JPH10183585A - 水門の扉体駆動装置 - Google Patents

水門の扉体駆動装置

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JPH10183585A
JPH10183585A JP34947896A JP34947896A JPH10183585A JP H10183585 A JPH10183585 A JP H10183585A JP 34947896 A JP34947896 A JP 34947896A JP 34947896 A JP34947896 A JP 34947896A JP H10183585 A JPH10183585 A JP H10183585A
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Sato Tekko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水門の扉体を駆動する装置が外部から見えな
いように設け、環境を保全し周囲の美観を向上すること
にある。 【解決手段】 扉体3の側部が嵌まる戸溝2の内面に、
リニアモータのステータ11を水密を保って固着し、扉
体3の戸溝2内に嵌まる側部にリニアモータのロータと
なる側桁12を設けていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダムなどの水門に
設けている扉体の開閉を行う駆動装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、従来の水門は、水門の上
方部に設けた駆動装置、例えばワイヤー式巻上機、スピ
ンドル式開閉機、ピンラック式開閉機あるいは油圧シリ
ンダー式開閉機などによって開閉されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、水門は水の制御
を目的とした構造物であって、主に山間僻地の河川流域
に構築され、ダム発電所の水の制水に供されるものであ
った。しかし近年社会の変革と共に水の有効利用の範囲
は飛躍的に拡大し、上水下水はもとより工業用水の制御
用にその重要性が増加すると同時にその設備位置は上流
から下流へ、農村部より都市河川部へと変貌している。
したがって水門開閉機は常時人目につきやすく、その設
置環境下における周囲の調和は重大な関心事であり、機
能を損なわないデザインの要求が高まり、従来の開閉機
の欠点である構造の過大さ、外観の不調和、騒音の発
生、保守管理の煩瑣、操作速度の変換が不自由である等
から改善が求められている。
【0004】本発明は上記のような欠点を解消するため
に開発したもので、特に水門の上方部に扉体を駆動する
機械は勿論、その設備構造物をも廃絶することができる
ように開発することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による解決手段
は、扉体の側部が嵌まる戸溝の内面に、リニアモータの
ステータを水密を保って固着し、扉体の戸溝内に嵌まる
側部にリニアモータのロータとなる側桁を設けているこ
とを特徴とする。
【0006】上記解決手段に加えて、戸溝と側桁間にリ
ニアモータの起動時の磁力によって反発し開放され、リ
ニアモータの停止時に係止するロック手段を設けている
ことが好ましい。
【0007】また、前記ロック手段は、戸溝の扉体側面
と対面する面に固着したラチェット板と、扉体側面に設
けた爪付きヘッドで構成し、該爪付きヘッドはリニアモ
ータの起動時の磁力でラチェット板より後退し、リニア
モータの停止時にスプリングによってラチェット板に向
かって付勢して係止可能に形成することが最も好まし
い。
【0008】
【作用】上記の解決手段によれば、戸溝内と扉体の両側
部間に駆動部を構成するリニアモータを設けたものであ
るから、水門の上部に駆動部やその構築物が無く、水門
の景観を向上すると共に、騒音の発生が無く、また回転
摺動部が無いことから、潤滑油等を使用する必要が無く
なり、環境保全上甚だ有利になるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による実施形態は、戸溝を
備えるローラゲイトやスライドゲイトに適用することが
でき、更にラジアルゲートや起伏ゲートにおいても戸溝
を構設することにより採用することもできるものであ
る。
【0010】上記ゲイトの扉体は戸溝をガイドとして摺
動するものであるから、戸溝の内面にリニアモータのス
テータを設け、扉体の戸溝内に嵌まる側部にリニアモー
タのロータとなる側桁を設けるものである。但し、戸溝
内に設けるステータは水密を保持するように設ける必要
がある。
【0011】更に、扉体を所定位置に保持する際、ステ
ータと側桁と対面する部分をS極またはN極に保てば、
互いに吸着し合い一定の位置に固定することができる。
しかし固定手段をメカニカルのロック手段でより確実に
行えるようにすることが好ましい。
【0012】
【実施例】次に本発明をローラゲイトによる実施例によ
って説明すると、図1に示しているように、水門を構成
するコンクリートの左右の構造体1にそれぞれ戸溝2を
相対向して設け、両戸溝2間に扉体3を上下に摺動自在
に設けている。
【0013】上記扉体3の戸溝2内に嵌まる側部の上下
部に、扉体3の幅方向と平行する支軸4によって支える
メインローラ5を設け、扉体3の前面からの水圧荷重を
戸溝2内に設けた戸当りレール6を介して構造体1に受
ける。更に扉体3の昇降時の傾斜を規制するように、扉
体3の戸溝2より露出する部分の上下部で、しかも下流
側面にサイドローラ7を構造体1に対向するように設け
ている。また扉体3の戸溝2より露出する部分で、上流
側の全面に構造体1に圧接する縦水密ゴム8を備え、扉
体3の下端部で上流側に敷居戸当り9に密接する同じく
横水密ゴム10を有するものである。
【0014】上記戸溝2の内周面にリニアモータのステ
ータ11をほぼ全長に亘って設け、しかも水と遮断でき
るようにステータ11を鉄板などの磁性金属で密閉して
設けている。
【0015】一方扉体3の戸溝2内に嵌まる側部に、リ
ニアモータのロータとなる側桁12を縦方向の全長に亘
って設けている。
【0016】更に、ロック手段13は、前記側桁12の
側面と対面する戸溝2にラチェット板14を縦方向の全
長に亘って固着し、側桁12にラチェット板14に対向
して爪付きヘッド15をスプリング16の付勢力でラチ
ェット板14に噛合するように設けたもので、該ロック
手段13は扉体3の左右の上下部にそれぞれ設けてい
る。
【0017】尚、前記ラチェット板14は、帯板の前面
に多数の断面山形の爪を横列に列設したものであり、ま
た爪付きヘッド15も同様に複数の断面山形の爪を突設
したものである。しかも爪付きヘッド15はN極、S極
の何れか一方の極性を持つ磁石で成形してある。またラ
チェット板14はステータ11への通電によって、爪付
きヘッド15と同性に励磁するように構成している。
【0018】従って、ステータ11の電源を遮断するこ
とにより、爪付きヘッド15がスプリング16の付勢力
によって前進してラチェット板14に噛合して、扉体3
を不動に固定するものであり、一方ステータ11に通電
することによる磁励によって爪付きヘッド15が反発し
てスプリング16に抗して後退するものである。
【0019】図5と図6はラジアルゲートを示し、ヒン
ジ17を中心として上下に揺動する彎曲した扉体3を円
弧状の戸溝2に嵌めたもので、前記例と同様に戸溝2内
にステータ11を設け、扉体3にロータとなる側桁12
を備えるものである。
【0020】図7と図8は起伏ゲートを示し、扉体3の
下端部両側をヒンジ17で上下方向に揺動可能に設け、
扉体3の上端部両側部を円弧を描く戸溝2に係合したも
のであって、その戸溝2内にステータ11を備え、扉体
3の戸溝2に係合する部分にロータとなる側桁12を設
けたものである。
【0021】
【発明の効果】本発明による水門の扉体駆動装置によれ
ば、戸溝にリニアモータのステータを設け、扉体にロー
タとなる側桁を設けたものであるから、駆動装置が外部
に露出されず、騒音の発生がなく且つ水門の美観を向上
することができる。
【0022】また、回転による摺動部がないことから、
従来の駆動装置に比較して保守管理が大幅に節減され、
潤滑油などを使用する必要がないことから、自然環境を
悪化することがなく、環境保全を良好に保つことができ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水門の扉体駆動装置を示す横断面
図である。
【図2】本発明の駆動装置を備える水門の平面図であ
る。
【図3】本発明の駆動装置を示す斜視図である。
【図4】ロック手段を示す断面図である。
【図5】ラジアルゲートに本発明の駆動装置を設けた例
を略示した断面図である。
【図6】同じく要部の平面図である。
【図7】起伏ゲートに本発明の駆動装置を設けた例を略
示した断面図である。
【図8】同じく要部の平面図である。
【符号の説明】
1 構造体 2 戸溝 3 扉体 11 ステータ 12 側桁 13 ロック手段 14 ラチェット板 15 爪付きヘッド 16 スプリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉体(3)の側部が嵌まる戸溝(2)の
    内面に、リニアモータのステータ(11)を水密を保っ
    て固着し、扉体(3)の戸溝(2)内に嵌まる側部にリ
    ニアモータのロータとなる側桁(12)を設けているこ
    とを特徴とする水門の扉体駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水門の扉体駆動装置に
    おける戸溝(2)と側桁(12)間に、リニアモータの
    起動時の磁力によって反発し開放され、リニアモータの
    停止時に係止するロック手段(13)を設けていること
    を特徴とする水門の扉体駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記ロック手段(13)は、戸溝(2)
    の扉体(3)側面と対面する面に固着したラチェット板
    (14)と、扉体(3)側面に設けた爪付きヘッド(1
    5)で構成し、該爪付きヘッド(15)はリニアモータ
    の起動時の磁力でラチェット板(14)より後退し、リ
    ニアモータの停止時にスプリング(16)によってラチ
    ェット板(14)に向かって付勢して係止可能に形成し
    ていることを特徴とする請求項2に記載の水門の扉体駆
    動装置。
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