JPH10185494A - 空調機の局所洗浄殺菌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の空調機の熱交換器やドレンパンを有効
に殺菌洗浄できる空調機の局所洗浄殺菌装置を提供す
る。 【解決手段】 各室内の床や天井に設置された空調機１
０の熱交換器２０にオゾン水洗浄管２１を設け、その各
オゾン洗浄管２１をバルブ１１を介して共通のオゾン配
管１２に接続すると共にそのオゾン配管１２に、低濃度
のオゾンを供給するオゾン水発生機１３を接続し、上記
各バルブ１１を順次開閉すると共にオゾン水発生機１３
を作動する制御装置１４を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、既製の空調機内の
熱交換器やドレンパン等に付着する微生物を殺菌するた
めの空調機の局所洗浄殺菌装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】室内空気中の浮遊微生物は、アトピーや
花粉症等のアレルギー、食品の腐敗や医薬品の汚染、さ
らには病院での院内感染等さまざまな障害を引き起こす
原因となる。

【０００３】パッケージエアコンユニットやファンコイ
ルユニット（天吊型，床置型）の既製の空調機の洗浄，
清掃に関しては、フィルター交換や吹出口，吸込口等、
手の届く範囲の清掃だけという状態であり、熱交換器や
ドレンパン等に付着している微生物を殺菌することはな
されていない。

【０００４】従来、空調機の殺菌システムとして、紫外
線を用いたものがあるが、有機物等の付着（ゴミ，ほこ
り等）がある場合、紫外線がゴミやほこり等で遮られて
しまい有効な殺菌効果が得られず、また紫外線ランプの
交換時期も早く、メンテナンス上不備な点がある。

【０００５】本発明者らは、先に特願平８−８８２３８
号にて、既設の空調機内の熱交換器をスポット洗浄殺菌
するスポット洗浄殺菌装置を提案した。

【０００６】このスポット洗浄殺菌装置は、空調機内の
熱交換器上にオゾン水洗浄具を設置し、オゾン水発生機
からのオゾン水を可撓チューブを介してオゾン水洗浄具
にオゾン水を供給してスポット洗浄を行うようにしたも
のである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このスポット洗浄殺菌
装置は、可搬性を考慮したものであるが、空調機のタイ
プによっては、例えば天吊型や開閉蓋のない空調機には
適用できない。また、空調機の局所洗浄とオゾン発生機
とがワン・バイ・ワンであり、多数の空調機を洗浄する
には、その都度洗浄殺菌装置をセットしなければならず
効率が落ちる。

【０００８】特に、これら空調機は、ビル用の大型空調
機と違って既製品であり、室毎に多数設置されるため、
これらを有効に洗浄殺菌するのは困難である。

【０００９】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、多数の空調機の熱交換器やドレンパンを有効に殺菌
洗浄できる空調機の局所洗浄殺菌装置を提供することに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１の発明は、各室内の床や天井に設置された空
調機の熱交換器にオゾン水洗浄管を設け、その各オゾン
洗浄管をバルブを介して共通のオゾン配管に接続すると
共にそのオゾン配管に、低濃度のオゾンを供給するオゾ
ン水発生機を接続し、上記各バルブを順次開閉すると共
にオゾン水発生機を作動する制御装置を設けた空調機の
局所洗浄殺菌装置である。

【００１１】請求項２の発明は、各熱交換器下方のドレ
ンパンにオゾン排水管を接続し、そのオゾン排水管を共
通のドレン配管に接続し、そのドレン配管より洗浄後の
オゾン水を排水する請求項１記載の空調機の局所洗浄殺
菌装置である。

【００１２】請求項３の発明は、ドレン配管が、オゾン
水発生機に接続され、ドレン配管中の洗浄後のオゾン水
にオゾンが注入されてオゾン配管に循環される請求項２
記載の空調機の局所洗浄殺菌装置である。

【００１３】請求項４の発明は、オゾン洗浄管は、熱交
換器の上部又は上側部に配置されて設けられる請求項１
〜３いずれかに記載の空調機の局所洗浄殺菌装置であ
る。

【００１４】請求項５の発明は、オゾン洗浄管は、熱交
換器のプレートフィンに一体に組み込まれて設けられる
請求項１〜３いずれかに記載の空調機の局所洗浄殺菌装
置である。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。

【００１６】図１において、１０は、既製品であるパッ
ケージエアコンユニットやファンコイルユニットからな
る空調機で、各室内の床に設置されたり（床置型）、天
井に埋め込まれたり（天吊型）、或いは壁に掛けられた
り（壁掛け型）など種々のタイプのものからなってい
る。

【００１７】この各空調機１０の内部には、図３
（ａ），（ｂ），（ｃ）に示すように熱交換器２０の上
部に位置してオゾン洗浄管２１が設けられ、オゾン洗浄
管２１のノズル２２から噴射された低濃度のオゾン水
が、熱交換器２０のフィンプレート２３と冷媒管２４を
伝って下方のドレンパン２５に流下するようになってい
る。また図３（ｄ）に示すようにオゾン洗浄管２１を熱
交換器２０の一側面の上下に配置し、上下のノズル２２
からオゾン水を噴射するようにしても、図３（ｃ）に示
すように熱交換器２０の両側面上部に配置し、ノズル２
２から上向きにオゾン水を噴射するようにしてもよい。

【００１８】各オゾン洗浄管２１は、図１に示すように
バルブ１１を介して共通のオゾン配管１２に接続され、
そのオゾン配管１２が、オゾン水発生機１３に接続され
る。

【００１９】オゾン水発生機１３は、詳細は図示してい
ないが、オゾナイザに空気或いは酸素富化空気を供給し
てオゾンを発生させ、このオゾンを水に溶解させてオゾ
ン水を生成するもので、生成したオゾン水は、貯留タン
クに適宜溜められ、その貯蔵タンクよりポンプでオゾン
配管１２にオゾン水を供給するようになっている。

【００２０】オゾン配管１２に供給するオゾン水濃度
は、０．１ｍｇ／ｌ〜数ｍｇ／ｌの低濃度のオゾン水と
し、オゾン水から発生する気相オゾン濃度が、０．１ｐ
ｐｍ〜数ｐｐｍの低濃度気相オゾンとして無害なものと
し、居室における脱臭効果をも発揮するようにする。

【００２１】各オゾン洗浄管２１に接続されるバルブ１
１は、制御装置１４にて開閉制御され、空調機１０の空
調運転停止時に、オゾン水発生機１３を作動すると共に
各バルブ１１を順次開閉動するようになっている。

【００２２】次に本発明の作用を述べる。

【００２３】制御装置１４は、各室の空調機１０が、空
調運転が停止されている時、その空調機１０内を洗浄殺
菌すべく、バルブ１１を順次開閉する。このバルブ１１
の開閉は、オゾン水発生機１３のオゾン水供給量に応じ
て１台づつでも、数台同時にオゾン水を供給するよう開
閉する。

【００２４】オゾン水による洗浄殺菌は、１台当たり数
十分行い、洗浄殺菌を終えたならば、その空調機１０の
バルブ１１を閉じて、他の空調機１０のバルブ１１を開
いて順次殺菌して行く。

【００２５】このように、各空調機１０をオゾン配管１
２で連結し、バルブ１１を順次開閉することで、１台の
オゾン水発生機１３で多数の空調機１０を洗浄殺菌する
ことが可能となる。

【００２６】図２は本発明の他の実施の形態を示したも
のである。

【００２７】本実施の形態においては、各熱交換器２０
下方のドレンパン２５（図３）にオゾン排水管１５を接
続し、そのオゾン排水管１５を共通のドレン配管１６に
接続し、そのドレン配管１６より洗浄後のオゾン水を排
水するようにし、またこのドレン配管１６とオゾン水発
生機１３とを循環ライン１７で結び、洗浄後のオゾン水
の一部または全部をオゾン水発生機１３に戻して再度オ
ゾンガスを溶解させた後、オゾン配管１２に循環するよ
う構成したものである。

【００２８】図１の実施の形態においては、ドレンパン
２５に流下したオゾン水は、冷房時に生じたドレン水と
同様に排水するが、本形態では、ドレンパン２５を共通
のドレン排水管１５で接続して洗浄後のオゾン水を再使
用できるようにしたものである。これによりオゾン水発
生機１３をより小型化できる効果がある。

【００２９】図４は、本発明のさらに他の実施形態を示
したものである。

【００３０】図３の形態において、空調機１０は既製品
で、既に天井や床に設置されている場合に、オゾン洗浄
管２１を取り付けるのに適しているが、本例の場合、空
調機１０の製造段階で、熱交換器２０の上部に冷媒管２
４と共にフィンプレート２３と一体にオゾン洗浄管２１
ａを取り付けておくようにしたものである。この場合、
ノズル２２ａは、フィンプレート２３間で仕切られるた
め、フィン全体に沿ったスリット状にして形成する。

【００３１】このように予めオゾン洗浄管２１ａを取り
付けておくことで、後取付工事が不要となる。

【００３２】また、図５（ａ），（ｂ）は、天井埋め込
み型に採用されている円筒状の熱交換器２０ｂの場合の
形態を示し、洗浄管２１ｂをリング状に形成し、そのリ
ングに沿ってノズル２２ｂを形成したものである。

【００３３】図６は、実際の建屋に設置されている空調
機１０の局所洗浄殺菌装置を示したものである。

【００３４】図において、１０ｆは、床置型空調機を示
し、１０ｃは天吊型空調機を示している。

【００３５】オゾン水発生機１３は、任意の階の床３１
に設置し、そのオゾン水発生機１３に接続するオゾン配
管１２は、各階を通る縦管１２ａと、床上に敷設される
横管１２ｆと天井３３上に設置される横管１２ｆで構成
し、その横管１２ｆ，１２ｃの縦管１２ａの接続部近傍
にバルブ３２ｆ，３２ｃを接続すると共に対応する空調
機１０ｆ，１０ｃ内のオゾン水洗浄管２１（図示せず）
とバルブ１１を介して接続する。

【００３６】またドレン配管１６も同様に、縦管１６ａ
と横管１６ｆ，１６ｃで構成し、その横管１６ｆ，１６
ｃを、空調機１０ｆ，１０ｃ内のドレンパン（図示せ
ず）と接続したオゾン排水管１５に接続する。

【００３７】制御装置１４は、図示していないが図１，
図２と同様に各階のバルブ１１を順次開閉動するように
なっている。

【００３８】各空調機１０からドレン排水管１６の横管
１２ｆ，１２ｃへの排水は、重力で流れるように適宜傾
斜を持たせるか或いはポンプで強制排水するように構成
してもよい。

【００３９】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、各空調機
をオゾン配管で連結し、バルブを順次開閉することで、
１台のオゾン水発生機で多数の空調機を洗浄殺菌するこ
とが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す概略図である。

【図２】本発明の他の実施の形態を示す概略図である。

【図３】本発明において、空調機に設けるオゾン水洗浄
管の詳細を示す図である。

【図４】図３の他の形態を示す図である。

【図５】図３のさらに他の形態を示す図である。

【図６】図２の形態の建屋から見た詳細を示す図であ
る。

【符号の説明】

１０ 空調機 １１ バルブ １２ オゾン配管 １４ 制御装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 国雄 千葉県習志野市東習志野６−17−16 株式 会社朝日工業社技術研究所内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各室内の床や天井に設置された空調機の
   熱交換器にオゾン水洗浄管を設け、その各オゾン洗浄管
   をバルブを介して共通のオゾン配管に接続すると共にそ
   のオゾン配管に、低濃度のオゾンを供給するオゾン水発
   生機を接続し、上記各バルブを順次開閉すると共にオゾ
   ン水発生機を作動する制御装置を設けたことを特徴とす
   る空調機の局所洗浄殺菌装置。
2. 【請求項２】 各熱交換器下方のドレンパンにオゾン排
   水管を接続し、そのオゾン排水管を共通のドレン配管に
   接続し、そのドレン配管より洗浄後のオゾン水を排水す
   る請求項１記載の空調機の局所洗浄殺菌装置。
3. 【請求項３】 ドレン配管が、オゾン水発生機に接続さ
   れ、ドレン配管中の洗浄後のオゾン水にオゾンが注入さ
   れてオゾン配管に循環される請求項２記載の空調機の局
   所洗浄殺菌装置。
4. 【請求項４】 オゾン洗浄管は、熱交換器の上部又は上
   側部に配置されて設けられる請求項１〜３いずれかに記
   載の空調機の局所洗浄殺菌装置。
5. 【請求項５】 オゾン洗浄管は、熱交換器のプレートフ
   ィンに一体に組み込まれて設けられる請求項１〜３いず
   れかに記載の空調機の局所洗浄殺菌装置。