JPH10184477A - 燃料タンク - Google Patents

燃料タンク

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JPH10184477A
JPH10184477A JP8347505A JP34750596A JPH10184477A JP H10184477 A JPH10184477 A JP H10184477A JP 8347505 A JP8347505 A JP 8347505A JP 34750596 A JP34750596 A JP 34750596A JP H10184477 A JPH10184477 A JP H10184477A
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JP
Japan
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fuel
chamber
separation membrane
injection pipe
fuel tank
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JP8347505A
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Inventor
Taku Ishikawa
卓 石川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料タンクの分離膜の破損を防止する。 【解決手段】 燃料タンク1の内部空間を燃料室7と空
気室6とに分離する変形可能な分離膜5を具備し、燃料
室に燃料注入管13を接続して該燃料注入管を介し該燃
料室内に燃料を注入し、分離膜の周縁部を燃料タンク内
壁面に固定して分離膜の中央部が燃料室内の燃料液面に
密着しつつ該燃料液面と共に上下動するようにした燃料
タンクにおいて、前記燃料注入管の開口30を分離膜と
燃料タンク内壁面との間へ向けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料タンクに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料タンク内で発生した蒸発
燃料が大気中に放出されるのを阻止するために、燃料タ
ンクの上部空間内の蒸発燃料をチャコールキャニスタに
導いてチャコールキャニスタ内の活性炭に吸着させるよ
うにした内燃機関が知られている。この場合、チャコー
ルキャニスタに導かれる蒸発燃料量が多いとチャコール
キャニスタの容量を大きくしなければならず、従ってチ
ャコールキャニスタを小型化するためには燃料タンク内
で発生する蒸発燃料量をできるだけ少なくする必要があ
る。
【0003】燃料タンク内で発生する蒸発燃料量を低減
するためには燃料タンクの上部空間に接する燃料液面の
面積を低減すればよい。そこで、燃料タンクの内部空間
を燃料室と空気室とに分離する分離膜を具備し、燃料室
に燃料注入管を接続してこの燃料注入管を介し燃料室内
に燃料を注入する。更に、分離膜にほぼ同心状をなす複
数の環状の折り目を形成すると共に分離膜の周縁部を、
固定部を介し燃料タンク内壁面に固定し、それにより分
離膜の中央部が燃料室内の燃料液面に密着して燃料液面
と共に上下動するようにした車両用燃料タンクが公知で
ある(米国特許第3701540号明細書参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、給油時に燃
料注入管から燃料室内に流入する燃料は或る程度の流速
でもって燃料室内に流入するのでこの燃料によって燃料
室内の燃料が揺動又は脈動したり、燃料注入管の配置に
よっては燃料が直接分離膜に衝突することもある。その
結果、分離膜が揺動又は脈動して分離膜自体又は分離膜
固定部に引張力や圧縮力などの大きな負荷が作用して分
離膜が破損する可能性がある。本発明の目的は燃料タン
クの分離膜の破損を防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に一番目の発明によれば、燃料タンクの内部空間を燃料
室と空気室とに分離する変形可能な分離膜を具備し、燃
料室に燃料注入管を接続して該燃料注入管を介し該燃料
室内に燃料を注入し、分離膜の周縁部を燃料タンク内壁
面に固定して分離膜の中央部が燃料室内の燃料液面に密
着しつつ該燃料液面と共に上下動するようにした燃料タ
ンクにおいて、前記燃料注入管の開口を分離膜と燃料タ
ンク内壁面との間へ向ける。これにより、燃料注入管か
ら給油される燃料が分離膜と燃料タンク内壁面との間に
導入される。
【0006】また、上記課題を解決するために二番目の
発明によれば、一番目の発明において、前記燃料注入管
が複数の開口を有する。これにより、燃料注入管から給
油される燃料が複数の方向へ分岐される。また、上記課
題を解決するために三番目の発明によれば、一番目の発
明において、分離膜との間に空間を形成する室を具備
し、前記燃料注入管から注入された燃料を該室へ導くよ
うにする。これにより、燃料注入管から給油されて室へ
導入された燃料が該室から燃料タンク全体へ分散する。
【0007】また、上記課題を解決するために四番目の
発明によれば、三番目の発明において、燃料タンク内壁
面に傾斜面を設け、前記燃料注入管から注入された燃料
を該傾斜面により前記室へ導くようにする。これによ
り、燃料注入管から給油されて室へ導入される燃料量が
増大する。また、上記課題を解決するために五番目の発
明によれば、燃料タンクの内部空間を燃料室と空気室と
に分離する変形可能な分離膜を具備し、燃料室に燃料注
入管を接続して該燃料注入管を介し該燃料室内に燃料を
注入し、分離膜の周縁部を燃料タンク内壁面に固定して
分離膜の中央部が燃料室内の燃料液面に密着しつつ該燃
料液面と共に上下動するようにした燃料タンクにおい
て、燃料注入管から注入された燃料を分離膜と燃料タン
ク内壁面との間へ導入するように該燃料の流方向を偏向
する偏向手段を具備する。これにより、燃料注入管から
給油される燃料が偏向されて分離膜と燃料タンク内壁面
との間に導入される。
【0008】また、上記課題を解決するために六番目の
発明によれば、燃料タンクの内部空間を燃料室と空気室
とに分離する変形可能な分離膜を具備し、燃料室に燃料
注入管を接続して該燃料注入管を介し該燃料室内に燃料
を注入し、分離膜の周縁部を燃料タンク内壁面に固定し
て分離膜の中央部が燃料室内の燃料液面に密着しつつ該
燃料液面と共に上下動するようにした燃料タンクにおい
て、燃料タンク底壁の内壁面に燃料通路を形成し、燃料
注入管から注入された燃料を該燃料通路により分離膜と
燃料タンク底壁の内壁面との間へ導入するようにする。
これにより、燃料注入管から給油される燃料が分離膜と
燃料タンク底壁の内壁面との間に導入される。
【0009】
【発明の実施の形態】図1から図3までを参照すると、
燃料タンク、特に車両用燃料タンク1は例えば金属又は
合成樹脂材料からなる上側部分2と下側部分3とを具備
する。これら上側部分2及び下側部分3はそれぞれのフ
ランジ部2a,3aにおいて互いに気密に接続される。
上側部分2及び下側部分3により画定される内部空間4
内には例えばポリエチレン、ナイロンのような可撓性お
よび燃料蒸気不透過性を備えた材料からなる分離膜5が
配置される。この分離膜5は内部空間4を上方の空気室
6と下方の燃料室7とに分離する。
【0010】分離膜5はその周縁部5aが固定部8にお
いて燃料タンク1の内壁面に気密に固定される。即ち、
本実施形態では分離膜5の周縁部5aは全周にわたっ
て、上側部分2及び下側部分3のフランジ部2a,3a
間に把持されつつ固定されている。また、分離膜5には
ほぼ同心状に配置された複数の環状の折り目5bが予め
形成される。分離膜5はこれら折り目5bに沿って変形
可能になっており、その結果後述するように分離膜5の
中央部が燃料室7内の燃料液面に密着して燃料液面と共
に上下動可能となっている。尚、本実施形態において折
り目5bはほぼ等間隔で形成されている。
【0011】図3に示されるように、空気室6は空気室
内圧制御弁9及びエアクリーナ10を介して大気に連通
される。空気室内圧制御弁9は互いに並列配置された正
圧リリーフ弁11及び大気圧リリーフ弁12を具備す
る。正圧リリーフ弁11は空気室6内の圧力が予め定め
られた正圧を越えて上昇したときに開弁し、一方、大気
圧リリーフ弁12は空気室6内の圧力が大気圧を越えて
低下したときに開弁する。従って空気室6内の圧力はほ
ぼ大気圧以上でありかつ正圧リリーフ弁11の開弁圧よ
りも低い正圧に維持されることになる。
【0012】一方、燃料室7には燃料注入管13が気密
に接続される。燃料注入管13の上端開口部13aには
燃料キャップ14が着脱自在に取り付けられ、この上端
開口部に隣接する燃料注入管13内には燃料キャップ1
4の挿着時に燃料キャップ14の外周面と接触するシー
ル部材15と、給油時に燃料注入管13内に挿入される
給油ノズルの外周面と接触するシール部材16と、通常
ばね力によって燃料注入管13を遮断している蒸発燃料
遮断弁17とが配置される。一方、燃料注入管13の下
端、即ち出口端部13bは、給油時に燃料注入管13か
ら燃料室7内に流入する燃料の流動方向を規制して該規
制された燃料が下側部分3の側壁3bの内壁面と分離膜
5との間へ導入されるように、下側部分3の側壁3bの
内壁面と分離膜5との間を向いた二つの開口30を有す
る二股形状になっている。尚、本明細書において『下側
部分の側壁の内壁面と分離膜との間』、『下側部分の底
壁の内壁面と分離膜との間』並びに『下側部分の内壁面
と分離膜との間』とは、特に燃料タンク内の燃料の残量
が極めて少なく、分離膜が下側部分の側壁及び底壁に近
接した状態における分離膜と内壁面それぞれとの位置関
係を示した用語である。
【0013】図1及び図3を参照すると燃料室7には更
に上側部分2のフランジ部2aよりも外側に突出する下
側部分3により画定される燃料ポンプ室18が接続され
る。この燃料ポンプ室18内には燃料ポンプ19と、燃
圧レギュレータ20と、燃料フィルタ21とが配置され
ており、燃料ポンプ19から吐出された燃料は燃圧レギ
ュレータ20により調圧された後に燃料供給管22を介
して図示しない燃料噴射弁に供給される。このように燃
料室7に連通する燃料ポンプ室18内に燃圧レギュレー
タ20を配置すると、燃料供給管22からの燃料を各燃
料噴射弁に分配するための燃料分配管から燃料タンク1
まで延びる燃料戻し通路を設ける必要がなくなり、しか
もシリンダヘッド付近において加熱され、一部気化した
蒸発燃料を含む燃料が燃料タンク1内に戻ることがなく
なるので燃料タンク1内における蒸発燃料の発生が抑制
される。また、燃料タンク1内に燃料ポンプ19を配置
することにより燃料ポンプ19の騒音を低減することが
できる。
【0014】更に図3を参照すると、燃料注入管13の
出口端部13bよりも上方でありかつ固定部8の直下方
の燃料室7内に開口する循環管23が燃料注入管13の
上側部分に開口せしめられる。循環管23は給油時に次
第に小さくなる燃料液面上方の気体を燃料注入管13へ
解放して給油をし易くするためのものである。また、燃
料ポンプ室18の上方空間18aは蒸発燃料排出管24
を介して循環管23の上端開口部よりも上方の燃料注入
管13に接続され、この蒸発燃料排出管24の上端開口
部よりも上方の燃料注入管13は蒸発燃料パージ管25
を介して活性炭を具備したチャコールキャニスタ(図示
しない)に接続される。従って燃料室7内、燃料注入管
13内、及び燃料ポンプ室18内で発生した蒸発燃料は
蒸発燃料排出管24及び蒸発燃料パージ管25を介しチ
ャコールキャニスタに導かれて活性炭に吸着され、斯く
して蒸発燃料が大気中に放出されるのが阻止されてい
る。この活性炭に吸着された燃料は例えば機関運転状態
(機関負荷)に応じて機関吸気通路内にパージされる。
【0015】特に図2に示されるように、下側部分3の
側壁3bの内壁面は全体として、固定部8から下側部材
3の底壁3に向かうにつれて内方に傾斜している。更に
側壁3bの内壁面には内方に向けて突出するほぼ環状の
突出部29が複数設けられており、従って側壁3bの内
壁面は階段状断面を有することになる。その結果、補強
部材を追加することなく下側部分3の剛性を高めること
ができる。
【0016】ところで、給油をすべきときにはまず燃料
キャップ14が燃料注入管13の上端開口部13aから
取り外される。燃料キャップ14が取り外されても蒸発
燃料遮断弁17が閉弁状態に保持されているので燃料注
入管13の上端開口部13aから蒸発燃料が大気に放出
されるのが阻止されている。次いで、図示しない給油ノ
ズルが燃料注入管13の上端開口部13aに挿入され、
給油ノズルの先端部により蒸発燃料遮断弁17がばね付
勢に抗して開弁される。この場合、給油ノズルの外周面
にシール部材15,16が接触しているのでこの場合に
も燃料注入管13の上端開口部13aから蒸発燃料が大
気に放出されるのが阻止されている。次いで、給油が開
始されると燃料が燃料注入管13を介して燃料室7内に
注入される。
【0017】このとき、燃料室7内に流入する燃料は下
側部分3の側壁3bの内壁面と分離膜5との間へ向かっ
て二つの開口30から放出され、次いで下側部分3の側
壁3bの内壁面に沿いつつ図1の矢印A、A1で示した
ように進行する。即ち、燃料注入管13の二股形状が燃
料の流動方向を規定する燃料流規定手段又は燃料の流動
方向を偏向する偏向手段として機能する。本実施形態で
は、給油された燃料は直接分離膜5に衝突せずに分離膜
5と下側部分3の側壁3bの内壁面との間を流動するた
め、給油時における燃料室7内の燃料の乱れが低減さ
れ、分離膜5が揺動又は脈動するのが抑制される。従っ
て分離膜5に大きな負荷が作用するのを阻止することが
でき、斯くして分離膜5の破損を防止することができ
る。
【0018】また、このように給油時における燃料室7
内の燃料の乱れが低減されると燃料注入管13及び燃料
室7の流体抵抗を低減することができるので給油速度を
高めることができ、従って給油時間を短縮することがで
きる。更に給油時に燃料室7内の燃料が泡立つのを阻止
することができるので給油時に燃料タンク1内で発生す
る蒸発燃料量を更に低減することができる。
【0019】また、本実施形態の燃料注入管は燃料を複
数の方向へ分散又は分岐させる燃料分岐手段としても機
能する。これにより、燃料注入管13から給油されて分
岐された各燃料流毎の流量が小さくなるため、燃料室7
内の燃料を揺動又は脈動させることが抑制される。本実
施形態では燃料注入管の出口端部を二股形状としたが、
これは本発明を制限するものではなく、例えば、燃料注
入管の出口端部の開口を一つとして該開口を下側部分の
側壁又は底壁の内壁面と分離膜との間に向けるようにし
ても本実施形態と同様の効果が得られる。
【0020】更に燃料室7内の燃料量が増大するのに伴
って燃料液面が上昇し、この燃料液面の上昇に伴って分
離膜5も上昇する。この場合、給油時に燃料が分離膜5
に直接衝突せず且つ給油燃料によって燃料室7内の燃料
の揺動又は脈動が抑制されているため、燃料室7内の燃
料液面はほぼ水平面内に維持される。その結果、分離膜
5を全体的に均一に持ち上げることができ、即ち燃料に
より分離膜5に作用する上向きの応力を、燃料液面に密
着する分離膜5のほぼ全面にわたって一様にすることが
できる。従って分離膜5の上昇時に分離膜5の動きが抑
制されるので分離膜5に大きな負荷が作用するのを阻止
することができ、斯くして分離膜5の破損を更に高い程
度で防止することができる。
【0021】尚、燃料室7内の燃料量が増大して燃料液
面が上昇する場合分離膜5は燃料液面に密着した状態に
保持されており、従って、燃料液面上の空間がゼロ近く
なるので給油時に燃料タンク1内で発生する蒸発燃料量
を更に低減することができる。一方、分離膜5が上昇す
るのに伴って空気室6の容積が次第に小さくなり、その
結果空気室6内の正圧が次第に上昇する。この空気室6
内の正圧は分離膜5を燃料室7に向けて付勢し、斯くし
て分離膜5が燃料液面に確実に密着せしめられる。尚、
空気室6内の圧力が正圧リリーフ弁11の開弁圧を越え
ると正圧リリーフ弁が開弁するので給油時に正圧リリー
フ弁11が一旦開弁した後は空気室6内の圧力は正圧リ
リーフ弁11の開弁圧にほぼ維持される。このときの燃
料室7内の圧力も正圧リリーフ弁11の開弁圧にほぼ維
持される。
【0022】給油時において燃料室7内の燃料液面が循
環管23の下端開口部に達して循環管23が遮断される
と給油ノズルの先端周りに発生している負圧が急激に増
大する。給油ノズルは給油ノズル周りの燃料注入管13
内にこのような大きな負圧が発生すると給油作用を自動
的に停止するようになっており、このため燃料液面が高
くなって循環管23が燃料により遮断されると給油が停
止される。従って循環管23の下端開口部の高さによっ
て燃料室7内に注入される燃料量が定められることにな
る。本実施形態では図3に示されるように、循環管23
の下端開口部は固定部8に隣接配置されており、従って
燃料液面がほぼ固定部8の高さになるまで給油が行われ
る。
【0023】尚、本実施形態では分離膜5の中心面がほ
ぼ平坦になるまで給油が行われる。このようにすると燃
料タンク1の内部空間4のほぼすべてを燃料室7とする
ことができ、燃料タンク1内に多量の燃料を蓄えること
ができる。給油が完了して給油ノズルが引き抜かれると
蒸発燃料遮断弁17が再び閉弁される。次いで、燃料キ
ャップ14が取り付けられる。
【0024】機関の運転が開始されて燃料室7内の燃料
量が減少するとそれに伴って燃料室7内の燃料液面が次
第に低下する。その結果、分離膜5が燃料液面と共に下
降して分離膜5の中心面が燃料室7内に突出するように
なる。この場合、分離膜5は燃料液面に密着した状態に
保持されつつ下降し、従って給油以外のときにも燃料タ
ンク1内で発生する蒸発燃料量が低減される。このよう
に燃料タンク1において発生する蒸発燃料量を極めて少
なくすることができるとチャコールキャニスタを小型
化、あるいはキャニスタ自体を設ける必要がなくなる。
【0025】分離膜5が下降するのに伴って空気室6の
容積が次第に大きくなり、その結果空気室6内の圧力が
次第に低下する。しかしながら、空気室6内の圧力が大
気圧以下となるとただちに大気圧リリーフ弁12が開弁
するので空気室6内の圧力が負圧になることはない。従
って燃料室7内の圧力も大気圧以上に維持されることに
なる。
【0026】ところで、車両の加減速や旋回などによっ
て燃料室7内の燃料が揺動するのに伴って分離膜5が水
平方向に移動すると分離膜5に作用する大きな負荷、即
ち引っ張り応力や圧縮応力などが作用するので好ましく
ない。そこで本実施形態では、下側部分3の側壁3bを
下方に向かうにつれ内方に傾斜させることにより燃料液
面の位置に応じた分離膜5の位置に関わらず分離膜5の
水平方向移動を制限するようにしている。また、側壁3
bが突出部29を具備しているので分離膜5が揺動した
ときに、突出部29が内方に突出している分だけ分離膜
5が突出部29に速やかに接触する。その結果、分離膜
5の水平方向及び上下方向の動きを更に規制することが
できる。また、突出部29を固定部8から底壁3cに向
けて連続的に形成しているので隣接する一対の突出部2
9間に凹部が形成されることになる。これら凹部は下方
に向けて突出する折り目5bをその内部に保持し、斯く
して分離膜5の動きを更に規制することができる。その
結果、分離膜5に好ましくない大きな負荷が作用するの
を阻止することができるので分離膜5が破損するのを阻
止することができ、斯くして分離膜5の破損をより高く
防止することができる。
【0027】更にこのような突出部29を設けると燃料
室7内に形成される空気層、即ち燃料液面と分離膜5間
の空気層の容積を極めて小さくすることができる。その
結果、燃料室7内において発生する蒸発燃料量を極めて
少なくすることができる。図4〜図6には本発明の第二
実施形態の燃料タンクを示した。本実施形態の燃料注入
管13の出口端部13bの開口31は一つであり、燃料
タンクの概ね中央部を向いている。下側部分3の底壁3
cの内壁面には、燃料の流動方向を規定する燃料流規定
手段として、燃料注入管13の軸線上に位置する一枚の
中央垂直板32と、上記軸線の両側に位置する二枚の側
部斜板33とが燃料注入管13の開口31に隣接して取
り付けられている。中央垂直板32は下側部分3の底壁
3cの内壁面に対してほぼ垂直に該底壁3cの内壁面か
ら上方へ延び、側部斜板33は下側部分3の底壁3cの
内壁面に対して斜めに該底壁3cの内壁面から上方へ延
びる。側部斜板33は該側部斜板33に隣接した下側部
分3の側壁3bの傾斜に沿って傾斜している。中央垂直
板32及び側部斜板33の高さは、分離膜5の形状を考
慮し、分離膜5が最も下方の位置まで下がった時に該分
離膜5と干渉しないようにする。その他の構成は第一実
施形態と同様であるので省略する。
【0028】第二実施形態によれば、給油時には燃料は
矢印B、B1で示したようにして燃料タンク内へ流入す
る。これにより第一実施形態よりもより正確に下側部分
3の側壁3bの内壁面と分離膜5との間に燃料を導入す
ることができる。従って本実施形態の中央垂直板32及
び側部斜板33は第一実施形態と同様に燃料の流動方向
を偏向する偏向手段又は燃料を複数の方向へ分散又は分
岐させる燃料分岐手段としても機能する。
【0029】また、本実施形態では中央垂直板と側部斜
板とを下側部分の底壁に取り付けたが、これは本発明を
制限するものではなく、燃料流規定手段としての板部材
を燃料注入管に取り付け、燃料注入管から流出した燃料
が下側部分の内壁面と分離膜との間に導入されるように
することも可能である。図7〜図9には本発明の第三実
施形態の燃料タンクを示した。本実施形態の燃料注入管
13の出口端部13bの開口34は、第二実施形態と同
様に一つであり、燃料タンクの概ね中央部を向いてい
る。本実施形態では上記開口34は下側部部3の底壁3
cの内壁面と分離膜5との間を向けられているのが好ま
しい。下側部分3の底壁3cの内壁面には燃料通路とし
て三つの溝35、36、37が形成されている。これら
溝のうち二つの溝35、37は、燃料注入管13の開口
34に隣接した下側部分3の底壁3cから該開口34に
隣接した下側部分3の両側壁3bに沿って延び、残りの
溝36は、燃料注入管13の開口34に隣接した下側部
分3の底壁3cから燃料室7の概ね中央部を通って燃料
注入管13が接続されている下側部分3の反対側付近ま
で延びる。
【0030】第三実施形態によれば、分離膜の中央部が
下側部分3の底壁3cの内壁面まで下降した際の給油時
においても燃料を下側部分3の底壁3cの内壁面と分離
膜5との間を流通させて燃料注入管13からより遠くま
で導入することができる。これにより燃料注入管13か
ら注入された燃料が燃料注入管13付近に滞ることなく
燃料室7全体に分散されるため、分離膜5の中央面が燃
料室7内の燃料量の増大に伴い下側部分3の底壁3cに
水平な状態で上昇せしめられる。従って分離膜5に不均
一な応力が発生せず、分離膜5の破損を防止することが
できる。
【0031】更に燃料通路、即ち溝35を燃料ポンプ室
18付近まで延ばし、燃料注入管13から注入された燃
料を燃料ポンプ室18に導入することにより、比較的大
きな流速でもって注入された燃料の流速を燃料ポンプ室
18において低減し、該流速の低減された燃料を燃料室
7全体へ分散させる。これにより燃料室7内の燃料の揺
動又は脈動を抑制することができる。尚、本実施形態で
は燃料ポンプ室18は分離膜5との間に空間を形成する
と共に注入された燃料を受容し、該燃料の流速を低減す
る室として機能する。
【0032】また、燃料ポンプ室18まで延びる溝35
の深さを燃料ポンプ室18へ近づくに従って深くし、溝
の底面を傾斜面としているため、燃料ポンプ室18へ集
積される燃料量が増大し、燃料タンク内の燃料の揺動又
は脈動の抑制効果が増大する。更に、走行時、停止時あ
るいは車両傾斜時において、燃料タンク内の燃料が少な
いときであっても、溝35により燃料が燃料ポンプ室1
8に効率的に集められる、いわゆる、サブタンクの効果
を有するので、燃料ポンプ室18内の燃料減少に伴う燃
料切れが防止できる。
【0033】上記燃料通路を溝で構成する以外に下側部
分の底壁に配置したパイプで構成することも可能であ
る。上記した三つの実施形態では二股形状の燃料注入
管、中央垂直板及び側部斜板、並びに溝を個々に採用し
たが、これは本発明を制限するものではなく、注入され
た燃料を燃料タンクの内壁面と分離膜との間に導入して
分離膜の揺動又は脈動を抑制するようにこれら構成を組
み合わせることも可能である。
【0034】これまで述べてきた実施形態では、固定部
8を燃料タンク1の比較的上方に設けて燃料室7内の燃
料量が減少するのに伴い分離膜5の中心面が燃料室7内
に向け突出するようにしている。しかしながら、固定部
8を燃料タンク1の比較的下方に設けて燃料室7内の燃
料量が増大するのに伴い分離膜5の中心面が空気室6内
に向け突出するようにすることもできる。このようにす
ると、分離膜5がほぼ全面にわたって燃料液面に密着す
るので燃料室7内に形成される空気層の容積を極めて小
さくすることができ、従って燃料室7内で発生する蒸発
燃料量を極めて少なくすることができる。
【0035】また、分離膜5を膨張収縮可能な材料から
なる袋状に形成してこの袋の内部空間に空気室6を画定
し、袋の外部に位置する燃料タンク1の内部空間4に燃
料室7を画定することもできる。
【0036】
【発明の効果】本発明の一番目の発明によれば、燃料注
入管から給油される燃料が分離膜と燃料タンク内壁面と
の間に導入されるため、分離膜の揺動又は脈動が抑制さ
れるため、分離膜の破損を防止できる。本発明の二番目
の発明によれば、燃料注入管から給油される燃料が複数
の方向へ分岐されるため、該分岐された各燃料流毎の流
量が小さくなり、燃料タンク内の燃料を揺動又は脈動す
る作用が抑制され、分離膜の破損を防止できる。
【0037】本発明の三番目の発明によれば、燃料注入
管から給油されて室へ導入された燃料の流速が室内にお
いて低減されるため、燃料タンク内の燃料を揺動又は脈
動する作用が抑制され、分離膜の破損を防止できる。本
発明の四番目の発明によれば、燃料注入管から給油され
て室へ導入される燃料量が増大するため、流速が低減さ
れて燃料タンク内の燃料を揺動又は脈動する作用が抑制
される燃料量も増大し、分離膜の耐久性が更に高まる。
【0038】本発明の五番目の発明によれば、燃料注入
管から給油される燃料が分離膜と燃料タンク内壁面との
間に導入されるため、分離膜の揺動又は脈動が抑制され
るため、分離膜の破損を防止できる。本発明の六番目の
発明によれば、燃料注入管から給油される燃料が分離膜
と燃料タンク底壁の内壁面との間に導入されるため、分
離膜の揺動又は脈動が抑制され、分離膜の破損を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部の構成要素を省略して簡素化した燃料タン
クの頂面図である。
【図2】図1の線II−IIに沿った燃料タンクの断面
図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿った燃料タンクの
断面図である。
【図4】本発明の第二実施形態の燃料タンクを示す図1
と同様な頂面図である。
【図5】図4の線V−Vに沿った燃料タンクの断面図で
ある。
【図6】図4の線VI−VIに沿った燃料タンクの断面
図である。
【図7】本発明の第三実施形態の燃料タンクを示す図1
と同様な頂面図である。
【図8】図7の線VIII−VIIIに沿った燃料タン
クの断面図である。
【図9】図7の線IX−IXに沿った燃料タンクの断面
図である。
【符号の説明】
1…燃料タンク 2…上側部分 3…下側部分 4…内部空間 5…分離膜 5a…分離膜の周縁部 6…空気室 7…燃料室 8…固定部 13…燃料注入管 13c…案内部材 30…開口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクの内部空間を燃料室と空気室
    とに分離する変形可能な分離膜を具備し、燃料室に燃料
    注入管を接続して該燃料注入管を介し該燃料室内に燃料
    を注入し、分離膜が燃料室内の燃料液面に密着しつつ該
    燃料液面と共に上下動するようにした燃料タンクにおい
    て、前記燃料注入管の開口を分離膜と燃料タンク内壁面
    との間へ向けたことを特徴とする燃料タンク。
  2. 【請求項2】 前記燃料注入管が複数の開口を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
  3. 【請求項3】 分離膜との間に空間を形成する室を具備
    し、前記燃料注入管から注入された燃料を該室へ導くよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載の燃料タン
    ク。
  4. 【請求項4】 燃料タンク内壁面に傾斜面を設け、前記
    燃料注入管から注入された燃料を該傾斜面により前記室
    へ導くようにしたことを特徴とする請求項3に記載の燃
    料タンク。
  5. 【請求項5】 燃料タンクの内部空間を燃料室と空気室
    とに分離する変形可能な分離膜を具備し、燃料室に燃料
    注入管を接続して該燃料注入管を介し該燃料室内に燃料
    を注入し、分離膜の周縁部を燃料タンク内壁面に固定し
    て分離膜の中央部が燃料室内の燃料液面に密着しつつ該
    燃料液面と共に上下動するようにした燃料タンクにおい
    て、燃料注入管から注入された燃料を分離膜と燃料タン
    ク内壁面との間へ導入するように該燃料の流動方向を偏
    向する偏向手段を具備することを特徴とする燃料タン
    ク。
  6. 【請求項6】 燃料タンクの内部空間を燃料室と空気室
    とに分離する変形可能な分離膜を具備し、燃料室に燃料
    注入管を接続して該燃料注入管を介し該燃料室内に燃料
    を注入し、分離膜の周縁部を燃料タンク内壁面に固定し
    て分離膜の中央部が燃料室内の燃料液面に密着しつつ該
    燃料液面と共に上下動するようにした燃料タンクにおい
    て、燃料タンク底壁の内壁面に燃料通路を形成し、燃料
    注入管から注入された燃料を該燃料通路により分離膜と
    燃料タンク底壁の内壁面との間へ導入するようにしたこ
    とを特徴とする燃料タンク。
JP8347505A 1996-12-26 1996-12-26 燃料タンク Pending JPH10184477A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005155348A (ja) * 2003-11-20 2005-06-16 Honda Motor Co Ltd 燃料タンク
JP2007263062A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Hokuetsu Kogyo Co Ltd エンジン駆動型作業機の燃料タンク
JP2017007462A (ja) * 2015-06-19 2017-01-12 トヨタ自動車株式会社 燃料タンク構造

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