こ
れらの常光線と異常光線とが共に第1の偏光ビームスプ
リッタ(D1)の第1面(1112)の表面側から入射
して第1の非相反旋光素子(19−1)に入射されるよ
うに配置される。
【0056】第7の複屈折材料(21−7)は、第3ポ
ートから入射された第3光がこの第7の複屈折材料を透
過することにより常光線と異常光線とに空間的に分離さ
れた後、これらの常光線と異常光線とが共に第1の偏光
ビームスプリッタの第1面(1112)偏光分離膜の裏
面側から入射して第1の非相反旋光素子に入射されるよ
うに配置される。
【0057】第2の偏光ビームスプリッタ(D2)、第
6の複屈折材料(21−6)および第2の非相反旋光素
子(19−2)は、第2ポート(F2)から入射された
第2光が第6の複屈折材料(21−6)を透過すること
により常光線と異常光線とに空間的に分離された後、こ
れらの常光線と異常光線とが共に第2の偏光ビームスプ
リッタ(D2)の第2面(2122)偏光分離膜の裏面
側から入射して第2の非相反旋光素子(19−2)に入
射されるように配置される。
【0058】第8の複屈折材料(21−8)は、第4ポ
ート(F4)から入射された第4光がこの第8の複屈折
材料(21−8)を透過することにより常光線と異常光
線とに空間的に分離された後、これらの常光線と異常光
線とが共に第2の偏光ビームスプリッタ(D2)の第2
面(2122)の表面側から入射して第2の非相反旋光
素子(D2)に入射されるように配置される。
【0059】第3の非相反旋光素子(19−3)は、第
1の非相反旋光素子(19−1)と第2の非相反旋光素
子(19−2)との間を伝搬する光の経路上に配置さ
れ、相反旋光素子(20)は、第3の非相反旋光素子
(19−3)と第2の非相反旋光素子(19−2)との
間を伝搬する光の経路上に配置される。第1の偏光補償
板(H1)は、ルチル偏光子であり、第1の偏光ビーム
スプリッタ(D1)と第1および第2の複屈折材料(2
1−1.21−2)との間であって、さらに詳細には、
第1の偏光ビームスプリッタ(D1)と第1の非相反旋
光素子(19−1)との間に配置されている。そして、
この第1の偏光補償板(H1)は、入射する直線偏光
(常光線、異常光線)の偏波面および進行方向が変化し
ないように、その光学軸がこの直線偏光に進行方向に垂
直となるように配置されている。
【0060】本実施例の光サーキュレータは、第1〜第
4の複屈折材料(21−1〜21−4)を備えており、
これらはウォークオフ偏光ビームスプリッタである。第
1の複屈折材料(21−1)は、第1の非相反旋光素子
(19−1)と第3の非相反旋光素子(19−3)との
間に配置されている。また、この第1の複屈折材料(2
1−1)は、第5の複屈折材料(21−5)および第1
の非相反旋光素子(19−1)を介してこの第1の複屈
折材料(21−1)に入射される第1光のうちの一方の
偏光(異常光線の方位角を45度回転した光)の伝搬経
路上に配置されている。さらに、第1の複屈折材料(2
1−1)は、この第1の複屈折材料(21−1)の固有
偏光の方位角がこの第1光のうちの一方の偏光の方位
(異常光線の方位角を45度回転した光の方位)にほぼ
一致するように配置されている。
【0061】第2の複屈折材料(21−2)は、第1の
非相反旋光素子(19−1)と第3の非相反旋光素子
(19−3)との間に配置されている。また、この第2
の複屈折材料(21−2)は、第5の複屈折材料(21
−5)および第1の非相反旋光素子(19−1)を介し
てこの第2の複屈折材料(21−2)に入射される第1
光のうちの他方の偏光(常光線の方位角を45度回転し
た光)の伝搬経路上に配置されている。さらに、第2の
複屈折材料(21−2)は、第2の複屈折材料(21−
2)の固有偏光の方位が第1光のうちの他方の偏光の方
位(常光線の方位角を45度回転した光の方位)にほぼ
一致するように配置されている。なお、第1のウォーク
オフ偏光ビームスプリッタ(21−1)および第2のウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−2)は等しい
ウォークオフを有しており、これらの固有偏光の方位は
第1の非相反旋光素子(19−1)或るいは第2の非相
反旋光素子(19−2)から出力される直線偏光の方位
とほぼ一致している。また、第1のウォークオフ偏光ビ
ームスプリッタ(21−1)の常光の方位と第2のウォ
ークオフ偏光ビームスプリッ(21−2)タの常光の方
位は互いに直交している。
【0062】第4の複屈折材料(19−4)は、第2の
非相反旋光素子(19−2)と第3の非相反旋光素子
(19−3)との間、さらに詳細には、第2の非相反旋
光素子(19−2)と相反旋光素子(20)との間に配
置されている。第4の複屈折材料(19−4)は、第8
の複屈折材料(21−8)を介してこの第3の複屈折材
料(19−3)に入射される第4光のうちの一方の偏光
(異常光線の方位角を45度回転した光)および第1光
のうちの他方の偏光(常光線の方位角を45度回転した
光ビーム)の伝搬経路上に配置されている。また、第4
の複屈折材料(19−4)は、この第4の複屈折材料
(21−4)の固有偏光の方位が第4光のうちの一方の
偏光の方位(異常光線の方位角を45度回転した光の方
位)および第1光のうちの一方の偏光の方位(異常光線
の方位角を45度回転した光の方位)にほぼ一致するよ
うに配置される。
【0063】第3の複屈折材料(21−3)は、第2の
非相反旋光素子(19−2)と第3の非相反旋光素子
(19−3)との間に配置される。また、この第3の複
屈折材料(21−3)は、第8の複屈折材料(21−
8)を介してこの第3の複屈折材料(21−3)に入射
される第4光のうちの他方の偏光(常光線の方位角を4
5度回転した光)および第1光のうちの一方の偏光(異
常光線の方位角を45度回転した光ビーム)の伝搬経路
上に配置されている。さらに、第3の複屈折材料(21
−3)は、この第3の複屈折材料の固有偏光の方位が第
4光のうちの他方の偏光の方位(常光線の方位角を45
度回転した光の方位)および第1光のうちの他方の偏光
の方位(常光線の方位角を45度回転した光の方位)に
ほぼ一致するように配置される。なお、第3のウォーク
オフ偏光ビームスプリッタ(21−3)および第4のウ
ォークオフ偏光ビーム(21−4)は等しいウォークオ
フを有しており、これらの固有偏光の方位は第1の非相
反旋光素子(19−1)或るいは第2の非相反旋光素子
(19−2)から出力される直線偏光の方位とほぼ一致
している。また、第3のウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−3)の常光の方位と第4のウォークオフ偏
光ビームスプリッタ(21−4)の常光の方位は互いに
直交している。
【0064】第2の偏光補償板(H2)は、ルチル偏光
子であり、第2の偏光ビームスプリッタ(D2)と第3
および第4の複屈折材料(21−3.21−4)との間
であって、さらに詳細には、第2の偏光ビームスプリッ
タ(D2)と第2の非相反旋光素子(19−2)との間
に配置されている。そして、この第2の偏光補償板(H
2)は、入射する直線偏光(常光線、異常光線)の偏波
面および進行方向が変化しないように、その光学軸がこ
の直線偏光に進行方向に垂直となるように配置されてい
る。
【0065】なお、第1〜第8の複屈折材料(21−1
〜21−8)は同一材料からなる平板であり、また、第
1〜第4の複屈折材料(21−1〜21−4)それぞれ
の厚みを2の平方根(√2)とすると、第5〜第8の複
屈折材料(21−5〜21−8)のそれぞれの厚みは1
とすることとが望ましく,各ポート(F1〜F4)から
は完全に位相の揃った光が出力される。
【0066】また、第5の複屈折材料(21−5)とフ
ァイバ(F1)との間、第6の複屈折材料(21−6)
とファイバ(F2)との間、第7の複屈折材料(21−
7)とファイバ(F3)との間、および第8の複屈折材
料(21−8)とファイバ(F4)との間には、それぞ
れ、球レンズ(L1,L2,L3,L4)がそれぞれ配
置されている。なお、球レンズ(L1,L2,L3,L
4)は、BK−7球である。ファイバ(F1,F2,F
3,F4)から、それぞれの球レンズ(L1,L2,L
3,L4)に入射した光は、平行光線にされて第5の複
屈折材料(21−5)に出射される。
【0067】このような光サーキュレータは、それぞれ
の光学部品を、例えば、図5に示すようなシリコン基板
SI上に実装することができる。光サーキュレータを実
装した光サーキュレータ基板CIは、通常の(001)
Siウエハをダイシングによって矩形に切断した後、エ
ッチングによって各光学部品を固定するための穴を形成
し、同図に示すように、これらの穴に各光学部品(19
−1〜19−3,21−1〜21−8,H1,H2,2
0,D1,D2,L1〜L3)を嵌め込んで固定する。
例えば、第1の偏光ビームスプリッタ(D1)は穴(D
1´)に嵌め込んで固定する。この穴(D1´)による
一光学部品たる偏光ビームスプリッタ(D1)の固定が
十分でないときは、この穴(D1´)内にエポキシ樹脂
や液晶ポリマーなどの樹脂を流し込んで固定すればよ
い。このような樹脂としては、熱硬化性の樹脂であって
もよいし、紫外線等を照射することによって硬化する光
硬化性の樹脂であってもよい。
【0068】同図の光学部品の形成されている面SF
は、シリコン基板SIを構成するシリコン結晶の(00
1)面である。したがって、この面SFに垂直な2面で
あって、それぞれが直交する2面は(100)面と(0
10)面である。シリコン基板SIは矩形(方形)であ
るが、この矩形を形成する4辺は(100)面と(01
0)面に平行であり、(100)面と(010)面は、
シリコンウエハの劈解製を利用して形成される(00
1)シリコンウエハの劈解面である。
【0069】本発明は、次世代の光通信に対応しておこ
なわれる高ビートレートの光信号を伝送する際の偏波分
散の影響までを考慮してなされた光サーキュレータであ
る。したがって、このような高精度の光サーキュレータ
を構成する各光学部品には高精度の位置決めが要求され
る。単結晶シリコンは、シリコン原子が碁盤の目のよう
に格子状に並んだものであり、この結晶の配列秩序を利
用すれば高精度な位置決めを行うことができる。
【0070】光ファイバ(F1,F2,F3,F4)
は、シリコン基板を(001)表面からエッチングする
ことにより形成されたV溝(V1,V2,V3,V4)
にそれぞれ固定される。V溝(V1,V2,V3,V
4)の深さ方向のVの字は、シリコン基板のエッチング
の選択性を利用して形成することができる。しかも、こ
のV溝(V1,V2,V3,V4)の長手方向は、結晶
の[001]方向または[010]方向であり、結晶の
劈解性を利用してダイシングにより形成された面がこれ
らの方向に平行であるので、この劈解面である(10
0)面および(010)面を基準としてV溝(V1,V
2,V3,V4)を形成すればよい。また、各光学部品
を固定するための穴もシリコン結晶の方位を利用して高
い精度で加工することができる。なお、(111)シリ
コンウエハも(001)シリコンウエハと同様にサーキ
ュレータの固定基板に用いることができる。ここで、パ
ッケージPKは、遮光性部材から構成されており、この
パッケージPK外部からの外乱光が内部に侵入しないよ
うにしてある。特に、この遮光性部材たるパッケージP
Kは、この光サーキュレータに入射される信号光の波長
よりも短波長の光を遮光する遮光性部材から構成されて
いる。
【0071】この光サーキュレータ基板(CI)は、例
えば、図6に示すようなパッケージに収納することとし
てもよい。この光サーキュレータ装置は、図示の如く、
パッケージ(PK)内に収納された光サーキュレータ基
板(CI)、パッケージ(PK)の内壁に形成された円
筒形磁石固定用の穴(PK3)に嵌め込まれた円筒形磁
石(MG)、光サーキュレータ基板CIを固定するため
の固定部材PK1,PK2、および、それぞれのファイ
バ(F1〜F4)を固定するための円筒形の部材(F1
´〜F4´)を備えている。ファイバ(F1〜F4)
は、円筒形であって中空の部材(F1´〜F4´)の貫
通孔内に接着剤によって固定することとしてもよいし、
また、ファイバ(F1〜F4)の外周に部材(F1´〜
F4´)の内壁面と嵌まり合う形状の部材を固定し、部
材(F1´〜F4´)にこの嵌まり合う形状の部材を嵌
め合わせて固定することとしてもよい。
【0072】なお、本実施例の最も最適な配置を図7に
示す。同図に記載の単位はmmである。図示のようにス
ケーリングを決めることによりこのサーキュレータは最
も効果的に機能する。なお、このサーキュレータを構成
する各光学部品の端面には反射防止膜を形成することが
望ましく、これにより、さらに高いアイソレーションを
得ることができる。
【0073】(光サーキュレータの動作)次に、このサ
ーキュレータの動作について説明する。
【0074】まず、図4および図8を参照しつつ、この
サーキュレータの第1ポート(F1)から第1光を入力
した場合について説明する。第1ポート(F1)から入
力された光は、まず、第5の複屈折材料(21−5)を
透過することによって常光線と異常光線に分離される。
次に、これらの光は第1のビームスプリッタ(D1)に
入力される。第1のビームスプリッタ(D1)には、こ
れらの光の入射方向に対してほぼ45度の角度を有して
配置された偏光分離膜(1112)が配置されているの
で、異常光線(I)は偏光分離膜(1112)および第
1の偏光ビームスプリッタ(D1)を透過して第1の偏
光補償板(H1)に入射する。一方、常光線(J)は、
偏光分離膜(1112)で反射されてその進行方向が図
4の紙面に平行な平面内で−90度曲げられ、この偏光
分離膜(1112)に平行な第1の偏光ビームスプリッ
タ(D1)の面(M1)で反射されてその進行方向がさ
らに+90度曲げられて第1の偏光補償板(H1)に入
射する。図8は、これらの常光線(J)および異常光線
(I)が偏光補償板(H1)に入射してから偏光補償板
(H2)から出射するまでのこれらの偏光の状態を斜示
にて示す説明図であり、偏波面の方向は同図中の一点鎖
線に囲まれることで形成される仮想平面中に丸に−印で
示してある。また、同図中の+印は、図4のPP線分上
の点を示している。なお、以下の図10、図12、図1
4、図16、図18、図20および図22も図8と同様
の表現形式を用いて偏光の状態を記載するものとする。
【0075】図4および図8において、第1の偏光補償
板(H1)は、その入射面がこれに入射する常光線
(J)および異常光線(I)の進行方向に垂直になるよ
うに配置されており、光学軸は光の進行方向に対して垂
直であるのでこれらの常光線(J)および異常光線
(I)は、その進行方向を変えずに位相差が与えられて
ファラデ回転子(19−1)に平行に入力される。
【0076】この非相反旋光素子たるファラデ回転子
(19−1)は、この材料内を進行する偏波面を+45
度回転させてこれらの(+45回転常光線:J´)およ
び(+45度回転異常光線:I´)を平行に出力する。
【0077】平行に出力された+45度回転常光線(J
´)および+45度回転異常光線(I´)は、それぞれ
第2の複屈折材料たる第2ウォークオフ偏光ビームスプ
リッタ(21−2)および第1の複屈折材料たる第1ウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−1)に入力さ
れる。
【0078】これらの+45度回転常光線(J´)およ
び+45度回転異常光線(I´)は、それぞれこれらの
ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−2)および
(21−1)に対する異常光であるので、+45度回転
常光線(J´)および+45度回転異常光線(I´)
は、それぞれ第2ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−2)および第1ウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−1)を通過することにより、その偏波の方
位の方向へそって距離dだけウォークオフされる。すな
わち、図4の紙面の裏から表に向かう方向を基準となる
0度方向とし、光の進行方向に対して時計回りの回転を
正方向とすれば、+45度回転常光線(J´)は+45
度の方向(図8の右下方向)へ距離dだけウォークオフ
され、+45度回転異常光線(I´)は−45度の方向
(図8の右上方向)へ距離dだけウォークオフされる。
【0079】第2ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−2)および第1ウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−1)を通過した+45度回転常光線(J
´)および+45度回転異常光線(I´)は、第3の非
相反旋光素子たる第3ファラデ回転子(19−3)に入
力される。したがって、+45度回転常光線(J´)お
よび+45度回転異常光線(I´)は、第3ファラデ回
転子(19−3)を透過することによってその偏波面が
+45度回転させられて、+45度回転常光線(J´)
は異常光線(I)(+90度回転常光線)として、+4
5度回転異常光線(I´)は常光線(J)(+90度回
転異常光線)として第3ファラデ回転子(19−3)か
ら平行に出力される。
【0080】次に、第3ファラデ回転子(19−3)を
透過したこれらの光は、相反旋光素子たる1/2波長板
(20)に平行に入力される。したがって、第3ファラ
デ回転子(19−3)から出力された異常光線(I)
は、その偏波面が+45度回転させられて+45度回転
異常光線(I´)となり、第3ファラデ回転子(19−
3)から出力された常光線(J)は、その偏波面が+4
5度回転させられて+45度回転常光線(J´)となっ
て1/2波長板(20)から出力される。
【0081】これらの+45度回転異常光線(I´)お
よび+45度回転常光線(J´)は、それぞれ、第4の
複屈折材料たる第4ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−4)および第3の複屈折材料たる第3ウォーク
オフ偏光ビーム(21−3)に平行に入力される。これ
らの+45度回転異常光線(I´)および+45度回転
常光線(J´)は、それぞれこれらのウォークオフ偏光
ビームスプリッタ(21−4)および(21−3)に対
する異常光であるので、+45度回転異常光線(I´)
および+45度回転常光線(J´)は、それぞれ第4ウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−4)および第
3ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−3)を通
過することにより、その偏波の方位の方向へそって距離
dだけウォークオフされる。すなわち、+45度回転異
常光線(I´)は−45度の方向(図8の右上方向)へ
距離dだけウォークオフされ、+45度回転常光線(J
´)は+45度の方向(図8の右下方向)へ距離dだけ
ウォークオフされる。
【0082】さらに、これらの第4ウォークオフ偏光ビ
ームスプリッタ(21−4)および第3ウォークオフ偏
光ビーム(21−3)からそれぞれ出力された+45度
回転異常光線(I´)および+45度回転常光線(J
´)は、第2の非相反旋光素子たる第2ファラデ回転子
(19−2)に入力される。したがって、ウォークオフ
偏光ビームスプリッタ(21−4,21−3)からそれ
ぞれ出力された+45度回転異常光線(I´)は、その
偏波面が+45度回転させられて常光線(J)となり、
第2ファラデ回転子(19−2)から出力された+45
度回転常光線(J´)は、その偏波面が+45度回転さ
せられて異常光線(I)となってファラデ回転子(19
−2)から平行に出力される。
【0083】次に、これらの光(J,I)は、第2の偏
光補償板(H2)に平行に入力される。第2の偏光補償
板(H2)は、その入射面がこれに入射する常光線
(J)および異常光線(I)の進行方向に垂直になるよ
うに配置されており、光学軸は光の進行方向に対して垂
直であるのでこれらの常光線(J)および異常光線
(I)は、その進行方向を変えずに位相差が与えられて
第2の偏光ビームスプリッタ(D2)に平行に入力され
る。
【0084】第2の偏光ビームスプリッタ(D2)に入
力された常光線(J)は、この常光線(J)の入射方向
に対して45度の傾きをもって第2の偏光ビームスプリ
ッタ(D2)内に配置された第2の偏光分離膜(212
2)で反射され、その進行方向が図4の紙面を含む平面
内において−90度回転させられて第2の偏光ビームス
プリッタ(D2)から出力される。一方、第2の偏光ビ
ームスプリッタ(D2)に入力された異常光線(I)
は、この異常光線(I)の入射方向に対して45度の傾
きをもった第2の偏光ビームスプリッタ(D2)の面
(M2)で反射され、その進行方向が図4の紙面を含む
平面内において−90度回転させられ、面(M2)と平
行に配置された偏光分離膜(2122)を透過して第2
の偏光ビームスプリッタ(D2)から出力される。
【0085】これらの第2の偏光ビームスプリッタ(D
2)から出力された常光線(J)および異常光線(I)
は、平板状の第6の複屈折材料(21−6)に入力さ
れ、この第6の複屈折材料(21−6)内において合波
されて第6の複屈折材料(21−6)から出力される。
第6の複屈折材料(21−6)から出力された光は、球
レンズ(L2)を透過することによりファイバ(F2)
の端面に集束されてファイバ(F2)内に入力される。
【0086】ここで、第5の複屈折材料(21−5)お
よび第6の複屈折材料(21−6)において生じた分離
された光同士の位相差は、第1および第2の複屈折材料
(H1,H2)で補償しているので、第1ポート(F
1)から入力された第1光は、偏波分散を起こすことな
く第2ポート(F2)に入力される。次に、図9および
図10を参照しつつ、このサーキュレータの第3ポート
(F3)から第3光を入力した場合の動作について説明
する。第3ポート(F3)から入力された光は、まず、
第7の複屈折材料(21−7)を透過することによって
常光線(J)と異常光線(I)に分離される。次に、こ
れらの光は第1のビームスプリッタ(D1)に入力され
る。
【0087】第1のビームスプリッタ(D1)には、こ
れらの光の入射方向に対してほぼ45度の角度を有して
配置された偏光分離膜(1112)が配置されているの
で、異常光線(I)は偏光分離膜(1112)を透過す
るとともにこの偏光分離膜(1112)に平行な第1の
偏光ビームスプリッタ(D1)の面(M1)で反射され
てその進行方向が図9の紙面に平行な平面内で+90度
曲げられて第1の偏光ビームスプリッタ(D1)を透過
して第1の偏光補償板(H1)に入射する。一方、常光
線(J)は、偏光分離膜(1112)で反射されてその
進行方向が図9の紙面に平行な平面内で+90度曲げら
れ、第1の偏光ビームスプリッタ(D1)を透過して第
1の偏光補償板(H1)に入射する。
【0088】図10は、これらの常光線(J)および異
常光線(I)が偏光補償板(H1)に入射してから偏光
補償板(H2)から出射するまでのこれらの偏光の状態
を斜示にて示す説明図である。図9および図10におい
て、第1の偏光補償板(H1)は、その入射面がこれに
入射する常光線(J)および異常光線(I)の進行方向
に垂直になるように配置されており、光学軸は光の進行
方向に対して垂直であるのでこれらの異常光線(I)お
よび常光線(J)は、その進行方向を変えずに位相差が
与えられて第1のファラデ回転子(19−1)に平行に
入力される。
【0089】このファラデ回転子(19−1)は、この
材料内を進行する偏波面を+45度回転させ、これらの
異常光線(I)および常光線(J)はその進行方向を変
えずにそれぞれ(+45度回転異常光線:I´)および
(+45度回転常光線:J´)としてファラデ回転子
(19−1)から平行に出力され、それぞれ第2ウォー
クオフ偏光ビームスプリッタ(21−2)および第1の
複屈折材料たる第1ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−1)に入力される。
【0090】これらの+45度回転異常光線(I´)お
よび+45度回転常光線(J´)は、それぞれこれらの
ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−2)および
(21−1)に対する常光であるので、+45度回転異
常光線(I´)および+45度回転常光線(J´)は、
それぞれ第2ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21
−2)および第1ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−1)を通過することにより、ウォークオフする
ことなくこれらのウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−2,21−1)から出力される。
【0091】第2ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−2)および第1ウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−1)を通過した+45度回転異常光線(I
´)および+45度回転常光線(J´)は、第3ファラ
デ回転子(19−3)に平行に入力される。したがっ
て、+45度回転異常光線(I´)および+45度回転
常光線(J´)は、第3ファラデ回転子(19−3)を
透過することによってその偏波面が+45度回転させら
れて、+45度回転異常光線(I´)は常光線(J)と
して、+45度回転常光線(J´)は異常光線(I)と
して第3ファラデ回転子(19−3)から平行に出力さ
れる。
【0092】次に、第3ファラデ回転子(19−3)を
透過したこれらの光は、1/2波長板(20)に平行に
入力される。したがって、第3ファラデ回転子(19−
3)から出力された常光線(J)は、その偏波面が+4
5度回転させられて+45度回転常光線(J´)とな
り、第3ファラデ回転子(19−3)から出力された異
常光線(I)は、その偏波面が+45度回転させられて
+45度回転異常光線(I´)となって1/2波長板
(20)から平行に出力される。
【0093】これらの+45度回転常光線(J´)およ
び+45度回転異常光線(I´)は、それぞれ、第4ウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−4)および第
3の複屈折材料たる第3ウォークオフ偏光ビーム(21
−3)に平行に入力される。これらの+45度回転常光
線(J´)および+45度回転異常光線(I´)は、そ
れぞれこれらのウォークオフ偏光ビームスプリッタ(2
1−4)および(21−3)に対する常光であるので、
+45度回転常光線(J´)および+45度回転異常光
線(I´)は、それぞれ第4ウォークオフ偏光ビームス
プリッタ(21−4)および第3ウォークオフ偏光ビー
ムスプリッタ(21−3)を通過することにより、ウォ
ークオフされずにこれらのウォークオフ偏光ビームスプ
リッタ(21−4,21−3)から平行に出力される。
【0094】さらに、これらの第4ウォークオフ偏光ビ
ームスプリッタ(21−4)および第3ウォークオフ偏
光ビーム(21−3)からそれぞれ出力された+45度
回転常光線(J´)および+45度回転異常光線(I
´)は、第2ファラデ回転子(19−2)に入力され
る。したがって、ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−4)から出力された+45度回転常光線(J
´)は、その偏波面が+45度回転させられて異常光線
(I)となり、ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(2
1−3)から出力された+45度回転異常光線(I´)
は、その偏波面が+45度回転させられて常光線(J)
となってファラデ回転子(19−2)から平行に出力さ
れる。
【0095】次に、これらの光(I,J)は、第2の偏
光補償板(H2)に平行に入力される。第2の偏光補償
板(H2)は、その入射面がこれに入射する異常光線
(I)および常光線(J)の進行方向に垂直になるよう
に配置されており、光学軸は光の進行方向に対して垂直
であるので、これらの異常光線(I)および常光線
(J)は、その進行方向を変えずに位相差が与えられて
第2の偏光ビームスプリッタ(D2)に平行に入力され
る。
【0096】第2の偏光ビームスプリッタ(D2)に入
力された異常光線(J)は、この常光線(J)の入射方
向に対して45度の傾きをもって第2の偏光ビームスプ
リッタ(D2)内に配置された第2の偏光分離膜(21
22)を透過して第2の偏光ビームスプリッタ(D2)
から出力される。一方、第2の偏光ビームスプリッタ
(D2)に入力された常光線(J)は、この常光線
(J)の入射方向に対して45度の傾きをもった第2の
偏光ビームスプリッタ(D2)の面(M2)で反射さ
れ、その進行方向が図9の紙面を含む平面内において−
90度回転させられ、しかる後、面(M2)と平行に配
置された偏光分離膜(2122)で反射されて第2の偏
光ビームスプリッタ(D2)から異常光線(I)と平行
に出力される。
【0097】これらの第2の偏光ビームスプリッタ(D
2)から出力された常光線(J)および異常光線(I)
は、平板状の第8の複屈折材料(21−8)に入力さ
れ、この第6の複屈折材料(21−6)内において合波
されて第8の複屈折材料(21−8)から出力される。
第8の複屈折材料(21−8)から出力された光は、球
レンズ(L4)を透過することによりファイバ(F4)
の端面に集束されてこのファイバ(F4)に入力され
る。
【0098】ここで、第7の複屈折材料(21−7)お
よび第8の複屈折材料(21−8)において生じた分離
された光(I,J)同士の位相差は、第1および第2の
偏光補償板(H1,H2)で補償しているので、第3ポ
ート(F3)から入力された第3光は、偏波分散を起こ
すことなく第4ポート(F4)に入力される。
【0099】次に、図11および図12を参照しつつ、
このサーキュレータの第2ポート(F2)から第2光を
入力した場合の動作について説明する。第2ポート(F
2)から入力された光は、まず、第6の複屈折材料(2
1−6)を透過することによって常光線(J)と異常光
線(I)に分離される。次に、これらの光は第2のビー
ムスプリッタ(D2)に入力される。
【0100】第2のビームスプリッタ(D2)には、こ
れらの光の入射方向に対してほぼ45度の角度を有して
配置された偏光分離膜(2122)が配置されているの
で、異常光線(I)は偏光分離膜(2122)を透過す
るとともにこの偏光分離膜(2122)に平行な第2の
偏光ビームスプリッタ(D2)の面(M2)で反射され
てその進行方向が図11の紙面に平行な平面内で+90
度曲げられて第2の偏光ビームスプリッタ(D2)を透
過して第2の偏光補償板(H2)に入射する。
【0101】一方、常光線(J)は、偏光分離膜(21
22)で反射されてその進行方向が図11の紙面に平行
な平面内で+90度曲げられ、第2の偏光ビームスプリ
ッタ(D2)を透過して第2の偏光補償板(H2)に入
射する。
【0102】図12は、これらの常光線(J)および異
常光線(I)が偏光補償板(H1)に入射してから偏光
補償板(H2)から出射するまでのこれらの偏光の状態
を斜示にて示す説明図である。図11および図12にお
いて、第2の偏光補償板(H2)は、その入射面がこれ
に入射する常光線(J)および異常光線(I)の進行方
向に垂直になるように配置されており、光学軸は光の進
行方向に対して垂直であるのでこれらの異常光線(I)
および常光線(J)は、その進行方向を変えずに位相差
が与えられて第2のファラデ回転子(19−2)に平行
に入力される。
【0103】このファラデ回転子(19−2)は、この
材料内を進行する偏波面を−45度回転させ、これらの
異常光線(I)および常光線(J)はその進行方向を変
えずにそれぞれ(−45度回転異常光線:I´)および
(−45度回転常光線:J´)としてファラデ回転子
(19−2)から平行に出力され、それぞれ第3ウォー
クオフ偏光ビームスプリッタ(21−3)および第4ウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−4)に入力さ
れる。
【0104】これらの−45度回転異常光線(I´)お
よび−45度回転常光線(J´)は、それぞれこれらの
ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−3)および
(21−4)に対する常光であるので、−45度回転異
常光線(I´)および−45度回転常光線(J´)は、
それぞれ第2ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21
−2)および第1ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−1)を通過することにより、ウォークオフする
ことなくこれらのウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−3,21−4)から出力される。
【0105】第3ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−3)および第4ウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−4)を通過した−45度回転異常光線(I
´)および−45度回転常光線(J´)は、1/2波長
板(20)に平行に入力される。したがって、−45度
回転異常光線(I´)および−45度回転常光線(J
´)は、1/2波長板(20)を透過することによって
その偏波面が+45度回転させられて、−45度回転異
常光線(I´)は異常光線(I)として、−45度回転
常光線(J´)は常光線(J)として1/2波長板(2
0)から平行に出力される。
【0106】次に、1/2波長板(20)を透過したこ
れらの光は、第3ファラデ回転子(19−3)に平行に
入力される。したがって、これらの異常光線(I)およ
び常光線(J)は、第3ファラデ回転子(19−3)を
透過することによってその偏波面が−45度回転させら
れて、異常光線(I)は−45度回転異常光線(I´)
として、常光線(J)は−45度回転常光線(J´)と
して第3ファラデ回転子(19−3)から平行に出力さ
れる。すなわち、第2ファラデ回転子(19−2)から
出力された各偏光は、相反旋光素子(20)と非相反旋
光素子(19−3)の組(22)をこの順に通過するこ
とにより、結果的にその偏波面が回転されなかったこと
になる。
【0107】これらの−45度回転異常光線(I´)お
よび−45度回転常光線(J´)は、それぞれ、第1ウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−1)および第
2ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−2)に平
行に入力される。これらの−45度回転異常光線(I
´)および−45度回転常光線(J´)は、それぞれこ
れらのウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−1)
および(21−2)に対する異常光であるので、−45
度回転異常光線(I´)および−45度回転常光線(J
´)は、それぞれ第1ウォークオフ偏光ビームスプリッ
タ(21−1)および第2ウォークオフ偏光ビームスプ
リッタ(21−2)を通過することにより、その偏波の
方位の方向へそって距離dだけウォークオフされる。す
なわち、図11の紙面の裏から表に向かう方向を基準と
なる0度方向とし、光の進行方向に対して時計回りの回
転を正方向とすれば、−45度回転異常光線(I´)は
−135度の方向(図12の左下方向)へ距離dだけウ
ォークオフされ、−45度回転常光線(J´)は+13
5度の方向(図12の左上方向)へ距離dだけウォーク
オフされ、ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−
1,21−2)から平行に出力される。
【0108】さらに、これらの第1ウォークオフ偏光ビ
ームスプリッタ(21−1)および第2ウォークオフ偏
光ビーム(21−2)からそれぞれ出力された−45度
回転異常光線(I´)および−45度回転常光線(J
´)は、第1ファラデ回転子(19−1)に平行に入力
される。したがって、ウォークオフ偏光ビームスプリッ
タ(21−1)から出力された−45度回転異常光線
(I´)は、その偏波面が−45度回転させられて常光
線(J)となり、ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−2)から出力された−45度回転常光線(J
´)は、その偏波面が−45度回転させられて異常光線
(I)となって第1ファラデ回転子(19−1)から平
行に出力される。
【0109】次に、これらの光(J,I)は、第1の偏
光補償板(H1)に平行に入力される。第1の偏光補償
板(H1)は、その入射面がこれに入射する異常光線
(I)および常光線(J)の進行方向に垂直になるよう
に配置されており、光学軸は光の進行方向に対して垂直
であるのでこれらの常光線(J)および異常光線(I)
は、その進行方向を変えずに位相差が与えられて第1の
偏光ビームスプリッタ(D1)に平行に入力される。
【0110】第1の偏光ビームスプリッタ(D1)に入
力された常光線(J)は、この常光線(J)の入射方向
に対して45度の傾きをもって第1の偏光ビームスプリ
ッタ(D1)内に配置された第1の偏光分離膜(111
2)で反射され、その進行方向が図11の紙面を含む平
面内において−90度回転させられて第1の偏光ビーム
スプリッタ(D1)から出力される。一方、第1の偏光
ビームスプリッタ(D1)に入力された異常光線(I)
は、この異常光線(I)の入射方向に対して45度の傾
きをもった第1の偏光ビームスプリッタ(D1)の面
(M1)で全反射され、その進行方向が図11の紙面を
含む平面内において−90度回転させられ、面(M1)
と平行に配置された偏光分離膜(1112)を透過して
第1の偏光ビームスプリッタ(D1)から出力される。
【0111】これらの第1の偏光ビームスプリッタ(D
1)から出力された常光線(J)および異常光線(I)
は、平板状の第7の複屈折材料(21−7)に入力さ
れ、この第7の複屈折材料(21−7)内において合波
されて第7の複屈折材料(21−7)から出力される。
第7の複屈折材料(21−7)から出力された光は、球
レンズ(L3)を透過することによりファイバ(F3)
の端面に集束されてファイバ(F3)内に入力される。
【0112】ここで、第6の複屈折材料(21−6)お
よび第7の複屈折材料(21−7)において生じた分離
された光(I,J)同士の位相差は、第1および第2の
複屈折材料(H1,H2)で補償しているので、第2ポ
ート(F2)から入力された第2光は、偏波分散を起こ
すことなく第3ポート(F3)に入力される。
【0113】次に、図13および図14を参照しつつ、
このサーキュレータの第4ポート(F4)から第4光を
入力した場合の動作について説明する。第4ポート(F
4)から入力された光は、まず、第8の複屈折材料(2
1−8)を透過することによって常光線(J)と異常光
線(I)に分離される。次に、これらの光は第2偏光の
ビームスプリッタ(D2)に入力される。
【0114】第2の偏光ビームスプリッタ(D2)に
は、これらの光の入射方向に対してほぼ45度の角度を
有して配置された偏光分離膜(2122)が配置されて
いるので、異常光線(I)は偏光分離膜(2122)を
透過して第2の偏光補償板(H2)に出力される。
【0115】一方、常光線(J)は、偏光分離膜(21
22)で反射されてその進行方向が図13の紙面に平行
な平面内で−90度曲げられ、偏光分離膜(2122)
に平行な第2の偏光ビームスプリッタ(D2)の面(M
2)で反射されてその進行方向が図13の紙面に平行な
平面内で+90度曲げられた後、第2の偏光ビームスプ
リッタ(D2)を透過して第2の偏光補償板(H2)に
入射する。
【0116】図14は、これらの常光線(J)および異
常光線(I)が偏光補償板(H1)に入射してから偏光
補償板(H2)から出射するまでのこれらの偏光の状態
を斜示にて示す説明図である。図13および図14にお
いて、第2の偏光補償板(H2)は、その入射面がこれ
に入射する常光線(J)および異常光線(I)の進行方
向に垂直になるように配置されており、光学軸は光の進
行方向に対して垂直であるのでこれらの異常光線(I)
および常光線(J)は、その進行方向を変えずに位相差
が与えられて第2のファラデ回転子(19−2)に平行
に入力される。
【0117】この第2ファラデ回転子(19−2)はこ
の材料内を進行する偏波面を−45度回転させ、これら
の常光線(J)および異常光線(I)は、その進行方向
を変えずにそれぞれ(−45度回転常光線:J´)およ
び(−45度回転異常光線:I´)としてファラデ回転
子(19−2)から平行に出力され、それぞれ第3ウォ
ークオフ偏光ビームスプリッタ(21−3)および第4
ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−4)に入力
される。
【0118】これらの−45度回転常光線(J´)およ
び−45度回転異常光線(I´)は、それぞれこれらの
ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−3)および
(21−4)に対する異常光であるので、−45度回転
常光線(J´)および−45度回転異常光線(I´)
は、それぞれ第3ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−3)および第4ウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−4)を通過することにより、その偏波の方
位の方向へそって距離dだけウォークオフされる。すな
わち、図13の紙面の裏から表に向かう方向を基準とな
る0度方向とし、光の進行方向に対して時計回りの回転
を正方向とすれば、−45度回転常光線(J´)は+1
35度の方向(図14の左上方向)へ距離dだけウォー
クオフされ、−45度回転異常光線(I´)は−135
度の方向(図14の左下方向)へ距離dだけウォークオ
フされる。
【0119】第3ウォークオフ偏光ビームスプリッタ
(21−3)および第4ウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−4)を通過した−45度回転常光線(J
´)および−45度回転異常光線(I´)は、1/2波
長板(20)に平行に入力される。したがって、−45
度回転常光線(J´)および−45度回転異常光線(I
´)は、1/2波長板(20)を透過することによって
その偏波面が+45度回転させられて、−45度回転常
光線(J´)は常光線(J)として、−45度回転異常
光線(I´)は異常光線(I)として1/2波長板(2
0)から平行に出力される。
【0120】次に、1/2波長板(20)を透過したこ
れらの光は、第3ファラデ回転子(19−3)に平行に
入力される。したがって、これらの常光線(J)および
異常光線(I)は、第3ファラデ回転子(19−3)を
透過することによってその偏波面が−45度回転させら
れて、常光線(J)は−45度回転常光線(J´)とし
て、異常光線(I)は−45度回転異常光線(I´)と
して第3ファラデ回転子(19−3)から平行に出力さ
れる。すなわち、第2ファラデ回転子(19−2)から
出力された各偏光は、相反旋光素子(20)と非相反旋
光素子(19−3)の組(22)をこの順に通過するこ
とにより、結果的にその偏波面が回転されなかったこと
になる。
【0121】これらの−45度回転常光線(J´)およ
び−45度回転異常光線(I´)は、それぞれ、第1ウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−1)および第
2ウォークオフ偏光ビーム(21−2)に平行に入力さ
れる。これらの−45度回転常光線(J´)および−4
5度回転異常光線(I´)は、それぞれこれらのウォー
クオフ偏光ビームスプリッタ(21−1)および(21
−2)に対する常光であるので、−45度回転常光線
(J´)および−45度回転異常光線(I´)は、それ
ぞれ第1ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−
1)および第2ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(2
1−2)を通過することにより、ウォークオフすること
なくこれらのウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21
−1,21−2)から出力される。
【0122】さらに、これらの第1ウォークオフ偏光ビ
ームスプリッタ(21−1)および第2ウォークオフ偏
光ビーム(21−2)からそれぞれ出力された−45度
回転常光線(J´)および−45度回転異常光線(I
´)は、第1ファラデ回転子(19−1)に平行に入力
される。したがって、ウォークオフ偏光ビームスプリッ
タ(21−1)から出力された−45度回転常光線(J
´)は、その偏波面が−45度回転させられて常光線
(J)となり、ウォークオフ偏光ビームスプリッタ(2
1−2)から出力された−45度回転異常光線(I´)
は、その偏波面が−45度回転させられて常光線(J)
となって第1ファラデ回転子(19−1)から平行に出
力される。
【0123】次に、これらの光(I,J)は、第1の偏
光補償板(H1)に平行に入力される。第1の偏光補償
板(H1)は、その入射面がこれに入射する異常光線
(I)および常光線(J)の進行方向に垂直になるよう
に配置されており、光学軸は光の進行方向に対して垂直
であるのでこれらの常光線(J)および異常光線(I)
は、その進行方向を変えずに位相差が与えられて第1の
偏光ビームスプリッタ(D1)に平行に入力される。
【0124】第1のビームスプリッタ(D1)には、こ
れらの光の入射方向に対してほぼ45度の角度を有して
配置された偏光分離膜(2111)が配置されているの
で、第1のビームスプリッタ(D1)に入力された異常
光線(I)は偏光分離膜(2122)を透過して第5の
複屈折材料(21−5)に入力される。
【0125】一方、第1の偏光ビームスプリッタ(D
1)に入力された常光線(J)は、この常光線(J)の
入射方向に対して45度の傾きをもった第1の偏光ビー
ムスプリッタ(D1)の面(M1)で全反射され、その
進行方向が図13の紙面を含む平面内において−90度
回転させられ、面(M1)と平行に配置された偏光分離
膜(1112)で反射されてその進行方向が図13の紙
面を含む平面内において+90度回転させられて第1の
偏光ビームスプリッタ(D1)から出力される。
【0126】これらの第1の偏光ビームスプリッタ(D
1)から出力された常光線(J)および異常光線(I)
は、平板状の第5の複屈折材料(21−5)に入力さ
れ、この第5の複屈折材料(21−5)内において合波
されて第5の複屈折材料(21−5)から出力される。
第5の複屈折材料(21−5)から出力された光は、球
レンズ(L1)を透過することによりファイバ(F1)
の端面に集束されてファイバ(F1)内に入力される。
【0127】ここで、第8の複屈折材料(21−8)お
よび第5の複屈折材料(21−5)において生じた分離
された光(I,J)同士の位相差は、第1および第2の
複屈折材料(H1,H2)で補償しているので、第4ポ
ート(F4)から入力された第4光は、偏波分散を起こ
すことなく第1ポート(F1)に入力される。すなわ
ち、本実施例では、第1または第3のポート(F1,F
3)から入力された第1または第3光を空間的に常光線
と異常光線とに分離したのち、これらの常光線および異
常光線の偏光面を第1非相反旋光素子(19−1)、第
3非相反旋光素子(19−3)、相反旋光素子(2
0)、第2非相反旋光素子(19−2)を順次を通過さ
せてた後、合波し、それぞれを第2、第4のポート(F
2,F4)に出力するとともに、第2、第4のポート
(F2,F4)から入力された第2または第3光を空間
的に常光線と異常光線とに分離したのち、これらの常光
線および異常光線の偏光面を第2非相反旋光素子(19
−2)、相反旋光素子(20)、第3非相反旋光素子
(19−3)、第1非相反旋光素子(19−1)を順次
を通過させてた後、合波し、それぞれを第3、第1のポ
ート(F3,F1)に出力する光の制御をした。ここ
で、第1または第3光を空間的に常光線と異常光線とに
分離した後、および、第2または第4光を空間的に常光
線と異常光線とに分離した後に複屈折材料(H1,H
2)中におけるこれら常光線と異常光線との伝搬速度の
差を利用して、この空間的な分離によるこれらの常光線
と異常光線との光路差を補正することにより、第1乃至
第4ポートへ出力される光の偏波分散を抑えることがで
きる。
【0128】すなわち、第1光は、第5の複屈折材料
(21−5)を透過することによって第1ビーム(J)
と第2ビーム(I)とに分離されるが、これにより第2
ビーム(I)の位相が第1ビーム(J)よりも+φ度だ
け進んだとする(1:2=0度:+φ度)。この後、こ
れらのビームは第1偏光補償板(H1)を透過すること
により、第1ビーム(J)の位相が第2ビーム(I)よ
りも+φだけ進む(1:2=+φ度:+φ度)。この
後、これらのビームは第2偏光補償板(H2)を透過す
ることにより、第1ビーム(J)の位相が第2ビーム
(I)よりも+φだけ進む(1:2=+2φ度:+φ
度)。さらに、これらのビームが第6の複屈折材料(2
1−6)を透過することによって第2ビーム(I)の位
相が第1ビーム(J)よりも+φ度だけ進み(1:2=
+2φ度:+2φ度)、第2ファイバ(F2)に入射さ
れる光の偏波分散を抑制することができる。
【0129】また、第3光も、第7の複屈折材料(21
−7)を透過することによって第1ビーム(J)と第2
ビーム(I)とに分離されるが、これにより第2ビーム
(I)の位相が第1ビーム(J)よりも+φ度だけ進ん
だとする(1:2=0度:+φ度)。この後、これらの
ビームは第1偏光補償板(H1)を透過することによ
り、第1ビーム(J)の位相が第2ビーム(I)よりも
+φだけ進む(1:2=+φ度:+φ度)。この後、こ
れらのビームは第2偏光補償板(H2)を透過すること
により、第1ビーム(J)の位相が第2ビーム(I)よ
りも+φだけ進む(1:2=+2φ度:+φ度)。さら
に、これらのビームが第8の複屈折材料(21−8)を
透過することによって第2ビーム(I)の位相が第1ビ
ーム(J)よりも+φ度だけ進み(1:2=+2φ度:
+2φ度)、第4ファイバ(F4)に入射される光の偏
波分散を抑制することができる。
【0130】第2光は、第6の複屈折材料(21−6)
を透過することによって第1ビーム(J)と第2ビーム
(I)とに分離されるが、これにより第2ビーム(I)
の位相が第1ビーム(J)よりも+φ度だけ進む(1:
2=0度:+φ度)。この後、これらのビームは第2偏
光補償板(H2)を透過することにより、第1ビーム
(J)の位相が第2ビーム(I)よりも+φだけ進む
(1:2=+φ度:+φ度)。この後、これらのビーム
は第1偏光補償板(H1)を透過することにより、第2
ビーム(J)の位相が第1ビーム(I)よりも+φだけ
進む(1:2=+φ度:+2φ度)。さらに、これらの
ビームが第7の複屈折材料(21−7)を透過すること
によって第1ビーム(I)の位相が第2ビーム(J)よ
りも+φ度だけ進み(1:2=+2φ度:+2φ度)、
第3ファイバ(F3)に入射される光の偏波分散を抑制
することができる。
【0131】第4光は、第8の複屈折材料(21−8)
を透過することによって第1ビーム(J)と第2ビーム
(I)とに分離されるが、これにより第2ビーム(I)
の位相が第1ビーム(J)よりも+φ度だけ進む(1:
2=0度:+φ度)。この後、これらのビームは第2偏
光補償板(H2)を透過することにより、第1ビーム
(J)の位相が第2ビーム(I)よりも+φだけ進む
(1:2=+φ度:+φ度)。この後、これらのビーム
は第1偏光補償板(H1)を透過することにより、第2
ビーム(J)の位相が第1ビーム(I)よりも+φだけ
進む(1:2=+φ度:+2φ度)。さらに、これらの
ビームが第5の複屈折材料(21−5)を透過すること
によって第1ビーム(I)の位相が第2ビーム(J)よ
りも+φ度だけ進み(1:2=+2φ度:+2φ度)、
第1ファイバ(F1)に入射される光の偏波分散を抑制
することができる。
【0132】次に、この光サーキュレータ内を伝搬する
偏光がこの光サーキュレータを構成する光部品の不完全
性に起因して所望の伝搬をしない場合について図15〜
図22を用いて説明する。
【0133】まず、第1光を第1ポート(F1)から入
力した場合の光の伝搬について説明する。
【0134】図15および図16は、それぞれ前述の図
4および図8に対応しており、これらは第1ポート(F
1)から入力された光が第2ポートへ出力されるまでの
ようすを説明するための図である。第1ポート(F1)
から入力された光が相反旋光素子(20)に入力される
までの光の伝搬の仕方は、図4および図8で説明した通
りである。ここで相反旋光素子(20)を透過した+4
5度回転異常光線(I´)および+45度回転常光線
(J´)中に光部品の不完全性等に起因してそれぞれ+
45度回転常光線(J´:EXTRA)および+45度
回転異常光線(I´:EXTRA)が含まれていたとす
る。すると、これらの+45度回転常光線(J´:EX
TRA)および+45度回転異常光線(I´:EXTR
A)は、それぞれ第4のウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−4)および第3のウォークオフ偏光ビーム
スプリッタ(21−3)に対する常光であるので、第4
のウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−4)およ
び第3のウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−
3)によってウォークオフされることなくこれを透過す
る。なお、図15において、これらの光(EXTRA)
の進行経路は一点鎖線で示すこととする。
【0135】これらの光(EXTRA)は第2ファラデ
回転子(19−2)に入力されることによりその偏波面
が+45度回転させられて出力され、第2の偏光補償板
(H2)に入力される。
【0136】これらの光(EXTRA)は第2の偏光補
償板(H2)によってもその進行方向が変化させられな
いので、この進行方向を保持したまま第2の偏光ビーム
スプリッタ(D2)に入力される。もちろん、実線で示
す所望の光は前述のように第2ポート(F2)に入力さ
れるが、これらの望まない光(EXTRA)は、図の一
点鎖線で示す如く、異常光線(I:EXTRA)は偏光
分離膜(2122)を透過し、常光線(J:EXTR
A)は面(M2)および偏光分離膜(2122)で反射
されて第8の複屈折材料(21−8)に入力される。こ
こで望まない異常光線(I:EXTRA)は、この第8
の複屈折材料(21−8)で屈折させられ、以て、異常
光線(I:EXTRA)および常光線(J:EXTR
A)はレンズ(L4)の側方を通過するので、これら望
まない光が第4ポート(F4)に結合することはない。
【0137】次に、第3光を第3ポート(F3)から入
力した場合の光の伝搬について説明する。
【0138】図17および図18は、それぞれ前述の図
9および図10に対応しており、これらは第3ポート
(F3)から入力された光が第4ポート(F4)へ出力
されるまでのようすを説明するための図である。第3ポ
ート(F3)から入力された光が相反旋光素子(20)
に入力されるまでの光の伝搬の仕方は図9および図10
で説明した通りである。ここで,相反旋光素子(20)
を透過した+45度回転常光線(J´)および+45度
回転異常光線(I´)中に光部品の不完全性等に起因し
てそれぞれ+45度回転異常光線(I´:EXTRA)
および+45度回転常光線(J´:EXTRA)が含ま
れていたとする。すると,これらの+45度回転異常光
線(I´:EXTRA)および+45度回転常光線(J
´:EXTRA)は、それぞれ第4のウォークオフ偏光
ビームスプリッタ(21−4)および第3のウォークオ
フ偏光ビームスプリッタ(21−3)に対する異常光で
あるので、+45度回転異常光線(I´:EXTRA)
は、第4のウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−
4)によって−45度方向(図18の右上方向)に距離
dだけウォークオフされ、+45度回転常光線(J´:
EXTRA)は、第3のウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−3)によって+45度方向(図18の右下
方向)に距離dだけウォークオフされる。なお、図17
において、これらの光(EXTRA)の進行経路は一点
鎖線で示すこととする。
【0139】これらの光(EXTRA)は、第2ファラ
デ回転子(19−2)に入力されることによりその偏波
面が+45度回転させられて出力され、第2の偏光補償
板(H2)に入力される。
【0140】これらの光(EXTRA)は第2の偏光補
償板(H2)によってもその進行方向が変化させられな
いので、この進行方向を保持したまま第2の偏光ビーム
スプリッタ(D2)に入力される。もちろん、所望の光
は前述のように第4ポート(F4)に入力されるが、こ
れらの望まない光(EXTRA)は、図の一点鎖線で示
す如く、異常光線(I:EXTRA)は面(M2)で反
射された後、偏光分離膜(2122)を透過し、常光線
(J:EXTRA)は偏光分離膜(2122)で反射さ
れて第6の複屈折材料(21−6)に入力される。ここ
で望まない異常光線(I:EXTRA)は、この第6の
複屈折材料(21−6)で屈折させられ、以て、異常光
線(I:EXTRA)および常光線(J:EXTRA)
はレンズ(L2)の側方を通過するので、これら望まな
い光が第2ポート(F2)に結合することはない。
【0141】次に、第2光を第2ポート(F2)から入
力した場合の光の伝搬について説明する。
【0142】図19および図20は、それぞれ前述の図
11および図12に対応しており、これらは第2ポート
(F2)から入力された光が第3ポート(F3)へ出力
されるまでのようすを説明するための図である。第2ポ
ート(F2)から入力された光が相反旋光素子(20)
に入力されるまでの光の伝搬の仕方は図11および図1
2で説明した通りである。ここで、相反旋光素子(2
0)を透過した後に第3の非相反旋光素子を透過した−
45度回転異常光線(I´)および−45度回転常光線
(J´)中に光部品の不完全性等に起因してそれぞれ−
45度回転常光線(J´:EXTRA)および−45度
回転異常光線(I´:EXTRA)が含まれていたとす
る。すると,これらの−45度回転常光線(J´:EX
TRA)および−45度回転異常光線(I´:EXTR
A)は、それぞれ第1のウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−1)および第2のウォークオフ偏光ビーム
スプリッタ(21−2)に対する常光であるので、−4
5度回転常光線(J´:EXTRA)および−45度回
転異常光線(I´:EXTRA)は、ウォークオフ偏光
ビームスプリッタ(21−1,21−2)によってウォ
ークオフされることなく、これらのウォークオフ偏光ビ
ームスプリッタ(21−1,21−2)内を透過する。
なお、図19において、これらの光(EXTRA)の進
行経路は一点鎖線で示すこととする。
【0143】これらの光(EXTRA)は、第1ファラ
デ回転子(19−1)に入力されることによりその偏波
面が−45度回転させられて出力され、第1の偏光補償
板(H1)に入力される。
【0144】これらの光(EXTRA)は第1の偏光補
償板(H1)によってもその進行方向が変化させられな
いので、この進行方向を保持したまま第1の偏光ビーム
スプリッタ(D1)に入力される。もちろん、所望の光
は前述のように第3ポート(F3)に入力されるが、こ
れらの望まない光(EXTRA)は、図の一点鎖線で示
す如く、異常光線(I:EXTRA)は、偏光分離膜
(1112)を透過し、常光線(J:EXTRA)は面
(M1)で反射された後、偏光分離膜(1112)で反
射されて第5の複屈折材料(21−5)に入力される。
ここで望まない異常光線(I:EXTRA)および常光
線(J:EXTRA)は、この第5の複屈折材料(21
−6)で合成させらるが、この合成された光はレンズ
(L1)の上方(図19の紙面の裏から表の方向を上方
向とする)を通過するので、これら望まない光が第1ポ
ート(F1)に結合することはない。
【0145】最後に、第4光を第4ポート(F4)から
入力した場合の光の伝搬について説明する。
【0146】図21および図22は、それぞれ前述の図
13および図14に対応しており、これらは第4ポート
(F4)から入力された光が第1ポート(F1)へ出力
されるまでのようすを説明するための図である。第4ポ
ート(F4)から入力された光が相反旋光素子(20)
に入力されるまでの光の伝搬の仕方は図13および図1
4で説明した通りである。ここで、相反旋光素子(2
0)を透過した後に第3の非相反旋光素子を透過した−
45度回転常光線(J´)および−45度回転異常光線
(I´)中に光部品の不完全性等に起因してそれぞれ−
45度回転異常光線(I´:EXTRA)および−45
度回転常光線(J´:EXTRA)が含まれていたとす
る。すると,これらの−45度回転異常光線(I´:E
XTRA)および−45度回転常光線(J´:EXTR
A)は、それぞれ第1のウォークオフ偏光ビームスプリ
ッタ(21−1)および第2のウォークオフ偏光ビーム
スプリッタ(21−2)に対する異常光であるので、−
45度回転異常光線(I´:EXTRA)は、第1のウ
ォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−1)によって
+45度方向(図22の右上方向)に距離dだけウォー
クオフされ、−45度回転常光線(J´:EXTRA)
は、第2のウォークオフ偏光ビームスプリッタ(21−
2)によって−45度方向(図22の右下方向)に距離
dだけウォークオフされる。なお、図21において、こ
れらの光(EXTRA)の進行経路は一点鎖線で示すこ
ととする。
【0147】これらの光(EXTRA)は、第1ファラ
デ回転子(19−1)に入力されることによりその偏波
面が−45度回転させられて出力され、第1の偏光補償
板(H1)に入力される。
【0148】これらの光(EXTRA)は、第1の偏光
補償板(H1)によってもその進行方向が変化させられ
ないので、この進行方向を保持したまま第1の偏光ビー
ムスプリッタ(D1)に入力される。もちろん、所望の
光は前述のように第1ポート(F1)に入力されるが、
これらの望まない光(EXTRA)は、図の一点鎖線で
示す如く、異常光線(I:EXTRA)は、面(M1)
で反射された後、偏光分離膜(1112)を透過し、常
光線(J:EXTRA)は、偏光分離膜(1112)で
反射されて第7の複屈折材料(21−7)に入力され
る。
【0149】ここで、望まない異常光線(I:EXTR
A)は、この第7の複屈折材料(21−7)で屈折させ
られ、以て、異常光線(I:EXTRA)および常光線
(J:EXTRA)はレンズ(L3)の側方を通過する
ので、これら望まない光が第3ポート(F3)に結合す
ることはない。
【0150】図23は、本実施例の光サーキュレータに
よるアイソレーション(dB)の波長(nm)に対する
依存性(実線)、特公昭60−49887号公報に記載
の光サーキュレータのアイソレーションの波長依存性の
数値計算結果(点線)および特開平5−215990に
記載の光サーキュレータのアイソレーションの波長依存
性の数値計算結果(一点鎖線)を示すググラフである。
なお、本実施例の光サーキュレータの各々の光学部品の
表面には反射防止用コートを施してある。同図から明ら
かなように、この光サーキュレータは挿入損失はおよそ
1.5dBであり、アイソレーションは70dB以上が
得られ、偏波分散は0.1ps未満であった(信号光の
波長:1550nm)。このように本実施例の光サーキ
ュレータを用いれば、非常に高い光のアイソレーション
(出力/もれ出力)を得ることができる。
【0151】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、1つの相
反旋光素子を用いて光サーキュレータを構成しているの
で光に入力される光の波長依存性を抑制することがで
き、アイソレーションを高めると同時に広い波長域の光
信号を伝送することができる。
【0152】また、第1および第2の偏光補償板を組み
となる第1および第2の偏光補償板の間に配置すること
により、4つのポートすべてからの光の位相を補償して
出力される光の偏波分散を抑えることができ、したがっ
て、高ビットレートの光信号を伝送することができる。
さらに、ウォークオフ偏光ビームスプリッタなどの第1
〜第4の複屈折材料を用いることにより目的外のポート
に結合する光の量を低減することができるとともに、第
1乃至第4の複屈折材料それぞれの厚みと第5乃至第8
の複屈折材料のそれぞれの厚みとの比を√2対1とすれ
ば、各ポートから入力された光を効率良く他の各ポート
に結合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光サーキュレータの構造を示す図であ
る。
【図2】従来の光サーキュレータの構造を示す図であ
る。
【図3】従来の光サーキュレータの構造を示す図であ
る。
【図4】本発明の一実施例に係る光サーキュレータの構
造を示す図である。なお、同図では第1ポートから光を
入力した場合の光の伝搬経路を示してある。
【図5】図4に示した光サーキュレータをシリコン基板
上に実装して構成された光サーキュレータ基板の斜示図
である。
【図6】図5に示した光サーキュレータ基板をパッケー
ジ内に収納して構成された光サーキュレータ装置を一部
破断して示す斜示図である。
【図7】本発明の一実施例に係る光サーキュレータの構
造を示す図である。なお、同図中のスケールの単位はm
mである。
【図8】実施例に係る光サーキュレータにおける光の伝
搬のようすを説明するための斜示図である。
【図9】実施例に係る光サーキュレータの第3ポートか
ら光を入力した場合の光の伝搬経路を説明するための光
サーキュレータの構造図である。
【図10】図9に示した光サーキュレータにおける光の
伝搬のようすを説明するための斜示図である。
【図11】実施例に係る光サーキュレータの第2ポート
から光を入力した場合の光の伝搬経路を説明するための
光サーキュレータの構造図である。
【図12】図11に示した光サーキュレータにおける光
の伝搬のようすを説明するための斜示図である。
【図13】実施例に係る光サーキュレータの第4ポート
から光を入力した場合の光の伝搬経路を説明するための
光サーキュレータの構造図である。
【図14】図13に示した光サーキュレータにおける光
の伝搬のようすを説明するための斜示図である。
【図15】実施例に係る光サーキュレータの第1ポート
から光を入力した場合であってこの光サーキュレータ内
を伝搬する偏光がずれた場合の光の伝搬経路を説明する
ための光サーキュレータの構造図である。
【図16】図15に示した光サーキュレータにおける光
の伝搬のようすを説明するための斜示図である。
【図17】実施例に係る光サーキュレータの第3ポート
から光を入力した場合であってこの光サーキュレータ内
を伝搬する偏光がずれた場合の光の伝搬経路を説明する
ための光サーキュレータの構造図である。
【図18】図17に示した光サーキュレータにおける光
の伝搬のようすを説明するための斜示図である。
【図19】実施例に係る光サーキュレータの第2ポート
から光を入力した場合であってこの光サーキュレータ内
を伝搬する偏光がずれた場合の光の伝搬経路を説明する
ための光サーキュレータの構造図である。
【図20】図19に示した光サーキュレータにおける光
の伝搬のようすを説明するための斜示図である。
【図21】実施例に係る光サーキュレータの第4ポート
から光を入力した場合であってこの光サーキュレータ内
を伝搬する偏光がずれた場合の光の伝搬経路を説明する
ための光サーキュレータの構造図である。
【図22】図21に示した光サーキュレータにおける光
の伝搬のようすを説明するための斜示図である。
【図23】本実施例の光サーキュレータによるアイソレ
ーション(dB)の波長(nm)に対する依存性(実
線)、特公昭60−49887号公報に記載の光サーキ
ュレータのアイソレーションの波長依存性の数値計算結
果(点線)および特開平5−215990に記載の光サ
ーキュレータのアイソレーションの波長依存性の数値計
算結果(一点鎖線)を示すグラフである。
【符号の説明】
19−1,19−2,19−3…ファラデ回転素子、H
1,H2…偏光補償板、21−1〜21−8…複屈折性
平板、L1〜L4…レンズ、D1,D2…偏光ビームス
プリッタ、20…1/2波長板、F1〜F4…光ファイ
バ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ポートから入力された第1光を第2
    ポートに出力し、前記第2ポートから入力された第2光
    を第3ポートに出力し、前記第3ポートから入力された
    第3光を第4ポートに出力し、前記第4ポートから入力
    された第4光を前記第1ポートに出力する光サーキュレ
    ータにおいて、 入射した光のうち常光線は直進させ、異常光線は屈折さ
    せて出射する第1、第2、第3、第4、第5、第6、第
    7および第8の複屈折材料と、 入射した2つの偏光に位相差を与えて出射する第1およ
    び第2の偏光補償板と、 入射した偏光の方位を±45
    度回転して出射する第1、第2および第3の非相反旋光
    素子と、 入射した偏光の方位を45度回転して出射する相反旋光
    素子と、 入射した常光線は反射し、異常光線は透過する第1面お
    よびこれらの光線のうちの一方を反射して他方の光線と
    ほぼ平行に出射する第1反射面を有する第1の偏光ビー
    ムスプリッタと、 入射した常光線は反射し、異常光線は透過する第2面お
    よびこれらの光線のうちの一方を反射して他方の光線と
    ほぼ平行に出射する第2反射面を有する第2の偏光ビー
    ムスプリッタと、を備え、 前記第1の偏光ビームスプリッタ、前記第5の複屈折材
    料および前記第1の非相反旋光素子は、前記第1ポート
    から入射された前記第1光が前記第5の複屈折材料を透
    過することにより常光線と異常光線とに空間的に分離さ
    れた後、これらの常光線と異常光線とが共に前記第1の
    偏光ビームスプリッタの前記第1面の表面側から入射し
    て前記第1の非相反旋光素子に入射されるように配置さ
    れ、 前記第7の複屈折材料は、前記第3ポートから入射され
    た前記第3光がこの第7の複屈折材料を透過することに
    より常光線と異常光線とに空間的に分離された後、これ
    らの常光線と異常光線とが共に前記第1の偏光ビームス
    プリッタの前記第1面の裏面側から入射して前記第1の
    非相反旋光素子に入射されるように配置され、 前記第2の偏光ビームスプリッタ、前記第6の複屈折材
    料および前記第2の非相反旋光素子は、前記第2ポート
    から入射された前記第2光が前記第6の複屈折材料を透
    過することにより常光線と異常光線とに空間的に分離さ
    れた後、これらの常光線と異常光線とが共に前記第2の
    偏光ビームスプリッタの前記第2面の裏面側から入射し
    て前記第2の非相反旋光素子に入射されるように配置さ
    れ、 前記第8の複屈折材料は、前記第4ポートから入射され
    た前記第4光がこの第8の複屈折材料を透過することに
    より常光線と異常光線とに空間的に分離された後、これ
    らの常光線と異常光線とが共に前記第2の偏光ビームス
    プリッタの前記第2面の表面側から入射して前記第2の
    非相反旋光素子に入射されるように配置され、 前記第3の非相反旋光素子は、前記第1の非相反旋光素
    子と前記第2の非相反旋光素子との間を伝搬する光の経
    路上に配置され、 前記相反旋光素子は、前記第3の非相反旋光素子と前記
    第2の非相反旋光素子との間を伝搬する光の経路上に配
    置され、 前記第1の複屈折材料は、前記第1の非相反旋光素子と
    前記第3の非相反旋光素子との間であって、前記第5の
    複屈折材料および前記第1の非相反旋光素子を介してこ
    の第1の複屈折材料に入射される前記第1光のうちの一
    方の偏光の伝搬経路上であり、且つ、この第1の複屈折
    材料の固有偏光の方位が前記第1光のうちの前記一方の
    偏光の方位にほぼ一致するように配置され、 前記第2の複屈折材料は、前記第1の非相反旋光素子と
    前記第3の非相反旋光素子との間であって、前記第5の
    複屈折材料および前記第1の非相反旋光素子を介してこ
    の第2の複屈折材料に入射される前記第1光のうちの他
    方の偏光の伝搬経路上であり、且つ、この第2の複屈折
    材料の固有偏光の方位が前記第1光のうちの前記他方の
    偏光の方位にほぼ一致するように配置され、 前記第4の複屈折材料は、前記第2の非相反旋光素子と
    前記第3の非相反旋光素子との間であって、前記第8の
    複屈折材料を介してこの第3の複屈折材料に入射される
    前記第4光のうちの一方の偏光、および、前記第1光の
    うちの前記他方の偏光の伝搬経路上であり、且つ、この
    第4の複屈折材料の固有偏光の方位が前記第4光のうち
    の一方の偏光の方位、および、前記第1光のうちの前記
    一方の偏光の方位にほぼ一致するように配置され、 前記第3の複屈折材料は、前記第2の非相反旋光素子と
    前記第3の非相反旋光素子との間であって、前記第8の
    複屈折材料を介してこの第3の複屈折材料に入射される
    前記第4光のうちの他方の偏光、および、前記第1光の
    うちの前記一方の偏光の伝搬経路上であり、且つ、この
    第3の複屈折材料の固有偏光の方位が前記第4光のうち
    の他方の偏光の方位、および、前記第1光のうちの前記
    他方の偏光の方位にほぼ一致するように配置され、 前記第1の偏光補償板は、前記第1の偏光ビームスプリ
    ッタと前記第1および第2の複屈折材料との間に配置さ
    れ、 前記第2の偏光補償板は、前記第2の偏光ビームスプリ
    ッタと前記第3および第4の複屈折材料との間に配置さ
    れる、ことを特徴とする光サーキュレータ。
  2. 【請求項2】 前記第1乃至第8の複屈折材料は、同一
    材料からなる平板であり、前記第1乃至第4の複屈折材
    料それぞれの厚みと前記第5乃至第8の複屈折材料のそ
    れぞれの厚みとの比を√2対1とすることを特徴とする
    請求項1に記載の光サーキュレータ。
  3. 【請求項3】 第1または第3のポートから入力された
    第1または第3光を空間的に常光線と異常光線とに分離
    したのち、これらの常光線および異常光線の偏光面を第
    1非相反旋光素子、第3非相反旋光素子、相反旋光素
    子、第2非相反旋光素子を順次通過させてた後、合波
    し、それぞれを第2、第4のポートに出力するととも
    に、第2、第4のポートから入力された第2または第3
    光を空間的に常光線と異常光線とに分離したのち、これ
    らの常光線および異常光線の偏光面を前記第2非相反旋
    光素子、前記相反旋光素子、前記第3非相反旋光素子、
    前記第1非相反旋光素子を順次通過させてた後、合波
    し、それぞれを第3、第1のポートに出力する光の制御
    方法において、 前記第1または第3光を空間的に常光線と異常光線とに
    分離した後、および、前記第2または前記第4光を空間
    的に常光線と異常光線とに分離した後に複屈折材料中に
    おけるこれら常光線と異常光線との伝搬速度の差を利用
    して、この空間的な分離によるこれらの常光線と異常光
    線との光路差を補正することにより、第1乃至第4ポー
    トへ出力される光の偏波分散を抑えることを特徴とする
    光の制御方法。
  4. 【請求項4】 光サーキュレータにおいて、 第1ポートから入力された第1光を常光線と異常光線と
    に分離する第1の手段と、 第2ポートから入力された第2光を常光線と異常光線と
    に分離する第2の手段と、 前記第1ポートから入力された常光線および異常光線に
    第1の変換を施してそれぞれを常光線および異常光線と
    して前記第2手段を介して前記第2ポートに出力すると
    ともに、前記第2ポートから入力された常光線および異
    常光線に第2の変換を施してそれぞれを異常光線および
    常光線として前記第1手段を介して第3ポートに出力す
    る第3の手段と、 前記第1の手段と前記第3の手段との間を伝搬する光の
    経路上に配置され、透過する常光線と異常光線とに位相
    差または光路差を与える第4の手段と、 前記第2の手段と前記第3の手段との間を伝搬する光の
    経路上に配置され、透過する常光線と異常光線とに位相
    差または光路差を与える第5の手段と、を備えることを
    特徴とする光サーキュレータ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000029900A1 (en) * 1998-11-13 2000-05-25 New Focus, Inc. Compact polarization insensitive circulators with simplified structure and low polarization mode dispersion
US6285499B1 (en) 1998-08-17 2001-09-04 New Focus, Inc. Compact polarization insensitive circulators with simplified structure and low polarization mode dispersion
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US6822793B2 (en) 1999-10-29 2004-11-23 Finisar Corporation Compact polarization insensitive circulators with simplified structure and low polarization mode dispersion
CN114397760A (zh) * 2021-12-31 2022-04-26 昂纳信息技术(深圳)有限公司 一种合波环形器组件及环形器

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