JPH10183236A - 真空熱処理炉 - Google Patents

真空熱処理炉

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JPH10183236A
JPH10183236A JP34614296A JP34614296A JPH10183236A JP H10183236 A JPH10183236 A JP H10183236A JP 34614296 A JP34614296 A JP 34614296A JP 34614296 A JP34614296 A JP 34614296A JP H10183236 A JPH10183236 A JP H10183236A
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JP
Japan
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furnace
motor
casing
heat treatment
cooling fan
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP34614296A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Nakamu
栄治 中務
Masao Takeda
正夫 武田
Ippei Yamauchi
一平 山内
Kaoru Nishimura
薫 西村
Shuichi Otani
秀一 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Mectem Inc
Original Assignee
Shimadzu Mectem Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉の機能を損なうことなく、モータを放電を生
じさせることなく立ち上げ、炉内への冷媒導入と同時に
送風を開始できるようにする。 【解決手段】冷却ファン5を駆動するモータ8のケーシ
ング81を、炉1に設けた貫通部1cを閉止するように
炉1の外壁に密着させて配置し、そのモータ8のシャフ
ト82を炉1の貫通部1cとの間に設けた非真空シール
部83を介して炉1内の冷却ファン5を駆動し得る位置
に挿入するとともに、モータケーシング81に窒素ガス
を導くためのガス導入系路9を設けたので、真空シール
のような漏れを生じることなく、また放電を伴うことな
く、モータ8を有効に立ち上げて、焼き入れ処理を効果
的に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理の後半に炉
内の急速冷却等を効果的に行い得るようにした真空熱処
理炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】焼き入れ処理等を行う真空熱処理炉は、
熱処理を終えた後に炉内に導入される冷媒を送風するた
めの冷却ファンと、炉内雰囲気中に置かれたビルドイン
モータとを備えている。この場合、冷却ファンを駆動す
るモータを0.1〜100Torrの低真空中で作動さ
せると、モータ内部において放電が発生する傾向が高い
ため、従来より焼き入れ処理等を行う場合には、加熱終
了後に冷媒を導入し、炉内の圧力がある程度以上になっ
て始めてモータを始動するようにしている。このため、
冷却ファンが最大限の冷却能力を発揮する回転数に達す
るまで冷却が遅延し、焼き入れ処理の性能低下が避けら
れないという問題がある。
【0003】そこで、このような不具合を解消するため
に、炉外にモータを配置し、冷却ファンのシャフトを炉
を貫通させて炉内に挿入し、その貫通部に真空シールを
用いることでモータケーシング内を大気雰囲気下に置い
たものが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、真空シ
ールは劣化等により漏れを生じ易く、また少しでも漏れ
始めると炉内の真空度が劣化し、その結果、処理物の酸
化や炉材の消耗等の不具合が生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、この種の真空熱処理炉としての一般
的構成を備えてなるものにおいて、冷却ファンを駆動す
るモータのケーシング又はカバーを、炉に設けた貫通部
を閉止するように炉の外壁に密着させて配置し、そのモ
ータの軸に直結するシャフトを前記炉の貫通部との間に
設けた非真空シール部を介して炉内の冷却ファンを駆動
し得る位置に挿入するとともに、前記モータケーシング
又はカバー内に不活性ガスを導くための専用のガス導入
系路を設けたことを特徴とする。
【0006】このような構成により、モータを起動する
前或いはモータへの通電を一旦停止した後に、モータケ
ーシング内にガス導入系路を通じて不活性ガスを導入
し、モータケーシング内が所定圧力以上になったときに
モータを起動若しくは再通電するようにすれば、モータ
ケーシング内における放電を有効に回避することができ
る。そして、モータが有効な回転数に達した状態で冷媒
導入系路を通じ炉内に冷媒が導入されるようにしておけ
ば、冷媒の導入と同時に送風を開始することができ、有
効な焼き入れ処理等を行うことが可能になる。しかも、
炉貫通部は非真空シール構造であるため、真空シールの
ような劣化を伴うことがなく、真空炉としての適正な機
能を保持することができる。勿論、このような非真空シ
ール構造下にモータケーシング内に不活性ガスが導入さ
れても、ケーシングから非真空シール部を介して炉内に
リークするガス量は少量であり、また排気系により排気
されるため、急速冷却効果の実効が損なわれるような不
具合を伴うことはない。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図4を参
照して説明する。この真空熱処理炉は、図1に示すよう
に、炉1内を真空排気する排気系2と、炉1内に装入さ
れた処理物Wを加熱する加熱手段3と、加熱後の炉1内
に冷媒たる窒素を導入する冷媒導入系路4と、モータ8
の駆動によって導入された窒素を処理物Wに向かって送
風する冷却ファン5と、前記モータ8のケーシング81
内に不活性ガスたる窒素ガスを導入する専用のガス導入
系路9とを具備している。
【0008】具体的に説明すると、炉1は、円筒体状を
なす断熱本体11と、この断熱本体11の両開口端を蓋
封する断熱蓋12、13とを内有している。断熱本体1
1及び断熱蓋12、13は、例えばグラファイトフェル
ト等によって作られたもので、内部に熱処理空間S1を
閉成しており、この熱処理空間S1に処理物Wを装入す
るために一方の断熱蓋12が炉1の一端に設けた処理物
出入用の扉1aとともに断熱本体11の開口部に対して
開閉可能とされている。この断熱蓋12、13は冷却時
に開閉用シリンダ16によって駆動されて開閉する。ま
た、断熱本体11と炉1の間には、ガイド14によって
部分的に仕切られたガス冷却空間S2が形成してあり、
このガス冷却空間S2の一部に熱交換器15を配設して
いる。このガス冷却空間S2は、断熱蓋12、13を開
成した際に熱処理空間S1と連通する。
【0009】排気系2は、この実施例ではメカニカルブ
ースタポンプ21と油回転真空ポンプ22とを直列に接
続した構造からなるもので、バルブ23を介して炉1内
に断接切替可能に接続されている。加熱手段3は、処理
物を熱処理に応じた温度(例えば千度程度)に加熱でき
る能力を備えたグラファイトヒータなどから構成される
もので、前記熱処理空間S1の内部であって処理物Wを
取り巻く位置に配設されている。
【0010】冷媒導入系路4は、熱処理を終えた炉内の
熱処理空間S1に冷媒たる窒素ガスを送り込むためのも
ので、窒素ボンベ7の液相部をノズル6を介して断熱本
体11の内側の熱処理空間S1の中央部に直接連通させ
ている。この冷媒導入系路4の途中にはバルブ41が介
設され、液体窒素をノズル6を介して熱処理空間S1に
導入するようになっている。
【0011】冷却ファン5は、前記ガス冷却空間S2の
熱交換器15に臨む位置に配設されるとともに、そのシ
ャフト82が炉1を貫通して炉外のモータ8の軸に連結
されている。そして、このモータ8の駆動により、前記
ガス冷却空間S2に存在するガスを炉心方向から吸い込
んで、ラジアル方向に吐出する作用を営むようになって
いる。このとき断熱蓋12、13を開成させておくこと
で、吐出されたガスは、冷却空間S2を流れた後、一方
の断熱蓋12と断熱本体11との隙間を介して熱処理空
間S1に流入し、処理物Wに向かって送風された後、他
方の断熱蓋13と断熱本体11との隙間を通って再び熱
交換器15が配置された冷却空間S2に還流するように
なっている。以下、この系路をガス循環系路と称する。
【0012】前記モータ8を収容してなるケーシング8
1は、図2に示すように、開口端側にフランジ部81a
を有したもので、炉1に設けた貫通部1cを閉止するよ
うに炉1の外壁に密着させて配置されている。そして、
このモータ8の軸に直結されたシャフト82を前記炉1
の貫通部1cとの間に設けた非真空シール部83(ラビ
リンスシールやメカニカルシールや軸径にマッチした開
孔板など)を介して炉1内の冷却ファン5を駆動し得る
位置に挿入している。
【0013】ガス導入系路9は、一端を前記窒素ボンベ
7の気相部に接続し、他端を弁91を介して前記モータ
ケーシング81内に接続してなるもので、弁91の開閉
操作を通じて選択的に窒素ボンベ7内の窒素ガスをモー
タケーシング81内に導入し得るようにしている。な
お、このガス導入系路9の弁91とモータケーシング8
1との間は、等圧弁92aを有する連通路92を介して
炉1内の冷却空間S2に連通されている。
【0014】次いで、この真空熱処理炉における熱処理
プロセスを図3及び図4に沿って説明する。加熱時は断
熱本体11の開口端を蓋12、13により蓋封し熱処理
空間S1を閉止することによって行い、処理物Wに対す
る加熱を進行させる。加熱完了後、弁92aを閉にした
状態で弁91を開き、ガス導入系路9を通じてモータケ
ーシング81内に窒素ボンベ7の気相部から窒素ガスを
導入する。ケーシング内圧が約200Torrに達した
ら、モータ8を起動し、数十秒で100%の回転数に到
達させる。この間、非真空シール部83を通じて炉1内
へガスのリークがあるが、その量は少量である上に、炉
1内は排気系2を通じて排気されていることもあって、
炉1の内圧昇圧は精々1〜2Torr程度であり、冷却
ファン5が回転していても冷却効果はない。冷却ファン
5が100%の回転状態になるのを待って、弁23を閉
じ、弁41を開けて、窒素ボンベ7内の液体窒素を処理
空間S1に直接導入し、処理物Wを支持するバスケット
等に向けて噴出する。このとき、両蓋12、13を開成
させておくことにより、窒素ガスは上述したガス循環系
路を循環し始め、これにより炉1内に急激な風が発生し
て、処理物Wに対する急冷を極めて効果的に行うことと
なる。なお、炉内圧が200Torr以上になったとこ
ろで、等圧弁92aを開け、モータケーシング81内と
炉1内とを連通路92を介し連通させて両者の差圧を無
くす。窒素ガスの加圧は約6kgf/cm2まで数秒で
行われる。
【0015】以上のようにすれば、モータ8を低真空若
しくはそれに近い状態で起動することがなくなるので、
モータケーシング81内における放電を有効に回避する
ことができる。そして、モータ8が有効な回転数に達し
た状態で冷媒導入系路4を通じ炉1内に窒素を導入する
ので、窒素導入と同時に送風を開始することができ、有
効な焼き入れ処理を行うことが可能になる。しかも、炉
貫通部1cは非真空シール83により概略シールされて
いるだけであるため、真空シールのような劣化を伴うこ
とがなく、真空炉としての適正な機能を保持することが
可能となる。なお、このような非真空シール構造下にモ
ータケーシング81内に窒素ガスを導入しても、ケーシ
ング81から非真空シール部83を介して炉1内にリー
クするガス量は微量であるため、急速冷却効果の実効が
損なわれるような不具合がなく、冷却開始点(図2にお
ける矢印A部)のエッジを出して焼き入れ処理の実効を
図ることができる。
【0016】勿論、本実施例はこのような液体窒素の導
入及び導入後の気化を通じて、短時間のうちに炉1内を
急速冷却に適した高圧ガス雰囲気にし、同時にその際の
気化熱も有効利用することができるので、上記A点にお
ける焼き入れ処理の性能を更に有効に高めることができ
るものである。なお、この実施例では、強制冷却を行っ
た後に冷却ファン5を停止し、断熱蓋12、13を閉止
し、引き続き炉1内に冷媒導入系路4から液体窒素を導
入して、処理物Wを一定時間略−80°Cに保つサブゼ
ロ処理を実施するようにしている。これにより、強制冷
却後に処理物Wに残留するオーステナイトをマルテンサ
イトに変態させることができ、処理物Wの硬度を増加さ
せると同時に、その後に行われる焼き戻し工程後の金属
組織の安定化を極めて容易かつ有効に行って、最終製品
の品質を更に有効に向上させることが可能となっている
ものである。
【0017】なお、各部の具体的な構成や手順は、上述
した各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨
を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、上
記実施例ではモータケーシング81内に窒素ガスを導入
し、所定圧以上になった時点で始めてモータ8を起動
し、ファン5を回転させるようにしているが、図5に示
すように、予めモータ8を放電の起こらない高真空下で
起動してファン5を100%の回転状態にしておき、一
旦モータ8への通電を停止し、この間にケーシング81
内に窒素ガスを導入して、ケーシング内圧が所定圧に達
した時点でモータ8に対する通電を再開してもよい。ま
た、ケーシング81内に導入する不活性ガスは、窒素ガ
スに限定されるものではない。
【0018】
【発明の効果】本発明の真空熱処理炉は、以上説明した
ような構成であるから、モータを放電を生じさせること
なく立ち上げ、有効な回転数に達した時点で冷媒導入系
路を通じ炉内に冷媒を導入して、冷媒の導入と同時に送
風を開始することができる。このため、焼き入れ処理等
の実効を高めることが可能となる。しかも、炉貫通部を
非真空シール構造としておくことで、真空シールのよう
な劣化を伴うことがなく、真空炉としての適正な機能を
保持することができる。勿論、本発明のシールは真空シ
ールに比べて安価に採用でき、またファンが真空下で起
動されるため、起動時の電力が軽減される。さらに、モ
ータがビルドイン式のものであるため炉全体のコンパク
ト化も図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略的な縦断面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】同実施例の全体工程説明図。
【図4】同実施例の急冷時の手順を示す図。
【図5】本発明の他の実施例を示す図4に対応した図。
【符号の説明】
W…処理物 1…炉 1c…貫通部 2…排気系 3…加熱手段 4…冷媒導入系路 5…冷却ファン 8…モータ 9…ガス導入系路 81…ケーシング 82…シャフト 83…非真空シール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 薫 滋賀県大津市月輪一丁目8番1号 島津メ クテム株式会社内 (72)発明者 大谷 秀一 滋賀県大津市月輪一丁目8番1号 島津メ クテム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉内を真空排気する排気系と、炉内に装入
    された処理物を加熱する加熱手段と、加熱後の炉内に冷
    媒を導入する冷媒導入系路と、導入された冷媒を処理物
    に向かって送風する冷却ファンとを具備してなるものに
    おいて、 前記冷却ファンを駆動するモータのケーシング又はカバ
    ーを、炉に設けた貫通部を閉止するように炉の外壁に密
    着させて配置し、そのモータの軸に直結するシャフトを
    前記炉の貫通部との間に設けた非真空シール部を介して
    炉内の冷却ファンを駆動し得る位置に挿入するととも
    に、前記モータケーシング又はカバー内に不活性ガスを
    導くための専用のガス導入系路を設けたことを特徴とす
    る真空熱処理炉。
JP34614296A 1996-12-25 1996-12-25 真空熱処理炉 Withdrawn JPH10183236A (ja)

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Legal Events

Date Code Title Description
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040302