JPH10183106A - 防曇用組成物 - Google Patents

防曇用組成物

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JPH10183106A
JPH10183106A JP35511896A JP35511896A JPH10183106A JP H10183106 A JPH10183106 A JP H10183106A JP 35511896 A JP35511896 A JP 35511896A JP 35511896 A JP35511896 A JP 35511896A JP H10183106 A JPH10183106 A JP H10183106A
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JP
Japan
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antifogging
fatty acid
fogging
hlb
decaglycerin
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JP35511896A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Sugino
美紀 杉野
Yoshinobu Mizutani
良信 水谷
Kazunori Oi
一徳 大井
Yoshibumi Yamazaki
義文 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工時の安定性に優れ、特に高湿度下に
おいても防曇効果の持続性に優れた防曇用組成物に提供
することを目的とする。 【解決手段】 ポリグリセリンの平均重合度が6以上で
あり、HLBが10以上であるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを用いることで上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂に防曇性
を付与するために用いられる防曇剤であり、従来の防曇
剤よりも成形加工時の安定性に優れ、特に高湿度下にお
いても防曇効果の持続性に優れた防曇用組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、合成樹脂は疎水性であるた
め、周囲の温度や湿度の変化によって表面に微細な水滴
が付き、曇りを生じるということが起こっている。曇り
を生じることにより、例えば食品容器などでは曇りによ
り内容物が見えなくなり、商品価値を減じるばかりでな
く、結露した水滴が収納された食品に付着することによ
り変質を促進してしまうという問題が生じる。上記の問
題点を改良するためにソルビタン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどの界
面活性剤を樹脂に配合して、樹脂の表面に水滴が付着し
ないようにする方法が実用化されている(特公昭48−
31748号、特開昭56−32533号、特開昭49
−8540号公報等)。しかしながら、これら防曇剤を
樹脂に配合した場合、防曇剤の樹脂表面への浮き出しの
調整が困難であり、浮き出し性が強い場合には、べたつ
きを生じてシート同士が固着してしまうなどの問題が生
じ、十分満足するものではなかった。また、各種樹脂の
表面に防曇剤を塗布する方法も広く行われているが、こ
の場合、多くはシート化された樹脂の表面に防曇剤が塗
布され、その後、目的の形状に加熱成形されるため、処
理された防曇剤が加熱板に接触することにより剥離して
しまい、最終的に得られる成型品の防曇性が低下した
り、場合によっては全く防曇性を示さないことがある。
また、剥離した界面活性剤が加熱板に蓄積して固まり、
この蓄積物が成形されるシートに転写されて、最終的に
得られる成型品の外観を損ない、商品価値が著しく低下
するという問題も生じる。これらの問題を解決するため
に、2種以上の界面活性剤を用いる方法(特公昭59ー
19584)などが行われているが、防曇性、外観にお
いて十分満足するものではなく、特に高湿度雰囲気下に
おいての防曇効果の持続性については、十分満足される
ものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成樹脂に
防曇性を付与するために用いられる防曇剤であり、従来
の防曇剤よりも成形加工時の安定性に優れ、特に高湿度
下においても防曇効果の持続性に優れた防曇用組成物に
関するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリグリセリ
ンの重合度が6以上であり、HLBが10以上である、
ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種又は2種以上の混
合物を含有することを特徴とする防曇剤であり、上記課
題を効果的に解決できるとの知見に基づいてなされたも
のである。即ち、ポリグリセリンの重合度が6以上であ
り、HLBが10以上である、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルの1種又は2種以上の混合物を含有することを特
徴とし、成形加工時の安定性に優れ、特に高湿度下にお
いても防曇効果の持続性に優れた防曇用組成物に関する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
(1)ポリグリセリン脂肪酸エステル 本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルとは、例
えばポリグリセリンと脂肪酸とを反応して得られるエス
テルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルは食品添加
物であり、安全性の高いものである。ここで用いられる
ポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリンとは平
均重合度6以上のポリグリセリンである。ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルのポリグリセリンが平均重合度6より
小さい場合、樹脂表面へ防曇剤を塗布する際に、防曇剤
の濡れが悪くなってしまう。すなわち、防曇剤の親水基
部分が小さくなることにより、樹脂表面への防曇剤の溶
液の広がりが悪くなり、結果として塗りむらが生じてし
まい、期待する防曇効果を得ることができない。
【0006】ここでいうポリグリセリンの平均重合度と
は水酸基価に基づくものであり、以下の(1)式により
求められる。また、水酸基価とは、試料1gを無水酢酸
・ピリジン試液によりアセチル化するとき、水酸基と結
合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KO
H)のmg数で表され、以下の(2)式で求められる。 水酸基価 = (a−b)×28.053/試料の採取量(g) (2) a:空試験における0.5N水酸化カリウム溶液の消費
量(ml) b:本試験における0.5N水酸化カリウム溶液の消費
量(ml) (2)式により求められた水酸基価が971.4以下で
あれば、ポリグリセリンの平均重合度が6以上であると
いえる。
【0007】本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸
エステルのもう一方の原料として用いられる脂肪酸と
は、炭素数8〜22の飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸の
1種あるいは2種以上の混合物より選ばれる脂肪酸であ
り、例示すると、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレイン酸、ベ
ヘニン酸などが挙げられる。その中で好ましくは、炭素
数14〜22の飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸の1種あ
るいは2種以上の混合物より選ばれる脂肪酸であり、特
に好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸である。
【0008】上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ま
しいHLB(Hydorophile Lipophi
le Balance)は10〜18であり、特に好ま
しくは13.5〜17である。HLBが10未満である
と満足する防曇効果は得られず、またHLBが18以上
であると、樹脂表面から剥離しやすくなり、成形加工後
の効果が半減してしまう。ここでいうHLBとは、Gr
iffinの経験式から算出されるものであり、以下の
(3)式により求められる。 HLB = 20(1ーSV/NV) (3) SV:エステルのケン化価 NV:脂肪酸の中和価
【0009】上記原料を用いて合成されたポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを例示すると、ヘキサグリセリンカプ
リル酸エステル、ヘキサグリセリンカプリン酸エステ
ル、ヘキサグリセリンラウリン酸エステル、ヘキサグリ
セリンミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンパルミ
チン酸エステル、ヘキサグリセリンステアリン酸エステ
ル、ヘキサグリセリンベヘニン酸エステル、ヘキサグリ
セリンオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンリノール
酸エステル、ヘキサグリセリンリノレン酸エステル、デ
カグリセリンカプリル酸エステル、デカグリセリンカプ
リン酸エステル、デカグリセリンラウリン酸エステル、
デカグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリン
パルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エ
ステル、デカグリセリンベヘニン酸エステル、デカグリ
セリンオレイン酸エステル、デカグリセリンリノール酸
エステル、デカグリセリンリノレン酸エステル等を挙げ
ることができる。その中で特に好ましくは、ヘキサグリ
セリンミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンパルミ
チン酸エステル、ヘキサグリセリンステアリン酸エステ
ル、ヘキサグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセ
リンミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン
酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デ
カグリセリンオレイン酸エステルである。
【0010】上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造
方法は特に限定するものではないが、例えば、任意の脂
肪酸とポリグリセリンを、苛性ソーダなどの触媒を加え
て加熱下でエステル化反応することにより製造すること
ができる。反応は、常圧、減圧のどちらで行っても良
く、また、エステル化反応後、脱酸、脱触媒、脱色、脱
臭などの精製を行っても良い。その他、陰イオン界面活
性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤など
を併用することもできる。ここでいう陰イオン界面活性
剤とは、カルボン酸塩、硫酸エステル酸塩、スルホン酸
塩、リン酸エステル酸塩などのことであり、陽イオン界
面活性剤とは、アルキルアンモニウム塩などのことであ
る。また、両性イオン界面活性剤とは、同一分子中に、
アニオン基とカチオン基を有する活性剤で、具体的には
ドデシルジメチルアンモニオプロパンカルボキシラート
などのことである。
【0011】(2)合成樹脂 本発明の防曇剤組成物を使用する合成樹脂の例示として
は、次のような樹脂があげられる。低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジ
エン、ポリメチルペンテン−1、ポリブテン−1、およ
びこれらの共重合体などを含むポリオレフィン系樹脂、
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、例えばエチレン−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビリニデン共重合
体、塩化ビニル−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体に塩化ビニルをグラフトした共重合体など
を含む塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリフェニレンオキサイドやポリフェニレンサル
ファイドなどのエンジニアリングプラスチックなどの樹
脂のほかに、さらには各種ポリマーを1種以上ブレンド
したものも含まれる。これら合成樹脂の中では、低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。本発明の
合成樹脂は前記合成樹脂を基本としたものであるが、さ
らにその他に一般に用いられている合成樹脂用各種添加
剤、例えば可塑剤(DOP、DOA、ジイソノニルアジ
ペート、TCPなど)、安定剤、酸化防止剤、着色剤、
紫外線吸収剤、防かび剤などを配合することができる。
【0012】(3)添加方法 本発明の組成物の添加方法は特に限定されるものではな
いが、通常は溶媒に溶解させたものを表面に塗布して使
用される。例えば、本組成物を表面に塗布する場合は、
本組成物を溶媒に溶解調合して使用する。溶媒は有機溶
剤、水、アルコール類が好適であり、特に水が好まし
い。有機溶剤、アルコールなどを使用した場合は、防曇
加工時に溶媒が揮発するため、作業者の健康を害する恐
れがある。本発明の組成物は、例えば水100gに0.
01g〜30gを溶解して用いることができる。表面へ
の塗布量は上記のように調合された液体を固形分が0.
01〜2g/m2 となるようにするのが好ましい。ここ
で、固形分とは液体に溶解させたポリグリセリン脂肪酸
エステルのことを意味する。表面上に残る固形分の量が
0.01g/m2 以下であると、表面の防曇性が低下
し、2g/m2 以上であると表面がべたついてしまい好
ましくない。液体に溶解した組成物は、はけぬり、噴
霧、ロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフ
コーター、浸漬法などの方法により、合成樹脂の表面に
塗布され、ついで、これを常温あるいは加熱して乾燥し
て溶媒を除去することにより、防曇被膜を得ることがで
きる。
【0013】(4)防曇性 本発明における防曇性は、特に限定されるものではない
が、成形加工時の安定性に優れ、特に高湿度下において
も優れた効果の持続性を示すものである。例えば、合成
樹脂に塗布された後、成形加工にて120℃以上に加熱
された場合や、本発明における防曇剤を添加した疎水性
物質を高湿度の雰囲気下にて使用した場合にも防曇効果
を減ずることがなく、長時間防曇効果を発揮することが
可能である。また、本願発明品の防曇性は高温(60℃
〜90℃)条件下のみならず低温(0℃〜20℃)条件
下においても有効である。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 製造例1 1リットルの四つ口フラスコにヘキサグリセリン(水酸
基価=971)530gとカプリン酸170gを入れ、
窒素気流下で230℃、4時間反応し、ヘキサグリセリ
ンモノカプリン酸エステルを得た。このもののHLBは
15であった。 製造例2 1リットルの四つ口フラスコにヘキサグリセリン(水酸
基価=971)470gとミリスチン酸230gを入
れ、窒素気流下で240℃、4時間反応し、ヘキサグリ
セリンモノミリスチン酸エステルを得た。このもののH
LBは13であった。
【0015】製造例3 1リットルの四つ口フラスコにヘキサグリセリン(水酸
基価=971)430gとステアリン酸270gを入
れ、窒素気流下で250℃、3時間反応し、ヘキサグリ
セリンモノステアリン酸エステルを得た。このもののH
LBは10であった。 製造例4 1リットルの四つ口フラスコにデカグリセリン(水酸基
価=888)570gとカプリン酸130gを入れ、窒
素気流下で230℃、4時間反応し、デカグリセリンモ
ノカプリン酸エステルを得た。このもののHLBは16
であった。 製造例5 1リットルの四つ口フラスコにデカグリセリン(水酸基
価=888)540gとミリスチン酸160gを入れ、
窒素気流下で240℃、4時間反応し、デカグリセリン
モノミリスチン酸エステルを得た。このもののHLBは
15であった。
【0016】製造例6 1リットルの四つ口フラスコにデカグリセリン(水酸基
価=888)510gとステアリン酸190gを入れ、
窒素気流下で250℃、4時間反応し、デカグリセリン
モノステアリン酸エステルを得た。このもののHLBは
14であった。 製造例7 1リットルの四つ口フラスコにデカグリセリン(水酸基
価=888)370gとミリスチン酸330gを入れ、
窒素気流下で240℃、5時間反応し、デカグリセリン
トリミリスチン酸エステルを得た。このもののHLBは
10であった。 製造例8 1リットルの四つ口フラスコにジグリセリン(水酸基価
=1360)340gとカプリン酸360gを入れ、窒
素気流下で230℃、3時間反応し、ジグリセリンモノ
カプリン酸エステルを得た。このもののHLBは10で
あった。
【0017】製造例9 1リットルの四つ口フラスコにジグリセリン(水酸基価
=1360)290gとミリスチン酸410gを入れ、
窒素気流下で230℃、3時間反応し、ジグリセリンモ
ノミリスチン酸エステルを得た。このもののHLBは8
であった。 製造例10 1リットルの四つ口フラスコにヘキサグリセリン(水酸
基価=971)280gとミリスチン酸420gを入
れ、窒素気流下で240℃、4時間反応し、ヘキサグリ
セリントリミリスチン酸エステルを得た。このもののH
LBは7.5であった。 製造例11 1リットルの四つ口フラスコにデカグリセリン(水酸基
価=888)230gとステアリン酸470gを入れ、
窒素気流下で250℃、4時間反応し、デカグリセリン
ペンタミリスチン酸エステルを得た。このもののHLB
は5であった。
【0018】本発明の実施例と比較例における防曇試験
は下記の通りである。 実施例1〜7 製造例1〜7のポリグリセリン脂肪酸エステルを水に加
温溶解させ1%(w/w)の防曇剤水溶液を調整した。
この防曇剤水溶液をポリスチレン樹脂シート(厚さ0.
1mm)の片面にスプレー法にて塗布し、乾燥し、シー
ト表面の固形分の量を第1表に示した割合の防曇化され
たポリスチレン樹脂シートを得た。また、この防曇化さ
れた樹脂シートを原料として、加熱板により150℃に
加熱し、200mm×130mm×30mmの弁当箱の
蓋様の容器を、防曇処理面が内側になるようにして成形
した。この防曇化されたポリスチレン樹脂シートについ
ての防曇試験結果、およびこのシートを原料とした成型
品についての防曇試験した結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】(防曇試験) 1)シートについての防曇試験 1ーa 高温での防曇試験 500mlのビーカーに水300mlを入れ、恒温漕中
でビーカー内の温度を80℃に保持し、ビーカーの上面
を防曇剤組成物を添加した樹脂のシートで覆い、1時間
おいた。水蒸気がシートの表面に凝結する状況を肉眼で
観察した。 判定基準 ○:フィルムの表面が均一に濡れ、曇りなし △:小さな水滴が目立ち、半分程度が曇っている ×:全面に微細な水滴があり、全体が曇っている 1−b 低温での防曇試験 500mlのビーカーに水300mlを入れ、恒温漕中
でビーカー内の温度を5℃に保持し、ビーカーの上面を
防曇剤組成物を添加した樹脂のシートで覆い、3日間お
き、水滴がシートの表面に凝結する状況を肉眼で観察し
た。判定基準は、1−aの場合と同様とした。
【0021】2)成型品についての防曇試験 2ーa 高温での防曇試験 防曇化されたシートを用いて成形した蓋様の容器を、水
を入れた容器に、防曇処理面が内側になるようにかぶ
せ、恒温漕中で容器内の水の温度が80℃になるよう保
持して1時間おき、水滴が成型品の内側に凝結する状況
を肉眼で観察した。判定基準は、1−aの場合と同様と
した。 2−b 低温での防曇試験 防曇化されたシートを用いて成形した蓋様の容器を、水
を入れた容器に、防曇処理面が内側になるようにかぶ
せ、恒温漕中で容器内の水の温度が5℃になるよう保持
して1時間おき、水滴が成型品の内側に凝結する状況を
肉眼で観察した。判定基準は、1−aの場合と同様とし
た。
【0022】比較例1〜4 製造例8〜11のポリグリセリン脂肪酸エステルを用い
た以外は、実施例1と同様に行い、防曇化されたポリス
チレン樹脂シート、および防曇化されたポリスチレン樹
脂シートを用いた成型品を得た。この防曇化されたポリ
スチレン樹脂シート、および成型品についての防曇試験
した結果を表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】比較例5 ショ糖ラウリン酸エステル(HLB=15)を用いた以
外は、実施例1と同様に行い、防曇化されたポリスチレ
ン樹脂シート、および防曇化されたポリスチレン樹脂シ
ートを用いた成型品を得た。この防曇化されたポリスチ
レン樹脂シート、および成型品についての防曇試験した
結果を表2に示した。
【0025】比較例6 ソルビタンオレイン酸エステル(HLB=5)を用いた
以外は、実施例1と同様に行い、防曇化されたポリスチ
レン樹脂シート、および防曇化されたポリスチレン樹脂
シートを用いた成型品を得た。この防曇化されたポリス
チレン樹脂シート、および成型品についての防曇試験し
た結果を表2に示した。 比較例7 グリセリンオレイン酸エステル(HLB=4)を用いた
以外は、実施例1と同様に行い、防曇化されたポリスチ
レン樹脂シート、および防曇化されたポリスチレン樹脂
シートを用いた成型品を得た。この防曇化されたポリス
チレン樹脂シート、および成型品についての防曇試験し
た結果を表2に示した。
【0026】比較例8 ショ糖ラウリン酸エステルとソルビタンオレイン酸エス
テルのエチレンオキサイド付加物の5:1(重量比)混
合物(HLB=12)を用いた以外は、実施例1と同様
に行い、防曇化されたポリスチレン樹脂シート、および
防曇化されたポリスチレン樹脂シートを用いた成型品を
得た。この防曇化されたポリスチレン樹脂シート、およ
び成型品についての防曇試験した結果を表2に示した。 実施例8〜14 比較例9〜16 ポリエチレンテレフタレート樹脂のシートを用いた以外
は実施例1〜7および比較例1〜8と同様の方法にて防
曇試験を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】実施例15〜21 比較例17〜24 ポリプロピレン樹脂のシートを用いた以外は実施例1〜
7および比較例1〜8と同様の方法にて防曇試験を行っ
た。結果を表5及び表6に示す。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】実施例22〜28 比較例25〜32 低密度ポリエチレン樹脂のシートを用いた以外は実施例
1〜7および比較例1〜8と同様の方法にて防曇試験を
行った。結果を表7及び表8に示す。
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】本発明における実施態様を示すと、以下の
ことが挙げられる。 (1)ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを
特徴とする防曇剤組成物。 (2)ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが10以
上の1種または2種以上の混合物である前記(1)項に
記載の防曇剤組成物。 (3)ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが13.
5以上の1種または2種以上の混合物である前記(1)
項に記載の防曇剤組成物。 (4)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、重合度6以上
のポリグリセリンと炭素数8〜22の飽和脂肪酸および
不飽和脂肪酸のエステルよりなる1種または2種以上の
混合物である前記(1)項に記載の防曇剤組成物。 (5)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、重合度6以上
のポリグリセリンと炭素数14〜22の飽和脂肪酸およ
び不飽和脂肪酸のエステルよりなる1種または2種以上
の混合物である前記(1)項に記載の防曇剤組成物。
【0036】(6)合成樹脂の表面へ塗布することを特
徴とする、合成樹脂への防曇性付与方法。 (7)合成樹脂表面に固形分が0.01〜2g/m2
範囲となるように塗布して使用することを特徴とする前
記(6)項に記載の防曇性付与方法。 (8)溶剤に溶解し、合成樹脂表面に固形分が0.01
〜2g/m2 の範囲となるように塗布して使用すること
を特徴とする前記(6)項に記載の防曇性付与方法。 (9)水に溶解し、合成樹脂表面に固形分が0.01〜
2g/m2 の範囲となるように塗布して使用することを
特徴とする前記(6)項に記載の防曇性付与方法。 (10)成形加工時の剥離が少ないポことを特徴とす防
曇剤組成物。
【0037】(11)ポリグリセリン脂肪酸エステルを
含有することを特徴とする前記(10)項に記載の防曇
剤組成物。 (12)無毒で安全であることを特徴とする食品容器用
防曇剤組成物。 (13)ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有すること
を特徴とする前記(12)項に記載の食品容器用防曇剤
組成物。 (14)塗布により防曇性を付与する物質が合成樹脂で
ある前記(1)項に記載の防曇剤組成物。 (15)塗布により防曇性を付与する物質が熱可塑性樹
脂より選ばれる1種または2種以上である前記(1)項
に記載の防曇剤組成物。 (16)塗布により防曇性を付与する物質が低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
エチレンテレフタレートなどより選ばれる1種または2
種以上である前記(1)項に記載の防曇剤組成物。
【0038】(17)塗布により防曇性を付与する物質
が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリエチレンテレフタレートなどより選ばれる
1種または2種以上である前記(6)項に記載の防曇性
付与方法。 (18)塗布により防曇性を付与する物質が低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
エチレンテレフタレートなどより選ばれる1種または2
種以上である前記(10)項に記載の防曇剤。 (19)塗布により防曇性を付与する物質が低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
エチレンテレフタレートなどより選ばれる1種または2
種以上である前記(12)項に記載の食品容器用防曇
剤。
【0039】
【発明の効果】上記結果より明らかなように、本発明の
防曇剤を合成樹脂に塗布した場合、合成樹脂表面に生じ
る曇りは解消される。また、その性能は、加熱成形加工
後も安定して防曇効果を発揮するものであり、特に高湿
度下においても優れた効果の持続性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/00 C09D 5/00 Z 7/12 7/12 Z (72)発明者 山崎 義文 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリグリセリンの平均重合度が6以上で
    あり、HLBが10以上である、ポリグリセリン脂肪酸
    エステルを含有することを特徴とする防曇用組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011089084A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Taiyo Kagaku Co Ltd ポリ乳酸系樹脂組成物及びそれよりなる成形体
CN112210202A (zh) * 2020-10-15 2021-01-12 临安市助剂化工有限公司 一种农膜流滴剂及其制备工艺

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CN112210202B (zh) * 2020-10-15 2022-05-20 临安市助剂化工有限公司 一种农膜流滴剂及其制备工艺

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